以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明の電子内視鏡装置の実施の形態の概略構成を示すブロック図、図2は撮像部および分光モザイクフィルタを拡大して示す斜視図である。
本発明の電子内視鏡装置は、生体粘膜の分光画像を撮像する際に、長波長域より短波長域を強調した撮像を行って上記分光画像を示す分光画像データを得、上記分光画像データ用いて上記短波長域の強調分を補正した分光画像推定演算を実行して特定波長における分光画像を示す分光演算画像データを得、上記分光演算画像データに基づいて診断用分光画像を作成するものである。
図1に示すように、本発明の実施の形態の1例である電子内視鏡装置100は、互いに異なる波長域である赤色域、緑色域、青色域に対応した各照明光Ler、Leg、Lebの順次照射を受けた生体粘膜1で反射した各照明光Ler、Leg、Lebの反射光Lkr、Lkg,Lkbを受光する受光手段であるCCD等からなる撮像部12を有し、上記生体粘膜1の分光画像を示す分光画像データGsを取得する面順次方式の分光画像取得手段10と、上記分光画像データGsと予め入力され記憶された分光反射推定マトリクスデータとに基づく分光画像推定演算により上記生体粘膜1の特定波長における分光画像を示す分光演算画像データGeを得る分光画像データ演算手段20と、上記分光演算画像データGeに基づいて生体粘膜1の診断用分光画像を作成する診断用分光画像作成手段30とを備えている。
分光画像取得手段10は、上記互いに異なる波長域のうちの最も長波長側の長波長域の反射光を受光した撮像部12での受光レベルJpに対する上記長波長域より短波長側の短波長域の反射光を受光した撮像部12での受光レベルJsの比率Hj(Hj=Js/Jp)を、生体粘膜1上の上記反射光の反射領域における長波長域における分光反射率Kpに対する短波長域における分光反射率Ksの比率Hk(Hk=Ks/Kp)より大きく(Hj>Hk)なるようにして上記反射光を受光するものである。なお、上記分光画像取得手段10は、上記長波長域の反射光を受光した撮像部12での受光レベルJpを低下させることなく、上記受光レベル間の比率Hjを上記分光反射率間の比率Hkより大きくなるようにして上記反射光を撮像部12で受光するものである。
分光画像データ演算手段20は、上記受光レベル間の比率Hjを上記分光反射率間の比率Hkより大きくなるようにした受光で得られた上記短波長域に対応する分光画像データの値を、上記長波長域の受光レベルに対する短波長域の受光レベルの比率を大きくすることのない受光手段での受光で得られる上記短波長域に対応する分光画像データの値に補正した分光画像推定演算を実行するものである。
以下、上記分光画像取得手段10について説明する。分光画像取得手段10は、上記受光手段である撮像部12の他に、上記互いに異なる波長域に対応する各照明光Ler、Leg、Lebを生体粘膜1へ順次照射する照明光順次照射手段14を有している。
上記撮像部12は、図2に示すように、多数の受光画素12Gが2次元状に配列されたものである。
上記照明光順次照射手段14は、平行光束にせしめられた光を発する照明光源65と、照明光源65から発せられた光を通し順次互いに異なる波長域に分光して各照明光Ler、Leg、Lebを生成するための分光手段である円板形状の回転分光フィルタ66および回転分光フィルタ66を回転させる回転モータ67と、照明光源65に供給する電流を制御して上記各照明光Ler、Leg、Lebの光強度を調節する光強度調節手段68とを有している。上記光強度調節手段68は、短波長域である緑色域に対応する照明光Legの光強度に対する長波長域である赤色域に対応する照明光Lerの光強度の比率を分光反射率間の比率Hkに略一致させるとともに、短波長域である青色域に対応する照明光Lebの光強度に対する長波長域である赤色域に対応する照明光Lerの光強度の比率を上記分光反射率間の比率Hkに略一致させる。
なお、上記照明光源65から発せられる光は、ここでは白色光として説明するが、このような場合に限らず、上記白色光とは異なる分光光強度特性を有する光とすることもできる。
回転分光フィルタ66は、上記円板形状を円周方向に3分割した各部分である赤色域透過フィルタ部分66R、緑色域透過フィルタ部分66G、および青色域透過フィルタ部分66Bを組み合わせて形成したものである。また、赤色域透過フィルタ部分66Rの赤色域の光に対する透過率、緑色域透過フィルタ部分66Gの緑色域の光に対する透過率、および青色域透過フィルタ部分66Bの青色域の光に対する透過率は共に等しい。
光強度調節手段68は、回転モータ67に配されているエンコーダからの回転位置信号を入力し、上記回転位置信号から上記各透過フィルタ部分66(赤色域透過フィルタ部分66R、緑色域透過フィルタ部分66G、青色域透過フィルタ部分66B)の回転位置を検出する。そしてこの光強度調節手段68は、照明光源65に供給する電流の大きさを調節することにより照明光源65から発せられ各透過フィルタ部分に入射させる光の強度を各透過フィルタ部分66毎に調節する。
