JP4718711B2 - 貯留槽の仕切構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水処理施設に付随して設けられる貯留槽の仕切構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水処理施設などの各種の水処理施設は、各地点から適宜の水路を介して集水される下水などの被処理水を処理する施設であるが、水処理施設の中には、被処理水流入側に調整池などの貯留槽が付設されている場合がある。
この従来の貯留槽100は、図8に示すように、水処理施設に通ずる被処理水の水路の途中に設けられ、深さ10m以上の大容量のものである。そして、この貯留槽100からみて上流側となる水路610から被処理水が貯留槽100内に流入し、下流側となる水路620から貯留槽100内の被処理水が流出する。
【0003】
かかる貯留槽100は、被処理水中に混入されている落葉や砂などの異物を沈殿させる沈殿槽として作用し、さらに、集中豪雨などにより、水処理施設へ一時に大量の被処理水が流れ込まないように流入量を緩衝する調整槽としての働きや、平時には雨水などを貯めておき、地域の防災などに用いる非常水貯留槽としての働きなどを有するもので、近年、かかる貯留槽を付設した施設が増えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる貯留槽100は、被処理水中に混入されている異物が一旦沈殿しても、その後に水路610から流れ込む被処理水の流れによって再び浮遊し、被処理水に混入して下流側水路620から流出し、水処理施設に流入することがある。
【0005】
そこで、本発明は、沈殿した異物の再浮遊を防止できる貯留層の仕切構造を提供することを課題とし、特に、簡易に施工できる貯留槽の仕切構造を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、上流側水路と下流側水路の間に設けられた貯留槽を、被処理水中を浮遊する異物の通過を許容するようにを上下層に仕切る貯留槽の仕切構造であって、前記貯留槽の深さ方向中途部に、複数の梁体が所定間隔を置いて並設され、前記各梁体には、他の梁体に対向する側面に支持部材がそれぞれ固定され、対向側面に固定された対の支持部材間に傾斜板が架設されており、該傾斜板は、上流側水路並びに下流側水路の貯留槽への開口よりも下方に位置しており、該傾斜板の傾斜下部側に上層と下層とを連通させる間隙が形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
かかる仕切構造が設けられた貯留槽は、貯留槽の深さ方向中途部に於いて、傾斜板によって上下層に仕切られているので、上流側水路から流入した被処理水の流れは上層で生じ、下層では水の流れは殆どなく、下層に沈殿した落葉や砂などの異物が被処理水の流れによって再び浮遊する虞が少なく、又、新たに貯留槽に流入した被処理中に混入されている異物は、傾斜板で案内されながら下層側へ沈降して貯留槽の底部に沈殿堆積する。
【0008】
さらに、隣り合う梁体間に、複数の傾斜板を、被処理水中の異物が通過可能な間隙を有するように梁体の長手方向に並設することにより、水槽の幅が大きくとも、上記傾斜板による仕切り部の上下方向幅(高さ)を抑えつつ、水槽の全幅にわたって上下層に仕切ることができる。
【0009】
また、傾斜板が、貯留槽内の水面に対して傾斜させて取り付けられており、間隙が、傾斜板の傾斜下部側に形成されていれば、貯留槽の上層に流入した被処理水中の異物は、傾斜板の傾斜に従って下方側に移行し、傾斜板の下部側に形成された隙間から下層へ沈降する。
【0010】
また、支持部材には、所定間隔をおいて複数の支持部が傾斜板の傾斜角度に沿って並設されており、隣り合う梁体の対向側面に固定された対の支持部材の互いに対応する支持部間には横梁材がそれぞれ架設されており、対の支持部間に架設された前記複数の横梁材に、各傾斜板が取付固定されているものとすることができる。これによれば、支持部材に架設された各横梁材に、傾斜板が取り付けられているので、該傾斜板が横梁材によって支持され、より強度的に優れた仕切構造となる。
