JP4713895B2 - ヨウ化物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化物や活性炭に白金族元素を担持した触媒を用いて、気相法によってヨウ化水素やヨウ化メチルなどのヨウ化物を製造する方法に関する。
ヨウ化水素は、医薬中間体やメチル化剤であるヨウ化メチルなどの原料として重要な商品である。現在、ヨウ素と水とを懸濁冷却させながら赤リンを加え、これを蒸留および精製して製造している。また、水に懸濁させたヨウ素を硫化水素で還元させる方法によっても製造することができる。また、ヨウ化メチルは、メチルアルコールにヨウ素と赤リンを作用させることで製造することもでき、ガス状水素とヨウ素からヨウ化水素を製造する方法が種々提案されている。例えば、ヨウ素を飽和した水素気流を100℃に加熱した白金上を通す方法がある(非特許文献1)。
このようなヨウ化水素やヨウ化メチルなどのヨウ化物の製造方法として、天然ガスの主成分であるメタンとヨウ素とから、ヨウ化水素酸もしくはその誘導体を製造する方法が開示されている(特許文献1)。しかしながら、該方法は触媒を使用しないため反応温度が950℃以上と極めて高く、反応域の空間速度が385hr−1以下であって低く、生産性が低い。
一方、飽和炭化水素またはそのハロゲン化合物を溶媒として、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金黒等の白金族元素触媒の存在下に、ヨウ素と水素を50〜200℃で直接反応させてヨウ化水素を製造する方法が開示されている(特許文献2)。該方法は溶媒を使用しており、液相法によるヨウ化水素の製造方法である。
このような液相法による合成として、金属成分がロジウムあるいはイリジウムである金属性触媒との接触状態で約75〜200℃の反応温度、約25〜500psigの反応圧力、約5〜300psigの一酸化炭素分圧で強酸含有反応媒体中でヨウ素を水ならびに一酸化炭素と反応させてヨウ化水素を製造する方法も開示されている(特許文献3)。上記の温度と圧力に保たれた固定床反応器中でアランダム、活性炭、粘土、アルミナ、シリカ−アルミナその他の不活性支持担体物質上に沈着させたロジウムあるいはイリジウム触媒を用いている。なお、全反応物を気相で行うには、HI、HBr、HCl、HSO、HNOなどの強酸の強酸反応媒体が必要である。
更に液相法によるヨウ化アルキルの製造方法として、触媒として不活性物質に坦持させた金属ロジウム、ルテニウム、イリジウムから選ばれた元素またはこれらの元素のヨード化合物の存在下、炭素数1〜6のアルカノールと水素とヨウ素とから、反応温度70〜125℃でヨウ化アルキルを製造させる方法も開示されている(特許文献4)。また、液相法によるヨウ化水素の製造方法として、触媒として不活性物に坦持させた金属ロジウムとルテニウムまたはこれらの元素のヨード化合物の存在下、水を反応媒体とし水素とヨウ素とから、反応温度70〜125℃でヨウ化水素を製造させる方法も開示されている(特許文献5)。なお、水素源には、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、低級炭化水素などの水素以外の成分を含むことが可能であると記載されている。
特公昭48−995号報公報 特公昭47−15456号公報 特開昭48−32796号公報 US3,784,518号 US3,848,065号 共立出版株式会社発行、化学大辞典9巻、ページ410
ヨウ化水素やヨウ化メチルは、医療用原料などとして多用される化合物であり、簡単な工程、安価な原料で収率高く製造されることが望まれる。しかしながら、非特許文献1記載の方法では生産性が低い。また、特許文献2記載の方法では、飽和炭化水素またはそのハロゲン化合物を溶媒を使うため、工程が複雑である。また、特許文献3、4は液相法によるヨウ化水素やヨウ化アルキル製造方法であるが、気相法で合成できればその後の目的物の処理が容易である。しかしながら、気相法による効率的なヨウ化物の製造方法は存在しない。
そこで、本発明は、効率よくヨウ化水素やヨウ化メチルなどのヨウ化物を製造する方法を提供することを目的とする。
また、水素源として他の成分が含まれる場合であっても、長期に亘り安定してヨウ化物を製造し得る、ヨウ化物の製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者等は、ヨウ化物の製造方法について詳細に検討した結果、酸化物および/または活性炭に白金族元素を坦持してなる触媒の存在下に、気相法でヨウ素と、水素および/またはメタンを反応させると、ヨウ素転化率を向上させ、その結果効率よくヨウ化水素やヨウ化メチルなどのヨウ化物を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