また、上記照明光順次照射手段14は、上記照明光源65から発せられ回転分光フィルタ66で分光された光を伝播させる後述する照明光伝播光学系64を有している。
なお、上記分光画像取得手段10は、上記撮像部12および上記照明光伝播光学系64の一部分を収容した湾曲自在で細長形状の挿入部72、および挿入部72に接続され一体化された上記挿入部72の湾曲動作等を操作するアングル操作部74からなる内視鏡部70を有している。上記アングル操作部74は上記照明光源65の側に位置しており上記挿入部72が被検体内に挿入される。
上記挿入部72の被検体内に挿入される先端を成す先端部72Aには、各照明光Ler、Leg、Lebで照明された観察対象となる生体粘膜1の像を撮像部12上に結像させる対物レンズ18が配置されている。
また、上記内視鏡部70の内部には、撮像部12で取得した分光画像データGsを分光画像データ演算手段20へ伝送する信号線Sgと、照明光源65から発せられ回転分光フィルタ66で分光された光を伝播させる上記照明光伝播光学系64とがアングル操作部74から挿入部72の先端部72Aに亘って施設されている。
上記照明光伝播光学系64は、照明光源65から発せられ回転分光フィルタ66で分光された赤色域の光、緑色域の光、および青色域の光を、上記照明光伝播光学系64を構成する後述するライトガイド61の一端へ入射させるための集光レンズ62、上記集光レンズ62で集光され上記一端へ入射された上記各光を先端部72Aに導くライトガイド61、および上記先端部72Aに配置され上記ライトガイド61から射出された光束を通し上記光束を広げて生体粘膜1を照明する照明レンズ63からなるものである。
なお、上記照明光伝播光学系64および対物レンズ18の可視波長域における分光透過率は一定である。すなわち、照明光伝播光学系64および対物レンズ18の可視波長域における透過率は波長によらず一定である。
上記長波長域である赤色域における照明光Lerの光強度より上記短波長域である緑色域の照明光Legや青色域の照明光Lebの光強度が大きくなるように生体粘膜1を照明するために、光強度調節手段68が上記照明光源65に供給する電流を調節する。すなわち、上記光強度調節手段68は、緑色域透過フィルタ部分66Gに入射させる光の強度を赤色域透過フィルタ部分66Rに入射させる光の強度より大きくするように調節し、青色域透過フィルタ部分66Bに入射させる光の強度を赤色域透過フィルタ部分66Rに入射させる光の強度より大きくするように調節する。
次に、上記分光画像データ演算手段20について説明する。分光画像データ演算手段20は、例えば、上記生体粘膜1で反射した赤色域の反射光Lkrを撮像部12で受光したときの受光レベルに対する上記生体粘膜1で反射した緑色域の反射光Lkgを撮像部12で受光したときの受光レベルの比率を大きくして得られた、上記緑色域に対応する分光画像データの値を、上記比率を大きくすることのない撮像部12での受光で得られる上記緑色域に対応する分光画像データの値に補正し、さらに、生体粘膜1で反射した赤色域の反射光Lkrを撮像部12で受光したときの受光レベルに対する上記生体粘膜1で反射した青色域の反射光Lkbを撮像部12で受光したときの受光レベルの比率を大きくして得られた上記青色域に対応する分光画像データの値を、上記比率を大きくすることのない撮像部12での受光で得られる上記青色域に対応する分光画像データの値に補正して、上記分光画像推定演算を実行するものである。
なお、上記分光画像データ演算手段20は、上記分光反射率間の比率に対する受光レベル間の比率である比率比較情報を記憶する比率比較情報記憶部22と、予め用意された分光反射推定マトリクスデータを記憶するマトリクスデータ記憶部24と、分光画像推定演算によって分光演算画像データGe求める際の特定波長を指定する特定波長指定スイッチ28と、上記比率比較情報記憶部22が記憶している比率比較情報、マトリクスデータ記憶部24が記憶している分光反射推定マトリクスデータ、および分光画像取得手段10が取得した分光画像データGsを用いて上記特定波長指定スイッチ28で指定された特定波長に関する分光画像推定演算を実行する演算実行部26とを備えている。
なお、上記分光反射推定マトリクスデータは、例えば、胃の粘膜に関する診断用分光画像の作成用に1種類、腸の粘膜に関する診断用分光画像の作成用に1種類等、各器官毎に用意しておくことが望ましい。
