JP4713204B2 - 光学デバイス用キャビティ構造体、及び光学デバイス - Google Patents

光学デバイス用キャビティ構造体、及び光学デバイス Download PDF

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Description

本発明は、光学デバイス用キャビティ構造体、光学デバイス及び光学デバイス用キャビティ構造体の製造方法に関するものである。
従来より、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デジタルスチルカメラなどに内蔵されているCCDモジュールなどの光学系の半導体装置が知られている。光学系の半導体装置は、一般に、光学デバイスと、光学デバイスと電気的に接続されている配線基板とを備えている。光学デバイスは、光を受光または発光する光学素子チップと、その光を透過させる透光性部材と、配線基板と電気的に接続される第1端子部とを備えている。そして、光学素子チップは、第1端子部と電気的に接続されることにより、光を受光または発光する。
ところで、半導体装置には、光学系の半導体装置以外に、高周波用の半導体装置などが存在する。例えば、特許文献1には、複数の誘電体層が積層された誘電体多層基板と、誘電体多層基板に搭載された高周波信号増幅機能を有する半導体素子とを備えた高周波信号増幅装置及びその製造方法が開示されている。この高周波信号増幅装置を製造するためには、まず、複数の誘電体層の少なくとも1層として、複数の金属パターンを表面に形成した誘電体層を用い、かつ誘電体多層基板の一方の基板表面の所定領域内のいずれの範囲においても、この基板表面から前記基板の深さ方向に沿って進行していくと前記誘電体多層基板の他方の基板表面に到達する前に前記複数の金属パターンまたはこの複数の金属パターンよりも深い位置に配置された金属面に到達するように、前記誘電体多層基板を構成する。次に、誘電体多層基板の所定領域内にレーザ光を照射することにより、一方の基板表面から深さ方向に沿って複数の金属パターンまたは金属面に到達するまでに存在する誘電体層を除去し、所定領域から複数の金属パターンおよび金属面を露出させる。続いて、半導体素子に複数の金属パターンの一部を介して高周波信号が入力され、半導体素子から複数の金属パターンの別の一部を介して増幅された高周波信号が出力されるように、半導体素子を所定領域に搭載する。このような製造方法は、予め分離溝を形成する場合のように製造上のマージンを見込む必要はなく、製造された高周波信号増幅装置は、アイソレーション不足を補いながらも小型化を実現できる高周波信号増幅装置を提供できる、と記載されている。
特願2001−332656号公報
一般に、高周波用の半導体装置では、半導体素子チップを樹脂で封じる。一方、光学系の半導体装置では、上述のように、透光性部材や鏡筒などの光学部品などが戴置されている場合が多い。そのため、高周波用の半導体装置の構成と光学系の半導体装置の構成とは、全く異なる。従って、特許文献1に記載の誘電体多層基板を用いて光学系の半導体装置を製造するには、光学部品を戴置する構成をとる必要がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、予め分離溝が形成されることなく製造されるとともに、光学部品を戴置する構成をとっている光学デバイス用キャビティ構造体、光学デバイス及び光学デバイス用キャビティ構造体の製造方法を提供することである。
本発明の光学デバイス用キャビティ構造体は、いずれも、光学素子チップが戴置されて配線基板に実装される。
第1の本発明の光学デバイス用キャビティ構造体は、少なくとも2層の絶縁体層と少なくとも2層の金属層とが交互に積層されてなり、前記配線基板に実装される実装面とは反対側の面の中央部分に略矩形の開口部を有するキャビティ部と、前記開口部を取り囲む前記反対側の面に形成され、前記光学素子チップが受光または発光する光を透過させる透光性部材が戴置される透光性部材戴置部と、前記配線基板の配線と電気的に接続される第1端子部とを備えており、前記キャビティ部では、底面は、第1の前記金属層の一部であるとともに、前記光学素子チップが戴置されるチップ戴置部であり、各内壁面は、前記底面から前記開口部へ向かう方向に、第1の前記絶縁体層、第2の前記金属層及び第2の前記絶縁体層が積層されて形成されており、表面には、該第1の絶縁体層及び該第2の金属層で構成される突設部が複数形成され、前記各突設部における前記第2の金属層は、前記第1端子部と電気的に接続されているとともに、前記光学素子チップと電気的に接続される第2端子部であり、前記第1端子部は、前記実装面に対して略垂直な外壁面から外方に突き出しており、当該第1端子部の下面と少なくとも側面の一部とが導電体層に覆われており、前記透光性部材戴置部は、前記第2の絶縁体層の一部であり、前記透光性部材を固定させる固定手段を備えている。
好ましい実施形態では、前記固定手段は、粗面化された前記第2の絶縁体層の表面であり、前記第2の絶縁体層の前記表面は、Rzが5μm以上20μm以下に粗面化されている。表面のRzがこの範囲ならば、光学部品を光学部品戴置部に密着させて固定することができる。好ましくは、Rzが10μm以上20μm以下であり、さらに好ましくは、Rzが15μm以上20μm以下である。また、別の好ましい実施形態では、前記固定手段は、前記透光性部材戴置部の表面側に形成されたレジスト層である。
なお、「レジスト層」とは、配線の防鎖や配線間のショート防止(絶縁信頼性の維持)など、耐衝撃性、耐湿性、耐熱性を向上させるために基板の最表面に位置し、一般的な材質はアクリル系樹脂にエポキシ系硬化剤を使用し、絶縁体の役割ともなる。
第2の光学デバイス用キャビティ構造体は、少なくとも3層の絶縁体層と少なくとも3層の金属層とが交互に積層されてなり、前記配線基板に実装される実装面とは反対側の面の中央部分に略矩形の開口部を有するキャビティ部と、前記配線基板の配線と電気的に接続される第1端子部とを備えており、前記キャビティ部では、底面は、第1の前記金属層の一部であるとともに、前記光学素子チップが戴置されるチップ戴置部であり、各内壁面は、前記底面から前記開口部へ向かう方向に、第1の前記絶縁体層、第2の前記金属層、第2の前記絶縁体層、第3の前記金属層及び第3の前記絶縁体層が積層され形成されており、表面には、該第1の絶縁体層及び該第2の金属層で構成される複数の第1突設部と、該第2の絶縁体層及び該第3の金属層で構成され、且つ、該各第1突設部よりも短く突設された第2突設部とが形成され、前記各第1突設部における前記第2の金属層は、前記第1端子部と電気的に接続されているとともに、前記光学素子チップと電気的に接続される第2端子部であり、前記第2突設部における前記第3の金属層の表面は、前記光学素子チップが受光または発光する光を通過させる透光性部材が戴置される透光性部材戴置部であり、前記第1端子部は、前記実装面に対して略垂直な外壁面から外方に突き出しており、当該第1端子部の下面と少なくとも側面の一部とが導電体層に覆われている。
第3の光学デバイス用キャビティ構造体は、少なくとも2層の絶縁体層と少なくとも3層の金属層とが交互に積層されてなり、前記配線基板に実装される実装面とは反対側の面の中央部分に略矩形の開口部を有するキャビティ部と、前記開口部を取り囲む凹部状に形成され、前記光学素子チップが発光または受光する光を通過させる光学部品が嵌合される光学部品嵌合部と、前記配線基板の配線と電気的に接続される第1端子部とを備えており、前記キャビティ部では、底面は、第1の前記金属層の一部であるとともに、前記光学素子チップが戴置されるチップ戴置部であり、各内壁面は、前記底面から前記開口部へ向かう方向に、第1の前記絶縁体層、第2の前記金属層及び第2の前記絶縁体層が積層され形成されており、表面には、該第1の絶縁体層及び該第2の金属層で構成される突設部が複数形成され、前記各突設部における前記第2の金属層は、前記第1端子部と電気的に接続されているとともに、前記光学素子チップと電気的に接続される第2端子部であり、前記キャビティ部の前記底面と略平行な前記光学部品嵌合部の面は、第3の前記金属層の一部であり、前記第1端子部は、前記実装面に対して略垂直な外壁面から外方に突き出しており、当該第1端子部の下面と少なくとも側面の一部とが導電体層に覆われている。
