JP4716507B2 - 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジ、画像形成装置、電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジ、画像形成装置、電子写真感光体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は複写機やレーザープリンター及び普通ファクシミリ等の電子写真感光体、およびそれを用いた画像形成装置用プロセスカートリッジおよび画像形成装置に関する。具体的には画質、耐久安定性に優れた電子写真感光体、それを用いた画像形成装置用プロセスカートリッジおよび画像形成装置、電子写真感光体の製造方法に関する。
近年、電子写真感光体(以下、単に感光体とも言う)には有機感光体が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いことなどの理由により、無機感光体に対して有利な点が多い。しかしながら、有機感光体は物理的・化学的強度が弱く、長期に亘る使用により摩耗や傷が発生しやすいなどの欠点も有する。
電子写真方式の画像形成装置とは一般に、電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電器と、帯電器によって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成器と、潜像形成器によって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像器と、画像部に付着したトナーを被転写物に転写を行う転写手段とを一体に備えたものであり、必要に応じて転写されずに感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニング器を具備させてたものもある。転写後に感光体表面に残留するトナーは画質劣化の一因となるので、多くの画像形成装置でクリーニング器が採用されている。
クリーニング器としては一般にブラシ、磁気ブラシおよびブレード等が用いられている。ブラシクリーニングはポリエステル、アクリル系の繊維が使用され、ループ状や直毛状等の形状、繊維の硬度及び太さなどを変化させることにより最適化を行ったうえで使用されている。しかしながら、ブラシクリーニングは微粉トナーが繊維間をすり抜けるなど、トナーの除去が十分に行うことが困難である。磁気ブラシも同様であり、本手法においては電界印加で静電的に除去することも試みられているが、静電気力により飛散したトナーが再度感光体に付着するなどの現象が生じるために十分なクリーニングは難しい。従って、現在のクリーニング手段としては、残留トナーの除去性、コスト及び小径化等から弾性ブレードを用いたブレードクリーニングが主流である。ブレードクリーニングにおいては感光体表面層がクリーニングブレードおよびトナー等と当接して摺動するために、感光体表面に機械的な摩耗や傷が生じやすい。
上記のような装置構成部材の特性から、感光体の表面には物理的な外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求されてきた。
これらに対しては、感光体表面の硬度を上げることで改善する研究例が多く報告されている。例えば、特許文献1および特許文献2においては、帯電器として磁気ブラシ型を適用した場合に、感光体上に不随意に磁性粒子の転写が生じ、その粒子が転写部やクリーニング部で感光体に強く押しつけられることにより傷が付くことを防ぐために感光体表面層の硬度を上げることが提案されている。また、特許文献3ではブレード型クリーニング方式を適用した場合の感光体表面摩耗を抑制するために感光体の硬度を上げることが提案されている。
上記のような感光体の表面硬度を上昇させるための具体的な手段として、熱硬化型樹脂、UV硬化型樹脂などの架橋性材料を感光体表面層の構成成分とすることが提案されている。例えば、表面層のバインダー成分として熱硬化性樹脂を適用することにより、表面層の耐摩耗性、耐傷性を向上させる手法が、特許文献4、特許文献5および特許文献6で提案されている。また、特許文献7、特許文献8、特許文献9などでは電荷輸送物質として架橋構造を有するシロキサン樹脂を用いることで、耐摩耗性、耐傷性を向上させることが提案されている。さらに特許文献10、特許文献11などでは、耐摩耗性、耐傷性を向上させるために、バインダー、電荷輸送物質ともに炭素−炭素の二重結合を有するモノマー、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送物質およびバインダー樹脂を用いる手法が報告されている。
これら架橋性材料は分子同士が相互に架橋することにより強靱な膜を形成する。架橋性材料の特徴としては、架橋条件(熱硬化性樹脂であれば例えば温度条件、湿度条件など、光硬化型樹脂であれば、光の波長、照度、光量、温度条件、湿度条件など)により同一材料でも異なる特性を発現させることが可能である。
特に光硬化型樹脂は硬化が非常に早いこと、場所によって光照射条件を変更することで同一平面内でも特性の異なる膜を得ることができるなど、熱硬化型樹脂と比較して汎用性が高く、ユニークな特性を発現させやすい。そのため、部分的に粘着力が異なる粘着テープや微細加工に用いられるエッチングプロセスなどの工業用途でも利用されている。しかしながら、所望とする特性を定常的に発現させるためには、製造条件をこと細かく設定し管理する必要がある。また、光架橋性樹脂を積層体に適用するに際して、被積層体が光によって劣化する場合は、硬化に使用する光源の発光波長の選択やそれに対応した開始剤の選択、照度、露光量などの照射条件の選択により、被積層体への影響を極力少なくするようにする必要がある。
感光体の長寿命化を目的として、光架橋性材料を感光体表面層に適用し、硬度など所望の特性を得るためには成膜方法、成膜条件、架橋条件などの加工条件を適切な手段、条件とすることで初めて感光体表面の摩耗や傷を抑制し、長期に亘って使用することが可能となる。
また、前述の機械的耐久性以外に電子写真用感光体に要求される特性として最も重要とされるものに、露光による電気伝導性が挙げられる。これは本発明の様に感光層上に表面層を設ける場合でも同じである。そのため、電子写真感光体に表面層を積層する場合、光架橋性材料の他に電荷輸送機能を有する成分をあらかじめ添加する必要が有る。所望とする電気特性を得るために添加する電荷輸送性材料としては、その電荷輸送性材料中の重合性官能基の有無は基本的に問わない。しかしながら、重合性官能基を有しない電荷輸送性材料を重合性官能基を有するバインダー中に添加して架橋した場合、電荷輸送性材料が架橋に関与しないために、見かけ上の平均架橋間分子量の低下が生じ、結果として十分な機械的耐久性を得ることが困難となる。こういった観点から、所望の機械的耐久性および電気特性を得るために光架橋性表面層には重合性官能基を有する電荷輸送性材料を適用することが好ましい。
しかしながら良好な電荷輸送性を有する材料としてよく知られているトリアリールアミンなどは、紫外線から可視光短波長領域にかけて光吸収性があることが知られている。また、電荷輸送性を向上させるために、電荷輸送性材料中に共役結合を導入したアクリル酸エステルなどの場合にはさらに吸収波長が長波長側にシフトする傾向を有する。
こういった光吸収特性を有する電荷輸送性材料を表面層に適用し、光照射により硬化を行う場合はラジカル重合のトリガーとなる開始剤の選定には特に注意を要する。
光ラジカル重合開始剤は各材料固有の光吸収特性を有しており、吸収波長帯の光を吸収することにより励起され、その励起状態から重合開始種であるラジカルを生成する。このため、光架橋系材料を速やかに確実に硬化させるためには、硬化皮膜に照射する光の波長と開始剤の吸収特性とをマッチングし、効率よくラジカルを発生させることが必要となる。また、硬化皮膜の膜厚が大きい場合は、硬化皮膜自身の吸収を考慮した光波長選択、開始剤選択を行うことが重要であり、特に硬化膜の構成成分として吸収の大きな材料が含まれている場合はその吸収特性を考慮して照射光および開始剤を選択することが必要となる。
これらの観点から、前述のような吸収特性を有する電荷輸送性材料を光架橋性表面層に適用するに際して、一般的に用いられている360nm近傍に吸収を有する光重合開始剤を用いた場合、膜内部においてラジカル発生効率が低下し、所望の膜物性を得ることが困難であったり、必要以上の光を照射することにより被積層体(ここでは電荷発生層および電荷輸送層)の劣化が引き起こされるなどの問題が生じるため適当とはいえない。
例えば、特許文献12では5官能以上のアクリルモノマーと1官能のアクリルドナーを用いて硬化膜を形成し表面平滑性および電気特性を維持しながら耐摩耗性の向上を実現しており注目に値するが、電荷輸送性構造の吸収特性が非常に大きく、硬化膜の膜厚を厚くした場合に表面層内部まで十分な照射光が届かずラジカル発生効率が低下し、表面層内部の硬化が不十分になる傾向があり、十分な耐摩耗性を有しているとは言えなかった。
また、同じく特許文献12などにおいて、光架橋性表面層の耐摩耗性及び耐傷性を向上させる技術として、モルフォリノ基、ジアルキルアミノ基を有する光重合開始剤を用いる技術が挙げられている。これらの光重合開始剤は硬化速度が速く平滑な硬化膜が得られるが、表面層中にジアルキル基で置換された3級アミン構造が残存するためこの部位が電荷トラップの原因となり、繰り返しの使用で残留電位の上昇が引き起こされる。
特開2001−125286号公報 特開2001−324857号公報 特開2003−98708号公報 特開平5−181299号公報 特開2002−6526号公報 特開2002−82465号公報 特開2000−284514号公報 特開2000−284515号公報 特開2001−194813号公報 特許第3194392号公報 特許第3286704号公報 特開2004−258344号公報
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みて成されたものであり、感光体表面層の耐摩耗性、耐傷性を向上させるために光架橋性材料を用いる場合において、耐摩耗性が高く且つ表面平滑性に優れ、また電気特性のうち特に露光部電位が低く長期間にわたり安定な電子写真感光体を提供することである。また、それらの長寿命、高性能感光体を使用した画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することを目的とする。
本研究者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、導電性支持体上に少なくとも感光層、表面層とを順に有し、表面層の耐摩耗性、耐傷性を向上させるために光架橋性材料を用いる場合において、表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーと、光ラジカル重合開始剤としてチタノセン誘導体を含有し、該電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの光吸収スペクトルにおける吸収端波長が、該チタノセン誘導体の光吸収スペクトルにおける吸収端波長よりも40nm以上小さいものを用いることにより、適切な露光量で表面層を内部まで十分に架橋することにより、耐摩耗性に優れた電子写真感光体を得ることができることを見いだした。上記方法によれば、比較的長波長の吸収を有する電荷輸送性材料を架橋膜中に含有する場合であっても、膜表面から内部に亘って均一な硬化膜を得ることができると共に、適切な光露光により所望の機械的耐久性を得ることが可能である。これにより繰り返し使用によっても感光体表面層の摩耗や傷の発生を極めて少なくすることができ、長期間に亘って出力画質に関わる欠陥の生じない電子写真感光体を提供することができる。
すなわち、本発明の請求項1に関わる電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層、表面層を順に有し、該表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、下記一般式(5)の一種以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーと、光ラジカル重合開始剤とを含有し、光エネルギー照射手段によって硬化した電子写真感光体において、該光ラジカル重合開始剤がチタノセン誘導体であって、該電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの光吸収スペクトルにおける長波長側の吸収端波長が、該チタノセン誘導体の光吸収スペクトルにおける吸収端波長よりも40nm以上小さいことを特徴とするものである。
一般式(5)
Figure 0004716507
(式中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、ハロゲン原子を表し、Ar、Arは、置換もしくは無置換のアリール基またはアリレン基、置換又は無置換のベンジル基をあらわす。
〜Bは、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基又はビニル基を有するアルキル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基又はビニル基を有するアルコキシ基のいずれかであり、B〜Bの内、三つ以上の存在は除外される。lは、0〜5の整数、mは、0〜4の整数を表す。
本発明によれば、比較的長波長に吸収を有する電荷輸送特性に優れた電荷輸送性材料を光架橋性表面層中に適用しても、適切な露光量で膜表面から内部までを均一に硬化することができる。その結果、繰り返し使用による摩耗や傷の発生がない表面耐久性に優れるとともに、画像品質に深く関わる電気特性に優れた電子写真感光体が提供される。
請求項の発明に関わる電子写真感光体は、前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの光吸収スペクトルにおける吸収端波長が370nm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のものである。請求項4に係る電子写真感光体は、前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの光吸収スペクトルにおける吸収端波長が400nm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のものである。本発明によれば、紫外線硬化の際に特に不利な紫外線域または/且つ可視光短波長領域の吸収を有する電荷輸送性材料を光架橋性表面層中に適用した場合においても、適切な露光量で膜表面から内部までを均一に硬化することができ、その結果、繰り返し使用による摩耗や傷の発生がない表面耐久性に優れるとともに、画像品質に深く関わる電気特性に優れた電子写真感光体が提供される。
請求項の発明に関わる電子写真感光体は前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの重合性官能基数が1個であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のものである。本発明によれば、硬化後の架橋性表面層に残留する内部応力が比較的小さくすることができるため、感光層/表面層間での剥離現象を抑制することが可能である。また、表面層表面状態として平滑なものを得やすく、クリーニング不良などによる画像欠陥が長期に亘って発生しない電子写真感光体が提供される。
