JP4715955B2 - マスク検査方法、マスク検査装置 - Google Patents

マスク検査方法、マスク検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体製造工程で利用されるフォトマスク(あるいはレチクルとも呼ばれる。以下、単にマスクと呼ぶ。)における欠陥を検出する際に利用されるマスク検査方法及び装置に関する。
一般に、パターンが形成されたマスクの欠陥検査法には、マスクパターンと設計データとの比較検査法(一般にDie-to-Database比較法と呼ばれる。)と、2つのマスクにおけるパターン比較検査法(一般にDie-to-Die比較法と呼ばれる。)との2通りの方法が広く知られている。
これらの検査方法では、いずれもマスクパターンにおける微小な一部分(以下、視野領域と呼ぶ。)が対物レンズによって拡大される。その拡大された光学像は、CCD(Charge Coupled Device)センサーやTDI(Time Delay Integration)センサー等の光検出器で検出され、比較検査が行われる。なお、マスク検査装置に関しては、例えば、非特許文献1に概説されている。
また、視野領域を照明するための光源としては、紫外域で連続動作するレーザや紫外域にスペクトルを有する点光源ランプが用いられている。これらのレーザやランプから取り出される紫外光をマスクに対して対物レンズと反対側から照射する照明方式は、透過照明と呼ばれている。これに対して、マスクに対して対物レンズ側から照明する照明方式は、反射照明と呼ばれている。
また、Die-to-Die比較法(以下、DD比較法と呼ぶ。)において、欠陥検査性能を高めるため、即ち、検査感度を向上するために、TDIセンサーを2台用いて、反射照明による検査と、透過照明による検査とを同時に行うことができる検査装置が提案されている。これに関しては、例えば、特許文献1に記載されている。また、特許文献2には、2台のTDIセンサーを用いて、
マスク検査の検査感度を高めるために検出できる欠陥サイズを小さくしようとすると、その小さな欠陥部分を照明する照明光の光量が少なくなる。この結果、照明光の光量バラツキ(輝度ムラ)が検査結果に大きく影響するようになる。
すなわち、光検出器で検出されるパターンの検出信号には、光検出器内で発生するショットノイズや、光源としてレーザを用いる場合に発生するスペックルノイズが含まれる。欠陥部分から発生する欠陥検出信号の光量が少なくなると、これらのノイズに欠陥検出信号が埋もれることとなる。
つまり、DD比較検査では、比較する2つのパターンを撮像したそれぞれの検出信号の輝度に閾値以上の差があれば、そこを欠陥として判断する。このため、ショットノイズやスペックルノイズよりも高いレベルに閾値を設定し、この閾値よりも大きい輝度差がある場合だけ、欠陥として識別している。このため、欠陥を検出することが困難となり、検出感度を向上させることができなかった。
特開2006−145989号公報 特許第4185037号公報
東芝レビュー、第58巻、第7号、第58〜61頁、2003年
本発明は、このような事情を背景としてなされたものであり、本発明の目的は、欠陥検出感度を向上させることができるマスク検査方法及びマスク検査装置を提供することである。
本発明の第1の態様に係るマスク検査方法は、略同一の第1パターン、第2パターンが形成されたマスクに略同一の複数の照明光を照射し、前記複数の照明光がそれぞれ照射されたときの前記第1パターン、第2パターンからの複数の出射光を検出し、前記複数の出射光のうち前記第1パターンからの出射光の一つと前記第2パターンからの出射光の一つとを用いて、第1欠陥判定信号を算出し、前記第1欠陥判定信号の算出に用いた出射光以外の前記第1パターンからの出射光の一つと前記第2パターンからの出射光の一つとを用いて、第2欠陥判定信号を算出し、前記第1欠陥判定信号と前記第2欠陥判定信号とを用いて欠陥の判定を行う。このように2回の比較検査を行うことにより、欠陥検出感度を向上させることが可能となる。
本発明の第2の態様に係るマスク検査方法は、上記の方法において、前記複数の照明光のうちの第1照明光が照射されたときの前記第1パターン、前記第2パターンからのそれぞれの出射光を第1光検出部で検出し、前記複数の照明光のうちの前記第1照明光と異なる第2照明光が照射されたときの前記第1照明パターン、前記第2照明パターンからのそれぞれの出射光を前記第1光検出部と異なる第2光検出部で検出することを特徴とする。
