JP4718344B2 - 空気浄化装置およびそれを用いた空気浄化方法 - Google Patents
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Description
そのため、室内空気質(IAQ:Indoor Air Quality)の改善が望まれ、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、酢酸、アンモニアなどの臭気成分は、建築基準法などの法令で室内上限濃度が定められている。これら臭気成分の除去方法は、活性炭などの吸着材に化学物質を吸着し除去する方法が一般的であった。しかしながら、この方法では吸着材における臭気成分の吸着能力は短期間のうちに飽和するので、空気浄化能力が低下される。これにより、吸着材の交換による材料コストの増大、吸着材の交換や掃除などによるメンテナンスの煩雑化などの問題があった。
すなわち、従来のガス浄化装置は、粒子状物質と化学物質を含んだガスから粒子状物質を分離する粒子状物質分離手段と、ガスに含まれた化学物質を吸着する吸着材と、この吸着材の電位を調整するための給電極と、吸着材に対向して設けられた放電電極と、給電極または放電電極の電位をゼロ電位にする電位調節手段と、高電圧を発生する高圧電源とを備え、吸着材と放電電極によって形成する空間にて生じた放電プラズマによって生成される活性種により、若しくは、大気中若しくは吸着材表面に存在する水分が放電プラズマによって反応することにより生成される活性種により、吸着材にて捕集された化学物質(臭気成分)を分解除去していた(例えば、特許文献1参照)。
従って、高圧電極から供給する電力を抑えつつ、臭気成分の分解除去を効率よく行うことができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る空気浄化装置の構成図、図2はこの発明の実施の形態1に係る空気浄化装置における線状電極の構造を説明する図、図3はこの発明の実施の形態1に係る空気浄化装置における放電プラズマ未発生状態でのアセトアルデヒド除去率と試験回数との関係を示す図、図4はこの発明の実施の形態1に係る空気浄化装置におけるアセトアルデヒド除去率と放電電力との関係を示す図、図5はこの発明の実施の形態1に係る空気浄化装置において放電電力をパラメータとした時のアセトアルデヒド除去率と試験回数との関係を示す図、図6はこの発明の実施の形態1に係る空気浄化装置において高圧電極形状をパラメータとした時のアセトアルデヒド除去率と試験回数との関係を示す図、図7はこの発明の実施の形態1に係る空気浄化装置において放電ギャップ長をパラメータとした時のアセトアルデヒド除去率と試験回数との関係を示す図、図8はこの発明の実施の形態1に係る空気浄化装置において分解除去されたアセトアルデヒドの量/漏洩オゾンの量および漏洩オゾン濃度と放電ギャップ長との関係を示す図、図9はこの発明の実施の形態1に係る空気浄化装置において放電用導線の配列間隔をパラメータとした時のアセトアルデヒド除去率と試験回数との関係を示す図、図10はこの発明の実施の形態1に係る空気浄化装置において分解除去されたアセトアルデヒドの量/漏洩オゾンの量および漏洩オゾン濃度と放電用導線の配列間隔との関係を示す図、図11は突起状電極の構造を説明する図である。
臭気成分であるVOCsおよびアンモニアなどの化学物質が含まれている処理ガス6が送風機2に導かれて整流板3を通過する。整流板3では、処理ガス6の気流が均一な方向に整えられる。そして、浄化部4a〜4dが、整流板3を通過した処理ガス6の気流に沿った方向に所定の間隔で4層に配設されている。浄化部4a〜4dでは、通過する処理ガス6に含有される臭気成分の分解除去が行われる。そして、処理ガス6に含有される臭気成分が浄化部4a〜4dによって分解除去された後の清浄ガス11が、気流の下流側に配置される浄化部4dから排出される。
