JP2007186379A - αアルミナ粒子の製造方法 - Google Patents

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一 真木
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美明 竹内
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Abstract

【課題】多面体状で、より狭い粒子径分布を示すαアルミナ粒子を製造し得る方法を提供する。
【解決手段】本発明のαアルミナ粒子の製造方法は、αアルミナ前駆体と、以下の種晶粒子との混合物を塩化水素含有量1容積%〜20容積%の雰囲気中にて焼成することを特徴とする。種晶粒子は金属酸化物、金属水酸化物の粒子であり、使用量はαアルミナ前駆体100質量部あたり0.1〜50質量部である。
種晶粒子:個数基準の中心粒子径が40nm以下であり、粒子径100nmを超える粒子の割合が個数比で1%以下である種晶粒子
【選択図】図1

Description

本発明は、αアルミナ粒子の製造方法に関し、詳しくは多面体状で、微細なαアルミナ粒子の製造方法に関する。
αアルミナ粒子はαアルミナ焼結体の原料として有用である。かかるαアルミナ粒子の製造方法として、特許文献1〔特開2003−40615号公報〕には、αアルミナ前駆体と、一次粒子径100nm以下の種晶粒子との混合物を塩化水素含有量1容積%〜20容積%の雰囲気中にて焼成する方法が開示されており、かかる製造方法により、多面体状で、焼結により高い焼結密度の焼結体を与えるαアルミナ粒子が得られることも開示されているが、用いる種晶粒子の粒子径分布については記載されていない。
より高い焼結密度を示すαアルミナ焼結体を得るには、原料となるαアルミナ粒子の粒子径分布が狭いことが望ましい。
特開2003−40615号公報
そこで本発明者は、多面体状で、より狭い粒子径分布を示すαアルミナ粒子を製造し得る方法を開発するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、αアルミナ前駆体と、以下の種晶粒子との混合物を塩化水素含有量1容積%〜20容積%の雰囲気中にて焼成することを特徴とするαアルミナ粒子の製造方法を提供するものである。
種晶粒子:個数基準の中心粒子径が40nm以下であり、粒子径100nmを超える粒子の割合が個数比で1%以下である種晶粒子
本発明の方法により製造されるαアルミナ粒子は、より高い焼結密度のαアルミナ焼結体を与えることができる。
本発明の製造方法に用いられるαアルミナ前駆体とは、焼成によりαアルミナに誘導される化合物であって、例えばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、遷移アルミナなどが挙げられる。
アルミニウム塩としては、無機酸との無機塩であってもよいし、有機酸との有機塩であってもよい。アルミニウム無機塩としては、例えば硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウムアルミニウムなどのアルミニウム硝酸塩、炭酸アンモニウムアルミニウムなどのアルミニウム炭酸塩などが挙げられる。アルミニウム有機塩としては、例えば蓚酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
アルミニウムアルコキシドとしては、例えばアルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムsec−ブトキシド、アルミニウムtert−ブトキシドなどが挙げられる。
水酸化アルミニウムとしては、例えばギブサイト型、バイヤライト型、ノロソトランダイト型、ベーマイト型、擬ベーマイト型、不定形(アモルファス)の結晶構造の水酸化アルミニウムが挙げられる。また、例えばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシドなどの水溶液を加水分解して得られるアルミニウム加水分解物も挙げられる。
遷移アルミナとは、α化されていないアルミナであって、例えばγ型、δ型、θ型の結晶構造のアルミナが挙げられる。