本発明の第3の態様に係るマスク検査方法は、上記の方法において、前記第1照明光を対物レンズの視野の一部に入射させ、前記第2照明光を前記対物レンズの他の一部に入射させ、前記対物レンズにより前記第1照明光及び前記第2照明光を前記マスクに集光して、1回のスキャンで前記第1照明光及び前記第2照明光による前記第1パターン及び前記第2のパターンからの出射光を検出することを特徴とする。これにより、1回のスキャンで2回の比較検査を行うことができ、検査にかかる時間の増大を抑制することが可能である。
本発明の第4の態様に係るマスク検査方法は、上記の方法において、前記第1照明光及び前記第2照明光は、いずれも反射照明光であり、前記マスクはEUVマスクであることを特徴とする。本発明は、このような場合に特に有効である。
本発明の第5の態様に係るマスク検査装置は、略同一の第1パターン、第2パターンが形成されたマスクに略同一の複数の照明光を照射する照明光学系と、前記複数の照明光がそれぞれ照射されたときの前記第1パターン、第2パターンからの複数の出射光を検出する光検出器と、前記複数の出射光のうち前記第1パターンからの出射光の一つと前記第2パターンからの出射光の一つとを用いて第1欠陥判定信号を算出し、前記第1欠陥判定信号の算出に用いた出射光以外の前記第1パターンからの出射光の一つと前記第2パターンからの出射光の一つとを用いて第2欠陥判定信号を算出し、前記第1欠陥判定信号と前記第2欠陥判定信号とを用いて欠陥の判定を行う判定部とを備えるものである。このように2回の比較検査を行うことにより、欠陥検出感度を向上させることが可能となる。
本発明の第6の態様に係るマスク検査装置は、上記の装置において、前記光検出器は、前記複数の照明光のうちの第1照明光が照射されたときの前記第1パターン、前記第2パターンからのそれぞれの出射光を検出する第1光検出部と、前記複数の照明光のうちの前記第1照明光と異なる第2照明光が照射されたときの前記第1照明パターン、前記第2照明パターンからのそれぞれの出射光を検出する第2光検出部とを備えるものである。
本発明の第7の態様に係るマスク検査装置は、上記の装置において、前記第1照明光、前記第2照明光を前記マスクに集光する対物レンズを備え、前記第1照明光を前記対物レンズの視野の一部の領域に入射させ、前記第2照明光を前記対物レンズの視野の他の一部の領域に入射させ、1回のスキャンで前記第1照明光及び前記第2照明光による前記第1パターン及び前記第2のパターンからの出射光を検出することを特徴とするものである。これにより、1回のスキャンで2回の比較検査を行うことができ、検査にかかる時間の増大を抑制することが可能である。
本発明の第8の態様に係るマスク検査装置は、上記の装置において、前記第1照明光及び前記第2照明光は、いずれも反射照明光であり、前記マスクはEUVマスクであることを特徴とするものである。本発明は、このような場合に特に有効である。
本発明によれば、欠陥検出感度を向上させることができるマスク検査方法及びマスク検査装置を提供することができる。
実施の形態1に係るマスク検査装置の構成を示す図である。 検査対象となるマスクの構成を示す図である。 実施の形態1に係るマスク検査装置における対物レンズの視野内の視野領域を説明するための図である。 実施の形態1に係るマスク検査装置のTDIセンサー17aで得られるパターンP1、P2それぞれの検出信号の輝度分布の一例を示す図である。 図4に示すパターンP1、P2それぞれの検出信号の輝度差(P2a−P1a)を示す図である。 実施の形態1に係るマスク検査装置のTDIセンサー17bで得られるパターンP1、P2それぞれの検出信号の輝度分布の一例を示す図である。 図6に示すパターンP1、P2それぞれの検出信号の輝度差(P2b−P1b)を示す図である。 実施の形態1に係る検査方法を説明するための図である。 実施の形態2に係るマスク検査装置の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施の形態を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係るマスク検査装置について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係るマスク検査装置100の構成を示す図である。ここでは、検査対象が、ペリクル24付きのマスク20の例について説明する。
まず、検査対象となるマスク20の構成について、図2を参照して説明する。マスク20は、半導体等の露光工程で使用されるフォトマスクであり、レチクルとも呼ばれる。マスク20は、基板21、パターン22、ペリクルフレーム23、ペリクル24を有する。
