JP4716507B2 - 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジ、画像形成装置、電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジ、画像形成装置、電子写真感光体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4716507B2 JP4716507B2 JP2006149088A JP2006149088A JP4716507B2 JP 4716507 B2 JP4716507 B2 JP 4716507B2 JP 2006149088 A JP2006149088 A JP 2006149088A JP 2006149088 A JP2006149088 A JP 2006149088A JP 4716507 B2 JP4716507 B2 JP 4716507B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- photosensitive member
- image forming
- electrophotographic photosensitive
- surface layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Description
クリーニング器としては一般にブラシ、磁気ブラシおよびブレード等が用いられている。ブラシクリーニングはポリエステル、アクリル系の繊維が使用され、ループ状や直毛状等の形状、繊維の硬度及び太さなどを変化させることにより最適化を行ったうえで使用されている。しかしながら、ブラシクリーニングは微粉トナーが繊維間をすり抜けるなど、トナーの除去が十分に行うことが困難である。磁気ブラシも同様であり、本手法においては電界印加で静電的に除去することも試みられているが、静電気力により飛散したトナーが再度感光体に付着するなどの現象が生じるために十分なクリーニングは難しい。従って、現在のクリーニング手段としては、残留トナーの除去性、コスト及び小径化等から弾性ブレードを用いたブレードクリーニングが主流である。ブレードクリーニングにおいては感光体表面層がクリーニングブレードおよびトナー等と当接して摺動するために、感光体表面に機械的な摩耗や傷が生じやすい。
これらに対しては、感光体表面の硬度を上げることで改善する研究例が多く報告されている。例えば、特許文献1および特許文献2においては、帯電器として磁気ブラシ型を適用した場合に、感光体上に不随意に磁性粒子の転写が生じ、その粒子が転写部やクリーニング部で感光体に強く押しつけられることにより傷が付くことを防ぐために感光体表面層の硬度を上げることが提案されている。また、特許文献3ではブレード型クリーニング方式を適用した場合の感光体表面摩耗を抑制するために感光体の硬度を上げることが提案されている。
特に光硬化型樹脂は硬化が非常に早いこと、場所によって光照射条件を変更することで同一平面内でも特性の異なる膜を得ることができるなど、熱硬化型樹脂と比較して汎用性が高く、ユニークな特性を発現させやすい。そのため、部分的に粘着力が異なる粘着テープや微細加工に用いられるエッチングプロセスなどの工業用途でも利用されている。しかしながら、所望とする特性を定常的に発現させるためには、製造条件をこと細かく設定し管理する必要がある。また、光架橋性樹脂を積層体に適用するに際して、被積層体が光によって劣化する場合は、硬化に使用する光源の発光波長の選択やそれに対応した開始剤の選択、照度、露光量などの照射条件の選択により、被積層体への影響を極力少なくするようにする必要がある。
また、前述の機械的耐久性以外に電子写真用感光体に要求される特性として最も重要とされるものに、露光による電気伝導性が挙げられる。これは本発明の様に感光層上に表面層を設ける場合でも同じである。そのため、電子写真感光体に表面層を積層する場合、光架橋性材料の他に電荷輸送機能を有する成分をあらかじめ添加する必要が有る。所望とする電気特性を得るために添加する電荷輸送性材料としては、その電荷輸送性材料中の重合性官能基の有無は基本的に問わない。しかしながら、重合性官能基を有しない電荷輸送性材料を重合性官能基を有するバインダー中に添加して架橋した場合、電荷輸送性材料が架橋に関与しないために、見かけ上の平均架橋間分子量の低下が生じ、結果として十分な機械的耐久性を得ることが困難となる。こういった観点から、所望の機械的耐久性および電気特性を得るために光架橋性表面層には重合性官能基を有する電荷輸送性材料を適用することが好ましい。
こういった光吸収特性を有する電荷輸送性材料を表面層に適用し、光照射により硬化を行う場合はラジカル重合のトリガーとなる開始剤の選定には特に注意を要する。
光ラジカル重合開始剤は各材料固有の光吸収特性を有しており、吸収波長帯の光を吸収することにより励起され、その励起状態から重合開始種であるラジカルを生成する。このため、光架橋系材料を速やかに確実に硬化させるためには、硬化皮膜に照射する光の波長と開始剤の吸収特性とをマッチングし、効率よくラジカルを発生させることが必要となる。また、硬化皮膜の膜厚が大きい場合は、硬化皮膜自身の吸収を考慮した光波長選択、開始剤選択を行うことが重要であり、特に硬化膜の構成成分として吸収の大きな材料が含まれている場合はその吸収特性を考慮して照射光および開始剤を選択することが必要となる。
一般式(5)
B1〜B4は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基又はビニル基を有するアルキル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基又はビニル基を有するアルコキシ基のいずれかであり、B1〜B4の内、三つ以上の存在は除外される。lは、0〜5の整数、mは、0〜4の整数を表す。)
本発明によれば、比較的長波長に吸収を有する電荷輸送特性に優れた電荷輸送性材料を光架橋性表面層中に適用しても、適切な露光量で膜表面から内部までを均一に硬化することができる。その結果、繰り返し使用による摩耗や傷の発生がない表面耐久性に優れるとともに、画像品質に深く関わる電気特性に優れた電子写真感光体が提供される。
請求項5の発明に関わる電子写真感光体は、前記光エネルギー照射手段として、400nm以上の波長域に最大ピーク波長を有する光源を用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のものである。本発明によれば、電荷輸送性材料の光吸収スペクトルにおける吸収端よりも大きい波長の光を用いると共に、本発明に記載のチタノセン誘導体の吸収波長の光を用いることでラジカルを効率よく生成することができ、層表面から内部までを均一に硬化させることにより、長期に亘って機械的耐久性を維持し、機械的ハザードによる表面傷等のない、優れた電子写真感光体が提供される。
請求項7の発明に関わる電子写真感光体は、前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のものである。
請求項8の発明に関わる電子写真感光体は、前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーにおける官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が、250以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のものである。
請求項10の発明に関わる電子写真感光体は、前記感光層が導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、表面層の順で積層されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のものである。
請求項11の発明に関わる画像形成方法は、請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも該電子写真感光体を帯電させる帯電プロセスと、帯電プロセスによって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成プロセスと、潜像形成プロセスによって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像プロセスと、現像プロセスによって形成された顕像を被転写体に転写する転写プロセスとを繰り返し行うことを特徴とするものである。
請求項13の発明に関わる画像形成装置は請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体を有し、少なくとも、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電手段によって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、潜像形成手段によって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像手段とから選ばれる一つの手段を一体に備えた画像形成装置用プロセスカートリッジを搭載し、該画像形成装置用プロセスカートリッジが脱着自在であることを特徴とするものである。
請求項14の発明に関わる電子写真感光体の製造方法は、請求項1乃至10のいずれかに記載のものである。
