JP4715677B2 - 3相回転機の制御装置 - Google Patents

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本発明は、3相回転機の出力を制御すべく、インバータのアームの上段又は下段の各スイッチング素子を流れる電流を感知する感知手段の出力を取り込むとともに、前記3相回転機の出力を所望に制御するための3相の信号波と、搬送波との比較に基づき、前記インバータをパルス幅変調によって操作する3相回転機の制御装置に関する。
3相電動機の出力を所望に制御すべく、3相に流れる電流量をパルス幅変調(PWM)によって制御する3相電動機の制御装置が周知である。すなわち、3相の指令電圧(信号波)と三角波である搬送波との比較に基づき、インバータのスイッチング素子をオン・オフ操作することで、3相電動機に流れる電流を制御する。ここで、指令電圧は、通常、3相電動機に対する要求トルクと、3相電動機を流れる電流とに基づき逐次算出される。そして、3相電動機を流れる電流を感知するセンサとしては、通常、電流センサが用いられている。
ところで、近年、3相電動機を流れる電流を感知する手段の小型化、構造の簡素化を図るべく、インバータのアームの上段又は下段の各スイッチング素子に直列接続されたシャント抵抗を用いることが提案されている。これによれば、電流センサを用いる場合と比較して、電流を感知する手段を小型化、簡素化することができる。
ただし、例えばアームの下段の各スイッチング素子にシャント抵抗を直列接続させた場合、全相の下段のスッチング素子がオン状態である電圧ベクトルV0発生期間にしか3相全ての電流を感知することができないため、シャント抵抗による電圧降下量(電流相当値)を取り込むタイミングは限られたものとなる。
更に、電圧ベクトルV0発生期間とされた直後には、電流のリンギングが大きいため、シャント抵抗の電圧降下量に基づく電流の取得を適切に行うことができない。そして、指令電圧の増加に伴ってPWM制御による変調率が増加するほど電圧ベクトルV0発生期間が縮小するため、高変調率時には電圧ベクトルV0発生期間における電流の取得が特に困難なものとなる。ちなみに、シャント抵抗に基づいて電流を取得する3相回転機の制御装置としては、他にも例えば下記特許文献1に記載されたものがある。
なお、上記シャント抵抗を用いるものに限らず、インバータのアームの上段又は下段の各スイッチング素子を流れる電流を感知する感知手段の出力を取り込むことで3相回転機を流れる電流を取得するものにあっては、3相の電流を取得することが困難なこうした実情も概ね共通したものとなっている。
特開2005−160147号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、インバータのアームの上段又は下段の各スイッチング素子を流れる電流を感知する感知手段の出力を取り込むことで3相回転機を流れる電流を適切に取得することのできる3相回転機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、前記インバータのスイッチング素子のうち前記感知手段側の2相がオン状態となる期間及び3相がオン状態となる期間のいずれかを選択的に拡大すべく、前記搬送波との比較対象となる前記信号波を補正することで、前記搬送波の1周期に渡って、前記信号波間の相対的な大小関係を保持しつつ前記インバータのアームの上段又は下段の1相のスイッチング素子をオン状態に固定する固定手段と、前記選択的に拡大された期間内に前記感知手段の出力を取り込むことで、前記3相回転機を流れる電流を取得する取得手段とを備えることを特徴とする。
上記構成において、感知手段側の3相のスイッチング素子がオン状態となる期間には、感知手段による3つの出力に基づき3相の電流を取得することができる。また、感知手段側の2相のスイッチング素子がオン状態となる期間には、感知手段による2つの出力に基づき、キルヒホッフの法則を用いることで、3相の電流を取得することができる。ただし、これらいずれの期間も、3相の信号波と搬送波との関係によっては短くなり得る。そしてこれらの期間が短いときには、上記期間の開始に伴う電流のリンギングによって、3相の電流としての適切な値を取得することが困難となる。この点、上記構成では、信号波間の相対的な大小関係を保持しつつ上記期間を拡大する。このため、回転機の各相を流れる電流を補正前の信号波によって想定される所望の電流としつつも、リンギングの十分に減衰したタイミングで感知手段の出力を取り込むことができる。したがって、3相を流れる電流として適切な値を取得することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記搬送波は、上昇速度及び下降速度が略等しい三角波であり、前記取得手段は、前記搬送波が上限値近傍又は下限値近傍となる都度前記感知手段の出力を取り込むことを特徴とする。
上記構成では、搬送波が上限値や下限値に対して略線対称な波形となる。このため、搬送波と信号波との比較に基づき定まるスイッチング素子の操作態様が搬送波の上限値や下限値に対して略対称となる。このため、搬送波の上限値近傍又は下限値近傍において3相を流れる電流が搬送波の周期内における3相電流の平均値と略等しくなる。上記構成では、この点に着目し、搬送波の上限値近傍又は下限値近傍において感知手段の出力を取り込むことで、搬送波の周期内における電流の平均値についての情報を簡易に取得することができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記信号波は、前記搬送波が上限値近傍又は下限値近傍となる都度更新されるものであり、前記取得手段は、前記信号波の更新周期の中間時点近傍において前記感知手段の出力を取り込むことを特徴とする。
上記構成では、信号波が搬送波の上限値近傍又は下限値近傍となる都度更新されるために、搬送波と信号波との比較に基づき定まるスイッチング素子の操作態様が信号波の更新周期の中間時点に対して好適な対称性を有するものとなる。このため、信号波の更新周期の中間時点における感知手段の出力を、更新周期内における3相の電流の平均値に高精度に対応した値とすることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記固定手段は、前記感知手段側の1相のスイッチング素子をオン状態に固定することで前記感知手段側のスイッチング素子が全相オン状態となる期間が閾値以上となる場合、前記感知手段側の1相のスイッチング素子をオン状態に固定することを特徴とすることを特徴とする。
上記構成では、信号波を補正したときに感知手段側のスイッチング素子の3相がオン状態となる期間が閾値以上となる場合、3相がオン状態となる期間を拡大する。これにより、感知手段側の3相がオン状態となるときに感知手段の出力を取り込む場合について、同3相がオン状態となることで生じるリンギングの上記出力への影響が十分に抑制されるのに要する時間を、閾値によって定量化することができる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記固定手段は、補正対象となる信号波と前記搬送波との比較によって定まる前記感知手段側の3相がオン状態となる期間及びオフ状態となる期間についての前記搬送波の1周期内の和が閾値以上であるときには、前記感知手段側の1相のスイッチング素子をオン状態に固定し、前記和が閾値未満であるときには、前記感知手段側でない方の1相のスイッチング素子をオン状態に固定することを特徴とする。
