JP4720182B2 - 高い研磨速度を示す微粒αアルミナの製造方法 - Google Patents

高い研磨速度を示す微粒αアルミナの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は高い研磨速度を示す微粒αアルミナの製造方法に関する。
微粒のαアルミナはαアルミナ分を主成分とするアルミナ〔Al23〕の微細な粒子であって、研磨剤として広く用いられている。かかる微粒αアルミナの製造方法として、特許文献1〔特開2003−277048号公報〕には、アルミニウム塩、アルミニウムアルコキシドなどのαアルミナ前駆体をそのまま焼成する方法が開示されている。同文献に記載の方法によれば、高いα化率で、十分に小さな粒子径で、研磨剤として使用しうる微粒αアルミナを製造することができる。
しかし、研磨剤として使用される微粒αアルミナには、高いα化率および小粒子径であることと共に、より高い研磨速度を示すものが求められている。
特開平2003−277048号公報
そこで本発明者は、α化率が高く、十分に小さい粒子径で、研磨速度の高い微粒αアルミナを製造する方法を開発し得るべく鋭意検討した結果、粉末状非晶質中間アルミナと共に塩分解性塩を含む粉末混合物を加熱して、この塩分解性塩を塩分解したのち、水蒸気分圧600Pa以下の雰囲気下で1000℃以下の温度で焼成すれば、高いα化率で、粒子径が小さく、しかも、より高い研磨速度を示す微粒αアルミナが得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、粉末状非晶質中間アルミナおよび塩分解性塩を含む粉末混合物を前記粉末状非晶質中間アルミナがα化しない温度に加熱して前記塩分解性塩を塩分解し、
次いで水蒸気分圧600Pa以下の雰囲気下で、前記粉末状非晶質中間アルミナがα化しうる温度にて焼成することを特徴とする微粒αアルミナの製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法により得られる微粒αアルミナは、高いα化率を示し、粒子径が小さいほか、高い研磨速度を示す。
本発明の製造方法で使用される粉末状非晶質中間アルミナとは、非晶質のアルミナを主成分とする粉末であって、例えば粉末状のアルミニウム加水分解物が挙げられる。アルミニウム加水分解物は、アルミニウム化合物の溶液を加水分解して得られるものである。
アルミニウム化合物としては、例えばアルミニウム塩が挙げられる。アルミニウム塩とは、アルミニウムと酸との塩であって、酸としては、例えば硝酸、硫酸、炭酸、塩酸などの無機酸、シュウ酸、酢酸、ステアリン酸、乳酸、ラウリン酸などの有機酸などが挙げられる。アルミニウム塩として具体的には、硝酸アルミニウム、硝酸アルミニウムアンモニウムなどのアルミニウム硝酸塩、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウムなどのアルミニウム硫酸塩、炭酸アルミニウム、炭酸アルミニウムアンモニウムなどのアルミニウム炭酸塩、アンモニウムみょうばん、塩化アルミニウムなどのアルミニウム無機塩が挙げられる。またシュウ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウムなどのアルミニウム有機塩なども挙げられる。これらのアルミニウム塩は水に溶解して水溶液となる。この水溶液は通常、酸性を示すので、この水溶液に、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなどの塩基を加えることで、加水分解によりアルミニウム加水分解物が生成して沈殿する。加水分解後の加水分解混合物から、溶媒留去、濾過など通常の方法で、このアルミニウム加水分解物を取り出し、乾燥し、必要により粉砕することで、粉末状のアルミニウム加水分解物を得ることができる。
また、アルミニウム化合物として、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムs−ブトキシド、アルミニウムt−ブトキシドなどのアルミニウムアルコキシドも挙げられる。これらアルミニウムアルコキシドは有機溶媒に溶解して溶液となる。このアルミニウムアルコキシドの有機溶媒溶液に水を加えることで、加水分解によって、アルミニウム加水分解物が生成し、沈殿する。加水分解後の加水分解混合物からは、通常の方法、例えば溶媒留去、濾過などの方法で、アルミニウム加水分解物を取り出し、乾燥し、必要により粉砕することで、粉末状のアルミニウム加水分解物を得ることができる。
