JP4714734B2 - 座標測定装置用プローブ - Google Patents
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Description
このタイプの座標測定装置は、測定対象物の形状を高精度に測定するために使用される。典型的な用途は、製造中の品質管理の過程での機械加工ワークピースの測定である。対象物の形状は、可動フレームによってプローブを対象物の定義ポイントへと移動させ、プローブの現在位置またはプローブに接続されている触覚素子の現在位置を決定することによって測定される。特に、空間座標の読み取り動作を開始するために、プローブに固定された触覚ピンを使用して対象物を走査することが公知となっている。
下記特許文献3にも、上下に配置された複数のスプリング・パラレログラムを備えたプローブが開示されている。このプローブにおいては、摩擦力を調整可能な摩擦ブレーキが減衰部材として使用されている。下記特許文献4には、ゴムシリンダまたはガラス粉を減衰素子として使用することが開示されている。さらに、下記特許文献5には、座標測定装置において粘性ダンパすなわち粘性媒体を減衰素子として使用することが開示されている。
したがって、新規のプローブは、導体素子が移動時に磁力線に曝されるように設計されたマグネット構成を有し、前記磁力線が顕著に異なる方向を有している。これに対して、現在公知のプローブの渦電流ブレーキにおいては、同一方向または少なくとも実質的に同一方向の磁力線を有する均一な磁場において可動導体素子を移動させるのが通例であった。導体素子の移動時の本発明における磁場方向の変化によって、減衰効果が増大する。したがって、このマグネット構成に必要な据付スペースを低減する一方、同じ減衰効果を維持することができる。すなわち、同じ据付スペースで、より大きな減衰効果を達成することができる。減衰効果の向上によって、触覚ピン(より一般的には、可動部材。この新しい原理を利用して、プローブの他の可動部材、例えばハウジングと触覚ピンとの間の中間素子などの振動を減衰することもできる)を、中央減衰部材によって効率的かつ省スペース可能な方法で複数の座標軸方向に減衰させることができる。
さらに、方向変化の頻度や特別な設計によって、減衰効果を可変設定できるので、本発明の解決策は非常に適応性が高い。
したがって、上記の目的は、完全に達成される。
この好適な改良態様においては、可動導体素子は、反対方向の磁力線を横切り、これによって特に減衰効果が増大する。上記の利点は、この改良態様において特に効果的である。
更なる改良態様において、マグネット構成は、磁束ガイド素子によって相互接続された複数のマグネットを備えている。
この改良態様は、適応性(フレキシビリティ)という点で特に有利である。交換可能なマグネットによって、マグネットに使用する磁性材料、ならびにマグネットの数、向きおよび強度を可変とすることができる。したがって、例えば、触覚ピン重量および触覚ピン長の差異を補償するために、後で特定の座標測定装置に減衰を適合させることができる。さらに、製造の合理化が可能である。
言い換えれば、第1および第2の導体素子(および一体的に相互接続可能な、または個別に実施可能な更なる導体素子)が、可動である第2の部材の外周上に可動である第2の部材から半径方向に距離をおいて分布するように配置されている。したがって、前記導体素子は、可動である第2の部材に対して様々な周囲位置にある。導体素子の数が2に限定される場合、導体素子は、周方向に互いに90度ずれていることが好ましく、これによって、少数の部材で、2つの座標軸方向の可動部材の減衰が可能となる。あるいは、同様に好適な改良態様においては、1つの座標軸方向において高減衰効果と対称的な重量分布とを得るために、2つの導体素子が、周方向に互いに180度ずれている。
更なる改良態様において、3つまたは4つの導体素子が、第2の部材の周囲に均等に分布するように配置されている。
言い換えれば、第1および第2の導体素子(および更なる導体素子)は、空間的に離れた部材である。この改良態様によって、個々の導体素子の交換と、異なる空間方向における異なる減衰要件に対する適合とが容易になる。
更なる改良態様において、新規のプローブは、それ自体プローブにおいて既に公知のように、スプリング素子、特にいわゆる隔膜(ダイヤフラム)スプリングを有し、このスプリング素子によって第2の部材が第1の部材に対して可動に取り付けられ、スプリング素子が移動平面を定義し、導体素子が移動平面から直角に距離をおいて配置されている。