感知手段側の1相のスイッチング素子をオン状態に固定することで、搬送波の1周期内において感知手段側のスイッチング素子が全相オン状態となる期間は、補正対象となる信号波と搬送波との比較によって定まる感知手段側の3相がオン状態となる期間及び同比較によって定まるオフ状態となる期間の和となる。上記構成では、この点に着目し、上記和に基づき、感知手段側の1相のスイッチング素子をオン状態に固定することで搬送波の1周期内において感知手段側のスイッチング素子が全相オン状態となる期間と、閾値とを比較することができる。
そして、閾値との比較に基づき、感知手段側の1相のスイッチング素子又は感知手段側でない1相のスイッチング素子をオン状態に固定することで、感知手段側の3相又は2相のスイッチング素子がオン状態となる期間を拡大することができる。
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の発明において、前記閾値が、補正対象となる信号波と前記搬送波との比較によって定まる前記感知手段側の2相がオン状態となる期間であることを特徴とする。
上記構成では、信号波の補正をしないとの想定の下での前記感知手段側の2相がオン状態となる期間を閾値とする。このため、感知手段側の1相のスイッチング素子をオン状態に固定することで搬送波の1周期内において感知手段側のスイッチング素子が全相オン状態となる期間が閾値以下となるときには、信号波の補正をしないとの想定の下での前記感知手段側の2相がオン状態となる期間よりも短いために、3相がオン状態となる期間において感知手段の出力を取り込むことはリンギングの影響の抑制の観点からは望ましくないと判断できる。このため、上記構成では、リンギングの影響を極力抑制しつつも3相がオン状態となる期間を優先して用いて感知手段の出力を取り込むことができる。
請求項7記載の発明は、請求項4又は5記載の発明において、前記閾値が、前記感知手段側の3相のスイッチング素子がオン状態となるのに伴い生じる前記3相を流れる電流のリンギングについての整定時間以上に設定されてなることを特徴とする。
上記構成では、感知手段側の3相がオン状態となる期間内において、3相がオン状態となることに伴うリンギングが十分に減衰する。このため、3相がオン状態となる期間において感知手段の出力を取り込むに際し、リンギングの影響を極力抑制することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記固定手段による補正対象となる3相の信号波のうち前記感知手段側のスイッチング素子をオン状態とする期間が最も短い相の信号波の値に基づき、前記固定手段による前記信号波の補正を行うか否かを判断する判断手段を更に備え、前記取得手段は、前記補正がなされないとき、前記インバータのスイッチング素子のうち前記感知手段側の2相がオン状態となる期間及び3相がオン状態となる期間のいずれかに前記感知手段の出力を取り込むことを特徴とする。
上記固定手段によって搬送波の1周期に渡って1相のスイッチング素子が固定される場合、搬送波の1周期内におけるスイッチング素子のオン・オフ操作の回数が減少する。このため、固定手段による固定を行わない場合と比較して、3相を流れる電流の変動量が大きくなる。
一方、補正対象となる3相の信号波のうち感知手段側のスイッチング素子をオン状態とする期間が最も短い相の信号波の値によって、補正がない場合に3相がオン状態となる期間を把握することができる。このため、上記信号波の値によって、補正がない場合に3相がオン状態となる期間が、感知手段の出力を取り込む際のリンギングの影響を十分に抑制することのできるものであるか否かを判断することができる。そして、上記構成では、上記リンギングの影響を十分に抑制することのできるものであるときには、固定手段によるスイッチング素子の固定を行わないことで、感知手段の出力を取り込む際のリンギングの影響を抑制しつつも3相を流れる電流の変動量を極力抑制することができる。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記判断手段は、前記最も短い相における前記感知手段側のスイッチング素子をオン状態とする期間が、前記感知手段側の3相のスイッチング素子がオン状態となるのに伴い生じる前記3相を流れる電流のリンギングについての整定時間以下であるとき、前記補正を行う旨の判断をすることを特徴とする。
上述したように、最も短い相における前記感知手段側のスイッチング素子をオン状態とする期間から、補正をしないことで感知手段側の3相のスイッチング素子がオン状態となる期間を把握することができる。そして、最も短い相における前記感知手段側のスイッチング素子をオン状態とする期間が、上記整定時間以下であるときには補正を行うことで、補正を行わないために3相がオン状態となる期間に感知手段の出力を取り込む際にも、リンギングの影響が大きくなることを回避することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる3相回転機の制御装置をハイブリッド車に搭載される3相回転機の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、上記ハイブリッド車に搭載される電動機及びその制御システムの全体構成を示す。
図示されるように、電動機4の3つの相(U相、V相、W相)には、インバータ10が接続されている。このインバータ10は、3相インバータであり、3つの相のそれぞれとバッテリ7の正極側又は負極側とを導通させるべく、スイッチング素子12,14(U相アーム)とスイッチング素子16,18(V相アーム)とスイッチング素子20,22(W相アーム)との並列接続体を備えている。更に、インバータ10は、各スイッチング素子12〜22に逆並列に接続されたフライホイールダイオード24〜34を備えている。そして、スイッチング素子12及びスイッチング素子14を直列接続する接続点が電動機4のU相と接続されている。また、スイッチング素子16及びスイッチング素子18を直列接続する接続点が電動機4のV相と接続されている。更に、スイッチング素子20及びスイッチング素子22を直列接続する接続点が電動機4のW相と接続されている。ちなみに、これらスイッチング素子12〜22は、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)によって構成されている。
インバータ10の各1組のスイッチング素子12,14とスイッチング素子16,18とスイッチング素子20,22との両端には、平滑コンデンサ40が接続されている。
上記電動機4には、その出力軸の回転角度θを検出する位置センサ42が設けられている。一方、バッテリ7の低電位側とスイッチング素子14との間には、スイッチング素子14に直列に、同スイッチング素子14を流れる電流を感知するシャント抵抗Ruが接続されている。また、バッテリ7の低電位側とスイッチング素子18との間には、スイッチング素子18に直列に、同スイッチング素子18を流れる電流を感知するシャント抵抗Rvが接続されている。更に、バッテリ7の低電位側とスイッチング素子22との間には、スイッチング素子22に直列に、同スイッチング素子22を流れる電流を感知するシャント抵抗Rwが接続されている。