請求項の発明に関わる電子写真感光体は、前記光エネルギー照射手段として、400nm以上の波長域に最大ピーク波長を有する光源を用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のものである。本発明によれば、電荷輸送性材料の光吸収スペクトルにおける吸収端よりも大きい波長の光を用いると共に、本発明に記載のチタノセン誘導体の吸収波長の光を用いることでラジカルを効率よく生成することができ、層表面から内部までを均一に硬化させることにより、長期に亘って機械的耐久性を維持し、機械的ハザードによる表面傷等のない、優れた電子写真感光体が提供される。
請求項の発明に関わる電子写真感光体は、前記表面層に用いられる電荷輸送性化合物のラジカル重合性官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のものである。
請求項の発明に関わる電子写真感光体は、前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のものである。
請求項の発明に関わる電子写真感光体は、前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーにおける官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が、250以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のものである。
請求項の発明に関わる電子写真感光体は、前記表面層に用いられるチタノセン誘導体がビス(エタ(5)シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のものである。
請求項10の発明に関わる電子写真感光体は、前記感光層が導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、表面層の順で積層されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のものである。
請求項11の発明に関わる画像形成方法は、請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも該電子写真感光体を帯電させる帯電プロセスと、帯電プロセスによって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成プロセスと、潜像形成プロセスによって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像プロセスと、現像プロセスによって形成された顕像を被転写体に転写する転写プロセスとを繰り返し行うことを特徴とするものである。
請求項12の発明に関わる画像形成装置用プロセスカートリッジは、請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体を有し、少なくとも、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電手段によって帯電させられた電子写真感光体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像形成手段によって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像手段とから選ばれる一つの手段を有することを特徴とするものである。
請求項13の発明に関わる画像形成装置は請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体を有し、少なくとも、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電手段によって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、潜像形成手段によって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像手段とから選ばれる一つの手段を一体に備えた画像形成装置用プロセスカートリッジを搭載し、該画像形成装置用プロセスカートリッジが脱着自在であることを特徴とするものである。
請求項14の発明に関わる電子写真感光体の製造方法は、請求項1乃至10のいずれかに記載のものである。
本発明は、表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーと、光ラジカル重合開始剤とを含有し、光エネルギー照射手段によって硬化した電子写真感光体において、該光ラジカル重合開始剤がチタノセン誘導体であって、該電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの光吸収スペクトルにおける吸収端波長が、該チタノセン誘導体の光吸収スペクトルにおける吸収端波長よりも40nm以上小さくすることによって、耐摩耗性が高く、且つ、表面平滑性に優れ、又、露光部電位が低く、長期間にわたり電子写真感光体並びに画像形成方法、装置を得ることができる。
繰り返し使用による摩耗や傷の発生を抑えるためには感光体表面の硬度、弾性仕事率等に代表される機械的強度が大きいことが有効であり、これら特性を大きくするために種々の手法、材料が開発されている。機械的強度を上げるためには、分子が相互に結合する架橋性材料を用いることが一般的に知られている。架橋性材料は官能基構造、分子構造、官能基数等を選択することにより様々な特性を発現させることが可能であり、所望の機械的強度だけでなく、電子写真感光体として必要とされる電気特性も考慮した分子設計が可能であることから、電子写真感光体向け材料として最近注目されている。
架橋性材料は大きく熱架橋性材料、光架橋性材料、電離性放射線架橋性材料に分けることができる。熱架橋性材料は常温または高温下で徐々に分子間架橋が進むことが特徴である。成膜した後に熱により容易に架橋するために、製造設備も簡易で人体・環境への影響も小さいために、工業的に幅広く用いられている。しかしながら、硬化に要する時間が長く、製造環境の影響を受けやすい。さらに、硬化時間が比較的長く、その間熱を加える必要性があるために、低分子量の添加剤が層間を移行することによる不具合が生じる場合がある。
光架橋性材料、電離性放射線架橋性材料は所定の光、電離性放射線を材料に照射することで容易に材料を架橋させることが可能であり、瞬時に高架橋膜を得ることができるために、熱架橋性材料を使用した際にみられる環境依存性や低分子材料の層間移行といった現象が生じにくいことが特徴である。光架橋性材料は製造に使用する装置構成が複雑でなく、人体への影響も比較的小さいために、工業用途に幅広く用いられている。一方で、電離性放射線架橋型材料は製造設備が複雑で高価なものが多く、また電離性放射線自身の人体への影響も否めないために、工業的に使用されている例は現在のところ多くない。
上記理由から、優れた機械強度を発現させるためには表面層として光架橋性材料を使うことが有効と考えられる。ここで注意すべきは、電子写真感光体たるために必要とされる物性として最も重要となる電気特性を満たすためには、その組成物として電荷輸送性材料を含有させる必要があることである。優れた電荷輸送特性を有する材料としては一般にトリアリールアミン系材料などが挙げられるが、このような材料には共通して、比較的長波長領域での光吸収特性を有することがよく知られている。本発明の様に、光架橋性材料中に光吸収を有する材料を含有させた場合には、硬化時に照射する光が層内部まで十分到達させることができないために層表面と内部とで硬化状態が異なることが懸念される。通常光架橋性材料の硬化に用いられる光源は高エネルギーである紫外線域のものを用いることが多いために、前述のような比較的長波長領域で光吸収特性を有する電荷輸送性材料を層中に含有させる場合には、材料処方の選定および硬化条件の選定に特に注意を要する。
電子写真感光体は作像プロセスの中心に位置し、帯電時やトナークリーニング時などに機械的、電気的ハザードが付与される。このため、使用に従って表面が徐々に摩耗するが、前述のように、層表面と内部との硬化状態の相違が生じる場合には、摩耗により硬化状態が異なる層内部が露出するために、所望の耐久性を維持しなくなることも考えられる。
そのため、光架橋性材料を表面層に適用して長期に亘って所望の耐久性を維持させるためには、層表面と内部とで硬化状態の相違をできる限り小さくすることが重要となる。本発明に記載しているような光吸収特性を有する材料が層中に含まれている場合に、層全域に亘って硬化をさせる方策としては、例えば架橋時に過剰に光を照射することが考えられる。しかしながら、電子写真感光体の様な積層構造を形成するようなものについては、その他の層への影響が懸念される。本発明に記載の電子写真感光体は一般に広く使用されている層構成であるが、電荷発生材料、電荷輸送材料が光により劣化しやすいために、本手法による硬化は適当とは言い難い。また、別の方策としては、例えば、架橋時の温度条件として比較的高めに設定することが考えられるが、このような手法を用いた場合には、制御マージンが小さくなるために、材料のロット差や材料中の不純物の影響により安定した架橋膜を得ることが難しく、場合によっては架橋が不十分になり、所望の表面物性を得ることができない場合が生じたり、温度条件を高温域に調整した場合には層間で添加物などの低分子量成分が層間移行することによる、種々の特性低下が懸念される。結果、材料が初期に持っているポテンシャルを製品に十分反映することができないだけでなく、製品として要求されているスペックを得ることができない可能性もある。
本発明はこれらの問題点を改善するためになされたものであり、表面層として光架橋性材料を用いた電子写真感光体において、表面層に用いる光ラジカル重合開始剤がチタノセン誘導体であって、表面層に用いる電荷輸送性材料としては、その光吸収スペクトルの吸収端波長がチタノセンの吸収端波長よりも40nm小さいことを特徴とする。これにより、表面層を効果的に硬化させることが可能となり、層表面と内部における硬化状態の相違を改善することができる。この結果、繰り返し使用による摩耗や傷の発生がないとともに、電気特性に優れ、画像形成装置の出力画質に関わる欠陥の生じないことを突き止め、本発明を完成するに至った。
以下に本発明について詳細に説明する。
《電子写真感光体の構成について》
まず、本発明に用いられる感光体について説明する。
本実施形態の感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層、表面層をこの順に有することを特徴とする積層体である。感光層としては電荷発生機能と電荷輸送機能を有していれば単層構造をとっても多層構造をとっても良く、多層構造をとる場合は、電荷発生機能を担う電荷発生層と電荷輸送機能を担う電荷輸送層に機能分離したもの(機能分離型積層構造)が一般に使用される。機能分離型積層構造をとる場合には、導電性支持体上への電荷発生層と電荷輸送層の積層順番は特に規定されないが、電荷発生層が表層側にある場合、帯電器などで発生する酸性ガスにより電荷発生層が劣化しやすいこと、電荷輸送層を浸食させずに電荷発生層の塗布が難しいことなどの理由から、一般には電荷発生層は導電性支持体側に積層されることが多い。
《表面層について》
本発明に記載の電子写真感光体の表面層形成においては、3官能以上のラジカル重合性モノマーを用いるものであり、これにより3次元の網目構造が発達し、架橋度が非常に高い高硬度表面層が得られ、高い耐摩耗性が達成される。これに対し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーのみを用いた場合は、架橋表面層中の架橋結合が希薄となり飛躍的な耐摩耗性向上が達成されにくい。また非架橋系表面層中に多量の高分子材料が含有されている場合、3次元網目構造の発達が阻害されたり架橋ネットワークが粗密となり、本発明に比べ充分な耐摩耗性が得られない。更に、含有される高分子材料とラジカル重合性組成物(電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー)の反応より生じた硬化物との相溶性が悪く、材料の相分離によって表面平滑性の低下や局部的な摩耗、傷が発生しやすくなる。また、本発明の表面層においては、電荷輸送性構造を有しない3官能性ラジカル重合性モノマーに加え、さらに電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを含有しており、これが上記3官能以上のラジカル重合性モノマー硬化時に架橋結合中に取り込まれる。これに対し、官能基を有しない低分子電荷輸送物質を架橋表面層中に含有させた場合、その相溶性の低さから低分子電荷輸送物質の析出や白濁現象が起こり、これにより架橋表面層の機械的強度が低下する。
また、本発明は上記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを光硬化するのにあたり、重合開始剤としてチタノセン誘導体を用いることにより、層表面から内部に亘り硬化が十分に行われ、長期に亘って優れた耐久性を維持する。さらに表面平滑性に優れるとともに、露光部電位を長期間に亘って低く維持することが可能となる電子写真感光体を提供できる。これは以下のことにより説明できる。本発明に記載の架橋性表面層の形成にあたり構成成分として電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを含有する。この電荷輸送性部位は一般に比較的長波長域での光吸収性を有するため、その吸収により通常の光ラジカル重合開始剤ではラジカル発生量が少なくなる。このため表面層の硬化にあたっては長時間または高照度の光照射が必要となり、表面層もしくは感光層中の電荷輸送性構造の分解が起こり特性劣化の原因となる。また、ラジカル発生量を増加させるためには光重合開始剤の含有量を増加する方法も可能であるが、これにより架橋表面層のラジカル重合性モノマーや電荷輸送性化合物の含有量が実質的に減少し、耐摩耗性の低下、残留電位の上昇を招く原因となったり、過剰な光ラジカル重合開始剤がラジカル重合における停止反応を引き起こしたりするため、耐摩耗性の低下を引き起こすことが懸念されるため良策とは言えない。これに対し、チタノセン誘導体の多くは400nm以上の可視光域に吸収を有するため、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーに吸収されない波長領域の照射光によりラジカルが効率よく発生することから、層表面から内部に亘って均一な硬化膜を得ることができる。従って、硬化部と未硬化部の硬度や体積収縮の違いに起因する凹凸が発生せず、平滑性の優れた架橋膜が得られる。また、残留電位上昇などの電気特性の劣化を引き起こさない理由としては、光重合開始剤のラジカル発生を増感する構造として用いられるジアルキルアミノ基、モルフォリノ基などの三級アミノ基を有していないことや、過露光もしくは高照度による表面層および感光層中の電荷輸送性材料の劣化が生じないことに起因する。
<吸収端波長について>
本発明で規定する電荷輸送性材料および光ラジカル重合開始剤の吸収端波長とは、それぞれの材料に固有なHOMO−LUMOの遷移エネルギーの波長換算値に相当するものとする。すなわち、一般に長波長側の光学吸収端近傍の比較的吸収の大きい領域において、吸収係数αと光エネルギーhν
(但し、hはプランク常数、νは波数)、およびバンドキャップエネルギーE0の間には次式、
Figure 0004716507

