JP2000300650A - 光触媒型空気浄化装置 - Google Patents

光触媒型空気浄化装置

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JP2000300650A
JP2000300650A JP11295299A JP11295299A JP2000300650A JP 2000300650 A JP2000300650 A JP 2000300650A JP 11295299 A JP11295299 A JP 11295299A JP 11295299 A JP11295299 A JP 11295299A JP 2000300650 A JP2000300650 A JP 2000300650A
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air
photocatalyst
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photocatalytic
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JP11295299A
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Fumie Yoshikawa
文恵 吉川
Jun Emi
準 江見
Yoshio Otani
吉生 大谷
Norikazu Namiki
則和 並木
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Kumagai Gumi Co Ltd
Original Assignee
Kumagai Gumi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電光触媒反応で有害物質の除去率を図る。 【解決手段】 UVランプ4より発生した波長352n
mの紫外線が光触媒5,6に照射した状態において、浄
化対象空気7を入口2よりケース1の内部に導入するこ
とにより、電極9,10でのコロナ放電により浄化対象
空気7中の有害物質を+イオン化すると共に浄化対象空
気中の水分よりヒドロニウムイオンを生成する。+イオ
ン化された有害物質が光触媒5,6に良好に吸着され、
ヒドロニウムイオンが光触媒5,6の価電帯より伝導帯
に励起した電子を中和して当該電子と価電帯の正孔との
再結合を防止し、エアフィルタ15が上記空気中の浮遊
粉塵を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気中の揮発性
有機物、煙草の煙、窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害物
質を光触媒により除去して、清浄な空気を得る光触媒型
空気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の光触媒型空気浄化装置を
示している。この図10において、1は箱型のケース、
2はケース1に形成された入口、3はケースに形成され
た出口、4はケース1の内部に配置されたUVランプ、
5,6はUVランプ4を間に置くようにケース1の内部
に配置された光触媒である。そして、UVランプ4を点
灯することにより、UVランプ4より発生した波長35
2nmの紫外線が光触媒5,6に照射した状態におい
て、入口2よりケース1の内部に取り入れられた有害物
質を含む浄化対象空気7が光触媒5、UVランプ4、光
触媒6を順に経由する過程において、光触媒5,6の酸
化還元反応により浄化対象空気7中の有害物質を分解除
去し、清浄な空気を出口3よりクリーンルームや居住空
間等に供給し得る形態である。光触媒5,6としては、
浄化対象空気7の流れる方向に格子状(ハニカム状)の
通路のあるモノリス担体をコージエライト(2Mg0・
2Al ・5SiO)により形成し、このモノリ
ス担体の表面に酸化チタン(Ti0)や酸化亜鉛(Z
nO)等のような光触媒半導体を担持した活性成分担持
層をコーティングした形態のモノリスタイプが用いられ
ている。つまり、図11に示すように、この従来の光触
媒型空気浄化装置では、光触媒5,6の光触媒半導体5
0にバンドギャップ51より高いエネルギーを有する紫
外線のような光子56を照射することにより、価電帯5
2より伝導帯53に電子54を励起させ、価電帯52に