塩分解性塩とは、非晶質中間アルミナ粉末がα化しない温度で分解しうる塩である。非晶質中間アルミナは通常600℃未満ではα化しないので、塩分解性塩として通常は、600℃未満の温度に加熱することで熱分解するものが用いられる。かかる塩分解性塩としては、例えば硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、重硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、塩化アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、硫化アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、アミド硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硼酸アンモニウム、などの無機アンモニウム塩、ギ酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、ステアリン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、ラウリン酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム、アルギル酸アンモニウム、酒石酸水素アンモニウム、などの有機アンモニウム塩などが挙げられる。塩分解性塩の使用量は、非晶質中間アルミナ粉末100質量部あたり通常10質量部〜90質量部、好ましくは30質量部〜80質量部、より好ましくは40質量部〜70質量部程度である。
粉末状非晶質中間アルミナおよび塩分解性塩の粉末混合物は、粉末状非晶質中間アルミナと、塩分解性塩とを混合することで得ることができる。
また、粉末状非晶質中間アルミナとして、上記アルミニウムと酸との塩の水溶液に塩基を加えて加水分解して得られる粉末状アルミニウム加水分解物を用いる場合には、酸および塩基として、中和により塩分解性塩を形成しうるものを用い、加水分解後の混合物から水を留去することとすれば、アルミニウム加水分解物に塩分解性塩が均一に混合された粉末混合物を得ることができて好ましい。例えばアルミニウム塩として、アルミニウム硝酸塩、アルミニウム硫酸塩、アルミニウム炭酸塩、塩化アルミニウム、アルミニウム有機塩などを用い、塩基としてアンモニアなどを用いることで、アルミニウム加水分解物と共に、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなどの無機アンモニウム塩や、有機アンモニウムなどの塩分解性塩が生成するので、加水分解後の混合物から、水を留去し、必要により残渣を粉砕することで、粉末状アルミニウム加水分解物および塩分解性塩を含む粉末混合物を得ることができる。
本発明の製造方法では、かかる粉末混合物を加熱して塩分解性塩を塩分解する。塩分解を行う塩分解温度は、粉末状非晶質中間アルミナがα化しない温度である。非晶質中間アルミナは通常600℃以下でα化するので、通常は600℃未満の温度で塩分解を行えばよい。塩分解温度は通常100℃以上、好ましくは300℃以上である。塩分解温度まで昇温する際の昇温速度は特に限定されないが、通常50℃/時間以上、好ましくは100℃/時間以上、通常1000℃/時間以下、好ましくは500℃/時間以下程度である。塩分解に要する時間は通常10分以上24時間以下、好ましくは30分以上10時間以下である。
塩分解には、例えば管型電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などのような炉を用いることができる。塩分解に伴い、ガスが発生するので、このガスを排出しながら加熱することが好ましく、このためには、例えば窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスの流通下に塩分解を行えばよい。
塩分解後、水蒸気分圧600Pa、即ち絶対圧力で全圧0.1MPa(1気圧)であれば露点0℃以下、好ましくは165Pa以下、即ち全圧0.1MPa(絶対圧力)であれば露点−15℃以下、さらに好ましくは40Pa以下、即ち全圧0.1MPa(絶対圧力)であれば露点−30℃以下の雰囲気下、理想的には水蒸気分圧が0Paで水蒸気を全く含まない雰囲気下で焼成する。水蒸気分圧が600Paを超えると、十分に高い研磨速度の微粒αアルミナが得られない傾向にある。
