JP4711575B2 - 外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造に関し、コンクリートの建築物の間仕切り壁や天井スラブなどの外壁と連続した仕切り壁の遮音性および強度を確保しつつ結露などを防止するようにしたものでものである。
【0002】
【従来の技術】
建築物としてコンクリート造りのものが広く構築されており、補強構造などにより鉄筋コンクリート造り(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造り(SRC造)、ガラスファイバー入りの鉄筋コンクリート造り(GRC造)、プレキャストコンクリート造り(PC造、プレハブ)等のものがある。
【0003】
一方、建築物の断熱工法には、外断熱工法と内断熱工法とがあるが、このようなコンクリート造りの建築物では、室内側に断熱材を取り付ける内断熱工法が従来から一般に採用されている。
【0004】
この内断熱工法では、外壁の室内側に断熱材を取り付けるようにするが、外壁と連続する仕切り壁、例えば部屋などを仕切る間仕切り壁や上下の途中階を仕切る天井スラブ等があると、これらのところで断熱材がとぎれることになり、断熱欠損による結露発生などの問題がある。
【0005】
そこで、最近では、図4に示すように、外壁1と連続する仕切り壁2の両側にも外壁1の室内側3の断熱材4と連続して外壁1の室内側3の表面から600〜2000mm程度の範囲Lに断熱材5を取り付けることで断熱欠損による結露発生などを防止することが行われている。
【0006】
この仕切り壁2への断熱材5の取り付けは、外壁1の室内側3と同様に、仕切り壁2の表面に凹凸が出来ないようにするため、断熱材5の厚さ分だけ仕切り壁2のコンクリート薄くして断熱材5を施工するようにしている。
【0007】
したがって、建築物の意匠上は仕切り壁2が平面状となり好ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、こうした仕切り壁2部分の断熱構造では、仕切り壁2のコンクリートの厚さtを薄くして厚さをt1とした分だけ遮音性の低下や強度の低下を引き起こし、新たな問題が生じている。
【0009】
この発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、仕切り壁の遮音性や強度に影響を及すことなく断熱欠損による結露発生を防止できる外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
外壁と連続した仕切り壁の断熱構造について鋭意研究を重ねた結果、通常のコンクリート造りの建築物では、柱や梁等に数百mm程度の段差があるのが普通であり、このような段差が生じることを前提に内装などが施されることから断熱材によって数十mm程度の段差を生じさせても住む人にとってはさほど気になるものでなく、むしろ仕切り壁の強度低下により地震時の破壊や損傷が生じることが生命財産の安全性確保の問題となり、隣り合う部屋との遮音性の低下が集合住宅でのプライバシーの保護や快適性の点でより重要な問題となってきていることに鑑みてこの発明を完成したものである。
【0011】
上記従来技術が有する課題を解決するこの発明の請求項1記載の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造は、建築物の外壁と連続した仕切り壁の室内側に断熱材を取り付けて断熱する構造であって、前記外壁の室内側全面を覆って外壁用断熱材を取り付ける一方、前記仕切り壁の前記外壁の内表面から所定の範囲の両側面に仕切り壁用断熱材を取り付け、この仕切り壁用断熱材の室内側に位置する木口面に補強用部材を取り付けたことを特徴とするものである。
【0012】
補強用部材は、予め仕切り壁用断熱材に取り付けておいても良いし、内装完了時に仕切り壁用断熱材に取り付けても良い。
【0013】
この外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造によれば、仕切り壁に取り付けた仕切り壁用断熱材が外側に突き出して段差を生じるもののコンクリート造りの建築物に通常生じる段差に比べて気にならない程度に小さくでき、結露を防止しながら強度や遮音性を確保でき、しかも仕切り壁用断熱材の木口面の損傷も防止できるようにしている。
【0014】
また、この発明の請求項2記載の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造は、請求項1記載の構成に加え、前記仕切り壁が間仕切り壁、雁行、天井スラブのいずれかであることを特徴とするものである。
【0015】
この外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造によれば、外壁が連続する仕切り壁として隣接する部屋同士を仕切る間仕切り壁、外壁が段差状とされて仕切り壁が連続する雁行、上下の部屋を仕切る天井スラブのいずれに適用しても、同様に、仕切り壁に取り付けた仕切り壁用断熱材が室内側に突き出して段差を生じるもののコンクリート造りの建築物に通常生じる段差に比べて気にならない程度に小さくでき、結露を防止しながら強度や遮音性を確保でき、しかも仕切り壁用断熱材の木口面の損傷も防止できるようになる。