電子54の抜け殻として正孔(ホール)55を発生し、
酸化還元が同時に起こる光触媒反応を利用している。光
触媒半導体50を酸化チタンにより形成した場合は、正
孔55によって生成されるOHラジカルによる酸化反応
が卓越している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の光触媒型空気浄化装置では、光触媒5,6の周囲に
+イオンが存在しなければ、価電帯より伝導帯に励起し
た電子は価電帯の正孔と再結合しやすい状態である。そ
して、上記電子が正孔に再結合すると、正孔が酸化反応
に寄与しなくなり、長時間、高効率の除去が期待できな
い。
【0004】ところで、特開平5−237337号公報
には、浄化対象空気にアンモニアを注入し、浄化対象空
気の流れの内側に配置した内部電極と浄化対象空気の流
れの外側に配置した外部電極とによりグロー放電を行
い、このグロー放電により浄化対象空気をイオン化する
と共に、グロー放電からの光により酸化チタンのような
光触媒を励起して、有害物質をアンモニウム塩としての
固形体に生成し、この固形体を浄化対象空気より分離
し、清浄な空気を得るようにした、光触媒型空気浄化装
置が開示されている。しかし、この光触媒型空気浄化装
置は、グロー放電から発生する波長400nm程度の紫
外線により光触媒に正孔と電子とを発生することはでき
るものの、アンモニアの使用が必要であり、グロー放電
による浄化対象空気に対するイオン化に際し+イオンを
−イオンより多量に作る形態になっておらず、前記と同
様に、価電帯より伝導帯に励起した電子と価電帯の正孔
との再結合防止を図ることができず、有害物質の除去率
を長時間、高効率に期待することはできない。
【0005】又、特開平8−299786号公報には、
装置に導入された浄化対象空気にX線を照射して有害物
質をイオン化し、このイオン化された有害物質をX線照
射により活性していると共に高電圧印加により電界を生
じている酸化チタンのような光触媒に吸着して除去する
ようにした、光触媒型空気浄化装置が開示されている。
しかし、この光触媒型空気浄化装置は、X線照射により
光触媒に正孔と電子とを発生することはできるものの、
X線の漏れ対策が必要であり、X線照射による浄化対象
空気に対するイオン化に際し+イオンを−イオンより多
量に作る形態になっておらず、前記と同様に、価電帯よ
り伝導帯に励起した電子と価電帯の正孔との再結合防止
を図ることができず、有害物質の除去率を長時間、高効
率に期待することはできない。
【0006】そこで、この発明は、放電光触媒反応で有
害物質の除去率を向上できる光触媒型空気浄化装置を提
供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあって
は、ケースの入口より内部に導入された浄化対象空気を
紫外線の照射により励起した光触媒に通過させ、この光
触媒により浄化対象空気中の有害物質を除去して清浄な
空気を生成し、この清浄な空気をケースの出口より導出
するようにした光触媒型空気浄化装置において、ケース
の内部に浄化対象空気に対して+イオン化の作用を行う
ための放電用の電極と、浮遊粉塵除去のためのエアフィ
ルタとを設けたことを特徴としている。請求項2の発明
にあっては、請求項1に記載の放電用の電極が光触媒の
上流側に配置されたことを特徴としている。請求項3の
発明にあっては、請求項1に記載の放電用の電極が光触
媒に対してサンドイッチ状に配置されたことを特徴とし
ている。請求項4の発明にあっては、請求項1に記載の
紫外線の発生源が波長352nmの紫外線を発生するU
Vランプにより形成されたことを特徴としている。請求
項5の発明にあっては、請求項1に記載のエアフィルタ
が高性能フィルタであって光触媒の下流側に配置された
ことを特徴としている。請求項6の発明にあっては、ケ
ースの入口より内部に導入された浄化対象空気を紫外線
の照射により励起した光触媒に通過させ、この光触媒に
より浄化対象空気中の有害物質を除去して清浄な空気を
生成し、この清浄な空気をケースの出口より導出するよ
うにした光触媒型空気浄化装置において、光触媒が放電
用の電極でサンドイッチ状に配置され、放電用の電極に
交流電圧が印加されることを特徴としている。請求項7
の発明にあっては、請求項6記載のケースの内部に浮遊
粉塵除去のためのエアフィルタを設けたことを特徴とす
る光触媒型空気浄化装置。請求項8の発明にあっては、
請求項5に記載のエアフィルタが高性能フィルタであっ
