JP4720108B2 - ブレ補正装置 - Google Patents
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Description
VCMには、マグネットが用いられているが、ブレ補正光学系の質量がある程度に収まっていれば、アクチュエータに要求される駆動力もあまり大きくないことから、マグネットの磁力も大きくなく、マグネットの吸引力が大きな問題となることはなかった。
ここで、ブレ補正装置が使用できる電力には、限りがあるため、消費電力を抑えながらアクチュエータの駆動力を増加させることが望まれる。一般的に、VCMのコイル巻き数を増加して大型化すると共に、マグネットを強く、大きくすると、低消費電力であっても大きな駆動力を得ることができる。
また、組み立て時においても、マグネットの吸引力により作業者の手から離れて取り付け位置に衝突してしまい、周囲の部材を破壊したり変形させたりしてしまうという問題が発生する。
さらに、駆動力が狙いの値以上に大きくなると、アクチュエータの駆動制御時に発振する等の制御上の問題が生じるおそれがあり、アクチュエータの駆動力を管理する必要が生じる。
しかし、ブレ補正光学系に小さく軽いレンズ群しか使用できないという条件の下では、光学系の設計自由度が低く、撮影画質を優先した光学系の設計ができないという問題があった。
請求項1の発明は、像のブレを補正するブレ補正光学系と、前記ブレ補正光学系が固定された枠部材と、前記枠部材に備えられ前記枠部材を駆動するための電流が供給されるコイルと、前記コイルに対応する部分に備えられた第1穴と、第1穴を間に挟むように間隔を隔てて備えられた複数の第2穴とを有し、前記枠部材が前記ブレ補正光学系の光軸と交差する方向に移動できるように前記枠部材を保持するベース部材と、前記第1穴に備えられるマグネットと、前記マグネットと対向する第1領域と、第2穴と対向する第2領域とを有し、前記マグネットと結合したヨークとを含み、前記第2穴は、前記マグネットの取り付け及び/又は取り外しに使用される工具を係合及び/又は挿入することができる係合部である、ブレ補正装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のブレ補正装置において、前記第2穴に備えられ、前記ヨークと前記ベース部材との間隔を調整する間隔調整部材を備えること、を特徴とするブレ補正装置である。
(1)像のブレを補正するブレ補正光学系と、前記ブレ補正光学系が固定された枠部材と、前記枠部材に備えられ前記枠部材を駆動するための電流が供給されるコイルと、前記コイルに対応する部分に備えられた第1穴と、第1穴を間に挟むように間隔を隔てて備えられた第2穴とを有し、前記枠部材が前記ブレ補正光学系の光軸と交差する方向に移動できるように前記枠部材を保持するベース部材と、前記第1穴に備えられるマグネットと、前記マグネットと対向する第1領域と、第2穴と対向する第2領域とを有し、前記マグネットと結合したヨークとを含むので、マグネットの分解、組み立てを容易に行うことができる。
図2は、実施例1におけるブレ補正装置を図1と反対側から示す図である。
図3は、実施例1におけるブレ補正装置を図1及び図2中に矢印で示したA−A’断面で切断して示した図である。なお、図3には、本来断面に現れない前マグネット13及び後マグネット15についても重ねて示している。
図4は、実施例1におけるブレ補正装置を図1及び図2中に矢印で示したB−B’断面で切断して示した図である。
ブレ補正レンズ1は、レンズ枠6に固定されており、光軸Iに略直交する方向にシフト移動することにより像ブレを補正するブレ補正光学系である。
レンズ枠6は、VCM40,41によってByの方向及びBxの方向に駆動される。このレンズ枠6には、2つのコイル11,16が固定されている。
前ヨーク12は、ベース部材7に固定されており、前マグネット13は、前ヨーク12上に、自己の磁力により固定されている。
後ヨーク14は、ベース部材8に固定されており、後マグネット15は、後ヨーク14上に、自己の磁力により固定されている。
コイル11は、前マグネット13と後マグネット15との間に配置されている。
これらの構成を有したVCM40は、コイル11に電流を流すことにより、コイル11にByの方向に力を受けて、ブレ補正レンズ1を駆動することができる。
前ヨーク17は、ベース部材7に固定されており、前マグネット18は、前ヨーク17上に、自己の磁力により固定されている。
後ヨーク19は、ベース部材8に固定されており、後マグネット20は、後ヨーク19上に、自己の磁力により固定されている。