【0016】
さらに、この発明の請求項3記載の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造は、請求項1または2記載の構成に加え、前記外壁および前記仕切り壁が鉄筋コンクリート造り、鉄骨鉄筋コンクリート造り、ガラスファイバー入りの鉄筋コンクリート造り、プレキャストコンクリート造りのいずれかであること特徴とするものである。
【0017】
この外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造によれば、前記外壁および前記仕切り壁が鉄筋コンクリート造り、鉄骨鉄筋コンクリート造り、ガラスファイバー入りの鉄筋コンクリート造り、プレキャストコンクリート造りのいずれに適用しても同様に、仕切り壁に取り付けた仕切り壁用断熱材が室内側に突き出して段差を生じるもののコンクリート造りの建築物に通常生じる段差に比べて気にならない程度に小さくでき、結露を防止しながら強度や遮音性を確保でき、しかも仕切り壁用断熱材の木口面の損傷も防止できるようになる。
【0018】
また、この発明の請求項4記載の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、前記仕切り壁用断熱材の木口面を補強する前記補強用部材が補強用テープまたは補強用板材であることを特徴とするものである。
【0019】
この外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造によれば、仕切り壁用断熱材の木口面を補強用テープまたは補強用板材で補強することで、仕切り壁用断熱材の木口面の損傷も防止できるようになる。
【0020】
ここでいう補強用テープ又は補強用板材で補強する木口面とは、仕切り壁用断熱材は、通常、矩形のボード状のものが用いられ、表裏面以外の周囲4面に木口面を有するが、垂直の間仕切り壁に取り付ける場合には、上下の木口面は天井と床に接して露出せず、左右のうち外壁側は外壁用断熱材に接して露出せず、左右のうち外壁と反対側の残る1面は段差として内装完了時に室内に位置した状態となる木口面をいい、水平の天井スラブに仕切り壁用断熱材を取付ける場合にも、同様に、4つの木口面のうち段差として内装完了時に室内に位置した状態となり、段差となる1つの木口面をいう。なお、内装完了時に室内に位置しない場合、例えば仕切り壁として上下の部屋を仕切る天井スラブの場合には、天井スラブの上面の仕切り壁用断熱材は床材の下に隠れて木口面が段差として室内に位置しないことから、ここでいう補強用テープまたは補強用板材で補強する木口面には含めない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、この発明の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造の一実施の形態にかかり、仕切り壁として間仕切り壁に適用した場合の水平断面図であり、(a)は内装仕上げ材の取り付け前を、(b)は内装仕上げ材の取り付け後をそれぞれ示す。
【0022】
この外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造10では、コンクリート造りの外壁11と連続する仕切り壁としての間仕切り壁12が断熱材施工部分を含む全体が同一厚さtのコンクリート造りとされており、外壁11の室内側13に外壁用断熱材14がこれまでと同様に取り付けられる。そして、間仕切り壁12部分には、間仕切り壁12の両側に外壁用断熱材と同一仕様の仕切り壁用断熱材15がその厚さ分だけ室内側に突き出して取り付けられ、その取付範囲Lが外壁11の室内側13の表面から600〜2000mm程度とされ、コンクリート造りの建築物の仕様や環境に応じて間仕切り壁12に断熱欠損による結露の発生が防止できる範囲に取り付けてある。
【0023】
また、この仕切り壁用断熱材15の内装完了時に室内に位置する木口面16には、補強用部材17が取り付けられ、仕切り壁用断熱材15の木口面16の割れ等の損傷を防止するとともに、内装仕上げ材18を取り付ける場合の下地面にできるようにしてある。
【0024】
こうして仕切り壁用断熱材15を所定範囲Lに取り付け、内装完了時に室内に位置する木口面16に補強用部材17を取り付けた後、必要に応じて下地処理などを施し、内装仕上げ材18がこれらを覆うように取付けられる。
【0025】
したがって、このような外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造10によれば、仕切り壁用断熱材15が室内側に飛び出した状態で取り付けられるので、間仕切り壁12部分の断熱欠損による結露発生を防止することができるとともに、間仕切り壁12の厚さtを一定の厚い状態にできるので、強度が低下したり、遮音性が損なわれることもなく、一層安全かつ快適に住むことができる。
【0026】
また、室内側に飛び出した状態で取り付けた仕切り壁用断熱材15の段差なる木口面16には、補強用部材17を取付けて補強するようにしたので、人がぶつかって割れたり、損傷することを防止できるとともに、内装仕上げ材18を取付ける場合に、粘着剤や接着剤を塗布したり、釘やビスなどで固定するのに利用することができる。