て光触媒の下流側に配置されたことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は第1実施形態を示してい
る。この図1において、ケース1の入口2及び出口3と
の間の内部には、UVランプ4と、光触媒5,6と、イ
オナイザ8と、エアフィルタ15を配置している。光触
媒5,6は、浄化対象空気7の流れる方向に格子状の通
路のあるコージエライトにより形成されたモノリス担体
の表面に酸化チタン(Ti0)のような光触媒半導体
を担持した活性成分担持層をコーティングした形態のモ
ノリスタイプとして形成されており、UVランプ4を間
に置くようにして浄化対象空気7の流れの上流側と下流
側とに配置されている。そして、UVランプ4と光触媒
5,6との間隔は同じ寸法に設定されおり、UVランプ
4から発生した波長352nmの紫外線が光触媒5,6
に均等に照射する形態になっている。
【0009】イオナイザ8は、上流側の光触媒5より上
流側において、電極9,10を、浄化対象空気7の流れ
の上流側と下流側とに所定間隔を以てケース1の一部を
構成する両端開放状の筒状の側壁に外部より内部に電気
的な絶縁状態で突設している。電極9,10には、コン
トローラ11の放電用の出力端子11a,11bがコネ
クタ12を介して電線13,14により接続されてい
る。そして、コントローラ11が設定されたイオン発生
タイミングに従ってAC48Vを電線13,14を経て
コネクタ12に供給し、コネクタ12が上記交流低電圧
をDC±3〜17KVの直流高電圧に変換して電線1
3,14を経て電極9,10に供給する。これにより、
電極9,10の間でコロナ放電が起こり、電極9,10
付近の浄化対象空気7の分子が直流高電圧の極性に従っ
て+又は−にイオン化される。イオン発生量は、コネク
タ12で変換される直流高電圧の電圧値を変えることに
より調整される。
【0010】そして、+イオンを多量に発生させる場合
は、上流側の電極9を低電位とし、下流側の電極10を
高電位として、1秒間に1回の割合で、パルス的に直流
高電圧をかけることにより、−イオンの発生量を極端に
少なくする。−イオンを多量に発生させる場合は、電極
9,10の電位を逆にすればよい。発生される+イオン
の種類は主にヒドロニウムイオンであり、発生される−
イオンの種類は主にO 、CO 、NO 、NO
、O、O 等である。
【0011】この第1実施形態では、イオナイザ8が浄
化対象空気に対して+イオン化の作用を行うこと、つま
り、イオナイザ8により浄化対象空気中の有害物質を+
イオン化すると共に、上浄化対象空気中の水分よりヒド
ロニウムイオンを生成することが重要であるので、上流
側の電極9を低電位とし、下流側の電極10を高電位に
設定している。
【0012】エアフィルタ15は準HEPAフィルタや
HEPAフィルタ若しくはULPAフィルタなどの1μ
m以下の微細粉塵の捕集可能な高性能フィルタである。
エアフィルタ15には光触媒反応で分解される物質が含
まれているいるので、光触媒反応による物質の分解量が
低減するように、光触媒6とエアフィルタ15との間に
ある程度の距離が設けられている。
【0013】この第1実施形態の構造によれば、UVラ
ンプ4を点灯すると共にイオナイザ8を放電動作するこ
とにより、UVランプ4より発生した波長352nmの
紫外線が光触媒5,6に照射した状態において、浄化対
象空気7を入口2よりケース1の内部に導入した後、イ
オナイザ8、光触媒5、UVランプ4、光触媒6、エア
フィルタ15を順に経由する。この過程において、イオ
ナイザ8がコロナ放電により浄化対象空気7中の有害物
質を+イオン化すると共に浄化対象空気中の水分よりヒ
ドロニウムイオンを生成する。+イオン化された有害物
質は、光触媒5,6に到達することにより、光触媒5,
6中の光触媒半導体物質であるTiOに良好に吸着さ
れる。又、+イオンとして生成されたヒドロニウムイオ
ンは、光触媒5,6に到達して、光触媒5,6の価電帯
より伝導帯に励起した電子を中和し、当該電子と価電帯
の正孔との再結合を防止する。よって、光触媒5,6で
は、有害物質を効率良く吸着除去すると共に、正孔によ
る有害物質の除去率を長時間向上できる。更に、光触媒
5,6による分解と放電による分解を受けた空気がエア
フィルタ15を通過することにより、エアフィルタ15
が上記空気中の微粒子を除去する。そして、有害な化学
物質と微粒子物質とが除去された清浄な空気が出口3よ
