JP4715473B2 - 低温靭性と延性に優れた低降伏点厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、地震等による振動のエネルギーを優先的に吸収して鋼構造物の耐震性を向上するためのデバイス(制震ダンパー)に用いる鋼材として好適な225±20N/mm2と低く、かつばらつき範囲の狭い降伏強度を有する、板厚30mm以上の低温靭性と延性に優れた低降伏点厚鋼板およびその製造方法に関する。
建築構造物の耐震性を向上する方法として、変形能力に優れた低降伏点厚鋼板である、降伏点が低く、そのばらつき範囲が狭い鋼材を地震エネルギーの吸収デバイス(制震ダンパー)として構造物の一部に組み込み、優先的な塑性変形によってエネルギーを吸収する方法が用いられている。また、低降伏点厚鋼板は、近年では高層建築構造物だけでなく、橋梁やプラント設備への適用が検討されており、従来の建築構造物には板厚25mm程度までの厚鋼板が用いられていたが、橋梁やプラント設備等の大型構造物にも展開できるように降伏軸力の増大や軸剛性の設計自由度を大きくする為、板厚30mm以上の低降伏点厚鋼板が要求されている。
上記のような低降伏点鋼板として、純鉄に近い成分の鋼を焼準処理することにより低降伏点化を実現する技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。しかし、これらはいずれもフェライト粒を粗大にすることにより降伏点を低下させるものであり、C量自体を0.01%未満まで低減する必要がある為、製造コストの増大や、粒界強度が低下して粒界破壊が生じ易い為、低温靭性に劣るという問題点があった。制震ダンパーには大地震の際には衝撃的な変形荷重が作用する為、本来の目的である塑性変形前に破壊する可能性があり、制震ダンパー部材に使用される鋼材には、優れた靭性が必要である。
靭性の優れた低降伏点鋼として、C、Ti、N量間の関係を適切に制御することにより、Cを極端に低減することなく実効的なCを低減するとともに、靭性を劣化させる固溶Nを低減し、低降伏点化と同時に粗粒フェライト粒でありながら優れた低温靭性を達成する方法が知られている(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照。)。特許文献3〜特許文献5には、Nb、V、Ta等の元素もC、Nを炭窒化物として固定し、実効的なC量を低減する効果を有することが示されている。
また、熱間圧延後に加速冷却を適用することにより、低降伏点と低温靭性を両立させる厚鋼板の製造方法が知られている(例えば、特許文献6参照。)。
特開平5−320760号公報 特開平5−320761号公報 特開平10−183293号公報 特開平11−229076号公報 特開2000−109953号公報 特開2000−256739号公報
しかし、特許文献3〜特許文献5に記載の低降伏点鋼では、複数元素の含有量を同時に制御するという点で製鋼工程における負荷、コストが増大するという問題がある。
また、特許文献6に記載の方法では、得られる厚鋼板の板厚は15〜50mm程度とされているが、その実施例での板厚は25mmであり、板厚が厚いほど靭性が劣化するため、板厚が大きい30mm以上の厚鋼板においては靭性が劣化する懸念がある。また延性(伸び値)も50%程度であり、降伏後の塑性変形能力が制震ダンパー部材としては比較的低いため、更なる優れた延性を有することが望ましい。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、低降伏点化と低温靭性に加えて、高延性を有する板厚30mm以上の厚鋼板を、製鋼工程やそれ以降の製造工程で大きな負荷やコストアップなしに実現する、低温靭性(シャルピー破面遷移温度0℃未満)と延性(全伸び75%以上)に優れた低降伏点厚鋼板およびその製造方法を提案することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)、C:0.02〜0.06mass%、Si:0.2mass%以下、Mn:0.8mass%以下、Al:0.005〜0.05mass%、N:0.006mass%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、フェライト組織の体積率が95%以上の金属組織を有し、表層の硬度がHvで95未満であることを特徴とする板厚30mm以上の低温靭性と延性に優れた低降伏点厚鋼板。
(2)、さらに、Ti:0.005〜0.05mass%、Nb:0.005〜0.05mass%、V:0.005〜0.05mass%、B:0.0003〜0.0030mass%、Cr:0.05〜0.30mass%、Zr:0.005〜0.05mass%のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)に記載の板厚30mm以上の低温靭性と延性に優れた低降伏点厚鋼板。