加えて、支持部材と横梁材と傾斜板を予め工場などで生産しておき、支持部材の各支持部が貯留槽の水面に対して傾斜した位置で配置されるように、支持部材を各梁体にそれぞれ固着し、各梁体間において隣り合う支持部材の対向する支持部に、横梁材をそれぞれ架設し、横梁材に、被処理水中の異物が通過可能な間隙を有するように傾斜板を取付けることにより、貯留槽の仕切構造を構築できるので、施工現場での加工作業を軽減でき、簡易に施工することができる。
【0011】
さらに、前記横梁材が、前記支持部材の支持部に面接触する脚部と、前記脚部よりも幅広に形成され且つ前記傾斜板の裏面に面接触する載置部とから構成されていることにより、横梁材が支持部材の支持部に面接触して取り付けられるので、横梁材の取り付け強度が増し、且つ傾斜板が横梁材の載置部に面接触して取り付けられるので、傾斜板の横梁材に対する取付安定性が向上する。
【0012】
さらに、前記傾斜板に、その傾斜方向下方への移動を阻止するように横梁材に係止可能な係止部が設けられることにより、傾斜板を取り付ける際の位置決めが容易となって施工性が向上するだけなく、傾斜板と横梁材の取り付け強度も増す。
【0013】
さらに、上記傾斜板が、水より比重の小さい素材によって形成されている場合には、仕切構造が浸水した際に浮力を受け、該傾斜板を支持する支持部材などの構造物の負荷が軽減される。また、上記傾斜板が、耐食性を備える合成木材を使用した場合には、浮力による構造物の負荷軽減のみならず、浸水による腐食を防止でき且つ施工性にも優れる。
【0014】
さらに、前記傾斜板が、貯留槽の水面に対して傾斜させて取り付けられており、且つこの傾斜板の表面が平滑に形成されている場合には、傾斜板表面に異物が引掛かる虞も少なく、該傾斜板の傾斜に従って円滑に異物が下方側に移行し、傾斜板の下端部に形成された隙間から貯留槽の下層へ沈降する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2は、本発明に係る貯留槽の仕切構造の概略断面図であって、図1は、貯留槽を処理水流れ方向に切断した縦断面図、図2は、図1のA−A線に於ける断面図をそれぞれ示す。
図3は、図2の丸囲い部分Bを拡大した詳細断面図を示し、図4は、図1の丸囲い部分Cを拡大した詳細断面図を示す。
図5〜図7は、本発明に係る貯留槽の仕切構造の構造部材を示す図であって、図5(a)は、支持部材の正面図、図5(b)は、同側面図、図6は、横梁材の一部省略斜視図、図7は、傾斜板の一部省略斜視図をそれぞれ示す。
【0016】
図1及び図2に於いて、1は、水処理施設の被処理水流入側に設けられた貯留槽を示し、本発明の仕切構造10によって上層11と下層12に区画されている。
この貯留槽1は、下水などの被処理水の上流側水路61と、被処理水を水処理施設に供給する下流側水路62との間に設けられており、大量の水を貯めることができるように所定深さに形成されている。さらに、貯留槽1の底部13には、沈殿した異物などを外部に排出する排出路14が形成されている。なお、上流側水路61の貯留槽1への開口と、下流側水路62の貯留槽1への開口は、貯留槽の対向壁面に設けられていると共に、本発明の仕切構造10よりも上方に設けられている。また、上流側水路61の開口近傍には多数の通孔71を有する整流板70が設けられており、貯留槽1内で乱流が生じることを防止している。
【0017】
この貯留槽1の中途部であって両水路61,62の下方側には、所定間隔を置いて複数の梁体2,…が並設されている。具体的には、各梁体2は、図1に示すように、例えば、隣り合う梁体2を水平方向に平行させて貯留槽1の側壁中途部に固定されている。また、この複数の梁体2は、上流側水路61から下流側水路62への水流方向に並設されており、各梁体2は、水流方向に対して直交する方向に長尺状に構成されている。
