JP4715275B2 - 水性インク用白色顔料の製造方法、水性インク用白色顔料 - Google Patents
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Description
前記コア粒子を含む水系エマルジョンを準備する工程と、
前記水系エマルジョンを、チタンアルコキシドを溶解させた有機溶剤中に添加する工程と、
前記チタンアルコキシドの加水分解により、前記コア粒子の表面に酸化チタンを析出させる工程、
とを含んでなるものである。
本発明による白色水性顔料は、図1に示すように、酸化チタンよりも比重の小さいコア粒子の表面に、酸化チタン層が被覆された構造を有し、顔料の粒径は0.05〜5μmである。従来、白色顔料の隠蔽力を高めるために、0.05〜5μm程度の粒径を有する酸化チタン白色顔料を用いると、インク中で顔料が沈降し凝集してしまう現象がみられた。本発明においては、酸化チタンよりも比重の小さい材料をコアとし、そのコア表面に酸化チタン層を被覆した構造を有する白色顔料とすることにより、酸化チタン単体からなる顔料と比較して比重が小さくなる。そのため、隠蔽力の高い0.05〜5μm程度の粒径を有するある程度大きな顔料粒子を用いた場合であっても、顔料の比重が、酸化チタン単独の白色顔料と比較して小さくなるため、インク中で顔料が安定的に存在できる。また、コアを構成する材料にもよるが、コアと酸化チタン層との界面において光が屈折するため、酸化チタン単体からなる白色顔料と比較してより隠蔽力に優れる。
本発明においては、コア粒子を含む水系エマルジョンを準備する工程と、前記水系エマルジョンを、チタンアルコキシドを溶解させた有機溶剤中に添加する工程と、前記チタンアルコキシドの加水分解により、前記コア粒子の表面に酸化チタンを析出させる工程とを含んでなるものである。このようにして、コア粒子の表面に酸化チタンからなる層が被覆されてなる水性インク用白色顔料を製造することができる。
水性エマルジョンをマイナス20℃以下の非プロトン性溶液中に滴下すると、水性エマルジョンは凝固する。そのため、チタンアルコキシドの非プロトン性溶液の攪拌を十分に行っておく必要がある。また、攪拌に加え、チタンアルコキシドの非プロトン性溶液の入った反応容器を振動させてもよい。
本発明によるインク組成物は、上記の水性インク用白色顔料を着色剤として含んでなるものであり、着色剤に加えて、水、水溶性有機溶剤、湿潤剤、高分子分散剤、界面活性剤、その他各種添加剤を含むことができる。
以下に本発明の実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
300ml容器に、室温でノルマルヘキサン100mlおよびチタンテトライソプロポキシド20gおよび攪拌子を加えて、約マイナス80℃のメタノールバスに入れて2分程度容器ごと冷却した。
得られた水系エマルジョン1を少量とり、スライドグラス上にバーコートした。この時の濡れ膜厚は100μmであった。室温で数分間乾燥させて白色のコート膜を得た。このコート膜の、赤外分光吸収スペクトルを赤外分光光度計_FT/IR−6300(日本分光株式会社製)により測定した。また、コート膜表面を走査型電子顕微鏡S−4700(日立製作所製)を用いて観察を行った。得られた赤外分光スペクトルおよび電子顕微鏡写真を、それぞれ図3および図4に示す。図3および図4に示された結果から明らかなように、コア粒子表面に酸化チタンからなる層が形成されていることが確認できた。
A:酸化チタン被覆処理前のコア粒子膜よりも隠蔽性が優れている。
B:酸化チタン被覆処理前のコア粒子膜と同等の隠蔽性である。
C:酸化チタン被覆処理前のコア粒子膜よりも隠蔽性が劣っている。
結果は下記の表1に示される通りであった。
また、水性インク用白色顔料含む水系エマルジョン中の粒子沈降性評価を行った。評価は水系エマルジョンを10日間静置した後、容器底面の状態を目視により観察した。評価基準は次の通りとした。
B:酸化チタン被覆処理前のコア粒子よりも粒子沈降性が劣るが、沈降物や沈殿が見られない。
結果は下記の表1に示される通りであった。
2 酸化チタン層
3 中空部分
Claims (8)
- 酸化チタンよりも比重の小さい材料からなるコア粒子と、そのコア粒子の表面に被覆された酸化チタン層とを備え、粒径が0.05〜5μmである、水性インク用白色顔料を製造する方法であって、
前記コア粒子が水に分散した水系エマルジョンを準備する工程と、
前記水系エマルジョンを、チタンアルコキシドを溶解させた有機溶剤中に添加する工程と、
前記チタンアルコキシドの加水分解により、前記コア粒子の表面に酸化チタンを析出させる工程、とを含んでなり、
前記コア粒子が、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、から選択される少なくとも一種以上である、水性インク用白色顔料の製造方法。 - 前記水系エマルジョンの添加を、マイナス20℃以下で行う、請求項1に記載の水性インク用白色顔料の製造方法。
- 前記有機溶剤が非プロトン性溶剤である、請求項1又は2に記載の水性インク用白色顔料の製造方法。
- 前記水系エマルジョンを有機溶剤中に添加した後、密閉容器内で熱処理する工程をさらに含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性インク用白色顔料の製造方法。
- 前記熱処理が100℃以上の温度で行われる、請求項4に記載の水性インク用白色顔料の製造方法。
- 前記コア粒子が中空構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性インク用白色顔料の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法により得られた水性インク用白色顔料。
- 酸化チタンよりも比重の小さい材料からなるコア粒子と、そのコア粒子の表面に被覆された酸化チタン層とを備えた水性インク用白色顔料であって、
粒径が0.05〜5μmであり、
前記コア粒子が、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、から選択される少なくとも一種である、水性インク用白色顔料。
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