JP4718320B2 - 多孔質材料および電気二重層キャパシタ - Google Patents

多孔質材料および電気二重層キャパシタ Download PDF

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Description

本発明は、多孔質材料およびこの多孔質材料を使用した電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタはエネルギー貯蔵デバイスのひとつであり、多孔質炭素材料を含む一対の分極性電極、セパレータ、電解質溶液などにより構成される。
このような電気二重層キャパシタは、充放電の機構が電気化学反応を伴わず、分極性電極界面への電解質の正・負イオンの単純な吸脱着によるため、一般的なエネルギー貯蔵デバイスである二次電池には無い特長を有する。すなわち瞬時充放電特性に優れ、広い温度範囲で安定した充放電特性を示し、かつ繰り返しによる性能低下が少ないという特性を有している。
上記電気二重層キャパシタの静電容量は分極性電極の表面積と比例的な関係にあるとされるため、従来は比表面積の大きな多孔質材料を分極性電極に使用し、静電容量の大きい電気二重層キャパシタを得ることが検討されてきた。このような多孔質材料としては、高い導電性を示し、電気化学的に比較的安定な炭素質であって、比表面積の大きい活性炭(多孔質炭素材料)が使用されている。前記分極性電極に使用される活性炭は、石炭、石炭コークス、ヤシ殻、木粉、樹脂などの炭素質原料に、水蒸気、空気、酸素、CO2、などの酸化性ガスまたは塩化亜鉛、水酸化カリウムなどの薬品により細孔を形成する賦活化(多孔質化)処理を施したものである。
ところで近年開発される電子機器、電気自動車などは低抵抗化が求められており、これらの用途に使用されるエネルギーデバイスとしての電気二重層キャパシタに対する低抵抗化の要求が増している。
低抵抗化のためには高い導電性を示す易黒鉛化性炭素材料(ソフトカーボン系炭素材料)を賦活化処理して得られる多孔質炭素材料を電気二重層キャパシタの分極性電極に使用することが好ましい。
易黒鉛化性炭素材料を賦活処理して得られる多孔質炭素材料が高い導電性を示すのは結晶が比較的発達しているためと言われている。
ところがこのような結晶が比較的発達している易黒鉛化性炭素材料を賦活化処理した多孔質炭素材料をそのまま電気二重層キャパシタの分極性電極に使用すると充放電時において電極の膨張が顕著で、電気二重層キャパシタが膨張してしまうという問題点が指摘されている。
この充放電時に生じる多孔質炭素材料の膨張を抑制させる方法として幾つかの技術が示されている。
例えば、特許文献1(特開2002―83748号公報)には、結晶性が比較的低いため、充放電時の膨張が少ないフェノール樹脂とソフトカーボン系炭素材料との混合物に対して賦活化処理を施すことにより、膨張を抑制させた多孔質炭素材料が得られることが記載されている。
また、特許文献2(特開2004―14762号公報)には、コールタールピッチを原料として、得られた易黒鉛化性炭素材料の結晶構造を制御し、最適な条件で賦活することにより膨張を抑制させた多孔質炭素材料が得られることが記載されている。
特開2002―83748号公報 特開2004―14762号公報
しかし、上記特許文献1に記載の方法は、炭素材料がフェノール樹脂を含むため、抵抗がソフトカーボン系炭素材料からなる多孔質炭素材料と比較して大きく、またソフトカーボン系と比較して充填密度が上がり難いため、体積容量が低くなるという問題がある。
また、上記特許文献2に記載の方法は、原料のコールタールピッチの1次QI含有量および軟化点、炭化処理時の雰囲気と温度、賦活化処理時の温度を厳密にコントロールする必要があり、工業的に実用化が困難であるという問題がある。