線状電極9a〜9dのそれぞれは、図2に示されるように、放電用導線接続手段としての金属枠12a、複数の放電用導線13および金属ばね14で構成される。複数の放電用導線13は、長方形に形成される金属枠12aの枠面と平行に所定の間隔で配列される。そして、複数の放電用導線13のそれぞれの一端側が、金属枠12aの一辺側内壁に固着され、他端側が金属ばね14を介して金属枠12aの相対する他辺側内壁に固着される。金属ばね14は、放電用導線13に一定の張力が働くように配設されて、放電用導線13が熱膨張によって伸びても撓まないようになっている。また、金属枠12aによって、複数の放電用導線13は同電位に接続される。
放電用導線13の材質としては、タングステン線に白金を伸線処理した白金クラッドタングステンが用いられる。
これらの触媒の種類によって、分解を促進させる臭気成分の種類が異なるので、空気浄化装置1Aが使用される環境化に適した触媒を基材に担持させる必要がある。
また、処理ガス6の流量が大きくなる場合には、吸着材8a〜8dで発生する圧力損失
の増大を抑制する必要がある。圧力損失の増大は、基材のセル数(細孔数)を100〜1000セル/inch2にすると抑制されるが、さらには基材のセル数を300〜800セル/inch2とするのが望ましい。
また、線状電極9a〜9dのそれぞれは導電配線10bによって、直流高電圧供給用の高圧電源5aに接続されている。
この放電プラズマにより高速電子が発生し、さらに放電プラズマは放電空間に存在している窒素、酸素などの中性分子や水分子にエネルギーを与え、酸素原子(O)、水素イオン(H+)、酸素イオン(O−やO2 −)などの正、負イオンやオゾン(O3)が生成される。高速電子、正、負イオンおよびオゾンなどを活性種とする。
さらに、4層の浄化部4a〜4dのそれぞれで臭気成分が分解されるので、臭気成分の量が多量になっても臭気成分が分解除去しきれずに再放出されることが軽減される。
また、吸着材8a〜8dに吸着した臭気成分は、活性種によって分解除去され、吸着材8a〜8dから取り除かれるので、吸着材8a〜8dの吸着力が失われることがない。さらに、活性種による吸着材8a〜8dに吸着した臭気成分の分解除去は、放電プラズマを発生させている間は常時継続されるので、吸着材8a〜8dは長期にわたって交換する必要がなく、メンテナンスが軽減される空気浄化装置1Aが提供される。
アセトアルデヒド除去率[%]=100×((初期濃度[ppm]−残留濃度[ppm])/初期濃度[ppm])
それぞれの吸着材について、吸着材を交換することなく上記の試験を5回連続で繰り返し、アセトアルデヒド除去率の推移を調べた。その結果を図3に示す。
図3中、縦軸はアセトアルデヒド除去率[%]、横軸は試験回数を表し、301〜303がそれぞれ第1の吸着材301〜第3の吸着材303を用いた場合の試験結果に対応している。
一般に触媒に水分が吸着されると、触媒作用の低下を起こす。つまり、放電空間の空気中にも水分が含有されており、基材に担持させた触媒に水分が吸着されると触媒被毒を起こして吸着材の吸着能力が低下する。従って、疎水性の高い疎水性ゼオライトが当着された第1の吸着材301を吸着材に用いた場合、水分の吸着量が軽減されるので、第2の吸着材302より高い値のアセトアルデヒド除去率が維持されるものと判断される。
このように吸着材に第1の吸着材301を用いた場合、効率よくアセトアルデヒドを吸着させることができる。
また、空気浄化装置1Aにおける放電電力は、浄化部4a〜4dで消費される全電力である。
アセトアルデヒドの吸着能力が低い第3の吸着材303を吸着材に用いた場合、アセトアルデヒド除去率は放電電力5Wでは約60%、放電電力10Wでは約85%の値を示した。一方、アセトアルデヒド吸着能力が高い第1の吸着材301を吸着材にもちいた場合、アセトアルデヒド除去率は、放電電力が1Wでも約75%の高い値を示し、放電電力5Wでは約95%の値を示した。
このことから、アセトアルデヒドが高効率に吸着される吸着材を選定することにより、低い放電電力でもアセトアルデヒドを効率的に分解除去できることがわかる。
