JP4714002B2 - 回転体ロック機構 - Google Patents

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Description

本発明は、回転体の回転を規制する回転体ロック機構に関するものである。
近年、車両の車輪を操作するための操舵装置として、ステアリングを転舵機構と機械的に連結せずに、転舵機構に転舵用のアクチュエータを配し、このアクチュエータを、ステアリングの操作方向および操舵角の検出結果に基づいて電気的に制御して、転舵機構にステアリングの操舵角に見合う転舵角を加えて、ステアリングの操作に応じた転舵を行わせる構成としたいわゆるステア・バイ・ワイヤ(Steer By Wire、以後SBWで表す)方式のものが知られている。このようなSBW方式の操舵装置では、電気系統が何らかの理由で故障した場合であってもステアリング操作に応じた転舵が可能なように、電気系統の故障時においてステアリングと転舵機構とを機械的に連結させる回転体ロック機構が設けられている。
前記したような回転体ロック機構としては、従来、ステアリング操作により回転するステアリング軸と、転舵装置の入力軸とを遊星歯車機構で連結させたSBW方式の操舵装置において、電気系統の故障時において、遊星歯車機構のサンギヤ(回転体)にロックレバー(ロック部材)の先端を噛み合わせてサンギヤを回転不能な状態とすることで、ステアリング軸と入力軸とを一体回転可能な状態として、ステアリング軸の回転を機械的に入力軸に伝達させるものが知られている(特許文献1参照)。
特開2005−029016号公報(段落0040〜0042、図3,4)
しかしながら、従来の回転体ロック機構では、サンギヤの歯溝にロックレバーの先端が入りやすくなるようにロックレバーの先端幅を歯溝の幅よりも小さくした場合には、噛み合い時において、ロックレバーの先端と歯溝との間に隙間ができ、これによりサンギヤががたつくといった問題や、そのがたつきにより音が発生したり、ロックレバーが所定の隙間を介して移動してくるサンギヤの歯と衝突することで壊れてしまうといった問題があった。また、このようながたつきを無くすために、歯溝とロックレバーの先端の幅を同じにすると、歯溝にロックレバーの先端が入り難くなるといった問題があった。さらに、このように歯溝とロックレバーの先端の幅を同じにして、歯溝とロックレバーの隙間(がたつき)を無くしたとしても、運転者のステアリング操作によって回動するサンギヤからモーメントが加わることでロックレバーが撓み変形をすると、ステアリングが所定範囲で回動可能となるため、結果的に運転者が「がたつき」を感じてしまう問題もあった。また、このようにロックレバーが撓み変形すると、ロックレバーが壊れてしまうおそれもあった。
そこで、本発明では、噛み合い時における溝とロック部材とのがたつきを抑制することができるとともに、ロック部材を壊れ難くすることができる回転体ロック機構を提供することを主たる目的とする。
前記課題を解決する本発明のうち請求項1に記載の発明は、回転体と、前記回転体の外周面に前記回転体の軸方向の両端面を開口するように形成される複数の溝と、前記回転体の溝の少なくとも一つに嵌合することで前記回転体を停止状態にするロック部材と、前記ロック部材を前記回転体側に押圧させる押圧手段と、を有する回転体ロック機構であって、前記ロック部材は、その少なくとも一部の幅が前記溝の幅よりも小さく形成され、且つ他部の幅が前記溝よりも大きく形成されるテーパ形状部と、前記溝の幅よりも幅狭に形成され、かつ、前記回転体との当接時に前記溝の底面に対して傾斜する斜面を有する第一部分と、前記第一部分よりも幅広に形成され、かつ、前記テーパ形状部を介して前記第一部分に結合する第二部分と、を有するとともに、前記押圧手段によって前記回転体側に押圧される前記第一部分の斜面が、前記溝に当接することで、前記斜面に沿って移動し、前記押圧手段は、前記ロック部材の第一部分を前記回転体側に付勢する弾性部材であり、前記回転体ロック機構は、この弾性部材による押圧力の保持・解放を切替自在な押圧力制御手段と、前記ロック部材を揺動自在に支持する回転軸と、をさらに備え、前記ロック部材は、その第一部分が前記回転軸を中心に揺動自在に構成されるとともに、前記角部と前記斜面との当接による移動を許容する前記回転軸の逃げ孔が形成されていることを特徴とする。
ここで、「押圧力制御手段」とは、弾性部材の付勢力に抗してロック部材の揺動を抑えることができ、かつ、その抑える力を解放することで弾性部材によるロック部材の揺動を許容するようなものをいい、例えばロック部材の先端部や基端部(根元部の端部)の揺動を抑える進退自在なロッドを有するソレノイド、エアシリンダ、油圧シリンダなどを意味する。
請求項に記載の発明によれば、押圧力制御手段による弾性部材の押圧力の保持が解放されると、弾性部材によってロック部材の第一部分が回転体側に揺動し、これにより幅狭に形成された第一部分が、回転体の溝に所定の隙間を有した状態で挿入されていく。そして、ロック部材の第一部分を回転体の溝に挿入した後、さらに弾性部材によってロック部材が押圧されると、回転体の溝の底面と回転体の端面とで形成される角部に第一部分の斜面が当接することで、その斜面や逃げ孔に沿ってロック部材が先端側に移動して、テーパ形状部が溝の両側部に密着することとなる。そのため、回転体の溝とロック部材とのがたつきが抑制される。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の回転体ロック機構であって、前記押圧力制御手段は、前記ロック部材の基端部を押圧することで、前記ロック部材の第一部分を前記弾性部材の付勢力に抗して前記回転体から離れる方向に揺動させるように構成され、前記押圧力制御手段による押圧によって揺動する前記ロック部材の第一部分と係合することで、その揺動を禁止させて前記ロック部材を前記逃げ孔に沿って初期位置まで戻すように案内するガイド部がさらに設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、回転体の溝にロック部材のテーパ形状部を密着させた後、押圧力制御手段によってロック部材の基端部を押圧すると、ロック部材の第一部分が弾性部材の付勢力に抗して回転体から離れる方向に揺動する。その後、ロック部材の第一部分がガイド部に当接すると、このガイド部によってロック部材の第一部分の揺動が抑えられることで、ロック部材の基端部に加えられている押圧力制御手段からの力がガイド部に沿う方向に働いて、ロック部材がガイド部と逃げ孔に沿って初期位置に復帰することとなる。
請求項1に記載の発明によれば、ロック部材の少なくとも一部にその先端側の幅が溝の幅よりも小さく形成されるテーパ形状部が形成されているので、回転体の溝に対するロック部材の入りやすさを損なうことなく、噛み合い時における溝とロック部材とのがたつきを抑制することができる。さらに、噛み合い時におけるがたつきを抑制することで、ロック後において回転体を回転させようとした場合であっても、回転体の溝を形成する側壁とロック部材とが衝突、離反を繰り返すようなことがないので、ロック部材の耐久性を向上させるとともに打音を低減することができる。
請求項に記載の発明によれば、ロック部材のテーパ形状部を回転体の溝に圧着させる方向を回転体の略軸方向から行うことができるので、回転体の外周面よりも内側に位置する溝の両側部をテーパ形状部で良好に支持して、安定した回転体の保持を実現できる。
請求項に記載の発明によれば、ロック部材を初期位置に押圧力制御手段によって自動的に復帰できるので、回転体のロックを解除する作業を迅速に行うことができる。