しかも、原料の水素として、メタンやメタノールからの改質ガスを使用することができる。これらはガス状で入手できるため特に気相反応に好適に使用することができる。このため、ヨウ化水素やヨウ化メチルの需要拡大に伴い、安価に入手できる原料を用いて簡便に大量のヨウ化水素やヨウ化メチルを生産することができる。
本願発明によれば、気相法で反応させるため、低温かつ高空間速度で生産性高くヨウ化物を製造することができる。
本発明では、炭化水素などの改質反応によって得られる改質ガスに含まれる水素を利用することができ、安価な水素源を利用することでヨウ化水素および/またはヨウ化メチルを安価に製造することができる。
本発明のヨウ化物の製造方法によれば、不純物を含む水素源を使用しても、長期に亘り安定してヨウ化物を製造することができる。
本発明は、ヨウ素と、分子状水素含有ガスおよび/またはメタンとを、白金族元素の一種以上の元素を酸化物および/または活性炭に分散担持させた触媒の存在下に気相反応させることを特徴とするヨウ化物の製造方法である。
従来から、水素とヨウ素とを触媒存在下に気相法で効率的にヨウ化物を製造する例は存在しない。触媒を使用した場合であっても触媒活性が低下く、このため生産性が向上しないと考えられる。しかしながら、本発明では特定の触媒を使用することで気相法によってヨウ化物を製造することができ、転化率の向上に加えてヨウ化水素やヨウ化メチルなどのヨウ化物の回収が容易となり、極めて収率および操作性高くヨウ化物を製造することができる。
すなわち、本願発明では白金族元素を酸化物および/または活性炭に分散坦持させることを要件とするが、白金族元素を酸化物および/または活性炭などの担体に坦持させずに単体で使用すると、ヨウ素の転化率が向上せずその結果ヨウ化水素などのヨウ化物の収率が低くなる。また、酸化物や活性炭に代えて金属担体に白金族元素を坦持させると、担体基材がヨウ化水素などのヨウ化物で腐食されるため、長期にわたる製造に適しない。本発明では、白金族元素を酸化物および/または活性炭の表面に分散坦持させることでヨウ素と水素とを活性化させることができ、この結果、比較的低い反応温度でもヨウ化水素の生成速度を向上させることができる。また、本願発明はガス状水素および/またはメタンまたは水素含有ガスとガス状ヨウ素とから、触媒を固定床とした気相法で反応を行うことにより、生産性よく、触媒寿命が長く、ヨウ化水素および/またはヨウ化メチルの回収が容易なヨウ化水素および/またはヨウ化メチルを製造する方法を提供するものである。
本発明における白金族元素とは、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム及びイリジウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である。これらの中でも、白金、パラジウム、ロジウムまたはルテニウムを使用することが好ましい。転化率に優れるからである。これらの元素を含有する化合物としては、上記白金族元素の硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、アミン、炭酸塩、重炭酸塩、ハロゲン塩、亜硝酸塩、蓚酸などの無機塩類、ギ酸塩などのカルボン酸塩および水酸化物、アルコキサイド、酸化物などが例示でき、これらを溶解する溶媒の種類やpHなどによって適宜選択することができる。これらの中でも、工業的に使用するにあっては硝酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物などが好ましい。
より具体的には、白金の場合は塩化白金、塩化白金酸、ヘキサクロロ白金酸、ジクロロアンミン白金、トリクロロアンミン白金塩、ヘキサアンミン白金塩、白金黒などが使用される。また、パラジウムの場合には塩化パラジウム、酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、バラジウムアセチルアセトナート、バラジウム黒などが使用される。ロジウムの場合には酢酸ロジウム、硝酸ロジウム、塩化ロジウム、ジニトロジアミノロジウム、ロジウムアセチルアセトナートなどが使用される。また、ルテニウムの場合は、塩化ルテニウム水和物、ルテニウムアセチルアセトナート、ルテニウムブロマイド等が使用される。
酸化物としては、酸化チタン、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウムなどの遷移金属酸化物、酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の酸化物、シリカ、アルミナ、その他コージライト、ゼオライト、シリカアルミナ、コランダム、ムライト、リチウムアルミニウムシリケート、アルミニウムシリケート、ヘキサアルミネート、チタニヤシリカ、メソポーラスマテリアル、酸化物層状化合物、ペロブスカイト型酸化物、スピネル型酸化物、逆スピネル型酸化物等の複合酸化物が好ましい。