が成り立つと考えられている(ここでBは定数を示す)。従って、吸収スペクトルを測定し、そこから(αhν)の0.5乗に対してhνをプロットし、直線区間を外挿したα=0におけるhνの値が遷移エネルギーE0となり、その波長換算値
Figure 0004716507

が本発明で用いる吸収端波長となる(但し、cは光速を表す)。
上記算出方法による吸収端波長の算出に際しては、各材料の吸光度vs波長(吸光特性)の関係を得る必要がある。吸光特性の測定方法は特に限定されないが、対象となる材料の吸収が少ない(例えば電荷輸送性材料がバルクに対して低濃度である…等)場合にはλ0の算出が非常に困難であることから、長波長側の光学吸収端近傍の吸光度が1以上3未満である必要がある。
<開始剤について>
チタノセン誘導体としては、公知のチタノセン化合物が全て使用できる。例えば特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報に記載のチタノセン誘導体が挙げられる。具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)−ジ−クロロ−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ジ−フェニル−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,3,4,5,6ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6ジフルオロフェニル)チタニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−ビス(2,3,4,5,6ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−ビス(2,6ジフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(1−ピル−1−イル)エチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−((1−ピル−1−イル)メチル)フェニル]チタニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−((1−ピル−1−イル)メチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−((2,5−ジメチル−1−ピル−1−イル)メチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−((3−トリメチルシリル−2,5−ジメチル−1−ピル−1−イル)メチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−((2,5−ビス(モルホリノメチル)−1−ピル−1−イル)メチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−4−((2,5−ジメチル−1−ピル−1−イル)メチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−メチル−4−(2−(1−ピル−1−イル)エチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1−メチル−2−(1−ピル−1−イル)エチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(6−(9−カルバゾル−9−イル)ヘキシル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチル−1−インドル−1−イル)プロピル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−((アセチルアミノ)メチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(プロピオニルアミノ)エチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(4−(ビバロイルアミノ)ブチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)エチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(3−(ベンゾイルアミノ)プロピル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(N−アリルメチルスルホニルアミノ)エチル)フェニル]チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム等を挙げることが出来る。上記化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、一般に用いられている光ラジカル重合開始剤を上記チタノセン誘導体と併用しても良い。ここで併用できる光ラジカル重合開始剤としては光照射によってラジカルを発生する化合物であれば特に限定されないが、例えばジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、などのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、などのチオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、が挙げられる。これら光ラジカル重合開始剤は1種又は2種以上を混合してチタノセン誘導体と併用しても良い。
また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
前記チタノセン誘導体ならびに重合開始剤の含有量としては、表面層を構成するラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
<電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーについて>
本発明に用いられる電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば特に限定されない。
これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば下記一般式(6)で表わされる官能基が挙げられる。
一般式(6)
Figure 0004716507