そのため、光架橋性材料を表面層に適用して長期に亘って所望の耐久性を維持させるためには、層表面と内部とで硬化状態の相違をできる限り小さくすることが重要となる。本発明に記載しているような光吸収特性を有する材料が層中に含まれている場合に、層全域に亘って硬化をさせる方策としては、例えば架橋時に過剰に光を照射することが考えられる。しかしながら、電子写真感光体の様な積層構造を形成するようなものについては、その他の層への影響が懸念される。本発明に記載の電子写真感光体は一般に広く使用されている層構成であるが、電荷発生材料、電荷輸送材料が光により劣化しやすいために、本手法による硬化は適当とは言い難い。また、別の方策としては、例えば、架橋時の温度条件として比較的高めに設定することが考えられるが、このような手法を用いた場合には、制御マージンが小さくなるために、材料のロット差や材料中の不純物の影響により安定した架橋膜を得ることが難しく、場合によっては架橋が不十分になり、所望の表面物性を得ることができない場合が生じたり、温度条件を高温域に調整した場合には層間で添加物などの低分子量成分が層間移行することによる、種々の特性低下が懸念される。結果、材料が初期に持っているポテンシャルを製品に十分反映することができないだけでなく、製品として要求されているスペックを得ることができない可能性もある。
《電子写真感光体の構成について》
まず、本発明に用いられる感光体について説明する。
本実施形態の感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層、表面層をこの順に有することを特徴とする積層体である。感光層としては電荷発生機能と電荷輸送機能を有していれば単層構造をとっても多層構造をとっても良く、多層構造をとる場合は、電荷発生機能を担う電荷発生層と電荷輸送機能を担う電荷輸送層に機能分離したもの(機能分離型積層構造)が一般に使用される。機能分離型積層構造をとる場合には、導電性支持体上への電荷発生層と電荷輸送層の積層順番は特に規定されないが、電荷発生層が表層側にある場合、帯電器などで発生する酸性ガスにより電荷発生層が劣化しやすいこと、電荷輸送層を浸食させずに電荷発生層の塗布が難しいことなどの理由から、一般には電荷発生層は導電性支持体側に積層されることが多い。
本発明に記載の電子写真感光体の表面層形成においては、3官能以上のラジカル重合性モノマーを用いるものであり、これにより3次元の網目構造が発達し、架橋度が非常に高い高硬度表面層が得られ、高い耐摩耗性が達成される。これに対し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーのみを用いた場合は、架橋表面層中の架橋結合が希薄となり飛躍的な耐摩耗性向上が達成されにくい。また非架橋系表面層中に多量の高分子材料が含有されている場合、3次元網目構造の発達が阻害されたり架橋ネットワークが粗密となり、本発明に比べ充分な耐摩耗性が得られない。更に、含有される高分子材料とラジカル重合性組成物(電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー)の反応より生じた硬化物との相溶性が悪く、材料の相分離によって表面平滑性の低下や局部的な摩耗、傷が発生しやすくなる。また、本発明の表面層においては、電荷輸送性構造を有しない3官能性ラジカル重合性モノマーに加え、さらに電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを含有しており、これが上記3官能以上のラジカル重合性モノマー硬化時に架橋結合中に取り込まれる。これに対し、官能基を有しない低分子電荷輸送物質を架橋表面層中に含有させた場合、その相溶性の低さから低分子電荷輸送物質の析出や白濁現象が起こり、これにより架橋表面層の機械的強度が低下する。
本発明で規定する電荷輸送性材料および光ラジカル重合開始剤の吸収端波長とは、それぞれの材料に固有なHOMO−LUMOの遷移エネルギーの波長換算値に相当するものとする。すなわち、一般に長波長側の光学吸収端近傍の比較的吸収の大きい領域において、吸収係数αと光エネルギーhν
(但し、hはプランク常数、νは波数)、およびバンドキャップエネルギーE0の間には次式、
が成り立つと考えられている(ここでBは定数を示す)。従って、吸収スペクトルを測定し、そこから(αhν)の0.5乗に対してhνをプロットし、直線区間を外挿したα=0におけるhνの値が遷移エネルギーE0となり、その波長換算値
が本発明で用いる吸収端波長となる(但し、cは光速を表す)。
チタノセン誘導体としては、公知のチタノセン化合物が全て使用できる。例えば特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報に記載のチタノセン誘導体が挙げられる。具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)−ジ−クロロ−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ジ−フェニル−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,3,4,5,6ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6ジフルオロフェニル)チタニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−ビス(2,3,4,5,6ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−ビス(2,6ジフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(1−ピル−1−イル)エチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−((1−ピル−1−イル)メチル)フェニル]チタニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−((1−ピル−1−イル)メチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−((2,5−ジメチル−1−ピル−1−イル)メチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−((3−トリメチルシリル−2,5−ジメチル−1−ピル−1−イル)メチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−((2,5−ビス(モルホリノメチル)−1−ピル−1−イル)メチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−4−((2,5−ジメチル−1−ピル−1−イル)メチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−メチル−4−(2−(1−ピル−1−イル)エチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1−メチル−2−(1−ピル−1−イル)エチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(6−(9−カルバゾル−9−イル)ヘキシル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチル−1−インドル−1−イル)プロピル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−((アセチルアミノ)メチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(プロピオニルアミノ)エチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(4−(ビバロイルアミノ)ブチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)エチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(3−(ベンゾイルアミノ)プロピル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(N−アリルメチルスルホニルアミノ)エチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム等を挙げることが出来る。上記化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記チタノセン誘導体ならびに重合開始剤の含有量としては、表面層を構成するラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
本発明に用いられる電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば特に限定されない。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば下記一般式(6)で表わされる官能基が挙げられる。
一般式(6)
〔ただし、式中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、または−S−基を表わす。〕
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