空気浄化装置1Aの4つの浄化部4a〜4dの吸着材8a〜8dそれぞれには、厚さ5mmの第1の吸着材を用いた。一方、比較用の空気浄化装置の浄化部の吸着材には厚さ20mmの第1の吸着材を用いた。
そして、図の501、503はそれぞれ空気浄化装置1Aにおける放電電力が5Wおよび1Wでの結果をそれぞれ示し、図の502および504は比較用の空気浄化装置における放電電力が5Wおよび1Wの時の結果をそれぞれ示している。また、図の505は空気浄化装置1Aにおいて放電プラズマを用いない場合の結果を示している。
そして、空気浄化装置1Aおよび比較用の空気浄化装置のいずれにおいても、試験回数に関係なくアルデヒド除去率が安定して高い値で推移した。また、空気浄化装置1Aのアセトアルデヒド除去率の方が比較用の空気浄化装置のものより高い値で推移し、15回目の試験終了後におけるアセトアルデヒド除去率は、比較用の空気浄化装置では90%、空気浄化装置1Aでは、95%であった。
空気浄化装置1Aは、浄化部4a〜4dが4層に配列されているので、アセトアルデヒドを分解除去するための放電処理面が7面と増加する。これに対して、比較用の空気浄化装置では放電処理面が1面である。従って、4層の浄化部4a〜4dを有する空気浄化装置1Aでは、1層の浄化部からなる比較用の空気浄化装置よりもアセトアルデヒド分解効率が向上し、同じ放電電力でも高効率に臭気成分を分解除去できるものと判断される。
特に、放電電力を1Wの低電力に設定した試験において、空気浄化装置1Aのアセトアルデヒド除去率が比較用の空気浄化装置のものより顕著に大きな値となっていた。従って、空気浄化装置1Aでは、放電電力が低電力でも高効率にアセトアルデヒドが分解除去される。
なお、放電電力は5Wで試験を行い、線状電極9a〜9dの放電用導線13および突起状電極15a〜15dの金属柱16の配列間隔は10mmに設定されている。
試験はアセトアルデヒドの濃度を10ppmに調整し、空気浄化装置を30分間連続稼動してアセトアルデヒドを分解除去させ、除去前後のアセトアルデヒド濃度を測定した。線状電極9a〜9dを用いたものの試験では、放電プラズマを照射せずに吸着材8a〜8dのみによるアセトアルデヒドの分解除去試験も行った。
図の601は線状電極9a〜9d、602が突起状電極15a〜15d、603が空気浄化装置1Aにおいて放電プラズマを発生させない場合の結果をそれぞれ示している。
初回の試験終了後のアセトアルデヒド除去率は、線状電極9a〜9dを用いたもので95%程度、突起状電極15a〜15dを用いたもので90%程度、放電プラズマを用いないものでは85%程度であった。
そして、線状電極9a〜9dを用いた試験においては、試験回数よらず、安定して高い値のアセトアルデヒド除去率で推移した。
また、突起状電極15a〜15dを用いたものおよび放電プラズマを発生させないものの試験においては、試験回数が増加するとともにアセトアルデヒド除去効率が低下し、5回目の試験終了後にはいずれも70%程度の値となった。
突起状電極15a〜15dを用いた場合、線状電極9a〜9dを用いた場合に比べて、電極先端の僅かな領域から放電空間に放電プラズマが照射されるだけなので、放電空間では放電プラズマが行き届かない領域が生じるものと予想される。つまり、吸着材8a〜8dに導かれる活性種が放電処理面全体に行き届かなくなる。従って、吸着材8a〜8dに吸着されたアセトアルデヒドが効率よく分解除去されず、アセトアルデヒド除去率が試験回数の増加とともに低下するものと判断される。
例えば、以下のように放電プラズマを間欠的に発生させてもよい。
まず、空気浄化装置1Aにおいて、光音響マルチガスモニタを浄化部4aの処理ガス6の気流上流側に配置する。さらに、他の光音響マルチガスモニタを浄化部4dの清浄ガス11の排出側に配置する。これにより、浄化部4aに導入される処理ガス6に含有されるアセトアルデヒドの濃度および浄化部4dから排出される清浄ガス11に含有されるアセトアルデヒドの濃度を測定できる。
