JP2010230611A - パターン欠陥検査装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度な試料の回転合わせや画像の位置合わせができ、高感度な検査を実現する高感度なパターン欠陥検査装置および方法を提供すること。
【解決手段】ウェハの回転合わせや画像の位置合わせにロバスト画像照合を用いることによって、高精度な位置合わせを行い高感度に欠陥を検出する。例えば、試料を載置して少なくとも一方向に移動可能な走査手段と、前記試料の回転方向を合わせる手段と、前記試料上を照明する照明手段と、該照明手段で照明された前記試料の光学像を形成する結像手段と、該結像手段で結像された光学像を検出して信号に変換する検出器を有する検出手段と、該検出手段で検出した信号を処理して前記試料上の欠陥を検出する欠陥検出手段と、該欠陥検出手段で検出した結果を表示する結果表示手段とを備え、前記回転方向を合わせる手段はロバスト画像照合を用いることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は試料上の回路パターンの欠陥(ショートや断線など)や異物を検出するパターン欠陥検査装置および方法に関する。対象とする試料は、例えば、半導体ウェハや液晶ディスプレイ,ホトマスク,ハードディスクデバイスやパターンドメディアなどの回路パターンを有する物体である。以下の説明では、半導体ウェハを試料の例とし、また、欠陥は異物を含むものとする。
半導体製造工程においては、ウェハ上に欠陥が存在すると配線やキャパシタの絶縁不良や短絡,ゲート酸化膜などの膜破損の原因となり、半導体デバイスの不良原因となる。欠陥の発生原因は、搬送装置の可動部から発塵や、製造装置の処理中の反応生成物などである。
近年、半導体デバイスは構造が複雑かつ多様化している。例えば、主に繰り返しパターンで形成されるメモリ製品や、主に非繰り返しパターンで形成されるロジック製品に分かれ、ロジック製品は回路パターンが複雑に入り組んでいる。更に、半導体デバイスの製品寿命が短いため短期間で歩留まりを向上させる必要があり、ウェハ上の欠陥を確実に見つけ出すことが重要視されている。
上述のようなウェハ上の欠陥を検査する技術としては、一般に、SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)式検査技術および光学式検査技術が知られている。光学式検査技術は、更に明視野検査技術と暗視野検査技術がある。明視野検査技術は、対物レンズを通してウェハに照明し、ウェハからの反射・回折光を前記対物レンズで集光する。集光された光は検出器で光電変換され、信号処理で欠陥を検出する。一方、暗視野検査技術は、対物レンズのNA(Numerical Aperture:開口数)外からウェハに照明し、散乱光を対物レンズで集光する。集光された光は、明視野検査技術と同様、信号処理されて欠陥を検出する。
光学式の暗視野検査技術としては、ウェハ上にレーザを照射し、異物からの散乱光を検出し、直前に検査した同一品種ウェハの検査結果と比較することにより、パターンによる虚報を無くし、高感度かつ高信頼度な異物及び欠陥検査を可能にする方法が開示されている(特許文献1)。
また、欠陥の検出感度を向上する技術として、ウェハにコヒーレント光を照射してウェハ上の繰り返しパターンから発生する光を空間フィルタで除去し、欠陥を検出する方法が開示されている(特許文献2乃至4)。
また、類似画像同士を合理的評価尺度に基づいて定量的に判定するための画像照合技術として、正規化相関法や増分符号相関法、更に、統計的リーチ特徴法が開示されている(非特許文献1)。本文献には、実環境の画像を用いて、照明変動や遮蔽、撮像系のノイズなどの外乱に対するロバスト画像照合が記載されている。
特開昭62−89336号公報 特開平1−117024号公報 特開平4−152545号公報 特開平5−218163号公報
「統計的リーチ特徴法によるロバスト画像照合」View2008ビジョン技術の実利用ワークショップ、C-20,PP.191-196(2008.12.4-5 横浜)
