JP4714954B2 - スクロール流体機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスクロール流体機械に関し、より特定的には、非対称形状の渦巻体を有するスクロール流体機械において、圧縮途中の圧縮室内に外部から冷媒をインジェクションするためのインジェクション手段の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、非対称形状の渦巻体を有するスクロール流体機械は知られている。
図8に、このタイプのクロール流体機械における渦巻体を示す。
【0003】
スクロール流体機械は固定スクロールおよび可動スクロールを備え、図8に示すように、固定スクロールの渦巻体2aと可動スクロールの渦巻体3a間に冷媒を圧縮するための複数の圧縮室6が形成される。
【0004】
より詳しくは、可動スクロールの渦巻体3aを挟んで隣り合う1組の圧縮室6が形成される。この1組の圧縮室6はそれぞれ固定スクロールの中央部に設けられた吐出ポートに向って移動し、その際に各々の容積が減少する。それにより、圧縮室6内で冷媒が圧縮される。
【0005】
固定スクロールの渦巻体2aの巻終り端部2a1は、可動スクロールの渦巻体3aの巻終り端部3a1近傍にまで延在している。それにより、図8に示すように、圧縮室6へ冷媒を吸入する吸入部11を1箇所に集約することができる。
【0006】
また、固定スクロールは、圧縮途中の圧縮室6に液冷媒を供給するためのインジェクション用ポート2cと、圧縮途中の冷媒の一部を圧縮室6から外部へ逃がすためのパワーセーブ用ポート10とを有する。インジェクション用ポート2cとパワーセーブ用ポート10は各々1箇所に設けられる。
【0007】
上記の構成を有するスクロール流体機械において、ケーシング内に送り込まれた冷媒は吸入部11を通して圧縮室6内に吸い込まれる。そして、圧縮室6内で所定圧にまで圧縮された後、外部へ吐出される。
【0008】
上記の圧縮過程において、圧縮室6内の冷媒温度が必要異常に上昇した場合には、インジェクション用ポート2cから液冷媒を圧縮室6内に供給することにより冷媒温度を下げることができる。他方、パワーセーブを行なう必要がある場合には、パワーセーブ用ポート10を通して冷媒の一部を圧縮室6から外部へ逃がすことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のスクロール流体機械において圧縮室6に冷媒をインジェクションする際には、冷媒は1箇所に設けらたインジェクション用ポート2cを通して各圧縮室6内に供給される。そのため、各圧縮室6へのインジェクション用ポート2cの開口時間が短くなる。具体的には、クランク角度(回転角)で180度以下の範囲内でしかインジェクション用ポート2cは各圧縮室6に開口しない。
【0010】
その結果、圧縮室6内へ充分な量の冷媒を供給することができず、液冷媒を供給する場合には冷却不足となり、ガス冷媒を供給する場合には能力不足となるという問題があった。
【0011】
また、パワーセーブ用ポート10も1箇所にしか設けられていないので、いずれか一方の圧縮室6が液圧縮等により異常高圧状態となった場合に、冷媒をリリーフできない場合が生じ得る。この場合には、渦巻体2a,3aの割れ等の問題が生じる。
【0012】
さらに、上記のようにインジェクション用ポート2cの開口時間が短いことに起因して、インジェクション用ポート2cの径を大きくする必要がある。したがって、インジェクション用ポート2cの容積が大きくなる。インジェクションを行なわない時には圧縮室6内からインジェクション用ポート2c内に冷媒が流入するので、インジェクション用ポート2cの容積が大きい場合には、死容積が大きくなる。それにより、圧縮時の損失が増大するという問題も生じる。
【0013】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものである。この発明の目的は、外部から各圧縮室内へ充分な量の冷媒を供給することができ、液圧縮等により圧縮室内が異常高圧状態となった場合においても渦巻体の割れ等を効果的に抑制することができ、かつインジェクションを行なわない時における死容積を低減して圧縮時の損失を低減可能なスクロール流体機械を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のスクロール流体機械は、固定スクロールおよび可動スクロール(2,3)と、第1および第2圧縮室(6a,6b)と、第1および第2ポート(2c1,2c2)と、インジェクション管(7)とを備える。