第1、第2及び第3の光学デバイス用キャビティ構造体では、透光性部材を戴置したり、光学部品を嵌合させることができる。従って、このキャビティ構造体を光学系の半導体装置に内蔵させることができる。
また、実装面を下面としたときに、実装面に略垂直な外壁面から語彙法に突き出していて上面と少なくとも側面の一部とに導電体層を有していて、配線基板とのはんだによる接続したときにはんだフィレットが形成されやすい。さらに、前記第1端子部の側面のうち、前記導電体層に覆われているのは、前記外壁面から外方に突き出した先端部分であることが好ましい。
特に、第1の光学デバイス用キャビティ構造体は、透光性部材を密着させて固定する。また、第2の光学デバイス用キャビティ構造体は、透光性部材をキャビティ部内に戴置できるため、コンパクトな光学デバイスを提供できる。
第1、第2及び第3の光学デバイス用キャビティ構造体では、また、前記チップ戴置部の表面は、Rzが1μm以上5μm以下に形成されていることが好ましい。このような構成により、光学素子戴置部の平坦を非常に高くすることができるため、この構造体に光学素子チップを戴置してなる光学デバイスに鏡筒などを搭載させるときに、煽りに影響を与えてしまうことはない。
第1、第2及び第3の光学デバイス用キャビティ構造体では、前記絶縁体層には、吸湿機能を有する多孔質材料が混合されていることが好ましい。このような構成により、結露が防止され、このキャビティ構造体に透光性部材を戴置しても、その透光性部材が曇ってしまうことはない。
第1、第2及び第3の光学デバイス用キャビティ構造体では、前記実装面には、周縁部に金属層が形成され、該周縁部の内側に反り防止用凹部が形成されていることが好ましく、前記反り防止用凹部は、前記実装面における短絡を阻止することが好ましい。反り防止用凹部が形成されているために、光学デバイスの反りを防止することができ、光学デバイスの平坦度を高めることができる。
また、後述の好ましい実施形態では、前記実装面と反対側の前記面における前記キャビティ部の前記開口部の輪郭形状が、該開口部の略中心点に対して非点対称であり、前記非点対称な輪郭形状が、前記第1端子部における端子の配置方向を示す機能を有している。後述のまた別の実施形態では、前記実装面と反対側の前記面には、前記第1端子部における端子の配置方向を示す穴部が形成されている。このような構成により、光学素子チップを戴置した場合に、方向認識が可能となる。
第1、第2及び第3の光学デバイス用キャビティ構造体では、第1及び第2端子部やチップ戴置部の表面には、めっきが施されていてもよい。
本発明の光学デバイスは、本発明の光学デバイス用キャビティ構造体と、光学素子チップと、透光性部材とを備えている。なお、「透光性部材」とは、光を70%以上透過する部材であり、好ましくは80%以上の光を透過する部材、さらに好ましくは90%以上の光を透過する部材である。具体的には、ガラス製の板である。
第1の光学デバイスは、第1または第2の光学デバイス用キャビティ構造体と、前記光学デバイス用キャビティ構造体のチップ戴置部に戴置された光学素子チップと、前記光学デバイス用キャビティ構造体の透光性部材戴置部に戴置された透光性部材と、を備えている。
第2の光学デバイスは、第3の光学デバイス用キャビティ構造体と、前記光学デバイス用キャビティ構造体のチップ戴置部に戴置された光学素子チップと、前記光学デバイス用キャビティ構造体の光学部品嵌合部に嵌合された光学部品と、を備えている。「光学部品」とは、鏡筒などである。
第1及び第2の光学デバイスは、上述の第1及び第2の光学デバイス用キャビティ構造体を備えているため、上述と略同一の作用を示す。
第1及び第2の光学デバイスでは、前記光学素子チップと前記第2端子部の表面とは、導電性細線により電気的に接続されており、前記導電性細線は、樹脂により封止されていることが好ましい。このような構成により、光学素子チップが受光する光または発光した光が、導電性細線の表面で反射されることを阻止できる。また、導電性細線を光学素子チップや第2端子部の表面に強固に接続することができる。
第1及び第2の光学デバイスでは、前記光学素子チップの光学面は、前記第2端子部の前記表面よりも前記開口部側に配置されていることが好ましい。これにより、光学素子チップが受光する光または発光した光が導電性細線の表面で反射されることを阻止できる。
ここで、「光学面」とは、光学素子チップが光を発光または受光する面を意味する。
本発明の第1乃至第3の光学デバイス用キャビティ構造体の製造方法は、いずれも、光学素子チップが戴置されて配線基板に実装され、前記配線基板と電気的に接続される第1端子部と、該第1端子部と電気的に接続されている第2端子部と、該第2端子部と電気的に接続される前記光学素子チップが戴置されるチップ戴置部と、該光学素子チップが受光または発光する光を透過させる透光性部材が戴置される透光性部材戴置部と、を備えている光学デバイス用キャビティ構造体の製造方法である。
第1の製造方法は、第1絶縁体層の一方の表面に形成された第1金属層と、該第1絶縁体層の他方の表面に形成され外方に延びる複数の第1の舌片状部を有する第2金属層と、該第2金属層の表面に形成された第2絶縁体層と、該第2絶縁体層の表面の周縁部及び該周縁部から該第2絶縁体層の表面の中心部に向かう複数の第2の舌片状部に形成された第3金属層と、該第3金属層の表面及び該第3金属層に被覆されていない第2絶縁体層の上に形成された第3絶縁体層とを備えてなる母材基板を用意する工程と、前記母材基板の表面にレーザ光を照射して、前記第3金属層に被覆されていない前記第2絶縁体層の部分と該第3金属層が形成されていない前記第3絶縁体層の部分と前記第2の舌片状部上に形成されている該第3絶縁体層の部分と前記第2金属層に覆われていない前記第1絶縁体層の部分とを除去し、且つ、該第3絶縁体層の残存部分を粗面化するレーザ光照射工程と、を備え、前記レーザ光照射工程では、前記第2及び第3絶縁体層の前記除去により、前記母材基板の前記表面の中央部分に略矩形の開口部を有するキャビティ部が形成され、前記第2絶縁体層の前記除去により、前記第2金属層の少なくとも一部が、露出されて前記キャビティ部の底面を形成するとともに、前記光学素子チップ戴置部となり、かつ前記第1の舌片状部が露出し、前記第1絶縁体層の前記除去により、前記第1の舌片状部に上面を覆われた前記第1端子部が形成され、前記第3絶縁体層の前記除去により、前記第2の各舌片状部が露出されて前記キャビティ部の各内壁面に突設されてなる複数の突設部を形成するとともに、前記第2端子部となり、前記第3絶縁体層の前記残存部分の前記粗面化により、前記透光性部材戴置部が形成される。
第2の製造方法は、第1絶縁体層の一方の表面に形成された第1金属層と、該第1絶縁体層の他方の表面に形成され外方に延びる複数の第1の舌片状部を有する第2金属層と、該第2金属層の表面に形成された第2絶縁体層と、該第2絶縁体層の表面の周縁部及び該周縁部から該第2絶縁体層の表面の中心部に向かう複数の第2の舌片状部に形成された第3金属層と、該第3金属層の表面及び該第3金属層に被覆されていない第2絶縁体層の上に形成された第3絶縁体層とを備えてなる母材基板を用意する工程と、前記第3金属層が形成されていない部分と前記第2の舌片状部とに対応する前記母材基板の表面にレーザ光を照射して、該第3金属層に被覆されていない第2絶縁体層の部分と第3絶縁体層と第1絶縁体層の一部との被照射部分とを除去するレーザ光照射工程と、前記レーザ光照射工程の後、前記第3絶縁体層の残存部分の表面にレジスト層を形成して、前記透光性部材戴置部を形成する工程と、を備え、前記レーザ光照射工程では、前記第2及び第3絶縁体層の前記除去により、前記母材基板の前記表面の中央部分に、略矩形の開口部を有するキャビティ部が形成され、前記第2絶縁体層の前記除去により、前記第2金属層の少なくとも一部が、露出されて前記キャビティ部の底面を形成するとともに、前記光学素子チップ戴置部となり、かつ前記第1の舌片状部が露出し、前記第1絶縁体層の前記除去により、前記第1の舌片状部に上面を覆われた前記第1端子部が形成され、前記第3絶縁体層の前記除去により、前記第2の各舌片状部が露出されて前記キャビティ部の各内壁面に突設されてなる複数の突設部を形成するとともに、前記第2端子部となる。