焼成時は、空気中で行われてもよいし、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で行われてもよい。また、雰囲気の全圧は大気圧であってもよいし、加圧状態であってもよいし、減圧状態であってもよい。
焼成温度は、非晶質中間アルミナがα化する温度以上、通常は600℃以上、好ましくは700℃以上である。α化しない温度で焼成したのでは、微粒αアルミナを得ることができない。また、粒子径の小さな微粒αアルミナが得易い点で、1000℃以下、さらには950℃以下で焼成することが好ましい。
焼成温度まで昇温する際の昇温速度は特に限定されないが、通常50℃/時間以上、好ましくは100℃/時間以上、通常1000℃/時間以下、好ましくは500℃/時間以下程度である。焼成に要する時間は通常10分以上24時間以下、好ましくは30分以上10時間以下である。
焼成は、雰囲気を水蒸気分圧600Pa以下に調節できる焼成炉で行えばよく、例えば管型電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などのような焼成炉を用い、炉内からガスを排出したり、炉内へガスを導入することにより焼成することができる。焼成により非晶質アルミナから水が発生することもあるが、炉内の雰囲気を水蒸気分圧600Pa以下に保つことができるのであれば、焼成炉は密閉式であってもよい。
焼成は種晶の存在下に行われることが好ましい。種晶としては、例えばαアルミナ、ダイアスポア、酸化鉄、酸化クロム、酸化チタンなどの粒子が挙げられ、BET比表面積で12m2/g以上、さらには15m2/g以上のものが好ましく用いられる。種晶を用いる場合、その使用量は、焼成後の微粒αアルミナを基準として通常1質量%以上、好ましくは2質量%以上、50質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上30質量%以下である。
種晶の存在下に焼成するには、粉末混合物を塩分解した後の混合物に種晶を加えて焼成してもよいし、粉末混合物に種晶を加えて塩分解し、次いで焼成してもよいが、アルミニウム化合物の溶液を加水分解して粉末状非晶質中間アルミナを得る場合には、アルミニウム化合物の溶液に予め種晶を加えておき、この溶液を加水分解することで、粉末状アルミニウム加水分解物に種晶を均一に分散させることができて好ましい。
かくして得られる微粒αアルミナは、α化率90%以上、好ましくは95%以上と高く、粒子径は10nm〜200nmと小さいばかりか、研磨速度が高いので、研磨剤として有用である。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、これら実施例によって限定されるものではない。
なお、各実施例で得られた微粒αアルミナは、以下の方法で評価した。
(1)α化率
微粒αアルミナのα化率は、粉末X線回折装置を用いて得た微粒αアルミナの回折スペクトルから、2θ=25.6°の位置に現れるアルミナα相(012面)のピーク高さ(I25.6)と、2θ=46°の位置に現れるγ相、η相、χ相、κ相、θ相およびδ相のピーク高さ(I46)とから、式(1)
α化率= I25.6 / (I25.6 + I46 )×100(%)・・・(1)
により算出した。
(2)平均一次粒子径
微粒αアルミナの透過電子顕微鏡写真に写った任意の粒子20個以上について、個々の一次粒子の定方向最大径を測定し、測定値の数平均値として求めた。
(3)相対研磨速度
各実施例で得た微粒αアルミナ50gと粉砕媒体〔「アルミナボール」、粒子径15mm〕5.4Kgを内容積3.3Lの容器に入れ、振動ミルにて12分間振動させて、粉砕する。粉砕後の微粒αアルミナ2質量部を水98質量部と混合して懸濁させたスラリーを調製し、このスラリーをフェライト単結晶面の上に連続的に供給しながら、研磨して、フェライト単結晶面の単位時間あたりの研磨量を求めた。得られた研磨量は、微粒αアルミナに代えて市販の高純度アルミナ〔「AKP−20」、住友化学(株)製〕を用いたときの研磨量に対する相対比(%)で示した。
(4)BET比表面積