固定スクロール(2)は、第1渦巻体(2a)を有する。可動スクロール(3)は、第1渦巻体(2a)の巻終り端部近傍に巻終り端部が位置する第2渦巻体(3a)を有する。第1および第2圧縮室(6a,6b)は、固定スクロール(2)および可動スクロール(3)間に形成され、第2渦巻体(3a)を挟んで隣り合う。第1および第2ポート(2c1,2c2)は、圧縮途中の第1および第2圧縮室(6a,6b)にそれぞれ開口し、第1および第2圧縮室(6a,6b)に冷媒をインジェクションする。インジェクション管(7)は、第1および第2ポート(2c1,2c2)に冷媒を供給する。なお、上記巻終り端部とは、本願明細書では、最外周側に位置する渦巻体の端部のことを称する。
【0015】
上記のように第1および第2ポート(2c1,2c2)を設けることにより、各ポート(2c1,2c2)から第1および第2圧縮室(6a,6b)に冷媒をインジェクションすることができる。ここで、各ポート(2c1,2c2)の形成位置を適切に選択することにより、各圧縮室(6a,6b)へのインジェクション時間を従来例よりも長くすることができ、各圧縮室(6a,6b)内へ充分な量の冷媒を供給することができる。また、液圧縮等による異常高圧状態が発生した場合には、たとえば第1および第2ポート(2c1,2c2)を連通させることにより、一方の圧縮室(6a)から他方の圧縮室(6b)内へ冷媒をリークさせることができる。それにより、いずれの圧縮室(6a,6b)が異常高圧状態となった場合でも、その圧縮室(6a,6b)内の圧力を低下させることができる。その結果、異常高圧に起因する渦巻体の割れ等を効果的に抑制することができる。さらに、各圧縮室(6a,6b)へのインジェクション時間を長くすることができるので、第1および第2ポート(2c1,2c2)からの単位時間あたりの冷媒供給量を少なくすることができる。それにより、たとえば第1および第2ポート(2c1,2c2)の径を小さくすることができ、インジェクションを行なわない時における死容積を低減することができる。その結果、圧縮時の損失をも低減することができる。
【0016】
請求項2に記載のスクロール流体機械では、第1および第2ポート(2c1,2c2)は、固定スクロール(2)の径方向に離隔して配置される。
【0017】
それにより、第1および第2圧縮室(6a,6b)内への第1および第2ポート(2c1,2c2)の開口時間を従来例よりも長くすることができ、第1および第2圧縮室(6a,6b)内へ充分な量の冷媒を供給することができる。
【0018】
請求項3に記載のスクロール流体機械では、第1ポート(2c1)は、第1渦巻体(2a)の外周面近傍に設けられ、第2ポート(2c2)は、第1渦巻体(2a)の内周面近傍に設けられる。
【0019】
このように第1および第2ポート(2c1,2c2)を第1渦巻体(2a)の外周面あるいは内周面近傍に配置することにより、第1および第2圧縮室(6a,6b)内への第1および第2ポート(2c1,2c2)の開口時間をさらに長くすることができる。具体的には、クランク角度(回転角)でほぼ360度分に相当する開口時間を確保することができる。
【0020】
請求項1に記載のスクロール流体機械では、第1および第2ポート(2c1,2c2)は、最外周に位置する第1および第2圧縮室(6a,6b)が形成された後、若干回転して該第1および第2圧縮室(6a,6b)の進行方向先端部分とそれぞれ連通する位置に設けられる。つまり、最外周に位置する各圧縮室(6a,6b)の形成に各圧縮室(6a,6b)の進行方向先端部分と連通するように第1および第2ポート(2c1,2c2)を設ける。
【0021】
このことも、第1および第2圧縮室(6a,6b)への第1および第2ポート(2c1,2c2)の開口時間を長く確保することに効果的に寄与し得る。
【0022】
請求項に記載のスクロール流体機械は、第1と第2ポート(2c1,2c2)を連通させる連通路を備える。
【0023】
このように連通路を設けることにより、第1と第2ポート(2c1,2c2)を連通させることができる。それにより、一方の圧縮室(6a)が異常高圧状態となった場合に、該一方の圧縮室(6a)から他方の圧縮室(6b)へ冷媒をリークさせることができ、異常高圧状態の発生に起因する渦巻体の割れ等を抑制することができる。
【0024】
請求項に記載のスクロール流体機械では、固定スクロール(2)にインジェクション管(7)からの冷媒を受け入れる冷媒通路を設ける。第1と第2ポート(2c1,2c2)は、固定スクロール(2)に設けられ、冷媒通路を介して連通する。この冷媒通路が上記の連通路となる。