第3の製造方法は、第1絶縁体層の一方の表面に形成された第1金属層と、該第1絶縁体層の他方の表面に形成され外方に延びる複数の第1の舌片状部を有する第2金属層と、該第2金属層の表面に形成された第2絶縁体層と、該第2絶縁体層の表面の周縁部及び該周縁部から該第2絶縁体層の表面の中心部に向かう複数の第2の舌片状部に形成された第3金属層と、該第3金属層の上に形成された第3絶縁体層の表面に該第3金属層よりも狭く形成された第4金属層と、該第4金属層の表面及び該第4金属層に被覆されていない第3絶縁体層の上に形成された第4絶縁体層とを備えてなる母材基板を用意する工程と、前記第3金属層が形成されていない部分と前記第2の舌片状部と該舌片状部の外周部分とに対応する母材基板の表面にレーザ光を照射して、前記第4絶縁体層の被照射部分と前記第4金属層に被覆されていない第3絶縁体層の部分と該第3金属層に被覆されていない第2絶縁体層の部分と前記第1絶縁体層の一部とを除去するレーザ光照射工程と、を備え、前記レーザ光照射工程では、前記第2、第3及び第4絶縁体層の前記除去により、前記母材基板の前記表面の中央部分に、略矩形の開口部を有するキャビティ部が形成され、前記第2絶縁体層の前記除去により、前記第2金属層の少なくとも一部が露出されて前記キャビティ部の底面を形成するとともに、前記光学素子チップ戴置部となり、かつ前記第1の舌片状部が露出し、前記第1絶縁体層の前記除去により、前記第1の舌片状部に上面を覆われた前記第1端子部が形成され、前記第3絶縁体層の前記除去により、前記第2の各舌片状部が露出されて前記キャビティ部の各内壁面に突設されてなる複数の突設部を形成するとともに、前記第2端子部となり、前記第4絶縁体層の前記除去により、前記第4金属層の少なくとも一部が露出されて、前記キャビティ部の各内壁面に前記第1突設部よりも短く突設されてなる第2突設部を形成するとともに、前記透光性部材戴置部となる。
第4の製造方法は、第1絶縁体層の一方の表面に形成された第1金属層と、該第1絶縁体層の他方の表面に形成され外方に延びる複数の第1の舌片状部を有する第2金属層と、該第2金属層の表面に形成された第2絶縁体層と、該第2絶縁体層の表面の周縁部及び該周縁部から該第2絶縁体層の表面の中心部に向かう複数の第2の舌片状部に形成された第3金属層と、該第3金属層の上に形成された第3絶縁体層の表面に該第3金属層よりも狭く形成された第4金属層と、該第4金属層の表面及び該第4金属層に被覆されていない第3絶縁体層の上に形成された第4絶縁体層とを備えてなる母材基板を用意する工程と、前記第3金属層が形成されていない部分と前記第2の舌片状部と前記第4金属層とに対応する母材基板の表面にレーザ光を照射して、該第4絶縁体層の被照射部分と該第4金属層に被覆されていない第3絶縁体層の部分と該第3金属層に被覆されていない第2絶縁体層の部分と前記第1絶縁体層の一部とを除去するレーザ光照射工程と、を備え、前記レーザ光照射工程では、第2、第3及び第4絶縁体層の前記除去により、前記母材基板の前記表面の中央部分には略矩形の開口部を有するキャビティ部が形成され、前記第2絶縁体層の前記除去により、前記第2金属層の少なくとも一部が、露出されて前記キャビティ部の底面を形成するとともに、前記光学素子チップ戴置部となり、かつ前記第1の舌片状部が露出し、前記第1絶縁体層の前記除去により、前記第1の舌片状部に上面を覆われた前記第1端子部が形成され、前記第3絶縁体層の前記除去により、前記第2の各舌片状部が、露出されて前記キャビティ部の各内壁面に突設されてなる複数の第1突設部を形成するとともに、前記第2端子部となり、前記第4絶縁体層の前記周縁部の前記除去により、前記第4金属層の少なくとも一部が露出されて、前記光学部品嵌合部が形成される。
第1乃至第4の製造方法では、透光性部材や鏡筒などを戴置する部分が形成される。そのため、この製造方法に従って製造された構造体を光学装置に内蔵させることができる。
また、金属層がレーザストップ層として機能する。そのため、製造上のマージンなどを考慮することなく設計できる。
上記の製造方法においては、前記母材基板を形成する工程は、前記第1金属層と前記第絶縁体層と前記第2金属層とが積層された積層物を形成する工程と、前記積層物にレーザ光を照射して前記第1の舌片状部となる部分に孔を開けてスルーホールを形成するスルーホール形成工程と、前記スルーホールの内壁面にめっきによって導電体層を形成するめっき工程とを含むことが好ましい。
第1乃至第4の光学デバイス用キャビティ構造体の製造方法では、前記光学素子戴置部の表面は、前記第2の金属層の露出されていない部分に比べて平坦であることが好ましい。具体的には、前記光学素子戴置部の表面は、Rzが1μm以上5μm以下となるように形成されていることが好ましい。このような構成により、光学素子チップを平坦な面の上に戴置することができる。
本発明の光学キャビティ構造体、光学デバイス及び光学デバイス用キャビティ構造体の製造方法では、予め分離溝が形成されることなく製造されるとともに、透光性部材や鏡筒などを戴置する手段が講じられている。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明を完成させるにあたり、発明者たちが検討した事項を示す。
光学系の半導体装置は、以下に示す構成要素を備えていることが好ましい。
1つ目の構成要素は、透光性部材や鏡筒などである。そして、透光性部材や鏡筒などは、光学素子チップの光学面と対向して光学デバイスに設置されている。そのため、光学デバイス用キャビティ構造体や光学デバイスは、透光性部材や鏡筒などを戴置する部分を備えていることが好ましい。
2つ目の構成要素は、光学デバイスの優れた平坦である。光学デバイスが平坦に優れていなければ、鏡筒などを搭載させるさいに煽りに影響を与えてしまい、その結果、光学装置の性能が悪化してしまう。そのため、光学デバイス用キャビティ構造体や光学デバイスは、優れた平坦を有していることが好ましい。
3つ目の構成要素は、キャビティ内における光の反射防止手段である。光学系の半導体装置では、光学素子チップと端子部(第2端子部)とが導電性細線を介して電気的に接続されており、その導電性細線は光学素子チップの光学面に対して接着されている。そのため、光学素子チップが受光または発光した光が、導電性細線表面で反射される虞がある。そして、その反射が生じてしまうと、受光または発光した光の強度の減少を招来するだけでなく、反射された光の受光または放射を招来し、その結果、解析能の低下などの光学系の半導体装置の性能低下を招く。そのため、光学デバイス用キャビティ構造体や光学デバイスは、キャビティ内における光の反射防止手段を備えていることが好ましい。
4つ目の構成要素は、結露防止機能である。湿度が高くなると、光学部品のガラス部分などが曇ってしまい、光の受光または発光が不可能となる。そのため、光学デバイス用キャビティ構造体や光学デバイスは、結露防止機能を備えていることが好ましい。
以上の点に鑑み、本願発明者らは、本願発明を完成するに至った。以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。
《発明の実施形態1》
実施形態1では、図1から図7を用いて、光学デバイス用キャビティ構造体1の構造及び製造方法と光学デバイス100の構造及び製造方法とを示す。図1及び図2は、各々、光学デバイス用キャビティ構造体1の構造を示す斜視図及び断面図である。図3から図5は、光学デバイス用キャビティ構造体1の製造工程を示す断面図である。図6及び図7は、各々、光学デバイス100の製造工程を示す断面図及び斜視図である。
−光学デバイス用キャビティ構造体1の構造−
光学デバイス用キャビティ構造体1は、図1及び図2に示すように、配線基板に実装される実装面(図1の裏面)から第1金属層12、第1絶縁体層11、第2金属層14、第2絶縁体層13、第3金属層16、第3絶縁体層15の順に積層されてなり、第1端子部112,112,…、第2端子部116,116,…、キャビティ部2、チップ戴置部114及び透光性部材戴置部15aを備えている。ここで図2(a)は、図2(b)のIIA−IIA線断面図である。そして、図6(c)及び図7(a)乃至(c)に示すように、光学素子チップ121が戴置されて、導電性細線123により接続されて透光性部材124を接着させた後、配線基板(不図示)に実装される。なお、第1、第2及び第3絶縁体層11,13,15は、各々、吸湿機能を有する多孔質材料(不図示)を含有している。