〔第1の実施形態〕
次に、本発明の第1の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は本発明に係る回転体ロック機構が適用される電動パワーステアリング装置を示す斜視図であり、図2は図1の遊星歯車機構と回転体ロック機構の関係を示す説明図である。また、図3は、第1の実施形態に係る回転体ロック機構を示す側面図(a)と、図3(a)のロック用ギヤ部を下から見た状態を示す下面図(b)と、図3(a)のX矢視図(c)である。
まず、図1を参照して、電動パワーステアリング装置(操舵装置)Mについて簡単に説明する。なお、本実施形態においては、周知の構造である反力モータM1、転舵モータM2、ラック・ピニオン機構RPなどの説明は省略することとする。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置Mは、ステアリングSの操作により回転するステアリング軸SAと、転舵機構RMのピニオン軸PAに継ぎ手C,Cおよび連結軸CAを介して連結される入力軸IAとが、遊星歯車機構1を介して連結されている。
そして、この遊星歯車機構1は、回転体ロック機構2が適宜係合することによって、ステアリング軸SAと入力軸IAとを機械的に連結し、または、その解除を行うように構成されている。これにより、通常時においては、ステアリング軸SAが入力軸IAに対して空転することで、ステア・バイ・ワイヤの機能が確保され、電気系統の故障時においては、回転体ロック機構2が遊星歯車機構1に係合することで、ステアリング軸SAと入力軸IAとが機械的に連結されて一体回転することで、バックアップ機能が確保されるようになっている。
続いて、遊星歯車機構1と回転体ロック機構2の関係について図2を参照して説明する。なお、この説明においても、周知である反力モータM1からのトルク伝達構造についてはその説明を省略することとする。
図2に示すように、遊星歯車機構1は、入力軸IAに対して相対回転可能となるサンギヤ11と、このサンギヤ11の周囲に等ピッチで配設される複数個のプラネタリギヤ12と、これらのプラネタリギヤ12を覆うように配設される内歯車13とを備えて構成されている。
サンギヤ11は、各プラネタリギヤ12と噛み合う外歯を有するサンギヤ部11aと、回転体ロック機構2のロック部材21と噛み合うロック用ギヤ部(回転体)11bと、これらを連結させる軸方向延在部11cとを備えて構成されている。ここで、このロック用ギヤ部11bは、回転体ロック機構2の一部を構成しているため、後で詳述する回転体ロック機構2の説明時において詳細に説明することとする。
プラネタリギヤ12は、入力軸IAが同軸に結合されているキャリア14の外周部の適所にそれぞれ回転可能に取り付けられており、その内側がサンギヤ11のサンギヤ部11aの外歯と噛み合うとともに、その外側が内歯車13の内歯と噛み合うように構成されている。
内歯車13は、その中心にステアリング軸SAが同軸に結合されており、このステアリング軸SAと一体に回転されるようになっている。
以上のように構成される遊星歯車機構1では、サンギヤ11が回転体ロック機構2でロックされていない状態において、ステアリング操作によりステアリング軸SAが回転すると、内歯車13の回転に伴ってプラネタリギヤ12が自転し、このプラネタリギヤ12の自転に伴ってサンギヤ11が空転する。これにより、キャリア14および入力軸IAが非回転状態となるため、ステアリング軸SAと入力軸IAとは機械的に連結されていない状態となる。
また、サンギヤ11が回転体ロック機構2でロックされた状態においては、ステアリング操作によりステアリング軸SAが回転すると、内歯車13の回転に伴ってプラネタリギヤ12が自転しようとするが、サンギヤ11がロックされていることにより、プラネタリギヤ12はサンギヤ11の周りを公転するようになる。そして、このようなプラネタリギヤ12の公転によりキャリア14および入力軸IAが回転状態となるため、ステアリング軸SAと入力軸IAとは機械的に連結された状態となる。
回転体ロック機構2は、図3(a)に示すように、前記したロック用ギヤ部11bと、このロック用ギヤ部11bの歯溝11dに嵌合することでロック用ギヤ部11b(サンギヤ11)を停止状態にするロック部材21と、このロック部材21を揺動自在に支持する回転軸22が固定されるハウジング23と、ロック部材21によるサンギヤ11のロックやその解除を切替自在なソレノイド(押圧力制御手段)24を主に備えている。なお、以下においては、便宜上、ロック用ギヤ部11bの軸方向を上下方向、ロック部材21を支持する回転軸22の軸方向を前後方向とも呼び、これらの上下方向および前後方向に直交する方向を左右方向とも呼ぶこととする。
ロック用ギヤ部11bは、図3(b)に示すように、その外周面に形成された複数の歯溝11dを等ピッチで有しており、各歯溝11dの溝幅(隣り合う歯の根元間の距離)や開き角度はそれぞれ同じ所定の値に設定されている。また、歯溝11dは、その両端(図3(a)の上下端)がロック用ギヤ部11bの軸方向の両端面11e,11fに開口するように形成されている。
ロック部材21は、図3(a)および(c)に示すように、歯溝11dの溝幅よりも幅狭に形成される先端部21aと、この先端部21aよりも幅広に形成される根元部21bと、根元部21bから先端部21a側へ向かって先細りとなるテーパ形状部21cとを備えて構成されている。
先端部21aは、図3(a)に示すように、ロック用ギヤ部11b側(左側)へ向かって尖る楔形状となっている。すなわち、この先端部21aの左側部分には、歯溝11dの底面11gおよびロック用ギヤ部11bの端面11eに対して傾斜する(詳しくは、下方に向かうにつれて右方に傾斜する)斜面21dが形成されている。なお、この斜面21dは、ロック部材21の先端部21aが左側に揺動した際において、ロック用ギヤ部11bの端面11eと歯溝11dの底面11gとで形成される角部11hに当接する位置に形成されるようになっており、これにより、ロック部材21は、その回転運動が規制されて、斜面21dに沿って左上側(先端側)に移動するようになっている。
根元部21bには、右側に延びる楔形状のテール部(基端部)21eが形成されており、このテール部21eにソレノイド24のロッド24aが係合するようになっている。また、根元部21bの適所には、回転軸22に揺動自在かつ摺動自在に係合する長孔(逃げ孔)21fが、先端部21aの斜面21dと平行となるように形成されている。さらに、この長孔21fの右隣には、後記するトーションスプリング25によって常時反時計回りに付勢されているばね係合部21gが長孔21fに沿うように形成されている。
回転軸22は、その両端が後記するハウジング23の回転軸支持部23cに固定されるとともに、その適所(ハウジング23とロック部材21の間)にロック部材21の先端部21aをロック用ギヤ部11b側に押圧(付勢)するためのトーションスプリング(押圧手段、弾性部材)25の中空部分がセットされるようになっている。
ハウジング23は、ソレノイド24を取り付けるためのソレノイド取付部23aと、このソレノイド取付部23aから左上に傾斜するように形成されるガイド斜面(ガイド部)23bと、ソレノイド取付部23aの下面とガイド斜面23bからロック部材21側に延びて回転軸22を支持するとともに、トーションスプリング25の一方のアーム部(ばね係合部21gと係合するアーム部とは反対側のアーム部)を支持する回転軸支持部23cとを備えて構成され、その適所が図示せぬ車体に固定されるようになっている。