コイル16は、前マグネット18と後マグネット20の間に配置されている。
これらの構成を有したVCM41は、コイル16に電流を流すことにより、コイル16にBxの方向に力を受けて、ブレ補正レンズ1を駆動することができる。
LED21,22は、ベース部材8に固定されている。
スリット部材25,26は、レンズ枠6に固定されている。
PSD23,24は、ベース部材7に固定されている。
LED21,22から発せられる光は、スリット部材25,26に設けられているスリットを通り、PSD23,24に達する。
従って、ブレ補正レンズ1の移動した位置により、PSD23,24に達する光の位置が移動し、PSD23,24の出力信号が変化する。この信号によりブレ補正レンズ1の図2におけるBy,Bx方向の位置を検出することができる。
ド軸9の長手方向に移動可能であり、しかも、ガイド軸9がその長手方向と略直角方向に変位可能であるので、By,Bx方向の両方向に、移動可能である。
ベース部材7は、ベース部材8に対する嵌合部7hを備えている。同様に、ベース部材8は、ベース部材7に対する嵌合部8hを備えている。そして、ベース部材7は、その嵌合部7hにベース部材8の嵌合部8hが嵌合しており、固定用ビス45,46,47によりスラスト方向から固定されている。
ブレ補正レンズ1を保持するための保持機構は、図2,図4に示す摺動受け材101,102,103と、摺動コマ201,202,203及びバネ301,302,303により構成されている。
摺動受け材101,102,103は、ブレ補正レンズ1の周囲においてベース部材7に固定されている。
摺動コマ201,202,203は、レンズ枠6に摺動受け材101,102,103それぞれに相対する位置に固定されている。摺動受け材101,102,103及び摺動コマ201,202,203は、それぞれ接触し、摺動部を構成している。
従って、レンズ枠6は、低負荷でしかもなめらかに可動可能な状態で、光軸I方向に浮
くことなく、ベース部材7に保持されている。
図3において、前マグネット13と後マグネット15は、引き合う関係で配置されているのが通常である。同様に、前マグネット17と後マグネット20も、引き合う関係で配置されているのが通常である。
したがってベース部材7とベース部材8との間には、前マグネット13(17)と後マグネット15(20)とが互いに引き合う吸引力によって、分離困難な方向に力がかかることになる。
ベース部材7には、前ヨーク12に大部分が覆われる位置にベース部材溝部7p,7qが設けられている。
ベース部材溝部7p,7qは、ベース部材7に設けられた切り欠きであり、後述する工具50を挿入することができる係合部としての機能を有している。
ベース部材7に対して前ヨーク12を取り付けるときには、前マグネット13が吸着した状態の前ヨーク12を、図5に示すような工具50の先端部50a,50bによって支持する。ここで、工具50の先端部50aと先端部50bとの間隔は、ベース部材溝部7pとベース部材溝部7qとの間隔と同等になっている。また、先端部50a,50bは、ベース部材溝部7p,7qに挿入することができるような寸法となっている。なお、工具50の材質については、特に限定する必要はないが、鉄等のマグネットに吸着する磁性体を用いると、前ヨークの保持を容易に行うことができる。
このようにすることにより、仮に、前マグネット13に対向する位置に既に後マグネット15が取り付けられていても、前マグネット13と後マグネット15との強力な吸引力により前マグネット13がベース部材7に衝突するような事故を防ぐことができる。
また、組み立て後であっても、ベース部材溝部7p,7qに工具50を挿入することによって、前ヨーク12を前マグネット13ごとベース部材7から容易に取り外すことができる。
また、ベース部材8には、ベース部材7と同様に、後ヨーク14に対応した位置にベース部材溝部8p,8qが設けられ、後ヨーク19に対応した位置にベース部材溝部8r,8sが設けられている。
これらのベース部材溝部7r,7s及びベース部材溝部8p,8q,8r,8sの役割は、上述のベース部材溝部7p,7qと同様である。
したがって、前ヨーク12に固定された前マグネット13と同様に、後ヨーク14上に固定された後マグネット15、前ヨーク17上に固定された前マグネット18、後ヨーク19上に固定された後マグネット20のいずれの組み立て作業、及び、取り外し作業であっても、容易に行うことができる。
図7は、実施例2におけるブレ補正装置を図6中に矢印で示したC−C’断面で切断して示した図である。なお、図7には、本来断面に現れない前マグネット13及び後マグネット15についても重ねて示している。