キャビティ部2は、図1に示すように、キャビティ構造体1の実装面を下面としたときに、キャビティ構造体1上面の中央部に略矩形の開口部2aを有する。キャビティ部2の底面は、第2金属層14の中央部分の表面にめっき104が施されてなり、チップ戴置部114である。上述のように光学デバイスは優れた平担性を要求されるので、光学素子チップを載置するチップ載置部114の表面は平坦性に優れていることが好ましく、具体的には、そのRzが1μm以上5μm以下であることが好ましい。また、キャビティ部2の各内壁面は、底面から開口部へ向かう方向に、第2絶縁体層13、第3金属層16、第3絶縁体層15の順に積層されて形成されている。その各内壁面の表面には、4個の突設部21,…が略等間隔に配置されている。各突設部21は、第2絶縁体層13と第3金属層16とが、キャビティ部2底面に略垂直な面において面一に形成されてなる。突設部21における第3金属層16の表面には、めっき104が施されている。そして、めっき104が施されている部分が、第2端子部116である。
第1端子部112,112,…は、図1に示すように、キャビティ構造体1の外壁面25,25,…から外方に突き出しており、上面は表面にめっき102が施された第2金属層14からなり、下面は表面にめっき102が施された第1金属層12からなる。第1端子部112,112,…と第2端子部116,116,…とは第3金属層16を介して電気的に接続されている。そして、第1端子部112,112,…の側壁(側面)のうち、外壁面25,25,…から突き出した先端における側壁は、横断面が半円形の凹んだ溝状の湾曲面28となっている。そして、この湾曲面28の表面には導電体層であるめっき102が施されている。第1端子部112,112,…がこのような形状・構成であり、下面及び湾曲面28が導電体層であるめっき102に覆われているので、本実施形態のキャビティ構造体1を配線基板に実装する際には、配線基板上の接続端子配線との間ではんだフィレットが形成しやすくなり、確実な接続が行われる。また、複数の第1端子部112,112,…の互いに対向する側面はめっき102に覆われていないため、端子間ピッチが狭ピッチ、例えば0.4〜0.65mmとなった場合に、隣接する端子間のショートを防止することができる。
実装面の中央部には、反り防止用凹部12a(図3(e)に図示)が形成されている。これにより、実装面と反対側の面(以下、「上面」という。)にキャビティ部2が形成されても、光学デバイス用キャビティ構造体1の実装面側への反りを阻止できる。
なお、チップ戴置部114は、図2(a)に示すように、第2絶縁体層13の一部の介在により、第2金属層14の周縁部分と電気的に不通であるため、第1端子部112と電気的に接続されることはない。
透光性部材戴置部15aは、第3絶縁体層15の表面であり、後述の透光性部材124を固定させる固定手段Aを備えている。そして、本実施形態における固定手段Aは、粗面化された第3絶縁体層15の表面である。即ち、粗面化によって透光性部材載置部15aの上に載せられる透光性部材124は、透光性部材載置部15aへの密着性が向上し、強固に固定されることになる。これにより、透光性部材124を透光性部材戴置部15aに密着させて固定させることができる。なお、この表面を粗面化させる方法は特に限定されないが、この表面のRzが5μm以上20μm以下に粗面化されていれば、透光性部材124を透光性部材戴置部15aに強固に密着させて固定できるため、好ましい。また、接着剤を塗布して透光性部材戴置部15aに透光性部材124を戴置すれば、透光性部材124をさらに強固に密着させて固定できるため、さらに好ましい。
以上より、本実施形態の光学デバイス用キャビティ構造体1は、固定手段Aを備えているため、透光性部材124を透光性部材戴置部15aに密着させて固定することができる。なお、透光性部材戴置部15aは、透光性部材124が戴置される部分にのみ形成されていればよく、第3絶縁体層15の表面全体に形成されていなくてもよい。また、従来の光学デバイス用キャビティ構造体では、透光性部材を戴置するために、光学素子チップを搭載する基板の上にさらに透光性部材載置用のリブを設置する必要がある。一方、光学デバイス用キャビティ構造体1では、第2及び第3絶縁体層13,15と第3金属層16とがリブの機能を奏するため、わざわざリブを設置する必要はない。
また、光学デバイス用キャビティ構造体1は、第2端子部上面とチップ戴置部114との位置関係より、導電性細線123,…の表面で反射された光の受光または出射を阻止できる。また、光学デバイス用キャビティ構造体1は、チップ戴置部114が平坦性に優れているため、鏡筒などを取り付けるさいに、煽りに影響を与えることはない。また、光学デバイス用キャビティ構造体1は、第1、第2及び第3絶縁体層11,13,15が吸湿機能を有する多孔質材料を含有しているため、吸湿性に優れている。そのため、透光性部材124など取り付けても、その透光性部材124などが曇ってしまうことはない。さらには、実装面に反り防止用凹部12aが形成されているため、上面にキャビティ部2が形成されても、光学デバイス用キャビティ構造体1が実装面側に反ってしまうことはない。そして、上述のように第1端子部112,112,…が配線基板上の接続端子との間ではんだフィレットを形成しやすい構造を有しているので、配線基板との接続が容易になり、かつ確実な接続を行うことができる。以上より、光学デバイス用キャビティ構造体1は、光学的性能に優れ配線基板との接続が確実な光学デバイスを提供できる。
−光学デバイス100の構造−
図6(c)及び図7(c)に示すように、光学デバイス100は、光学デバイス用キャビティ構造体1と、光学素子チップ121と、透光性部材124とを備えている。光学素子チップ121は、例えば受光素子である撮像素子などや、発光素子である半導体レーザなどである。透光性部材124は目的とする光(例えば、可視光、赤外光など)を70%以上透過させるものであって、具体的にはガラス板である。そして、この光学デバイス100を配線基板に実装させると、第1端子部112、第2端子部116,…及び導電性細線123,…を介して、光学素子チップ121に電圧が印加される。その結果、光学素子チップ121は、光の発光または受光を行う。光学素子チップ121が発光素子である場合には、発光された光は透光性部材124を透過して光学デバイス100の外部へ放射される。光学素子チップ121が受光素子である場合には、光は、透光性部材124を透過して光学素子チップ121で受光され受光信号が電気信号に変換されて配線基板に伝達される。
光学デバイス100は、本実施形態の光学デバイス用キャビティ構造体1に光学素子チップ121や透光性部材124などが戴置されてなるため、上述のように、透光性部材124を密着させて固定できるとともに、平坦性及び放湿性に優れ、キャビティ部2内における光の反射を阻止できる。
−光学デバイス用キャビティ構造体1の製造方法−
図3(a)から図4(e)に示す工程に従って母材基板10を製造後、図5(a)に示すレーザ光照射を行うことにより、図5(c)に示す光学デバイス用キャビティ構造体1を製造する。以下、詳細に示す。
1.母材基板10の形成工程
まず、図3(a)に示すように、第1絶縁体層11の裏面に第1金属層12を形成し、第1絶縁体層11の表面に第2金属層14を形成して3つの層が積層された積層物を形成する。
次に、第1金属層12の表面もしくは第2金属層14の表面に、第1金属層12と第2金属層14との電気的接続を形成するため及び第1端子部112の突出先端を湾曲面28とするため、レーザ光をスポット照射する。これにより、スルーホール形成がなされ、図3(b)に示すように、第1金属層12、第1絶縁体層11及び第2金属層14を貫通するスルーホール部101と湾曲面28とが形成される。なお、後述の第1端子部112の上面となる第2金属層14の第1の舌片状部となる部分にスルーホールが形成されることによって、湾曲面28が形成される。図では積層物の両端を略しており、スルーホールが明確には示されていない。
続いて、図3(c)に示すように、第1及び第2金属層12,14の表面、スルーホール部101及び湾曲面28の表面に、めっき102を施す。このとき、表面にNi層を形成後、Ni層の表面にAu層を形成する。これにより、第1金属層12と第2金属層14とが電気的に接続される。