ゼオライトには、ZSM−5、A型、Y型、X型、モルデナイト、β型、シリカライトなどのマイクロポーラスマテリアル、アルミノシリケート型の結晶性マイクロポーラスマテリアルがあり、メソポーラスマテリアルにはMCM−41、FSM−16等がある。また、酸化物層状化合物としてはモンモリロナイト、ハイドロタルサイト、アパタイト、セピオライト、雲母などがある。ペロブスカイト型酸化物としては、LaFeO,BaTiO、La−xSrxCoO等があり、スピネル型酸化物としては、MgAl、ZnAl等がある。また、逆スピネル型酸化物には、Fe(MgFe)Oなどがある。本発明では、上記酸化物その中でも特に酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカ、アルミナ、コージライト、ジルコニヤ、シリカアルミナ、またはゼオライトであることが好ましい。
また、活性炭としては、木片、木粉、ヤシ殻、クルミ殻などを原料として活性化した植物系活性炭、泥炭、石炭コークス、タール等を原料として活性化した鉱物系活性炭、その他再生繊維、レーヨンなどの天然素材やフェノール樹脂、アクリル樹脂などの合成素材を原料として活性化した活性炭がある。一般には、BET比表面積が300〜10,000m/g、好ましくは500〜3,000m/gである。BET比表面積が300m/gを下回ると活性炭上の白金族元素の分散性が悪くなり、粒子径が大きくなり活性が低くなり好ましくない。一方、BET比表面積が10,000m/gを上回るとサブミクロンの細孔が多くなり、白金族元素の分散性が高くなりすぎ超高分散となり、反応初期は活性が高いが反応時間とともに元素の凝集が起こり活性の低下を招き好ましくない。
上記酸化物や活性炭は白金族元素の担体として使用され、担体として酸化物や活性炭を単独で使用しても両者を併用してもよい。これら担体は、粉体状態であってもよく、あらかじめリング状、球状、ハニカム状、円柱状、サドル状等に成型しておき、かかる成型体に白金族元素を坦持させてもよい。また、粉末状の担体に白金族元素を坦持させ、その後にリング状、球状、ハニカム状、円柱状、サドル状等に成型してもよい。また、上記酸化物の粉体に白金族元素を坦持させたものを、予めリング状、球状、ハニカム状、円柱状、サドル状等の形状に成型したコージライトを含む酸化物、SiCや窒化物等に坦持させて使用してもよい。SiCや窒化物等を使用すると熱伝導性、耐熱性に優れるからである。
白金族元素は、酸化物および/または活性炭に分散担持されるが、この際の白金族元素の平均粒子径は、0.5〜20,000nm、より好ましくは1〜10,000nmである。平均粒子径がこの範囲であれば転化率に優れ、白金族元素の単位質量当たりの触媒活性量を増大させることができる。なお、本発明において触媒金属の平均粒子径とは、ガス吸着法、粉末X線回折法、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡等によって測定することができる。
本願発明における白金族元素の好ましい坦持量は酸化物および/または活性炭1リットル当たり、白金族元素の量は0.05〜20g、より好ましくは0.5〜10gである。この範囲で転化率が高く、かつ活性が安定する。
本発明においては、白金族元素と共にCr、Ni、Fe、Co、V、Mn、Sn、W、Moを担体上に担持させてもよい。これによって触媒活性を更に向上させることができる。
また、ヨウ素とメタンとを反応させる場合には、白金族元素と共に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、稀土類元素の酸化物や塩化物を担体1L当たり0.01〜10gより好ましくは0.02〜5g加えることが好ましい。メタンを原料とする場合には炭素が析出しやすいが、上記元素を併用することで炭素の析出を防ぐことができる。特にこれらは酸化物や塩化物として使用すると、その効果が高い。
ここで白金族元素を担体としての酸化物および/または活性炭へ坦持する方法としては、特別の調製方法を必要とせず従来公知の浸漬法や含侵法、イオン交換法、カルボニルなどの揮発性錯体の蒸着法などで坦持させることができる。白金族元素含有化合物としてヘキサクロロ白金(IV)酸(H[PtCl]・6HO)を、担体としてアルミナを使用する場合で例示すると、ヘキサクロロ白金(IV)酸を塩酸酸性のイオン交換水に溶解させ、熱処理後の白金坦持量がアルミナ担体1L当たり例えば1gとなるように該溶液を量りとりアルミナに添加する。攪拌下にアルミナ担体に白金元素を担持させた後に、熱風空気気流中で水分を蒸発させ、充分に乾燥させる。次いで、空気、水素、あるいは窒素等のガス雰囲気下200〜800℃で1〜24時間熱処理を行うと触媒を得ることができる。このような方法で白金族元素を酸化物および/または活性炭に高分散させるとヨウ素の転化率が向上し、従ってヨウ化水素および/またはヨウ化メチルなどのヨウ化物の収率が高くなる。
