JP4711572B2 - 浮体底面の付着物除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設の洋上貯蔵船や大規模浮体構造物等の浮体底面の没水底面を維持補修するに際し、貝殻などの付着物を除去する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
既設の大型洋上貯蔵船や大規模浮体構造物等の浮体底面は、長年経過するとその側面や底面の没水部に多量の貝殻等の海生物が付着する。この付着物は浮体の重量を重くしたり、波浪や潮流の抵抗を増大させ、加えて塗膜を害することもある。
【0003】
従来は、これらの海生物を付着しにくくするために毒性イオンを発生する船底塗料を塗布することが一部で行なわれていたが、この場合には海洋汚染の問題があるため近年は使用されなくなり、付着物除去のニーズがますます高まってきている。また、定期的な再塗装等の維持補修時に付着物の除去が必要となる。
【0004】
洋上における付着物除去作業では、潜水夫が水中でケレンやブラシを用いて付着物を掻き落とすのが一般的である。しかし、潜水作業は過酷な作業環境であるため能率が悪く、しかも大規模浮体の底面に潜水して作業を行う場合には危険が伴う点で解決すべき課題があった。
【0005】
このため、従来の潜水夫による手作業によらずに付着物を除去する装置が特開2000−8339公報等により提案されている。この付着物除去手段は、互いに連結した円管又は角管状の中空体からなる除去具を水中構造物に近接して設置しておき、波浪等の自然のエネルギーを利用して付着物と衝突を繰返すことによって付着物を落下させる。
【0006】
この付着物除去装置については、杭などの水中構造物以外にも、船体の船腹や船底の海生物を除去する例が上記公報に開示されている。船体の付着物除去装置は、船腹周囲の水面に浮力体(円管または角管の中空体やブイ等)を浮上させておき、連鎖状に結合した前記除去具が船底の下を通過させるようにして張り巡らせて、かつ前記除去具を浮力体に結合したものである。すなわち、この付着物除去装置では、船体に打ち寄せる波や風によって、水面に浮上する浮力体に不規則な変形と船腹への衝突が生じ、またこれに伴って船底に張り巡らせた連鎖状に結合した除去具に不規則な運動が生じる。そして、船底に付着物除去装置を何度も衝突させて付着物を除去するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記付着物除去装置は人力や薬品を使用せず、波浪等の自然のエネルギーを利用して付着物を除去する点で優れた効果を有し、杭等の水中構造物に対しては有効な作用効果をもたらす。しかし、本発明が対象とするような大型洋上貯蔵船や大規模浮体構造物等の浮体底面に付着した付着物を除去するケースには十分に機能しないという課題がある。
【0008】
すなわち、前記従来技術では、船腹の周囲に浮上させた浮力体によって、船底へ連鎖状に張り巡らせた除去具に不規則な運動を生じさせる。しかし、大型洋上貯蔵船や大規模浮体構造物の周囲の海面には、防波堤・消波堤が設置されて静穏な状態であるため大きな波浪が生じない。つまり、前記浮力体による除去具の不規則な運動が十分に行われず、連鎖状に結合した除去具は船底の付着物を十分に除去できない。
【0009】
本発明は上記従来技術の課題を解消するためにされたものであり、除去具に作用させる外力として駆動装置を用いて、波等の自然エネルギーによらずに大型洋上貯蔵船や大規模浮体構造物等の浮体底面に付着している付着物を除去可能とする浮体底面の付着物除去装置を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、浮体側面の上端付近および下端付近にそれぞれ伝達ロープ案内部6を備え、かつ伝達ロープ駆動手段4を有する浮体前後方向へ移動可能な付着物除去体駆動装置2と、浮力を有する付着物除去具15が長手方向に間隔をおいて多数配置された伝達ロープ8付の付着物除去体3とからなり、浮体1の両側面に設置された付着物除去体駆動装置2により、浮体底面に張設された付着物除去体3を往復動可能であり、付着物除去具15は、両端に連結片を有しかつ中空または浮力材を充填した連結筒体17の外側に付着物除去用外筒18が往復動直交方向軸周りに回転自在に取付けられてなり、付着物除去体3の往復動時に浮体底面に対して付着物除去用外筒18の外周面が接触することにより付着物が除去可能とされていることを特徴とする浮体底面の付着物除去装置である。