続いて、図3(d)に示すように、内壁にめっき102が施されたスルーホール部101内に樹脂を注入し、樹脂注入後、開口されていた部分にめっき(不図示)を施して蓋をする。これにより、第1金属層12、第1絶縁体層11及び第2金属層14を貫通する樹脂部103が形成される。
続いて、不図示であるが、第1及び第2金属層12,14の表面をパターニングし、それらの層をエッチングする。具体的には、第1金属層12の表面には、周縁部、詳細には、第1端子部112に対応する舌片状にめっき102を覆うようにエッチングマスクを形成する。第2金属層14の表面には、周縁部は第1端子部112に対応する舌片状にめっき102を覆うように、中央部は全面にエッチングマスクを形成し、舌片状部(第1の舌片状部)と中央部とは接続しないようにする。次に、エッチングマスクが形成された積層体をエッチングする。これにより、図3(e)に示すように、第1金属層12の中央部分がエッチングされて、反り防止用凹部12aが形成される。また、第2金属層14の一部がエッチングされ、エッチング部14aよりも中央側の第2金属層14の部分(第2金属層14の中央部分)がチップ戴置部114となるとともに、外周縁には第1の舌片状部が形成されてこの後第1端子部112の上面となる。
続いて、図4(a)に示すように、第2金属層14の表面と図3(e)におけるエッチングで露出された第1絶縁体層11の表面とに、第2絶縁体層13を形成する。これにより、エッチング部14aが第2絶縁体層13で充填される。その結果、エッチング部14aよりも周縁側の第2金属層14の部分(第2金属層14の周縁部分)と第2金属層14の中央部分とが電気的に不通となる。
続いて、不図示であるが、第2絶縁体層13の表面をパターニングして、第2絶縁体層13をエッチングする。具体的には、第2金属層14の舌片状部の一部が露出するように積層体をエッチングする。これにより、図4(b)に示すように、エッチング部13aが、樹脂部103よりも周縁側に形成され第2金属層14の舌片状部の一部が露出する。
続いて、図4(c)に示すように、第2絶縁体層13の表面と図4(b)におけるエッチングで露出された第2金属層14の表面とに、第3金属層16を積層させる。このとき、第3金属層16は、第2金属層14の周縁部分と接触することにより電気的に接続されるため、第2金属層14の周縁部分を介してエッチング部12aよりも周縁側の第1金属層12の部分と電気的に接続される。
続いて、不図示であるが、第3金属層16の表面にエッチングマスクを形成する。このエッチングマスクは、第3金属層16の表面の周縁部(第1端子部112に対応する部分を除く)に形成されるとともに、周縁部から第3金属層の表面の中心部へ向かう複数の舌片状に形成される。そして、積層体をエッチングすると、図4(d)に示すように、エッチングマスクが形成されていた第3金属層が残存する。すなわち、この工程により、第3金属層16は、第2絶縁体層13の表面の周縁部と、周縁部から第2絶縁体層13の表面の中心部へ向かう複数の第2の舌片状部16aとに形成される。
続いて、図4(e)に示すように、第3金属層16の表面と図4(d)におけるエッチングで露出された第2絶縁体層13の表面とに、第3絶縁体層15を積層する。これにより、母材基板10を製造することができる。
2.レーザ光照射工程
まず、図4(e)に示す母材基板10の表面(上面)全体に、レーザ光を照射する。このとき、レーザ強度などが相対的に強いレーザ光を母材基板10の表面の中央部と第1端子部112が形成される周縁部とへ照射し、レーザ強度などが相対的に弱いレーザ光を中央部と第1端子部112が形成される周縁部とに挟まれた部分へ照射する。なお、母材基板10の表面の中央部は、第3金属層16が形成されていない部分と舌片状部16aとに対応する母材基板10の表面である。そして、相対的に強いレーザ光を母材基板10の表面の中央部に照射することにより、図5(a)に示すように、このレーザ光が照射された第3絶縁体層15の部分と第3金属層16で被覆されていない第2絶縁体層13の部分と第2金属層14に覆われていない周縁部の第1絶縁体層11とが除去される。第3絶縁体層15の除去により、複数の第2の舌片状部16a,…が露出され、キャビティ部2の各内壁面に複数の突設部21,…が形成される。また、第2絶縁体層13の除去により、第2金属層14の中央部分が露出されて、キャビティ部2の底面を形成するとともに、複数の第1の舌片状部である第1端子部112上面が露出される。さらに、周縁部の第1絶縁体層11が除去されることで、第1端子部112が形成される。本工程においては、各金属層は、レーザストップ層として機能する。そのため、各突設部21の端面(側面)では、第2絶縁体層13と第3金属層16とが面一となる。なお、このとき、第2金属層14の表面のRzが1μm以上5μm以下となるように、レーザ照射条件を調整することが好ましい。
また、相対的に弱いレーザ光が照射されることにより、除去されずに残った、中央部と第1端子部112が形成される周縁部とに挟まれた部分である第3絶縁体層15の表面は、粗面化されて透光性部材戴置部15aとなる。粗面化の度合いは、Rzが5μm以上20μm以下というものである。
次に、図5(b)に示すように、反り防止用凹部12aに絶縁体層17を形成する。これにより、実装面側における第1端子部112,112,…同士の短絡を完全に阻止できる。
続いて、図5(c)に示すように、第2金属層14の中央部分の表面、第2の舌片状部16a及び第1金属層12の表面に、めっき104を施す。これにより、第2金属層14の中央部分の表面がチップ戴置部114となり、第2の舌片状部16aが第2端子部116となる。このようにして、光学デバイス用キャビティ構造体1を製造できる。
以上より、本実施形態の光学デバイス用キャビティ構造体1の製造方法では、透光性部材戴置部15aは、相対的に強度の弱いレーザ光を第3絶縁体層15の残存部分の表面に照射することにより、形成される。そのため、透光性部材戴置部15aは、粗面化された第3絶縁体層15の表面である。よって、透光性部材124を透光性部材戴置部15aに密着させて固定させることができる。また、従来の光学デバイス用キャビティ構造体の製造方法では、透光性部材を戴置するためのリブを形成する工程が必要である。しかし、光学デバイス用キャビティ構造体1の製造方法では、チップ戴置部の上方に積層された第2及び第3絶縁体層13,15と第3金属層16とがリブの機能を奏するため、リブを形成する工程は不要である。
また、チップ戴置部114は、Rzが1μm以上5μm以下であるため、平坦性に優れている。そのため、鏡筒などを取り付けるさいに、煽りに影響を与えることはない。また、実装面に反り防止用凹部12aが形成されているため、上面にキャビティ部2が形成されても、光学デバイス用キャビティ構造体1が実装面側に反ってしまうことはない。
なお、第1、第2及び第3絶縁体層11,13,15は、吸湿機能を有する多孔質材料が混合された絶縁体層であることが好ましい。これにより、放湿性に優れた光学デバイスを提供できる。
また、相対的に弱いレーザ光は、キャビティ部2になる部分と外壁面25になる部分とに挟まれた領域全体に照射する必要はなく、透光性部材124が戴置される部分にのみ照射すればよい。
−光学デバイス100の製造方法−
まず、図6(a)及び図7(a)に示すように、光学素子チップ121の裏面に接着剤122を塗布して、図5(c)に示す光学デバイス用キャビティ構造体1のチップ戴置部114に光学素子チップ121を戴置する。
次に、図6(b)及び図7(b)に示すように、複数本の導電性細線123,…を用いて、各々、光学素子チップ121の表面と第2端子部116,…とを電気的に接続する(ワイヤボンディング)。その後、導電性細線123,…を樹脂(不図示)で封じる。これにより、光学素子チップ121で受光または発光される光が導電性細線の表面で反射されてしまうことを阻止できるとともに、光学素子チップ121の表面または第2端子部116,…に導電性細線123,…を強固に固定できる。
続いて、図6(c)及び図7(c)に示すように、透光性部材124の周縁部分に接着剤(不図示)を塗布して、透光性部材124を透光性部材戴置部15aに接着させる。このとき、透光性部材戴置部15aが粗面化されているため、透光性部材124を透光性部材戴置部15aに密着させて固定させることができる。そして、これにより、光学デバイス100を製造できる。