一般式(7)
〔ただし、式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、または−CONR12R13(R12およびR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わし、互いに同一または異なっていてもよい。)、
また、X2は上記式10のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y,X2の少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。〕
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX1,X2、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても良い。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送性構造を有しており、且つラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、先のラジカル重合性モノマーで示したものが挙げられ、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。また1分子中のラジカル重合性官能基の数は、1個以上複数個でも良いが、架橋表面層の内部応力を抑え平滑な表面性を得やすいため、また良好な電気特性を持続させるためには、ラジカル重合性官能基が1個である方が好ましいが、本発明は光重合開始剤としてチタノセン誘導体を用いて光エネルギー発光波長を選択することにより平滑且つ均一な架橋表面層を達成したものであり、電荷輸送性化合物が2個以上ラジカル重合性官能基を有する場合においても架橋膜内部に歪みが無く且つより高い架橋密度の架橋表面層が実現される。これにより長期に亘る使用においても表面摩耗や傷付きが少なく、電気特性が維持される電子写真感光体を提供することができる。電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が高移動度性から好適で、中でも下記一般式(1)又は(2)の構造で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気特性が良好に持続される。
一般式(2)
〔式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR7(R7は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR8R9(R8及びR9は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)を表わし、Ar1、Ar2は置換もしくは未置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar3、Ar4は置換もしくは未置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。〕
以下に、一般式(1)、(2)の具体例を示す。
前記一般式(1)、(2)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
R1の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
置換もしくは未置換のAr3、Ar4はアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
また、前記Ar3、Ar4で表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基;
好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
R2は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基;
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基;
具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(式中、R3及びR4は各々独立に水素原子、前記(2)で定義したアルキル基、またはアリール基を表わす。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R3及びR4は共同で環を形成してもよい)
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
一方、前記Ar1、Ar2で表わされるアリーレン基としては、前記Ar3、Ar4で表されるアリール基から誘導される2価基である。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基等のアルキレンオキシ2価基、あるいはエチレングリコール、プロピレングリコール等から誘導されるアルキレンジオキシ2価基、若しくはジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等から誘導される、ジ又はポリ(オキシアルキレン)オキシ2価基等が挙げられ、アルキレンエーテル2価基のアルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基は、
で表わされ、
〔式中、R5は水素、アルキル基(前記(2)で定義されるアルキル基と同じ)、アリール基(前記Ar3、Ar4で表わされるアリール基と同じ)、aは1または2、bは1〜3を表わす。〕
置換もしくは未置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン変性2価基が挙げられる。
また、本発明の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーとして更に好ましくは、下記一般式(3)の構造の化合物が挙げられる。
一般式(3)
(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なっても良い。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
を表わす。)
上記一般式で表わされる化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
一般式(4)
Ar1は置換又は無置換の芳香族炭化水素骨格からなる一価基または二価基を表す。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、ビフェニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ベンジル基、ハロゲン原子が挙げられる。また、上記アルキル基、アルコキシ基は、さらにハロゲン原子、フェニル基を置換基として有していても良い。
Ar2は、少なくとも1個の3級アミノ基を有する芳香族炭化水素骨格からなる一価基または二価基もしくは少なくとも1個の3級アミノ基を有する複素環式化合物骨格からなる一価基または二価基を表すが、ここで、3級アミノ基を有する芳香族炭化水素骨格とは下記一般式(8)で表される。
(式中、R10、R11はアシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar10はアリール基を表す。hは1〜3の整数を表す。)
R10、R11のアシル基としてはアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。R10、R11の置換もしくは無置換のアルキル基はAr1の置換基で述べたアルキル基と同様である。R10、R11の置換もしくは無置換のアリール基は、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基に加えて下記一般式(9)で表される基を挙げることができる。
[式中、Bは −O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−及び以下の2価基から選ばれる。
(ここで、R21は、水素原子、Ar1で定義された置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、R10で定義された置換もしくは無置換のアリール基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基を表し、R22は、水素原子、Ar1で定義された置換もしくは無置換のアルキル基、R10で定義された置換もしくは無置換のアリール基を表し、iは1〜12の整数、jは1〜3の整数を表す。)]
R21のアルコキシ基の具体例としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、 i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、 i−ブトキシ基、 s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
R21のハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R21のアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジベンジルアミノ基、4−メチルベンジル基等が挙げられる。