第1の発明の付着物除去装置は簡易な装置構成であり、浮体底面に張設された付着物除去体に伝達ロープ駆動手段から伝達ロープを介して往復動を与えるのみで、人手を介さずに浮体底面の付着物を容易に除去できる。ここで付着物の除去は、付着物除去体が往復動する際に付着物に浮力を有する付着物除去具が接触することで行われる。また、第1の発明では容易に付着物除去具に浮力が生じる。また、付着物除去用外筒を回転自由にしているため、付着物除去具の付着物との接触部分が偏らずに付着物除去具の著しい損耗を防止できる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、付着物除去体3は、浮力を有しかつ両端に連結片14を備えた付着物除去具15を並行する除去具ロープ13間に連結したものであり、付着物除去具15は往復動直交方向に複数列に配置されて、除去具ロープ13と付着物除去具15とが格子状に連結されており、複数列の除去具ロープ13の端部は伝達ロープ8を固定した棒状体12に連結されていることを特徴とする。
第2の発明では、付着物除去体が複数列で構成されており、一度に広い面積の付着物除去作業ができる。
【0013】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、付着物除去用外筒18の外周面は凹凸状に形成されていることを特徴とする。
第3の発明では、往復動時に付着物除去具を付着物に擦りつける外力(衝撃)が付着物除去用外筒表面の凹凸部で局所的に作用するため、除去効果を高くできる。
【0014】
第4の発明は、第1から第3の発明において、付着物除去体3の下方であって、浮体底面の下方の水中にのみ、除去具ロープ13に着脱容易な掛け具21を備えた除去付着物の回収ネット20が取付けられていることを特徴とする。
第4の発明では、除去後の付着物を海底に落下させずにネットで回収するため除去作業によって海底環境を損なわない。また、回収ネットは着脱容易な掛け具で掛止されており、潜水夫による水中での交換作業も容易である。
【0015】
第5の発明は、第4の発明において、回収ネット20は着脱容易な広さとされ、かつ前記回収ネットの外枠に浮力体22が取付けられていることを特徴とする。
第5の発明では、回収ネットは着脱容易な広さとされており、潜水夫が回収ネット毎に取外して容易に交換できる。また、ネットの外枠に浮力体が取付けられているため、ネットの水中重量が軽減されて交換作業も容易となる。
第6の発明は、第1から第5の発明において、前記付着物外周用外筒は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ジュラコン、硬質ゴムの何れかから構成されていることを特徴とする。
【0016】
第7の発明は、第1から第6の発明において、伝達ロープ駆動手段4を、伝達ロープ8の巻取り・巻戻しの同調運転が可能なウインチとしたことを特徴とする。
第7の発明では、付着物除去体に往復動を伝達する2台の伝達ロープ駆動手段につき巻取り・巻戻しの同調運転が可能なため、自動運転による省力化が可能である。なお、第7の発明には、2本の伝達ロープを巻き取り・巻戻し可能なウインチを採用し、浮体両側の伝達ロープを1台のウインチで駆動させる場合をも含むものとする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に従い、本発明を詳細に説明する。
【0018】
<第1実施形態>
図1および図2は、本発明の第1実施形態における付着物除去装置を示した図である。
本発明の付着物除去装置は、浮体1の両側面に設置される一対の付着物除去体駆動装置2と、浮体1の底面に張設される付着物除去体3とから構成される。