種晶粒子としては通常、アルミナ、酸化鉄、酸化クロムなどの金属酸化物、ダイアスポアなどの金属水酸化物など金属化合物の粒子が挙げられ、好ましくはコランダム型の結晶構造を有する金属酸化物であるか、ダイアスポアである。コランダム型結晶構造を有する種晶粒子としては、例えばαアルミナ、α酸化鉄、α酸化クロムなどの結晶水のない無水結晶のものが好ましい。さらに好ましい種晶粒子は、目的とするαアルミナ粒子と同じ成分である点で、αアルミナ、ダイアスポアである。
種晶粒子の使用量は、αアルミナ前駆体および種晶粒子の合計量100質量部あたり、使用量に見合ってα化率が高くなる点で、通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは2質量部以上であり、使用量に見合った効果が得られないことから、通常50質量部以下、好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下である。
種晶粒子は、中心粒子径40nm以下、好ましくは30nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。
また、種晶粒子は、粒子径100nmを超える粒子の割合が個数比で1%以下、好ましくは200nmを超える粒子を含まず、その割合が0%である。
このような粒子径分布の種晶粒子は、例えば未粉砕の金属化合物を、X線回折スペクトルにおける45°≦2θ≦70°の範囲のメインピークの半価幅(H)が粉砕前の半価幅(H0)の1.02倍以上、好ましくは1.1倍以上、さらに好ましくは1.3倍以上、通常は3倍以下になるように粉砕し、得られた粉砕物を水性媒体中、遠心加速度(G)と遠心処理時間(分)との積が140,000(G・分)以上、好ましくは170,000(G・分)以上、さらに好ましくは200,000(G・分)以上、通常は1,200,000(G・分)以下となる遠心分離処理により分級することにより得ることができる。
金属化合物は、金属化合物を水などの液体中に分散させることなく粉砕する乾式粉砕により粉砕してもよいし、水などの液体中に分散させた湿潤状態で粉砕する湿式粉砕により粉砕してもよい。
乾式粉砕により粉砕するには、例えば転動ミル、振動ボールミル、遊星ミルなどのボールミル、ピンミルなどの高速回転粉砕機、媒体攪拌ミル、ジェットミルなどの通常の粉砕装置を用いることができる。
乾式粉砕では、未粉砕の金属化合物を単独で粉砕してもよいが、粉砕を効率的に行うために、粉砕助剤、解膠剤などの添加剤を加えてもよい。また、添加剤としては、粉砕後の粉砕物を水などの液体媒体中に分散性よく分散させるための分散剤なども挙げられる。
粉砕助剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類、
トリエタノールアミンなどのアミン類、
パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸類、
アルミニウムアルコキシドなどの金属アルコキシド類、
カーボンブラック、グラファイトなどの炭素材料などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。添加剤を加える場合、その使用量は金属化合物100質量部あたり通常0.1質量部〜10質量部、好ましくは0.5質量部〜5質量部、さらに好ましくは0.75質量部〜2質量部である。
湿式粉砕により粉砕するには、例えば上記したと同様のボールミル、高速回転粉砕機、媒体攪拌ミルなどの通常の粉砕装置を用いることができる。
湿式粉砕に用いられる液体としては通常、純水が用いられる。
液体中に分散性よく分散させた状態で粉砕しうる点で、分散剤を加えて粉砕することが好ましい。分散剤としては、例えば硝酸、酢酸、シュウ酸、硫酸などの酸、
メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、
塩化アルミニウム、シュウ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウムなどのアルミニウム塩、界面活性剤などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。分散剤を加える場合、その使用量は液体100質量部あたり通常0.1質量部〜20質量部である。
金属化合物の粉砕に用いる粉砕装置は、得られる種晶粒子の汚染が少ない点で、金属化合物と接する面が高純度のアルミナで構成されていることが好ましい。また、粉砕装置として媒体攪拌ミルなどを用いる場合、粉砕に用いられる粉砕媒体としては高純度のアルミナで構成されているものが好ましい。