この改良態様において、第2の部材が振動している場合、導体素子の移動ストロークは比較的小さい。移動ストロークが小さいことによって、導体素子が内部を移動するマグネット構成内の空隙を非常に狭く保つことができ、これによって、結果的に空隙内の磁場強度が高まる。結果的に生じる効率の向上によって、特にコンパクトな設計が可能となる。
この改良態様は、動力特性の低下を防止または少なくとも抑制する。言い換えれば、新規なプローブにおいて、減衰部材の低重量素子、通常、導体素子が、可動である第2の部材に固定されていると、高度な動力特性レベルが達成される。ただし、導体素子が高重量素子である場合、相応に構成を置き換えることが好ましい選択である。
この改良態様では、異なる素材で形成され、異なるサイズを有する異なる質量の導体素子を使用するので、減衰効果を特に容易に適合させることができる。例えば、銅は、導電率が非常に高く、それゆえ渦電流が強いので好ましい。これに対して、アルミニウムは、軽量であるが、若干減衰効果が低い。導体素子を交換可能としたことによって、変形態様の多様性および新規のプローブの適合性が増大する。
上記の2つの選択肢は上記のような長所と短所とを有するが、これら2つの元素は、その特性により、利用可能な数多くの素材の中でも特に好適である。
もちろん、上記および下記の特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、上記の組み合わせだけでなく、その他の組み合わせまたは単独でも使用可能である。
図1において、座標測定装置は、その全体が参照番号10で示されている。座標測定装置10は、ベースプレート12を有し、その上に、ポータル14が長手方向に移動可能に配置されている。長手方向は、通常、y軸として示されている。x方向に移動可能な摺動部16は、ポータル14の上部クロスバー上に配置されており、z方向に調節可能なラム18を支持している。参照番号20、22、24は、3つの空間方向x、y、zに沿ったポータル14、摺動部16およびラム18の調節位置を読取可能なスケールを示す。この場合、スケール20、22、24は、座標測定装置10のオペレータによって読み取られる典型的な測定スケールとすることができる。ただし、代替的または追加的に、これらを機械的に読取可能な測距センサとすることもできる。
参照番号34は、オペレータ制御コンソールを示し、ここでは座標測定装置10を手動で制御するためにも使用可能である。ただし、制御ユニット32およびオペレータ制御コンソール34は、ここでは、例示目的のためにのみ示されており、他の例示的な実施形態においては、省略したり、他の部材と置き換えてもよい。
図2は、プローブ26の好適な例示的な実施形態の、いわゆる運動モジュールを示す。この運動モジュールは、対象物30に接触または対象物30を走査する場合に触覚ピン28を制御可能な方法で偏位(偏向)させるための部材を備えている。もちろん、触覚ピン28は、運動モジュールに直接接続させる必要はないが、通常、触覚ピン延長部36を介して運動モジュール上に配置されている。これによって、特に、このタイプの座標測定装置によりそれ自体既に公知のように、プローブ26上で使用される触覚ピン28の交換が可能となる。
隔膜スプリング38は、プローブ26の円筒形状に内嵌する支持素子40内に固定されている。支持素子40は、中間素子42に直径方向に対向して配置された半円筒シェル状部分44を有する。また、支持素子40は、隔膜スプリング38および中間素子42を環状に取り囲む環状突起46を有する。この場合、中間素子42は、隔膜スプリング38と突起46との間を移動可能である。軸方向には、部分44は、中間素子42よりも小さく、中間素子42の中央に配置されている。
このダブルスプリング・パラレログラムにおけるスプリング素子50〜56の新規の3点支持は、単純な方法により大きな許容誤差で個々のスプリング素子を製造および固定することができ、スプリング素子が変形したり、極端な場合には「ポキッと」折れたりすることがないという利点を有する。
新規のプローブ26のために、図2に示す運動モジュールを下記の減衰部材の1つと組み合わせる。しかし、先ず、好適な一態様を図3および図4を参照しながら概略的に説明する。
この場合、減衰部材92は、全部で4つの導体素子82を備え、そのうち2つの導体素子(参照符号82a、82b)が、図5に示されている。他の2つの導体素子は、90度ずれている。したがって、全体として4つの導体素子82は、それぞれ互いに90度ずれて周上に分布するように配置されている。
明確化のために、図示の好適な実施形態とは対照的に、導体素子およびマグネット構成の数を増減させても、減衰部材92、100を実施可能であるということにも言及しておく。
Claims (14)