りクリーンルームや居住空間等に供給される。
【0014】図2は第2実施形態を示している。この図
2では、イオナイザ8の放電用の複数の電極9A,10
Aを光触媒5,6の部分に配置して、ヒドロニウムイオ
ンや+イオン化された有害物質の輸送経路損失を低減す
ると共に装置の小型化を図ると共に、光触媒6の下流側
にエアフィルタ15を配置した特徴を有する。即ち、イ
オナイザ8の電極9A,10AをUVランプ4の前後に
等距離に離隔配置した光触媒5,6に対してサンドイッ
チ状に配置している。各光触媒5,6の上流側の電極9
Aとしてはステンレスワイヤを張り、下流側の電極10
Aとしてはステンレスワイヤメッシュを配置している。
そして、ステンレスワイヤ9Aを低電位とし、ステンレ
スワイヤメッシュ10Aを高電位として、第1実施形態
と同様にコントローラ11よりコネクタ12を介して直
流高電圧を1秒間に1回の割合でパルス的にかけて、光
触媒5,6の表面でコロナ放電を起こすことにより、+
イオンによる光触媒反応の活性向上、コロナ放電による
分解作用向上、コロナ放電により発生するオゾンによる
分解作用向上を図ることができる。更に、エアフィルタ
15が上記空気中の微粒子を除去する。そして、有害な
化学物質と微粒子物質とが除去された清浄な空気が出口
3よりクリーンルームや居住空間等に供給される。
【0015】この第2実施形態ではステンレスワイヤの
ような電極9Aとステンレスワイヤメッシュのような電
極10Aとを光触媒5,6の部分の双方に配置したが、
電極9Aと電極10Aとを光触媒5,6のうちの一方に
対してサンドイッチ状に配置しても良いが、この場合、
下流側の光触媒6に対し電極9Aと電極10Aとを配置
すれば、上流側の光触媒5で有害物質が除去された浄化
対象空気に対して下流側の電極9Aと電極10Aとが+
イオン化の作用を行うので、上流側の光触媒5に対し電
極9Aと電極10Aとを配置したものよりも除去率が良
い。
【0016】図3は第3実施形態を示している。この図
3では、光触媒6の部分に配置された電極9A,10A
の位置を第2実施形態とは反転させて、エアフィルタ1
5を静電フィルタとしても機能させた特徴を有する。即
ち、エアフィルタ15が電極9Aを利用して静電フィル
タとして機能することにより、エアフィルタ15での微
粒子除去性能を向上させることができる。
【0017】図4は第4実施形態を示している。この図
4では、ケース1の入口2及び出口3との間の内部に
は、イオナイザ8の針状なる負極側の電極9Aと、UV
ランプ4と、光触媒6と、イオナイザ8のメッシュなる
正極側の電極10Aと、エアフィルタ15を配置して、
光触媒6を電極9A,10Aでサンドイッチ状に挟んだ
特徴を有する。
【0018】図5は第5実施形態を示している。この図
5では、ケース1の入口2及び出口3との間の内部に
は、UVランプ4と、、光触媒6と、金属製のメッシュ
電極10Aとを配置し、光触媒6が電極10A,10A
でサンドイッチ状に挟まれている。双方の電極10Aに
は、インバータネオントランス16の放電用の出力端子
が電線13,14により接続されている。そして、イン
バータネオントランス16は、電源17より供給された
AC100Vを18kHzの固定周波数を有する交流高
電圧に変換して双方の電極10A,10Aに供給する。
インバータネオントランス16より電極10A,10A
に印加される交流高電圧は0V〜10kVの範囲内の或
る値を人為操作で設定する。これにより、電極10A,
10A間でコロナ放電が起こり、誘電体である光触媒6
の表面を介して沿面放電が起こることにより、光触媒6
の活性向上と、沿面放電によるガス状の有害物質の分解
向上とを併有した特徴を有する。
【0019】図6は第6実施形態を示している。この図
6では、2つの電極10A,10Aで挟まれた光触媒6
の下流側にエアフィルタ15を離隔配置し、有害な化学
物質と微粒子物質とが除去された清浄な空気が出口3よ
りクリーンルームや居住空間等に供給される特徴を有す
る。
【0020】図7は第4実施形態のエアフィルタ15を
取除いた場合における光触媒6による有害物質の除去率
が向上すること、第5実施形態の光触媒6による有害物
質の除去率が向上することを確認すべく行った実験装置
を示している。この図7では、浄化対象空気生成系統2
0とイオン化空気生成系統30と光触媒浄化系統40と
を備える。浄化対象空気生成系統20は、エアーポンプ
21により系統内に空気を導入してシリカゲル22に通