上記演算実行部26は、上記分光画像データGsの値を補正した分光画像推定演算を実質的に実行するものであれば実際の演算はどのように行なってもよい。例えば、分光画像取得手段10が取得した分光画像データGsの値そのものを直接補正することなく、その補正分だけ分光反射推定マトリクスデータの係数を変更するようにしてもよい。すなわち、上記分光画像データGsに対する補正分は、演算の都合に応じて上記分光画像推定演算中の適当な演算箇所に割振ることができる。
上記診断用分光画像作成手段30は、画像合成部34および画像合成選択スイッチ32を有している。画像合成選択スイッチ32の切替えにより画像合成部34で作成し表示モニタ82に表示させる診断用分光画像の種類が定められる。
上記診断用分光画像作成手段30には、上記分光画像データ演算手段20によって取得された分光演算画像データGeおよび分光画像取得手段10によって取得された分光画像データGsが入力される。そして、上記画像合成部34が、上記画像合成選択スイッチ32の設定に応じた診断用分光画像データGgを、上記入力された分光演算画像データGeや分光画像データGsに基づいて作成し表示モニタ82に出力する。上記診断用分光画像データGgが入力された表示モニタ82には上記生体粘膜1を示す診断用分光画像が表示される。
なお、上記各部の動作および各動作のタイミングはコントローラ80によって制御される。
次に、本実施の形態における電子内視鏡装置100の作用について説明する。
はじめに、上記分光画像推定演算に用いる分光反射推定マトリクスデータを得るための主成分分析について説明する。
生体粘膜等の測定対象物の可視波長域における分光反射率は、約400nm〜約700nmの波長域の間で波長間隔5nm毎あるいは10nm毎に測定した反射率によって示すことができる。すなわち、分光反射率は61次元あるいは31次元の上記各波長における反射率の離散値として示すことができる。なお、上記分光反射率は、可視波長全域に亘って一定の光強度を有する白色光で生体粘膜1を照明したときの、上記各波長毎における白色光の光強度に対する生体粘膜1で反射した反射光の光強度の比率を測定することによって得られる。
一方、測定対象物となる生体粘膜に関する多数の分光反射率データを主成分分析することにより、上記61次元あるいは31次元より少ない分光反射率データから、上記可視波長全域に亘る分光反射率を復元することができる。
例えば、測定対象物がマンセル色票である場合には、多数のマンセル色票の分光反射率を測定した主成分分析により、第1主成分から第8主成分までの8種類の主成分を利用して上記マンセル色票の可視波長全域に亘る分光反射率を略復元できるという結果が得られている。
また、測定対象物が胃壁等の生体粘膜である場合には、多数の生体粘膜の分光反射率を測定した主成分分析により、第1主成分から第3主成分までの3種類の主成分を利用して上記生体粘膜の可視波長全域に亘る分光反射率を99%復元できるという結果が得られている。
上記3種類の主成分で測定対象物の分光反射率を推定できるということは、例えば、生体粘膜1で反射した反射光の赤色域、緑色域、青色域の3種類の波長域における光強度の情報から可視波長全域に亘る分光反射率を推定できることを意味する。すなわち、可視波長全域に亘り波長間隔5nm毎あるいは10nm毎に分光反射率を推定できる。
生体粘膜の赤色域、緑色域および青色域の3種類の波長域での分光反射率の比、すなわち生体粘膜を白色光で照明したときにこの生体粘膜で反射した反射光の3種類の各波長域での光強度の比を示す分光反射光強度比マトリックスをC、取得したい各特定波長における分光反射率の比、すなわち生体粘膜を白色光で照明して上記生体粘膜で反射した反射光の各特定波長における光強度の比を示す特定波長マトリックスをF、上記主成分分析によって求めた分光反射推定マトリクスデータをAとすると、
の式が成立する。ここで、分光反射推定マトリクスデータAは多数の生体粘膜を測定することによって予め求めることができ、分光反射光強度比マトリックスCは測定によって得ることができるので、特定波長マトリックスFを求めることができる。すなわち、例えば、3種類の特定波長600nm、540nm、420nmにおける生体粘膜の各分光反射率間の比率を求めることができる。より具体的には、3種類の特定の狭帯域波長600nm±5nm、540nm±5nm、420nm±5nmにおける生体粘膜の各分光反射率間の比率を求めることができる。
したがって、上記生体粘膜1を白色光で照明したときにこの生体粘膜で反射した反射光の赤色域、緑色域および青色域の各波長域における各反射光の光強度と、予め用意した分光反射推定マトリクスデータとを用いて、白色光で照明された生体粘膜1で反射した上記白色光の反射光の各特定波長における光強度間の比率を演算によって推定することができる。
上記分光画像推定演算は、上記分光画像データ演算手段20で実行する分光画像推定演算に対応するものである。なお、上記分光画像推定演算による特定波長域における分光画像の取得には、従来より知られている手法を適用することができる。