そこで、本発明は、充放電時における膨張が小さく、且つ、体積あたりの静電容量を高めることが可能な多孔質材料およびこの多孔質材料を分極性電極に使用した電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する手段について鋭意検討を行った。検討を行うなかで本発明者らは、電極の膨張に関しては賦活段階で制御を行わずとも、550℃以上の温度で炭化した炭素質粉末を原料として賦活化処理を施して得られた多孔質炭素材料(多孔質材料B)は充放電時における膨張が大きいのに対して、550℃未満の温度で炭化した原料では賦活後の多孔質炭素材料(多孔質材料A)は膨張の程度が小さいことを見出した。また、前記膨張が小さい多孔質炭素材料は、充填密度が小さく、電気二重層キャパシタの体積容量が上がり難いのに対して、前記膨張が大きい多孔質炭素材料は充填密度の向上が可能で、電気二重層キャパシタの体積容量の向上に有効となることを見出した。
そこで、本発明者らはさらに検討を重ねた結果、膨張が小さな多孔質炭素材料(多孔質材料A)の粉体の空隙を、膨張の大きな多孔質炭素材料(多孔質材料B)で埋めるように電極の配合を調整することで、前記膨張の大きな多孔質炭素材料(多孔質材料B)が自由度のある空隙の中で膨張するに止まるため、電極全体としては充放電時における膨張が顕著に抑制されることを見出した。
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものであり、以下のような特徴を有する。
[1]易黒鉛化性炭素材料を550℃未満の温度で炭化した後、賦活化処理してなる多孔質材料Aと、
易黒鉛化性炭素材料を550℃以上の温度で炭化した後、賦活化処理してなる多孔質材料Bとの混合物であり、
多孔質材料Aの平均粒径が5〜20μmであり、多孔質材料Bの平均粒径が前記多孔質材料Aの平均粒径の1/20〜1/2であり、
前記多孔質材料Aと、前記多孔質材料Bとの混合割合が、質量比で、
A/B=1〜10
であることを特徴とする多孔質材料。
[2]上記[1]に記載の多孔質材料を電極活物質として用いたことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
本発明によれば、充放電時における膨張が小さく、且つ、体積あたりの静電容量を高めることが可能な多孔質材料およびこの多孔質材料を分極性電極に使用した電気二重層キャパシタが提供される。
以下、本発明を実施するための形態の一例を説明する。
なお、以下の記載において、充放電時における膨張率は、電気二重層キャパシタセルを組み付けた後、電極/セパレータ/電極の積層構造の初期値に対する鉛直方向への増加分から求める値により示す。この測定方法については、後述の実施例に詳細に記載する。
本発明で用いる易黒鉛化性炭素材料とは、石炭系・石油系のピッチあるいはコークスを、酸素を含まない不活性雰囲気で熱処理することで炭素構造が層状に配列して黒鉛化し易い炭素である。これらの中でも特に、石炭系ピッチを液相で炭化して生成したメソカーボン小球体を用いることが好ましい。
前記メソカーボン小球体とは、球状の黒鉛前駆体であり、熱処理により黒鉛状層構造を容易に形成するものをいう。
メソカーボン小球体は、結晶性が比較的発達しており、黒鉛状層構造をとりやすいため、比較的低温の黒鉛化促進処理により、抵抗が小さいミクロ構造を形成することができるため好ましい。また、これらは市販品として入手容易である点も好ましい。
たとえばメソカーボン小球体は、石炭系タールあるいはそれらのピッチ、石油系重質油あるいはそれらのピッチなどのピッチ類を350℃程度以上に加熱することで生成できる。前記ピッチ類を加熱すると、ピッチ類の中にメソカーボン小球体が生成する。前記メソカーボン小球体の生成したピッチ類を、例えばキノリンやタール油などの溶剤を用いて分離操作をすることでメソカーボン小球体を得ることができる。
本発明では、充電時の膨張率の制御、および賦活時の融着防止のために必要に応じてメソカーボン小球体に炭化処理を施す。この場合、炭化処理の温度としては目的に応じて450〜850℃程度の範囲の中から任意に選択できる。
膨張が小さな多孔質炭素材料の炭化処理温度は550℃未満とする必要があり、480〜520℃の温度範囲とすることが好ましい。