して乾燥した後、活性炭23に通して浄化し、バッファ
24により脈動を除いた後、バルブ25より流量調節器
26を経てエアーフィルタ27に供給し、エアーフィル
タ27により空気中の粒子状の塵埃を除去し、更に、拡
散チューブ28により除去対象としての有害物質に相当
するトルエン29を拡散させて試料ガスとしての所定濃
度のトルエンガスを生成する。又、イオン化空気生成系
統30は、エアーポンプ31により系統内に空気を導入
してシリカゲル32、活性炭33、バッファ34、バル
ブ35、流量調節器36、エアーフィルタ37を順に経
て、乾燥した清浄な空気をイオナイザ8に供給し、イオ
ナイザ8により空気をイオン化する。そして、イオン化
空気生成系統30でイオン化された空気と前記浄化対象
空気生成系統20で試料ガスとして生成されたトルエン
ガスとを混合してUVランプ4と光触媒5,6とを有す
る光触媒浄化系統40に送り込む。
【0021】図8は上記実験装置の特性として、除去率
と電極間距離及び流量との関係を調べるために、図7に
おける実験装置の光触媒浄化系統40の入口と出口とに
おけるトルエン濃度を1時間毎にガスクロマトグラフで
測定してトルエンの除去率をプロットした測定結果であ
る。図8において、測定結果L1は電極に10kVの交
流高電圧を印加した沿面放電で、電極間距離が10mm
の場合である。測定結果L2は電極に直流パルス印加し
たコロナ放電の場合である。測定結果L3は電極に10
kVの交流高電圧を印加した沿面放電で、電極間距離が
20mmの場合である。測定結果L4は光触媒のみの場
合である。この図8について考察すると、測定結果L1
で示した沿面放電の電極間距離が10mmの場合は、測
定結果L4で示した光触媒のみの除去率と比較して、除
去率が60〜70%程度向上している共に、何れの流量
においても高効率でトルエンが除去されている。又、測
定結果L1の場合は、測定結果L2で示したコロナ放電
の場合と比較しても除去率が10〜20%程度向上して
いる。又、測定結果L3で示した沿面放電で電極間距離
が20mmの場合は、測定結果L1の電極間距離10m
m及び測定結果のコロナ放電の双方と比較しても除去率
が大きく低下しており、測定結果L4と比較しても除去
率が10%程度しか向上していない。これは、電極間距
離が大きくなることで、見かけ上の電界強度が小さくな
り、電場印加効果が小さくなる点や、後方の電極が光触
媒に接触していないので、10mmの場合と放電効果が
変化しているためと考えられる。
【0022】図9は図7の実験装置において電極間距離
を10mmと固定し、紫外線を照射した場合と照射しな
い場合とによる印加電圧に対する除去率の変化ついての
測定結果を示す。図9において、測定結果L5は電極間
に光触媒を設置した状態で紫外線を照射した場合であ
る。測定結果L6は紫外線を照射しない状態で電極間に
光触媒を設置した場合である。測定結果L7は紫外線を
照射しない状態で電極間に光触媒を設置としない場合で
ある。この図9について考察すると、紫外線を照射しな
い場合は、光触媒の有無に拘らず、6kV以下の電圧で
はトルエンが全く分解されていないが、6kV以上の電
圧が印加されると、沿面放電のみでもトルエンが除去さ
れている。又、光触媒を設置した場合は設置しない場合
に比べ除去率が高くなっている。その理由は、電極間に
光触媒を設置した場合、6kV以上の電圧が印加される
と、誘電体である光触媒表面に沿面放電が起きるため、
トルエンの分解に差が生じたものと考えられる。又、光
触媒を設置することにより、紫外線がない場合でも光触
媒の沿面放電により光触媒におけるTiO表面が活性
化され、紫外線照射による光触媒反応と同様の効果が加
わったものと考えられる。一方、光触媒を設置し紫外線
を照射した場合には、6kV以下でも印加電圧が上昇す
るのに伴い、除去率が連続的に上昇している。その理由
は、空間に形成された電界により正孔と電子とが引離さ
れ、反応に寄与する正孔の数が増えたためと考えられ
る。又、6kV以上の電圧が印加されると、沿面放電に
よる分解に加え、電界効果や正イオン添加効果などの相
互作用により、除去率が大幅に向上するものと考えられ
る。
【0023】前記第5実施形態では入口2を空洞にした
が、入口2にエアーフィルタを配置し、このエアーフィ
ルタによりケース1の内部に導入される浄化対象空気中
の粒子状の塵埃を除去すれば、光触媒6の目詰まりを低
減し、光触媒反応による除去性能を良くすることができ