次に、上記分光画像推定演算の手法を応用し、電子内視鏡装置100によって診断用分光画像を取得する場合について説明する。図3は各照明光の分光光強度分布を示す図、図4は生体粘膜の分光反射率を示す図、図5は生体粘膜で反射した反射光を撮像部で受光したときの反射光の光強度を示す図、図6は生体粘膜で反射した反射光を受光した撮像部での受光レベルを示す図、図7(a)は各透過フィルタ部分の分光透過率特性を示す図、図7(b)は分光画像推定演算で求めた生体粘膜で反射した反射光の特定波長における光強度を示す図である。
なお、図3は縦軸Iに光強度、横軸λに波長を示すものである。図4は縦軸εに反射率、横軸λに波長を示すものである。図5は縦軸Iに光強度、横軸λに波長を示すものである。また、図6は縦軸に受光レベルを示し、横軸方向に青色域の受光レベル、緑色域の受光レベル、赤色域の受光レベルを並べて示している。また、図7(a)は縦軸δに透過率、横軸λに波長を示すものである。図7(b)は縦軸Iに光強度、横軸λに波長を示すものである。
照明光源65から発せられ回転分光フィルタ66で分光された赤色域の光、緑色域の光および青色域の光のそれぞれは、照明光伝播光学系64を通って先端部72Aから順次射出され生体粘膜1を照明する。
図3に、上記先端部72Aから順次射出された各照明光の分光光強度分布、すなわち赤色域の照明光の分光光強度分布Qr、緑色域の照明光の分光光強度分布Qg、青色域の照明光の分光光強度分布Qbを示す。図3から解るように、赤色域Er照明光よりも、緑色域Eg照明光や青色域Eb照明光の方が光強度が大きく、さらに、緑色域Eg照明光より青色域Eb照明光の方が光強度が大きくなっている。赤色域Er照明光の光強度U1rと緑色域Eg照明光の光強度U1gの比U1r:U1gは1:2であり、赤色域Er照明光の光強度U1rと青色域Eb照明光の光強度U1bの比U1r:U1bは1:4である。
なお、上記各照明光の各波長域における光強度には、例えば、各波長域である赤色域Er、緑色域Eg、青色域Ebそれぞれの領域における光強度の平均値等を採用することができる。
一方、白色光の照明を受けた生体粘膜1で反射した上記白色光の反射光の分光光強度分布に対応する上記生体粘膜1の分光反射率は、図4中の線K1で示すように短波長域より長波長域の方が反射率が大きくなる。上記生体粘膜1の分光反射率は予め測定されており、赤色域Erの分光反射率Krは約2%、緑色域Egの分光反射率Kgは約1%、青色域Ebの分光反射率Kbは約0.5%である。したがって、赤色域Erの分光反射率Krと緑色域Egの分光反射率Kgの比Kr:Kgは1:0.5であり、赤色域Erの分光反射率Krと青色域Ebの分光反射率Kbの比Kr:Kbは1:0.25である。
なお、上記各波長域における生体粘膜1の分光反射率には、例えば、各波長域である赤色域Er、緑色域Eg、青色域Ebそれぞれの領域における分光反射率の平均値等を採用することができる。
上記各照明光Ler、Leg、Lebの順次照射を受けて生体粘膜1で反射した各反射光Lkr、Lkg,Lkbは、対物レンズ18を通って撮像部12上に結像され撮像される。
ここで、上記図4中の線K1で示す分光反射率特性を有する生体粘膜1が上記図3中のQ3,Q2,Q1で示す各分光光強度分布を有する各照明光Ler、Leg、Lebで照明される。上記生体粘膜1で反射した各反射光Lkr、Lkg、Lkbの分光反射光強度分布のそれぞれは、図5中の線K2r、K2g、K2bで示すように、各反射光Lkr、Lkg、Lkbの光強度が略一定の値Voを示すものとなる。
したがって、図6に示すように、赤色域Erにおける反射光Lkrを受光した撮像部12での受光レベルJr、緑色域Egにおける反射光Lkgを受光した撮像部12での受光レベルJg、および青色域Ebにおける反射光Lkbを受光した撮像部12での受光レベルJbも略一定の値となる。
上記各受光レベルJr、Jg、およびJbは、撮像部12が飽和することなく受光可能な最大の受光レベルを100%としたときの受光レベルを示すものであり、上記略一定となった撮像部12での受光レベルは、例えば約80%となる。
すなわち、上記分光画像取得手段10は、長波長域である赤色域と短波長域である緑色域とに関し、赤色域Erの反射光Lkrを受光した撮像部12での受光レベルJr(Jr=80%)に対する上記緑色域Egの反射光Lkgを受光した撮像部12での受光レベルJg(Jg=80%)の比率Hjg(Hjg=Jg/Jr=1;図6参照)を、生体粘膜1上の上記反射光Lkの反射領域での赤色域Erにおける分光反射率Kr(2%)に対する緑色域Egにおける分光反射率Kg(1%)の比率Hkg(Hkg=Kg/Kr=0.5;図4参照)より大きく(Hjg=1>Hkg=0.5)なるようにして上記反射光Lkを受光する。上記のようにこの分光画像取得手段10は、短波長域である緑色域における撮像部12での受光レベルを長波長域である赤色域における撮像部12での受光レベルに略一致させるものである。