【0018】
この梁体2は、比較的強度を有する素材、例えば、コンクリート、鉄骨、木材などの素材で構成することができるが、傾斜板5などの仕切構造材を根本的に支持する基礎躯本となるものであって浸水するものであるため、コンクリートで構成することが好ましい。なお、梁体2の上部は山形状の傾斜面とされ、被処理水中の固形物が梁体2上に沈殿することを防止している。
【0019】
さらに、各梁体2の側面部2aには、その長手方向に所定間隔を置いて、支持部材3がそれぞれ対向して固着されている。
具体的には、この支持部材3は、図3に示すように、傾斜板5が横梁材4を介して間接的に取り付けられる部材であって、アンカーボルトなどの締結具63を介して各梁体5にそれぞれ固着されている。
この支持部材3は、図5にも示すように、例えば、一対の長状材310,310がその一端部に於いて所定角(例えば、45〜90度程度)を有して連結された本体部31と、該長状材310の一面の長手方向に所定間隔を置いて並設された突起状の支持部32とを備えており、更に、本体部31には、梁体2との固着に使用する締結具63の挿入用の孔33がその一面から他面に亘って複数穿設されている。
長状材310,310が所定角を有して連結された本体部31は、左右に次第に拡がる傾斜面部3a,3aを有し、支持部材3は、この傾斜面部3a,3aのそれぞれが貯留槽1の貯留される水面に対して傾斜するように、梁体2に固着されている。
さらに、支持部材3を構成する支持部32は、その上面32aが傾斜面部3aに面一となるように本体部31に設けられており、且つその側面32bが傾斜面部3aに略直交するように本体部31に設けられている。
【0020】
前記各梁体2に固着された対向する一対の支持部材3の各支持部32には、横梁材4がそれぞれ架設されている。
具体的には、この横梁材4は、図3及び図6にも示すように、全体として長状な部材であって傾斜板5の幅より僅かに短く形成されており、支持部32の側面32bに面接触可能な側面41aを有する脚部41と、前記脚部41の上面に略直交して設けられ、且つ脚部41の上面よりも幅広な載置面42aを有する載置部42とから構成されている。
この横梁材4は、図3に示すように、その脚部41が支持部材3の支持部32の側面32bに、且つ載置部42の裏面が支持部材3の支持部32の上面32aにそれぞれ面接触させた状態で取り付けられている。このように横梁材4が支持部材3に面接触して取り付けられていることにより、取付け強度に優れている。
尚、横梁材4は、支持部材3にボルトなどの締結具64を介して取り付けられている。
【0021】
前記横梁材4には、傾斜板5が取り付けられている。
具体的には、傾斜板5は、図4及び図7にも示すように、例えば、隣り合う梁体2の間隔と略同幅で且つ支持部材3の本体部31と略同長さの矩形状板からなり、その裏面の一端部に横梁材4の一部に係脱可能な係止部51が設けられている。この係止部51は、横梁材4の載置部42の側面42bに面接触可能に形成されている。
【0022】
かかる傾斜板5は、最上側の横梁材4の載置部42にその係止部51を係止させ、且つ一対の支持部材3の対向する支持部32に対応して複数架設された各横梁材4の載置面42aに載置されており、釘やボルトなどの締結具(図示せず)で横梁材に取り付けられている。
従って、傾斜板5は、図4に示すように、長さ方向に所定間隔を置いて並設された複数の横梁材4によって下方側から支持されるため破損しにくく、しかも、横梁材4の幅広の載置面42aに載置されているので、傾斜板5の取付け安定性にも優れている。また、傾斜板5には横梁材4に係脱可能な係止部51が設けられているので、位置決めが容易で施工性にも優れる。
【0023】