Ar10のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基を挙げることができる。
Ar10、R10、R11は、Ar1で定義されたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有していても良い。
B1、B2はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基又はビニル基を有するアルキル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基又はビニル基を有するアルコキシ基を表す。アルキル基、アルコキシ基は、Ar1で述べたものが同様に適用される。これら、B1とB2は、どちらか一方のみが存在し、両方の存在は除外される。
一般式(4)のアクリル酸エステル化合物においてより好ましい構造として前記一般式(5)の化合物を挙げることができる。
一般式(5)
式中、R1、R2は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、ハロゲン原子を表し、Ar3、Ar4は、置換もしくは無置換のアリール基またはアリレン基、置換又は無置換のベンジル基をあらわす。アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子は前記Ar1で述べたものが同様に適用される。
アリール基は、R10、R11で定義されたアリール基と同様である。アリレン基は、そのアリール基から誘導される二価基である。
特定のアクリル酸エステル化合物は次のような特徴を有する。スチルベン型共役構造を有した三級アミン化合物であり、発達した共役系を有している。こういった共役系の発達した電荷輸送性化合物を用いることで、架橋層界面部分での電荷注入性が非常に良好となり、さらに架橋結合間に固定化された場合でも分子間相互作用が阻害されにくく、電荷移動度に関しても良好な特性を有する。また、ラジカル重合性の高いアクリロイルオキシ基、又はメタクリロイルオキシ基を分子中に1個有しており、ラジカル重合時に速やかにゲル化するとともに過度な架橋歪を生じない。分子中のスチルベン構造部の二重結合が部分的に重合に参加し、しかもアクリロイルオキシ基、又はメタクリロイルオキシ基よりも重合性が低いために架橋反応に時間差が生じることで歪みを最大に大きくする事が無く、しかも分子中の二重結合を使用する為に分子量当りの架橋反応数を上げることが出来る為に、架橋密度を高めることができ、耐摩耗性のさらなる向上が見込める。また、この二重結合は、架橋条件により重合度を調整することができ、容易に最適架橋膜を作製できる。この様なラジカル重合への架橋参加は、アクリル酸エステル化合物の特異的な特徴であり、前述したようなα−フェニルスチルベン型の構造では起こらない。
更に、本発明の塗工液は必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20重量部以下、好ましくは10重量部以下に抑えられる。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3重量部以下が適当である。
前記3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を感光層上に形成する際に、粘性が低く、流動性を有する塗工液とすることが好ましい。いずれの材料も低粘性の液状である場合には、各材料を混合して塗工液とすることができるが、スプレー塗工方式の特性上、良好な霧化を行うためには塗工液として十分な流動性が必要とされる。このため、塗工液は有機溶剤により希釈して粘性を調整することが好ましい。ここで用いられる有機溶剤としては前記記載の通りであるため、ここでは詳しく述べないが、本発明者によると、有機溶剤の沸点としては1気圧下において90℃以下が良く、好ましくは60℃以上90℃以下、さらに好ましくは60℃以上80℃以下のものがよい。これらの溶剤は単独、または2種以上混合して用いてもよい。有機溶剤による塗工液の希釈率は、前記塗工液の構成成分の特性により決定される。
熱エネルギーとしては、空気、窒素などの気体、蒸気、あるいは各種熱媒体、赤外線、電磁波を用いることができ、塗工面側あるいは支持体側から加熱することによって行われる。加熱温度は100℃以上、170℃以下が好ましい。100℃未満の場合、反応速度が遅いために生産性が低下するとともに、未反応の材料が膜中に残留する原因となる。一方、170℃より高い温度で処理した場合、架橋による膜の収縮が大きくなり、表面にゆず肌状の欠陥や亀裂が生じたり、隣接層との界面で剥離が生じることがあり好ましくない。架橋による収縮が大きい樹脂を使用する際には、100℃未満の低温で予備架橋した後に100℃以上の高温で架橋を完結させる方法も有効である。
UV照射時には光源からの生じる熱線などの影響により、感光体表面層の温度が上昇する。感光体表面温度が上昇しすぎると、表面層の硬化収縮が起こりやすいこと、隣接層中に含まれる低分子成分が表面層に移行するために、硬化阻害などが生じたり、電子写真感光体としての電気特性が低下するなど好ましくない。そのためUV照射時の感光体表面温度は100℃以下、好ましくは80℃以下にするとよい。冷却方法としては感光体内部への助冷剤封入、感光体内部の気体や液体による冷却などを使用することができる。
表面層/感光層間での接着性不良による層間剥離を防ぐことを目的として、必要に応じて両層間に接着層を設けても良い。
接着層としては前記電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを用いても良いし、非架橋系の高分子化合物を用いても良い。非架橋系の高分子化合物としてはポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられるがこれに限定されない。また、ラジカル重合性モノマーと非架橋系高分子化合物はいずれを用いる場合についても単独で用いても良いし、2種以上の混合物として用いても良い。さらには、十分な接着性が得られるならばラジカル重合性モノマーと非架橋系高分子化合物を併用しても良い。もちろん、本明細書に記載の電荷輸送材料を用いても良い。また、接着性を向上することを目的とすれば、適宜添加剤を用いても良い。
次に感光層について説明する。前記の通り、感光層は機能分離型積層構造であっても良いし、単層構造をとっても良い。積層構造の場合には、感光層は一般に電荷発生層と電荷輸送層から形成される。また、単層構造の場合には感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。以下、積層構造の感光層および炭層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層は、電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とする層である。
電荷輸送物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷輸送物質の量はバインダー樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独で使用しても良いし、バインダー樹脂と併用してもよい。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。電荷輸送層に用いられる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、30μm以下とすることが好ましく、25μm以下がより好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましい。
単層構造の感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。感光層は電荷発生物質および電荷輸送物質およびバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
バインダー樹脂としては先に電荷輸送層で挙げたバインダー樹脂のほかに、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。バインダー樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷発生物質、バインダー樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、表面層、感光層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、中間層、光遮蔽層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
<フェノール系化合物>
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
<ハイドロキノン類>
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
<有機硫黄化合物類>
ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネートなど。
<有機燐化合物類>
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量部である。