【0025】
このように冷媒通路を設けることにより、インジェクション管(7)からの冷媒を第1および第2ポート(2c1,2c2)に供給できるばかりでなく、第1と第2ポート(2c1,2c2)を連通させることもできる。それにより、一方の圧縮室(6a)における異常高圧状態発生時に、該一方の圧縮室(6a)から他方の圧縮室(6b)へ冷媒をリークさせることができる。
【0026】
請求項4に記載のスクロール流体機械は、第1渦巻体(2a)を有する固定スクロール(2)と、第1渦巻体(2a)の巻終り端部近傍に巻終り端部が位置する第2渦巻体(3a)を有する可動スクロール(3)と、固定スクロール(2)および可動スクロール(3)間に形成され、第2渦巻体(3a)を挟んで隣り合う第1および第2圧縮室(6a,6b)と、圧縮途中の第1および第2圧縮室(6a,6b)にそれぞれ開口し、第1および第2圧縮室(6a,6b)に冷媒をインジェクションする複数のポート(2c1,2c2)と、複数のポート(2c1,2c2)に冷媒を供給するインジェクション管(7)と、複数のポート(2c1,2c2)を連通させる連通路とを備え、固定スクロール(2)にインジェクション管(7)からの冷媒を受け入れる冷媒通路を設け、複数のポート(2c1,2c2)は、固定スクロール(2)に設けられ、冷媒通路を介して連通し、冷媒通路が上記連通路となり、第1および第2ポート(2c1,2c2)は、最外周に位置する第1および第2圧縮室(6a,6b)が形成された後、若干回転して該第1および第2圧縮室(6a,6b)の進行方向先端部分とそれぞれ連通する位置に設けられる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明では、非対称形状の渦巻体を有するスクロール流体機械において、複数のインジェクション用ポートを設けたことを重要な特徴としている。
【0029】
このインジェクション用ポートの形成位置を適切に選択することにより、可動スクロールの渦巻体を挟んで隣り合う1組の圧縮室へのインジェクション開口時間を従来例よりも格段に長くすることができる。具体的には、クランク角度(スクロールの回転角)でほぼ360度の範囲内で各圧縮室に冷媒のインジェクションを行なうことができる。
【0030】
それにより、上記の各圧縮室に充分な量の冷媒をインジェクションすることができ、液冷媒をインジェクションする場合には冷却不足を解消することができ、ガス液冷媒をインジェクションする場合には能力不足を解消することができる。
【0031】
また、インジェクション開口時間を長くすることができるので、インジェクション用ポートの径を小さく設定することができる。それにより、インジェクションを行なわない時の死容積をも低減することができ、圧縮時の損失を低減することができる。
【0032】
さらに、上記のインジェクション用ポートを互いに連通させることにより、一方の圧縮室で液圧縮等の異常高圧状態が発生した場合には、インジェクション用ポートを通して他方の圧縮室へ冷媒を送り込むことができる。それにより、圧縮室における異常高圧状態の発生を効果的に抑制することができ、異常高圧状態の発生に起因する渦巻体の割れ等をも回避することができる。
【0033】
以下、図1〜図7を用いて、本発明の1つの実施の形態について説明する。図1は、本発明の1つの実施の形態におけるスクロール流体機械の部分断面図である。
【0034】
図1に示すように、本発明に係るスクロール流体機械は、ケーシング1と、固定スクロール2と、可動スクロール3と、軸受ハウジング(架構)4と、クランク軸5と、インジェクション管7と、吐出管9とを備える。
【0035】
ケーシング1は、ケーシングトップ1aと、円筒状胴部1bとを有する。固定スクロール2と可動スクロール3はそれぞれ渦巻体2a,3aを有し、該渦巻体2a,3a間に複数の圧縮室6が形成される。渦巻体2aの巻終り端部は、渦巻体3aの巻終り端部近傍に位置する。つまり、スクロール流体機械は、非対称形状の渦巻体2a,3aを有する。
【0036】
固定スクロール2にはコネクタ8aを介してインジェクション管7が接続される。インジェクション管7は、圧縮途中の圧縮室6内に液冷媒あるいはガス冷媒をインジェクションする。該インジェクション管7は、コネクタ8bを介してケーシングトップ1aに固定される。このコネクタ8bに外部配管が接続される。
【0037】