本発明のヨウ化物の製造方法によれば、ヨウ素と分子状水素含有ガスとを気相法で反応させることでヨウ化水素を製造することができる。または、ヨウ素とメタンとを気相法で反応させることでヨウ化メチルおよび/またはヨウ化水素を製造することができる。ヨウ素1モルとメタン2モルとを反応させると2モルのヨウ化メチルと1モルの水素とが生成するが、過剰のヨウ素が含まれる場合には副生する水素がヨウ素と反応し、生成したヨウ化メチルが分解するためヨウ化水素のみが製造される場合がある。したがって、本発明のヨウ化物の製造方法としては、上記原料を使用して、ヨウ化物としてヨウ化水素および/またはヨウ化メチルを製造することができる。
本発明において、ヨウ素と分子状水素含有ガスとを反応させてヨウ化水素を製造する場合には、両者の混合比はヨウ素1モルに対して水素20〜0.5モルであることが好ましく、より好ましくは10〜1モルである。また、ヨウ素とメタンとを反応させてヨード化合物を製造する場合には、両者の混合比はヨウ素1モルに対してメタン20〜1モルであることが好ましく、より好ましくは10〜1モルである。なお、原料ガスには、ヨウ素、分子状水素含有ガス、メタンのほかに、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスが含まれていてもよい。
本発明において上記触媒を使用し、ヨウ素と、分子状水素含有ガスおよび/またはメタンとを気相法で反応させる場合の反応温度は原料化合物の種類によって相違するが、150〜1,000℃、より好ましくは200〜900℃、特に好ましくは250〜850℃である。150℃を下回ると水素やヨウ素の活性化が不十分となり、また生成物の触媒表面からの脱離が不十分となる場合がある。特に一酸化炭素が共存する場合には、一酸化炭素が優先的に白金族元素上に吸着されるためその影響が大きくなる。一方、温度が1,000℃を超えると、ヨウ素の転化率が著しく低下してヨウ化水素やヨウ化メチルなどのヨウ化物の収率が低くなる場合がある。更に、白金族元素が担体上で凝集しやすくなり、または担体内部への移動が生じるため反応時間と共に触媒活性が低下する場合がある。更に熱力学平衡の観点からも反応温度は低い方が有利である。
なお、水素を原料とする場合に比べて、メタンを使用する場合にはガスの活性化に高温度を必要とする。より具体的には、水素とヨウ素からヨウ化水素を得るには比較的低温の反応でよいが、メタンとヨウ素とからヨウ化水素及び/またはヨウ化メチルをはじめとするヨード化合物を得る場合にはより高い温度が必要となる。しかしこの場合であっても、1,000℃を越えるような場合にはメタンが更に活性化されてCH3−x基が生成し、メチル基やCH3−x基のカップリング反応を起したり、さらには炭化物や炭素にまで進み目的とするヨード化合物の選択率及び収率を下げる結果となり好ましくない。したがって本願発明の実施に当たり、メタンとヨウ素の反応、または反応原料ガス中にメタンを含みこのメタンも有効に利用する場合においては、反応温度は250〜1,000℃、より好ましくは300〜1,000℃、特に好ましくは400〜1,000℃の範囲であることが好適である。
なお、反応原料ガス中のメタンを活性化させて有効に使うには、反応温度ほどには重要な要件とはならないが反応系内の圧力が、常圧より高い方が好ましい。
本発明においては、ガス空間速度(標準状態で、単位時間当たりの反応ガス容積と触媒容積の比率)は重要な要件であり、300〜10,000Hr−1の範囲が好ましく、より好ましくは500〜4,000Hr−1の範囲である。300Hr−1を下回ると、ヨウ素や生成物の触媒表面からの脱離が不十分となり、特にメタンを水素源に使用した場合は炭素の析出を引き起こしやすくなる。特に、一酸化炭素が共存すると一酸化炭素の脱離が不十分となる場合がある。一方、10,000Hr−1を超えると、原料水素やメタン、ヨウ素の触媒上での滞留時間が短か過ぎて反応性が低下して、ヨウ化水素および/またはヨウ化メチルの収率が大幅に低下する場合がある。
なお、反応圧力は特に制限はないが、通常は常圧から10Mpaまでの範囲で実施される。
本発明は、気相法でヨウ素と分子状水素含有ガスおよび/またはメタンとを反応させ、ヨウ化水素やヨウ化メチルなどのヨウ化物を製造するものである。生成したヨウ化水素を捕集するには、例えば、冷却して液状ヨウ化水素として回収してもよく、水で回収してヨウ化水素酸として回収することもでき、または水酸化カリウム溶液でヨウ化カリウムとして捕集してもよい。ヨウ化水素と同様にしてヨウ化メチルを捕集することができる。
なお、生成したヨウ化水素、ヨウ化メチル、未反応ヨウ素の水での回収に当たり、反応生成ガスを耐食性の材質からなる例えば、セラミック製、磁器製、ガラス製、ハステロイ製などの充填材を充填した充填塔に導入し、そこに回収液水を反応生成ガスに対して向流または並流に供給させて生成物などを回収することが好ましい。ここで回収液は一回使用でも、循環使用でも可能である。