基板21はガラス、石英等の透明基板である。基板21上には、露光時に転写されるパターン22が形成されている。パターン22は、遮光パターンの他、ハーフトーンパターンや位相シフトパターン等であってもよい。
図2に示すように、ここでは、基板21上に略同一のコの字型の第1パターンP1と第2パターンP2が形成されている例について説明する。第1パターンP1、第2パターンP2はハーフトーンパターンであり、例えば、MoSiが用いられる。
基板21のパターン面側には、枠状のペリクルフレーム23が装着されている。ペリクルフレーム23は、パターン22が形成されている領域を囲むように取り付けられている。ペリクルフレーム23の基板21と反対側には、ペリクル24が貼着されている。すなわち、ペリクル24は、ペリクルフレーム23を介してマスク20に装着されている。
パターン22は、基板21、ペリクルフレーム23、ペリクル24で囲まれた閉空間(ペリクル空間)内に配置される。これにより、外部から飛来する異物がパターン22面に付着するのを防ぐことができる。
マスク検査装置100では、パターン22が形成された面に付着する欠陥を検査するものである。ここでは、欠陥として、照明光に対して不透明な汚れ(ヘイズ25)が第2パターンP2に付着しているものとする。なお、欠陥は、ヘイズに限らず、パーティクル等のパターン22上にあってはいけない異物やパターン不良等をさす。
なお、ここではマスク20の一例としてペリクル24付きのものについて説明するが、マスク検査装置100の検査対象はこのようなマスク20に限定されず、ペリクルが設けられていないマスクにも適用可能である。
図1に示すように、マスク検査装置100は、光源10、ミラー11a、11b、コンデンサレンズ12、対物レンズ13、投影レンズ14、分割ミラー15、TDIセンサー16a、16b、判定部17を備えている。
光源10は、第1パターンP1、第2パターンP2が形成されたマスク20に対し、照明光を照射する。光源10としては、例えば、波長193nmのレーザ光を出射する紫外レーザ装置を用いることができる。マスク検査装置100では、光源10から取り出される光を透過照明光L1として用いている。
透過照明光L1はマスク20の下側まで導かれ、ミラー11aで反射して上方に進む。そして、透過照明光L1はコンデンサレンズ12を通った後、基板21内を通過し、マスク20のパターン面におけるに照射される。
検査領域から発生する光は、対物レンズ13を通り、投影レンズ14を通過した後、分割ミラー15で2つに分割される。本実施の形態ではマスク検査装置100では、検査領域から発生する光を検出する光検出器として、2台のTDIセンサー16a、16bが設けられている。
分割ミラー15で分割された一方の光は、TDIセンサー16aで受光される。また、分割ミラー15で分割された他方の光は、ミラー11bで反射され、TDIセンサー16bで受光される。TDIセンサー16a、16bから出力される検出信号は、判定部17に入力される。判定部17は、TDIセンサー16a、16bからの検出信号を用いて、マスク20のどの位置に欠陥が存在するかを判定する。
ここで、図3を参照して、本実施の形態に係るマスク検査装置における対物レンズの視野内の視野領域について説明する。一般に、Die-to-Die比較法(DD比較法)では、2つの同一のパターンが並ぶ方向にマスク20をスキャンする。すなわち、第1パターンP1、第2パターンP2が並ぶ方向に照明光を移動させる。そして、それぞれのパターンを対物レンズ13で観察する。
本実施の形態では、TDIセンサー16aで検査する視野領域AとTDIセンサー16bで検査する視野領域Bとが、対物レンズ13の視野内において、マスク20のスキャン方向に沿って並べられている。このため、1回のスキャンで、視野領域Aでの第1パターンP1と第2パターンP2の検査と、視野領域Bでの第1パターンP1と第2パターンP2の検査とを行うことができる。すなわち、1回のスキャンで、2つの同じパターンを2回比較検査することができる。
例えば、視野領域Aで取得された第1パターンP1、第2パターンP2のそれぞれの検出信号を用いたDD比較検査、視野領域Bで取得された第1パターンP1、第2パターンP2のそれぞれの検出信号を用いたDD比較検査の2回のDD比較検査を行うことができる。これによりマスクの検査にかかる時間の増大を抑制することが可能となる。
なお、視野領域Aでの第1パターンP1の検出信号と視野領域Bでの第2パターンP2の検出信号とを比較し、視野領域Bでの第1パターンP1の検出信号と視野領域Aでの第2パターンP2の検出信号とを比較しても良い。