そして、ガイド斜面23bは、図5(b)に示すように、ロック部材21の長孔21fの右下端部と回転軸22とが係合し、かつ、ロック部材21の右上の角部21hがガイド斜面23bに係合した状態において、ロック部材21の長孔21fと平行となるような角度で形成されている。これにより、ロック用ギヤ部11bの角部11hとロック部材21の斜面21dとの当接によって左上に移動したロック部材21をソレノイド24の押圧によって時計回りに揺動させたときに、このロック部材21の右上の角部21hがガイド斜面23bに係合することで、このガイド斜面23bによってロック部材21の揺動が禁止され、このロック部材21が長孔21fとガイド斜面23bに沿って初期位置まで戻るように案内されるようになっている。
図3(a)に示すように、ソレノイド24は、軸方向に沿って進退するロッド24aと、このロッド24aを進退(伸縮)させる駆動機構(コイル等)を内蔵した本体部24bとを備えて構成されている。そして、ソレノイド24は、そのロッド24aを最も伸ばした状態とすることで、トーションスプリング25による付勢力(押圧力)をロッド24aで保持して、ロック部材21の先端部21aをロック用ギヤ部11bから離した状態に維持させるとともに、ロッド24aを縮ませることで、今まで抑えていたトーションスプリング25の付勢力を解放して、ロック部材21の先端部21aをロック用ギヤ部11b側に揺動させるように機能している。
次に、第1の実施形態に係る回転体ロック機構2の動作について説明する。参照する図面において、図4は、第1の実施形態に係る回転体ロック機構の動作を示す図であり、非ロック状態を示す側面図(a)と、非ロック状態が解除されてロック部材の先端部がロック用ギヤ部の歯溝の底面に当接した状態を示す側面図(b)である。また、図5は、第1の実施形態に係る回転体ロック機構の動作を示す図であり、ロック部材がその先端部の斜面に沿って移動する状態を示す側面図(a)と、ロック状態となるロック部材のテール部をソレノイドで押圧した状態を示す側面図(b)である。
図4(a)に示すように、回転体ロック機構2は、通常時においてソレノイド24に電流が供給されていることによって、最大に伸びた状態となるロッド24aでトーションスプリング25の付勢力によるロック部材21の反時計回りの揺動を抑えて、ロック部材21をロック用ギヤ部11bから離した状態に維持させている。そして、電気系統が何らかの原因で故障したときは、図4(b)に示すように、ソレノイド24への電流供給が止められて、ロッド24aが最大に縮んだ状態まで退避することで、ロッド24aによるトーションスプリング25の付勢力の保持が解放される。これにより、トーションスプリング25によってロック部材21の先端部21aが反時計回りに揺動して、幅狭に形成された先端部21aが、ロック用ギヤ部11bの歯溝11dに所定の隙間を有した状態で挿入されていく。
そして、ロック部材21の先端部21aがロック用ギヤ部11bの歯溝11dに挿入された後、さらにトーションスプリング25によってロック部材21が付勢されると、ロック用ギヤ部11bの歯溝11dの角部11hに先端部21aの斜面21dが押圧されることで、図5(a)に示すように、斜面21dや長孔21fに沿ってロック部材21が左上に移動して、ロック部材21のテーパ形状部21cが歯溝11dの両側部11jに密着する。これにより、ロック用ギヤ部11bの歯溝11dとロック部材21とのがたつきが抑制されることとなる。
また、故障していた電気系統が復帰してソレノイド24に再び電流が供給されると、ロック状態となっているロック部材21は、そのテール部21eがロッド24aによって押圧されることで、その先端部21aがトーションスプリング25の付勢力に抗して時計回りに揺動する。その後、図5(b)に示すように、ロック部材21の先端部21aの右上の角部21hがガイド斜面23bに当接すると、このガイド斜面23bによってロック部材21の揺動が抑えられることで、ロック部材21のテール部21eに加えられているロッド24aからの力がガイド斜面23bに沿う方向に働いて、ロック部材21がガイド斜面23bと長孔21fに沿って初期位置(図4(a)参照)に復帰することとなる。
以上によれば、第1の実施形態において、次のような効果を得ることができる。
ロック部材21の先端部21aがロック用ギヤ部11bの歯溝11dの幅より小さく形成されるとともに、先端部21aの歯溝11dへの挿入後はテーパ形状部21cが歯溝11dに密着するので、歯溝11dに対するロック部材21の入りやすさを損なうことなく、噛み合い時における歯溝11dとロック部材21とのがたつきを抑制することができる。
ロック部材21のテーパ形状部21cをロック用ギヤ部11bの歯溝11dに圧着させる方向をロック用ギヤ部11bの略軸方向から行うことができるので、ロック用ギヤ部11bの外周面よりも内側に位置する歯溝11dの両側部11jをテーパ形状部21cで良好に支持して、安定したロック用ギヤ部11bの保持を実現できる。
ソレノイド24によってロック部材21を初期位置に自動的に復帰できるので、ロック用ギヤ部11bのロックを解除する作業を迅速に行うことができる。
なお、本発明は、第1の実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
第1の実施形態では、ロック部材21を揺動させる構造としたが、本発明はこれに限定されず、例えばロック部材をロック用ギヤ部の径方向に沿って真っ直ぐ移動させるようにしてもよい。なお、この場合は、ロック部材をロック用ギヤ部の径方向に移動させるためのスライド機構や、ロック部材を左上に移動させるためのスライド機構などを適宜設ければよい。
第1の実施形態では、テーパ形状部21cを平面状に形成したが、本発明はこれに限定されず、例えば曲面状や微小な階段状に形成してもよい。
第1の実施形態では、ロック用ギヤ部11bの一つの歯溝11dにロック部材21を嵌合させたが、本発明はこれに限定されず、例えばロック部材を二股に形成し、その二股の部分に、それぞれ前記実施形態の先端部21aとテーパ形状部21cを形成したロック部材を2つの歯溝に嵌合させるようにしてもよい。
第1の実施形態では、ソレノイド24でロック部材21のテール部21eをその揺動方向において押圧する構造とすることで、ロック部材21をソレノイド24によってロック状態から非ロック状態にするように構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ソレノイド24のロッド24aを、ロック部材21を揺動自在に支持する回転軸22の軸方向に沿って進退させるように構成することで、単に、ロッド24aによってロック部材21の反時計回りの揺動を禁止・許容するようにしてもよい。なお、この構造では、ロック状態から非ロック状態にロック部材21を戻すには、手動で行う必要があるので、第1の実施形態のように構成するのが望ましい。
第1の実施形態では、ロック用ギヤ部11bの歯溝11dを、その軸方向に貫通する同一幅の単純な溝形状としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図6(a)に示すように、ロック用ギヤ部RGの歯溝TDを、ロック部材21の形状に対応する形状に形成してもよい。詳しくは、ロック用ギヤ部RGの歯溝TDを、ロック部材21の先端部21aの幅よりも若干広く、かつ、ロック部材21の根元部21bの幅よりも狭く形成される先端係合溝TD1と、ロック部材21のテーパ形状部21cに合致する形状のテーパ係合溝TD2とを有した形状としてもよい。この構造によれば、ロック部材21がロック用ギヤ部RG側に倒されると、まず、その先端部21aが歯溝TDの先端係合溝TD1に入り込む。このとき、先端係合溝TD1が先端部21aよりも幅広に形成されているので、ロック部材21は、歯溝TDに入りやすくなっている。その後、先端部21aの斜面21dが、歯溝TDの底面とロック用ギヤ部RGの端面とで形成される角部に当接すると、第1の実施形態と同様にロック部材21がその先端側へ移動する。そして、このようにロック部材21が移動することにより、図6(b)に示すように、ロック部材21のテーパ形状部21cと歯溝TDのテーパ係合溝TD2とが面接触により強固に係合することとなる。そのため、このような構造にすれば、ロック用ギヤ部RGの回動をより強固に規制することができる。