一方、マイクロコンピュータ(マイコン50)は、上記位置センサ42や、シャント抵抗Ru,Rv,Rwの出力(シャント抵抗Ru,Rv,Rwによる電圧降下量)を取り込む。そして、マイコン50は、上記電動機4の出力軸の回転角度や3つの相を流れるそれぞれの電流等に基づき、ゲート駆動回路60〜70を介してスイッチング素子12〜22を操作する。
図2に、マイコン50の行なう処理についてのブロック線図を示す。本実施形態では、基本的には、三角波パルス幅変調(PWM)制御によって、電動機4の負荷トルクを要求トルクに制御する。
電流取得部80は、シャント抵抗Ru,Rv,Rwの出力(電圧降下量ru、rv、rw)を取り込み、これに基づき電動機4の各相を流れる実電流iu,iv,iwを算出する部分である。2相変換部82は、実電流iu,iv,iwを、dq軸に座標変換して実電流id及び実電流iqを生成する部分である。ちなみに、この座標変換に際しては、電動機4の回転角度が用いられるために、2相変換部82には、位置センサ42によって検出される回転角度θが入力される。
一方、指令電流生成部84は、要求トルクや回転角度θの時間微分値としての回転速度Nm等に応じて指令電流iqc,idcを生成する部分である。これら指令電流iqc,idcは、dq軸上での指令値となっている。
指令電圧生成部86は、指令電流idcと実電流idとの差に基づき、d軸の指令電圧vdcを算出し、且つ指令電流iqcと実電流iqとの差に基づき、q軸の指令電圧vqcを算出する部分である。
3相変換部88は、d軸の指令電圧vdcとq軸の指令電圧vqcとを、U相の指令電圧基本値vubと、V相の指令電圧基本値vvbと、W相の指令電圧基本値vwbとに変換する部分である。これら指令電圧基本値vub,vvb,vwbは、電動機4の各相に指令電流を流すときに各相に印加すべき電圧となっている。これら指令電圧基本値vub,vvb,vwbは、正弦波となって且つその電圧の中心がゼロとなっている。ちなみに、この座標変換に際しては、電動機4の回転角度が用いられるために、3相変換部88には、位置センサ42によって検出される回転角度θが入力される。
3相変調部90は、電動機4の各相に指令電圧基本値vub,vvb,vwbが実際に印加されることを保証すべく、指令電圧基本値vub,vvb,vwbを変調する部分である。詳しくは、図3に示すように、指令電圧基本値vub,vvb,vwbにそれぞれ「2/√3」を乗算することで、指令電圧vucb,vvcb,vwcbを算出する。
変調法変更部92は、後述する理由により、回転角度θに基づき、指令電圧vucb,vvcb,vwcbを補正して最終的な指令電圧vuc.vvc.vwcを算出する。これら最終的な指令電圧vuc,vvc,vwcは、各々比較器96,98,100の非反転入力端子に印加される。比較器96,98,100では、指令電圧vuc,vvc,vwcと、三角波生成部102によって生成される三角形状の搬送波(キャリア)との大小が比較される。そして、これら各比較器96、98、100の出力信号gu、gv、gwは、指令電圧vuc,vvc,vwcを各々パルス幅変調(PWM)したものとなる。すなわち、上記最終的な指令電圧vuc,vvc,vwcが、PWM制御におけるキャリアとの比較対象となる信号波である。
出力信号gu,gv,gw及びインバータ104,106,108によるそれらの反転信号が、Deadtime生成部110に取り込まれる。Deadtime生成部110では、上記出力される各信号とこれに対応する上記反転信号とを、これらのエッジ部分同士のタイミングの重なりを避けるように波形整形する。そして、波形整形された信号は、U相のスイッチング素子12を操作する操作信号gup、U相のスイッチング素子14を操作する操作信号gun、V相のスイッチング素子16を操作する操作信号gvp、V相のスイッチング素子18を操作する操作信号gvn、W相のスイッチング素子20を操作する操作信号gwp、W相のスイッチング素子22を操作する操作信号gwnとなる。
本実施形態では、図4に示すように、上記指令電圧vuc,vvc,vwcの算出や、電圧降下量ru,rv,rwの取り込みを、キャリアの周期に同期して行う。図4(a)に、本実施形態にかかるキャリアを示し、図4(b)に、指令電圧vuc,vvc,vwcの算出タイミング(サンプリングタイミング)を示し、図4(c)に、電圧降下量ru,rv,rwの取り込みタイミング(サンプリングタイミング)を示す。図示されるように、本実施形態にかかるキャリアは、上昇速度及び下降速度が互いに等しい2等辺三角形状の信号である。そして、キャリアが下限値となる都度、指令電圧vuc,vvc,vwcが算出される。また、キャリアが上限値となる都度、電圧降下量ru,rv,rwが取り込まれる。これにより、電圧降下量ru,rv,rwを、キャリアが下限値となってから次の下限値となるまでの間の期間における3相の電流の平均値に対応した量とすることができる。これは、以下に示す理由による。
図5(a)にキャリアを拡大したものを示し、また、図5(b)に比較器96の出力信号guの推移を示し、図5(c)に、比較器98の出力信号gvの推移を示し、図5(d)に、比較器100の出力信号gwの推移を示す。図示されるように、指令電圧vuc,vvc,vwcは、キャリアが下限値から次の下限値となるまでの1周期に渡って変化しない。このため、キャリアと指令電圧vuc,vvc,vwcとの大小関係は、キャリアが上限値となるタイミングに対して線対称となる。したがって、出力信号gu,gv,gwもキャリアが上限値となるタイミングに対して線対称となり、ひいては、スイッチング素子12〜22の操作態様もキャリアが上限値となるタイミングに対して線対称となる。このため、電動機4の各相を流れる電流は、それぞれキャリアが上限値となるタイミングに対して線対称となるため、キャリアが上限値となるタイミングにおける各相の電流は、そのキャリア周期内の電流の平均値となる。
先の図2に示した電流取得部80は、スイッチング素子12〜22の操作態様に応じて、実電流iu,iv,iwの算出手法を可変とする。以下、これについて説明する。
スイッチング素子12〜22の操作態様は、図6に示す8個の電圧ベクトルによって表される。ここで、電圧ベクトルV0は、各相のアームのうちの下段のスイッチング素子14,18,22の全てがオン状態であることを表現する。また、奇数電圧ベクトルV1,V3,V5は、1相のアームのみ上段のスイッチング素子がオン状態であることを表現する。また、偶数電圧ベクトルV2,V4,V6は、1相のアームのみ下段のスイッチング素子がオン状態であることを表現する。そして、電圧ベクトルV7は、全ての相のアームの上段のスイッチング素子12,16,20がオン状態である状態を表現する。
ここで、電圧ベクトルV0においては、スイッチング素子14,18,22に電流が流れるために、シャント抵抗Ru,Rv,Rwの電圧降下量は、電動機4の各相を流れる電流を表現する。また、奇数電圧ベクトルV1,V3,V5においては、2相のアームにおいて下段のスイッチング素子がオン状態であるために、これらの相については、シャント抵抗Ru,Rv,Rwの電圧降下量が、電動機4を流れる電流量を表現する。そして、残り1相については、キルヒホッフの法則に基づき、推定することができる。すなわち、例えば電圧ベクトルV1においては、U相のアームにおいては、下段のスイッチング素子14がオフ状態であるため、シャント抵抗Rv,Rwの電圧降下量から算出される実電流iv,iwに基づき、実電流iuを推定することができる。