また、膨張の大きな多孔質炭素材料の炭化処理温度は550℃以上とする必要があり、600〜750℃の温度範囲とすることが好ましく、650〜750℃の温度範囲とすることがより好ましい。
また、電気二重層キャパシタの電極に用いる際の電極厚みは、通常150μm以下であることから、原料として用いる多孔質炭素材料の平均粒径は20μm以下に調整される。その際、上記メソカーボン小球体の形状は炭化処理および賦活処理後もほぼ保持され、最終的に得られる多孔質炭素材料は、本質的に原料として用いられる多孔質炭素材料の平均粒径に相当した平均粒径を有する。
最終的に得られるメソカーボン小球体の多孔質体の平均粒径を20μm以下に調整する方法としては、
(1)メソカーボン小球体の発生条件を制御して平均粒径を20μm以下に調整した後、炭化、賦活化処理を施す方法
(2)平均粒径が20μmより大きなメソカーボン小球体を粉砕処理、分級処理などにより平均粒径を20μm以下に調整した後、炭化、賦活化処理を施す方法
(3)平均粒径が20μmより大きなメソカーボン小球体を炭化、賦活化処理した後、粉砕処理、分級処理などにより平均粒径を20μm以下に調整する方法
(4)上記(1)〜(3)の方法の2以上を組み合わせた方法
などを用いることができる。
本発明で用いられる前記粉砕処理の方法としては、ボールミル、遊星ボールミル、ハンマーミル、ジェットミル、インペラーミル、アトマイザー、パルベライザー、ジョークラッシャーなど公知の方法を用いることができる。また、これらの方法を組み合わせて用いることもできる。
本発明で用いられる前記分級処理の方法としては、風力分級機、振動ふるい機、超音波発振器付き振動ふるい機、ロータップふるい機など公知の方法を用いることができる。また、これらの方法を組み合わせて用いることもできる。
本発明では、メソカーボン小球体炭化物の多孔質化(賦活化)として好ましくはアルカリ賦活処理を実施する。なお、賦活化は、炭化物毎に別々に行ってもよく、また、炭化物を混合した後に行ってもよい。
メソカーボン小球体のアルカリ賦活による多孔質化は、通常のアルカリ賦活処理と同様な方法で実施することができるが、通常、メソカーボン小球体を、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中、アルカリ金属化合物の存在下、600〜900℃で加熱することにより行われる。前記加熱温度が600℃より低温では十分な比表面積が得られにくく、体積固有抵抗値も小さくなり、低抵抗化を達成しにくい。一方、900℃を超える高温での加熱は、アルカリ金属化合物による装置腐食の問題が発生する。なお、好ましい加熱温度は650〜850℃である。
前記アルカリ金属化合物の種類は特に限定されず、また1種のみを使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。KOH、NaOH、CsOHなどが好ましく使用される。
前記アルカリ金属化合物の使用量は所望する比表面積によっても異なるが、原料のメソカーボン小球体炭化物に対する質量比で、通常、0.5〜4倍程度であればよい。
賦活処理は、0.5〜10時間程度行われる。0.5時間未満の処理時間では十分な比表面積が得られにくく、一方、10時間を超えると過賦活となりやすい。過賦活となると多孔質化が過度に進行し、本発明で必要とされる以上に比表面積が大きくなり、細孔同士の合一などにより密度が低下する。
アルカリ賦活処理の後、通常、塩酸溶液などで中和後、イオン交換水などで洗浄して多孔質炭素材料を得る。
上記の方法により充放電時における膨張率が110%以下であり、静電容量の目標が30F/cm以上である多孔質炭素材料を得ることができる。また、このような多孔質炭素材料は、電気二重層キャパシタの分極性電極材料として好適であり、これを分極性電極に使用すれば、体積あたりの静電容量が高く、しかも充放電時における膨張率が小さい高性能な電気二重層キャパシタを得ることができる。
本発明では上記のような多孔質炭素材料を使用した分極性電極、さらにこの分極性電極を含む高性能な電気二重層キャパシタも提供される。