横梁材4を介して各支持部材3に取り付けられた傾斜板5は、図2及び図3に示すように、支持部材3の傾斜面部3aの傾斜に従って傾斜した状態で取り付けられ、更に、傾斜板5の傾斜方向上下端部には、間隙8が形成されている。
かかる間隙8は、隣り合う傾斜板5,5の上下端部の間に形成されており、被処理水中の落葉や砂などの異物が通過可能な程度の幅(例えば、15〜20cm程度)に形成されている。尚、傾斜板5を支持部材3に取り付けた際、かかる間隙8が自然に形成されるように、支持部材3は所定間隔を置いて梁体2に固着されている。
かかる間隙8を通じて、被処理水中の異物は貯留槽1の下層12に沈降するが、傾斜板5が傾斜して取り付けられ、且つその傾斜板5の傾斜方向下端部に間隙8が設けられているていることにより、被処理水中の異物は傾斜板5の傾斜に従って円滑に移動し、その下端部の間隙8から沈降することとなる。
【0024】
この傾斜板5の表面は、異物の移動性及び被処理水の整流効果の点から平滑面に形成されている。更に、傾斜板5の表面にフィルムを貼着したり或いはFRP樹脂などの樹脂を被覆するなどの手段によって、傾斜板5の表面に異物に対する抵抗が小さいオーバーコート層を設けることが、傾斜板5の表面の平滑性をより高めることができるので好ましい。
【0025】
なお、間隙8を介して対向する傾斜板5,5同士は、図2に示すように、上下位置がずれるように千鳥状に配置されており、平面視においてはこれら傾斜板5,5の傾斜下端部同士が若干オーバーラップするようにしつつも、上下方向に十分な広さの間隙8が確保されるようにしてある。
【0026】
傾斜板5の素材は特に限定されず、木材、硬質プラスチック、繊維強化プラスチック(FRP)、鉄板などを用いることができるが、浸水時に大きな浮力を受けることによって梁体や支持部材などの支持躯体の負荷を軽減できることから、水より比重が軽い素材が好ましく、更に、易施工性をも有する点で木材が好ましい。木材は、天然材や合成木材の何れでもよいが、施工性や水による腐食を防止できる点から、軽量で且つ耐食性を有する合成木材が好ましい。尚、支持部材3や横梁材4も同様に素材は限定されないが、加工性、施工性の良さから木材、特に前記合成木材が好ましい。
【0027】
上記貯留槽1の仕切構造10は、例えば、次の手順で施工することができる。
すなわち、図1〜図4に於いて、貯留槽1の中途部に、コンクリート製の梁体2を水平に且つ平行に構築する。
次に、この梁体2の側面2aに、所定間隔を置いて支持部材3を、その傾斜面部3aが貯留槽1の水面(本実施態様の場合には梁体2の長辺でもよい)に対して傾斜するような配置で、締結具63を用いて固着する。固着に際してはSUS304製ボルトなどの防錆性を有する締結具63を用いることが好ましく、更に、部材の接合部にエポキシ系接着剤などの接着剤を併用することが好ましい。
次に、並設された各支持部材3の対向する支持部32の上面32a及び側面32bに、横梁材4の載置部42及び脚部41の側面41aの両端部を、それぞれ面接触させて係止させる。そして、両者を締結具64を用いて締結し、各横梁材4を支持部材3に取り付けていく。この締結具64は、上記と同様に防錆性を有するものを用いることが好ましく、更に、部材の各接合部に接着剤を併用することが好ましい。
かかる横梁材4の載置部42の各載置面42aは、支持部材3の傾斜面部3aに平行な面を形成することとなる。
【0028】
次に、この横梁材4のうち、最上側の横梁材4の載置部42に傾斜板5の係止部51を係止し、該傾斜板5を全ての横梁材4の載置部42の載置面42a上に載置する。
そして、横梁材4の表面から釘などの締結具(図示せず)を横梁材4の載置部42に打ち込んで傾斜板5を横梁材4に取り付ける。
同様にして全ての傾斜板5を横梁材4に取り付けることにより、仕切構造10が構築される。尚、釘等の締結具も防錆性のものが好ましく、部材の各接合部に接着剤を併用することが好ましい。
【0029】
上記構成からなる貯留槽1の仕切構造10は、その仕切構造物によって貯留槽1が中途部を中心にして、上層11と下層12に区画される。