このように、電圧ベクトルV0又は奇数電圧ベクトルV1、V3,V5において、電動機4に流れる3相の電流を取得することができる。そして、電圧ベクトルに応じて、実電流iu,iv,iwの算出手法を可変とすべく、先の図2に示した変調法変更部92では、指令電圧vucb、vvcb、vwcbに基づき、いずれの算出手法を用いるかを指示するフラグを出力する。すなわち、3相ともにシャント抵抗Ru,Rv,Rwの電圧降下量ru,rv,rwを用いる旨を指示する3相検出Flagか、1相を推定する旨を指示するU相推定Flag、V相推定Flag、W相推定Flagのいずれかを出力する。
この出力は、先の図2に示したメモリ112に記憶される。すなわち、メモリ112では、図7に示すように、上記変調法変更部92から出力されたフラグを記憶する。そして、先の図2に示した電流取得部80では、メモリ112に記憶されたフラグに基づき、算出手法を可変設定する。
図8に、電流取得部80による電流の算出処理の手順を示す。この処理は、マイコン50によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
すなわち、3相検出Flagがオン状態であるなら(ステップS10:YES)、シャント抵抗Ru,Rv,Rwの電圧降下量ru,rv,rwに基づき、実電流iu,iv,iwを算出する。また、U相推定フラグ、V相推定フラグ、W相推定フラグのいずれかがオン状態なら(ステップS14、S20,S26のいずれかでYES)、該当する相以外についてはシャント抵抗の電圧降下量を用い(ステップS16,S22,S28)、該当する相については推定する(ステップS18、S24,S30)。
ところで、スイッチング素子12〜22の操作に伴い、電動機4の各相を流れる電流には、リンギングノイズが重畳する。このため、上記電圧降下量ru,rv,rwの取り込みタイミングにおいてリンギングノイズが十分に減衰していないなら、取り込まれる電圧降下量ru,rv,rwは、キャリアの1周期内の電流の平均値として適切な値にならない。一方、キャリアの振幅に対する指令電圧vuc,vvc,vwcの振幅の百分率である変調率が大きい領域においては、キャリアよりも指令電圧vuc,vvc,vwcが大きくなる機会が多いために、電圧ベクトルV0の期間が短くなりやすい。
図9<A>に、変調率が「96%」であるときの指令電圧vuc,vvc,vwc(指令電圧vucb,vvcb,vwcbに3次高調波を重畳したもの)の推移を示す。図9<A>において、指令電圧vuc,vvc,vwcの最大値MAXは、キャリアの上限値と一致しており、これは、バッテリ7の電圧に対応している。この場合、電気角120°における指令電圧vuc,vvc,vwcは、図9(a)となり、出力信号gu,gv,gwは図9(b)〜図9(d)となる。また、このときの電圧ベクトルパターンは、図9(e)となる。また、このときの電動機4の各相の誘起電圧は、図9(f)となる。ちなみに、図9(f)中、破線は、各相の電圧がゼロである点を示している。また、このときに電動機4の各相を流れる電流(正確にはリンギングを除いた直流成分)は、図9(g)のようになる。この例では、電圧ベクトルV0の発生期間が短期間であるため、この期間内においては、図9<B>にW相の実電流iwについて例示するように、電圧ベクトルV0発生期間の中間時点において、リンギングノイズが十分に減衰していない。このため、キャリアが上限値となるタイミングであるV0ベクトルの発生期間の中間時点における電圧降下量ru,rv,rwは、キャリアの1周期における電流の平均値として適切な値とはならない。
ここで、電圧ベクトルV0又は電圧ベクトルV1,V3,V5の期間が十分に長くなる条件について考察する。
例えば図10<A>において、指令電圧vvcが最小値MINとなるときには、キャリアの1周期の間、図10<B>に示すように、V相アームの下段のスイッチング素子18がオン状態に固定される。このため、先の図9(a)〜(g)に対応する図10(a)〜図10(g)に示されるように、電圧ベクトルV0の発生期間が長期化する。
また、例えば図11<A>において、指令電圧vucが最大値MAXとなるときには、キャリアの1周期の間、図11<B>に示すように、U相アームの上段のスイッチング素子12がオン状態に固定される。このため、先の図9(a)〜(g)に対応する図11(a)〜図11(g)に示されるように、電圧ベクトルV1の発生期間が長期化して且つ、電圧ベクトルV1の発生期間がキャリアが上限値となるタイミングを包含している。
上記に鑑み、本実施形態では、キャリアの上限値となるタイミングにおける電圧ベクトルV0の発生期間又は奇数電圧ベクトルV1,V3,V5の発生期間を拡大すべく、先の図2の3相変調部90の出力する指令電圧vucb,vvcb,vwcbを補正する。
具体的には、電圧ベクトルV0の発生期間を拡大すべく、上記指令電圧vucb,vvcb,vwcbの相対的な大小関係を保持しつつアームの下段のスイッチング素子14,18,22のいずれかをキャリアの1周期に渡ってオン状態に固定するように指令電圧vucb,vvcb,vwcbを補正する。これにより、最終的な指令電圧vuc,vvc,vwcによって定まる各相間電圧は、指令電圧vucb,vvcb,vwcbによって定まる相間電圧と等しくなるため、電動機4に流れる電流を指令電流idc,iqcに高精度に近似させることができる。しかも、アームの下段のスイッチング素子14,18,22のいずれかを固定することで、電圧ベクトルV0の発生期間を拡大することができる。
また、上記処理によっても電圧ベクトルV0の発生期間を十分に拡大できないときには、奇数電圧ベクトルV1,V3,V5を拡大する。すなわち、上記指令電圧vucb,vvcb,vwcbの相対的な大小関係を保持しつつアームの上段のスイッチング素子12,16,20のいずれかをキャリアの1周期に渡ってオン状態に固定するように指令電圧vucb,vvcb,vwcbを補正する。これにより、最終的な指令電圧vuc,vvc,vwcによって定まる各相間電圧は、指令電圧vucb,vvcb,vwcbによって定まる相間電圧と等しくなるため、電動機4に流れる電流を指令電流idc,iqcに高精度に近似させることができる。しかも、アームの上段のスイッチング素子12,16,20のいずれかを固定することで、電圧ベクトルV1、V3,V5の発生期間を拡大することができる。
図12に、上記変調法変更部92の処理の手順を示す。この処理は、マイコン50により、キャリアの周期に同期して繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS30において、指令電圧vucb,vvcb,vwcbに基づき、キャリアの1周期内において、電圧ベクトルV0と電圧ベクトルV7とからなるゼロ電圧ベクトルの発生期間と、奇数電圧ベクトルV1,V3,V5の発生期間とを算出する。ここで、奇数電圧ベクトルV1,V3,V5の発生期間は、指令電圧vucb,vvcb,vwcbの値に基づき、これらのうち任意の1つがキャリアよりも大きくなる期間として算出される。
また、ゼロ電圧ベクトルの発生期間は、指令電圧vucb,vvcb,vwcbの値に基づき、キャリアの1周期内において、これら全てがキャリアよりも大きくなる期間と、全てがキャリアよりも小さくなる期間との和として算出される。ここで、ゼロ電圧ベクトル発生期間は、アームの下段のスイッチング素子14,18,22のいずれかをオン状態に固定することで実現される電圧ベクトルV0の発生期間となる。すなわち、例えば先の図9においてW相の指令電圧vwcを最小値MINに固定することで、図9(e)に示した電圧ベクトルV0発生期間が拡大し、電圧ベクトルV7の発生期間が消失する。そして、電圧ベクトルV0の拡大量は、消失した電圧ベクトルV7発生期間となる。