〔ただし、式中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、または−S−基を表わす。〕
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば下記一般式(7)で表わされる官能基が挙げられる。
一般式(7)
Figure 0004716507

〔ただし、式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、または−CONR1213(R12およびR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わし、互いに同一または異なっていてもよい。)、
また、X2は上記式10のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y,X2の少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。〕
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX1,X2、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なっても良い。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上の具体的なラジカル重合性モノマーとしては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても良い。
また、本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、架橋表面層中に緻密な架橋結合を形成するために、該モノマー中の官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)は250以下が望ましい。また、この割合が250より大きい場合、架橋表面層は柔らかく耐摩耗性が幾分低下するため、上記例示したモノマー等中、EO、PO、カプロラクトン等の変性基を有するモノマーにおいては、極端に長い変性基を有するものを単独で使用することは好ましくはない。また、表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの成分割合は、架橋表面層全量に対し20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%になるように、塗工液固形分中の含有量を調整する。モノマー成分が20重量%未満では架橋表面層の3次元架橋結合密度が少なく、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べ飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。また、80重量%を超えると電荷輸送性化合物の含有量が低下し、電気特性の劣化が生じる。使用されるプロセスによって要求される耐摩耗性や電気特性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
<電荷輸送性構造を有する3官能以上のラジカル重合性モノマーについて>
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送性構造を有しており、且つラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、先のラジカル重合性モノマーで示したものが挙げられ、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。また1分子中のラジカル重合性官能基の数は、1個以上複数個でも良いが、架橋表面層の内部応力を抑え平滑な表面性を得やすいため、また良好な電気特性を持続させるためには、ラジカル重合性官能基が1個である方が好ましいが、本発明は光重合開始剤としてチタノセン誘導体を用いて光エネルギー発光波長を選択することにより平滑且つ均一な架橋表面層を達成したものであり、電荷輸送性化合物が2個以上ラジカル重合性官能基を有する場合においても架橋膜内部に歪みが無く且つより高い架橋密度の架橋表面層が実現される。これにより長期に亘る使用においても表面摩耗や傷付きが少なく、電気特性が維持される電子写真感光体を提供することができる。電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が高移動度性から好適で、中でも下記一般式(1)又は(2)の構造で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気特性が良好に持続される。
一般式(1)
Figure 0004716507

一般式(2)
Figure 0004716507

〔式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR7(R7は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR89(R8及びR9は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)を表わし、Ar1、Ar2は置換もしくは未置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar3、Ar4は置換もしくは未置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。〕
上記のようなトリアリールアミン構造を有する材料は電荷輸送性に非常に優れている反面、比較的長波長(具体的には300nm以上)に光学吸収端を有するため、光架橋性表面層への適用に際しては光吸収による架橋阻害が懸念されるが、本発明に記載のチタノセン誘導体を用いた場合、他の光ラジカル重合開始剤を用いた場合と比較して層表面から内部に亘って均一な硬化状態を有する架橋膜を得ることが可能であった。しかしながらすべての電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーに対して有効ではなく、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの吸収端波長が用いるチタノセン誘導体の吸収端波長よりも40nm以上短い場合、好ましくは60nm以上短い場合に層表面から内部で均一な硬化状態を得ることができる。電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの吸収端波長が用いるチタノセン誘導体の吸収端波長よりも40nmよりも長い場合には、チタノセン誘導体の吸収波長のほとんどすべてが電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーと一致するために、効率よくチタノセンが光吸収することが困難になり、ラジカル発生効率の低下に伴う架橋不良が生じるなどのため好ましくない。
また、本発明に記載のチタノセン誘導体を用いて表面層を光架橋させる場合、その光学吸収端が370nm以上の化合物を用いた場合に他の光ラジカル重合開始剤に対して優位性が確認できたが、特に光学吸収端が400nm以上の化合物を用いた場合にはその優位性は歴然であった。
以下に、一般式(1)、(2)の具体例を示す。
前記一般式(1)、(2)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
1の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
置換もしくは未置換のAr3、Ar4はアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as(asym)−インダセニル基、s(sym)−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
該非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、前記Ar3、Ar4で表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基;
好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR2);
2は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基;
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基;
具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)以下の式で表される置換基
Figure 0004716507

(式中、R3及びR4は各々独立に水素原子、前記(2)で定義したアルキル基、またはアリール基を表わす。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R3及びR4は共同で環を形成してもよい)
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
一方、前記Ar1、Ar2で表わされるアリーレン基としては、前記Ar3、Ar4で表されるアリール基から誘導される2価基である。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C5〜C7の環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基を有していても良い。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基等のアルキレンオキシ2価基、あるいはエチレングリコール、プロピレングリコール等から誘導されるアルキレンジオキシ2価基、若しくはジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等から誘導される、ジ又はポリ(オキシアルキレン)オキシ2価基等が挙げられ、アルキレンエーテル2価基のアルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基は、
Figure 0004716507