〔第2の実施形態〕
以下に、本発明の第2の実施形態について説明する。この実施形態は第1の実施形態の回転体ロック機構2を変更したものなので、第1の実施形態と同様の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。参照する図面において、図7は、第2の実施形態に係る回転体ロック機構を示す側面図(a)と、平面図(b)である。
図7(a)に示すように、回転体ロック機構3は、第1の実施形態と同様のソレノイド24を備える他、第1の実施形態とは異なるロック用ギヤ部(回転体)31やロック部材32を備えて構成されている。
ロック用ギヤ部31は、図7(b)に示すように、その外周面に形成された複数の歯溝31aを等ピッチで有しており、各歯溝31aは、所定の小さな幅で形成される内側幅狭部31bと、この内側幅狭部31bよりも幅広となり、かつ、ロック用ギヤ部31の外周面に開口するように形成される外側幅広部31cと、内側幅狭部31bから外側幅広部31cに向かって徐々に広がるように形成されるテーパ形状部31dとを有する形状に形成されている。
図7(a)に示すように、ロック部材32は、回転軸22やトーションスプリング(図示せず)によって常時反時計回りの方向に付勢されている点は第1の実施形態と同様となっているが、その形状が第1の実施形態とは異なっている。具体的に、このロック部材32は、回転軸22と回転自在に係合する中央部32aと、この中央部32aから上側(ロック用ギヤ部31側)に向かうにつれて先細となる先端部32bと、中央部32aから下側に向かうにつれて先細となる基端部32cとを有している。そして、この先端部32bは、前記したロック用ギヤ部31の歯溝31aに合致する形状となるように形成されている。具体的に、この先端部32bは、図7(b)に示すように、歯溝31aの内側幅狭部31bに合致する形状となる幅狭部32eと、外側幅広部31cに幅方向において合致し、かつ、外側幅広部31cの深さよりも短い長さで形成される幅広部32fと、テーパ形状部31dに合致する形状となるテーパ形状部32gを有した形状となっている。
次に、第2の実施形態に係る回転体ロック機構3の動作について説明する。
ロック部材32が図示せぬトーションスプリングによって反時計回りに押圧されると、ロック用ギヤ部31の外側幅広部31cに対して、ロック部材32の幅狭部32eが、所定の隙間を有した状態で挿入されていく。そして、この挿入時において歯溝31aの中心とロック部材32の先端部32bの中心とがずれた状態である場合には、ロック部材32が前記トーションスプリングによってさらに押圧されると、ロック部材32のテーパ形状部32gとロック用ギヤ部31の歯31eの角部とが当接することによって、ロック部材32が歯溝31aに合致するように移動して、その幅広部32fと歯溝31aの外側幅広部31cとが合致することとなる。そのため、その後は、ロック部材32が、歯溝31aの外側幅広部31cに沿って挿入されていくことによって、ロック部材32と歯溝31aが合致することとなる。なお、ロック部材32の幅広部32fの幅が、歯溝31aの外側幅広部31cの幅よりも小さく形成されている場合には、ロック部材32は、そのテーパ形状部32gで案内されて歯溝31aの外側幅広部31c内に挿入されると、外側幅広部31cの一方の壁に寄せられた状態となるが、この場合であっても、ロック部材32の幅狭部32eが歯溝31aのテーパ形状部31dに当接することで、このテーパ形状部31dによってロック部材32が歯溝31aの中心側に案内されて、ロック部材32の幅狭部32eと歯溝31aの内側幅狭部31bが合致することとなる。
以上によれば、第2の実施形態において、次のような効果を得ることができる。
ロック部材32は、歯溝31aの外側幅広部31cの幅よりも小さく形成される幅狭部32eと、幅狭部32eから徐々に広がっていくテーパ形状部32gと、テーパ形状部32gの幅広側に歯溝31aの外側幅広部31cに合致する幅広部32fとを有しているので、ロック用ギヤ部31の歯溝31aに対するロック部材32の入りやすさを損なうことなく、噛み合い時における歯溝31aとロック部材32とのがたつきを抑制することができる。
ロック用ギヤ部31の歯溝31aは、ロック部材32の幅狭部32eの幅よりも大きく形成される外側幅広部31cと、外側幅広部31cから内側に向かって徐々に先細りとなるテーパ形状部31dと、テーパ形状部31dの内側端縁にロック部材32の幅狭部32eに合致する内側幅狭部31bが形成されているので、ロック部材32の幅広部32fの幅が歯溝31aの外側幅広部31cの幅よりも小さく形成されている場合であっても、ロック用ギヤ部31の歯溝31aに対するロック部材32の入りやすさを損なうことなく、噛み合い時における歯溝31aとロック部材32とのがたつきを抑制することができる。
なお、本発明は、第2の実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
第2の実施形態では、ロック部材32の先端部32bを幅狭部32e、幅広部32f、テーパ形状部32gで構成したが、本発明はこれに限定されず、ロック部材32の先端部32bを全て幅狭部32eの幅で形成してもよい。この場合であっても、歯溝31aが前記した形状で形成されている以上、歯溝31aに対するロック部材32の入りやすさを損なうことなく、噛み合い時における歯溝31aとロック部材32とのがたつきを抑制することができる。また、逆に、ロック部材32の形状は変えずに、歯溝31aを全て外側幅広部31cの幅で形成した場合も、歯溝31aに対するロック部材32の入りやすさを損なうことなく、噛み合い時における歯溝31aとロック部材32とのがたつきを抑制することができる。
〔第3の実施形態〕
以下に、本発明の第3の実施形態について説明する。この実施形態は第1の実施形態の回転体ロック機構2を変更したものなので、第1の実施形態と同様の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。参照する図面において、図8は、第3の実施形態に係る回転体ロック機構を示す側面図(a)と、平面図(b)である。
図8(a)に示すように、回転体ロック機構4は、第1の実施形態と同様のソレノイド24を備える他、第1の実施形態とは異なるロック用ギヤ部(回転体)41やロック部材42を備えて構成されている。
ロック用ギヤ部41は、図8(b)に示すように、その外周面に、所定の高さで形成される第1の歯41aと、この第1の歯41aよりも低く形成される第2の歯41bとが、ロック部材42と合致する歯溝41cを介して交互に配設されるように形成されている。
図8(a)に示すように、ロック部材42は、回転軸22やトーションスプリング(図示せず)によって常時反時計回りの方向に付勢されている点は第1の実施形態と同様となっているが、その形状が第1の実施形態とは異なっている。具体的に、このロック部材42は、単なる矩形の棒状に形成されており、その適所が回転軸22によって回転自在に支持されることで揺動自在となっている。