続くステップS32においては、ゼロ電圧ベクトル発生期間が、奇数電圧発生期間以上であるか否かを判断する。この処理は、電圧ベクトルV0の発生期間を拡大するか否かを判断するものである。ここで、奇数電圧ベクトル発生期間は、スイッチング素子14,18,22のいずれか1相をオン状態に固定することで、電圧ベクトルV0の発生期間が十分に長い期間となるか否かを判断する閾値となっている。すなわち、電圧ベクトルV0の発生期間を拡大しても奇数電圧ベクトルV1,V3,V5の発生期間よりも短いなら、奇数電圧ベクトルV1,V3,V5において電圧降下量ru,rv,rwを取り込んだ方がリンギングノイズの影響が少ないと判断できる。
そして、奇数電圧発生期間以上であると判断されるときには、電圧ベクトルV0の発生期間を拡大すべく、ステップS34に移行する。ステップS34では、3検出Flagをオンとする。これは、電圧ベクトルV0の発生期間を拡大すべくアームの下段のスイッチング素子14,18,22のいずれか1つをオン状態に固定する場合、キャリアが上限値となるタイミングが、電圧ベクトルV0の発生期間に包含されるからである。
続くステップS36では、指令電圧vucb,vvcb,vwcbを補正する処理を行う。ここでは、これら指令電圧vucb,vvcb,vwcbのうち最小となる相ものを最小値MINに固定する。そして、残りの2つについては、最小となる相を最小値MINとすることによる電圧の補正量Δだけ、減少補正する。これにより、指令電圧vuc,vvc,vwcによって定まる相間電圧を、指令電圧vucb,vvcb,vwcbによって定まる相間電圧と等しくすることができるとともに、下段のスイッチング素子14,18,22のいずれか1相をオン状態に固定することができる。
一方、ステップS32において、奇数電圧ベクトル発生期間未満であると判断されるときには、奇数電圧ベクトルV1,V3,V5の発生期間を拡大すべく、ステップS38に移行する。ここで、奇数電圧ベクトルV1,V3,V5の発生期間を拡大するのは、指令電圧vucb,vvcb,vwcbをそのまま用いたのでは、キャリアが上限値となるタイミングが電圧ベクトルV0に包含されるおそれがあるからである。そして、ステップS38においては、3相検出フラグをオフとする。これは、奇数電圧ベクトルV1,V3,V5を拡大すべく上段のスイッチング素子12,16,20のいずれか1相をオン状態に固定する場合、キャリアが上限値となるタイミングが、奇数電圧ベクトルV1、V3,V5の発生期間に包含されるからである。
続くステップS40では、指令電圧vucb,vvcb,vwcbを補正する処理を行う。ここでは、これら指令電圧vucb,vvcb,vwcbのうち最大となる相ものを最大値MAXに固定する。そして、残りの2つについては、最大となる相を最大値MAXとすることによる電圧の補正量Δだけ、増加補正する。これにより、指令電圧vuc,vvc,vwcによって定まる相間電圧を、指令電圧vucb,vvcb,vwcbによって定まる相間電圧と等しくすることができるとともに、上段のスイッチング素子12,16,20のいずれか1相をオン状態に固定することができる。
続くステップS42〜S58においては、オン状態に固定される相の電流を推定する旨の指示をすべく、U相推定Flag,V相推定Flag、W相推定Flagのいずれかをオンとする処理を行う。
上記処理によれば、キャリアが上限値となるタイミングが、奇数電圧ベクトルV1,V3,V5又は、電圧ベクトルV0に包含されて且つ、上限値となるタイミングを包含する期間を拡大することができる。
図13に、上記処理による電圧ベクトルV0の発生期間の最小値(最小パルス幅)と変調率(指令電圧vucb,vvcb,vwcbの変調率)との関係を示す。図示されるように、指令電圧vucb,vvcb,vwcbを補正することで、図中一点鎖線にて従来方式として示す補正のない場合と比較して、最小パルス幅を拡大することができる。
図14(a1)に、指令電圧vucb,vvcb,vwcbの変調率が96%であるときの本実施形態の指令電圧vuc,vvc,vwcの推移を示し、図14(b1)に、そのときの電圧ベクトルV0、奇数電圧ベクトルのそれぞれの発生期間を示す。図示されるように、この場合、電圧ベクトルV0が発生するとき(ゼロでないとき)、その発生期間の最小値を6μsec程度とすることができる。これに対し、図14(a2)に、指令電圧vucb,vvcb,vwcbの補正のなされない場合(より正確には、指令電圧vucb,vvcb,vwcbに3次高調波を重畳したもの)を示す。この場合、図14(b2)に示すように、電圧ベクトルV0が発生するときの発生期間の最小値が1μsec程度となる。そして、電圧ベクトルV0が発生する限り、キャリアが上限値となるタイミングは、電圧ベクトルV0によって包含される。このため、電圧降下量ru,rv,rwを取り込むに際し、リンギングの影響を大きく受けることとなる。
図15には、指令電圧vucb,vvcb,vwcbの相対的な大小関係を保持しつつ電気角60°毎にスイッチング素子12〜22のいずれかを固定するように指令電圧vucb,vvcb,vwcbを補正する従来の2相変調法と、本実施形態を対比して示す。なお、図15(a1)、図15(b1)は、先の図14(a1),図14(b1)と同一である。図15(b2)に示すように、60°毎の2相変調をする場合には、電圧ベクトルV0が発生する際、その最小間隔が3μsec程度となり、本実施形態のようには電圧ベクトルV0の発生期間を拡大できない。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)キャリアの1周期に渡ってスイッチング素子12〜22のいずれか1つを固定することで、電圧ベクトルV0発生期間又は奇数電圧ベクトル発生期間を拡大し、拡大された期間において、シャント抵抗Ru,Rv,Rwによる電圧降下量ru,rv,rwを取り込んだ。これにより、リンギングの十分に減衰したタイミングで電圧降下量ru,rv,rwを取り込むことができる。
(2)キャリアを、上昇速度及び下降速度が等しい三角波として且つ、キャリアが上限値となる都度、電圧降下量ru,rv,rwを取り込んだ。これにより、キャリアの周期内における電流の平均値についての情報を簡易に取得することができる。
(3)指令電圧vuc,vvc,vwcを、キャリアが下限値となる都度更新した。これにより、キャリアが上限値となるタイミングにおける電圧降下量ru,rv,rwを、キャリアの周期内における3相の電流の平均値に高精度に対応した値とすることができる。
(4)スイッチング素子14,18,22のいずれか1つをオン状態に固定することで電圧ベクトルV0の発生期間が閾値以上となる場合、上記いずれか1つをオン状態に固定した。これにより、電圧ベクトルV0の発生に伴い生じるリンギングが抑制されたタイミングにて電圧降下量ru,rv,rwを取り込むことができるか否かを、閾値によって定量化することができる。
(5)ゼロ電圧ベクトルの発生期間が閾値以上であるときに、スイッチング素子14,18,22のいずれか1つをオン状態に固定した。これにより、キャリアの1周期内においてスイッチング素子14,18,22の全てがオン状態となる期間と、閾値とを比較することができる。