上記の試験を5回繰り返し、アセトアルデヒド除去率の推移を調べた。図7中、縦軸にはアセトアルデヒドの除去率[%]、横軸には試験回数を表記している。
図7中の701〜704は、それぞれギャップ長3,5,10,15mmでの結果を示すものであり、705は放電プラズマを用いない場合での結果を示している。
前述の試験での説明と同様に、放電プラズマを用いない場合のアセトアルデヒド除去率は、初回試験後80%以上の値を示し、試験回数が増加するにつれて低下する。
また、放電プラズマを用いた場合のアセトアルデヒド除去率は放電プラズマを用いない場合に比べて高い。
一方、放電ギャップ長3mmおよび5mmのものでは、試験回数によらず、アセトアルデヒド除去率は90%以上で安定して推移した。5回目の試験終了時のアセトアルデヒド除去率は、放電ギャップ長3mmのものでは95%、放電ギャップ長5mmのものも95%であった。
以上の結果から、アセトアルデヒド除去率は、基本的には放電ギャップの短いほうが高い傾向にあることがわかった。
そして、漏洩オゾン濃度は、放電ギャップ長を3mmから5mmに広げていくとともに急激に低下した。また、放電ギャップ長が5mmからさらに広げられると、漏洩オゾン濃度はなだらかに低下するようになり、放電ギャップ長が10mm以上になるとほぼ一定のオゾン濃度で推移した。
一方、浄化性能評価値は、放電ギャップ長が3mmから5mmに広がるにつれて上昇したが、放電ギャップ長が5mmを超えると低下に転じた。さらに、放電ギャップ長が広くなるにつれて浄化性能評価値の値は減少し、放電ギャップ長を10mm以上になると低下の割合がなだらかとなった。
活性種は、他の活性種や物質と反応しやすい状態にあるので、短時間のうちに消滅してしまう。そこで、放電ギャップ長が5mmより長くなるにつれて、空気浄化装置1Aから漏洩するオゾン量の増大が抑制されるものの、吸着材8a〜8dに到達される活性種の量も減少してアセトアルデヒドの分解除去がされにくくなる。従って、放電ギャップ長が5mmから広がるにつれて浄化性能評価値の値は小さくなるものと判断される。逆に放電ギャップ長が5mmから短くなるにつれて、吸着材8a〜8dに到達される活性種の量が増大し、アセトアルデヒドの分解除去量は維持されるものの、空気浄化装置1Aから漏洩するオゾン量は急激に増えるので、浄化性能評価値の値は小さくなるものと判断される。
試験はアセトアルデヒドの濃度を10ppmに調整した後、空気浄化装置1Aを30分間連続稼動して臭気成分を分解除去させて、処理前後のアセトアルデヒド濃度を測定した。また、放電プラズマを照射せずに吸着材8a〜8dのみによる試験も行った。試験結果を図9に示す。
また、901〜903が、線状電極9a〜9dの放電用導線13の配列間隔が5,10,15mmのときの特性をそれぞれ表している。また、904は放電プラズマを使用しない場合での特性を示している。
また、放電用導線13の配列間隔が5mmおよび10mmでの試験では、試験回数によらず、アセトアルデヒド除去率は90%以上の高い値で安定して推移した。
放電用導線13の配列間隔が15mmでの試験では、試験回数が増加するとともに緩やかにアセトアルデヒド除去率は低下した。
5回目の試験終了後のアセトアルデヒド除去率は、放電用導線13の配列間隔が5mmの場合では92%、放電用導線13の配列間隔が10mmの場合では95%、放電用導線13の配列間隔が15mmの場合では83%であった。
放電用導線13の配列間隔が広くなるほど、放電プラズマを照射するための放電面積が減少し、放電空間では放電プラズマが均一に行き届かなくなる。つまりは放電プラズマによって生成される活性種が吸着材8a〜8dの放電処理面に行き届かなくなる。従って、吸着材8a〜8dの放電処理面において、アセトアルデヒドの分解除去が十分に行えない領域が生じるため、放電用導線13の配列間隔を15mmとした試験では、アセトアルデヒド除去率が低下するものと判断される。