近年、半導体製造工程においては、製造時間の短縮および歩留まり低下要因の早期発見のため、高感度な欠陥検査技術が要求されている。従来、ウェハを検査する場合、主にダイ比較処理により欠陥を検出する方法が用いられる。これは、ウェハに同一構造の回路パターンが数個から数千個作られていることを利用し、検査対象ダイに対して参照とするダイのパターンとの差異を欠陥と判定するものである。高速に検査するためには、ウェハをXY方向にスキャンしながら画像を取得し、取得した画像を処理することによって欠陥を検出している。従って、ウェハの回転角度はXYステージのスキャン方向に合わせる必要がある。特に、微細欠陥を検出するためには、画素寸法を小さくする必要があり、高精度な回転合わせを行う必要がある。しかしながら、半導体ウェハには様々なプロセスによりパターンが形成されるため、回転角度を認識するためのパターン(アライメント用パターン)が不鮮明な場合やアライメント用パターンの明るさがウェハの位置によって違う場合がある。この場合は、回転角度を正しく認識できず、ウェハの回転ずれが残ってしまい、欠陥検出感度が低下してしまう課題があった。
また、上述した回転角度を合わせた場合でも、XYステージの振動や光学系の振動によって画像の位置ずれが発生してしまう。従来、XY方向の位置合わせ処理を行っているが、近接したダイでも回路パターンの明るさが違う場合がある。この場合、本来は同じ回路パターンであるが、位置合わせ誤差が残ってしまい、欠陥検出感度が低下してしまう課題があった。
本発明の一つの目的は、高精度な試料の回転合わせや画像の位置合わせができ、高感度な検査を実現することである。
上記目的を達成するために、試料を載置して少なくとも一方向に移動可能な走査手段と、前記試料の回転方向を合わせる手段と、前記試料上を照明する照明手段と、該照明手段で照明された前記試料の光学像を形成する結像手段と、該結像手段で結像された光学像を検出して信号に変換する検出器を有する検出手段と、該検出手段で検出した信号を処理して前記試料上の欠陥を検出する欠陥検出手段と、該欠陥検出手段で検出した結果を表示する結果表示手段とを備え、前記回転方向を合わせる手段はロバスト画像照合を用いることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、試料を載置して少なくとも一方向に移動可能な走査手段と、前記試料上を照明する照明手段と、該照明手段で照明された前記試料の光学像を形成する結像手段と、該結像手段で結像された光学像を検出して信号に変換する検出器を有する検出手段と、該検出手段で検出した信号を処理して前記試料上の欠陥を検出する欠陥検出手段と、該欠陥検出手段で検出した結果を表示する結果表示手段とを備え、前記欠陥検出手段において画像の位置合わせにロバスト画像照合を用いることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、試料を載置して少なくとも一方向に移動する走査工程と、前記試料を回転させる回転補正工程と、前記試料上を照明する照明工程と、該照明工程で照明された前記試料の光学像を形成する結像工程と、該結像工程で結像された光学像を検出して信号に変換する検出工程と、該検出工程で検出した信号を処理して前記試料上の欠陥を検出する欠陥検出工程と、該欠陥検出工程の結果を表示する結果表示工程とを備え、前記回転補正工程はロバスト画像照合を行うことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、試料を載置して少なくとも一方向に移動する走査工程と、前記試料上を照明する照明工程と、該照明工程で照明された前記試料の光学像を形成する結像工程と、該結像工程で結像された光学像を検出して信号に変換する検出工程と、該検出工程で検出した信号を処理して前記試料上の欠陥を検出する欠陥検出工程と該欠陥検出工程の結果を表示する結果表示工程とを備え、前記欠陥検出工程はロバスト画像照合による画像位置合わせ処理を含むことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、前記ロバスト画像照合は、正規化相関法であることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、前記ロバスト画像照合は、増分符号相関法であることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、前記ロバスト画像照合は、統計的リーチ特徴法であることを特徴とする。