また、ロック部材42と歯溝41cとの嵌合部分の近傍には、ロック用ギヤ部41から回転方向の力を受けるロック部材42を歯溝41c付近で挟持(支持)する支持部材43が設けられている。具体的に、二つの支持部材43は、ロック用ギヤ部41の回転方向において歯溝41cに嵌合するロック部材42を挟み込むことが可能な位置に配設されており、それぞれ矩形の板状に形成されるとともに、ロック部材42が進入してくる側の角部が面取りされた斜面部43aとなっている。
次に、第3の実施形態に係る回転体ロック機構4の動作について説明する。
ロック部材42の先端部が前記トーションスプリングによってロック用ギヤ部41側に押圧されると、ロック部材42の先端部は、まず、第1の歯41aと第1の歯41aとの間の大きな隙間αに挿入されていく。そして、ロック部材42を隙間αに挿入した後、さらにロック部材42を押圧すると、ロック部材42は、例えば第2の歯41bの先端に当接する。ただし、この際にまだロック用ギヤ部41の回転が継続されていると、その回転に伴ってロック部材42から第2の歯41bが離れていくことによって、最終的には第1の歯41aと第2の歯41bとで形成される歯溝41cに合致することとなる。また、このようにロック部材42と歯溝41cとが嵌合した後、さらにロック用ギヤ部41の回転が継続されると、ロック部材42にロック用ギヤ部41から回転力が加わるが、ロック部材42が歯溝41cの近傍において支持部材43で支持されることで、ロック部材42に加わるモーメントは最小限に抑えられることとなる。
以上によれば、第3の実施形態において、次のような効果を得ることができる。
第1の歯41aと第1の歯41aとの間で大きな隙間αが形成されるとともに、第1の歯41aよりも低い第2の歯41bと第1の歯41aによってロック部材42に合致する歯溝41cが形成されるので、ロック用ギヤ部41の歯溝41cに対するロック部材42の入りやすさを損なうことなく、噛み合い時における歯溝41cとロック部材42とのがたつきを抑制することができる。
ロック部材42と歯溝41cとの嵌合時には、支持部材43によってロック部材42が支持されるので、この嵌合時においてロック用ギヤ部41に回転力が加わったとしても、ロック部材42を良好に支持してロック部材42の補強を行うことができる。
支持部材43に斜面部43aが形成されるので、ロック部材42がロック用ギヤ部41に向かって揺動する際に、このロック部材42を、支持部材43の角部に引っ掛けずに、スムーズに歯溝41cへ挿入させることができる。
〔第4の実施形態〕
以下に、本発明の第4の実施形態について説明する。この実施形態は第3の実施形態の回転体ロック機構4のロック部材42の先端形状やロック用ギヤ部41の歯溝41cの形状を変更したものなので、第3の実施形態と同様の構成要素(ソレノイド等)については、その説明を省略する。参照する図面において、図9は、第4の実施形態に係る回転体ロック機構を示す図であり、歯溝へのロック部材の挿入前の状態を示す部分拡大図(a)と、歯溝とロック部材の嵌合状態を示す部分拡大図(b)である。
図9(a)に示すように、ロック用ギヤ部(回転体)44は、その外周面に、第3の実施形態とは異なる形状の歯溝44aが複数形成されている。具体的に、この歯溝44aは、その底面に、中央部が径方向外側に向かって膨出する楔形状部44bが形成される形状となっている。
ロック部材45は、樹脂などの弾性体をその材料とし、ロック用ギヤ部44の歯溝44aの幅よりも小さな幅で形成されている。そして、ロック部材45には、そのロック用ギヤ部44側の部分に、二股に分かれた嵌合アーム部(可動部)45aが形成されるようになっている。嵌合アーム部45aは、撓み変形自在となっており、その先端部には、図9(b)に示す撓み変形時において楔形状部44bの斜面44cと歯溝44aの側面44dとの間に嵌め込まれる爪部45bが形成されるようになっている。
なお、このように広がった爪部45bに接する楔形状部44bの角度φは、爪部45bが広がった際に歯溝44aの隅部から楔形状部44bの先端へと滑りださないように、以下の式を満たすような値にするのが望ましい。
μ = tanφ(μ;静摩擦係数)
次に、第4の実施形態に係るロック部材45の作用について説明する。
図9(a)に示すように、ロック部材45が図示せぬトーションスプリングによってロック用ギヤ部44側に押圧されると、ロック部材45は、その嵌合アーム部45aを閉じた状態(二つの嵌合アーム部45aがロック用ギヤ部44の歯溝44aの幅内に収まる状態)に維持しつつ、歯溝44a内に挿入されていく。そして、ロック部材45を歯溝44aに挿入した後、さらにロック部材45を押圧すると、図9(b)に示すように、その嵌合アーム部45aの爪部45bが歯溝44aの楔形状部44bの斜面44cと接触することによって歯溝44aの幅方向に広がって、楔形状部44bの斜面44cと歯溝44aの側面44dとの間に嵌め込まれることとなる。
以上によれば、第4の実施形態において、次のような効果を得ることができる。
嵌合アーム部45aが歯溝44aの楔形状部44bと接触したときにのみ広がって歯溝44aの隅部に合致するため、歯溝44aに対するロック部材45の入りやすさを損なうことなく、噛み合い時における歯溝44aとロック部材45とのがたつきを抑制することができる。
なお、本発明は、第4の実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
第4の実施形態では、可動部を楔形状部44bと接触することで広がる嵌合アーム部45aとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図10(a)に示すように、可動部を、ロック部材51に対して移動自在となる移動部材52と、移動部材52のロック部材51に対する移動に応じてその移動方向に縮むとともに、その移動方向に直交する方向に伸びるリンク機構53とで構成するようにしてもよい。具体的に、移動部材52は、ロック部材51の一側面51aにスライド自在に係合し、かつ、その移動方向に沿って延びる長板状に形成されている。そして、この移動部材52は、その一端側(ロック用ギヤ部54側;図10(b)参照)の適所にリンク機構53の一つの節部53cを回動自在に支持するリンク機構支持ピン52aが設けられるとともに、その他端側の適所に、ロック部材51に設けられたリンク機構支持ピン51bを貫通させ、かつ、移動時においてこのリンク機構支持ピン51bに摺動自在となる長孔52bが形成されている。また、移動部材52の中央部には、ロック部材51にその幅方向(歯溝54aの幅方向;図10(b)参照)に並ぶように設けられる二つの移動方向決定ピン51cと摺動自在に係合する二つの長孔52cが形成されている。
リンク機構53は、同一長さの四つの連結アーム53aの両端をそれぞれ重ね合わせるとともに、その重ね合わせた部分を四つのピン53b,53b,52a,51bで回動自在に支持することで、四つの節部53cを有する構造となっている。そして、これらの節部53cのうちの一つが、リンク機構支持ピン52aを介して移動部材52に固定されるとともに、その対角線上に位置する節部53cがリンク機構支持ピン51bを介してロック部材51に固定されることで、ロック部材51に対する移動部材52の移動に応じて、リンク機構53がロック部材51の幅方向において伸縮するようになっている。