次に、第1端子部112が形成されてなる実装面を配線基板に実装させることにより、光学装置(不図示)を製造できる。この実装の際、配線基板と接続される第1端子部112,112,…が舌片状に光学デバイスの外壁から外方に突き出していて、下面及び突出先端の側面が導電体層に覆われているので、この下面と湾曲部とで光学デバイスと配線基板との間のはんだ実装強度を大きく確保することができ、はんだフィレットが容易に形成できて確実かつ強固な接続を行うことができる。
なお、光学デバイス用キャビティ構造体1は、固定手段A以外に、第1端子部112における配線方向を視認するための方向認識機能を備えていてもよい。方向認識機能を備えた光学デバイス用キャビティ構造体101,201を以下に示す。
<変形の形態1>
変形の形態1における光学デバイス用キャビティ構造体101を図8に示す。図8に示すように、キャビティ部の開口部102aの輪郭形状は、開口部102aの略中点に対して非点対称であり、具体的には、矩形の頂点が曲線状に切り取られてなる形状である(以下、矩形の頂点が曲線状に切り取られてなる部分81aを「非点対称部81a」という)。換言すると、開口部102aの輪郭形状は、矩形の4つの頂点のうちの1つの頂点が円弧に形成されてなる。また別の言い方をすると、開口部102aの輪郭形状は、矩形の4つの頂点のうちの1つの頂点が丸コーナーである。そして、特定の機能を有する第1端子部112と最も近い開口部の頂点部分に非点対称部81aを形成すれば、開口部102a側から光学デバイス用キャビティ構造体101を観察することによりその特定の機能を有する第1端子部112の位置を視認できる。
なお、非点対称部81aの形状は、特に限定されず、矩形の頂点が曲線状に切り取られてなる形状であってもよい。
<変形の形態2>
変形の形態2における光学デバイス用キャビティ構造体201を図9に示す。図9に示すように、穴91aが、光学デバイス用キャビティ構造体201の表面に形成されている。そして、特定の機能を有する第1端子部112の近くの光学デバイス用キャビティ構造体201の表面に穴91aを形成すれば、開口部202a側から光学デバイス用キャビティ構造体201を観察することによりその特定の機能を有する第1端子部112の位置を視認できる。
《発明の実施形態2》
実施形態2では、図10及び図11を用いて、光学デバイス用キャビティ構造体3の構造及び製造方法を示す。図10は、本実施形態に係る光学デバイス用キャビティ構造体3の構造を示す断面図である。図11は、本実施形態に係る光学デバイス用キャビティ構造体3の製造工程の一部を示す断面図である。
−光学デバイス用キャビティ構造体3の構造−
本実施形態の光学デバイス用キャビティ構造体3は、実施形態1に係る光学デバイス用キャビティ構造体1と固定手段Aの構成のみを異にする。具体的には、図10に示すように、固定手段Aは、第3絶縁体層15の表面に形成されたレジスト層31である。すなわち、透光性部材戴置部135は、レジスト層31の表面である。そして、透光性部材戴置部135がレジスト層31の表面であるため、透光性部材124を密着させて固定させることができる。
なお、粗面化された第3絶縁体層15の表面にレジスト層31が形成されることが好ましい。これにより、透光性部材124は、実施形態1に係る光学デバイス用キャビティ構造体1および本実施形態において第3絶縁体層15表面が粗面化されていない光学デバイス用キャビティ構造体3に固定される場合に比べて、さらに強固に固定される。
−光学デバイス用キャビティ構造体3の製造方法−
まず、図3及び図4に示す工程に従って、本実施形態の光学デバイス用キャビティ構造体3の母材基板を製造する。この工程は実施形態1と同じである。
次に、第3金属層16が形成されていない部分と第2の舌片状部16aとに対応する母材基板の表面に、レーザ光を照射する。すると、図11(a)に示すように、レーザ光が照射された第3絶縁体層15の部分と第3金属層16に被覆されていない第2絶縁体層13の部分と第2金属層14に覆われていない周縁部の第1絶縁体層11とが除去される。
続いて、図11(b)に示すように、第3絶縁体層15の表面にレジスト層31を形成する。これにより、透光性部材戴置部135が形成される。
その後は、図5(c)に示すめっき加工を行うことにより、図10に示す光学デバイス用キャビティ構造体3を製造することができ、図6及び図7に示す工程を行うことにより、光学デバイス用キャビティ構造体3を備えた光学デバイス(不図示)を製造できる。
《発明の実施形態3》
実施形態3では、図12から図14を用いて、光学デバイス用キャビティ構造体5の構造及び製造方法と光学デバイス500の構造及び製造方法とを示す。図12は、本実施形態に係る光学デバイス用キャビティ構造体5の構造を示す断面図である。図13及び図14は、本実施形態に係る光学デバイス用キャビティ構造体5の製造工程と光学デバイス500の製造工程とを示す断面図である。なお、本実施形態のキャビティ構造体5は、第3絶縁体層15よりも下の部分は実施形態1のキャビティ構造体1と同じであるので、実施形態1とは異なっている部分を主に説明する。
−光学デバイス用キャビティ構造体5の構造−
本実施形態に係る光学デバイス用キャビティ構造体5は、図12に示すように、実装面から順に、第1金属層12、第1絶縁体層11、第2金属層14、第2絶縁体層13、第3金属層16、第3絶縁体層15、第4金属層52、第4絶縁体層53の順に積層されてなる。
キャビティ部4の各内壁面は、底面から開口部へ向かう方向に、第2絶縁体層13、第3金属層16、第3絶縁体層15、第4金属層52、第4絶縁体層53の順に積層されて形成されている。その各内壁面の表面には、第1突設部41,…と第2突設部42とが形成されている。各第1突設部41は、第2絶縁体層13及び第3金属層16で構成される。第2突設部42は、第3絶縁体層15及び第4金属層52で構成され、各第1突設部41よりも短く突設されている。そして、その第2突設部42の表面(上面)が透光性部材戴置部52aである。すなわち、透光性部材戴置部52aは、キャビティ部4内に形成されている。
−光学デバイス用キャビティ構造体5の製造方法−
本実施形態の光学デバイス用キャビティ構造体5の製造方法の前半部分は、実施形態1と同じであるので、まず、図3及び図4に示す方法で、図4(e)に示す積層体を形成する。
次に、第3絶縁体層15の表面に、第3金属層16よりも狭く第4金属層52を形成する。具体的には、第3絶縁体層15の表面に第4金属層52を形成し、その後、第4金属層52の表面の大部分にエッチングマスクを形成してエッチングを行う。これにより、図13(a)に示すように、第3絶縁体層15の表面の周縁部付近に第4金属層52が形成される。
続いて、第4金属層52の表面と図13(a)におけるエッチングにより露出された第3絶縁体層15の表面とに、第4絶縁体層53を形成する。このとき、第4絶縁体層53は、吸湿機能を有する多孔質材料が含有された絶縁体層であることが好ましい。これにより、図13(b)に示す光学デバイス用キャビティ構造体5の母材基板50を製造できる。
続いて、この母材基板50の表面にレーザ光を照射する。具体的には、第3金属層16が形成されていない部分と第2の舌片状部16aと該第2の舌片状部16aの外周部とに対応する母材基板50の表面にレーザ光を照射する。別言すると、キャビティ構造体5の外壁面25になる位置から第4金属層52の外周縁より少し内側の部分までの領域にはレーザを照射せず、それ以外の部分にはレーザ照射する。すると、図14(a)に示すように、レーザ光が照射された第4絶縁体層53の部分と第4金属層52に被覆されていない第3絶縁体層15の部分と第3金属層16に被覆されていない第2絶縁体層13の部分と第2金属層14に覆われていない周縁部の第1絶縁体層11とが除去される。そして、第4絶縁体層53の除去により、第4金属層52の一部が露出されて、第2突設部42が形成される。すなわち、透光性部材戴置部52aが形成される。この場合も、金属層がレーザストップ層として機能するため、第2突設部42の端面(側面)では、第3絶縁体層15と第4金属層52とが面一となる。
続いて、図5(c)に示すめっき加工を行うことにより、図12に示すキャビティ構造体5を製造できる。