(6)上記閾値を、指令電圧vucb,vvcb,vwcbとキャリアとの比較によって定まる奇数電圧発生期間とした。これにより、リンギングの影響を極力抑制しつつも3相がオン状態となる期間を優先して用いて電圧降下量ru,rv,rwを取り込むことができる。このため、1相の電流を他の2相の電流から推定する処理を極力回避することができ、ひいては、演算の最小単位(LSB)等に起因する推定誤差を抑制することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、電圧ベクトルV0発生期間を拡大するか否かの判断に用いる閾値を、図16に示される整定時間とする。図16(a)は、電圧ベクトルV0の発生期間を示し、図16(b)は、電動機4を流れる電流(電圧降下量ru,rv,rw)のリンギングの発生態様を示す。図16(b)においては、電動機4を流れる電流についてリンギングがないとしたときの値を1として示している。そして、整定時間は、リンギングによる電流の変動幅が±5%内となる時間として定義されている。
閾値を整定時間とすることで、電圧ベクトルV0の発生期間内において電圧降下量ru,rv,rwを取り込む場合、電圧ベクトルV0の発生後、少なくとも整定時間の「1/2」の時間の経過後に電圧降下量ru,rv,rwを取り込むこととなる。このため、リンギングの影響を好適に抑制することができる。
図17(a1)に、本実施形態にかかる指令電圧vuc,vvc,vwcの推移を示し、図17(b1)に、電圧ベクトルV0と奇数電圧ベクトルとの発生期間を示す。なお、図17(a2)と図17(b2)とは、先の図15(a2)と図15(b2)と同一であり、対比のために記載した。図示されるように、本実施形態においても電圧ベクトルV0が発生する際、図中、2点鎖線にて示すその最小期間を、図17(a2)と図17(b2)に示す例と比較して拡大することができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(5)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(7)閾値を、電圧ベクトルV0の発生に伴い生じる電流のリンギングについての整定時間に設定した。これにより、電圧ベクトルV0発生期間内に電圧降下量ru,rv,rwを取り込むに際し、リンギングの影響を極力抑制することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
指令電圧vucb,vvcb,vwcbを上述した態様にて補正すると、指令電圧vucb,vvcb,vwcbを補正しない場合と比較して、キャリアの1周期内のスイッチング回数が減少する。このため、指令電圧vucb,vvcb,vwcbを補正すると、補正しないときと比較して、電動機4を流れる電流の変動量が大きくなる。そして、電流の変動量が大きくなると、電動機4の出力トルクの変動量も大きくなる。このため、出力トルクの変動抑制の観点からは、指令電圧vucb,vvcb,vwcbの上記補正を行わないことが望ましい。
そこで本実施形態では、指令電圧vucb,vvcb,vwcbのうち最も大きい値を有するものに基づき、補正を行うか否かを判断する。これは、図18に示すように、最も大きい値を有するものによって、電圧ベクトルV0の発生期間が定まるからである。このため、本実施形態では、指令電圧vucb,vvcb,vwcbのうち、最も大きいものの値が閾値β以上となるときに、上記補正を行う。ここで、閾値βは、キャリアが上限値となるタイミングが電圧ベクトルV0発生期間に包含されるとき、電圧ベクトルV0の発生に伴うリンギングの影響をキャリアが上限値となるタイミングにおいて十分に抑制することができると想定される値に設定される。
図19に、本実施形態にかかるマイコン50の行なう処理についてのブロック線図を示す。なお、図19において、先の図2に示したブロックと対応するブロックについては、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、変調法切替判定部120を備える。図20に、変調法切替判定部120の行う処理の手順を示す。この処理は、マイコン50により、キャリアの周期と同一の周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、ステップS60において、指令電圧vucb,vvcb,vwcbのうち最も大きいものが閾値β以上であるか否かを判断する。そして、閾値β以上であると判断されるときには、指令電圧vucb,vvcb,vwcbの補正を行う旨を指示すべく、ステップS62において、補正Flagをオンとする。一方、閾値β未満となる場合には、指令電圧vucb,vvcb,vwcbの補正を行わない旨の指示をすべく、ステップS64において、補正Flagをオフとする。
図21に、本実施形態において、変調法変更部92が行う処理の手順を示す。この処理は、マイコン50により、キャリアの周期と同一の周期で繰り返し実行される。なお、図21において、先の図12に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS70において、補正Flagがオフであるか否かを判断する。そして、補正Flagがオフである場合には、ステップS72において、3検出Flagをオンとする。続いて、ステップS74においては、指令電圧vucb,vvcb,vwcbに3次高調波を重畳させ、この一連の処理を一旦終了する。一方、補正Flagがオフでないと判断されると、先の図12のステップS30〜S58の処理を行う。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(6)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(8)指令電圧vucb,vvcb,vwcbのうち最も大きい値に基づき、同指令電圧vucb,vvcb,vwcbの補正を行うか否かを判断した。これにより、電圧降下量ru,rv,rwを取り込む際のリンギングの影響を抑制しつつも3相を流れる電流の変動量を極力抑制することができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第3の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、上記閾値βを、電圧ベクトルV0の発生に伴うリンギングの整定時間とする。図22(a)及び図22(b)は、先の図16(a)及び図16(b)と同様である。これにより、本実施形態によっても、電圧ベクトルV0が発生するとき、その発生期間を十分に確保しつつも、3相を流れる電流の変動量を極力抑制することができる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、先の第3の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図23に、本実施形態にかかる電動機4及びその制御システムの全体構成を示す。なお、図23において、先の図1に示した部材と対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、スイッチング素子12,16,20に直列に、これらスイッチング素子12,16,20を流れる電流を検出するシャント抵抗Ru,Rv,Rwを設ける。すなわち、バッテリ7及びスイッチング素子12間に、スイッチング素子12を流れる電流を感知するシャント抵抗Ruを直列接続する。また、バッテリ7及びスイッチング素子16間に、スイッチング素子16を流れる電流を感知するシャント抵抗Rvを直列接続する。更に、バッテリ7及びスイッチング素子20間に、スイッチング素子20を流れる電流を感知するシャント抵抗Rwを直列接続する。この場合、電圧ベクトルV7又は偶数電圧ベクトルV2,V4,V6の発生期間において、電圧降下量ru,rv、rwに基づき、電動機4を流れる電流を算出することが可能となる。