(3)、さらに、Ca:0.005〜0.05mass%、REM:0.005〜0.05mass%のうち1種または2種を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の板厚30mm以上の低温靭性と延性に優れた低降伏点厚鋼板。
(4)、(1)乃至(3)のいずれかに記載の成分組成を有するスラブを熱間圧延後、870℃以上、980℃以下の温度に再加熱して焼入処理を行い、700℃超え、730℃以下の温度で焼戻し処理して表層の硬度をHvで95未満にすることを特徴とする板厚30mm以上の低温靭性と延性に優れた低降伏点厚鋼板の製造方法。
(5)、(1)乃至(3)のいずれかに記載の成分組成のスラブを熱間圧延後、870℃以上の温度から直接焼入れを行い、700℃超え、730℃以下の温度で焼戻し処理して表層の硬度をHvで95未満にすることを特徴とする板厚30mm以上の低温靭性と延性に優れた低降伏点厚鋼板の製造方法。
本発明によれば、適切な熱処理条件を設定することにより、全厚試験片における圧延方向(L方向)、圧延垂直方向(C方向)において、225±20N/mm2の低降伏強度と、0℃未満のシャルピー破面遷移温度、伸び値75%以上の優れた延性を有する板厚30mm以上の厚鋼板が製造できる。
低降伏点鋼の靭性を向上する為には、CやN等の侵入型元素の含有量を極力少なくして、パーライト等の靭性を劣化させる第2相の生成を抑える方法がある。パーライトは衝撃的な荷重が負荷される際、セメンタイト(Fe3C)とフェライト(α−Fe)の界面が剥離して破壊の起点となることにより、靭性を低下させる。しかしながら、Cの含有量を極端に低減させた場合、合金元素の添加なしではフェライト粒が粗大化し、板厚が厚いほど降伏強度と靭性が顕著に低下してしまう。
また結晶粒を細かくすることにより、靭性を向上させる方法がある。しかしながら、結晶粒の微細化は同時に降伏強度が上昇し、低降伏点の確保が困難となる。
これに対して本発明では、適量のCを含有させた鋼を適切な条件にて焼入れを行った後、700℃超え、730℃以下の焼戻しを施すことにより、焼戻し前の段階で細粒化が顕著である表層直下部のみを再結晶化させ、軟化させることが可能となる事実を見出し、これにより特別な合金元素の添加なしでも、低降伏強度と優れた低温靭性、さらに優れた延性を同時に達成することが可能となることが明らかとなった。
焼入れの適用は、γ→α変態時の冷却速度の増加をもたらし、適量のCを含有する鋼のフェライト粒径を微細化することができる。更にパーライト等の第2相の形成を抑制すると共に、第2相及びセメンタイトの大きさを微細化することによってフェライトと第2相、或いはフェライトとセメンタイトの界面からの破壊発生を抑制し、靭性を向上させることができる。
700℃超え、730℃以下の焼戻しの適用は、AC1点以下の高温にて処理することにより、上記焼入処理の段階で顕著になった表層部の細粒化部のみを再結晶化させ、軟化させる。これにより、厚鋼板の板厚全体にわたって採取した全厚試験片を用いて測定する、全厚試験片による低降伏強度と高延性の確保が可能となる。
以上のように本発明では、C含有量の適正化と焼入れによるγ→α変態制御、また焼戻しを組み合わせることにより、低温靭性と高延性に優れた低降伏点厚鋼板を経済的に製造することができる。本発明の鋼板が必要とする特性は、全厚試験片における圧延方向(L方向)、圧延垂直方向(C方向)において、225±20N/mm2(205〜245N/mm2)の低降伏強度と、0℃未満のシャルピー破面遷移温度を満たす低温靭性、全伸び75%以上の優れた延性である。
本発明を構成する技術の内、まず鋼板の化学成分の限定理由について説明する。以下の説明において%で示す単位は全てmass%である。
C:0.02〜0.06%とする。
C量の増加はパーライト等の第2相を増加させることによって、強度の上昇と靭性劣化の原因となる。一方、固溶Cを極端に少なくすると、合金元素の添加なしではフェライト粒が粗大化し、板厚の厚い厚鋼板の降伏強度と靭性が顕著に低下してしまう。焼入れによるγ→α変態制御によって、むしろCを強度、靭性の制御の為に積極的に利用することができる。0.02%未満では、焼入れによってもフェライト粒径が粗大化してしまい、合金元素の添加なしでは205N/mm2以上の降伏強度と低温靭性を確保することができない。また0.06%を超えると降伏強度が245N/mm2を超えてしまい、低降伏点鋼としての特性を確保できない。そこで、C含有量を0.02〜0.06%とする。
Si:0.2%以下とする。
Siは固溶強化によって鋼の強度を上昇させる元素であり、必要に応じて添加することができる。但し、0.2%を超えて添加すると靭性が著しく劣化する為、0.2%以下とする。
Mn:0.8%以下とする。