で表わされ、
〔式中、R5は水素、アルキル基(前記(2)で定義されるアルキル基と同じ)、アリール基(前記Ar3、Ar4で表わされるアリール基と同じ)、aは1または2、bは1〜3を表わす。〕
前記Zは置換もしくは未置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表わす。
置換もしくは未置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン変性2価基が挙げられる。
また、本発明の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーとして更に好ましくは、下記一般式(3)の構造の化合物が挙げられる。
一般式(3)
Figure 0004716507

(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なっても良い。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
Figure 0004716507

を表わす。)
上記一般式で表わされる化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
本発明で用いる上記一般式(1)及び(2)特に(3)の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーは、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれ、3官能以上のラジカル重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)するが、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真感光体の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。さらに本発明においてはさらなる耐摩耗性向上を目的として、ラジカル重合性官能基を2個以上有する電荷輸送性化合物も良好に使用できる。従来の発明では電荷輸送性化合物が2個以上のラジカル重合性官能基を有する場合、嵩高い電荷輸送性構造が複数の結合で架橋結合中に固定されるため架橋膜内部に歪みが発生し、内部応力が高くなることでクラックや膜剥がれが発生し易い傾向があった。これに対して本発明では光重合開始剤としてチタノセン誘導体を用いることで、内部まで瞬間的に硬化することができ架橋膜内部に歪みが生じず、均一な架橋表面層が実現でき、架橋密度がより高い高耐久性を有する架橋表面層が達成可能となった。また架橋膜内部に歪みが無いことから、電荷輸送時の中間体構造(カチオンラジカル)が安定に保つことができ、電荷トラップによる感度低下、残留電位の上昇が起こりにくく、電気特性についても安定した特性を長期間持続することが可能となった。以下に電荷輸送性構造としてトリアリールアミン構造を有する電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの具体例を示すが、これらの構造の化合物に限定されるものではない。
NO.1
Figure 0004716507

NO.2
Figure 0004716507
NO.3
Figure 0004716507


NO.4
Figure 0004716507
NO.5
Figure 0004716507

NO.6
Figure 0004716507
NO.7
Figure 0004716507


NO.8
Figure 0004716507

NO.9
Figure 0004716507

NO.10
Figure 0004716507
NO.11
Figure 0004716507

NO.12
Figure 0004716507
NO.13
Figure 0004716507

NO.14
Figure 0004716507

NO.15
Figure 0004716507

NO.16
Figure 0004716507
NO.17
Figure 0004716507


NO.18
Figure 0004716507
NO.19
Figure 0004716507

NO.20
Figure 0004716507
また本発明においては下記一般式(4)で示した特定のアクリル酸エステル化合物も電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーとして良好に用いることができる。
一般式(4)
Figure 0004716507

Ar1は置換又は無置換の芳香族炭化水素骨格からなる一価基または二価基を表す。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、ビフェニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ベンジル基、ハロゲン原子が挙げられる。また、上記アルキル基、アルコキシ基は、さらにハロゲン原子、フェニル基を置換基として有していても良い。
Ar2は、少なくとも1個の3級アミノ基を有する芳香族炭化水素骨格からなる一価基または二価基もしくは少なくとも1個の3級アミノ基を有する複素環式化合物骨格からなる一価基または二価基を表すが、ここで、3級アミノ基を有する芳香族炭化水素骨格とは下記一般式(8)で表される。
一般式(8)
Figure 0004716507

(式中、R10、R11はアシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar10はアリール基を表す。hは1〜3の整数を表す。)
10、R11のアシル基としてはアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。R10、R11の置換もしくは無置換のアルキル基はAr1の置換基で述べたアルキル基と同様である。R10、R11の置換もしくは無置換のアリール基は、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基に加えて下記一般式(9)で表される基を挙げることができる。
一般式(9)
Figure 0004716507

[式中、Bは −O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−及び以下の2価基から選ばれる。
Figure 0004716507

(ここで、R21は、水素原子、Ar1で定義された置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、R10で定義された置換もしくは無置換のアリール基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基を表し、R22は、水素原子、Ar1で定義された置換もしくは無置換のアルキル基、R10で定義された置換もしくは無置換のアリール基を表し、iは1〜12の整数、jは1〜3の整数を表す。)]
21のアルコキシ基の具体例としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、 i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、 i−ブトキシ基、 s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
21のハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
21のアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジベンジルアミノ基、4−メチルベンジル基等が挙げられる。
Ar10のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基を挙げることができる。
Ar10、R10、R11は、Ar1で定義されたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有していても良い。
また、3級アミノ基を有する複素環式化合物骨格としては、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ジオキサゾール、インドール、イソインドール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾイソキサジン、カルバゾール、フェノキサジン等のアミン構造を有する複素環化合物が挙げられる。これらは、Ar1で定義されたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有していても良い。
1、B2はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基又はビニル基を有するアルキル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基又はビニル基を有するアルコキシ基を表す。アルキル基、アルコキシ基は、Ar1で述べたものが同様に適用される。これら、B1とB2は、どちらか一方のみが存在し、両方の存在は除外される。
一般式(4)のアクリル酸エステル化合物においてより好ましい構造として前記一般式(5)の化合物を挙げることができる。
一般式(5)
Figure 0004716507

式中、R1、R2は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、ハロゲン原子を表し、Ar3、Ar4は、置換もしくは無置換のアリール基またはアリレン基、置換又は無置換のベンジル基をあらわす。アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子は前記Ar1で述べたものが同様に適用される。
アリール基は、R10、R11で定義されたアリール基と同様である。アリレン基は、そのアリール基から誘導される二価基である。
1〜B4は、化1におけるB1、B2と同様であり、B1〜B4の内、どれか一つだけが存在し、二つ以上の存在は除外される。lは、0〜5の整数、mは、0〜4の整数を表す。
特定のアクリル酸エステル化合物は次のような特徴を有する。スチルベン型共役構造を有した三級アミン化合物であり、発達した共役系を有している。こういった共役系の発達した電荷輸送性化合物を用いることで、架橋層界面部分での電荷注入性が非常に良好となり、さらに架橋結合間に固定化された場合でも分子間相互作用が阻害されにくく、電荷移動度に関しても良好な特性を有する。また、ラジカル重合性の高いアクリロイルオキシ基、又はメタクリロイルオキシ基を分子中に1個有しており、ラジカル重合時に速やかにゲル化するとともに過度な架橋歪を生じない。分子中のスチルベン構造部の二重結合が部分的に重合に参加し、しかもアクリロイルオキシ基、又はメタクリロイルオキシ基よりも重合性が低いために架橋反応に時間差が生じることで歪みを最大に大きくする事が無く、しかも分子中の二重結合を使用する為に分子量当りの架橋反応数を上げることが出来る為に、架橋密度を高めることができ、耐摩耗性のさらなる向上が見込める。また、この二重結合は、架橋条件により重合度を調整することができ、容易に最適架橋膜を作製できる。この様なラジカル重合への架橋参加は、アクリル酸エステル化合物の特異的な特徴であり、前述したようなα−フェニルスチルベン型の構造では起こらない。
また、アクリル酸エステル化合物の他の特徴としては、その発達した共役系のために他の化合物と比較して光学吸収端が長波長にシフトする傾向を有する。特に、一般式(6)に記載したようなトリアリールアミン系材料についてはその光学吸収端が400nmを超えるものが多く、光架橋性表面層へ適用する場合には、その吸収のために層表面と内部とで架橋状態が相違が生じやすい。しかし本発明に記載のチタノセン誘導体を用いた場合は、その光学吸収端が前述のアクリル酸エステル化合物と比較して長波長にあることが多く、層全域に亘って均一な硬化膜を得ることが容易である。
以上のことから、一般式(4)、特に一般式(5)に示した電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーと本発明に記載のチタノセン誘導体を併用することで良好な電気特性を維持しつつ、且つ、クラック等の発生を起さずに架橋密度の極めて高い膜を形成することができ、そのことで感光体の諸特性を満足し、長期に亘って摩耗や傷つきなどが少なく、画像欠陥を生じにくい優れた電子写真感光体を提供することができる。
以下に電荷輸送性構造として一般式(4)に示した電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの具体例を示すが、これらの構造の化合物に限定されるものではない。
NO.21
Figure 0004716507