そこで本実施形態では、図24に示すように、指令電圧vuc,vvc,vwcのサンプリングタイミングを、キャリアが上限値となるタイミングとして且つ、電圧降下量ru,rv,rwのサンプリングタイミングを、キャリアが下限値となるタイミングとする。また、図25に示すように、指令電圧vucb,vvcb,vwcbのうち最も小さいものが閾値β以下となるとき、電圧ベクトルV7又は偶数電圧ベクトルV2,V4,V6の発生期間を拡大すべく、指令電圧vucb,vvcb,vwcbを補正する。これは、本実施形態では、電圧ベクトルV7の発生期間が、指令電圧vucb,vvcb,vwcbbのうち最も小さいものの値によって定まるからである。なお、電圧ベクトルV7の発生期間は、指令電圧vucb,vvcb,vwcbのうち最も小さいものの値が小さいほど短くなることに鑑み、閾値βは、先の図18に示したものと比較して小さい値に設定されている。
図26に、本実施形態における変調法切替判定部120の処理手順を示す。なお、図26において、先の図20に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。本実施形態では、ステップS60aにおいて、指令電圧vucb,vvcb,vwcbのうち最も小さいものの値が閾値β以下であるか否かを判断する。そして、閾値β以下であるときには、ステップS62に移行し、閾値βよりも大きいときには、ステップS64に移行する。
図27に、本実施形態における変調法変更部92の処理の手順を示す。なお、図27において、先の図21に示した処理と同一の処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS30aにおいて、指令電圧vucb,vvcb,vwcbに基づき、ゼロ電圧ベクトルの発生期間と、偶数電圧ベクトルV2,V4,V6の発生期間を算出する。偶数電圧ベクトルの発生期間は、キャリアの1周期内において指令電圧vucb,vvcb,vwcbのうちの2つがキャリアよりも大きくなる期間として算出すればよい。そして、ステップS32aにおいては、ゼロ電圧ベクトルの発生期間が偶数電圧ベクトルの発生期間以上であるか否かを判断する。
そして偶数電圧ベクトルの発生期間以上であると判断されるときには、ステップS34を経て、ステップS36aに移行する。ステップS36aでは、指令電圧vucb,vvcb,vwcbのうち最大のものを、指令電圧の最大値MAXに固定する。そして、最大のものの値を最大値MAXから減算した値を補正量Δとして、他の2相の指令電圧を増加補正する。一方、偶数電圧ベクトルの発生期間よりも小さいと判断されるときには、ステップS38を経て、ステップS40aに移行する。ステップS40aでは、指令電圧vucb,vvcb,vwcbのうち最も小さい値を、指令電圧の最小値MINに固定する。そして、最も小さいものの値から最小値MINを減算した量を補正量Δとして、他の2相の指令電圧を、補正量Δだけ減少補正する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第2の実施形態において、閾値αを、整定時間の2倍としてもよい。これにより、電圧ベクトルV0の発生期間に電圧降下量ru,rv,rwを取り込むときには、電圧ベクトルV0の発生から既に整定時間が経過していることとなる。このため、電圧降下量ru,rv,rwへのリンギングノイズの影響を5%未満とすることができる。また、閾値αの設定は、これに限らず、適宜変更してよい。
・先の図1に示した構成の場合、変調率が高いほど電圧ベクトルV0の発生期間が短くなりやすく、先の図23に示した構成の場合、変調率が高いほど電圧ベクトルV7の発生期間が短くなりやすいことに鑑み、指令電圧vucb、vvcb、vwcbの補正を行うか否かの判断を、変調率に応じて行ってもよい。
・第3〜第5の実施形態にかかる閾値βの設定手法は、これら実施形態に例示したものに限らない。例えば、第5の実施形態における閾値βの設定態様を、先の第4の実施形態と同様、電圧ベクトルV7の発生期間が、同電圧ベクトルV7の発生に伴う電流のリンギングの整定時間としてもよい。閾値βは、電圧ベクトルV0や電圧ベクトルV7の発生期間内に電圧降下量ru,rv,rwを取り込むに際し、指令電圧vucb、vvcb、vwcbの補正を行わなくても、リンギングの影響が十分に抑制されたものとなるか否かを判断できる値に設定すればよい。
・先の図23に示す構成において、先の第1の実施形態を適用してもよい。これは、先の図27におけるステップS30a〜S58の処理によって実現することができる。
・先の図23に示す構成において、先の第1の実施形態を適用してもよい。これは、先の図27におけるステップS30a〜S58の処理を行って且つ、ステップS32aに代えて、ゼロ電圧ベクトル発生期間と比較する閾値αを、電圧ベクトルV7の発生に伴う電流のリンギングの整定時間とすればよい。また、この閾値αを、例えば整定時間の2倍とするなら、電圧ベクトルV7の発生期間において電圧降下量ru,rv,rwを取り込むときには、電圧ベクトルV7の発生から既に整定時間が経過していることとなる。このため、電圧降下量ru,rv,rwへのリンギングの影響を5%以下とすることができる。
・上記各実施形態では、ゼロ電圧ベクトル発生期間を閾値α(又は偶数電圧ベクトル発生期間、奇数電圧ベクトル発生期間)と比較したが、これに限らない。例えば先の第1〜第4の実施形態において、電圧ベクトルV0の発生期間と閾値αとを比較してもよい。また、例えば第5の実施形態において、電圧ベクトルV7の発生期間と、閾値αとを比較してもよい。
・上記各実施形態では、指令電圧よりもキャリアが大きいときにアーム下段のスイッチング素子14,18,22をオン状態としたが、これに限らず、指令電圧よりもキャリアが小さいときにアーム下段のスイッチング素子14,18,22をオン状態としてもよい。この場合、先の第1〜第4の実施形態では、キャリアが上限値となる都度指令電圧を算出し、キャリアが下限値となる都度電圧降下量を取り込むことが望ましい。また、第5の実施形態では、キャリアが上限値となる都度電圧降下量を取り込み、キャリアが下限値となる都度指令電圧を算出することが望ましい。
・指令電圧の算出タイミングを上記各実施形態やその変形例と同一としなくても、キャリアの1周期内における指令電圧の変化が小さいなら、上記各実施形態と同様の効果を得ることはできる。すなわち、例えば先の図5において、キャリアが上限値となる都度指令電圧を算出するとしても、その変化が小さいなら、出力信号gu,gv,gwは、キャリアが上限値となるタイミングに対して略線対称となるため、キャリアが上限値となるタイミングにおいて電動機4を流れる電流を、キャリアの1周期内の平均値程度とすることができる。