一方、浄化性能評価値は、放電用導線13の配列間隔を5mmから10mmに広げていくとともに増大する。しかし、放電用導線13の配列間隔が10mmを境に、放電用導線13の配列間隔を広げても浄化性能評価値は減少し続ける。つまり、放電用導線13の配列間隔が10mmで浄化性能評価値の値が最良化されている。
前述にて検討したとおり、放電用導線13の配列間隔は、10mmより広がるにつれて、放電空間では放電プラズマが均一に行き届かなくなり、つまりは放電プラズマによって生成される活性種が吸着材8a〜8dの放電処理面に行き届かなくなる。従って、アセトアルデヒドの分解除去能力が落ちて浄化性能評価値が小さくなるものと判断される。特に放電用導線13の配列間隔が12mmを超えると、アセトアルデヒドの分解除去能力が低下する割合が加速されるものと判断される。
以上の結果から、漏洩オゾン濃度を低い値でかつ浄化性能評価値が高く維持されるためには、放電用導線13の配列間隔を10mmに設定するのが最良である。ただし、放電用導線13の配列間隔が8〜12mmであれば、空気浄化装置1Aでは効率的にアセトアルデヒドを分解除去しつつ漏洩オゾン濃度を低く抑えることができる。
また、吸着材8a〜8dに、アセトアルデヒドを効率よく吸着させることができる第1の吸着材301を用いることで、より効果的にアセトアルデヒドを分解除去できる。
また、放電用導線13の配列間隔を8〜12mmに設定することで、効率的にアセトアルデヒドを分解除去しつつ、漏洩オゾン濃度の上昇を抑制することができる。
複数の臭気成分が含有される処理ガスにおいては、単一の触媒のみが吸着材8a〜8dに担持されていると、触媒表面に臭気成分の反応に寄与しない物質が吸着され、触媒作用の低下や停止を招く触媒被毒が発生する場合もある。従って、触媒を複数種混ぜ合わせて、吸着材8a〜8dに担持させることにより、触媒被毒に対して耐性が生まれ、長期にわたって臭気成分の優れた分解除去能力が維持される。
図12はこの発明の実施の形態2に係る空気浄化装置の構成図である。
図12において、空気浄化装置1Bは、空気浄化装置1Aにおいて、高圧電源5aと線状電極9a〜9dとの間に配設されるスイッチング素子18をさらに備えている。
つまり、浄化部4a〜4dは奇数番目の線状電極9a,9cを有するグループと偶数番目の線状電極9b,9dを有する2つのグループに分けられている。
なお、他の構成は実施の形態1と同様に構成されている。
従って、この実施の形態2によれば、吸着材8a〜8dの放電処理面において高効率に臭気成分を分解除去しつつ、高圧電源5aから供給される電力消費を低減することができる。
図13はこの発明の実施の形態3に係る空気浄化装置の構成図、図14はこの発明の実施の形態3に係る空気浄化装置のメッシュ状電極の構造を説明するための図である。
図13において空気浄化装置1Cは、空気浄化装置1Aの浄化部4a〜4dの線状電極9a〜9dの代わりに誘電体挟持電極部19a〜19dが配設された浄化部4e〜4hを有している。また、高圧電源5aの代わりに交流高電圧供給用の高圧電源5bが配設されている。
なお、他の構成は実施の形態1と同様に構成されている。
また、高圧電源5bから交流高電圧がメッシュ状電極20a〜20dに印加されると、メッシュ状電極20a〜20dと吸着材8a〜8dとの間に形成される放電空間に無声放電が発生する。この無声放電によって発生させた放電プラズマによって大気中の酸素などの中性分子が解離されてオゾンや酸素原子などの活性種が生成される。メッシュ状の誘電体挟持電極部19a〜19dと対向する吸着材8a〜8dには、この無声放電によって発生する放電プラズマによって生成される活性種が全面に行き届く。従って、実施の形態1と同様に、吸着材8a〜8dに吸着されている臭気成分が効率的に分解除去される。
従って、実施の形態3においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
図15はこの発明の実施の形態4に係る空気清浄化装置の構成図である。