【0027】
一方、室内側に飛び出した状態で取り付けた仕切り壁用断熱材15で、その厚さに応じた段差が生じるが、段差といってもせいぜい数10mmであり、コンクリート造りの建築物で通常生じる柱や梁などの数100mm程度の段差に比べて小さく、住む人や使用者が気になるほどの厚さでなく、むしろ、使用者などにとっては、地震時の間仕切り壁12の破壊等の問題が一層解消され、生命や財産の安全性が一層向上するとともに、集合住宅やホテルなどでは遮音性の一層の向上により一層プライバシーが保護され、快適に使用することができる。
【0028】
このようなコンクリート造りの建築物に備わる外壁11と連続した仕切り壁12としては、鉄筋コンクリート造り(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造り(SRC造)、ガラスファイバー入りの鉄筋コンクリート造り(GRC造)、プレキャストコンクリート造り(PC造、プレハブ))等のいずれであっても良い。
【0029】
また、外壁用断熱材や仕切り壁用断熱材は同一仕様のものでも良く、例えば硬質ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、フェノールフォーム、ゴム発泡体、塩化ビニル発泡体のボード、あるいは板状のグラスウールやロックウールなどが使用でき、またこれらに紙、ポリエチレンフィルム、ガラス不織布、石膏ボード、合板など単層、あるいはこれらを1種類以上積層した面材が予め設けてあるものが、壁面の強度を向上できるので好ましい。
【0030】
なお、断熱ボードとしては、例えば幅600mm、長さ1800mm、厚さ10〜25mmのものが用いられる。
【0031】
また、仕切り壁用断熱材15の木口面16に取付ける補強用部材17としては、補強用テープや補強用板材を用いることができ、例えば補強テープとしては、紙テープ、プラスチックテープ、金属テープまたはこれらを適宜組み合わせたテープ等を使用でき、補強用板材としては、例えば板紙、合板、桟木、プラスチック板、金属板等の板状のものが使用できる。さらに、補強用部材としては、これら補強用テープや補強用板材に内装仕上げ材との接着性をもつように予め粘着剤や接着剤などを塗布するなどの表面処理を施したものが望ましい。
【0032】
また、内装仕上げ材としては、例えば樹脂モルタルやクロスなど挙げることができるほか、通常の建築物の内装に用いられるものも使用することができる。
【0033】
次に、この発明の他の一実施の形態について図2により説明するが、既に説明した実施の形態と同一部分には同一記号を記し説明は省略する。
【0034】
この外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造20は、コンクリート造りの外壁21が直角に突き出す角を構成する外壁部21a,21bと、直角に窪んだ角を構成する外壁部21b,21cとで段差状とされ、この外壁21と連続する仕切り壁としての間仕切り壁22が外壁部21bの一部と兼用されて外壁部21bと同一厚さtのコンクリート造りとされており、いわゆる雁行という構造の間仕切り壁22を内断熱する場合に適用したものである。
【0035】
この外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造20では、外壁21を構成する外壁部21a,21b,21cの室内側にそれぞれ外壁用断熱材14がこれまでと同様に取り付けてある。そして、間仕切り壁22部分には、その両側面に外壁用断熱材14と同一仕様の仕切り壁用断熱材15がその厚さ分だけ室内側に突き出して取り付けられ、その取付範囲Lが外壁21cの室内側13の表面から600〜2000mm程度とされ、コンクリート造りの建築物の仕様や環境に応じて間仕切り壁22に断熱欠損による結露の発生が防止できる範囲に取り付けてある。
【0036】
したがって、外壁部21bと連続する間仕切り壁22の室内13a側では、外壁用断熱材14と仕切り壁用断熱材15が連続している。
【0037】
そして、両側の仕切り壁用断熱材15の内装完了時に室内に位置する段差となる木口面16には、補強用部材17が取り付けられ、仕切り壁用断熱材15の木口面16の割れ等の損傷を防止するとともに、内装仕上げ材18を取り付ける場合の下地面にできるようにしてある。
【0038】
こうして仕切り壁用断熱材15を所定範囲Lに取り付け、内装完了時に室内に位置する木口面16に補強用部材17を取り付けた後、必要に応じて下地処理などを施し、内装仕上げ材18がこれらを覆うように取付けられる。
【0039】
したがって、このような外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造20によれば、仕切り壁用断熱材15が室内側に飛び出した状態で取り付けられるので、間仕切り壁22部分の断熱欠損による結露発生を防止することができるとともに、間仕切り壁22の厚さtを一定の厚い状態にできるので、強度が低下したり、遮音性が損なわれることもなく、一層安全かつ快適に住むことができるなど上記実施の形態と同一の効果を奏する。
【0040】