・キャリアは、上昇速度と下降速度とが互いに等しい2等辺三角形形状であるものに限らない。例えば鋸波形状であってもよい。この場合であっても、電圧ベクトルV0や電圧ベクトルV7の発生期間を拡大することは、電圧ベクトルV0や電圧ベクトルV7の発生期間において電圧降下量を取り込む際のリンギングの影響を抑制する上では有効である。
・電動機4の制御装置としては、dq変換を行なうものに限らない。また、上記各実施形態において例示した処理をマイコン50のソフトウェア処理によって実現するものにも限らず、専用のハードウェア手段によって実現するものであってもよい。
・インバータ10の上段又は下段の各スイッチング素子を流れる電流を感知する感知手段としては、上記シャント抵抗Ru,Rv,Rwに限らず、例えば電流センサであってもよい。
・本実施形態では、回転機として電動機4を適用したが、これに限らず、発電機であってもよい。また、ハイブリッド車に搭載される回転機の制御装置に限らず、電気自動車に搭載される回転機の制御装置に本発明を適用してもよい。
第1の実施形態にかかる電動機及びその制御システムの構成を示す図。 同実施形態にかかるマイコン内の処理を示す機能ブロック図。 同実施形態にかかる3相変調部の処理を示すフローチャート。 同実施形態にかかるキャリアと指令電圧及び電圧降下量のそれぞれのサンプリングタイミングとの関係を示す図。 同実施形態にかかるキャリアとインバータの各スイッチング素子のスイッチング態様との関係を示すタイムチャート。 電圧ベクトルを示す図。 上記実施形態にかかるメモリの処理を示すフローチャート。 同実施形態にかかる電流取得部の処理手順を示すフローチャート。 シャント抵抗に基づく電流検出の問題点を示す図。 上記実施形態の着目点を示す図。 同実施形態の着目点を示す図。 同実施形態の変調法変調部の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態による電圧ベクトルV0の発生期間を示す図。 同実施形態による電圧ベクトルV0の発生期間を示す図。 同実施形態による電圧ベクトルV0の発生期間を示す図。 第2の実施形態にかかる電圧ベクトルV0の発生期間の拡大判定閾値の設定態様を示す図。 同実施形態にかかる電圧ベクトルV0の発生期間を示す図。 第3の実施形態にかかる指令電圧の補正の実行の有無を判断する閾値βを示す図。 第3の実施形態にかかるマイコン内の処理を示す機能ブロック図。 同実施形態にかかる変調法切替判定部の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の変調法変更部の処理手順を示すフローチャート。 第4の実施形態にかかる指令電圧の補正の実行の有無を判断する閾値βの設定態様を示す図。 第5の実施形態にかかる電動機及びその制御システムの構成を示す図。 同実施形態にかかるキャリアと指令電圧及び電圧降下量のそれぞれのサンプリングタイミングとの関係を示す図。 同実施形態にかかる指令電圧の補正の実行の有無を判断する閾値βの設定態様を示す図。 同実施形態にかかる変調法切替判定部の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の変調法変更部の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
4…電動機(3相回転機の一実施形態)、10…インバータ、50…マイコン(3相回転機の制御装置の一実施形態)、80…電流取得部(取得手段の一実施形態)、92…変調法変更部(固定手段の一実施形態)。

Claims (9)

  1. 3相回転機の出力を制御すべく、インバータのアームの上段又は下段の各スイッチング素子を流れる電流を感知する感知手段の出力を取り込むとともに、前記3相回転機の出力を所望に制御するための3相の信号波と、搬送波との比較に基づき、前記インバータをパルス幅変調によって操作する3相回転機の制御装置において、
    前記インバータのスイッチング素子のうち前記感知手段側の2相がオン状態となる期間及び3相がオン状態となる期間のいずれかを選択的に拡大すべく、前記搬送波との比較対象となる前記信号波を補正することで、前記搬送波の1周期に渡って、前記信号波間の相対的な大小関係を保持しつつ前記インバータのアームの上段又は下段の1相のスイッチング素子をオン状態に固定する固定手段と、
    前記選択的に拡大された期間内に前記感知手段の出力を取り込むことで、前記3相回転機を流れる電流を取得する取得手段とを備えることを特徴とする3相回転機の制御装置。
  2. 前記搬送波は、上昇速度及び下降速度が略等しい三角波であり、
    前記取得手段は、前記搬送波が上限値近傍又は下限値近傍となる都度前記感知手段の出力を取り込むことを特徴とする請求項1記載の3相回転機の制御装置。
  3. 前記信号波は、前記搬送波が上限値近傍又は下限値近傍となる都度更新されるものであり、
    前記取得手段は、前記信号波の更新周期の中間時点近傍において前記感知手段の出力を取り込むことを特徴とする請求項2記載の3相回転機の制御装置。
  4. 前記固定手段は、前記感知手段側の1相のスイッチング素子をオン状態に固定することで前記感知手段側のスイッチング素子が全相オン状態となる期間が閾値以上となる場合、前記感知手段側の1相のスイッチング素子をオン状態に固定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の3相回転機の制御装置。
  5. 前記固定手段は、補正対象となる信号波と前記搬送波との比較によって定まる前記感知手段側の3相がオン状態となる期間及びオフ状態となる期間についての前記搬送波の1周期内の和が閾値以上であるときには、前記感知手段側の1相のスイッチング素子をオン状態に固定し、前記和が閾値未満であるときには、前記感知手段側でない方の1相のスイッチング素子をオン状態に固定することを特徴とする請求項4記載の3相回転機の制御装置。
  6. 前記閾値が、補正対象となる信号波と前記搬送波との比較によって定まる前記感知手段側の2相がオン状態となる期間であることを特徴とする請求項4又は5記載の3相回転機の制御装置。
  7. 前記閾値が、前記感知手段側の3相のスイッチング素子がオン状態となるのに伴い生じる前記3相を流れる電流のリンギングについての整定時間以上に設定されてなることを特徴とする請求項4又は5記載の3相回転機の制御装置。
  8. 前記固定手段による補正対象となる3相の信号波のうち前記感知手段側のスイッチング素子をオン状態とする期間が最も短い相の信号波の値に基づき、前記固定手段による前記信号波の補正を行うか否かを判断する判断手段を更に備え、
    前記取得手段は、前記補正がなされないとき、前記インバータのスイッチング素子のうち前記感知手段側の2相がオン状態となる期間及び3相がオン状態となる期間のいずれかに前記感知手段の出力を取り込むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の3相回転機の制御装置。
  9. 前記判断手段は、前記最も短い相における前記感知手段側のスイッチング素子をオン状態とする期間が、前記感知手段側の3相のスイッチング素子がオン状態となるのに伴い生じる前記3相を流れる電流のリンギングについての整定時間以下であるとき、前記補正を行う旨の判断をすることを特徴とする請求項8記載の3相回転機の制御装置。
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