次に図面に基づいて本発明の画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジを詳しく説明する。
本発明の画像形成装置とは、本架橋表面層を有した感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなるものである。
場合により、静電潜像を直接転写体に転写し現像する画像形成装置では、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。
図1は、画像形成装置の一例を示す概略図である。感光体を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ(3)が用いられる。この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラー帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
次に、均一に帯電された感光体(1)上に静電潜像を形成するために画像露光部(5)が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体上で可視化されたトナー像を転写体(9)上に転写するために転写チャージャ(10)が用いられる。また、転写をより良好に行なうために転写前チャージャ(7)を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ(2)、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図2に示す。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(106)、クリーニング手段(107)、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
本発明における電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
(1)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式B)の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式(1))113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間で滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして下記構造式(2)の白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。
融点:64.0〜66.0℃
元素分析値(%)
構造式(1)
構造式(2)
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして例示化合物No.1の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。
融点:117.5〜119.0℃
元素分析値(%)
(2−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルの調製)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、2−ヒドロキシベンジルアルコール(東京化成品製)38.4g、o−キシレン80mlを入れ、窒素気流下、亜リン酸トリエチル(東京化成品製)62.8gを80℃でゆっくり滴下し、さらに同温度で1時間反応を行った。その後、減圧蒸留により、生成したエタノール、溶媒のo−キシレン、未反応の亜リン酸トリエチルを除去し、66gの2−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルを得た。(沸点 120.0℃/1.5mmHg)(収率90%)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、カリウム−tert−ブトキサイド14.8g、テトラヒドロフラン50mlを入れ、窒素気流下、2−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチル9.90gと4−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)ベンズアルデヒド5.44gとをテトラヒドロフランに溶解させた溶液を室温でゆっくり滴下し、その後、同温度で2時間反応させた。その後、水冷下、水を加え、次いで2規定の塩酸水溶液を加えて酸性化したのち、テトラヒドロフランをエバポレーターにより除き、粗生成物をトルエンで抽出した。トルエン相を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて脱水した。ろ過後、トルエンを除いてオイル状の粗収物を得、さらにシリカゲルによりカラム精製を行った後、ヘキサン中で晶析させ、5.09gの2−ヒドロキシ−4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベンを得た。(収率72%、融点136.0〜138.0℃)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、2−ヒドロキシ−4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベン14.9g、テトラヒドロフラン100ml、12%濃度の水酸化ナトリウム水溶液21.5gを入れ、窒素気流下、5℃でアクリル酸クロリド5.17gを30分かけて滴下した。その後、同温度で3時間反応させた。反応液を水にあけ、トルエンで抽出した後、濃縮してシリカゲルによるカラム精製を行った。得られた粗収物をエタノールで再結晶し、黄色針状晶の4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベン−2−イルアクリレート(例示化合物No.2)13.5gを得た。(収率79.8%、融点104.1〜105.2℃)
れるものではない。なお、請求項1の減縮により一般式(5)の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー以外のモノマーを用いた実施例は参考例とする。
<実施例1>
《感光体の作製方法》
φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層
用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き
層、0.2μmの電荷発生層、18μmの電荷輸送層を形成した。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
・酸化チタン 40部
・メチルエチルケトン 50部
・下記構造式(3)のビスアゾ顔料顔料 2.5部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製) 0.5部
・シクロヘキサノン 200部
・メチルエチルケトン 80部
構造式(3)
〔電荷輸送層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・下記構造式(4)の低分子電荷輸送物質 7部
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 1部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
構造式(4)
ここで用いたVバルブの発光波長特性は図3に示す通り、400nm以上に最大ピーク波長を有している。
〔表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
・1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.4)
吸収端波長 360nm
・光重合開始剤 1部
ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム
(イルガキュア784、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
吸収端波長 549nm
・テトラヒドロフラン 100部
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものにかえた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.1)
吸収ピーク波長:369nm
<実施例3>
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものにかえた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.13)
吸収ピーク波長:397nm
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものにかえた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.8)
吸収ピーク波長:423nm
<実施例5>