そして、下水や雨水などの被処理水が集水管61を通じて貯留槽1の上層11に流入すると、該被処理水はその中の異物と共に仕切構造10の傾斜板5の間隙8から下層12に流れ込んで貯留され、異物は、貯留槽1の底部13に沈殿堆積する。
更に被処理水が流入すると、貯留槽1内の一定量以上の被処理水は、供給管62を通じて水処理施設へと流出する。この際、貯留槽1は仕切構造10で区画されているので、集水管61から流入する被処理水の水流が、貯留槽1の下層12に殆ど影響を与えることはなく、該下層12に沈殿した異物が再び浮遊して水処理施設へ流出することを防止できる。
【0030】
また、貯留槽1を上下に仕切る傾斜板5は、傾斜して設けられているので、上側から水平方向から流れ込む被処理水中の異物は、その自重によって該傾斜板5の傾斜に従って移動し、隙間8から円滑に下層12へと沈降することとなる。
【0031】
以上、本発明の一実施態様を説明したが、本発明は上記の説明から把握される各態様に限られず、本発明の意図する範囲で変更することができる。
例えば、上記各態様に於いては、梁体2は、同形状のものが貯留槽1の中途部に水平方向に並設されているため施工し易いという利点を有するが、梁体2は、傾斜板5などを支持できるものであればその具体的態様はこれに限定されず、例えば、水面に非平行に設けることも可能である。
【0032】
また、上記態様に於いては、支持部材3は、一対の本体部31が所定角を有して連結された略山型形状に形成されているため、これを梁体2に所定間隔を置いて取り付け、且つこれに沿って傾斜板5を取り付けるだけで一対の傾斜板を構成することができるという施工性の良さを有するが、支持部材3は、傾斜板5及びこれに加わる荷重を支持できるものであればその具体的態様はこれに限定されない。例えば、1本の長状板からなる本体部31に支持部32が設けられたものでもよい。かかる支持部材3を用いて傾斜板を構成する際には、各支持部32が傾斜位置で配置されるように、支持部材3を梁体2に固着すればよい。
また、支持部材3は、本体部31と支持部32とからなるが、本体部31のみから構成されていてもよい。
【0033】
また、上記態様に於いては、横梁材4は、脚部41と載置部42とからなる断面略T字型形状に形成されているため、支持部材3との取付けや傾斜板5との取付けが容易で且つ安定性があるという利点を有するが、例えば、断面略L字型状などに形成されていても同様の作用効果を有する。
さらに、横梁材4は必ずしも幅広の載置部42が設けられていなければ傾斜板5を下方側から広範囲に支持できないわけではないため、横梁材4は、載置部42を有しない単なる長板状のものを用いることも可能である。
【0034】
また、上記態様に於いては、隣り合う傾斜板5の端部の間に間隙8が形成されているが、傾斜板5自体にスリットなどの孔部を形成してこれを間隙8とすることも可能である。
また、上記態様に於いては、支持部材3と横梁材4及び横梁材4と傾斜板5は、その接合部がそれぞれ面接触しているため施工性、安定性などが良いという利点を有するが、この面接触は、部材の接合部の全面が接触してするものに限られず、一部が面接触するものも含まれ、同様の作用効果を期待できる。また、これらの部材は、その接合部が点又は線接触するように構成することも可能である。
【0035】
また、上記態様に於ける仕切構造1は、傾斜板5が傾斜しているため異物の移動沈降性に優れるという利点を有するが、傾斜板5が水面に平行に設けることも可能である。
また、上記態様に於ける仕切構造1は、傾斜板5が横梁材4を介して支持部材3に支持されているため、傾斜板5が広範囲に支持されて破損しにくいという利点を有するが、横梁材4を設けずに傾斜板5を支持部材3に直接取り付けることも可能である。
【0036】