このような構造によれば、図10(b)に示すように、ロック部材51が図示せぬトーションスプリングによってロック用ギヤ部54側に押圧されると、ロック部材51は、そのリンク機構53の幅が歯溝54aの幅よりも小さくなった状態で維持されることで、歯溝54a内に所定の隙間を介して挿入されていく。そして、ロック部材51を歯溝54aに挿入した後、さらにロック部材51を押圧すると、図10(c)に示すように、その移動部材52の先端が歯溝54aの底面と接触することによってリンク機構53が幅方向に広がって歯溝54aの両側面に合致することとなる。そのため、このような構造であっても、歯溝54aに対するロック部材51の入りやすさを損なうことなく、噛み合い時における歯溝54aとロック部材51とのがたつきを抑制することができる。
また、可動部の変形例としては、図11(a)に示すように、可動部を、ロック部材61に対して揺動自在となる二つの揺動アーム62としてもよい。具体的に、この変形例は、以下に示す構造となっている。
ロック部材61には、その一側面61aの先端側(ロック用ギヤ部63側)に、その幅方向において並ぶように二つの揺動中心ピン64が設けられるとともに、これらの揺動中心ピン64よりも先端側の位置に、揺動アーム62の揺動を抑える支持部材65が設けられている。
揺動アーム62は、略円弧状に形成される板状体であり、その外周面62aが互いに向き合うように(その端部62b,62cが互いに反対方向を向くように)配設されるとともに、その略中央部(円弧形状の略頂部)に、前記した揺動中心ピン64と遊嵌する遊嵌孔62dが形成されている。また、この遊嵌孔62dには、二つの鍵型ばね66の一端がそれぞれ取り付けられている。そして、このように構成される揺動アーム62は、図11(a)および図11(c)に示すように、その一端部62bが揺動中心ピン64を中心に揺動することで開閉する構造となっており、最大に閉じた状態において二つの揺動アーム62の幅(ロック部材61の幅方向において二つの揺動アーム62の一端部62bの最外縁となる部分の間の長さ)がロック用ギヤ部63の歯溝63aの幅よりも小さくなり、最大に開いた状態において各揺動アーム62の一端部62bがロック用ギヤ部63の歯溝63aの両側面と密着するようになっている。なお、各揺動アーム62が閉状態から開状態に可動する際において各揺動アーム62の他端部62c同士が干渉しないように、各揺動アーム62は、図11(b)に示すように、揺動中心ピン64の軸方向にずれて配設されている。
揺動中心ピン64は、円柱状のピンであり、その外周面には、二つの鍵型ばね66の他端をそれぞれ取り付けられている。
鍵型ばね66は、その一端が揺動アーム62に取り付けられるとともに、その他端が揺動中心ピン64に取り付けられることで、揺動アーム62の一端部62b側を常時支持部材65に付勢するように作用している。
このような構造によれば、図11(a)に示す状態のロック部材61が図示せぬトーションスプリングによってロック用ギヤ部63側に押圧されると、ロック部材61は、各揺動アーム62が鍵型ばね66により閉じた状態とされていることで、歯溝63a内に所定の隙間を介して挿入されていく。そして、ロック部材61を歯溝63aに挿入した後、さらにロック部材61を押圧すると、揺動アーム62の一端部62bが歯溝63aの底面と接触することによって、その一端部62bが揺動中心ピン64との隙間を縮めるように押し付けられつつ外側に開いていき、図11(c)に示すように、最大に開いた状態となると歯溝63aの両側面に合致することとなる。そのため、このような構造であっても、歯溝63aに対するロック部材61の入りやすさを損なうことなく、噛み合い時における歯溝63aとロック部材61とのがたつきを抑制することができる。
〔第5の実施形態〕
以下に、本発明の第5の実施形態について説明する。この実施形態は第3の実施形態の回転体ロック機構4のロック部材42の先端形状やロック用ギヤ部41の構造を変更したものなので、第3の実施形態と同様の構成要素(ソレノイド等)については、その説明を省略する。参照する図面において、図12は、第5の実施形態に係る回転体ロック機構を示す平面図(a)と、ロック用ギヤ部の詳細を示す分解斜視図(b)である。
図12(a)に示すように、回転体ロック機構7は、第3の実施形態とは異なるロック用ギヤ部71やロック部材75を主に備えて構成されている。
ロック用ギヤ部71は、図12(b)に示すように、同軸上に相対回転可能に重なる小径ギヤ部(第2回転体)72および大径ギヤ部(第1回転体)73と、これらを所定の中立位置に常時維持(弾発)させるための二つのコイルばね(弾性部材)74とを備えて構成されている。
小径ギヤ部72は、その外周面に、所定の高さで形成される第1の歯72aと、この第1の歯72aよりも低く形成される第2の歯72bとを有しており、これらの歯72a,72bは、ロック部材75よりも幅広に形成される歯溝72cを介して交互に配設されるように形成されている。また、小径ギヤ部72の中心には、所定の径となる中心孔72dが形成されるとともに、この中心孔72dを挟んで対向する位置に互いに平行となるように形成される長孔72eが形成されている。
大径ギヤ部73は、その中心に小径ギヤ部72の中心孔72dに回動自在に係合する回動軸73aが形成されるとともに、この回動軸73aを挟んで対向する位置に互いに平行となるように形成される長孔73bが形成されている。なお、この長孔73bは、大径ギヤ部73の回動軸73aに小径ギヤ部72を留め金76で抜け止めしつつ取り付けた際において、小径ギヤ部72の長孔72eと略一致するようになっている(図12(a)参照)。また、大径ギヤ部73の外周面には、所定の高さで形成される第1の歯73cと、この第1の歯73cよりも低く形成される第2の歯73dとを有しており、これらの歯73c,73dは、ロック部材75よりも幅広に形成される歯溝73eを介して交互に配設されるように形成されている。さらに、これらの歯73c,73dの先端面や歯溝73eの底面は、図12(a)に示すように、小径ギヤ部72の各歯72a,72bの先端面や歯溝72cの底面よりも径方向外側に所定量オフセットされた位置に形成されるようになっている。また、小径ギヤ部72の各歯72a,72bと、大径ギヤ部73の各歯73c,73dは、小径ギヤ部72および大径ギヤ部73がコイルばね74によって中立位置に維持されている際においては、周方向で所定量ずれるようになっており、そのずれ量は、小径ギヤ部72の第1の歯72aと大径ギヤ部73の第2の歯73dとの間で形成される隙間βや、小径ギヤ部72の第2の歯72bと大径ギヤ部73の第1の歯73cとの間で形成される隙間γが、ロック部材75の幅b以下の長さとなるように設定されている。
コイルばね74は、小径ギヤ部72の長孔72eおよび大径ギヤ部73の長孔73bで形成される空間内に配設されており、その空間内において小径ギヤ部72と大径ギヤ部73とに架け渡されるようにこれらに固定されている。具体的には、図12(a)において、小径ギヤ部72の上側の長孔72eの左端部と、大径ギヤ部73の上側の長孔73bの右端部とにコイルばね74の両端が固定されるとともに、小径ギヤ部72の下側の長孔72eの右端部と、大径ギヤ部73の下側の長孔73bの左端部とにコイルばね74の両端が固定されるようになっている。これにより、小径ギヤ部72に対して大径ギヤ部73を中立位置から回転方向へずらすと、二つのコイルばね74がともに縮み変形または伸び変形し、これらのコイルばね74がその変形状態から元の状態へ復帰することで小径ギヤ部72に対して大径ギヤ部73が中立位置に復帰するようになっている。