NO.22
Figure 0004716507
NO.23
Figure 0004716507

NO.24
Figure 0004716507
NO.25
Figure 0004716507

NO.26
Figure 0004716507
NO.27
Figure 0004716507

NO.28
Figure 0004716507
NO.29
Figure 0004716507

NO.30
Figure 0004716507
NO.31
Figure 0004716507

NO.32
Figure 0004716507
NO.33
Figure 0004716507

NO.34
Figure 0004716507
NO.35
Figure 0004716507

NO.36
Figure 0004716507
NO.37
Figure 0004716507

NO.38
Figure 0004716507
また、本発明に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーは、架橋表面層の電荷輸送性能を付与するために重要で、この成分は架橋表面層全量に対し20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%になるように塗工液成分の含有量を調整する。この成分が20重量%未満では架橋表面層の電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れる。また、80重量%を超えると電荷輸送性構造を有しない3官能モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き高い耐摩耗性が発揮されない。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
<その他添加剤について>
更に、本発明の塗工液は必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20重量部以下、好ましくは10重量部以下に抑えられる。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3重量部以下が適当である。
<膜作製方法について>
前記3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を感光層上に形成する際に、粘性が低く、流動性を有する塗工液とすることが好ましい。いずれの材料も低粘性の液状である場合には、各材料を混合して塗工液とすることができるが、スプレー塗工方式の特性上、良好な霧化を行うためには塗工液として十分な流動性が必要とされる。このため、塗工液は有機溶剤により希釈して粘性を調整することが好ましい。ここで用いられる有機溶剤としては前記記載の通りであるため、ここでは詳しく述べないが、本発明者によると、有機溶剤の沸点としては1気圧下において90℃以下が良く、好ましくは60℃以上90℃以下、さらに好ましくは60℃以上80℃以下のものがよい。これらの溶剤は単独、または2種以上混合して用いてもよい。有機溶剤による塗工液の希釈率は、前記塗工液の構成成分の特性により決定される。
本発明においては、かかる塗工液を塗布後、外部からエネルギーを与えることにより、表面層を硬化させる。このとき用いられる外部エネルギーとしては、光エネルギーが主に用いられるが、熱エネルギーを併用しても良い。
熱エネルギーとしては、空気、窒素などの気体、蒸気、あるいは各種熱媒体、赤外線、電磁波を用いることができ、塗工面側あるいは支持体側から加熱することによって行われる。加熱温度は100℃以上、170℃以下が好ましい。100℃未満の場合、反応速度が遅いために生産性が低下するとともに、未反応の材料が膜中に残留する原因となる。一方、170℃より高い温度で処理した場合、架橋による膜の収縮が大きくなり、表面にゆず肌状の欠陥や亀裂が生じたり、隣接層との界面で剥離が生じることがあり好ましくない。架橋による収縮が大きい樹脂を使用する際には、100℃未満の低温で予備架橋した後に100℃以上の高温で架橋を完結させる方法も有効である。
光エネルギーとしては、主に超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアークメタルハライドランプ等の光源を利用してもよいが、本発明に記載のチタノセン誘導体の吸収を考慮して光源を選定することが好ましい。使用光源の発光波長については通常の紫外線領域についてもチタノセン誘導体は吸収を有するため、使用することは問題ないが、前述の通り電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの吸収を考慮することがより好ましい。具体的には最大発光波長が400nm以上の光源を用いることにより電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの吸収が少ないために、照射光が効率よくチタノセンに吸収されることから層表面から内部に亘る全層において均一な硬化膜を得やすい。
使用光源の発光照度としては、一般に365nmの波長を基準として50mW/cm2〜2000mW/cm2の照度で露光されるのがよい。また、最大発光波長近傍における照度測定が可能である場合は、上記照度域で露光することがさらに好ましい。照度が小さい場合には硬化に要する時間が多くなるため、生産性の観点から好ましくない。一方、照度が大きい場合には硬化収縮が起こりやすく、表面にゆず肌状の欠陥や亀裂が生じたり、隣接層との界面で剥離が生じることがある。
UV照射時には光源からの生じる熱線などの影響により、感光体表面層の温度が上昇する。感光体表面温度が上昇しすぎると、表面層の硬化収縮が起こりやすいこと、隣接層中に含まれる低分子成分が表面層に移行するために、硬化阻害などが生じたり、電子写真感光体としての電気特性が低下するなど好ましくない。そのためUV照射時の感光体表面温度は100℃以下、好ましくは80℃以下にするとよい。冷却方法としては感光体内部への助冷剤封入、感光体内部の気体や液体による冷却などを使用することができる。
表面層の膜厚としては、感光層の保護の観点から1〜20μm以下が良く、好ましくは3〜15μmがよい。表面層が薄い場合には感光体への当接部材による機械的摩耗や帯電器などによる近接放電などから感光層を保護できなくなるだけでなく、膜形成時にレベリングされにくくなるために、膜表面がゆず肌状になることがある。一方、表面層が厚い場合には感光体全層が厚くなり、電荷の拡散による画像の再現性が低下するため好ましくない。
《接着層について》
表面層/感光層間での接着性不良による層間剥離を防ぐことを目的として、必要に応じて両層間に接着層を設けても良い。
接着層としては前記電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを用いても良いし、非架橋系の高分子化合物を用いても良い。非架橋系の高分子化合物としてはポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられるがこれに限定されない。また、ラジカル重合性モノマーと非架橋系高分子化合物はいずれを用いる場合についても単独で用いても良いし、2種以上の混合物として用いても良い。さらには、十分な接着性が得られるならばラジカル重合性モノマーと非架橋系高分子化合物を併用しても良い。もちろん、本明細書に記載の電荷輸送材料を用いても良い。また、接着性を向上することを目的とすれば、適宜添加剤を用いても良い。
接着層は所定の配合に処方された化合物をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒に溶解・分散した塗工液を浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。接着層の膜厚は、0.1〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜3μmが最も適当である。
《感光層について》
次に感光層について説明する。前記の通り、感光層は機能分離型積層構造であっても良いし、単層構造をとっても良い。積層構造の場合には、感光層は一般に電荷発生層と電荷輸送層から形成される。また、単層構造の場合には感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。以下、積層構造の感光層および炭層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
《電荷発生層について》
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリアリールアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。バインダー樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。バインダー樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
《電荷輸送層について》
電荷輸送層は、電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とする層である。
電荷輸送物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。また、バインダー樹脂として、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることも可能であり、有用である。
電荷輸送物質の量はバインダー樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独で使用しても良いし、バインダー樹脂と併用してもよい。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。電荷輸送層に用いられる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、30μm以下とすることが好ましく、25μm以下がより好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましい。
《感光層が単層の場合》
単層構造の感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。感光層は電荷発生物質および電荷輸送物質およびバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
バインダー樹脂としては先に電荷輸送層で挙げたバインダー樹脂のほかに、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。バインダー樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷発生物質、バインダー樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
《下引き層について》
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
《導電性支持体について》
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当なバインダー樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられるバインダー樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱架橋性樹脂または光架橋性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体とバインダー樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
《各種添加剤について》
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、表面層、感光層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、中間層、光遮蔽層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
<フェノール系化合物>
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
<パラフェニレンジアミン類>
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
<ハイドロキノン類>
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
<有機硫黄化合物類>
ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネートなど。
<有機燐化合物類>
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量部である。
《画像形成装置の構成について》
次に図面に基づいて本発明の画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジを詳しく説明する。
本発明の画像形成装置とは、本架橋表面層を有した感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなるものである。
場合により、静電潜像を直接転写体に転写し現像する画像形成装置では、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。
図1は、画像形成装置の一例を示す概略図である。感光体を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ(3)が用いられる。この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラー帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
次に、均一に帯電された感光体(1)上に静電潜像を形成するために画像露光部(5)が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体(1)上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット(6)が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、感光体上で可視化されたトナー像を転写体(9)上に転写するために転写チャージャ(10)が用いられる。また、転写をより良好に行なうために転写前チャージャ(7)を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写体(9)を感光体(1)より分離する手段として分離チャージャ(11)、分離爪(12)が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ(11)としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ(2)、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
本発明は、このような画像形成手段に本発明に係る電子写真感光体を用いる画像形成方法及び画像形成装置である。
この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図2に示す。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(106)、クリーニング手段(107)、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
図2に例示される装置による画像形成プロセスについて示すと、感光体(101)は、矢印方向に回転しながら、帯電手段(102)による帯電、露光手段(103)による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段(104)でトナー現像され、該トナー現像は転写手段(106)により、転写体(105)に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段(107)によりクリーニングされ、さらに除電手段(図示せず)により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。
《電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの合成例》
本発明における電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
(1)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式B)の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式(1))113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間で滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして下記構造式(2)の白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。
融点:64.0〜66.0℃
元素分析値(%)
Figure 0004716507