また、前述した非特許文献1では、実環境の画像照合技術が開示されている。本技術は郵便物や食品ラベルに対して照明変動や遮蔽状況の影響が述べられている。しかしながら、前述した課題のように、半導体ウェハのような同一構造を有する試料の実物比較処理においては、照明変動や遮蔽物が無くても、試料表面の反射率や膜厚ばらつきにより、撮像された画像に明るさの違いが発生する。そのため、本発明とは適用分野が違う非特許文献1の技術が適用できる点を本発明者らは見出し、パターン欠陥検査装置および方法への適用を実現したことが大きな特徴である。
本発明によれば、高精度な試料の回転合わせや画像の位置合わせができ、高感度な検査を実現できる。
本発明の実施例を説明した図。 本発明の実施例におけるアライメント方法を説明した図。 本発明の実施例における画像処理部の詳細を説明した図。 本発明の実施例におけるアライメント画面を説明した図。
(実施例1)
図1に、本発明に係るパターン欠陥検査装置の実施例を示す。本発明のパターン欠陥検査装置は、検査対象であるウェハ1を載置して移動させる搬送系2,照明手段3,対物レンズ4,検出部5,画像処理部6,ADC(自動欠陥分類)部7,入出力部8,観察光学系9,各部のコントローラ10および図示していないリレーレンズやミラーで構成されている。なお、コントローラ10から各部へ繋がっている矢印(一部、図示せず)は、制御信号等を通信することを示している。
次に動作を説明する。まず、図示していないウェハ搬送部から搬送系2にウェハ1を載置する。載置時の状況を図2に示す。ウェハ1の載置時には、ウェハ1は搬送系2のX方向に対してθだけ回転している。そのため、ウェハ1の回転をX方向に合わせる必要がある。ウェハ1の特定位置を観察光学系9の視野内に移動する。これは例えば、図2の画像Aに示すような、ウェハ1に製造されたダイ(チップとも言う)のアライメント用パターンや特徴的なパターン部である。まず、画像Aを画像処理部6に保存する。次に、搬送系2でウェハ1を画像B部へ移動する。画像B部は、隣接ダイまたは近接ダイであるか、画像Aのダイから大きく離れたダイを選択するのが良い。
照明手段3から射出された照明光はウェハ1に照射される。ウェハ1上の回路パターンや欠陥で散乱した光は、対物レンズ4で集光され、検出部5で光電変換により画像信号に変換される。該画像信号は画像処理部6とADC部7に送信され、画像処理部6では欠陥検出処理を施され、ウェハ1上の欠陥を検出する。検出結果はADC部7や入出力部8へ送信される。一方、ADC部7に送られた信号は、欠陥分類処理を施され、処理結果が入出力部8へ送られる。搬送系2でウェハ1を移動させながら以上の動作を行うことによってウェハ1の全面を検査する。また、上記処理で検出された場所は観察光学系9で観察(レビュー)し、欠陥であるか擬似欠陥(False)であるかを判断する。
以下、各部の詳細を述べる。
まず、搬送系2の詳細を述べる。搬送系2はX軸ステージ201,Y軸ステージ202,Z軸ステージ203,θ軸ステージ204,ウェハチャック205で構成されている。X軸ステージ201は定速走行が可能であり、Y軸ステージはステップ移動が可能な構成である。X軸ステージ201およびY軸ステージ202を用いることにより、ウェハ1の全ての場所を対物レンズ4および観察光学系10の中心下に移動させることができる。また、Z軸ステージ203はウェハチャック205を上下させる機能を有し、図示していない自動焦点合わせ機構の信号に基づき、ウェハ1を対物レンズ4および観察光学系10の物体側焦点位置に移動させる機能を有する。また、θ軸ステージ204はウェハチャック205を回転させ、X軸ステージ201,Y軸ステージ202の進行方向とウェハ1の回転方向とを合わせるための回転機能を有する。さらに、ウェハチャック205は真空等で吸着することによりウェハ1を固定する機能を有する。