本発明の多孔質炭素材料の特性は、電気二重層キャパシタの分極性電極に使用したときの充填密度、充放電時における膨張率および静電容量で評価することができる。
電気二重層キャパシタの分極性電極は、炭素材料として本発明の多孔質炭素材料を使用すること以外は、一般的な方法に準じて作製することができる。例えば、多孔質炭素材料に、必要に応じて結着剤、導電剤などを適宜添加し、ディスクまたはシート状に成形して多孔質炭素材料を含む活物質層を形成する。
前記結着剤としては、通常、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどを使用することができる。結着剤は多孔質炭素材料に対して、通常、0.1〜20質量%程度添加して使用される。
前記導電剤としては、通常、カーボンブラックなどを使用することができる。導電剤は多孔質炭素材料に対して、通常、1〜20質量%程度添加して使用される。
電極は、集電材層の片面または両面に上記多孔質炭素材料を含む活物質層を有する構造とすることができる。集電材層は、多孔質炭素材料、結着剤および導電剤の混合物から活物質層を形成する際に同時に圧接成形してもよく、また、予め、圧縮成形などの方法により成形された活物質層の片面にアルミニウム溶射などの方法により集電材を電気的に接続してもよい。さらに、活物質層とアルミニウムなどの金属箔や金属網などからなる集電材を導電性接着剤によって接着してもよい。
ディスク状またはシート状の多孔質炭素材料を含む活物質層を形成する場合は、結着剤としてポリテトラフルオロエチレンなどを使用することが好ましく、多孔質炭素材料、結着剤、必要により導電剤を常温または加熱下で混練し、常温または加熱下で成形する方法が好ましく用いられる。
厚さが200μm程度までの薄い活物質層を集電材上に形成させるには、スラリー化した活物質をドクターブレードなどにより塗工する方法が好ましい。例えば、ポリフッ化ビニリデンを結着剤として使用する場合は、これをN−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤に溶解し、これに多孔質炭素材料、必要により導電剤を添加してスラリー状とし、集電材上に均一に塗工し乾燥することにより行うことができる。また、例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)を結着剤として使用する場合は、これを水に分散させ、これに多孔質炭素材料、必要に応じて導電剤および/またはカルボキシメチルセルローズ(CMC)を添加してスラリー状とし、集電材上に均一に塗工し乾燥することにより行うことができる。
また、乾燥後、次いで常温または加熱下でプレスすることによって活物質層の密度を大きくすることも可能である。
電気二重層キャパシタの単位セルは、一般に上記のようにして得られた分極性電極を一対で使用し、必要に応じて不織布、紙、その他の多孔質材料からなる透液性セパレータを介して対向させ、電解液中に浸漬することにより形成する。なお、一対の分極性電極は、互いに同じであっても異なっていてもよい。電気二重層キャパシタの使用に当たっては、上記単位セルを単独であるいは複数の単位セルを直列および/または並列に接続して使用する。
電気二重層キャパシタの電解液は、非水溶媒系または水系のいずれも使用可能である。非水溶媒系電解液は電解質を有機溶媒に溶解したものであり、電解質としては、例えば、(CPBF、(CPBF、(CNBF、(CCHNBF、(CNBF、(CPPF、(CPCFSO、LiBF、LiClO、LiCFSOなどを使用することができる。
有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどを使用することができる。また、これらの二種以上の混合物を使用することもできる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
〈多孔質炭素材料の製造〉