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものにかえた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.21)
吸収ピーク波長:439nm
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものにかえた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.24)
吸収ピーク波長:471nm
<実施例7>
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものにかえた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.22)
吸収ピーク波長:467nm
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA、日本化薬製)
平均分子量:536、官能基数:5.5官能
<実施例9>
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものに変え、光照射条件として、下記発光波長を有するランプ(フュージョン社製:Hバルブ)に変えて硬化させた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.1)
吸収ピーク波長:369nm
・管球発光波長
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものに変え、光照射条件として、下記発光波長を有するランプ(フュージョン社製:Hバルブ)に変えて硬化させた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.8)
吸収ピーク波長:423nm
・管球発光波長 図4に示す。
実施例2の光重合開始剤を下記構造の化合物(III)に換えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
4,4‘-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン [ミヒラーズケトン]
(東京化成製) 0.6部
吸収端波長 398nm
構造式(5)
<比較例2>
実施例3の光重合開始剤を上記構造の化合物(III)に換えた以外は実施例3と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
4,4‘-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン [ミヒラーズケトン]
(東京化成製); 0.6部
実施例4の光重合開始剤を上記構造の化合物(III)に換えた以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
4,4‘-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン [ミヒラーズケトン]
(東京化成製) 0.6部
<比較例4>
実施例2の光重合開始剤を下記構造の化合物(IV)に換えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
カルバゾール・フェノン系開始剤、アデカオプトマー N−1414
(旭電化工業製) 0.6部
吸収端波長 370nm
構造式(6)
実施例3の光重合開始剤を上記構造の化合物(IV)に換えた以外は実施例3と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
カルバゾール・フェノン系開始剤、アデカオプトマー N−1414
(旭電化工業製) 0.6部
<比較例6>
実施例4の光重合開始剤を上記構造の化合物(IV)に換えた以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
カルバゾール・フェノン系開始剤、アデカオプトマー N−1414
(旭電化工業製) 0.6部
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものにかえた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.33)
吸収ピーク波長:527nm
<比較例8>
比較例7の光重合開始剤を上記構造の化合物(III)に換えた以外は比較例7と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
4,4‘-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン [ミヒラーズケトン]
(東京化成製) 0.6部
比較例7の光重合開始剤を上記構造の化合物(IV)に換えた以外は比較例7
と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
カルバゾール・フェノン系開始剤、アデカオプトマー N−1414
(旭電化工業製) 0.6部
<比較例10>
実施例10の光重合開始剤を上記構造の化合物(III)に換えた以外は実施例10と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
カルバゾール・フェノン系開始剤、アデカオプトマー N−1414
(旭電化工業製) 0.6部
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記の電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー10部に換えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー 10部
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(和光純薬製)
分子量:226、官能基数:2官能
<比較例12>
実施例1の架橋表面層用塗工液の組成物である電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを含有させず、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー量を20部に換えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
実施例1の架橋表面層用塗工液の組成物である輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有させず、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー量を20部に換えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
<比較例14>
実施例1の架橋表面層用塗工液の組成物である電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを含有させず、この換わりに電荷輸送層用塗工液に用いられている構造式(II)の低分子電荷輸送物質10部を含有させた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
感光体表面の平滑性評価法として、サーフコム1400D(東京精密製)を用い、表面粗さRz(十点平均粗さ、JIS B0601−1994規格)を評価長さ2.5mm、基準長さ0.5mmに対し測定する。測定箇所は軸方向のドラムの両端から50mmとドラム中央の3点、周方向90度の4通り、合計12点を測定し、その平均値をドラムの表面粗さRzとする。
《硬化性試験》
架橋表面層の硬化進行性の指標として、有機溶剤に対する溶解性試験を行う。感光体上にテトラヒドロフラン(以後THFと略す)、を1滴滴下し、自然乾燥後の表面形状の変化を目視観察する。硬化が進行していないものは表面が一部溶解し、リング状の凹凸やくもりが生じる。
表面粗さ0.3μmのラッピングフィルム(住友3M社製)を用いて感光体の任意の位置において感光体の軸方向10cm幅の架橋表面層を1.5μm程度摩耗させた。この感光体を電子写真装置用プロセスカートリッジに装着し、画像露光光源として655nmの半導体レーザーを用いたリコー製imagioMF 2200改造機にて架橋表面をラッピングフィルムで摩耗させていない部分において初期暗部電位を−700Vに設定する。その後通紙試験を開始し、初期及び2万枚毎にラッピングフィルムで摩耗を行った部分の膜厚測定及び画像評価を行い、A4サイズ5万枚の通紙を実施する。通紙終了時の電気特性として初期暗部電位測定部分と同じ場所において暗部、露光部電位を測定する。なお感光体の膜厚は渦電流式膜厚測定装置(フィッシャーインスツルメント製)を用いて測定した。
実施例1〜10、比較例1〜14の電子写真感光体について初期表面粗さRzおよびTHFへの溶解性の結果を表5に示す。
次に、実施例1〜10、比較例1〜11、13〜14の電子写真感光体について耐久性試験を実施し、その結果を表6に示す。
本発明の実施例1〜10の感光体は5万枚の耐久性試験において、膜厚減少量が少なく高耐久性が達成されている。