照明手段3はウェハ1に照射する照明光の成形を行う。照明手段3は照明光源301、照明用光学系302で構成されている。照明光源301はレーザ光源やランプ光源である。レーザ光源は高輝度の照明光を成形できるため、欠陥からの散乱光量を多くすることができ、高速検査に有効である。一方、ランプ光源は光の干渉性が低いため、スペックルノイズ低減効果が大きいという利点がある。なお、レーザ光源の波長帯域は可視光や紫外光や深紫外光,真空紫外光や極紫外光等を用いることが可能であり、レーザの発振形態は連続発振でもパルス発振でも良い。光源の波長は概ね550nm以下が望ましく、例えば532nm,355nm,266nm,248nm,200nm,193nm,157nmや13nm等が適用できる。
レーザ光源としては、固体YAGレーザ(波長1024nm)を非線形光学結晶で波長変換し、基本波の第2高調波(SHG)や第3高調波(THG),第4高調波(FHG)を発生するものや、エキシマレーザやイオンレーザを用いることができる。また、2種類の異なる波長の光を共振させて別の波長の光を発振させるレーザ光源でも良い。これは例えば、波長488nmのArレーザ光のSHG波と波長1064nmのYAGレーザ光とを和周波共振させることにより、波長199nmのレーザを出力させる方法である。また、パルス発振レーザの形態は、発振周波数が数Hzの低周波パルス発振レーザや、数10〜数100MHzの準連続発振パルスレーザでも良い。さらに、パルス発振の方法はQ−スイッチ型でもモードロック型でも良い。
それぞれの光源の利点は次の通りである。まず、短波長の光源を用いると光学系の解像度を向上でき高感度な検査が期待できる。また、YAG等の固体レーザは大掛かりな付帯設備が必要ないため装置規模を小さく、安価にできる。また、高周波のパルス発振レーザを用いれば、高出力の連続発振レーザと同等に扱えるため、透過率や反射率の低い安価な光学部品も用いることが可能となり、安価な装置を実現できる。さらに、パルス幅の短いレーザでは、可干渉距離が短いため、照明光の光路長を変えた複数の光を加算することにより、時間的な干渉性低減が容易となるという利点がある。
一方、ランプ光源はレーザ光源と同程度の波長域を発光するものを用いることができる。ランプ光源としては、Xeランプ,Hg−Xeランプ,Hgランプ,高圧Hgランプ,超高圧HgランプやElectron-Beam-Gas-Emission-Lamp(出力波長は、例えば、351nm,248nm,193nm,172nm,157nm,147nm,126nm,121nm)等が使用可能であり、所望の波長を出力することができれば良い。ランプの選択方法としては、所望の波長の出力が高いランプを選択すれば良く、ランプのアーク長は短い方が望ましい。これは、照明光の形成が容易となるためである。照明用光学系302は、照明光源301から射出された光のビーム径を拡大および集光する機能を有する光学系であり、必要に応じて、光量調整機能や照明光の干渉性低減機能を追加しても良い。
対物レンズ4は照明手段3で照明された領域から散乱した光を集光し、検出部5の撮像面に結像させる機能を有する。この対物レンズ4は照明手段3の波長帯域で収差補正されていることが望ましい。また、レンズの構成は屈折型レンズを用いても良いし、曲率を有する反射板で構成された反射型レンズを使用しても良い。
検出部5は対物レンズ4で集光された光を光電変換する機能を有し、撮像時間または動作速度を制御可能な構成である。例えばイメージセンサである。これは、一次元のCCDセンサやTDI(Time Delay Integration)イメージセンサでも良く、また、TVカメラのような2次元CCDセンサやEB−CCDカメラのような高感度カメラでも良い。また、CCDの検出画素を複数のTAPに分割して高速化したセンサを使用しても良く、アンチブルーミング機能が付随したセンサを使用しても良い。さらに、CCDのカバーガラス面から照射する表面照射型のセンサでも良いし、逆側の裏面照射型のセンサでも良い。紫外光よりも短い波長では裏面照射型が望ましい。