また、上記分光画像取得手段10は、長波長域である赤色域と短波長域である青色域とに関し、上記赤色域Erの反射光Lkrを受光した撮像部12での受光レベルJr(Jr=80%)に対する上記青色域Ebの反射光Lkbを受光した撮像部12での受光レベルJb(Jb=80%)の比率Hjb(Hjb=Jb/Jr=1;図6参照)を、生体粘膜1上の上記反射光Lkの反射領域での赤色域Erにおける分光反射率Kr(2%)に対する青色域Ebにおける分光反射率Kb(0.5%)の比率Hkb(Hkb=Kb/Kr=0.25;図4参照)より大きく(Hjb=1>Hkb=0.25)なるようにして上記反射光Lkを受光する。上記のようにこの分光画像取得手段10は、短波長域である青色域における撮像部12での受光レベルを長波長域である赤色域における撮像部12での受光レベルに略一致させるものである。
上記赤色域と緑色域とに関し、上記受光レベル間の比率Hjg=1は分光反射率間の比率Hkg=0.5の2倍である。また、上記赤色域と青色域とに関し、上記受光レベル間の比率Hjb=1は分光反射率間の比率Hkb=0.25の4倍である。上記のように赤色域の照明光の光強度および受光レベルを基準にすると、緑色域では照明光の光強度が2倍になっているので受光レベルも2倍になり、青色域では照明光の光強度が4倍になっているので受光レベルも4倍になる。
なお、上記分光画像取得手段10の照明光順次照射手段14は、短波長域である緑色域に対応する短波長域照明光の光強度に対する長波長域である赤色域に対応する長波長域照明光の光強度の比率Hn(Hn=2/1)を、生体粘膜1上の上記反射光の反射領域における長波長域である赤色域での分光反射率に対する上記反射領域における短波長域である緑色域での分光反射率の比率Hk(Hk=1%/2%=1/2)に略一致させた照明光を照射するものである。
また、上記分光画像取得手段10の照明光順次照射手段14は、短波長域である青色域に対応する短波長域照明光の光強度に対する長波長域である赤色域に対応する長波長域照明光の光強度の比率Hn(Hn=4/1)を、生体粘膜1上の上記反射光の反射領域における長波長域である赤色域での分光反射率に対する上記反射領域における短波長域である青色域での分光反射率の比率Hk(Hk=0.5%/2%=1/4)に略一致させた照明光を照射するものでもある。
なお、上記赤色域と緑色域についての受光レベル間の比率Hjgに対する分光反射率間の比率Hkgの大きさに関する情報、および赤色域と青色域についての受光レベル間の比率Hjbに対する分光反射率間の比率Hkbの大きさに関する情報は予め比率比較情報記憶部22に記憶させておく。
撮像部12によって取得された上記生体粘膜1を示す分光画像データGsは、上記信号線Sgを通して分光画像データ演算手段20へ伝送されるとともに、診断用分光画像作成手段30へも伝送される。
分光画像データGsが入力された分光画像データ演算手段20では、特定波長指定スイッチ28によって定めた特定波長における分光画像を示す分光演算画像データGeを求めるための分光画像推定演算を実行する。
なお、上記生体粘膜1の撮像によって得られた分光画像データGsは、白色光に相当する照明によって得られたものではないので、すなわち上記分光画像データGsは生体粘膜1の分光反射率に対応したものではないので、この分光画像データGsを補正することなく上記分光画像推定演算を実行しても、特定波長の分光画像を示す分光演算画像データを求めることはできない。
そのため、上記分光画像データGsの値を白色光に相当する照明によって得られたもの、すなわち生体粘膜1の分光反射率に対応したものとなるように補正した後、上記分光画像推定演算の手法を適用する。
すなわち、分光画像データGsが入力された演算実行部26において、例えば、上記分光画像データGsの値を赤色域における値を基準にして補正する。上記基準とする分光画像データGsの赤色域における値は変更することなくそのままの値とし、緑色域における分光画像データGsの値は受光レベルを2倍にして受光したので1/2倍し、青色域における分光画像データGsの値は受光レベルを4倍にして受光したので1/4倍して補正済の分光画像データを得る。上記補正は比率比較情報記憶部22に記憶させた上記比率比較情報を参照して実施する。
また、特定波長指定スイッチ28により、例えばヘモグロビンの反射率が特に高くなる波長等の生体粘膜1の診断に有効な特定波長を指定する。上記指定された特定波長を示す情報は演算実行部26に入力される。演算実行部26は、マトリクスデータ記憶部24に予め記憶されている分光反射推定マトリクスデータのうちから、上記指定された各特定波長での各分光反射率間の比率、すなわち、各特定波長におけるそれぞれの分光反射光強度間の比率を求めるために使用する分光反射推定マトリクスデータを取得する。
