JP4721511B2 - 櫛付きキャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、容器本体に充填された頭髪染色液を、容器本体から頭髪に直接塗布するための櫛付きキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
容器内に溜められている頭髪染色液を、頭髪に直接塗布できるように、容器のキャップに櫛を設けた櫛付きキャップが広く使用されている。例えば特開平10−137029号公報、特開平9−23922号公報などに開示されている櫛付きキャップでは、一列に列設した櫛体の各中間部に注出口を形成し、この注出口から液剤を注出可能にしている。
【0003】
また、特開平8−196331号公報には、櫛体の両側にブラシを着脱可能に設けた櫛付きキャップが開示されている。この従来の技術では、液剤を充填した容器に取付けた櫛体から液剤が吐出され、頭髪の一部にポイント状に塗布する際には櫛体のみを使用し、また頭髪全体に塗布する際にはブラシを装着して使用するというものである。このため、櫛体の両側にブラシを着脱可能に並設して、櫛体から注出された液剤が、さらにブラシによって梳かれて、頭髪全体に分散して塗布することができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来から広く使用されている櫛付きキャップでは、櫛体を一列に列設するのみであるために、頭髪を梳いただけでは注出口から注出された液剤が十分に分散して頭髪に塗布できなかった。また、特開平8−196331号公報に示された櫛付きキャップでは、頭皮に対して櫛体を当てる角度を定めることができないために、頭髪を梳く際に、櫛体の角度が変わると色むら、特に毛の根本に近い部分で色むらを生じるおそれがあり、使用者は櫛体を頭皮に対して直角に維持しながら梳く必要があった。
【0005】
そこで、本発明では、主櫛歯片の両側にその先端が同じ高さとされた副櫛歯片を列設して、この両副櫛歯片を頭皮に当てれば、主櫛歯片を頭皮に直角に角度決めすることができるようにしている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、列設された主櫛歯片には、容器本体内に連通して主櫛歯の側面に隣接する該主櫛歯片に向けて開口する注出口が設けられ、また、主櫛歯片の両側にその先端が同じ高さとされた副櫛歯片が列設されるとともに、副櫛歯片が、列設された主櫛歯片に対してそれぞれに直交する方向に設けられている
これにより、両副櫛歯片を頭皮に当接すれば、頭皮に対して主櫛歯片が直角に維持され、頭髪を梳くことができる。
【0007】
請求項2の発明では、容器本体に取付けられるキャップ体と、主櫛歯片と副櫛歯片とを設けた櫛体をそれぞれ一体成形しているこれにより、櫛付きキャップが容易に製造できる。
【0008】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明では、列設された主櫛歯片には、容器本体内に連通して主櫛歯の側面に隣接する該主櫛歯片に向けて開口する注出口が設けられ、また、主櫛歯片の両側にその先端が同じ高さとされた副櫛歯片が列設されるとともに、副櫛歯片が、列設された主櫛歯片に対してそれぞれに直交する方向に設けられていることにより、使用者が容易かつ均一に頭髪染色液を塗布することができるという効果を奏する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を頭髪染色液を充填する容器に適用した一実施例を図1〜図4を参照して説明する。
この実施例では、有底筒状とされた容器本体1の広口の口縁1aの外周に雄ねじ部1bが形成されている。この口縁1aに櫛付きキャップ2が密閉状に取付けられている。
【0010】
櫛付きキャップ2は、円筒状のキャップ体20と、このキャップ体20に嵌着される櫛体30とにより構成され、それぞれがプラスチックの一体成形により形成されている。図1、2に示すように、キャップ体20の内周には口縁1aの雄ねじ部1bに外螺合する雌ねじ部が設けられ、また、キャップ体20の頂面内側には、円形のキャップリブ23が突出形成されて、容器本体1に螺合した際にその口縁1aの先端がこのキャップ体20とキャップリブ23とにより弾接して、頭髪染色液の液漏れが防止されている。また、筒部21の頂面に長方形の取付枠22が一体形成されている。この取付枠22の外周下部にはフランジ24が設けられるとともに、その中間部位の外周に漏れ防止リブ25(図3参照)が設けられている。
【0011】