実施例2は、先に説明した実施例1に、間隔調整部材30を追加した形態であるので、前述した実施例1と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
実施例2におけるベース部材7,8では、実施例1におけるベース部材7,8のベース部材溝部7p,7q,7r,7s及びベース部材溝部8p,8q,8r,8sの幅を広げて、ベース部材溝部72p,72q,72r,72s及びベース部材溝部82p,82q,82r,82sとしている。これらベース部材溝部72p,72q,72r,72s及びベース部材溝部82p,82q,82r,82sは、実施例1と同様に工具50が挿入される係合部としての機能の他に、後述する間隔調整部材30を挿入する間隔調整部材挿入部としての機能も有している。
間隔調整部材30をベース部材溝部72p,72q,72r,72s及びベース部材溝部82p,82q,82r,82sに挿入した状態で、前ヨーク12,後ヨーク14,前ヨーク17,後ヨーク19をベース部材7,8に取り付けると、間隔調整部材30の無い状態と比べて、前マグネット13と後マグネット15との間隔d1、及び、前マグネット18と後マグネット20との間隔d2を広げることができる。これらマグネットの間隔を変更することにより、マグネット間に生じている磁界の強度を調整することができ、アクチュエータ40,41の駆動力を容易に調整することができる。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)各実施例において、ベース部材溝部7p,7q,7r,7s、及び、ベース部材溝部8p,8q,8r,8sには、工具を挿入可能なように他の部品を配置していない例を示したが、これに限らず、例えば、LED21,22及びコイル11、16の電力供給用配線や、ブレ補正光学系を所定の位置に保持するロック機構のアクチュエータ(不図示)の電力供給配線等を通したり、ブレ補正ユニットが完成した後にレンズ鏡筒内に組み込まれた状態でより大きな部品を配置したりする等、ブレ補正装置を構成する部品を配置してもよい。
6 レンズ枠
7 ベース部材
7p,7q,7r,7s ベース部材溝部
72p,72q,72r,72s ベース部材溝部
8 ベース部材
8p,8q,8r,8s ベース部材溝部
82p,82q,82r,82s ベース部材溝部
11,16 コイル
12,17 前ヨーク
13,18 前マグネット
14,19 後ヨーク
15,20 後マグネット
21,22 LED
23,24 PSD
25,26 スリット部材
30 間隔調整部材
40,41 VCM
50 工具
50a,50b 先端部
101,102,103 摺動受け材
201,202,203 摺動コマ
301,302,303 バネ
Claims (4)
- 像のブレを補正するブレ補正光学系と、
前記ブレ補正光学系が固定された枠部材と、
前記枠部材に備えられ前記枠部材を駆動するための電流が供給されるコイルと、
前記コイルに対応する部分に備えられた第1穴と、第1穴を間に挟むように間隔を隔てて備えられた複数の第2穴とを有し、前記枠部材が前記ブレ補正光学系の光軸と交差する方向に移動できるように前記枠部材を保持するベース部材と、
前記第1穴に備えられるマグネットと、
前記マグネットと対向する第1領域と、第2穴と対向する第2領域とを有し、前記マグネットと結合したヨークとを含み、
前記第2穴は、前記マグネットの取り付け及び/又は取り外しに使用される工具を係合及び/又は挿入することができる係合部である、ブレ補正装置。 - 請求項1に記載のブレ補正装置において、
前記コイルは一方側の面が前記マグネットに対向し、前記一方側の反対側の面が前記マグネットとは異なる別マグネットに対向しており、
前記マグネットと前記別マグネットとは互いに引き合う磁力を生じさせていること、を特徴とするブレ補正装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のブレ補正装置において、
前記第2穴は、前記ベース部材に設けられた切り欠きであること、
を特徴とするブレ補正装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のブレ補正装置において、
前記第2穴に備えられ、前記ヨークと前記ベース部材との間隔を調整する間隔調整部材を備えること、を特徴とするブレ補正装置。
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