検出部5で使用する検出器の選択方法としては、安価な検査装置にする場合にはTVカメラやCCDリニアセンサが良い。また、微弱光を検出する場合は、TDIイメージセンサやEB−CCDカメラが良い。TDIイメージセンサの利点は、検出信号を複数回加算することによって、検出信号のSNR(Signal Noise Ratio)を向上できることである。なお、高速動作が必要な場合はTAP構成の検出器を選択するのが良く、検出部5で受光する光のダイナミックレンジが大きい場合、つまり、検出器の光電変換部を飽和させる光が入射する場合は、アンチブルーミング機能を付随した検出器が良い。
次に、図3を用いて、画像処理部6の詳細を説明する。画像処理部6は、A/D変換器601,階調変換部602,画像フィルタ603,遅延メモリ604,位置合わせ部605,局所階調変換部606,比較処理部607,CPU608,画像入力部609,散布図作成部610,記憶手段611で構成されている。
動作としては、まず、検出部5で得られた検出信号が、画像処理部6に送られ、A/D変換器601によりディジタル画像信号に変換されウェハ1の画像信号を出力する。これは例えば10ビットのA/D変換を行うものである。階調変換部602は、A/D変換器601から出力された画像信号に対して特開平8−320294号公報に記載されたような階調変換を施すものである。すなわち、階調変換部602は、対数変換や指数変換・多項式変換等により画像を補正するものであり、出力は8ビット等のディジタル信号で出力するように構成される。画像フィルタ603は、該階調変換された画像信号から、照明光源特有の画像ノイズを効率良く除去するフィルタである。遅延メモリ604は、参照画像信号を記憶する記憶部であり、画像フィルタ603からの出力画像信号を、繰り返される半導体ウェハを構成する1セル又は複数セルピッチまたは1ダイまたは複数ダイ分記憶して遅延させるものである。ここで、セルはダイ内のパターンの繰返し単位である。なお、画像フィルタ603は遅延メモリ604を通過した後でもよい。
次に、位置合わせ部605は、階調変換部602から出力された画像信号(ウェハ1から得られる検出画像信号)620と、遅延メモリ604から得られる遅延画像信号(基準となる参照画像信号)621との位置ずれ量をロバスト画像照合法によって画素単位または画素単位以下の精度で位置合わせを行う部分である。このロバスト画像照合法としては、正規化相関法や増分符号相関法、更には統計的リーチ特徴法を用いることができる。次に、局所階調変換部606は、特徴量(明るさ,微分値,標準偏差,テクスチャ等)の異なる信号を該特徴量が一致するように双方もしくは一方の画像信号について階調変換する部分である。また、比較処理部607は局所階調変換部606で階調変換された検出画像信号同士を比較して特徴量の相違に基づいて欠陥を検出する部分である。すなわち、比較処理部607は、遅延メモリ604から出力されるセルピッチ等に相当する量だけ遅延した参照画像信号と検出した検出画像信号を比較する。ウェハ1上における配列データ等の座標を入出力部8から入力しておくことにより、CPU608はウェハ1上における配列データ等の座標に基づいて欠陥検査データを作成して記憶手段611に格納する。該欠陥検査データは必要に応じて入出力部8へ送られる。なお、比較処理部607の詳細は特開昭61−212708号公報に示したもの等で良く、例えば、画像の位置合わせ回路や位置合わせされた画像の差画像検出回路,差画像を二値化して不一致を検出する回路,二値化された出力から面積や長さ(投影長),座標などを算出する特徴抽出回路からなる。