図15において、空気浄化装置1Dは、空気浄化装置1Aの浄化部4a〜4dの代わりに浄化部4i〜4lが配置されている。そして、処理ガス6の気流方向の下流側に配設される浄化部4i〜4lほど、放電ギャップ長が広くあけられている。
この実施の形態4では、放電ギャップ長を吸着材8a〜8dのそれぞれにおいて、処理ガスが流入される側の面(一面側)と対向する線状電極9a〜9dとの間の距離として新たに定義する。また、隣接する線状電極9a〜9dの配列間隔は空気浄化装置1Aにおける線状電極9a〜9dの配列間隔と同じである。
なお、他の構成は実施の形態1と同様に構成されている。
従って、空気浄化装置1Aでの高圧電源5aと同じ大きさの電圧を印加した場合でも、気流導入側に近い浄化部4iでは、放電プラズマにより生成される活性種が行き届きやすくなり、放電処理面の臭気成分の分解除去能力が向上される。また、浄化部4j〜4lでは、徐々に放電ギャップ長が広がって浄化部4j〜4lでの臭気成分の分解除去能力は低下されるものの、放電処理面に吸着される臭気成分の量も減少するので問題なく臭気成分は分解除去される。
従って、空気浄化装置1Dでは、高圧電源5aから供給される電力を増大させることなしに、臭気成分の分解除去が効率よく行われ、さらに吸着材8a〜8dのそれぞれが破過されることなく、その吸着力が再生される。
ただし、白金は、自動車触媒として用いる三元触媒に代表されるように、白金表面に酸素分子を吸着し、酸化力の強い酸素原子を白金上に生成することが知られている。即ち、線状電極9a〜9dに白金クラッドタングステン線を用いることにより、白金触媒機能が加わり、臭気成分分解除去効率がより向上される。
また、給電極7a〜7dを接地して、高圧電極に高圧電源から高電圧を印加するものとして説明したが、給電極7a〜7dは接地することに限定されるものではなく、給電極7a〜7dと高圧電極との間に高圧電源の高電圧が印加されていればよい。
Claims (6)
- 基材および基材に担持される触媒で構成され、かつ給電極が接した状態に配設される導電性の吸着材および該吸着材に対向して配設される高圧電極を有する複数の浄化部と、上記給電極と上記高圧電極との間に高電圧を印加するための高圧電源と、を備え、
処理ガスに含有される臭気成分を、上記吸着材に吸着させ、上記高圧電極と上記吸着材との間に放電プラズマを発生させて、該放電プラズマにより生成される活性種により上記臭気成分を分解除去する空気浄化装置であって、
上記複数の浄化部は、上記処理ガスの気流方向に配設され、かつ下流側に配設される浄化部ほど上記高圧電極と上記吸着材との間隔が広くあけられることを特徴とする空気浄化装置。 - 上記基材は、疎水性ゼオライトがセラミクス表面に当着されたものであり、上記触媒は二酸化マンガンであることを特徴とする請求項1に記載の空気浄化装置。
- 上記高圧電極は、同一平面上に平行かつ所定の配列間隔で配列される複数の放電用導線と、放電用導線の両端側のそれぞれを同電位に接続されるための放電用導線接続手段と、を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気浄化装置。
- 上記吸着材と上記高圧電極との間の距離が4〜7mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の空気浄化装置。
- 上記複数の浄化部は、それぞれ高圧電極が同電位に接続された2つのグループに分けられ、スイッチング素子が上記高圧電源と上記複数の浄化部との間に配設されて、上記高電圧が上記2つのグループに交互に印加されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の空気浄化装置。
- 上記高圧電極は、メッシュ状電極であり、誘電体部が上記メッシュ状電極の表面に接して配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気浄化装置。
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