ここで、本発明に係るマスク検査方法について説明する。図4は、視野領域Aで得られた第1パターンP1の検出信号P1aと、第2パターンP2の検出信号P2aを示す。図5は、第1パターンP1の検出信号P1aと第2パターンP2の検出信号P2aとの差分(P2a−P1a)を示す。
図6は、視野領域Bで得られた第1パターンP1の検出信号P1bと、第2パターンP2の検出信号P2bを示す。図7は、第1パターンP1の検出信号P1bと第2パターンP2の検出信号P2bとの差分(P2b−P1b)を示す。
なお、ここでは、検出信号は、光源10から透過照明光L1を照射したときに第1パターンP1、第2パターンP2から発生した光をTDIセンサー16a、16bの各ピクセルが受光した輝度信号を数値化した信号である。図4、6においては、判りやすい様に、検出信号の最大値を99とした。
なお、図4、6において、第1パターンP1、第2パターンP2が設けられている部分を破線で示している。また、図5、7に示す、輝度差(P2a−P1a)、輝度差(P2b−P1b)をそれぞれ欠陥判定信号とする。
本実施の形態では、基板21の部分は照射される光を透過する。図4、6に示すように、基板21部分の検出信号の値は、95〜99である。また、パターン22の部分はハーフトーンパターンであるため、照射される光の一部が遮光され、基板21の部分よりも輝度が低下する。パターン22部分の検出信号の値は、18〜23である。
一方、ヘイズ25が生成した部分は、基板21部分よりも輝度が低く、パターン22部分よりも輝度が高くなる。この例では、ヘイズ25が発生した部分の検出信号の値は、91〜92である。図4、6から分かるように、同じ材質からなる基板21の部分でも、検出信号は場所によって95〜99までばらついている。また、同じMoSiからなるパターン22でも、検出信号は場所によって18〜23までばらついている。これは、透過照明光L1に含まれるスペックルノイズや、TDIセンサー16a、16bでのショットノイズに起因している。
各視野領域A、Bでのスキャンが終了した後、P2a−P1a、P2b−P1bの演算を行って輝度差を算出し、欠陥判定信号を得る。図5、7に示すように、欠陥判定信号は−4から4までの値をとる。ヘイズ25が付着した微小な欠陥部分に対応する輝度差は−4(絶対値4)になっている。
従来は、1つの視野領域で得られた第1パターンP1の検出信号と第2パターンP2の検出信号とを比較して欠陥検査を行っていた。すなわち、従来のDD検査では、1つのTDIセンサーで撮像された2つの同じパターンにおける輝度差が、ある一定値(スライスレベル)より大きい場合に欠陥があると判定していた。
例えば、P2a−P1aの欠陥判定信号(図5)とスライスレベルとを比較し、欠陥の判定を行っていた。この場合、ヘイズ25を検出するには、スライスレベル(閾値)を4以下にする必要がある。しかし、マスクに照射される照明光にスペックルノイズが存在したり、TDIセンサー内でショットノイズ等が生じたりすることにより、欠陥が全く存在しない部分でも輝度差は完全に0(ゼロ)にならず、僅かに残る。
図5に示す例では、ヘイズ25が付着していない基板21のみの部分でも、輝度差の絶対値が4の部分がある。この結果、実際には欠陥がないにもかかわらず、欠陥があると判断される疑似欠陥が検出されていた。このように、従来は、微小な欠陥を正確に検出することは、従来のDD比較法では不可能であった。
これに対して、本発明に係る検査方法では、2回のDD比較検査を行う。すなわち、上述したように、視野領域Aで得られた第1パターンP1と第2パターンP2のそれぞれの検出信号を用いて、図5に示す第1欠陥判定信号を算出する。また、視野領域Bで得られた第1パターンP1と第2パターンP2のそれぞれの検出信号を用いて、図7に示す第2欠陥判定信号を算出する。
図5、7を参照すると、微小な欠陥であるヘイズ25が付着した部分に対応する輝度差の絶対値はいずれも4である。しかし、図5においてヘイズ25が付着した部分以外で輝度差が4となる部分は、図7においてヘイズ25が付着した部分以外で輝度差が4となる部分と位置が異なっている。
これは、スペックルノイズやショットノイズはランダムに発生するものであるため、これらのノイズに基づいて輝度が変化する部分が、2回のDD比較検査において全く同じ位置に生じることはきわめて稀であるからである。
本実施の形態においては、2回のDD比較検査において、2回とも輝度差の絶対値が4以上となる位置だけに欠陥が存在すると判定することができる。これにより、疑似欠陥を排除し、正確に欠陥を検出することが可能となる。