- 静止した第1の部材(48)と、前記第1の部材(48)に対して相対移動可能であって、触覚ピン(28)、または、触覚ピン(28)に連結された中間素子(36)を含む第2の部材(28,36)と、導体素子(82)と、前記導体素子(82)の振動を減衰するための減衰部材(92,100,104)とを備え、
前記減衰部材(92,100,104)と前記導体素子(82)とのうち何れか一方が前記第1の部材(48)に固定され、前記減衰部材(92,100,104)と前記導体素子(82)とのうち他方が前記第2の部材(28,36)に固定され、
前記減衰部材(92,100,104)は、磁場(76,78)を形成するためのマグネット(70,72,74,88,90;86)を有し、前記導体素子(82)は、前記磁場(76,78)の中の少なくとも1つの移動経路(84)に沿って、前記磁場に対して相対移動可能であり、
前記マグネットの配列(70,72,74,88,90;86)は、前記少なくとも1つの移動経路(84)に沿って前記磁場(76,78)の方向が少なくとも1回変化するように設計されていることを特徴とする座標測定装置用プローブ。 - 前記磁場(76,78)の方向変化が、前記移動経路(84)を横断して起こる方向反転であることを特徴とする請求項1記載のプローブ。
- 前記マグネット(70,72,74,88,90;86)が、磁束ガイド素子(74,74’)によって相互接続された複数のマグネット(70,72,88,90)を備えていることを特徴とする請求項1または2記載のプローブ。
- 前記マグネット(86)が、交換可能なマグネット(70,72,88,90)を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプローブ。
- 前記導体素子(82)が、前記第2の部材(36)の周囲の周方向にずれた少なくとも2つの位置に配置された少なくとも1つの第1の導体素子および1つの第2の導体素子(82a,82b)であることを特徴とする特に請求項1〜4のいずれかに記載の座標測定装置用プローブ。
- 3つまたは4つの導体素子(82a,82b,82c)が、前記第2の部材(36)の周囲に均等に分布するように配置されていることを特徴とする請求項5記載のプローブ。
- 前記第1および第2の導体素子(82a,82b,82c)が、別個の導体素子であることを特徴とする請求項5または6記載のプローブ。
- スプリング素子(38)をさらに有し、前記スプリング素子によって前記第2の部材(36)が前記第1の部材(48)に対して可動に取り付けられ、前記スプリング素子(38)が移動平面(98)を定義し、前記導体素子(82)が前記移動平面(98)から直角に距離(d)をおいて配置されて いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプローブ。
- スプリング素子(38)をさらに有し、前記スプリング素子によって前記第2の部材(36)が前記第1の部材(48)に対して可動に取り付けられ、前記スプリング素子(38)が移動平面(98)を定義し、前記導体素子(82)が前記移動平面(98)と同一平面に配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプローブ。
- 前記マグネット(70,72,74)と前記導体素子(82)とが、異なる重量を有し、これら2つのうち重量が大きい方が前記第1の部材(48)に固定されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のプローブ。
- 前記導体素子(82)が、前記第2の部材(36)に固定されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のプローブ。
- 前記導体素子(82)が、交換可能であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のプローブ。
- 前記導体素子(82)が、主にアルミニウムまたは銅で形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のプローブ。
- 測定対象物(30)の形状を測定するための座標測定装置であって、
前記測定対象物(30)に接触する触覚素子(28)を有するプローブ(26)を支持する可動フレーム(14,16,18)と、前記触覚素子(28)の 現在の空間位置を決定するように設計された評価装置(32)とを備え、
前記プローブ(26)は請求項1〜13のいずれかに記載された構造を有することを特徴とする座標測定装置。
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