構造式(1)
Figure 0004716507

構造式(2)
Figure 0004716507
(2)トリアリールアミノ基置換アクリレート化合物の合成
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして例示化合物No.1の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。
融点:117.5〜119.0℃
元素分析値(%)
Figure 0004716507
(3)アクリル酸エステル化合物の合成例
(2−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルの調製)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、2−ヒドロキシベンジルアルコール(東京化成品製)38.4g、o−キシレン80mlを入れ、窒素気流下、亜リン酸トリエチル(東京化成品製)62.8gを80℃でゆっくり滴下し、さらに同温度で1時間反応を行った。その後、減圧蒸留により、生成したエタノール、溶媒のo−キシレン、未反応の亜リン酸トリエチルを除去し、66gの2−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルを得た。(沸点 120.0℃/1.5mmHg)(収率90%)
(2−ヒドロキシ−4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベンの調製)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、カリウム−tert−ブトキサイド14.8g、テトラヒドロフラン50mlを入れ、窒素気流下、2−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチル9.90gと4−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)ベンズアルデヒド5.44gとをテトラヒドロフランに溶解させた溶液を室温でゆっくり滴下し、その後、同温度で2時間反応させた。その後、水冷下、水を加え、次いで2規定の塩酸水溶液を加えて酸性化したのち、テトラヒドロフランをエバポレーターにより除き、粗生成物をトルエンで抽出した。トルエン相を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて脱水した。ろ過後、トルエンを除いてオイル状の粗収物を得、さらにシリカゲルによりカラム精製を行った後、ヘキサン中で晶析させ、5.09gの2−ヒドロキシ−4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベンを得た。(収率72%、融点136.0〜138.0℃)
(4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベン−2−イルアクリレートの調製)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、2−ヒドロキシ−4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベン14.9g、テトラヒドロフラン100ml、12%濃度の水酸化ナトリウム水溶液21.5gを入れ、窒素気流下、5℃でアクリル酸クロリド5.17gを30分かけて滴下した。その後、同温度で3時間反応させた。反応液を水にあけ、トルエンで抽出した後、濃縮してシリカゲルによるカラム精製を行った。得られた粗収物をエタノールで再結晶し、黄色針状晶の4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベン−2−イルアクリレート(例示化合物No.2)13.5gを得た。(収率79.8%、融点104.1〜105.2℃)
元素分析結果を以下に示す。
元素分析値(%)
Figure 0004716507

以上の様に、2−ヒドロキシベンジルホスホン酸エステル誘導体と種々のアミノ置換ベンズアルデヒド誘導体を反応させることにより数多くの2−ヒドロキシスチルベン誘導体を合成し、そのアクリル化またはメタクリル化を行なう事で種々のアクリル酸エステル化合物を合成することができる。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお、請求項1の減縮により一般式(5)の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー以外のモノマーを用いた実施例は参考例とする。
<実施例1>
《感光体の作製方法》
φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層
用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き
層、0.2μmの電荷発生層、18μmの電荷輸送層を形成した。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
・酸化チタン 40部
・メチルエチルケトン 50部
〔電荷発生層用塗工液〕
・下記構造式(3)のビスアゾ顔料顔料 2.5部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製) 0.5部
・シクロヘキサノン 200部
・メチルエチルケトン 80部
構造式(3)
Figure 0004716507

〔電荷輸送層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・下記構造式(4)の低分子電荷輸送物質 7部
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 1部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
構造式(4)
Figure 0004716507
ついで、下記組成の表面層塗工液を前記導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる積層体上に塗布した後に、Fusion製UVランプシステム(フュージョン社製:Vバルブ)を用いて、ランプ出力:200W/cm、照射強度:450mW/cm2、照射時間:120秒の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させ、5.2μmの表面硬化膜を得た。この後、130℃30分の乾燥を行うことにより、導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層/表面層からなる電子写真感光体を得た。
ここで用いたVバルブの発光波長特性は図3に示す通り、400nm以上に最大ピーク波長を有している。
〔表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
・1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.4)
吸収端波長 360nm
・光重合開始剤 1部
ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム
(イルガキュア784、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
吸収端波長 549nm
・テトラヒドロフラン 100部
<実施例2>
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものにかえた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.1)
吸収ピーク波長:369nm
<実施例3>
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものにかえた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.13)
吸収ピーク波長:397nm
<実施例4>
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものにかえた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.8)
吸収ピーク波長:423nm
<実施例5>
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものにかえた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.21)
吸収ピーク波長:439nm
<実施例6>
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものにかえた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.24)
吸収ピーク波長:471nm
<実施例7>
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものにかえた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.22)
吸収ピーク波長:467nm
<実施例8>
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA、日本化薬製)
平均分子量:536、官能基数:5.5官能
<実施例9>
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものに変え、光照射条件として、下記発光波長を有するランプ(フュージョン社製:Hバルブ)に変えて硬化させた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.1)
吸収ピーク波長:369nm
・管球発光波長
<実施例10>
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものに変え、光照射条件として、下記発光波長を有するランプ(フュージョン社製:Hバルブ)に変えて硬化させた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.8)
吸収ピーク波長:423nm
・管球発光波長 図4に示す。
<比較例1>
実施例2の光重合開始剤を下記構造の化合物(III)に換えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
4,4‘-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン [ミヒラーズケトン]
(東京化成製) 0.6部
吸収端波長 398nm
構造式(5)
Figure 0004716507