また、上記態様に於ける仕切構造1は、支持部材3などの各部材を組み立て構成されているため、各部材を工場生産することによって現場作業を軽減できるという利点を有するが、その部材の一部又は全部を現場施工によって代用することも可能である。例えば、梁体2を構築する際に、支持部材3に対応する構造を該梁体2に一体的に形成することなどが例示される。
【0037】
【発明の効果】
本発明の貯留槽の仕切構造によれば、豪雨等の緊急時に備えて10m以上の深さの貯留槽としつつも、その深さ方向中途部に仕切構造を設けることによって、槽内の水流が水深の浅い上層において生じるが、下層では水流が生じないようにすることができ、貯留槽の底部に沈殿した異物の再浮遊を防止できる。さらに、かかる仕切構造の施工を容易かつ迅速に行うことができる。
特に、仕切構造を構成する傾斜板が、傾斜して設けられ、且つこの傾斜した傾斜板の下端部に間隙が形成されている場合には、被処理水中の異物が、自重によって傾斜板の傾斜に従い下方側に移行し、下端部の隙間から下層へ沈降する。従って、仕切構造上に固形物が堆積してしまうことを防止できる。
さらに、上記傾斜板が、耐食性を備える合成木材を使用した場合には、構造物の負荷軽減のみならず、浸水による腐食を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の貯留槽の仕切構造を示す一部省略概略断面図、
【図2】A−A線断面図。
【図3】図2のB部分拡大図。
【図4】図1のC部分拡大図。
【図5】(a)は支持部材を示す正面図、(b)は同側面図。
【図6】横梁材を示す一部省略斜視図。
【図7】傾斜板を示す一部省略斜視図。
【図8】従来の貯留槽を示す一部省略概略断面図。
【符号の説明】
1 貯留槽
2 梁体
3 支持部材
31 支持部材の本体部
32 支持部材の支持部
4 横梁材
41 横梁材の脚部
42 横梁材の載置部
5 傾斜板
51 傾斜板の係止部
8 間隙
10 仕切構造
Claims (6)
- 上流側水路と下流側水路の間に設けられた貯留槽を、被処理水中を浮遊する異物の通過を許容するように上下層に仕切る貯留槽の仕切構造であって、前記貯留槽の深さ方向中途部に、複数の梁体が所定間隔を置いて並設され、前記各梁体には、他の梁体に対向する側面に支持部材がそれぞれ固定され、対向側面に固定された対の支持部材間に傾斜板が架設されており、該傾斜板は、上流側水路並びに下流側水路の貯留槽への開口よりも下方に位置しており、該傾斜板の傾斜下部側に上層と下層とを連通させる間隙が形成され、支持部材には、所定間隔をおいて複数の支持部が傾斜板の傾斜角度に沿って並設されており、隣り合う梁体の対向側面に固定された対の支持部材の互いに対応する支持部間には横梁材がそれぞれ架設されており、対の支持部間に架設された前記複数の横梁材に、各傾斜板が取付固定されていることを特徴とする貯留槽の仕切構造。
- 隣り合う梁体間には複数の傾斜板が被処理水中の異物が通過可能な間隙を有するように梁体の長手方向に並設されていることを特徴とする請求項1に記載の貯留槽の仕切構造。
- 前記傾斜板が、貯留槽内の水面に対して傾斜させて取り付けられており、前記間隙が、傾斜板の傾斜下部側に形成されている請求項2に記載の貯留槽の仕切構造。
- 横梁材が、支持部材の支持部に面接触する脚部と、該脚部よりも幅広に形成され且つ前記傾斜板の裏面に面接触する載置部と、から構成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の貯留槽の仕切構造。
- 前記傾斜板には、その傾斜方向下方への移動を阻止するように横梁材に係止可能な係止部が設けられている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の貯留槽の仕切構造。
- 前記傾斜板が合成木材で形成されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の貯留槽の仕切構造。
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