〔多孔質材料A〕:平均粒径10μm、炭化温度500℃のメソカーボン小球体炭化物に、その2.0倍量(質量比)のKOHを加え、均一に混合し、窒素気流下、800℃で1時間加熱(賦活化処理)した。賦活化処理後は、試料を中和するために塩酸で洗浄し、洗浄液が中性を示すまでイオン交換水で洗浄した後、乾燥し、比表面積1550m/g、充填密度0.68g/cmの多孔質炭素材料を得た。
〔多孔質材料B〕:平均粒径2μm、炭化温度700℃のメソカーボン小球体炭化物に、その2.5倍量(質量比)のKOHを加え、均一に混合し、窒素気流下、800℃で1時間加熱(賦活化処理)した。賦活化処理後は、試料を中和するために塩酸で洗浄し、洗浄液が中性を示すまでイオン交換水で洗浄した後、乾燥し、比表面積950m/g、充填密度0.80g/cmの多孔質炭素材料を得た。
上記で得られた各多孔質炭素材料を、多孔質材料A:多孔質材料Bを質量比で7:3(A/B=7/3)で混合し、多孔質炭素材料(配合材料)を調整した。
〈分極性電極の作製〉
上記多孔質炭素材料(配合材料)80mg、カーボンブラック10mgおよびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)5mgを乾式混合した後、アルミメッシュを集電体として、直径13mmのディスク(円盤)状に、プレス圧力148GPaにて加圧成形した。これを二枚作製し、減圧下(133.3Pa)、150℃で10時間乾燥した。このディスクの直径、厚さおよび質量より、電極の充填密度(単位:g/cm)を算出した。
〈電気二重層キャパシタの作製〉
露点−80℃以下に管理されているアルゴンが流通しているグローブボックス内において、上記で作製した一組の分極性電極板の間に多孔質ポリエチレン(孔径0.20μm)を挟み込み、宝泉社製の2極式セル(膨張率測定タイプ)に組み込み、電解液を満たしてセルを作製した。
電解液にはプロピレンカーボネートに1Mの濃度でテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート((CNBF)を溶解したものを使用した。
上記の多孔質炭素材料(配合材料)、電気二重層キャパシタについて、充填密度、電気二重層キャパシタの静電特性および充放電時における膨張率を評価した。これらの評価結果を下表1に示す。
なお、上記平均粒径、比表面積、多孔質材料単独の充填密度、電気二重層キャパシタの静電特性および充放電時における膨張率の評価方法を以下に示す・
(a)平均粒径
メソカーボン小球体原料および多孔質炭素材料の平均粒径はレーザー回折法を基本原理とするセイシン企業製粒度分布測定装置LMS−30を使用して測定した。メソカーボン小球体および多孔質炭素材料はカチオン性界面活性剤を用いてイオン交換水に分散させ、超音波処理により均一なスラリーとしたのち、上記流度分布測定装置に供した。
(b)比表面積(BET比表面積)
多孔質炭素材料の比表面積はmicromeritis社製ASAP2400を使用して、77KにおけるN吸脱着による吸着等温線をもとにBET法により算出した。
(c)多孔質材料単独の充填密度
多孔質炭素材料:バインダ(PTFE:三井-デュポンフロロケミカル-7J)=80mg:1mgを混合し、294MPa(3ton/cm)の圧力で13mmφの形状に成形し、140℃で3時間真空乾燥を行った後、直径、厚さ、重量を実測して下記式(1)より充填密度を算出した。
充填密度(g/cm3) =重量(g)/(円周率×(直径(cm)/2)2×厚さ(cm))・・・(1)
(d)電気二重層キャパシタの静電特性(静電容量)
静電容量は次のようにして算出した。
まず、充放電試験による放電曲線(放電電圧−放電時間)を作図する。ここで、充放電試験は、北斗電工社製充放電試験装置(HJ1001SM8)を使用して、0.5mA/cmの電流密度で0〜2.4Vの充放電電圧で充放電を3サイクル実施した。
3サイクル目の放電曲線から放電エネルギー(放電電圧×電流の時間積分としたときの合計放電エネルギー(W・s))を求め、この放電エネルギーの値から下記式(2)により静電容量を算出した。
静電容量(F)=2×放電エネルギー(W・s)/(放電開始電圧(V)) ・・・(2)