固定スクロール2の背面には凹部2bが設けられ、コネクタ8aは、該凹部2b内に受入れられる。このようにコネクタ8aを凹部2b内に嵌入するだけでよいので、固定スクロール2とインジェクション管7との接続作業を容易に行なうことができる。
【0038】
また、コネクタ8aは、図1に示すように、コネクタ8aを軸方向に貫通する貫通孔と、軸方向一端にフランジ部とを有する。上記貫通孔内にインジェクション管7の一端が挿入され、上記フランジ部が固定スクロール2の背面と係合する。
【0039】
図1に示すようにコネクタ8aの下端部は凹部2b内に挿入されるが、凹部2b内へのコネクタ8aの挿入部分の長さを凹部2bの深さよりも小さく設定することにより、コネクタ8aの取付後に凹部2bの底部に間隙(空間)を形成することができる。
【0040】
上記の間隙を利用して、後述するように第1および第2ポート2c1,2c2を連通させることができる。なお、この間隙内にはインジェクションを行なわない時に圧縮室6内の冷媒が流入するので、この間隙を小さく設定することにより、圧縮時の死容積を低減することができる。
【0041】
固定スクロール2には、インジェクション管7からの冷媒を各圧縮室6に供給するための第1および第2ポート2c1,2c2が設けられる。第1および第2ポート2c1,2c2は、上記凹部2bの底面に開口し、かつ固定スクロール2の鏡板を貫通して各圧縮室6にも開口する。
【0042】
上記のように第1および第2ポート2c1,2c2を凹部2bの底面に開口させることにより、上記の間隙を複数の圧縮室6の連通路として機能させることができる。このように間隙(連通路)を介して複数の圧縮室6を連通させることができるので、1つの圧縮室6が異常高圧状態となった場合でも、その圧縮室6内から他の圧縮室6内へ冷媒等をリークさせることができる。
【0043】
それにより、異常高圧状態となった圧縮室6内の圧力を低減することができるばかりでなく、異常高圧状態の発生をも効果的に抑制することができる。その結果、異常高圧状態の発生に起因する渦巻体2a,3aの割れ等を回避することができ、スクロール流体機械の信頼性を向上させることができる。
【0044】
ここで、図2〜図7を用いて、第1および第2ポート2c1,2c2の形成位置等について詳しく説明する。図2〜図4は、第1圧縮室6aへの冷媒インジェクションを説明するための図であり、図5〜図7は、第2圧縮室6bへの冷媒インジェクションを説明するための図である。
【0045】
図2〜図7に示すように、可動スクロール3を挟んで隣り合う第1および第2圧縮室6a,6bが固定スクロール2の中央部に向って移動し、その際に各圧縮室6a,6b内で冷媒が圧縮される。
【0046】
この場合であれば、第1圧縮室6aは、固定スクロール2の渦巻体2aの内周面と可動スクロール3の渦巻体3aの外周面間に形成され、第2圧縮室6bは、固定スクロール2の渦巻体2aの外周面と可動スクロール3の渦巻体3aの内周面間に形成される。
【0047】
図2には、第1圧縮室6aの閉じきり直後(形成直後)の状態を示している。この状態から可動スクロール3が若干回転した後に、図3に示すように第2ポート2c2と第1圧縮室6aとが連通する。つまり、第2ポート2c2は、最外周に位置する第1圧縮室6aの形成直後に、その第1圧縮室6aと連通する位置に設けられる。より詳しくは、最外周に位置する第1圧縮室6aの形成直後に、第1圧縮室6aの進行方向先端部分と連通するように第2ポート2c2は設けられる。
【0048】
それにより、第1圧縮室6aへの第2ポート2c2の開口時間を長く確保することができる。具体的には、図3に示す状態から図4に示す状態までの間、すなわちクランク角度(可動スクロール3の回転角)でほぼ360度分に相当する時間、第1圧縮室6aに第2ポート2c2を開口させることができる。
【0049】
図5に、第2圧縮室6bの閉じきり直後(形成直後)の状態を示す。この第2圧縮室6bには、図6および図7に示すように、第1ポート2c1が開口する。この第1ポート2c1の形成位置については、上述の第2ポート2c2の場合と同様であるので説明は省略する。この第1ポート2c1の場合も、上述の第2ポート2c2の場合と同様に、開口時間を長く確保することができる。
【0050】
このように第1圧縮室6a専用の第2ポート2c2と、第2圧縮室6b専用の第1ポート2c1を設けることにより、各圧縮室6a,6bへのインジェクション時間を上述のように長くすることができ、各圧縮室6a,6b内へ充分な量の冷媒を供給することができる。
【0051】