また、スライスレベルを下げることも可能である。例えば、スライスレベルを3として2回のDD比較検査を行う。図8(a)、(b)に、スライスレベルを3にしたときの、DD比較検査の検査結果を示す。図8(a)は1回目のDD比較検査の検査結果であり、図8(b)は2回目のDD比較検査の検査結果である。図8(a)、(b)において、横軸は視野領域中の位置を示しており、縦軸は輝度差を示している。
図8(a)に示すように、1回目のDD比較検査では、実際に存在する欠陥に加えて、ノイズにより欠陥があると判断される疑似欠陥が検出される。上述したように、ノイズは多くの場合異なる位置に発生するため、2回目のDD比較検査において、1回目の疑似欠陥が検出された位置と同じ位置に疑似欠陥が発生する可能性は極めて低い。
従って、判定部17は、図8(a)に示す1回目のDD比較検査において欠陥が検出された位置と、図8(b)に示す2回目のDD比較検査において欠陥が検出された位置とが同じである場合に、その位置に真の欠陥が存在すると判断する。これにより、スペックルノイズやショットノイズによる影響を排除して、実際に欠陥が存在する真の欠陥を検出することが可能である。
このように、本発明に係るマスクの検査方法では、スライスレベルをスペックルノイズやショットノイズによる輝度差の最大値よりも低い値に設定できる。このため、極めて微小な欠陥まで検出することが可能である。
なお、本実施の形態では、DD比較検査を2回行う例について説明したが、これに限定されるものではない。2回より多くのDD比較検査を行ってもよい。これにより、検査精度を向上させることが可能である。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係るマスク検査装置の構成について、図9を参照して説明する。図9は、本実施の形態に係るマスク検査装置200の構成を示す図である。図9において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
図9に示すように、マスク検査装置200は、光源10、対物レンズ13、投影レンズ14、分割ミラー15、TDIセンサー16a、TDIセンサー16b、判定部17、波長板18、偏光ビームスプリッタ19を備えている。マスク検査装置200は、特にパターンが微細化しているEUVマスクの検査に有効である。
光源10は、波長193nmの直線偏光のレーザ光を出射する。マスク検査装置200では、この直線偏光のレーザ光をEUVマスク30のパターン面側から照射し、反射照明光として用いている。また、マスク検査装置200においても、実施の形態1と同様に、パターンからの検査光を検出する光検出器として、2台のTDIセンサー16a、16bを用いている。
光源10から出射された反射照明光はS波となっており、偏光ビームスプリッタ19で反射され下方に進む。その後、偏光ビームスプリッタ19で反射された光は、波長板18で円偏光に変換され、対物レンズ13を通り、検査対象であるEUVマスク30に照射される。
EUVマスク30で反射された光、すなわち視野領域から発生する光は、反対方向の円偏光となる。このため、対物レンズ13を通過した後、波長板18を通過するとP偏光となる。波長板18でP偏光となった光は、偏光ビームスプリッタ19を通過して上方に進む。
この上方に進む光は、投影レンズ14を通過した後、分割ミラー15で分割される。分割ミラー15で分割された一方の光は、TDIセンサー16aで受光される。また、分割ミラー15で分割された他方の光は、ミラー11bで反射され、TDIセンサー16bで受光される。
実施の形態1と同様に、本実施の形態においても、図3に示すように、TDIセンサー16aで検査する領域とTDIセンサー16bで検査する領域とはが、EUVマスク30のスキャン方向に沿って並べられている。このため、1回のスキャンによって、2つの略同じパターンを2回DD比較検査することができる。これにより、検査に係る時間を短縮することができる。
また、判定部17では、2回のDD比較検査を行うことにより、真の欠陥を判定するため、スペックルノイズやショットノイズに起因する疑似欠陥を除外することができ、微小な実欠陥のみを検出することができる。
EUVマスク30は、従来のArFマスク等に比べてパターンが微細化されている。このため、ArFマスクでは問題とならなかった微小な欠陥であっても、問題となることがある。複数回のDD比較検査を行う本発明に係るマスク検査方法でEUVマスク30の欠陥検査を行うことにより、より小さな欠陥を検出することができる。
さらに、従来のArFマスク等の場合、例えば、特開2008−190938号公報に記載されているように、2台のTDIセンサーを用いて、透過照明と反射照明とを同時に照明して検査する方法が用いられることがあった。EUVマスクは照明光を透過させることができないため、反射照明による検査しか適用できない。