そして、演算実行部26が、上記補正済の分光画像データと、上記特定波長に対応する分光反射推定マトリクスデータとを用いた分光画像推定演算を行って、上記特定波長における分光反射光強度を示す画像データ、すなわち各特定波長における分光画像を示す分光演算画像データGeを得る。
なお、回転分光フィルタ66を通った各照明光での生体粘膜1の照明によって得られた分光測定演算画像データGsは、上記回転分光フィルタ66を構成する赤色域透過フィルタ部分66R、緑色域透過フィルタ部分66G、青色域透過フィルタ部分66Bのそれぞれを通った広帯域である赤色域の反射光、広帯域である緑色域の反射光、広帯域である青色域の反射光の各光強度を示すものであるが、演算によって得られた分光測定演算画像データは、生体粘膜1で反射した反射光の特定波長、すなわち特定の狭波長帯域における光強度を示すものである。
すなわち、図7(a)に示すように、赤色域透過フィルタ部分66Rは赤色波長域Erを透過させる広帯域の分光透過特性Frを有し、緑色域透過フィルタ部分66Gは緑色波長域Egを透過させる広帯域の分光透過特性Fgを有し、青色域透過フィルタ部分66Bは青色波長域Ebを透過させる広帯域の分光透過特性Fbを有するものである。しかしながら、上記各透過フィルタ部分を通した撮像部12の受光で得られた分光測定演算画像データGeを用いて分光画像推定演算を行なうことにより、図7(b)に示すように、上記広帯域より狭い狭帯域からなる任意の波長域λ1、λ2、λ3・・・における上記生体粘膜1で反射した反射光の光強度の値を演算によって推定することができる。なお、図7(b)中の破線K1′は、上記分光画像推定演算を行なって推定可能な上記生体粘膜1で反射した反射光の可視波長全域における光強度の分布を示すものである。
つづいて、上記特定波長における分光画像を示す分光演算画像データGeが、診断用分光画像作成手段30の画像合成部34に入力される。この画像合成部34では、上記入力された分光演算画像データGeと既に入力済みの分光画像データGsとを用いて診断用分光画像Ggを作成する。
例えば、上記分光演算画像データGeから作成される上記特定波長のうちの少なくとも1種類に対応した分光画像を、上記分光画像データGsから作成される通常画像上に合成した診断用分光画像を示す診断用画像データGgや、分光演算画像データGeから作成される互いに異なる2種類あるいは3種類の上記特定波長に対応する分光画像を合成した診断用分光画像を示す診断用画像データGgを作成して表示モニタ82へ伝送する。
上記診断用画像データが入力された表示モニタ82には、この診断用画像データが示す診断用分光画像が表示される。
表示モニタ82に通常画像と分光画像を同時に表示する場合には、例えば、通常の観察に用いられる通常画像と血液を示す特定波長域の反射光を強調した分光画像とを対比して表示させ観察することができるので通常画像の表示のみでは観察できない微細な血管等を観察することができ、生体組織の診断に非常に有用である。
なお、上記表示モニタ82に表示させる診断用画像の種類は、画像合成選択スイッチ32の切替えによって決定する。
ここで、分光画像取得手段10による上記分光反射率間の比率に対する受光レベル間の比率の設定と分光画像データ演算手段20による分光画像推定演算の補正とによって、上記診断用画像データに含まれるノイズ成分を低減する作用について説明する。図8は白色光に相当する照明を受けた生体粘膜で反射した反射光の撮像部での受光レベル中に占める固定ノイズの割合を示す図、図9は生体粘膜で反射した反射光の撮像部での受光レベル中に占める固定ノイズの割合を示す図、図10は補正した受光レベル中に占める固定ノイズの割合を示す図である。
なお、図8、図9および図10では縦軸に受光レベルを示し、横軸方向に青色域の受光レベル、緑色域の受光レベル、赤色域の受光レベルを並べて示している。
分光画像取得手段10における上記生体粘膜1を照明する照明光が白色光に相当する場合、すなわち、順次照射される赤色域の光の光強度、緑色域の光の光強度、青色域の光の光強度が共に等しい場合には、図8に示すように、上記生体粘膜1で反射した反射光を撮像部12で受光したときの赤色域Er、緑色域Eg、青色域Ebの各波長域における受光レベルは、生体粘膜1上の上記反射光の反射領域における分光反射率(図4参照)に応じた受光レベルとなる。すなわち、撮像部12での赤色域Erにおける受光レベルが80%であったとすると、緑色域Egにおける受光レベルは40%、青色域Ebにおける受光レベルは20%となる。