また、上記のように各圧縮室6a,6bへのインジェクション時間を長くすることができるので、第1および第2ポート2c1,2c2からの単位時間あたりの冷媒供給量を少なくすることができる。それにより、たとえば第1および第2ポート2c1,2c2の径(容積)を小さくすることができる。
【0052】
インジェクションを行なわない時には各圧縮室6a,6b内の冷媒が第1および第2ポート2c1,2c2内に入り込むので、上記のように第1および第2ポート2c1,2c2の容積を小さくすることにより、圧縮時における死容積を低減することができる。その結果、圧縮時の損失を低減することができる。
【0053】
図2〜図7に示すように、第1および第2ポート2c1,2c2は、固定スクロール2の径方向に離隔して配置される。より詳しくは、第1ポート2c1は、第1渦巻体2aの外周面近傍に設けられ、第2ポート2c2は、第1渦巻体2aの内周面近傍に設けられる。このことも、第1および第2ポート2c1,2c2の開口時間を長くすることに効果的に寄与し得る。
【0054】
再び図1を参照して、軸受ハウジング4は、クランク軸5を支える一方の軸受(図示せず)を保持するとともに、スラスト受面で可動スクロール3を支持する。
【0055】
クランク軸5の一端にはクランクピン部(偏心部)が設けられ、該クランクピン部が可動スクロール3背面に設けられたボス部に嵌入される。このクランク軸5をモータ(図示せず)で回転操作することにより、可動スクロール3を公転させることができる。吐出管9は、ケーシングトップ1aに取付けられ、圧縮後の冷媒を外部に吐出する。
【0056】
上述の構成を有するスクロール流体機械において、ケーシング1内に吸入管(図示せず)を通して外部から冷媒が供給される。この冷媒はケーシング1内を上昇して各圧縮室6a,6b内に達し、各圧縮室6a,6b内で所定圧にまで圧縮される。このとき、上述の連通路、第1および第2ポート2c1,2c2の容積を小さく設定することにより、前述のように圧縮時の損失を低減することができる。
【0057】
また、圧縮途中で各圧縮室6a,6b内の冷媒が必要以上に高温となった場合には、インジェクション管7、連通路(間隙)、第1および第2ポート2c1,2c2を通して各圧縮室6a,6b内に充分な量の液冷媒をインジェクションすることができる。それにより、冷媒温度を所望の値に調整することができる。
【0058】
さらに、冷媒を各圧縮室6a,6b内に補充する必要が生じた場合には、上記と同様の経路を経て各圧縮室6a,6b内に充分な量のガス液冷媒をインジェクションすることができる。それにより、充分な能力向上を図ることができる。
【0059】
さらに、圧縮途中にたとえば第1圧縮室6aで液圧縮が生じた場合には、連通路、第1および第2ポート2c1,2c2を通して、該第1圧縮室6a内から第2圧縮室6b内へ冷媒を送り込むことができる。それにより、圧縮室6a,6bが異常高圧状態となるのを回避することができ、渦巻体の割れ等を抑制することができる。
【0060】
上記の過程を経て各圧縮室6a,6b内で圧縮された冷媒は、吐出管9を通して外部に吐出されることとなる。
【0061】
以上のように本発明の1つの実施の形態について説明を行なったが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0062】
たとえば、上述の実施の形態では2つのインジェクション用ポート2c1,2c2を設ける例を開示したが、該ポートの数は複数であれば任意に変更可能である。また、ポート2c1,2c2の形成位置についても、図2〜図7に記載の位置以外の任意の形成位置を選択可能である。
【0063】
また、2つのポート2c1,2c2を連通させる連通路の一例としてコネクタ8aと凹部2b底面との間の間隙を例示したが、2つのポート2c1,2c2を連通させることができるものであれば他のいかなる手段をも採用可能である。たとえば、固定スクロール2中に2つのポート2c1,2c2を連通させる通路を形成してもよく、またインジェクション管7自体あるいはインジェクション管7と接続される管等を介して2つのポート2c1,2c2を連通させてもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各圧縮室(6a,6b)内へ充分な量の冷媒を供給することができ、異常高圧に起因する渦巻体の割れ等をも効果的に抑制することができ、さらに圧縮時の損失をも低減することができる。それにより、スクロール流体機械の性能のみならず信頼性をも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスクロール流体機械の部分断面図である。