なお、ヨウ化物製造装置の出口ガスに未反応水素やヨウ素が含まれる場合には、ヨウ化物回収後、水素ガスやヨウ素を回収し原料の一部として再利用したり、ヨウ化物回収後の排ガスの一部を水素源の一部として再使用することもできる。
また、本発明で使用する上記触媒の活性が低下した場合には、触媒を反応器に充填したまま、または一旦反応器から抜き出して空気、酸素、窒素、ヘリウムなどの不活性ガス、またはメタンなどの低級炭化水素ガスと共に熱処理すると、容易に触媒活性を回復させることができる。
本発明では、分子状水素含有ガスとして、純水素のほか、(1)メタンの水蒸気改質および/または二酸化炭素改質により得られる改質ガス、(2)メタンの部分酸化反応により得られる改質ガス、(3)メタノールの水蒸気改質または分解反応により得られる改質ガスを使用することができる。本発明における反応ガス組成は(ヨウ素ガス量を除いて)、水素ガス10〜99体積%、一酸化炭素0〜70体積%、二酸化炭素0〜70体積%、水蒸気0〜70体積%、メタン0〜99体積%であることが好ましい。
分子状水素含有ガスなどの水素源としては、昨今燃料電池や電気自動車などの燃料用としての需要の高まりに加えて水素の製造技術の向上によって安価に水素が入手できるようになっている。現在実施されたり開発中の水素製造技術として、メタンをはじめとする低級飽和炭化水素を原料とする改質方法、メタノールを原料とする改質方法などが知られている。本発明では、メタン、メタノールなどを原料とする改質ガスを分子状水素含有ガスとして使用することができ、安価にヨウ化物を製造することができる。一方、このような改質ガスには、改質反応に由来する一酸化炭素が含まれており、一酸化炭素は白金触媒に対する触媒毒として作用することが知られている。しかしながら本発明によれば、触媒としてアルミナやコージライト等の酸化物や活性炭を担体に白金族元素を分散担持させた触媒を使用することで一酸化炭素による活性低下を防止することができる。この効果は反応ガス中に酸化作用のあるヨウ素ガスが含まれるためと考えられる。特に、反応温度150〜1,000℃、ガス空間速度300〜10,000hr−1でガス状ヨウ素と分子状水素含有ガスおよび/またはメタンとを反応させる場合には、初期から触媒活性が高く、触媒活性を長期に亘り安定させることができ、原料ガス中の水素ガスのヨウ素ガスに対する比率を理論比率にまで下げても高い生産性を確保でき、かつ一酸化炭素による触媒毒を抑制して長期にわたる安定したヨウ化水素および/またはヨウ化メチルの製造を行うことができる。
このような改質ガスを使用する場合には、予め他所で製造した改質ガスをボンベに収納し、該ボンベから必要量を供給してもよいし、本発明のヨウ化物の製造方法の一部として改質工程を含ませてもよい。改質反応で得た水素ガスを直接ヨウ化物の製造工程で使用する場合には、改質装置をヨウ化物製造装置に配設し、改質装置の出口ガスを分子状水素含有ガスとしてヨウ化物製造装置に供給すればよい。さらに、上記改質ガスに含まれる水素濃度を高め、一酸化炭素を下げるために更にシフト工程をはさみ、これらの工程によって得られた分子状水素含有ガスを使用してもよい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。各実施例の結果を表1に、比較例の結果を表2に示す。
(実施例1−1)
3mmφの球状アルミナに白金坦持量が1g/L(担体1リットル当たりの白金の坦持量が1gであることを示す。)である触媒5.0mlを内径30mm、加熱部分500mmの反応石英管に充填し、外部加熱器で触媒層の温度を300℃に保った。標準状態で100%水素ガス72ml/分とヨウ素ガス12ml/分(ヨウ素8.16g/時相当)とをよく混合させて前記触媒層に通した。この際のガス空間速度は1000Hr−1とした。反応を1時間行った。
反応中、反応石英管出口のガスを直径5mmのガラス玉を充填したガラス管に導入し、そこにガスと並列にイオン交換水100g/分の速度で導入してヨウ化水素ガスを吸収させ、ヨウ化水素をヨウ化水素酸として回収した。なお、未反応のヨウ素はヨウ化水素酸に溶解し同時に回収した。
回収液中のヨウ化水素は水酸化ナトリウム溶液で、未反応ヨウ素はチオ硫酸ナトリウム溶液でいずれも滴定法で測定し、反応ヨウ素モル数×100/供給ヨウ素モル数を算出して転化率(%)とし、生成ヨウ化水素モル数×100/供給ヨウ素モル数を算出して収率(%)とした。
その結果、ヨウ素の転化率は99.5%であり、ヨウ化水素の収率は99.5%であった。(実施例1−2)
反応時間を100時間連続して行う以外は、実施例1−1と同様に操作した。その結果、ヨウ素転化率99.2%、ヨウ化水素収率99.2%であった。100時間の連続使用でも触媒活性の安定性が保たれた。