櫛体30は、その下部に形成した取付ベース31とこの取付ベース31の上面に一体成形により立設した主櫛歯片32と副櫛歯片33とにより構成されている。
図3に示すように、取付ベース31は、その下面側が取付枠22に外嵌可能な略長方枠からなり、この長方形枠の内側にベースリブ31aが突出形成されて(図1参照)、取付枠22に嵌合した際に取付枠22の先端がこの取付ベース31とベースリブ31aとの間に密着弾接し、また、取付ベース31の下端面がフランジ24に当接して液剤の液漏れを防止して取付固定される。
【0012】
この取付ベース31の上面中央に薄肉の平板状の5本の主櫛歯片32が立設され、この5本の主櫛歯片32の両側に同形の端部主櫛歯片32c、32dが立設されて、合計7本により主櫛歯列が形成されている。各主櫛歯片32は、図3に示すように、その内部に容器本体1内に連通する連通孔32aが取付ベース31の下面から略3/4の高さ位置まで形成されている。そして、この連通孔32aの先端が、主櫛歯片32の側面、すなわち、隣接する主櫛歯片32に向けて注出口32bが開口している。これによって、容器本体1内の頭髪染色液が、主櫛歯片32の各片間に注出される。なお、主櫛歯列の最も外側に位置する端部主櫛歯片32c、32dには、連通孔32aが設けられておらず、ここから頭髪染色液が流れ出ることはないようにされている。また、この主櫛歯列の両側に副櫛歯片33を列設した副櫛歯列が立設されている。
【0013】
各副櫛歯片33は、図4に示すように、先細りの円形断面の柱状とされ、主櫛歯列の方向に対して主櫛歯片32を設けた位置と直交する位置にそれぞれ7本が立設されている。これにより、頭髪を梳く際に、副櫛歯片33が大きな抵抗とならないでスムーズに梳くことを可能にしている。また、副櫛歯片33の櫛先は主櫛歯片32と同じ高さに揃えられていて、両副櫛歯片の先端を頭皮に当接することにより、主櫛歯片32を頭皮に対して垂直方向に位置決めすることが可能になる。
【0014】
上記構成からなる実施例の櫛付きキャップ2を使用して頭髪に毛染め料などの液剤を塗布する場合について説明する。使用者は容器本体1を持ち、塗布する部位で、主櫛歯片32の両側に設けた副櫛歯33,33の先端を頭皮に当接する。これにより、主櫛歯片32が頭皮に対して直角方向に位置決めされる。そして、容器本体1内の毛染め料を注出口32bから注出しながら頭髪を梳いていく。注出口32bは、各主櫛歯片32に向けて設けられているために、主櫛歯片32の間に溜められる。この主櫛歯片32の間に溜まった液剤は、梳かれた頭髪に付着して主櫛歯片32から離れていく。そしてさらに副櫛歯片33により延ばされて分散して頭髪に付着する。
【0015】
以上説明したように、この実施例における櫛付きキャップ2は、キャップ体20と、このキャップ体20に取付けられる櫛体30が別体とされ、さらにそれぞれがプラスチックの一体成形品であるためにその製造が容易である。
【0016】
なお、この実施例では、主櫛歯片32と副櫛歯片33の櫛先を同じ高さにした例を示しているが、副櫛歯片33を僅かに高くして実施することもできる。
また、各副櫛歯片33を、主櫛歯列の方向に対して主櫛歯片32を設けた位置と直交する位置に立設しているが、かならずしも直交する方向に設ける必要はなく、例えば、主櫛歯片32と主櫛歯片32との中間位置に設けることもできる。この構成により、頭髪を梳く際に、副櫛歯片33による抵抗が大きくなるが、液剤を分散させる作用を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 縦断正面図
【図2】 縦断側面図
【図3】櫛付きキャップの分離斜視図
【図4】平面図
【符号の説明】
1…容器本体
2…櫛付きキャップ
20…キャップ体
30…櫛体
32…主櫛歯片
32a…連通孔
32b…注出口
33…副櫛歯片

Claims (2)

  1. 頭髪染色液を充填した容器本体の口縁部に取付けられる櫛付きキャップにおいて、
    列設された主櫛歯片には、前記容器本体内に連通して該主櫛歯の側面に隣接する該主櫛歯片に向けて開口する注出口が設けられ、また、前記主櫛歯片の両側にその先端が同じ高さとされた副櫛歯片が列設されるとともに、該副櫛歯片が、列設された該主櫛歯片に対してそれぞれに直交する方向に設けられていることを特徴とする櫛付きキャップ。
  2. 容器本体に取付けられるキャップ体と、主櫛歯片と副櫛歯片とを設けた櫛体をそれぞれ一体成形していることを特徴とする請求項1記載の櫛付きキャップ。
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