窒素吸着法により比表面積測定装置〔「フローソープII2300」、(株)島津製作所製〕を用いて測定した。
(5)分散性
微粒αアルミナ1質量部に、水95質量部、分散剤〔「SNディスパーサント5468」、サンノブコ(株)製〕0.01質量部を加えてスラリーとし、媒体攪拌型ミル〔「1/4G単筒式サンドグラインダー」、アイメックス(株)製〕にて粉砕媒体として粒径0.65mmのジルコニアビーズを用いて2000rpm、30分の条件で、このスラリー中の微粒αアルミナを粉砕したのちの微粒αアルミナの中心粒子径を粒度分布測定機〔「Microtrac」、日機装(株)製〕にて測定して評価した。
(6)種晶(αアルミナ)の粉砕度
粉砕後の種晶(αアルミナ)のα相(116)面のX線回折ピークの半価幅〔H(116)〕と、粉砕前の種晶(αアルミナ)のα相(116)面のX線回折ピークの半価幅〔H0(116)〕とから、式(2)
粉砕度 = H(116) / H0(116)・・・(2)
により求めた。
実施例1
〔種晶スラリーの製造〕
アルミニウムイソプロポキシドを加水分解して得られた水酸化アルミニウムを仮焼して、主結晶相がθ相であり、α相を3重量%含む中間アルミナを得、この中間アルミナをジェットミルにて粉砕して、嵩密度0.21g/cm3の粉末を得た。
炉内が露点−15℃〔水蒸気分圧165Pa〕の乾燥空気で満たされた雰囲気炉に上記で得た粉末を連続的に投入しながら、平均滞留時間3時間で連続的に取り出して、最高温度1170℃にて焼成して、BET比表面積14m2/gのαアルミナ粒子を得た。
このαアルミナ粒子100質量部あたり1質量部の粉砕助剤(プロピレングリコール)を加え、粉砕媒体として直径15mmのアルミナビーズを加えて振動ミルにて12時間粉砕して、BET比表面積17.2m2/g、粉砕度1.10の種晶(αアルミナ粒子)を得た。
上記で得たαアルミナ粒子(粒子径は約0.1μm)37.5gを、濃度0.01モル/Lの硝酸アルミニウム水溶液150gに添加し分散させた後、アルミナビーズ(直径2mm)700gと共に、1Lのポリ容器に充填し、攪拌したのち、濾過操作によりアルミナビーズを除去して、種晶スラリーを得た。
〔粉末混合物の製造〕
硝酸アルミニウム(Al(NO3)3・9H2O)〔関西触媒化学社製、1級、粉末状〕750.26g(2モル)を純水1555.7gに溶解させて硝酸アルミニウム水溶液を得た。この硝酸アルミニウム水溶液に上記で得た種晶スラリー56.67g(αアルミナ粒子11.33g)を添加し、室温で攪拌しながらマイクロロータリーポンプにて25%アンモニア水〔和光純薬工業社製、特級〕340.46g(アンモニア(NH3)として85.12g)を32g/分の速度で添加した。添加終了後の混合物の水素イオン濃度はpH3.8であった。この混合物を室温で放置した後、60℃で乾燥させ、乳鉢で粉砕して、アルミニウム加水分解物と硝酸アンモニウムとの粉末混合物を得た。この粉末混合物には、金属成分の酸化物換算で100質量部あたり10質量部の種晶(αアルミナ粒子)が含まれている。
〔塩分解〕
上記で得た粉末混合物を内容積79382cm3のロータリー炉〔高砂工業(株)製〕にて連続的に塩分解した。ロータリー炉への粉末混合物の供給速度は30g/分で、塩分解後の粉末を連続的に取り出した。炉内温度は、粉末混合物の入口で390℃とし、塩分解後の粉末の取出口は490℃とした。炉内は、予め窒素ガスで置換し、塩分解中は常に10L/分(大気圧換算)で窒素ガスを流通させた。
〔焼成〕
塩分解後の粉末をアルミナ製るつぼに入れ、水蒸気分圧13Paの乾燥空気の流通下に、300℃/時間の昇温速度で940℃に昇温し、同温度で3時間保持して焼成して、微粒αアルミナを得た。この微粒αアルミナの評価結果を第1表に示す。
実施例2
〔粉末混合物の製造〕
実施例1と同様に操作して得た硝酸アルミニウム水溶液に、実施例1と同様に操作して得た種晶スラリー218.57g〔αアルミナ粒子43.71g〕を添加し、室温で攪拌しながらマイクロロータリーポンプにて25%アンモニア水(和光純薬工業社製、特級)40g(アンモニア(NH3)として10g)を32g/分の速度で添加した。添加終了後の混合物の水素イオン濃度はpH3.8であった。この混合物を室温で放置した後、60℃で乾燥させ、乳鉢で粉砕して、アルミニウム加水分解物と硝酸アンモニウムとの粉末混合物を得た。この粉末混合物には、金属成分の酸化物換算で100質量部あたり30質量部の種晶(αアルミナ粒子)が含まれている。