ロック部材75は、所定の幅bの矩形断面を有する形状で形成されており、その先端側(ロック用ギヤ部71側)の一方の角部が、中立位置に位置する小径ギヤ部72の第1の歯72aの角部と、大径ギヤ部73の第1の歯73cの角部で形成される段差部に引っ掛からないように、面取りされて所定のテーパ面75aとして形成されている。なお、ロック部材75の先端側の角部の他方については、中立位置に位置する小径ギヤ部72の第1の歯72aの角部と、大径ギヤ部73の第1の歯73cの角部で形成される段差部に引っ掛かるという問題が生じないので、面取りは不要となっている。
次に、第5の実施形態に係る回転体ロック機構7の動作について説明する。参照する図面において、図13は、第5の実施形態に係る回転体ロック機構の動作を示す図であり、歯溝へのロック部材の挿入前の状態を示す部分拡大図(a)と、ロック部材のテーパ部が二つの歯の角部に当接した状態を示す部分拡大図(b)と、ロック部材のテーパ部により二つの歯を押し戻した状態を示す部分拡大図(c)と、大径ギヤ部が中立位置に戻った状態を示す部分拡大図(d)である。また、図14は、図13の各ギヤ部が逆回転するときの回転体ロック機構の動作を示す図であり、大径ギヤ部にロック部材が当接した状態を示す部分拡大図(a)と、大径ギヤ部に対して小径ギヤ部が相対回転する状態を示す部分拡大図(b)と、小径ギヤ部が中立位置に戻った状態を示す部分拡大図(c)である。
図13(a)に示すように、ロック部材75が図示せぬトーションスプリングによってロック用ギヤ部71側に押圧されると、ロック部材75は、まず、大径ギヤ部73の隣り合う二つの第1の歯73c,73cの間の大きな隙間に挿入されていく。このとき、図13(b)に示すように、大径ギヤ部73の第1の歯73cの角部と小径ギヤ部72の第1の歯72aの角部に、ロック部材75のテーパ面75aが当接した場合には、このロック部材75は、大径ギヤ部73および小径ギヤ部72の各歯73c,72aの角部で形成される段差部に引っ掛からずに、そのテーパ面75aで各歯73c,72aを今まで回転していた方向とは逆方向に押し戻す。そして、テーパ面75aで押し戻される各歯73c,72aは、ロック部材75の側面部75bまで押し戻されると、その側面部75bで保持されることとなる。ただし、この保持は、まず最初に大径ギヤ部73側の歯73cに対して行われるため、その後もまだテーパ面75aで押し戻されている小径ギヤ部72の歯72aは、大径ギヤ部73の歯73cに対して相対移動することとなり、その結果、図13(c)に示すように、小径ギヤ部72の第1の歯72aと大径ギヤ部73の第2の歯73dとで形成される隙間が広げられることとなる。
そして、前記したように広げられた隙間にロック部材75が挿入した後、各ギヤ部72,73に加えられていた回転力が無くなると、図13(d)に示すように、大径ギヤ部73がコイルばね74(図12参照)の付勢力により中立位置に戻されることで、ロック部材75が、小径ギヤ部72の第1の歯72aと大径ギヤ部73の第2の歯73dによって挟持されることとなる。
なお、前記したように挿入時にロック部材75のテーパ面75aと、各歯73c,72aの角部とが当接しない場合、前記と同様の動作が実現される。すなわち、例えば、大径ギヤ部73の第2の歯73dの先端にロック部材75の先端が当接する場合であっても、各ギヤ部72,73がともに回転することでロック部材75に対して第2の歯73dが遠ざかっていき、かつ、第1の歯73c,72aが近づいてくることによって、いずれは図13(c)の状態となるため、その後ロック部材75が各歯72a,73dで挟持されることとなる。
また、前記した回転方向とは逆方向に各ギヤ部72,73を回転させた場合であっても、前記と同様の作用効果を奏することとなる。簡単に説明すると、図14(a)に示すように、ロック部材75は、まず、最初に大径ギヤ部73の第1の歯73cと当接することで、大径ギヤ部73の動きを抑え、これにより、図14(b)に示すように、大径ギヤ部73に対して小径ギヤ部72が相対回転して、小径ギヤ部72の第2の歯72bと大径ギヤ部73の第1の歯73cとで形成される隙間が広げられる。そして、このように広げられた隙間にロック部材75が挿入した後、図14(c)に示すように、小径ギヤ部72が中立位置に戻ることによって、ロック部材75が各歯72b,73cによって挟持されることとなる。
以上によれば、第5の実施形態において、次のような効果を得ることができる。
ロック部材75が、小径ギヤ部72の第1の歯72aと大径ギヤ部73の第2の歯73dとで形成される隙間を広げた後、その広がった隙間に挿入されるとともに、挿入後は、大径ギヤ部73が中立位置に戻ることで広げた隙間が元に戻って、その両側の歯72a,73dによって挟持されるので、溝(歯72a,73d間の溝)に対するロック部材75の入りやすさを損なうことなく、噛み合い時における前記溝とロック部材75とのがたつきを抑制することができる。
小径ギヤ部72の第1の歯72aの先端面と大径ギヤ部73の第1の歯73cとの先端面とが径方向においてオフセットされるとともに、各歯72a,73cが回転方向においてオフセットされているので、ギヤ部72,73側に移動してくるロック部材75を、二つの歯72a,73cの角部で受け止めることができる場合があり、この場合は、ロック部材75から各ギヤ部72,73に加わる衝撃応力を低減することができる。
なお、本発明は、第5の実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
第5の実施形態では、ロック部材75側にテーパ面75aを形成したが、本発明はこれに限定されず、図15に示すように、段差の下側の部分を構成する小径ギヤ部72の第1の歯72aの角部を面取りするようにしてもよい。これによれば、テーパ面を設けないロック部材85であっても、前記実施形態と同様に、ロック部材85が段差部に引っ掛かることを防止することができる。
また、小径ギヤ部72の形状は、第5の実施形態に限定されず、例えば図16(a)に示すような形状としてもよい。具体的に、このギヤ部82は、その先端面が大径ギヤ部73の第1の歯73cの先端面と面一となり、かつ、その両側面が中立位置において第1の歯73cの両側面からはみ出るように形成される幅広歯82cと、大径ギヤ部73の歯溝73eの底面よりも径方向内側にオフセットした位置に形成される底面を有する歯溝82eを有した構造となっている。なお、ロック部材85は、図12に示すような各ギヤ部72,73による段差を考慮する必要がないので、単なる矩形形状となっている。
このような構造によれば、図16(a)に示すように、ロック部材85を歯溝82eへ挿入していくと、図16(b)に示すように、このロック部材85は、まず、ギヤ部82の幅広歯82cに当接することで、このギヤ部82の回転を止める。このようにロック部材85がギヤ部82の動きを止めると、図16(c)に示すように、このギヤ部82に対して大径ギヤ部73が相対回転することで、ギヤ部82の幅広歯82cと大径ギヤ部73の第2の歯73dとによって形成される隙間が広げられることとなる。そして、その後、各ギヤ部73,82に加えていた回転力を無くすと、図16(d)に示すように、大径ギヤ部73が中立位置に戻ることで、各歯82c,73dによってロック部材85が挟持されることとなる。そのため、溝(歯82c,73d間の溝)に対するロック部材85の入りやすさを損なうことなく、噛み合い時における前記溝とロック部材85とのがたつきを抑制することができる。