ArFマスク等を対象として2台のTDIセンサーが搭載されたマスク検査装置を用いて、EUVマスクを検査しようとしても、透過照明による検査を行うTDIセンサーが余ってしまう。これに対して、本発明では、この余ったTDIセンサーを有効に利用することができる。
すなわち、2台のTDIセンサーのそれぞれで、反射照明によるDD比較検査を行うことができる。これにより、2台のTDIセンサーを利用して、検査装置のコストアップを抑制することができると共に、検査精度を向上させることが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、2台のTDIセンサーを設けず、1台のTDIセンサーでマスクから発生する光を受光しても構わない。
10 光源
11a ミラー
11b ミラー
12 コンデンサレンズ
13 対物レンズ
14 投影レンズ
15 分割ミラー
16a TDIセンサー
16b TDIセンサー
17 判定部
18 波長板
19 偏光ビームスプリッタ
20 マスク
21 基板
22 パターン
23 ペリクルフレーム
24 ペリクル
25 ヘイズ
30 EUVマスク
100 マスク検査装置
200 マスク検査装置
P1 第1パターン
P2 第2パターン

Claims (4)

  1. レンズを有する照明光学系を用いて略同一の第1パターン、第2パターンが形成された基板上に照明光を集光して照射する際に、第1照明光を対物レンズの第1の視野領域に入射させ、前記第1照明光と略同一の照明光である第2照明光を前記対物レンズの第2の視野領域に入射させ、
    前記基板と前記第1照明光及び第2照明光とを相対的に移動して、前記レンズにより前記第1照明光及び第2照明光を前記第1パターン及び前記第2パターンが形成されたマスクに集光し、
    1回のスキャンで前記対物レンズの第1の視野領域における前記第1パターン、前記第2パターンからのそれぞれの出射光を前記第1の検出器で検出するとともに前記対物レンズの第2の視野領域における前記第1パターン、前記第2パターンからのそれぞれの出射光を前記第2の検出器で検出し、
    前記第1の検出器において検出した前記第1パターンからの出射光と、前記第1の検出器又は前記第2の検出器において検出した前記第2パターンからの出射光と、を比較して第1欠陥判定信号を算出し、
    前記第2の検出器において検出した前記第1パターンからの出射光と、前記第1の検出器又は前記第2の検出器において検出した前記第2パターンからの出射光と、を比較して第2欠陥判定信号を算出し、
    前記第1欠陥判定信号と前記第2欠陥判定信号とを用いて欠陥判定を行うマスク検査方法。
  2. 前記照明光は、いずれも反射照明光であり、
    前記照明光学系の前記レンズは、前記対物レンズであり、
    前記マスクはEUVマスクであることを特徴とする請求項1に記載のマスク検査方法。
  3. 略同一の第1パターン、第2パターンが形成された基板上に、レンズを用いて照明光を集光して照射する際に、第1照明光を対物レンズの第1の視野領域に入射させ、前記第1照明光と略同一の照明光である第2照明光を前記対物レンズの第2の視野領域に入射させる照明光学系と、
    前記基板と前記第1照明光及び第2照明光とを相対的に移動して、前記レンズにより前記第1照明光及び第2照明光を前記第1パターン及び前記第2パターンが形成されたマスクに集光した場合に、1回のスキャンで前記対物レンズの第1の視野領域における前記第1パターン、前記第2パターンからのそれぞれの出射光を検出する前記第1の検出器と、前記対物レンズの第2の視野領域における前記第1パターン、前記第2パターンからのそれぞれの出射光を検出する前記第2の検出器と、
    前記第1の検出器において検出された前記第1パターンからの出射光と、前記第1の検出器又は前記第2の検出器において検出された前記第2パターンからの出射光と、を比較して算出した第1欠陥判定信号と、前記第2の検出器において検出された前記第1パターンからの出射光と、前記第1の検出器又は前記第2の検出器において検出された前記第2パターンからの出射光と、を比較して算出した第2欠陥判定信号とを用いて欠陥判定を行う判定部と、を備えるマスク検査装置。
  4. 前記第1照明光及び前記第2照明光は、いずれも反射照明光であり、
    前記照明光学系の前記レンズは、前記対物レンズであり、
    前記マスクはEUVマスクであることを特徴とする請求項3に記載のマスク検査装置。
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