また、画像入力部609は、位置合わせ部605にて画素単位または画素単位以下で位置合わせされた画像の散布図を作成するために、同期あるいは非同期で入力する部分である。散布図作成部610は、画像入力部609に入力された両画像について検出画像の特徴量と参照画像の特徴量との散布図を作成する機能を有し、入出力部8等に表示するものである。
ADC部7は検出した信号から検出物の種類を分類する機能を有する。動作は次の通りである。検出部5で得られた信号は、画像処理部6とADC部7に送信される。画像処理部6では欠陥検出処理を行い、欠陥と判定された場合は、欠陥検出Flagと画像処理部6で算出した特徴量をADC部7に送信する。特徴量とは、欠陥部の信号値の総和,信号値の微分値,画素数,投影長,重心位置や比較した正常部の信号値等であり、位置に関連する特徴量としては、ウェハ1の中心からの距離,ウェハ1のダイ毎の繰り返し回数,ダイ内の位置等である。ADC部7では、欠陥検出Flagを受信した時に検出部5または信号処理部6の画像や該特徴量を基にして欠陥の種類を分類する。分類方法としては、数種類の特徴量を多次元の座標軸上にマッピングし、予め設定したしきい値で領域分割する。該領域に存在するデータの欠陥種を予め設定しておくことによって、該領域の欠陥の種類を決定する。詳細には、特開2004−093252号公報の図26に記載された方法等で良い。ADC部7で決定された欠陥種は、分類情報として入出力部8に送信され、欠陥情報として表示される。
観察光学系9は画像処理部6で検出した場所を観察する光学系である。観察光学系9は照明光源901,照明光学系902,ビームスプリッタ903,対物レンズ904,検出部905で構成されている。動作は、照明光源901から照射された光を照明光学系902で成形し、ビームスプリッタ903で反射させ、対物レンズ904を介してウェハ1に照射する。ウェハ1からの反射光や散乱光は対物レンズ904で集光し、検出部905の検出器に結像する。ここで、照明光源901は照明光源301で説明した光源が使用できる。照明光学系902は対物レンズ904との組み合わせで、ウェハ1上にケーラー照明する光学系が望ましい。また、対物レンズ904は、照明光源901の波長に合わせて収差補正しておくのが良い。検出部905で使用する検出器は、2次元のTVカメラなどが使用できる。
なお、上記では明視野形(対物レンズを通して照明する形)の観察光学系で説明したが、暗視野形(対物レンズ外から照明する形)の観察光学系でも良い。明視野形の光学系を使用する利点は、ユーザが見慣れている画像を得ることができることであり、暗視野形の光学系を使用する利点は、検査時と同質の画像が得られることである。
次に入出力部8について説明する。入出力部8は、ユーザとのインターフェイス部であり、データや制御情報の入出力部でもある。ユーザからの入力情報としては、例えばウェハ1のレイアウト情報やプロセスの名称,本発明の検査装置に搭載されている光学系の条件等である。また、ユーザへの出力情報としては、検査結果や欠陥の種類,画像等である。
図4に、アライメント時の画面の例を示す。図4はアライメントパターンの画像と画像処理パラメータおよび照合結果で構成されており、更に、照合結果は相関係数と判定結果で構成されている。本例では、ロバスト画像照合法として、統計的リーチ特徴法を例にしている。そのため、画像処理パラメータは統計的リーチ特徴法で用いる「TB」である。相関係数部には、統計的リーチ特徴法で算出した相関係数を示しており、アライメントパターンの画像内で相関係数が最も高い位置を対応パターンの位置とする。この画像内位置とアライメントパターンを取得した時のX軸ステージ201,Y軸ステージ202の位置からウェハの回転角度を算出し、コントローラ10を介してθ軸ステージ204でウェハ1を回転させる。対応パターンの位置が画像の中央に設定されるまで以上の動作を繰り返す。なお、アライメントパターンの画像Aおよび画像Bは図2で説明した動作で取得されたものである。
以上の構成によって、ウェハを高精度に回転合わせすることができ、また、高精度に位置合わせすることができ、高感度な検査が可能となる。
1 ウェハ
2 搬送系
3 照明手段
4 対物レンズ
5 検出部
6 画像処理部