(実施例2)
実施例1−1において触媒量を7.4mlとし、100%水素に代えて水素72ml/分に一酸化炭素40ml/分を加えた混合ガスを124ml/分量で触媒層に供給した以外は実施例1−1と同様に操作した。その結果、ヨウ化水素の収率は99.5%であった。
(実施例3−1)
実施例1−1において水素ガスとしてメタンを水蒸気と二酸化炭素による改質で得られた改質ガス(組成:水素59.5体積%、二酸化炭素4.6体積%、一酸化炭素33.2体積%、メタン2.7体積%)を使用し、ヨウ素ガス12ml/分(ヨウ素8.16g/時相当)との混合ガスを121ml/分の量で供給し、触媒量を5mlから7.9mlに増やした。反応中、反応石英管出口のガスを直径5mmのガラス玉を充填したガラス管に導入し、そこにガスと並列に最初の吸収用イオン交換水50gを用いて毎分2g/分の割合で循環させながら反応ガス中のヨウ化水素ガスをヨウ化水素酸として回収し、同時に未反応のヨウ素を回収した。それ以外は実施例1−1と同様に操作した。
反応時間1時間後のヨウ化水素の収率は99.4%であり、回収溶液のヨウ化水素濃度は14.1質量%であった。
(実施例3−2)
反応を100時間連続反応させた以外は実施例3−1と同様に操作した。その結果、ヨウ化水素の収率は99.2%であった。原料ガスが一酸化炭素を含む場合であっても、100時間の連続反応による収率の低下はほとんどなかった。
(実施例4)
実施例1−1において水素ガスとしてメタンを部分酸化反応で得た改質ガス(組成:水素28体積%、一酸化炭素14体積%、メタン5体積%、二酸化炭素4体積%、窒素49体積%を使用し、ヨウ素ガス12ml/分(ヨウ素8.16g/時相当)との混合ガスを269ml/分で供給し、触媒量を5mlから16mlに増やした以外は実施例1−1と同様に操作した。反応時間1時間後のヨウ化水素の収率は99.4%であった。
(実施例5)
実施例1−1において水素ガスとしてメタンの部分酸化反応で得た改質ガス(組成:水素61体積%、二酸化炭素3体積%、一酸化炭素35体積%、窒素1体積%)を使用し、ヨウ素ガス12ml/分(ヨウ素8.16g/時相当)との混合ガスを130ml/分で供給し、触媒量を5mlから7.7mlに増やした以外は実施例1−1と同様に操作した。反応時間1時間後のヨウ化水素の収率は99.4%であった。原料ガスが一酸化炭素を含む場合であっても、100時間の連続反応による収率の低下はほとんどなかった。
(実施例6−1)
実施例1−1において100%水素ガスの代わりにメタンガスを用い、反応温度を500℃とした以外は実施例1−1に従って反応を行った。
その結果、反応時間1時間後の分析の結果、ヨウ素の転化率は65%、ヨウ化水素の収率は53.5%、ヨウ化メチルの収率は11.2%であった。
(実施例6−2)
実施例6−1において反応温度を800℃とした以外は実施例6−1と同様に操作した。その結果、ヨウ素の転化率86%、ヨウ化水素の収率80.5%であった。
(実施例6−3)
実施例6−1において反応系内の圧力を5気圧とした以外は実施例6−1と同様に操作した。その結果、ヨウ素の転化率は65.3%、ヨウ化水素の収率は50.4%、ヨウ化メチルの収率は14.5%であった。反応系内の圧力を上げると活性はあまり変化はなかったが、ヨウ化メチルの生成比率が向上した。
(実施例6−4)
実施例6−1において触媒を0.5gPt;0.25gPd;0.25gRu/Lアルミナ触媒に代えて反応系内圧力を5気圧に代えた以外は実施例6−1と同様に操作した。その結果ヨウ素の転化率75.0%であり、ヨウ化水素の収率は38.0%、ヨウ化メチルの収率は36.3%であった。
(実施例7)
実施例1−1において水素ガスとしてメタノールの水蒸気改質で得た改質ガス(組成:水素63体積%、二酸化炭素22体積%、窒素4体積%、水蒸気11体積%)を使用し、ヨウ素ガス12ml/分(ヨウ素8.16g/時相当)との混合ガスを126.3ml/分で供給し、触媒量を5mlから7.5mlに増やした以外は実施例1−1と同様に操作した。反応時間1時間後のヨウ化水素の収率は99.4%であった。
(実施例8)
実施例1−1において1.0g白金/Lアルミナを1.0gPd/Lアルミナとした以外は実施例1−1に従って反応を行った。その結果ヨウ化水素の収率は98.8%であった。
(実施例9)
実施例3−1において1.0g白金/Lアルミナを1.0gPd/Lアルミナとした以外は実施例3−1に従って反応を行った。その結果ヨウ化水素の収率は98.7%であった。
(実施例10)
実施例1−1において1.0g白金/Lアルミナを1.0gRu/Lアルミナとした以外は実施例1−1に従って反応を行った。その結果ヨウ化水素の収率は99.5%であった。
(実施例11)
実施例1−1において1.0g白金/Lアルミナを1.0gRh/Lアルミナとした以外は実施例1−1に従って反応を行った。その結果ヨウ化水素の収率は99.1%であった。