その後、図14(b)に示すように、接着剤122を用いてチップ戴置部114に光学素子チップ121を固定して、導電性細線123,…を用いて第2端子部116と光学素子チップ121とを電気的に接続する。
そして、図14(c)に示すように、透光性部材戴置部52aに透光性部材124を戴置させる。これにより、光学デバイス500を製造することができる。
以上より、透光性部材戴置部52aは、第4金属層52の一部であるため、キャビティ部4内に配置されている。よって、光学デバイス用キャビティ構造体5は、光学デバイス用キャビティ構造体1に比べて、光学デバイスをコンパクトにすることができる。また第4絶縁体層53が透光性部材124を載置する位置を規制するため、位置精度良く透光性部材124を載置することができる。
《発明の実施形態4》
実施形態4では、図15から図17を用いて、光学デバイス用キャビティ構造体7の構造及び製造方法と光学デバイス700の構造及び製造方法とを示す。図15は、本実施形態に係る光学デバイス用キャビティ構造体7の構造を示す断面図である。図16は、本実施形態に係る光学デバイス用キャビティ構造体7の製造工程を示す断面図である。図17は、光学デバイス700の斜視図である。なお、本実施形態のキャビティ構造体7は、第3絶縁体層15よりも下の部分は実施形態1のキャビティ構造体1と同じであるので、実施形態1とは異なっている部分を主に説明する。
−光学デバイス用キャビティ構造体7の構造−
本実施形態に係る光学デバイス用キャビティ構造体7は、図15に示すように、実装面から順に、第1金属層12、第1絶縁体層11、第2金属層14、第2絶縁体層13、第3金属層16、第3絶縁体層15、第4金属層72、第4絶縁体層73の順に積層されてなり、光学部品嵌合部175を備えている。キャビティ部6の各内壁面は、底面から開口部へ向かう方向に、第2絶縁体層13、第3金属層16、第3絶縁体層15の順に積層されて形成されている。
光学部品嵌合部175は、鏡筒などの光学部品が嵌合される部分であり、キャビティ部6の開口部を取り囲むように形成されている。そして、キャビティ部6の底面と略平行な光学部品嵌合部の面は、第4金属層72の一部(上面)である。
−光学デバイス用キャビティ構造体7の製造方法−
本実施形態の光学デバイス用キャビティ構造体7の製造方法の前半部分は、実施形態1と同じであるので、まず、図3及び図4に示す方法に従って、図4(e)に示す積層体を形成する。
次に、第3絶縁体層15の表面の周縁部近辺に、第3金属層16よりも幅狭く第4金属層72を形成する。具体的には、第3絶縁体層15の表面に第4金属層72を形成し、その後、第4金属層72の表面の中央部及び周縁部にエッチングマスクを形成してエッチングを行う。これにより、第4金属層72は、図16(a)に示すように、第3絶縁体層15の表面の周縁近辺上に形成される。なお、第4金属層72の外周縁は、キャビティ構造体7の外壁面25と面一となる。
続いて、第4金属層72の表面及び図16(a)におけるエッチングにより露出された第3絶縁体層15の表面に、第4絶縁体層73を形成する。このとき、第4絶縁体層73は、吸湿機能を有する多孔質材料が含有された絶縁体層であることが好ましい。これにより、図16(b)に示す母材基板70を製造することができる。
続いて、この母材基板70にレーザ光を照射する。具体的には、第3金属層16が形成されていない部分と第2の舌片状部16aとに対応する母材基板70の表面にレーザ光を照射する。また、第4金属層72に対応する母材基板70の表面にレーザ光を照射する。別言すると、第4金属層72の内周縁から内側へ一定の幅の領域にはレーザを照射せず、それ以外の部分にはレーザ照射する。前記一定の幅は第2の舌片状部16の突出長さより短く、この突出長さの半分程度である。このように、第4金属層72に対応する母材基板70の表面にレーザ光を照射することにより、第4金属層72上の第4絶縁体層73の部分が除去されて、第4金属層72が露出して、光学部品嵌合部175が形成される。
その後は、図5(c)に示すめっき加工を行うことにより、図15に示すキャビティ構造体7を製造できる。
そして、接着剤を用いてチップ戴置部114に光学素子チップ121を固定して、導電性細線123,…を用いて第2端子部116と光学素子チップ121とを電気的に接続し、光学部品戴置部175に光学部品(不図示)を戴置させる。これにより、図17に示す光学デバイス700を製造できる。
《発明の実施形態5》
実施形態5では、図18から図20を用いて、光学デバイス用キャビティ構造体9の構造及び製造方法を示す。図18及び図19は、本実施形態に係る光学デバイス用キャビティ構造体9の製造工程を示す断面図であり、図20は、本実施形態に係る光学デバイス用キャビティ構造体9の裏面側の斜視図である。なお、本実施形態のキャビティ構造体9は、第1絶縁体層11よりも上の部分は実施形態1のキャビティ構造体1と同じであるので、実施形態1とは異なっている部分を主に説明する。
−光学デバイス用キャビティ構造体9の構造−
光学デバイス用キャビティ構造体9は、図19(b)に示すように、実装面から順に、第1金属層12、スタンドオフ用絶縁体層93、スタンドオフ用金属層92、第1絶縁体層11、第2金属層14、第2絶縁体層13、第3金属層16、第3絶縁体層15の順に積層されてなる。キャビティ部8の各内壁面は、底面から開口部へ向かう方向に、第2絶縁体層13、第3金属層16、第3絶縁体層15の順に積層されて形成されている。そして、第1端子部94は、外壁面25から外方に突き出しているとともに、実装面から突き出している。
−光学デバイス用キャビティ構造体9の製造方法−
まず、図18(a)に示すように、第1絶縁体層11の表面に第2金属層14を形成し、第1絶縁体層11の裏面にスタンドオフ用金属層92を形成する。
次に、不図示であるが、スタンドオフ用金属層92の表面をパターニングし、エッチングする。具体的には、スタンドオフ用金属層92の表面の周縁部にエッチングマスクを形成してエッチングを行う。これにより、図18(b)に示すように、第1絶縁体層11の裏面の中央部に、スタンドオフ用金属層92を形成することができる。
続いて、図18(c)に示すように、スタンドオフ用金属層92の表面と図18(b)におけるエッチングにより露出された第1絶縁体層11の裏面とに、スタンドオフ用絶縁体層93を形成し、スタンドオフ用絶縁体層93の裏面に第1金属層12を形成する。このとき、スタンドオフ用絶縁体層93は、吸湿機能を有する多孔質材料が含有された絶縁体層である。
続いて、図3(d)及び(e)と略同一の手法で、積層体を貫通するめっき102及び樹脂層103を形成する。また、パターニングにより、第1金属層12には反り防止用凹部12aを形成し、第2金属層14にはエッチング部14aを形成する。これにより、図18(d)に示す積層体を形成することができる。
その後、図4に示す工程に従って、光学デバイス用キャビティ構造体9の母材基板を形成する。
それから、その母材基板の表面及び裏面にレーザ光を照射する。このとき、母材基板の表面へは上記実施形態1におけるレーザ照射工程と略同一の方法で照射し、母材基板の裏面へは裏面全体に亘って強度が略同一のレーザ光を照射する。そして、母材基板の裏面へレーザ光を照射することにより、第1金属層12が形成されていないスタンドオフ用絶縁体層93の部分が除去され、その結果、スタンドオフ用金属層92が露出される。
そして、図5(c)に示すめっき加工を行うことにより、第1端子部94、チップ戴置部114、第1端子部94,94,…及び第2端子部116,116,…が形成され、図19(b)に示す光学デバイス用キャビティ構造体9を製造することができる。
本実施形態の光学デバイス用キャビティ構造体9では、他の実施形態の光学デバイス用キャビティ構造体1,3,5,7と異なり、第1端子部94が実装面において突設されている。そのため、配線基板への固定強度は強くなる。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態1から5について、以下のような構成としてもよい。
キャビティ部2,4,6,8の各内壁には、4個の突設部21(第1突設部41)が形成されているとしたが、その個数は限定されない。
光学デバイス用キャビティ構造体1,3,5,7,9の製造方法において、積層により母材基板10,30,50,70を製造したが、すでに積層された母材基板を用いてもよい。