る。
【0024】前記第1〜第4及び第6実施形態では入口
2を空洞にしたが、入口2に中性能エアーフィルタを配
置し、このエアーフィルタによりケース1の内部に導入
される浄化対象空気中の粒子状の塵埃を除去すれば、光
触媒5,6の目詰まり低減に加え、光触媒5,6及び高
性能フィルタの交換回数を低減できる。
【0025】前記第1〜第6実施形態では出口3を空洞
にしたが、出口3にルーバーのような風向制御部材を設
ければ、出口3よりクリーンルームや居住空間に供給さ
れる清浄な空気の向きを適宜に選定できる。
【0026】前記第1〜第6実施形態においては、ケー
ス1をクリーンルームや居住空間の内部に設置し、入口
2にクリーンルームや居住空間に存在する浄化対象空気
を導入する形態、又は、クリーンルームや居住空間を区
切る壁部材に外気取入口を形成し、その外気取入口にケ
ース1の入口2を連結し、入口2にクリーンルームや居
住空間の外部に存在する浄化対象空気を導入する形態の
何れであっても適用できる。
【0027】前記第1〜第6実施形態では光触媒5,6
の光触媒半導体として酸化チタンを用いたが、それ以外
のUVランプ4より照射される波長352nmの紫外線
により励起することにより浄化対象空気中の有害物質を
分解除去できる光触媒半導体であれば良い。
【0028】前記第5〜第6実施形態ではUVランプ4
の下流側に光触媒6を配置したが、UVランプ4の上流
側に光触媒を配置するか、上下流の双方に光触媒を配置
しても良い。
【0029】前記第1〜第6実施形態においてケース1
に浄化対象空気を導入するのは、ケース1の内部にモー
タで駆動するファンを設けて強制的に導入するか、又
は、部屋の内部の対流や外の風による空気の流れに応じ
て自然的に導入すれば良い。
【0030】前記第2〜第6実施形態における電極とし
てのメッシュにはステンレス以外の金属製でも同様に適
用できる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、電極での放電により、ケースの内部に導入された浄
化対象空気中の水分よりヒドロニウムイオンを生成し、
そのヒドロニウムイオンが紫外線の照射で励起した光触
媒の価電帯より伝導帯に励起した電子を中和し、伝導体
の電子と価電帯の正孔との再結合を防止するため、光触
媒の正孔による有害物質の除去率を長時間向上できる。
又、上記電極での放電により、ケースの内部に導入され
た浄化対象空気中の有害物質が+イオン化して極性を持
つため、光触媒での吸着率が良くなる。更に、エアフィ
ルタが上記空気中の浮遊粉塵を除去するので、有害な化
学物質と微粒子物質とが除去された清浄な空気を得るこ
とができる。請求項2の発明によれば、光触媒の上流側
に配置された放電用の電極での放電により、紫外線照射
で励起した光触媒に到達する前の浄化対象空気中の水分
よりヒドロニウムイオンを生成すると共に同浄化対象空
気中の有害物質を+イオン化し、ヒドロニウムイオンと
+イオン化された有害物質とが光触媒に到達することに
より、光触媒の価電帯より伝導帯に励起した電子と価電
帯の正孔との再結合を良好に防止できると共に、+イオ
ン化された有害物質に対する光触媒での吸着率がより良
くなる。請求項3の発明によれば、放電用の電極を光触
媒に対してサンドイッチ状に配置したことにより、ヒド
ロニウムイオンや+イオン化された有害物質の輸送経路
損失を低減でき、装置の小型化を図ることができる。請
求項4の発明によれば、光触媒の励起に波長352nm
の紫外線を用いることにより、波長184nmの真空紫
外線や波長24nmの殺菌紫外線とは異なり、人への悪
影響が少ない紫外線であって、特別な漏れ対策が不要で
あり、装置の簡素化を図ることができる。請求項5の発
明によれば、高性能フィルタを光触媒の下流側に配置す
ることにより、空気中に浮遊する微粒子粉塵の除去率を
向上することができる。請求項6の発明にあっては、光
触媒の沿面放電により有害な化学物質の除去率を飛躍的
に向上することができる。請求項7の発明によれば、沿
面放電により有害物質除去とエアフィルタによる浮遊粉
塵除去とを併有することができる。請求項8の発明によ
れば、高性能フィルタを光触媒の下流側に配置すること
により、空気中に浮遊する微粒子粉塵の除去率を向上す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施形態を示す模式図。
【図2】 この発明の第2実施形態を示す模式図。