金属化合物の粉砕は、粉砕の進行と共に上記メインピークの半価幅(H)が次第に大きくなるので、通常は、メインピークの半価幅(H)が上記範囲となるまで行われ、乾式粉砕の場合には、メインピークの半価幅(H)が粉砕前の半価幅(H0)の1.06倍以上となるまで粉砕することが好ましい。
粉砕後の粉砕物を遠心分離処理する。遠心分離処理に用いられる水性媒体としては、純水の他、湿式粉砕において分散剤として上記したと同様のアルミニウム塩の水溶液などが挙げられる。遠心分離処理により、粒子径が比較的大きな粗粒分が沈降し、比較的小さな微粒分は沈降することなく上澄み液に分散した状態となるので、遠心分離後の上澄み液を取り出すことにより、目的の種晶粒子を得ることができる。
種晶粒子は、例えば未粉砕の金属化合物を上記と同様に粉砕し、得られた粉砕物を、孔径1μm以下、好ましくは0.7μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下、通常は0.01μm以上、好ましくは0.05μm以上のフィルターで濾過する濾過処理により分級することにより得ることもできる。
フィルターとしては、αアルミナなどのセラミックスからなる市販のフィルターを用いることができる。
濾過処理は、例えば粉砕物を水性媒体中に分散させて、フィルターを通過させることにより行われる。水性媒体としては、純水のほか、湿式粉砕において上記したと同様のアルミニウム塩の水溶液が挙げられる。
濾過処理により、粒子径が比較的大きな粗粒分はフィルターを通過せず、比較的小さな微粒分は濾液と共にフィルターを通過するので、濾過処理後の濾液として、目的の種晶粒子を得ることができる。
αアルミナ前駆体と種晶粒子との混合物は、例えばαアルミナ前駆体が水溶性である場合には、αアルミナ前駆体の水溶液に種晶粒子を加え、この水溶液から水を留去することによりαアルミナ前駆体を析出させて、αアルミナ前駆体と種晶粒子との混合物を得る方法により調製することができる。
また、αアルミナ前駆体が、アルミニウム塩、アルミニウムアルコキシドの水溶液を貸すイン分解して得られるアルミニウム加水分解物である場合には、上記水溶液に種晶粒子を予め加え、加水分解することによりアルミニウム加水分解物を析出させ、水を留去することにより混合物を得る方法により調製することができる。
これらの方法において、種晶粒子は、乾燥状態で水溶液に加えてもよいが、あらかじめ水に分散させた分散液として加えることが、均一に分散しうる点で好ましく、例えば上記した方法により種晶粒子を得る場合には、遠心分離後の上澄み液や、濾過処理後の濾液の塑性によっては、これら上澄み液や濾液をそのまま水溶液に加えてもよい。
上記方法において、水を留去させる際の温度は通常100°以下であるが、例えば噴霧乾燥機などを用いて100℃を超える温度で急速に水を留去してもよい。
本発明の製造方法では、かかる混合物を塩化水素を含む雰囲気中にて焼成する。雰囲気中の塩化水素の含有量は、1容積%〜20容積%、好ましくは3容量%以上である。
雰囲気中に含まれる他のガス成分としては、例えば窒素、アルゴン、酸素などのような塩化水素に対して不活性なガス成分が挙げられ、水蒸気などを含んでいてもよい。また、僅かであればアンモニアなどのような塩化水素と反応しうる活性なガス成分を含んでいてもよい。
塩化水素としては、ポリ塩化ビニルなどの塩素含有高分子化合物、塩化アンモニウムなどの塩素含有化合物を熱分解することにより発生する塩化水素を含む分解ガスを用いてもよいが、熱分解により副生物したガス成分による影響がない点で、通常は、例えばボンベに充填された塩化水素ガスのほか、塩化水素水溶液〔塩酸〕を加熱することにより生ずる塩化水素ガスが用いられる。
焼成温度は、より高いα化率のαアルミナ粒子が得られる点で、通常600℃以上、好ましくは700℃以上であり、互いにネッキングした粒子が少ない点で、通常100℃以下、好ましくは950℃以下である。焼成温度までの昇温速度は、工業的に実施可能な範囲であれば、特に限定されるものではない。
焼成に用いる焼成炉としては、例えば管状電気炉、箱型電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などの通常の焼成炉が用いられる。混合物は回分式で焼成してもよいし、焼成炉に連続的に投入しながら連続的に取り出す連続式で焼成してもよい。また、混合物を静止した状態で焼成してもよいし、流動させながら焼成してもよい。