また、上記受光により撮像部12で得られる画像信号には、撮像部12で受光した光の光強度の大きさに比例することなく生じる固定ノイズ成分Ns、例えば暗電流等に起因する固定ノイズ成分Nsが含まれている。このように、受光した光強度の大小にかかわらず最大受光レベルに対して一定量生じる固定ノイズ成分Nsの発生量が最大受光レベルの1%であるとすると、取得された分光画像データのうちの赤色域Erの反射光強度を示す分光画像データには1.25%(1.25%=1%/80%)の固定ノイズ成分Nsrが含まれることになる。同様に、緑色域Egの反射光強度を示す分光画像データには2.5%(2.5%=1%/40%)の固定ノイズ成分Nsg、青色域Ebの反射光強度を示す分光画像データには5%(5%=1%/20%)の固定ノイズ成分Nsbが含まれることになる。
したがって、上記分光画像データを用いて生成した診断用画像にも、上記と同様に、赤色域において1.25%の固定ノイズ成分、緑色域において2.5%の固定ノイズ成分、青色域において5%の固定ノイズ成分を含むものとなる。
これに対して、上記実施の形態では、分光画像取得手段10における上記生体粘膜1を順次照明する各照明光として赤色域の光強度に対して緑色域あるいは青色域の光強度を大きくした各照明光を採用し、上記各照明光の照明を受けた生体粘膜1で反射した反射光を撮像部12で受光したときの各波長域における受光レベルを、図9に示すように共に約80%としている。このような場合には、上記撮像部12で受光した光の光強度の大きさに比例することなく生じる固定ノイズ成分Nsが上記と同様に最大受光レベルの1%であるとすると、取得された分光画像データに含まれる固定ノイズ成分の割合は、赤色域Er、緑色域Eg、および青色域Ebにおいて共に1.25%(1.25%=1%/80%)となる。
そして、上記演算実行部26による分光画像推定演算の補正に伴い分光画像データの値が補正された場合であっても上記分光画像データが含む上記固定ノイズの比率は変わらない。例えば図10に示すように、受光レベルを2倍にして受光した緑色域Egにおける分光画像データの値を1/2倍しても上記緑色域Ebにおける分光画像データが含む上記固定ノイズの比率は変わらない。また、受光レベルを4倍にして受光した青色域Ebにおける分光画像データの値を1/4倍しても上記青色域Ebにおける分光画像データが含む上記固定ノイズの比率は変わらない。すなわち、上記補正済み分光画像データに含まれる固定ノイズ成分の割合は、赤色域Er、緑色域Eg、および青色域Ebにおいて共に1.25%のままである。
したがって、上記赤色域の光強度に対して緑色域あるいは青色域の光強度を大きくした各照明光を採用して取得した分光画像データに含まれる固定ノイズ成分の割合を、上記のように白色光に相当する照明光を採用して取得した分光画像データに含まれる固定ノイズ成分の割合より小さくすることができる。これにより、上記診断用分光画像の品質の低下を抑制することができる。
上記演算実行部26による分光画像推定演算では、分光画像取得手段10が取得した分光画像データの値を補正する例を示したが、このような場合に限らず、その補正分を例えば分光反射推定マトリクスデータの係数を補正するようにして割振ることもできる。
すなわち、上記各照明光の長波長域の光強度に対する上記各照明光の短波長域における光強度の比率を高めて得られた上記分光画像データの値を、上記比率を高めることなく撮像部12で受光したときに得られる分光画像データの値に補正した分光画像推定演算が実質的に実行されるように演算を実行するようにすれば、どのような方式で演算を行なってもよい。
なお、上記分光画像取得手段10による分光画像データGsの取得、分光画像データ演算手段20による分光画像推定演算の実行、診断用分光画像作成手段30による診断用分光画像データの作成等に関する各部の動作および各動作のタイミングはコントローラ80が制御する。
図11(a)は照明光源から射出され分光された光束を絞って通す様子を光軸と直交する方向から見た図、図11(b)は上記様子を光軸方向から見た図である。
上記分光画像取得手段10は、照明光源65に供給する電流を制御して上記各照明光Ler、Leg、Lebの光強度を調節する光強度調節手段68の代わりに、図11(a)、(b)に示すように、生体粘膜1へ順次照射する各照明光の光強度を定める開口絞り75と、開口絞り75の開口量を制御する開口絞り制御手段である回転モータ67とを有するものとしてもよい。なお、上記回転モータ67は上記回転分光フィルタ66を回転させる回転モータを兼用するものである。
ここで、開口絞り75は円板形状を成し、回転モータ67に配された回転分光フィルタ66の前面に重ねて配置される。この開口絞り75は、回転分光フィルタ66中の赤色域透過フィルタ部分66R上に配置された赤色域の照明光Ler用の開口部分75Rと、緑色域透過フィルタ部分66G上に配置された緑色域の照明光Leg用の開口部分75Gと、青色域透過フィルタ部分66B上に配置された青色域の照明光Leb用の開口部分75Bとを有している。