(実施例12)
実施例1−1において触媒量を1.4mlに変え、水素の流量を12ml/分に変え水素とヨウ素の比率を下げて、更に反応温度を400℃とした以外は実施例1−1に従って反応を行った。その結果ヨウ化水素の収率は97.0%であった。
(実施例13)
実施例1−1において1.0g白金/Lアルミナを0.5gPt+0.5gPd/Lアルミナとした以外は実施例1−1に従って反応を行った。その結果ヨウ化水素の収率は99.4%であった。
(実施例14)
実施例1−1においてアルミナに変えてハニカム状のコージライトを使用した以外は実施例1−1に従って反応を行った。その結果ヨウ化水素の収率は99.4%であった。
(実施例15)
実施例14において反応を100時間継続して行った。その時点でのヨウ化水素の収率は99.3%であった。100時間の連続反応による収率の低下はほとんどなかった。
(実施例16)
実施例14において触媒量を5mlから16mlに増やし、100%水素ガスを水素含有ガス(組成:水素ガス28体積%、一酸化炭素14体積%、二酸化炭素4体積%、メタン5体積%、窒素49体積%)とし、ヨウ素ガス12ml/分(ヨウ素8.16g/時相当)との混合ガスを269ml/分の量に変更した以外は、実施例14と同様に操作した。反応時間1時間後のヨウ化水素の収率は99.4%であった。
(実施例17)
実施例14において100%水素ガスに代えてメタンの水蒸気改質ガス(組成:水素ガス59.5体積%、一酸化炭素33.2体積%、二酸化炭素4.6体積%、メタン2.7体積%)とし、ヨウ素ガス12ml/分(ヨウ素8.16g/時相当)との混合ガスを121ml/分の量に変更した以外は、実施例14と同様に操作した。反応時間1時間後のヨウ化水素の収率は99.5%であった。
(実施例18〜21)
実施例3−1におけるアルミナ酸化物担体に代えてジルコニアを使用し(実施例18)、アルミナ酸化物担体に代えてSiOを使用し(実施例19)、アルミナ酸化物担体に代えて酸化マグネシウムを使用し(実施例20)、アルミナ酸化物担体に代えて酸化チタニウムとした(実施例21)以外は実施例3−1に従って反応を行った。
その結果、ヨウ化水素の収率はそれぞれ実施例18では95%、実施例19では94.6%、実施例20では93.2%であった。なお、実施例20の反応を100時間継続した後のヨウ化水素の収率は93.0%と安定していた。そして実施例21ではヨウ化水素の収率は96.1%であった。
(実施例22)
実施例3−1において水素ガスに代えて水素含有ガス(組成:水素ガス59.5体積%、一酸化炭素33.2体積%、二酸化炭素4.6体積%、メタン2.7体積%)とし、ヨウ素ガス12ml/分(ヨウ素8.16g/時相当)との混合ガスを484ml/分の量に変更し、ガス空間速度を4,000Hr−1に更に反応温度を400℃とした以外は実施例3−1と同様に操作した。反応時間1時間後のヨウ化水素の収率は94.6%であった。
(実施例23)
粒径200メッシュの粉末状の活性炭に白金5質量%を坦持した白金触媒0.1gを0.7gの石英ウールにまぶせ全体を5mlとした触媒を用いた以外は実施例3−1に従って反応を行った。その結果ヨウ化水素の収率は99.4%であった。
(実施例24)
粒径200メッシュの粉末状の活性炭にルテニウム5質量%を担持したルテニウム触媒0.1gを0.7gの石英ウールにまぶせ、全体が5mlとした触媒を用いた以外は実施例23に従って反応を行った。その結果ヨウ化水素の収率は98.1%であった。
(実施例25)
粒径200メッシュの粉末状の活性炭にロジウム5質量%を担持したロジウム触媒0.1gを0.7gの石英ウールにまぶせ、全体が5mlとした触媒を用いた以外は実施例1に従って反応を行った。その結果ヨウ化水素の収率は97.5%であった。
(実施例26)
粉末状の活性炭に代えて粉末状のモレキュラシーブ4Aを使用した以外は実施例23に従って反応を行った。その結果ヨウ化水素の収率は99.0%であった。
(実施例27−1)
アルミナ粉末をイオン交換水に分散させ、ハニカム状コージライト100質量部にアルミナ粉末を10質量部担持させた。次いで、乾燥後500℃で3時間熱処理を行ない、コージライトに担持させたアルミナ粉末(以下、コージライト担持アルミナ粉体とも称する。)を得た。別に白金源としてヘキサクロロ白金(IV)酸を塩酸酸性のイオン交換水に溶解させ、前記コージライト担持アルミナ粉体に含浸法により、コージライト担持アルミナ粉体1リットルに白金が1g含まれるよう担持させ、次いで500℃で3時間熱処理し、これを触媒とした。この触媒を用いて実施例1−1と同様に操作した。その結果、ヨウ化水素の収率は99.4%であった。
(実施例27−2)
反応時間を5000時間連続して行う以外は、実施例27−1と同様に操作した。その結果ヨウ素転化率99.2%、ヨウ化水素の収率99.2%であった。5000時間の連続反応でも触媒活性が極めて安定であることが確認された。