次に、この発明のさらに他の一実施の形態について図3に示す垂直断面図より説明するが、既に説明した上記2つの実施の形態と同一部分には、同一記号を記し説明は省略する。
【0041】
この外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造30は、コンクリート造りの外壁31を構成する外壁部31aおよびコンクリート梁31bに対して、この外壁31と連続する仕切り壁として上下の部屋を仕切る天井スラブ32が水平に設けられてコンクリート造りとされており、この水平に配置された天井スラブ32を内断熱する場合に適用したものである。
【0042】
この外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造30では、外壁31を構成する外壁部31aおよびコンクリート梁31bの室内側13にそれぞれ外壁用断熱材14がこれまでと同様に取り付けてある。
【0043】
そして、天井スラブ32部分には、その両側面である上下面に外壁用断熱材14と同一仕様の仕切り壁用断熱材15がその厚さ分だけ室内側に突き出して取り付けられ、下の室内側13では、その取付範囲Lが外壁31の室内側13の表面から600〜2000mm程度とされ、コンクリート造りの建築物の仕様や環境に応じて天井スラブ32に断熱欠損による結露の発生が防止できる範囲に取り付けてあり、上の室内側13bでも、その取付範囲がLとされ、外壁31の室内側13bの表面から600〜2000mm程度とされ、コンクリート造りの建築物の仕様や環境に応じて天井スラブ32に断熱欠損による結露の発生が防止できる範囲に取り付けてある。
【0044】
なお、上の室内側13bでの断熱材の取付範囲L1部分は、外壁31を構成するコンクリト梁31bを内断熱するための部分であり、この部分に取付けてある断熱材は外壁用断熱材14となっている。
【0045】
したがって、上の室内側13bでは、コンクリート梁31bを断熱する外壁用断熱材14と天井スラブ32を断熱する仕切り壁用断熱材15が連続した状態となっている。
【0046】
そして、下の室内側13の仕切り壁用断熱材15の内装完了時に室内に位置する段差となる木口面16には、補強用部材17が取り付けられ、仕切り壁用断熱材15の木口面16の割れ等の損傷を防止するとともに、内装仕上げ材18を取り付ける場合の下地面にできるようにしてある。
【0047】
なお、下の室内側13では、コンクリート梁31bを断熱する外壁用断熱材14にも内装完了時に室内に位置する木口面16aが形成されるので、この木口面16aにも、同一仕様の補強用部材17が取り付けられ、外壁用断熱材14の木口面16aの割れ等の損傷を防止するとともに、内装仕上げ材18を取り付ける場合の下地面にできるようにしてある。
【0048】
一方、上の室内側13bでは、内装として仕切り壁用断熱材15が床根太33を介して床材34で覆われ、内装完了時に室内に位置しない(床下に位置する)状態となるので、人がぶつかることもなく、仕切り壁用断熱材15の段差となる木口面であっても補強用部材を取り付ける必要がない。
【0049】
こうして仕切り壁用断熱材15を所定範囲Lに取り付け、内装完了時に室内に位置する段差となる木口面16に補強用部材17を取り付けた後、必要に応じて下地処理などを施し、内装仕上げ材18がこれらを覆うように取付けられる。
【0050】
したがって、このような外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造30によれば、仕切り壁用断熱材15が室内側に飛び出した状態で取り付けられるので、天井スラブ32部分の断熱欠損による結露発生を防止することができるとともに、天井スラブ32の厚さtを一定の厚い状態にできるので、強度が低下したり、遮音性が損なわれることもなく、一層安全かつ快適に住むことができるなど上記実施の形態と同一の効果を奏する。
【0051】
なお、上記各実施の形態では、仕切り壁用断熱材の室内側に位置する段差となる木口面を表裏面に対して直角として補強用部材を取付けるようにしたが、直角な平面にする場合に限らず、角部を面取りしたり、曲面加工(R加工)したり、斜め加工するようにしても良く、補強用部材として補強用テープを用いたり、木口面の形状に合わせて予め成形したプラスチック材を補強用板材として使用するようにしても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上、実施の形態とともに具体的に説明したようにこの発明の請求項1記載の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造によれば、建築物の外壁と連続した仕切り壁の室内側に断熱材を取り付けて断熱する構造であって、前記外壁の室内側全面を覆って外壁用断熱材を取り付ける一方、前記仕切り壁の前記外壁の内表面から所定の範囲の両側面に仕切り壁用断熱材を取り付け、この仕切り壁用断熱材の室内側に位置する木口面に補強用部材を取り付けたので、仕切り壁に取り付けた仕切り壁用断熱材が室内側に突き出して段差を生じるもののコンクリート造りの建築物に通常生じる段差に比べて気にならない程度に小さくでき、結露を防止しながら強度や遮音性を確保でき、しかも仕切り壁用断熱材の木口面の損傷も防止することができる。
【0053】