〔塩分解〕
実施例1で得た粉末混合物に代えて、上記で得た粉末混合物を用いる以外は実施例1と同様に操作して塩分解した。
〔焼成〕
実施例1で得た塩分解した後の粉末に代えて上記で塩分解した粉末を用い、焼成温度920℃で焼成した以外は実施例1と同様に操作して、微粒αアルミナを得た。この微粒αアルミナの評価結果を第1表に示す。
比較例1
〔粉末混合物の製造〕
実施例1と同様に操作して得た硝酸アルミニウム水溶液に、実施例1で得た種晶スラリー56.67g〔αアルミナ粒子11.33g〕を添加し、室温で攪拌しながらマイクロロータリーポンプにて25%アンモニア水(和光純薬工業社製、特級)40g(アンモニア(NH3)として10g)を32g/分の速度で添加した。添加終了後の混合物の水素イオン濃度はpH3.8であった。この混合物を室温で放置した後、60℃で乾燥させ、乳鉢で粉砕して、アルミニウム加水分解物と硝酸
アンモニウムとの粉末混合物を得た。この粉末混合物には、金属成分の酸化物換算で100質量部あたり10質量部の種晶(αアルミナ粒子)が含まれている。
〔塩分解および焼成〕
実施例1で得た粉末混合物に代えて上記で得た粉末混合物を用いる以外は実施例1と同様に操作して塩分解し、次いで塩分解後の粉末を水蒸気分圧1200Paの空気中で焼成する以外は実施例1と同様に操作して、微粒αアルミナを得た。この微粒αアルミナの評価結果を第1表に示す。
比較例2
〔粉末混合物の製造〕
アルミニウムイソプロポキシドのイソプロパノール溶液に水を加えて加水分解して得られたアルミニウム加水分解物を乾燥し、仮焼し、粉砕してθアルミナ分を主成分とするα化率3%の中間アルミナ粉末を得た。
〔焼成〕
上記で得た中間アルミナ粉末100gを内容積8Lの管型焼成炉〔(株)モトヤマ製〕に入れ、水蒸気分圧165Paの乾燥空気を1L/分(大気圧換算)で流通させながら1170℃に加熱し、同温度で3時間保持して焼成して、微粒αアルミナを得た。この微粒αアルミナの評価結果を第1表に示す。
比較例3
市販の微粒αアルミナ粉末〔「HIT50」、住友化学(株)製〕を評価した。結果を第1表に示す。
比較例4
市販の微粒αアルミナ粉末〔「HIT100」、住友化学(株)製〕を評価した。結果を第1表に示す。



第 1 表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
α化率 粒子径 BET比表面積 相対研磨速度 分散性
(%) (μm) (m2/g) (%) (μm)
─────────────────────────────────────
実施例1 97.3 107 16.8 211 0.173
実施例2 97.0 85 20.3 415 0.184
比較例1 97.3 102 16.8 135 0.198
比較例2 98.0 − 16.0 100 0.188
比較例3 99.0 − 8.5 500 0.303
比較例4 95.6 − 30 200 0.218
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Claims (7)

  1. 粉末状非晶質中間アルミナおよび塩分解性塩を含む粉末混合物を前記粉末状非晶質中間アルミナがα化しない温度に加熱して前記塩分解性塩を塩分解し、次いで水蒸気分圧600Pa以下の雰囲気下で、前記粉末状非晶質中間アルミナがα化しうる温度にて焼成することを特徴とする微粒αアルミナの製造方法。
  2. 粉末状非晶質中間アルミナが、粉末状アルミニウム加水分解物である請求項1に記載の製造方法。
  3. アルミニウムと酸との塩の水溶液に塩基を加えて前記水溶液を加水分解して粉末状アルミニウム加水分解物を得る、請求項2に記載の製造方法。
  4. 酸および塩基として、中和により塩分解性塩を形成しうるものを用い、加水分解後の混合物から水を留去して前記粉末混合物を得る請求項3に記載の製造方法。
  5. 塩分解性塩の使用量が、粉末状非晶質中間アルミナ100質量部あたり10質量部〜90質量部である請求項1に記載の製造方法。
  6. 種晶の存在下に焼成する請求項1に記載の製造方法。
  7. 請求項1に記載の製造方法で得られ、α化率が90%以上で粒子径が10nm〜200nmである微粒αアルミナ。
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