一方、比較例4〜6のチタノセン誘導体以外の光ラジカル重合開始剤を表面層に用いた感光体、比較例7、9の表面層に用いた電荷輸送性材料の吸収端が用いた光ラジカル重合開始剤の吸収端と比較して長波長である感光体、比較例11の2官能の電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを用いた感光体、および比較例14の低分子電荷輸送性材料を表面層に配合した感光体については、いずれもランニング終了時点での摩耗量が大きかった。また、比較例4〜6、7、9についてはランニング途中からの摩耗量増加が確認され、内部まで均一に硬化ができていないことが示唆されている。
したがって、本発明に記載の電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーと、光ラジカル重合開始剤としてチタノセン誘導体を用い、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの光吸収スペクトルにおける吸収端波長が、チタノセン誘導体の光吸収スペクトルにおける吸収端波長よりも40nm以上小さい電子写真感光体は、表面平滑性に優れ、露光部電位が低く、高耐久、長寿命であることが判明した。また、本発明の感光体を用いた画像形成プロセス、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが高性能、高信頼性を有していることが判明した。
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
5 画像露光部
6 現像ユニット
9 転写体
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
Claims (14)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層、表面層を順に有し、該表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、下記一般式(5)の一種以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーと、
光ラジカル重合開始剤とを含有し、光エネルギー照射手段によって硬化した電子写真感光体において、該光ラジカル重合開始剤がチタノセン誘導体であって、該電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの光吸収スペクトルにおける長波長側の吸収端波長が、該チタノセン誘導体の光吸収スペクトルにおける吸収端波長よりも40nm以上小さいことを特徴とする電子写真感光体。
一般式(5)
B1〜B4は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基又はビニル基を有するアルキル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基又はビニル基を有するアルコキシ基のいずれかであり、B1〜B4の内、三つ以上の存在は除外される。lは、0〜5の整数、mは、0〜4の整数を表す。) - 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの光吸収スペクトルにおける吸収端波長が370nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの光吸収スペクトルにおける吸収端波長が400nm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの重合性官能基数が1個であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記光エネルギー照射手段として、400nm以上の波長域に最大ピーク波長を有する光源を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーにおける官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が、250以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられるチタノセン誘導体がビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2、6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、表面層の順で積層されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも該電子写真感光体を帯電させる帯電プロセスと、帯電プロセスによって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成プロセスと、潜像形成プロセスによって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像プロセスと、現像プロセスによって形成された顕像を被転写体に転写する転写プロセスとを繰り返し行うことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体を有し、少なくとも、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電手段によって帯電させられた電子写真感光体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像形成手段によって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像手段とから選ばれる一つの手段を有することを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体を有し、少なくとも、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電手段によって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、潜像形成手段によって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像手段とから選ばれる一つの手段を一体に備えた画像形成装置用プロセスカートリッジを搭載し、該画像形成装置用プロセスカートリッジが脱着自在であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006149088A JP4716507B2 (ja) | 2005-08-08 | 2006-05-30 | 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジ、画像形成装置、電子写真感光体の製造方法 |
EP07109124A EP1862858A1 (en) | 2006-05-30 | 2007-05-29 | Image bearing member, and process cartridge and image forming apparatus using the same |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005229020 | 2005-08-08 | ||
JP2005229020 | 2005-08-08 | ||
JP2006149088A JP4716507B2 (ja) | 2005-08-08 | 2006-05-30 | 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジ、画像形成装置、電子写真感光体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007072436A JP2007072436A (ja) | 2007-03-22 |
JP4716507B2 true JP4716507B2 (ja) | 2011-07-06 |
Family
ID=37933886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006149088A Active JP4716507B2 (ja) | 2005-08-08 | 2006-05-30 | 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジ、画像形成装置、電子写真感光体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4716507B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5247024B2 (ja) * | 2005-12-22 | 2013-07-24 | 昭和電工株式会社 | 有機発光素子 |
US7811732B2 (en) * | 2008-03-31 | 2010-10-12 | Xerox Corporation | Titanocene containing photoconductors |
JP2010262102A (ja) * | 2009-05-01 | 2010-11-18 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 電子写真感光体と画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
JP2013041241A (ja) * | 2011-07-19 | 2013-02-28 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体とその製造方法 |