上記実施形態2から5について、上記実施形態1における変形の形態1または変形の形態2に示す方向認識機能を備えていてもよい。
上記実施形態1から4について、第1端子部112は、上記実施形態5における第1端子部94であってもよい。
また、図21に示すように、面積の広い母材基板を用いて複数の光学デバイス用キャビティ構造体1,1,…を同時並行で製造してもよい。この製造方法により製造効率が向上し、製造コストが大幅に下がる。この製造方法は本発明の全ての実施形態に適用できる。隣接しあう光学デバイス用キャビティ構造体1,1,…の分割方法は、一般的に母材基板をダイシングテープに仮固着し、水洗しながらダイヤモンド砥粒からなるダイシングソーでカットするというものである。
以上説明したように、本発明は、光学デバイス用キャビティ構造体、光学デバイス及び光学デバイス用キャビティ構造体の製造方法について有用である。
実施形態1における光学デバイス用キャビティ構造体1の構造を示す斜視図である。 (a)は実施形態1における光学デバイス用キャビティ構造体1の構造を示す断面図であり、(b)は上面図である。 実施形態1における光学デバイス用キャビティ構造体1の製造工程の一部を示す断面図である。 実施形態1における光学デバイス用キャビティ構造体1の製造工程の別の一部を示す断面図である。 実施形態1における光学デバイス用キャビティ構造体1の製造工程のまた別の一部を示す断面図である。 実施形態1における光学デバイス100の製造工程を示す断面図である。 実施形態1における光学デバイス100の製造工程を示す工程図である。 実施形態1の変形の形態1における光学デバイス用キャビティ構造体101の構造を示す斜視図である。 実施形態1の変形の形態2における光学デバイス用キャビティ構造体201の構造を示す斜視図である。 実施形態2における光学デバイス用キャビティ構造体3の構造を示す断面図である。 実施形態2における光学デバイス用キャビティ構造体3の製造工程の一部を示す断面図である。 実施形態3における光学デバイス用キャビティ構造体5の構造を示す断面図である。 実施形態3における光学デバイス用キャビティ構造体3の製造工程の一部を示す断面図である。 実施形態3における光学デバイス300の製造工程の一部を示す断面図である。 実施形態4における光学デバイス用キャビティ構造体7の構造を示す断面図である。 実施形態4における光学デバイス用キャビティ構造体7の製造工程の一部を示す断面図である。 実施形態4における光学デバイス700の斜視図である。 実施形態5における光学デバイス用キャビティ構造体9の製造工程の一部を示す断面図である。 実施形態5における光学デバイス用キャビティ構造体9の製造工程の別の一部を示す断面図である。 実施形態5における光学デバイス用キャビティ構造体9の裏面側の斜視図である。 実施形態1における光学デバイス用キャビティ構造体1を複数同時製造したときの上面図である。
符号の説明
1,3,5,7,9,101,201 光学デバイス用キャビティ構造体
2,4,6,8 キャビティ部
2a,102a,202a 開口部
11,13,15 絶縁体層
12,14,16 金属層
15a,135,52a 透光性部材戴置部
16a 第2の舌片状部
21 突設部
25 外壁面
28 湾曲面
31 レジスト層
41 第1突設部
42 第2突設部
94,112 第1端子部
114 チップ戴置部
116 第2端子部
121 光学素子チップ
124 透光性部材
175 光学部品嵌合部
A 固定手段

Claims (11)

  1. 光学素子チップが戴置されて配線基板に実装される光学デバイス用キャビティ構造体であって、
    少なくとも3層の絶縁体層と少なくとも3層の金属層とが交互に、第1の金属層、第1の絶縁体層、第2の金属層、第2の絶縁体層、第3の金属層、第3の絶縁体層の順で積層されてなり、
    前記配線基板に実装される実装面とは反対側の面の中央部分に矩形の開口部を有するキャビティ部と、
    前記開口部を取り囲む前記反対側の面に形成され、前記光学素子チップが受光または発光する光を透過させる透光性部材が戴置される透光性部材戴置部と、
    前記配線基板の配線と電気的に接続される第1端子部と
    を備えており、
    前記キャビティ部では、
    底面は、前記第2の金属層の一部であるとともに、前記光学素子チップが戴置されるチップ戴置部であり、
    各内壁面は、前記底面から前記開口部へ向かう方向に、前記第2の絶縁体層、前記第3の金属層及び前記第3の絶縁体層が積層されて形成されており、表面には、該第2の絶縁体層及び該第3の金属層で構成される突設部が複数形成され、
    前記各突設部における前記第3の金属層は、前記光学素子チップと電気的に接続される第2端子部であり、
    前記第1端子部は、前記第1の金属層、前記第1の絶縁体層および前記第2の金属層を構成要素としているとともに、前記実装面に対して垂直な外壁面から外方に突き出しており、当該第1端子部の下面と、側面のうちの前記外方に突き出した先端部とが導電体層に覆われ、該導電体層によって前記第1の金属層と前記第2の金属層とが電気的に接続されており、
    前記第1端子部の先端部は凹形状の湾曲面をなしており、
    前記各突設部における前記第3の金属層は、前記内壁面と前記外壁面との間の部分において前記第2の金属層と電気的に接続されていることによって前記第1端子部と電気的に接続されており、
    前記透光性部材戴置部は、前記第3の絶縁体層の一部であり、
    前記第3の絶縁体層の表面は、前記透光性部材を固定させるため粗面化されている
    ことを特徴とする光学デバイス用キャビティ構造体。
  2. 請求項1に記載の光学デバイス用キャビティ構造体において、
    前記第3の絶縁体層の前記表面は、Rzが5μm以上20μm以下に粗面化されている、光学デバイス用キャビティ構造体。
  3. 請求項1に記載の光学デバイス用キャビティ構造体において、
    前記第1端子部の下面が前記実装面の中央部分よりも下方に突き出している、光学デバイス用キャビティ構造体。
  4. 請求項1または3に記載の光学デバイス用キャビティ構造体において、
    前記チップ戴置部の表面は、Rzが1μm以上5μm以下に形成されている、光学デバイス用キャビティ構造体。
  5. 請求項1または3に記載の光学デバイス用キャビティ構造体において、
    前記絶縁体層には、吸湿機能を有する多孔質材料が混合されている、光学デバイス用キャビティ構造体。
  6. 請求項1または3に記載の光学デバイス用キャビティ構造体において、
    前記実装面には、周縁部に金属層が形成され、該周縁部の内側に反り防止用凹部が形成されている、光学デバイス用キャビティ構造体。
  7. 請求項1または3に記載の光学デバイス用キャビティ構造体において、
    前記実装面と反対側の前記面における前記キャビティ部の前記開口部の輪郭形状が、該開口部の中心点に対して非点対称である、光学デバイス用キャビティ構造体。
  8. 請求項1または3に記載の光学デバイス用キャビティ構造体において、
    前記実装面と反対側の前記面には、前記第1端子部における端子の配置方向を示す穴部が形成されている、光学デバイス用キャビティ構造体。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一つに記載の光学デバイス用キャビティ構造体と、
    前記光学デバイス用キャビティ構造体のチップ戴置部に戴置された光学素子チップと、
    前記光学デバイス用キャビティ構造体の透光性部材戴置部に戴置された透光性部材と、を備えていることを特徴とする光学デバイス。
  10. 請求項9に記載の光学デバイスにおいて、
    前記光学素子チップと前記第2端子部の表面とは、導電性細線により電気的に接続されており、
    前記導電性細線は、樹脂により封止されている、光学デバイス。
  11. 請求項9または10に記載の光学デバイスにおいて、
    前記光学素子チップの光学面は、前記第2端子部の前記表面よりも前記開口部側に配置されている、光学デバイス。
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