(実施例28)
ヘキサクロロ白金(IV)酸を塩酸酸性のイオン交換水に溶解させ、アルミナ粉体100質量部に白金1質量部となるように含浸した。次いで、乾燥後500℃で3時間熱処理を行い、白金担持アルミナ担体を得た。この担体をイオン交換水に分散させ、これにハニカム状に形成されたアルミナシリカ支持体を含浸させ、白金が該支持体1リットル当たり1gとなるように担持させて、次いで乾燥後500℃で3時間熱処理し、これを触媒とした。この触媒を用いて実施例1−1と同様に操作した。その結果、ヨウ化水素の収率は99.4%であった。
(比較例1)
粒径1μmの白金粉末5mg(実施例1−1で使用した触媒に担持された白金量に相当)を0.7gの石英ウールにまぶし、触媒とし全体が5mlとなるように反応管に充填した。それ以外は実施例1−1に従って反応を行った。
その結果ヨウ化水素の収率は61%であった。なお、反応を2時間継続すると出口配管に未反応ヨウ素が析出し反応の継続は不可能となった。
実施例2−1)
実施例1−1において触媒量を20mlとし、ガス空間速度を250Hr−1にした以
外は実施例1−1に従って反応を行った。その結果、ヨウ素転化率97.5%、ヨウ化水
素収率97.5%であった。
実施例2−2)
実施例2−1における反応時間を100時間とした。その結果、ヨウ素転化率90.1%、ヨウ化水素の収率90.1%となった。ガス空間速度が本願発明要件からはずれためにヨウ素転化率は低下した。
実施例2−3)
実施例1−1において反応温度145℃とした以外は実施例1−1に従って反応を行っ
た。その結果ヨウ化水素の収率は87.3であった。
実施例2−4)
実施例2−3における反応時間を100時間とした。その結果、100時間時点でのヨウ化水素の収率は82.3%にまで低下した。
実施例3−1)
実施例2−1において触媒量7.4mlから29.6mlに増やしガス空間速度250
Hr−1とした以外は実施例2−1に従って反応を行った。その結果、ヨウ化水素の収率
は96.3%であった。
実施例3−2)
実施例2−1において反応温度を145℃に代えた以外は実施例2−1に従って反応を
行った。その結果ヨウ化水素の収率は85.0%であった。
実施例4−1)
実施例3−1において触媒量を31.6mlに増やし、ガス空間速度を250Hr−1
にした以外は実施例3−1に従って反応を行った。その結果、ヨウ化水素の収率は96.
2%であった。実施例3−1に比べて収率が低下したことは明らかである。
実施例4−2)
実施例3−1において反応温度を145℃にした以外は実施例3−1に従って反応を行
った。その結果ヨウ化水素の収率は84.8%であった。実施例3−1に比べて更に収率
が低下したのは、反応温度が下がったことと共存する一酸化炭素の影響であったと考えら
れる。
本発明によれば、収率高くかつヨウ化水素やヨウ化メチルなどのヨウ化物を製造することができ、有用である。

Claims (8)

  1. ヨウ素と分子状水素含有ガスとを、白金族元素の一種以上の元素を酸化物および/または活性炭に分散担持させた触媒の存在下に気相反応させてヨウ化水素を製造することを特徴とするヨウ化物の製造方法。
  2. ヨウ素と、分子状水素含有ガスおよび/またはメタンとを、白金族元素の一種以上の元
    素を酸化物および/または活性炭に分散担持させた触媒の存在下に、反応温度が150〜1,000℃、ガス空間速度300〜10,000hr −1 で気相反応させることを特徴とするヨウ化物の製造方法。
  3. 前記酸化物が、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカ、アルミナ、コージライト、ジ
    ルコニヤ、シリカアルミナおよびゼオライトから選ばれる少なくとも1種である、請求項
    または2記載のヨウ化物の製造方法。
  4. 白金族元素が、Pt、Pd、RuまたはRhの少なくとも一種以上の元素である、請求
    項1〜3記載のヨウ化物の製造方法。
  5. 前記分子状水素含有ガスが、メタンの水蒸気改質および/または二酸化炭素改質により
    得られる改質ガスである、請求項1〜4のいずれかに記載のヨウ化物の製造方法。
  6. 前記分子状水素含有ガスが、メタンの部分酸化反応により得られる改質ガスである、請
    求項1〜4のいずれかに記載のヨウ化物の製造方法。
  7. 前記分子状水素含有ガスが、メタノールの水蒸気改質または分解反応により得られる改
    質ガスである、請求項1〜4のいずれかに記載のヨウ化物の製造方法。
  8. 前記ヨウ化物が、ヨウ化水素および/またはヨウ化メチルである、請求項〜7のいずれかに記載のヨウ化物の製造方法。
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