7 ADC部
8 入出力部
9 観察光学系
10 コントローラ

Claims (10)

  1. 試料上に形成された回路パターンの欠陥を検査する装置であって、
    前記試料を載置して少なくとも一方向に移動可能な走査手段と、
    前記試料の回転方向を合わせる手段と、
    前記試料上を照明する照明手段と、
    該照明手段で照明された前記試料の光学像を形成する結像手段と、
    該結像手段で結像された光学像を検出して信号に変換する検出器を有する検出手段と、
    該検出手段で検出した信号を処理して前記試料上の欠陥を検出する欠陥検出手段と、
    該欠陥検出手段で検出した結果を表示する結果表示手段とを備え、
    前記回転方向を合わせる手段はロバスト画像照合を用いることを特徴とするパターン欠陥検査装置。
  2. 試料上に形成された回路パターンの欠陥を検査する装置であって、
    前記試料を載置して少なくとも一方向に移動可能な走査手段と、
    前記試料上を照明する照明手段と、
    該照明手段で照明された前記試料の光学像を形成する結像手段と、
    該結像手段で結像された光学像を検出して信号に変換する検出器を有する検出手段と、
    該検出手段で検出した信号を処理して前記試料上の欠陥を検出する欠陥検出手段と、
    該欠陥検出手段で検出した結果を表示する結果表示手段とを備え、
    前記欠陥検出手段において画像の位置合わせにロバスト画像照合を用いることを特徴とするパターン欠陥検査装置。
  3. 前記ロバスト画像照合は、正規化相関法であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパターン欠陥検査装置。
  4. 前記ロバスト画像照合は、増分符号相関法であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパターン欠陥検査装置。
  5. 前記ロバスト画像照合は、統計的リーチ特徴法であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパターン欠陥検査装置。
  6. 試料上に形成された回路パターンの欠陥を検査する方法であって、
    前記試料を載置して少なくとも一方向に移動する走査工程と、
    前記試料を回転させる回転補正工程と、
    前記試料上を照明する照明工程と、
    該照明工程で照明された前記試料の光学像を形成する結像工程と、
    該結像工程で結像された光学像を検出して信号に変換する検出工程と、
    該検出工程で検出した信号を処理して前記試料上の欠陥を検出する欠陥検出工程と、
    該欠陥検出工程の結果を表示する結果表示工程とを備え、
    前記回転補正工程はロバスト画像照合を行うことを特徴とするパターン欠陥検査方法。
  7. 試料上に形成された回路パターンの欠陥を検査する方法であって、
    前記試料を載置して少なくとも一方向に移動する走査工程と、
    前記試料上を照明する照明工程と、
    該照明工程で照明された前記試料の光学像を形成する結像工程と、
    該結像工程で結像された光学像を検出して信号に変換する検出工程と、
    該検出工程で検出した信号を処理して前記試料上の欠陥を検出する欠陥検出工程と、
    該欠陥検出工程の結果を表示する結果表示工程とを備え、
    前記欠陥検出工程はロバスト画像照合による画像位置合わせ処理を含むことを特徴とするパターン欠陥検査方法。
  8. 前記ロバスト画像照合は、正規化相関法であることを特徴とする請求項6又は請求項7記載のパターン欠陥検査方法。
  9. 前記ロバスト画像照合は、増分符号相関法であることを特徴とする請求項6又は請求項7記載のパターン欠陥検査方法。
  10. 前記ロバスト画像照合は、統計的リーチ特徴法であることを特徴とする請求項6又は請求項7記載のパターン欠陥検査方法。
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