【図3】 この発明の第3実施形態を示す模式図。
【図4】 この発明の第4実施形態を示す模式図。
【図5】 この発明の第5実施形態を示す模式図。
【図6】 この発明の第6実施形態を示す模式図。
【図7】 実施形態に相当する実験装置の模式図。
【図8】 有害物質の除去率を示す実験結果図。
【図9】 有害物質の除去率を示す実験結果図。
【図10】 従来の光触媒型空気浄化装置を示す模式
図。
【図11】 光触媒半導体の光触媒作用を示す模式図。
【符号の説明】
1 ケース 2 入口 3 出口 4 UVランプ 5,6 光触媒 8 イオナイザ 9,10,9A,10A 放電用の電極 15 エアフィルタ 16 インバータネオントランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 35/02 B03C 3/38 B03C 3/155 B01D 53/36 J 3/38 B03C 3/14 A (71)出願人 599054994 並木 則和 石川県金沢市涌波2−7−25涌波宿舎B− 3 (72)発明者 吉川 文恵 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 江見 準 石川県金沢市土清水3−27 (72)発明者 大谷 吉生 石川県金沢市田上2−32 (72)発明者 並木 則和 石川県金沢市涌波2−7−25涌波宿舎B− 3 Fターム(参考) 4C080 AA07 AA10 BB02 CC02 HH05 KK08 QQ11 QQ20 4D048 AA02 AA06 AA17 AB03 AB06 BA07X BA10X BA16Y BA41X BA41Y BB02 BD10 CC32 CC40 CD05 CD08 EA01 EA03 4D054 AA11 BA20 BB08 EA22 EA30 4D058 JA12 QA01 QA30 TA06 4G069 AA03 BA04B BA13B BA48A BB04B BC35B CA01 CA10 CA12 CA13 CA15 CA17 DA06 EA18 FA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケースの入口より内部に導入された浄化
    対象空気を紫外線の照射により励起した光触媒に通過さ
    せ、この光触媒により浄化対象空気中の有害物質を除去
    して清浄な空気を生成し、この清浄な空気をケースの出
    口より導出するようにした光触媒型空気浄化装置におい
    て、ケースの内部に浄化対象空気に対して+イオン化の
    作用を行うための放電用の電極と、浮遊粉塵除去のため
    のエアフィルタとを設けたことを特徴とする光触媒型空
    気浄化装置。
  2. 【請求項2】 放電用の電極が光触媒の上流側に配置さ
    れたことを特徴とする請求項1記載の光触媒型空気浄化
    装置。
  3. 【請求項3】 放電用の電極が光触媒に対してサンドイ
    ッチ状に配置されたことを特徴とする請求項1記載の光
    触媒型空気浄化装置。
  4. 【請求項4】 紫外線の発生源が波長352nmの紫外
    線を発生するUVランプにより形成されたことを特徴と
    する請求項1記載の光触媒型空気浄化装置。
  5. 【請求項5】 エアフィルタが高性能フィルタであって
    光触媒の下流側に配置されたことを特徴とする請求項1
    記載の光触媒型空気浄化装置。
  6. 【請求項6】 ケースの入口より内部に導入された浄化
    対象空気を紫外線の照射により励起した光触媒に通過さ
    せ、この光触媒により浄化対象空気中の有害物質を除去
    して清浄な空気を生成し、この清浄な空気をケースの出
    口より導出するようにした光触媒型空気浄化装置におい
    て、光触媒が放電用の電極でサンドイッチ状に配置さ
    れ、放電用の電極に交流電圧が印加されることを特徴と
    する光触媒型空気浄化装置。
  7. 【請求項7】 ケースの内部に浮遊粉塵除去のためのエ
    アフィルタを設けたことを特徴とする請求項6記載の光
    触媒型空気浄化装置。
  8. 【請求項8】 エアフィルタが高性能フィルタであって
    光触媒の下流側に配置されたことを特徴とする請求項6
    記載の光触媒型空気浄化装置。
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