焼成時間は、αアルミナ前駆体が十分にα化して高α化率のαアルミナ粒子を得るに十分な時間であればよく、例えば1分以上、好ましくは10分以上、通常は24時間以下である。
焼成後、通常は、得られたαアルミナ粒子を解砕する。解砕するには、例えば上記したと同様の高速回転粉砕機、媒体攪拌ミル、ジェットミルなどの通常の粉砕装置を用いることができる。粉砕後のαアルミナ粒子は、分級してもよい。
かくして得られたαアルミナ粒子は、多面体形状で、粒子径が0.01μm〜0.1μm程度であり、高いα化率を示すと共に、大きなBET比表面積を示し、例えばα化率90%以上、好ましくは95%以上で、BET比表面積は通常10m2/g以上、好ましくは13m2/g以上、さらに好ましくは15m2/g以上、通常150m2/g以下、好ましくは100m2/g以下である。
かくして得られたαアルミナ粒子は、例えばαアルミナ焼結体を製造するための原材料として有用である。本発明の製造方法により得られたαアルミナ粒子は、多面体形状であり、また粒子径分布が狭いので、より高い焼結密度を示すαアルミナ焼結体を得ることができる。
αアルミナ焼結体は、例えば切削工具、バイオセラミクス、防弾板などの高強度を要求されるものが挙げられる。ウェハーハンドラーなどの半導体製造用装置部品、酸素センサーなどの電子部品も挙げられる。ナトリウムランプ、メタルハライドランプなどの透光管も挙げられる。排ガスなどの気体に含まれる固形分除去、アルミニウム溶湯の濾過、ビールなどの食品の濾過等に用いられるセラミクスフィルターも挙げられる。セラミクスフィルターとしては、燃料電池において水素を選択的に透過させたり、石油精製時に生じるガス成分、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、酸素などを選択的に透過させるための選択透過フィルターも挙げられ、これらの選択透過フィルターはその表面に触媒成分を担持させる触媒担体として用いてもよい。
得られたαアルミナ粒子は、化粧品の添加剤、ブレーキライニングの添加剤、触媒担体と
して使用することもでき、また導電性焼結体、熱伝導性焼結体などの材料として使用することもできる。
得られたαアルミナ粒子は、焼結しにくいセラミッスク粉末を焼結させて焼結体を製造する際に、セラミックス粉末に添加して、焼結し易くする焼結助剤として用いることもできる。
得られたαアルミナ粒子を原料として用いることにより、微細な窒化アルミニウム粉末、イットリウム−アルミナ−ガーネット(YAG)粉末、粉末状蛍光体などを製造することもできる。
得られたαアルミナ粒子は、粉末のままで、通常のαアルミナ粉末と同様に、塗布型磁気メディアの塗布層に添加されてヘッドクリーニング性、耐磨耗性を向上させるための添加剤として用いることもできる。トナーとして用いることもできる。樹脂に添加するフィラーとして用いることもできる。また、研磨材として用いることもでき、例えば水などの溶媒に分散させたスラリーとし、半導体CMP研磨、ハードディスク基板などの研磨などに用いることができるし、テープ表面にコーティングして研磨テープとして、ハードディスク、磁気ヘッドなどの精密研磨などに用いることもできる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。
なお、各実施例で得たαアルミナ粒子のα化率は、粉末X線回折装置を用いて得たαアルミナ粒子の回折スペクトルから、2θ=25.6°の位置に現れるアルミナα相(012面)のピーク高さ(I25.6)と、2θ=46°の位置に現れるγ相、η相、χ相、κ相、θ相およびδ相のピーク高さ(I46)とから、式(1)
α化率= I25.6/(I25.6 + I46)×100(%)・・・(1)
により算出した。
BET比表面積は、窒素吸着法により求めた。
ネック率は透過型電子顕微鏡写真(TEM写真)に写った任意の粒子20個以上について、ネッキングして隣の粒子と繋がっている粒子の割合として求めた。
粉砕により得られたαアルミニウム粒子の中心粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置〔日機装社製、「Microtrac」〕により質量基準で累積百分率50%相当粒子径として求めた。
粉砕度は、そのα相(116)面のX線回折ピーク〔2θ=57.5°〕の半価幅(H(116))と、粉砕前の種晶(αアルミナ)のα相(116)面のX線回折ピークの半価幅(H0(116))とから、式(2)