<比較例2>
実施例3の光重合開始剤を上記構造の化合物(III)に換えた以外は実施例3と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
4,4‘-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン [ミヒラーズケトン]
(東京化成製); 0.6部
<比較例3>
実施例4の光重合開始剤を上記構造の化合物(III)に換えた以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
4,4‘-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン [ミヒラーズケトン]
(東京化成製) 0.6部
<比較例4>
実施例2の光重合開始剤を下記構造の化合物(IV)に換えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
カルバゾール・フェノン系開始剤、アデカオプトマー N−1414
(旭電化工業製) 0.6部
吸収端波長 370nm
構造式(6)
Figure 0004716507
<比較例5>
実施例3の光重合開始剤を上記構造の化合物(IV)に換えた以外は実施例3と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
カルバゾール・フェノン系開始剤、アデカオプトマー N−1414
(旭電化工業製) 0.6部
<比較例6>
実施例4の光重合開始剤を上記構造の化合物(IV)に換えた以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
カルバゾール・フェノン系開始剤、アデカオプトマー N−1414
(旭電化工業製) 0.6部
<比較例7>
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを下記構造のものにかえた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー 10部
(トリアリールアミン例示化合物No.33)
吸収ピーク波長:527nm
<比較例8>
比較例7の光重合開始剤を上記構造の化合物(III)に換えた以外は比較例7と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
4,4‘-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン [ミヒラーズケトン]
(東京化成製) 0.6部
<比較例9>
比較例7の光重合開始剤を上記構造の化合物(IV)に換えた以外は比較例7
と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
カルバゾール・フェノン系開始剤、アデカオプトマー N−1414
(旭電化工業製) 0.6部
<比較例10>
実施例10の光重合開始剤を上記構造の化合物(III)に換えた以外は実施例10と同様に電子写真感光体を作製した。
光重合開始剤
カルバゾール・フェノン系開始剤、アデカオプトマー N−1414
(旭電化工業製) 0.6部
<比較例11>
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記の電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー10部に換えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー 10部
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(和光純薬製)
分子量:226、官能基数:2官能
<比較例12>
実施例1の架橋表面層用塗工液の組成物である電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを含有させず、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマー量を20部に換えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
<比較例13>
実施例1の架橋表面層用塗工液の組成物である輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有させず、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー量を20部に換えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
<比較例14>
実施例1の架橋表面層用塗工液の組成物である電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを含有させず、この換わりに電荷輸送層用塗工液に用いられている構造式(II)の低分子電荷輸送物質10部を含有させた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
Figure 0004716507
《表面平滑性試験》
感光体表面の平滑性評価法として、サーフコム1400D(東京精密製)を用い、表面粗さRz(十点平均粗さ、JIS B0601−1994規格)を評価長さ2.5mm、基準長さ0.5mmに対し測定する。測定箇所は軸方向のドラムの両端から50mmとドラム中央の3点、周方向90度の4通り、合計12点を測定し、その平均値をドラムの表面粗さRzとする。
《硬化性試験》
架橋表面層の硬化進行性の指標として、有機溶剤に対する溶解性試験を行う。感光体上にテトラヒドロフラン(以後THFと略す)、を1滴滴下し、自然乾燥後の表面形状の変化を目視観察する。硬化が進行していないものは表面が一部溶解し、リング状の凹凸やくもりが生じる。
《耐久性試験》
表面粗さ0.3μmのラッピングフィルム(住友3M社製)を用いて感光体の任意の位置において感光体の軸方向10cm幅の架橋表面層を1.5μm程度摩耗させた。この感光体を電子写真装置用プロセスカートリッジに装着し、画像露光光源として655nmの半導体レーザーを用いたリコー製imagioMF 2200改造機にて架橋表面をラッピングフィルムで摩耗させていない部分において初期暗部電位を−700Vに設定する。その後通紙試験を開始し、初期及び2万枚毎にラッピングフィルムで摩耗を行った部分の膜厚測定及び画像評価を行い、A4サイズ5万枚の通紙を実施する。通紙終了時の電気特性として初期暗部電位測定部分と同じ場所において暗部、露光部電位を測定する。なお感光体の膜厚は渦電流式膜厚測定装置(フィッシャーインスツルメント製)を用いて測定した。
実施例1〜10、比較例1〜14の電子写真感光体について初期表面粗さRzおよびTHFへの溶解性の結果を表5に示す。
Figure 0004716507
本発明の実施例1〜10に記載の電子写真感光体は表面性平滑性が良好であった。また、いずれの電子写真感光体についても有機溶剤に対して表面は不溶性で、硬化が十分に行われていることを示している。これに対して、比較例11の2官能モノマーを架橋表面層に用いた電子写真感光体、および比較例13の3官能以上のラジカル重合性モノマーのみを用いた電子写真感光体については表面平滑性が非常に悪いものであった。また、比較例3、5、6、8、9については用いた光ラジカル重合開始剤に対して電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの吸収端が長波長側に位置し、ラジカルが効率よく発生させることが難しいために架橋が不十分であったと思われる結果となった。比較例10については用いた光源の最大発光波長が用いた電荷輸送性材料と比較して短波長にあるために、やはり効率の良いラジカル発生が生じないことによる硬化不良が生じているものと考えられる。
次に、実施例1〜10、比較例1〜11、13〜14の電子写真感光体について耐久性試験を実施し、その結果を表6に示す。
Figure 0004716507
本発明の実施例1〜10の感光体は初期及び5万枚の耐久性試験前後において露光部電位が低く、良好な電気特性を有している。一方、比較例1〜3および8,10に示したチタノセン誘導体以外の長波長開始剤を用いた電子写真感光体、および比較例13の電荷輸送性基を有しないラジカル重合性モノマーのみの架橋表面層を用いた感光体は、いずれも電気的特性の劣化が著しい。
本発明の実施例1〜10の感光体は5万枚の耐久性試験において、膜厚減少量が少なく高耐久性が達成されている。
一方、比較例4〜6のチタノセン誘導体以外の光ラジカル重合開始剤を表面層に用いた感光体、比較例7、9の表面層に用いた電荷輸送性材料の吸収端が用いた光ラジカル重合開始剤の吸収端と比較して長波長である感光体、比較例11の2官能の電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを用いた感光体、および比較例14の低分子電荷輸送性材料を表面層に配合した感光体については、いずれもランニング終了時点での摩耗量が大きかった。また、比較例4〜6、7、9についてはランニング途中からの摩耗量増加が確認され、内部まで均一に硬化ができていないことが示唆されている。
Figure 0004716507

画像濃度:○→良好、△→わずかに画像濃度低下、×→画像濃度低下
本発明の実施例の感光体において画像濃度低下の無い良好な画像が得られた。一方、比較例の感光体ではいずれも画像濃度の低下が見られる。
したがって、本発明に記載の電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーと、光ラジカル重合開始剤としてチタノセン誘導体を用い、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの光吸収スペクトルにおける吸収端波長が、チタノセン誘導体の光吸収スペクトルにおける吸収端波長よりも40nm以上小さい電子写真感光体は、表面平滑性に優れ、露光部電位が低く、高耐久、長寿命であることが判明した。また、本発明の感光体を用いた画像形成プロセス、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが高性能、高信頼性を有していることが判明した。
本発明を適用する画像形成装置の一例を示す概念図である。 画像形成プロセスの説明図である。 実施例1で用いたUVランプシステムの発光波長特性を示す。 実施例10で用いたランプの発光波長特性を示す。
符号の説明
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
5 画像露光部
6 現像ユニット
9 転写体
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段


Claims (14)

  1. 導電性支持体上に少なくとも感光層、表面層を順に有し、該表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、下記一般式(5)の一種以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーと、
    光ラジカル重合開始剤とを含有し、光エネルギー照射手段によって硬化した電子写真感光体において、該光ラジカル重合開始剤がチタノセン誘導体であって、該電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの光吸収スペクトルにおける長波長側の吸収端波長が、該チタノセン誘導体の光吸収スペクトルにおける吸収端波長よりも40nm以上小さいことを特徴とする電子写真感光体。
    一般式(5)
    Figure 0004716507
    (式中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、ハロゲン原子を表し、Ar、Arは、置換もしくは無置換のアリール基またはアリレン基、置換又は無置換のベンジル基をあらわす。
    〜Bは、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基又はビニル基を有するアルキル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基又はビニル基を有するアルコキシ基のいずれかであり、B〜Bの内、三つ以上の存在は除外される。lは、0〜5の整数、mは、0〜4の整数を表す。
  2. 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの光吸収スペクトルにおける吸収端波長が370nm以上であることを特徴とする請求項に記載の電子写真感光体。
  3. 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの光吸収スペクトルにおける吸収端波長が400nm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの重合性官能基数が1個であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記光エネルギー照射手段として、400nm以上の波長域に最大ピーク波長を有する光源を用いることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーにおける官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が、250以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 前記表面層に用いられるチタノセン誘導体がビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2、6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
  10. 前記感光層が導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、表面層の順で積層されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも該電子写真感光体を帯電させる帯電プロセスと、帯電プロセスによって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成プロセスと、潜像形成プロセスによって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像プロセスと、現像プロセスによって形成された顕像を被転写体に転写する転写プロセスとを繰り返し行うことを特徴とする画像形成方法。
  12. 請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体を有し、少なくとも、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電手段によって帯電させられた電子写真感光体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像形成手段によって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像手段とから選ばれる一つの手段を有することを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
  13. 請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体を有し、少なくとも、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電手段によって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、潜像形成手段によって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像手段とから選ばれる一つの手段を一体に備えた画像形成装置用プロセスカートリッジを搭載し、該画像形成装置用プロセスカートリッジが脱着自在であることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
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