Mnは固溶強化とフェライト粒細粒化によって強度を上昇させる元素である。Mn含有量の適正化により、降伏強度を調整することができる。しかし、0.8%を超えると降伏強度が必要以上に増加してしまう為、0.8%以下とする。
Al:0.005〜0.05%とする。
Alは溶鋼の脱酸材として作用する元素であり、十分な脱酸効果を得る為には0.005%以上の添加を必要とする。また鋼中の固溶Nと結び付いて窒化物を形成し、靭性を改善する効果も有する。一方、0.05%を超えると鋼の清浄度が低下し、靭性が低下する為、0.005〜0.05%の範囲に限定する。
N:0.006%以下とする。
鋼中の固溶Nは靭性を著しく劣化させる。固溶Nの靭性への悪影響を排除する為、0.006%以下に限定する。
さらに、Ti:0.005〜0.05%、Nb:0.005〜0.05%、V:0.005〜0.05%、B:0.003〜0.0030%、Cr:0.05〜0.30%、Zr:0.0005〜0.05%のうち1種または2種以上を含有してもよい。
Ti、Nb、V、B、Cr、Zrは鋼中の固溶Nと結び付き、窒化物としてNを固定する作用を有する元素である。N固定化により靭性が向上する為、必要に応じて添加することができる。
Ti、Nb、V、B、Cr、Zrのうち1種または2種以上に加えてさらに、またはTi、Nb、V、B、Cr、Zrを含有しない場合に、Ca:0.005〜0.05、REM:0.005〜0.05%のうち1種または2種を含有してもよい。
Ca、REMは、酸硫化物を形成することによって鋼中のSを固定する作用を有する元素である。Sは粒界に偏析して粒界強度を弱めることがあるので、鋼中の固溶Sを固定することにより、延性および靭性の向上が期待できる。また、粗大なMnSは、圧延方向に垂直な板面方向(C方向)、あるいは板厚方向(Z方向)の延性および靭性を劣化させることが知られているが、これらの元素の添加により、粗大なMnSの生成を抑制することができる。このような効果を得るためには、CaあるいはREMを0.005%以上添加する必要があるが、0.05%を超えるとCa、REM系介在物の量が増加し、かえって靭性が劣化してしまうので、0.005〜0.05%の範囲に限定する。
上記以外の残部は、Fe及び不可避的不純物からなる。
次に鋼板のミクロ組織の限定理由について説明する。
ミクロ組織の95%以上をフェライト組織とする。
フェライト以外の組織からなる第2相は、それ自体が低靭性組織であることに加え、フェライトとの界面において破壊を発生させる為、できる限り第2相の体積率を低減させることが望ましい。第2相の体積率が5%を超えると靭性低下が著しい為、鋼板のミクロ組織は、フェライトの体積率を95%以上、第2相の体積率を5%未満とする。第2相体積率や、フェライトの体積率(フェライト分率)は、顕微鏡組織写真を用いて点算法、線分法、画像解析等の方法によって測定する。
次に、鋼板の表層の硬度について説明する。
表層の硬度がHvで95ポイント未満とする。
ここで、表層とは鋼板表面から2mm以内の領域を指し、Hvはビッカ−ス硬さであり、JISZ2244(1998)に記載の試験荷重49.03Nでの値である。全厚試験片による低降伏強度(225±20N/mm2)と全伸び75%以上の優れた延性を確保する為には、表層が低硬度であることが重要である。鋼板表面から2mm以内の表層直下の領域のHv硬度が95ポイント以上であると、全厚試験片において低降伏強度および高延性を確保できない。
次に鋼材の製造条件について説明する。
熱間圧延後、870℃以上、980℃以下の温度に再加熱して焼入れを行なう。
上記の化学成分を有する鋼板をオーステナイト温度域に再加熱して焼き入れることによってフェライト粒組織を微細に、かつ整粒化して強度、靭性のばらつきを低減して、得られる特性を安定化する。また板厚30mm以上の厚鋼板においても必要な降伏強度と低温靭性を両立することが可能となる。このような効果を得るには、870℃以上に加熱してオーステナイト化する必要があるが、加熱温度が980℃を超えると粗大粒の混在化に伴う焼入れ後の靭性劣化が顕著となる為、870〜980℃の範囲に限定する。焼入れ時の板厚中心部での冷却速度は、870〜300℃の範囲で3℃/s以上確保されることが望ましい。
または、熱間圧延後、板厚中心部において870℃以上の温度から直接焼入れを行なう。
オーステナイト単相域からの直接焼入れであれば、フェライト粒組織を微細に、かつ整粒化して強度、靭性のばらつきを低減した特性が安定して得られる。また板厚30mm以上の厚鋼板においても必要な降伏強度と低温靭性を両立することが可能となる。板厚中心部の温度が870℃未満である場合、焼入れ開始前にγ→α変態が開始してしまい、焼入れによるγ→α変態制御効果を得ることができない為、870℃以上の焼入れ温度に限定する。また上限温度については、上記と同じ理由により、980℃以下であることが望ましい。
700℃超え、730℃以下での焼戻しを行なう。