粉砕度 = H(116)/H0(116)・・・(2)
により求めた。
粒子径分布は、得られたαアルミナ粒子の透過型電子顕微鏡写真から、20個以上の粒子について定方向の一次粒子径を測定し、その標準偏差を求めて評価した。
実施例1
〔種晶粒子の製造〕
アルミニウムイソプロポキシドを加水分解して得られた水酸化アルミニウムを仮焼して、主結晶相がθ相であり、α相を3重量%含む中間アルミナを得、この中間アルミナをジェットミルにて粉砕して、嵩密度0.21g/cm3のアルミナ粉末を得た。
炉内が露点−15℃〔水蒸気分圧165Pa〕の乾燥空気で満たされた雰囲気炉に、上記で得たアルミナ粉末を連続的に投入しながら、平均滞留時間3時間で連続的に取り出して、最高温度1170℃にて焼成して、BET比表面積14m2/gのαアルミナ粒子を得た。
このαアルミナ粒子100質量部に粉砕助剤〔プロピレングリコール〕1質量部を加え、粉砕媒体〔ビーズ径15mmのアルミナビーズ〕を加えて振動ミルにより12時間、粉砕した。粉砕後のαアルミナ粒子は、BET比表面積16.6m2/g、粉砕度1.10、中心粒子径0.1μmであった。
粉砕後のαアルミナ粒子20質量部を塩化アルミニウム水溶液〔塩化アルミニウム濃度0.01モル/L〕80質量部と混合し、アルミナビーズ〔ビーズ径0.65mm〕2.9kgを充填した湿式分散機〔シンマルエンタープライズ社製「ダイノーミル」〕を用いて平均滞留時間15分で連続的に分散させた後、回転数4000rpm〔遠心加速度2100G〕の条件で40分間、遠心分離処理〔85,000G・分〕し、固液分離により上澄み液としてαアルミナ粒子〔粉砕度1.4〕を含むスラリー〔固形分濃度1.1質量%〕を得た。
このスラリー139gを更に回転数12,000rpm〔遠心加速度8600G〕の条件で40分間、遠心分離処理〔344,000G・分〕して、固液分離により、上澄み液として種晶粒子の分散液〔固形分濃度0.17質量%〕129gを得た。この上澄み液は無色透明であり、肉眼では微粒子を確認することができなかった。
この上澄み液を乾燥させた後の残渣を透過型液晶電子顕微鏡〔TEM〕により観察し、粒子径を求めたところ、大部分の粒子は粒子径20nm以下で、その中心粒子径は約10nmであり、1500個中、粒子径が20nmを超え100nm以未満の粒子は1個、100nm以上200nm未満の粒子は1個、200nmを超える粒子は0個であった。
〔乾燥混合物の製造〕
アルミニウムイソプロポキシドを加水分解して得られた水酸化アルミニウム25g、上記で得た上澄み液129g(αアルミナ粒子0.2g)および純水46gを混合し、サンドグラインダーにより2000rpm、30分の条件で攪拌した後、60℃の温浴中でロータリーエバポレーターにより減圧下に水を留去して、粉末状の乾燥混合物を得た。この乾燥混合物中のαアルミナ粒子の含有量は1.0質量%である。
〔焼成〕
上記で得た乾燥混合物を管状炉に入れ、塩化水素5容量%と窒素95容量%との混合ガスを導入しつつ、室温から800℃まで300℃/時間で昇温し、同温度で1時間保持することで焼成して焼成物を得た。この焼成物は、α化率98%、BET比表面積10.4m2/gであった。この焼成物をTEMで観察したところ、多面体状の粒子であって、その標準偏差は約31であった。この焼成物のTEM写真(倍率10,0000倍)を図1に示す。
比較例1
〔種晶粒子の製造〕
実施例1と同様に操作して、αアルミナ粒子〔粉砕度1.4〕を含むスラリー〔固形分濃度1.1質量%〕を上澄み液として得た。
〔乾燥混合物の製造〕
アルミニウムイソプロポキシドを加水分解して得られた水酸化アルミニウム25gおよび上記で得た上澄み液138.9g(αアルミナ粒子1.53g)を混合し、超音波を5分間照射した後、60℃の温浴中でロータリーエバポレーターにより減圧下に水を留去して、粉末状の乾燥混合物を得た。この乾燥混合物中のαアルミナ粒子の含有量は7.5質量%である。
〔焼成〕
上記で得た乾燥混合物を実施例1と同様にして焼成して焼成物を得た。この焼成物は、α化率98%、BET比表面積8.0m2/gであった。この焼成物をTEMで観察したところ、多面体状の粒子であって、その標準偏差は約46であった。この焼成物のTEM写真(倍率10,0000倍)を図2に示す。
実施例2
〔種晶粒子の製造〕