また、第5の実施形態では、大径ギヤ部73の歯73c,73dの先端面や歯溝73eの底面を、小径ギヤ部72の各歯72a,72bの先端面や歯溝72cの底面よりも径方向外側に所定量オフセットさせているが、本発明はこれに限定されず、図17(a)〜(d)に示すように、径方向にオフセットさせないようにしてもよい。この場合には、第5の実施形態と同様の効果を奏する他、第5の実施形態のように中立位置に位置する小径ギヤ部72の第1の歯72aの角部と、大径ギヤ部73の第1の歯73cの角部で形成される段差部にロック部材75が引っ掛かるということがないので、ロック部材75のテーパ面75aを不要とすることもでき、その分加工コストを低減できるといった効果も奏することとなる。
前記各実施形態では、回転体ロック機構の適用場所をSBW方式の電動パワーステアリング装置としたが、本発明はこれに限定されず、例えば各実施形態に係る回転体ロック機構を、駐車時の誤動作防止のために自動変速機に用いられる遊星歯車機構のサンギヤをロックする構造(いわゆる車軸ロック構造)に利用してもよい。また、複数の動力源(ハイブリッド)を遊星歯車で切り替えるためのロック機構や、可変舵角機構の失陥時に用いるロック機構などに本発明を適用してもよい。
各実施形態では、回転体をギヤとしてロック部材が係合する溝を歯溝としたが、本発明はこれに限定されず、回転体はギヤ形状でなく、単に所定個数の溝が形成されたものであってもよい。
本発明に係る回転体ロック機構が適用される電動パワーステアリング装置を示す斜視図である。 図1の遊星歯車機構と回転体ロック機構の関係を示す説明図である。 第1の実施形態に係る回転体ロック機構を示す側面図(a)と、図3(a)のロック用ギヤ部を下から見た状態を示す下面図(b)と、図3(a)のX矢視図(c)である。 第1の実施形態に係る回転体ロック機構の動作を示す図であり、非ロック状態を示す側面図(a)と、非ロック状態が解除されてロック部材の先端部がロック用ギヤ部の歯溝の底面に当接した状態を示す側面図(b)である。 第1の実施形態に係る回転体ロック機構の動作を示す図であり、ロック部材がその先端部の斜面に沿って移動する状態を示す側面図(a)と、ロック状態となるロック部材のテール部をソレノイドで押圧した状態を示す側面図(b)である。 第1の実施形態に係る回転体ロック機構のロック用ギヤ部の変形例を示す図であり、ロック用ギヤ部の歯溝形状の詳細を示す部分拡大図(a)と、図6(a)のZ−Z断面図(b)である。 第2の実施形態に係る回転体ロック機構を示す側面図(a)と、平面図(b)である。 第3の実施形態に係る回転体ロック機構を示す側面図(a)と、平面図(b)である。 第4の実施形態に係る回転体ロック機構を示す図であり、歯溝へのロック部材の挿入前の状態を示す部分拡大図(a)と、歯溝とロック部材の嵌合状態を示す部分拡大図(b)である。 第4の実施形態に係る回転体ロック機構の変形例を示す図であり、ロック部材の詳細を示す分解斜視図(a)と、歯溝へのロック部材の挿入前の状態を示す部分拡大図(b)と、歯溝とロック部材の嵌合状態を示す部分拡大図(c)である。 第4の実施形態に係る回転体ロック機構の変形例を示す図であり、ロック部材の詳細を示す分解斜視図(a)と、歯溝へのロック部材の挿入前の状態を示す部分拡大図(b)と、歯溝とロック部材の嵌合状態を示す部分拡大図(c)である。 第5の実施形態に係る回転体ロック機構を示す平面図(a)と、ロック用ギヤ部の詳細を示す分解斜視図(b)である。 第5の実施形態に係る回転体ロック機構の動作を示す図であり、歯溝へのロック部材の挿入前の状態を示す部分拡大図(a)と、ロック部材のテーパ部が二つの歯の角部に当接した状態を示す部分拡大図(b)と、ロック部材のテーパ部により二つの歯を押し戻した状態を示す部分拡大図(c)と、大径ギヤ部が中立位置に戻った状態を示す部分拡大図(d)である。 図13の各ギヤ部が逆回転するときの回転体ロック機構の動作を示す図であり、大径ギヤ部にロック部材が当接した状態を示す部分拡大図(a)と、大径ギヤ部に対して小径ギヤ部が相対回転する状態を示す部分拡大図(b)と、小径ギヤ部が中立位置に戻った状態を示す部分拡大図(c)である。 第5の実施形態の変形例を示す部分拡大図である。 第5の実施形態の変形例を示す図であり、歯溝へのロック部材の挿入前の状態を示す部分拡大図(a)と、幅広歯にロック部材が当接した状態を示す部分拡大図(b)と、ギヤ部に対して大径ギヤ部が相対回転する状態を示す部分拡大図(c)と、大径ギヤ部が中立位置に戻った状態を示す部分拡大図(d)である。 第5の実施形態の変形例を示す図であり、歯溝へのロック部材の挿入前の状態を示す部分拡大図(a)と、小径ギヤ部に相当する第1の回転体のギヤ部にロック部材が当接した状態を示す部分拡大図(b)と、大径ギヤ部に相当する第2の回転体のギヤ部に対して第1の回転体のギヤ部が相対回転する状態を示す部分拡大図(c)と、第2の回転体のギヤ部が中立位置に戻った状態を示す部分拡大図(d)である。
符号の説明
1 遊星歯車機構
2 回転体ロック機構
11 サンギヤ
11a サンギヤ部
11b ロック用ギヤ部(回転体)
11d 歯溝
11e 端面
11g 底面
11h 角部
11j 両側部
21 ロック部材
21a 先端部
21b 根元部
21c テーパ形状部
21d 斜面
21e テール部
21f 長孔
21g 係合部
21h 角部
22 回転軸
23 ハウジング
23a ソレノイド取付部
23b ガイド斜面
23c 回転軸支持部
24 ソレノイド
24a ロッド
24b 本体部
25 トーションスプリング(押圧手段)

Claims (2)

  1. 転体と、
    前記回転体の外周面に前記回転体の軸方向の両端面を開口するように形成される複数の溝と、
    前記回転体の溝の少なくとも一つに嵌合することで前記回転体を停止状態にするロック部材と、
    前記ロック部材を前記回転体側に押圧させる押圧手段と、
    を有する回転体ロック機構であって、
    前記ロック部材は、
    その少なくとも一部の幅が前記溝の幅よりも小さく形成され、且つ他部の幅が前記溝よりも大きく形成されるテーパ形状部と、
    前記溝の幅よりも幅狭に形成され、かつ、前記回転体との当接時に前記溝の底面に対して傾斜する斜面を有する第一部分と、
    前記第一部分よりも幅広に形成され、かつ、前記テーパ形状部を介して前記第一部分に結合する第二部分と、
    を有するとともに、前記押圧手段によって前記回転体側に押圧される前記第一部分の斜面が、前記溝に当接することで、前記斜面に沿って移動し、
    前記押圧手段は、前記ロック部材の第一部分を前記回転体側に付勢する弾性部材であり、
    前記回転体ロック機構は、
    この弾性部材による押圧力の保持・解放を切替自在な押圧力制御手段と、
    前記ロック部材を揺動自在に支持する回転軸と、をさらに備え、
    前記ロック部材は、
    その第一部分が前記回転軸を中心に揺動自在に構成されるとともに、前記角部と前記斜面との当接による移動を許容する前記回転軸の逃げ孔が形成されていることを特徴とする回転体ロック機構。
  2. 前記押圧力制御手段は、
    前記ロック部材の基端部を押圧することで、前記ロック部材の前記第一部分を前記弾性部材の付勢力に抗して前記回転体から離れる方向に揺動させるように構成され、
    前記押圧力制御手段による押圧によって揺動する前記ロック部材の前記第一部分と係合することで、その揺動を禁止させて前記ロック部材を前記逃げ孔に沿って初期位置まで戻すように案内するガイド部がさらに設けられていることを特徴とする請求項に記載の回転体ロック機構。
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