上記再加熱焼入れ、または直接焼入れによるフェライト結晶粒径の微細化を施した後は、全厚試験片を用いて降伏強度と延性を測定した場合、表層直下部の高硬度部の影響により、そのままでは目標の低降伏強度(225±20N/mm2)及び高延性を確保できない。700℃超え、730℃以下の焼戻し処理を実施することにより、表層直下部のみを再結晶化させて硬度をHvで95未満に低下させることにより、低降伏強度と高延性を確保可能である。焼戻し温度が700℃以下では再結晶化域が不十分であり、降伏強度上限をオーバーしたり、またL方向、C方向の目標降伏強度および延性を同時に確保できない。730℃超えでは再結晶化が板厚内部にも及び、結晶粒の粗大化に伴い降伏強度と低温靭性が低下する為、上限は730℃に限定する。
本発明者らは、表1に示す化学成分(鋼No.A〜Q)を有する310mm厚の連続鋳造スラブを用い、これを1150℃に加熱の後、900℃以上で終了する熱間圧延により、30〜110mm厚の鋼板(鋼板No.A−1〜Q−1)を製造した。圧延後の焼入れ−焼戻し条件を表2に示す。尚、表中に示す温度は板厚中心部の温度である。
Figure 0004715473
Figure 0004715473
得られた鋼板の全厚試験片におけるC方向について、一部についてはL方向についても、引張特性、シャルピー衝撃特性を測定した。引張特性は、降伏強度(YS)、引張強度(TS)、全伸び(El.)を測定した。靭性については、0℃での吸収エネルギー(vE0℃)と破面遷移温度(vTrs)を測定した。また、表層下2mmの位置でのHv硬度を測定した。さらに、フェライト組織の体積率を画像解析で求めた。結果を表3に示す。引張試験はJIS Z2201(1998)に規定される5号試験片を、シャルピー衝撃試験はJIS Z2202(1998)に規定される2mmVノッチシャルピー試験片を採用した。
Figure 0004715473
化学成分が本発明の範囲内であり、本発明方法を用いて製造した本発明例である鋼板は、L方向、C方向において225±20N/mm2の低降伏強度と、全伸び75%以上の優れた延性と、0℃でのシャルピー吸収エネルギーが250J以上、破面遷移温度が0℃未満の優れた低温靭性を有していた。一方で、組成や製造方法が本発明の範囲外である比較例の鋼板では、降伏強度、延性、低温靭性のいずれかが劣っていた。
板厚40mmの鋼板No.A−7〜9について、鋼板断面における硬さ分布を測定した。結果を図1に示す。鋼板No.A−7、8は本発明鋼板であり、表層2mm以内の硬度がHvで95未満であることが分かる。一方で、焼戻し温度が本発明の範囲外である鋼板No.A−9は、表面から2mm以内の硬さがHvで100以上であり、L方向での降伏強度と延性が劣っていた。
鋼板の断面のHv硬さ分布を示すグラフ。

Claims (5)

  1. C:0.02〜0.06mass%、Si:0.2mass%以下、Mn:0.8mass%以下、Al:0.005〜0.05mass%、N:0.006mass%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、フェライト組織の体積率が95%以上の金属組織を有し、表層の硬度がHvで95未満であることを特徴とする板厚30mm以上の低温靭性と延性に優れた低降伏点厚鋼板。
  2. さらに、Ti:0.005〜0.05mass%、Nb:0.005〜0.05mass%、V:0.005〜0.05mass%、B:0.0003〜0.0030mass%、Cr:0.05〜0.30mass%、Zr:0.005〜0.05mass%のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の板厚30mm以上の低温靭性と延性に優れた低降伏点厚鋼板。
  3. さらに、Ca:0.005〜0.05mass%、REM:0.005〜0.05mass%のうち1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の板厚30mm以上の低温靭性と延性に優れた低降伏点厚鋼板。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の成分組成を有するスラブを熱間圧延後、870℃以上、980℃以下の温度に再加熱して焼入処理を行い、700℃超え、730℃以下の温度で焼戻し処理して表層の硬度をHvで95未満にすることを特徴とする板厚30mm以上の低温靭性と延性に優れた低降伏点厚鋼板の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の成分組成のスラブを熱間圧延後、870℃以上の温度から直接焼入れを行い、700℃超え、730℃以下の温度で焼戻し処理して表層の硬度をHvで95未満にすることを特徴とする板厚30mm以上の低温靭性と延性に優れた低降伏点厚鋼板の製造方法。
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