実施例1と同様に操作して、αアルミナ粒子〔粉砕度1.4〕を含むスラリー〔固形分濃度1.1質量%〕を上澄み液として得た。
このスラリー250gを更に回転数12,000rpm〔遠心加速度8600G〕の条件で40分間、遠心分離処理〔344,000G・分〕し、固液分離により、上澄み液として種晶粒子の分散液〔固形分濃度0.17質量%〕225gを得た。この上澄み液は無色透明であり、肉眼では微粒子を確認することができなかった。
この上澄み液を乾燥させた後の残渣を透過型液晶電子顕微鏡〔TEM〕により観察し、粒子径を求めたところ、大部分の粒子は粒子径20nm以下で、その中心粒子径は約10nmであり、1500個中、粒子径が20nmを超え100nm以未満の粒子は1個、100nm以上200nm未満の粒子は1個、200nmを超える粒子は0個であった。
〔乾燥混合物の製造〕
アルミニウムイソプロポキシドを加水分解して得られた水酸化アルミニウム12.5gおよび上記で得た上澄み液225g(αアルミナ粒子0.4g)を混合し、サンドグラインダーにより2000rpm、30分の条件で攪拌した後、60℃の温浴中でロータリーエバポレーターにより減圧下に水を留去して、粉末状の乾燥混合物を得た。この乾燥混合物中のαアルミナ粒子の含有量は4.1質量%である。
〔焼成〕
上記で得た乾燥混合物を実施例1と同様にして焼成して焼成物を得た。この焼成物は、α化率98%、BET比表面積15.5m2/gであった。この焼成物をTEMで観察したところ、多面体状の粒子であって、その標準偏差は約23であった。この焼成物のTEM写真(倍率10,0000倍)を図3に示す。
比較例2
〔種晶粒子の製造〕
実施例1と同様に操作して、αアルミナ粒子〔粉砕度1.4〕を含むスラリー〔固形分濃度1.1質量%〕を上澄み液として得た。
〔乾燥混合物の製造〕
アルミニウムイソプロポキシドを加水分解して得られた水酸化アルミニウム25gおよび上記で得た上澄み液500g(αアルミナ粒子1.53g)を混合し、超音波を5分間照射した後、60℃の温浴中でロータリーエバポレーターにより減圧下に水を留去して、粉末状の乾燥混合物を得た。この乾燥混合物中のαアルミナ粒子の含有量は7.5質量%である。
〔焼成〕
上記で得た乾燥混合物を実施例1と同様にして焼成して焼成物を得た。この焼成物は、α化率98%、BET比表面積12.2m2/gであった。この焼成物をTEMで観察したところ、多面体状の粒子であって、その標準偏差は約37であった。この焼成物のTEM写真(倍率10,0000倍)を図4に示す。
実施例1で得たαアルミナ粒子のTEM写真(倍率10,0000倍)である。 比較例1で得たαアルミナ粒子のTEM写真(倍率10,0000倍)である。 実施例2で得たαアルミナ粒子のTEM写真(倍率10,0000倍)である。 比較例2で得たαアルミナ粒子のTEM写真(倍率10,0000倍)である。

Claims (6)

  1. αアルミナ前駆体と、以下の種晶粒子との混合物を塩化水素含有量1容積%〜20容積%の雰囲気中にて焼成することを特徴とするαアルミナ粒子の製造方法。
    種晶粒子:個数基準の中心粒子径が40nm以下であり、粒子径100nmを超える粒子の割合が個数比で1%以下である種晶粒子
  2. 前記種晶粒子が金属酸化物または金属水酸化物の粒子である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記種晶粒子がαアルミナまたはダイアスポアである請求項2に記載の製造方法。
  4. 種晶粒子の使用量が、αアルミナ前駆体100質量部あたり0.1質量部〜50質量部である請求項1に記載の製造方法。
  5. 未粉砕の金属化合物を、X線回折スペクトルにおける45°≦2θ≦70°の範囲のメインピークの半価幅(H)が粉砕前の半価幅(H0)の1.02倍以上になるように粉砕し、得られた粉砕物を水性媒体中、遠心加速度(G)と遠心処理時間(分)との積が140,000(G・分)以上となる遠心分離処理により分級して前記種晶粒子を得る請求項1に記載の製造方法。
  6. 未粉砕の金属化合物を、X線回折スペクトルにおける45°≦2θ≦70°の範囲のメインピークの半価幅(H)が粉砕前の半価幅(H0)の1.02倍以上になるように粉砕し、得られた粉砕物を、孔径1μm以下のフィルターで濾過する濾過処理により分級して前記種晶粒子を得る請求項1に記載の製造方法。
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