上記で求めた静電容量を、分極性電極を構成する多孔質炭素材料の質量(正極+負極、単位:g)で除し、単位重量当たりの静電容量(F/g)とした。また、単位重量当たりの静電容量に、分極性電極の電極密度(g/cm)を乗じた値を単位体積当たりの静電容量(F/cm)とした。
(e)充放電時における膨張率
図1に、膨張率測定装置の概略構成を示す。膨張率測定装置1は、図1に示すレーザー式変位測定器2、デジタル式データ処理装置3から構成される。宝泉社製の2極式セル(膨張率測定タイプ)4は、セパレータ6を2枚の分極性電極5ではさみ、電解液7中に浸漬し、サンプル押さえブロック8で、分極性電極5とセパレータ6を上から押さえた構成である。2極式セル4を図1に示す膨張率測定装置1に組み込み、充放電試験の開始と同時に膨張率測定装置を作動させ、充放電時間に対する変位の変化を測定する。
膨張率は次のようにして算出した。
充放電が安定する3サイクル目の充電完了時のセルの変位△T(mm)を測定する。充放電開始前のセル厚みをT(mm)として下記式(3)より膨張率を算出した。
膨張率(%)=(T+△T)/T×100 ・・・(3)。
[実施例2]
上記実施例1と同様に、多孔質材料A、多孔質材料Bを下表1(実施例2)に示す条件で調整し、実施例1と同様に配合・評価し、その結果を下表1に示す。
[実施例3,4]
上記実施例1と同様に、多孔質材料A、多孔質材料Bを下表1(実施例3,4)に示す条件で調整し、実施例1と同様に配合・評価し、その結果を下表1に示す。
[実施例5]
上記実施例1と同様に、多孔質材料A、多孔質材料Bを下表1(実施例5)に示す条件で調整し、実施例1と同様に配合・評価し、その結果を下表1に示す。
[実施例6]
上記実施例1と同様に、多孔質材料A、多孔質材料Bを下表1(実施例6)に示す条件で調整し、実施例1と同様に配合・評価し、その結果を下表1に示す。
[比較例1]
実施例1の多孔質材料Aを単独で、実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1の多孔質材料Bを単独で、実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1で、多孔質材料A、多孔質材料Bともに平均粒径を5μmとした以外は、実施例1と同様に配合・評価し、その結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例1で、多孔質材料A:多孔質材料Bの配合比を質量比で1:2とした以外は、実施例1と同様に配合・評価し、その結果を表1に示す。
Figure 0004718320
上記表1に示すように、本発明による方法では、充放電時における膨張が小さく、且つ、体積あたりの静電容量の高い電気二重層キャパシタを製造できることが確認できた。
本発明の実施例に係る膨張率測定装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
1 膨張率測定装置
2 レーザー式変位測定器
3 デジタル式データ処理装置
4 宝泉社製2極式セル(膨張率測定タイプ)
5 分極性電極
6 セパレータ
7 電解液
8 サンプル押さえブロック

Claims (2)

  1. 易黒鉛化性炭素材料を550℃未満の温度で炭化した後、賦活化処理してなる多孔質材料Aと、
    易黒鉛化性炭素材料を550℃以上の温度で炭化した後、賦活化処理してなる多孔質材料Bとの混合物であり、
    前記多孔質材料Aの平均粒径が5〜20μmであり、前記多孔質材料Bの平均粒径が前記多孔質材料Aの平均粒径の1/20〜1/2であり、
    前記多孔質材料Aと、前記多孔質材料Bとの混合割合が、質量比で、
    A/B=1〜10
    であることを特徴とする多孔質材料。
  2. 請求項1に記載の多孔質材料を電極活物質として用いたことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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