各開口部分は、開口絞り75の回転方向に沿って一定の幅を有しており、赤色域の照明光Ler用の開口部分75Rの幅Wrが最も小さく、緑色域の照明光Leg用の開口部分75Gの幅Wgは上記開口部分75Rの幅Wrより大きく、青色域の照明光Leb用の開口部分75Bの幅Wbが最も大きくなっている。すなわち、各開口部分の幅の大きさは幅Wr<幅Wg<幅Wbの関係を満たすようになっている。
したがって、照明光源65から平行光にせしめられて発せられ各透過フィルタ部分を通った光束の断面積は、赤色域透過フィルタ部分66R上の開口部分75Rを通ったときに最も小さくなり、緑色域透過フィルタ部分66G上の開口部分75Gを通ったときに上記開口部分75Rより大きくなり、青色域透過フィルタ部分66B上の開口部分75Bを通ったときに最も大きくなる。
上記のことにより、既に説明済みの図3に示すように、上記開口絞り75および照明光伝播光学系64を通って先端部72Aから順次射出させる各照明光を、赤色域Er照明光Lerより緑色域Eg照明光Legや青色域Eb照明光Lebの光強度を大きくし、さらに、緑色域Eg照明光Legより青色域Eb照明光Lebの光強度を大きくすることができる。
具体的には、上記と同様に、赤色域Er照明光Lerの光強度U1rと緑色域Eg照明光Legの光強度U1gの比U1r:U1gを1:2とし、赤色域Er照明光Lerの光強度U1rと青色域Eb照明光Lebの光強度U1bの比U1r:U1bを1:4とすることにより、すなわち、各照明光のうちの短波長域である緑色域の照明光の光強度に対する各照明光のうちの長波長域に対応する赤色域の照明光の光強度の比率を上記分光反射率間の比率Hkに略一致させるとともに、各照明光のうちの短波長域である青色域の照明光の光強度に対する各照明光のうちの長波長域に対応する赤色域の照明光の光強度の比率を上記分光反射率間の比率Hkに略一致させることにより、上記の場合と同様に、撮像部12での赤色域Er、緑色域Egおよび青色域Ebにおける各受光レベルを共に等しく例えば80%とすることができ、上記の場合と同様の効果を得ることができる。
上記開口絞り制御手段である回転モータ67は、各照明光のうちの短波長域である緑色域に対応する短波長域照明光の光強度に対する各照明光のうちの長波長域である赤色域に対応する長波長域照明光の光強度の比率Hn(1/2)を、生体粘膜1上の上記反射光の反射領域における長波長域である赤色域での分光反射率に対する上記反射領域における短波長域である緑色域での分光反射率の比率Hk(Hk=1%/2%=1/2)に略一致させるものである。
また、上記開口絞り制御手段である回転モータ67は、各照明光のうちの短波長域である青色域に対応する短波長域照明光の光強度に対する各照明光のうちの長波長域である赤色域に対応する長波長域照明光の光強度の比率Hn(1/4)を、生体粘膜1上の上記反射光の反射領域における長波長域である赤色域での分光反射率に対する上記反射領域における短波長域である青色域での分光反射率の比率Hk(Hk=0.5%/2%=1/4)に略一致させるものでもある。
さらに、照明光伝播光学系64の分光透過率の分布の変更、対物レンズ18の分光透過率の分布の変更、回転分光フィルタ66の各分光透過フィルタ部分の分光透過率の分布の変更、および照明光源65の分光光強度分布の変更等を組み合わせて、上記実施の形態と同様に、撮像部12での赤色域、緑色域および青色域における各受光レベルを共に等しく例えば70%、あるいは90%等とするようにしてもよい。
また、上記説明においては、撮像部12での赤色域、緑色域および青色域における各照明光の受光レベルを略一致させる場合について説明したが、長波長域における受光レベルを低下させることなく短波長域における受光レベルを高めるように、例えば、各受光レベルの差を±10%以内としたり、各波長域における受光手段での各受光レベルのいずれをも最大受光レベルの50%以上、望ましくは80%以上にするように上記各部の分光透過率分布等を設定することにより上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
上記のような場合には、比率比較情報を上記分光画像取得手段10の設定に応じて更新する。すなわち、生体粘膜1における長波長域での分光反射率に対する短波長域での分光反射率の比率に対する生体粘膜1で反射した長波長域の反射光を受光した受光手段での受光レベルに対する短波長域の反射光を受光した受光手段での受光レベルの比率を示す比率比較情報を上記分光画像取得手段10の設定に応じて変更し、上記変更した比率比較情報を比率比較情報記憶部22に記憶させておく。
また、上記互いに異なる各波長域は、赤色域、緑色域、および青色域に限るものではなく、上記とは異なる波長域を利用したり、2種類あるいは4種類以上の互いに異なる波長域、例えば補色であるシアン、マゼンタ、黄色、緑(G・Cy・Mg・Ye)の波長域を用いて上記診断用分光画像を作成するようにしても上記と同様の効果を得ることができる。