JP6719879B2 (ja) * | 2015-10-09 | 2020-07-08 | キヤノン株式会社 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
JP2018112682A (ja) * | 2017-01-12 | 2018-07-19 | 株式会社リコー | クリーニングブレード、クリーニング装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
CN117843516B (zh) * | 2024-03-07 | 2024-05-28 | 上海艾深斯科技有限公司 | 一种适用于KrF光刻胶的光引发剂、制备方法和光刻胶组合物 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000066433A (ja) * | 1998-08-19 | 2000-03-03 | Canon Inc | 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置 |
WO2003099550A1 (fr) * | 2002-05-27 | 2003-12-04 | Tokuyama Corporation | Procede de fabrication d'article photochromique en couches |
JP2005114849A (ja) * | 2003-10-03 | 2005-04-28 | Mitsubishi Chemicals Corp | ホログラム記録用組成物及びホログラム記録媒体 |
JP2005115353A (ja) * | 2003-09-19 | 2005-04-28 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成用プロセスカートリッジ |
JP2005206715A (ja) * | 2004-01-23 | 2005-08-04 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | 紫外線硬化型インク及びそれを用いたインクジェット記録方法 |
-
2006
- 2006-05-30 JP JP2006149088A patent/JP4716507B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000066433A (ja) * | 1998-08-19 | 2000-03-03 | Canon Inc | 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置 |
WO2003099550A1 (fr) * | 2002-05-27 | 2003-12-04 | Tokuyama Corporation | Procede de fabrication d'article photochromique en couches |
JP2005115353A (ja) * | 2003-09-19 | 2005-04-28 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成用プロセスカートリッジ |
JP2005114849A (ja) * | 2003-10-03 | 2005-04-28 | Mitsubishi Chemicals Corp | ホログラム記録用組成物及びホログラム記録媒体 |
JP2005206715A (ja) * | 2004-01-23 | 2005-08-04 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | 紫外線硬化型インク及びそれを用いたインクジェット記録方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007072436A (ja) | 2007-03-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4497969B2 (ja) | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP5549917B2 (ja) | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP4144755B2 (ja) | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP4145820B2 (ja) | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP4579151B2 (ja) | 感光体及びその製造方法 | |
JP4491261B2 (ja) | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP2007241158A (ja) | 電子写真感光体、その製造方法、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP2006010757A (ja) | 電子写真感光体、その製造方法、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP2005099688A (ja) | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP4668148B2 (ja) | 電子写真感光体の製造方法 | |
JP4716507B2 (ja) | 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジ、画像形成装置、電子写真感光体の製造方法 | |
JP4512495B2 (ja) | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP5382404B2 (ja) | 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
JP2007206170A (ja) | 電子写真感光体、およびそれを用いた画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP5038839B2 (ja) | 像担持体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP4546896B2 (ja) | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP4420397B2 (ja) | 電子写真感光体、画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP2006138951A (ja) | 電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジ | |
JP5064875B2 (ja) | 電子写真感光体の製造方法 | |
JP4887188B2 (ja) | 電子写真感光体、その製造方法、それを用いた画像形成方法、画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP2008070664A (ja) | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP2007279288A (ja) | 電子写真感光体、その製造方法、それを用いた画像形成方法、画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP2007147986A (ja) | 感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ | |
JP4194996B2 (ja) | 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP4195420B2 (ja) | 画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090310 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100921 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101001 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110105 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110303 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110325 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110328 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4716507 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140408 Year of fee payment: 3 |