また、この発明の請求項2記載の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造によれば、外壁が連続する仕切り壁として隣接する部屋同士を仕切る間仕切り壁、外壁が段差状とされて仕切り壁が連続する雁行、上下の部屋を仕切る天井スラブのいずれの場合であっても、仕切り壁に取り付けた仕切り壁用断熱材が室内側に突き出して段差を生じるもののコンクリート造りの建築物に通常生じる段差に比べて気にならない程度に小さくでき、結露を防止しながら強度や遮音性を確保でき、しかも仕切り壁用断熱材の木口面の損傷も防止することができる。
【0054】
さらに、この発明の請求項3記載の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造によれば、前記外壁および前記仕切り壁が鉄筋コンクリート造り、鉄骨鉄筋コンクリート造り、ガラスファイバー入りの鉄筋コンクリート造り、プレキャストコンクリート造りのいずれの場合であっても、仕切り壁に取り付けた仕切り壁用断熱材が室内側に突き出して段差を生じるもののコンクリート造りの建築物に通常生じる段差に比べて気にならない程度に小さくでき、結露を防止しながら強度や遮音性を確保でき、しかも仕切り壁用断熱材の木口面の損傷も防止することができる。
【0055】
また、この発明の請求項4記載の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造によれば、前記仕切り壁用断熱材の木口面を補強する前記補強用部材として補強用テープまたは補強用板材を用い、仕切り壁用断熱材の木口面を補強用テープまたは補強用板材で補強することで、仕切り壁用断熱材の木口面の損傷も防止できる。
【0056】
その際、仕切り壁用断熱材の木口面を補強する補強用部材に表面処理を施して内装仕上げ材との接着性を持たせることで、一層施工を簡単にして仕切り壁用断熱材の木口面の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造の一実施の形態にかかり、仕切り壁として間仕切り壁に適用した場合の水平断面図であり、(a)は内装仕上げ材の取り付け前を、(b)は内装仕上げ材の取り付け後をそれぞれ示す。
【図2】この発明の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造の他の一実施の形態にかかり、仕切り壁として雁行構造の間仕切り壁に適用した場合の水平断面図である。
【図3】この発明の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造のさらに他の一実施の形態にかかり、仕切り壁として天井スラブに適用した場合の垂直断面図である。
【図4】従来の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造の水平断面図である。
【符号の説明】
10 外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造基礎
11 外壁
12 間仕切り壁(仕切り壁)
13,13a,13b 室内側
14 外壁用断熱材
15 仕切り壁用断熱材
16,16a 断熱材の木口面
17 補強用部材
18 内装仕上げ材
20 外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造基礎
21 外壁
21a,21b,21c 外壁部
22 間仕切り壁(仕切り壁)
30 外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造基礎
31 外壁
31a 外壁部
31b コンクリート梁
32 天井スラブ(仕切り壁)
33 床根太
34 床材
t 仕切り壁の厚さ
L 仕切り壁用断熱材の取付範囲
Claims (4)
- 建築物の外壁と連続した仕切り壁の室内側に断熱材を取り付けて断熱する構造であって、前記外壁の室内側全面を覆って外壁用断熱材を取り付ける一方、前記仕切り壁の前記外壁の内表面から所定の範囲の両側面に仕切り壁用断熱材を取り付け、この仕切り壁用断熱材の室内側に位置する木口面に補強用部材を取り付けたことを特徴とする外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造。
- 前記仕切り壁が間仕切り壁、雁行、天井スラブのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造。
- 前記外壁および前記仕切り壁が鉄筋コンクリート造り、鉄骨鉄筋コンクリート造り、ガラスファイバー入りの鉄筋コンクリート造り、プレキャストコンクリート造りのいずれかであること特徴とする請求項1または2記載の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造。
- 前記仕切り壁用断熱材の木口面を補強する前記補強用部材が補強用テープまたは補強用板材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の外壁と連続した仕切り壁の内断熱構造。
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