【図2】 第1圧縮室の閉じきり直後の各渦巻体と本発明に係るインジェクション用ポートを示す図である。
【図3】 第1圧縮室へのインジェクション開始直前の各渦巻体と本発明に係るインジェクション用ポートを示す図である。
【図4】 第1圧縮室へのインジェクション終了直後の各渦巻体と本発明に係るインジェクション用ポートを示す図である。
【図5】 第2圧縮室の閉じきり直後の各渦巻体と本発明に係るインジェクション用ポートを示す図である。。
【図6】 第2圧縮室へのインジェクション開始直前の各渦巻体と本発明に係るインジェクション用ポートを示す図である。
【図7】 第2圧縮室へのインジェクション終了直後の各渦巻体と本発明に係るインジェクション用ポートを示す図である。
【図8】 従来のスクロール流体機械の圧縮要素の部分断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング、1a ケーシングトップ、1b 円筒状胴部、2 固定スクロール、2a,3a 渦巻体、2b 凹部、2c1 第1ポート、2c2 第2ポート、3 可動スクロール、4 軸受ハウジング、5 クランク軸、6 圧縮室、6a 第1圧縮室、6b 第2圧縮室、7 インジェクション管、8a,8b コネクタ、9 吐出管。

Claims (4)

  1. 第1渦巻体(2a)を有する固定スクロール(2)と、
    前記第1渦巻体(2a)の巻終り端部近傍に巻終り端部が位置する第2渦巻体(3a)を有する可動スクロール(3)と、
    前記固定スクロール(2)および前記可動スクロール(3)間に形成され、前記第2渦巻体(3a)を挟んで隣り合う第1および第2圧縮室(6a,6b)と、
    圧縮途中の前記第1および第2圧縮室(6a,6b)にそれぞれ開口し、前記第1および第2圧縮室(6a,6b)に冷媒をインジェクションする第1および第2ポート(2c1,2c2)と、
    前記第1および第2ポート(2c1,2c2)に冷媒を供給するインジェクション管(7)と、
    前記第1と第2ポート(2c1,2c2)を連通させる連通路とを備え、
    前記固定スクロール(2)に前記インジェクション管(7)からの冷媒を受け入れる冷媒通路を設け、
    前記第1と第2ポート(2c1,2c2)は、前記固定スクロール(2)に設けられ、前記冷媒通路を介して連通し、
    前記冷媒通路が前記連通路となり、
    前記第1および第2ポート(2c1,2c2)は、最外周に位置する前記第1および第2圧縮室(6a,6b)が形成された後、若干回転して該第1および第2圧縮室(6a,6b)の進行方向先端部分とそれぞれ連通する位置に設けられる、スクロール流体機械。
  2. 前記第1および第2ポート(2c1,2c2)は、前記固定スクロール(2)の径方向に離隔して配置される、請求項1に記載のスクロール流体機械。
  3. 前記第1ポート(2c1)は、前記第1渦巻体(2a)の外周面近傍に設けられ、
    前記第2ポート(2c2)は、前記第1渦巻体(2a)の内周面近傍に設けられる、請求項2に記載のスクロール流体機械。
  4. 第1渦巻体(2a)を有する固定スクロール(2)と、
    前記第1渦巻体(2a)の巻終り端部近傍に巻終り端部が位置する第2渦巻体(3a)を有する可動スクロール(3)と、
    前記固定スクロール(2)および前記可動スクロール(3)間に形成され、前記第2渦巻体(3a)を挟んで隣り合う第1および第2圧縮室(6a,6b)と、
    圧縮途中の前記第1および第2圧縮室(6a,6b)にそれぞれ開口し、前記第1および第2圧縮室(6a,6b)に冷媒をインジェクションする複数のポート(2c1,2c2)と、
    前記複数のポート(2c1,2c2)に冷媒を供給するインジェクション管(7)と、
    前記複数のポート(2c1,2c2)を連通させる連通路とを備え、
    前記固定スクロール(2)に前記インジェクション管(7)からの冷媒を受け入れる冷媒通路を設け、
    前記複数のポート(2c1,2c2)は、前記固定スクロール(2)に設けられ、前記冷媒通路を介して連通し、
    前記冷媒通路が前記連通路となり、
    前記第1および第2ポート(2c1,2c2)は、最外周に位置する前記第1および第2圧縮室(6a,6b)が形成された後、若干回転して該第1および第2圧縮室(6a,6b)の進行方向先端部分とそれぞれ連通する位置に設けられる、スクロール流体機械。
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