【0019】
図1および図2に示すように、付着物除去体駆動装置2は、ウインチ4(伝達ロープ駆動手段)が載置された移動架台5の浮体側面側に、ローラー6(伝達ロープ案内部)を備える倒立L字状の枠体7を取り付けて構成される。
【0020】
移動架台5の上部には、ウインチ4およびウインチ用モータ4aが設置されている。ウインチ4には付着物除去体3の伝達ロープ8を取り付けることができ、ウインチ4の駆動により伝達ロープ8が巻取り・巻戻しされて付着物除去体3が往復動するようになっている。なお、付着物除去体駆動装置2のウインチ4について、2台のウインチ4における伝達ロープ8の巻取り・巻戻しの同調運転を可能とすると、自動運転による省力化が可能となるため好ましい。
【0021】
移動架台5の下部には車輪9が2対以上取り付けられており、移動モータ5aにより一部または全ての車輪9が駆動するようになっている。移動架台5は、浮体1の前後方向に延長しかつ浮体1の上部の側面近傍に設置されるレール10に従って車輪9の駆動により浮体1の前後方向に移動可能となっている。
【0022】
移動架台5の側面に取り付けられる枠体7は、浮体側面側に突き出した枠体水平辺7aと浮体側面より若干長尺の枠体垂直辺7bとからなる倒立L字状部材であり、枠体水平辺7aと枠体垂直辺7bの交差部(浮体側面の上端付近)および枠体垂直辺7bの先端(浮体側面の下端付近)には、伝達ロープ8を案内する回転自在なローラー6a,6bが設けられている。
【0023】
枠材垂直辺7bは浮体1の側面から一定間隔を隔てて、ローラー6a,6bを介して枠体7の外側から伝達ロープ8が架設される。すなわち、移動架台5上のウインチ4に結び付けられた伝達ロープ8は、浮体側面の上端付近のローラー6aおよび下端付近のローラー6bを経て浮体1の底面に案内され、浮体1には接触しないようになっている。したがって、伝達ロープ8が往復動する場合にも浮体1が傷つくことはない。
【0024】
なお、枠体垂直辺7bの下部には、浮体1の側面と枠体7との間隔を保つため、浮体1の前後方向に回転するゴムタイヤ11が適宜設置されており、付着物除去体駆動装置2を安定よく走行可能としている。
【0025】
図3は、浮体1の底面に張設される付着物除去体3を示した図である。付着物除去体3は、伝達ロープ8を固定した一対の棒状体12の間に、ナイロンロープ等の除去具ロープ13を並行に連結し、各除去具ロープ間13に、浮力を有しかつ両端に連結片14を備えた付着物除去具15を長手方向(付着物除去体3の往復動方向)に間隔をおいて多数連結したものである。すなわち付着物除去体3では、除去具ロープ13と付着物除去具15とが格子状に連結されている。なお、除去具ロープ13には、各連結片14との間にパイプ状のスペーサー16が挿通されており、付着物除去具15の間隔を保持している。
【0026】
ここで付着物除去体3は、付着物除去具15が長手方向へ一列のみ並ぶものであってもよいが、付着物除去具15を往復動直交方向に複数列配置すると、一度に広い面積の付着物除去作業ができるため好ましい。
【0027】
図4、図5、図6は、浮力を有する付着物除去具15の一例を示したものである。付着物除去具15は、両端に連結片14を有する連結筒体17に付着物除去用外筒18を回転自在に取付けて構成される。付着物除去具15に浮力を付与することで、付着物除去体3の往復動時には、浮体1の底面形状に沿って付着物除去具15が浮体底面に接触するため、浮体底面の付着物19(貝、海藻などの海生物)の効率的な除去が可能である。
【0028】
連結筒体17の両端には、挿通孔を有する連結片14がそれぞれ設けられている。また連結筒体17の内部は浮力を得るために中空であり、必要に応じて中空の連結筒体17の内部には浮力材が充填される。
【0029】
付着物除去用外筒18は、連結筒体17の外径より若干大きい内径を有し、かつ端部に係止部が形成されて回転自在に連結筒体17の外側を覆うようにしている。付着物除去用外筒18の連結筒体17への取付け方法としては、例えば、付着物除去用外筒を二分割して、内側に連結筒体を挿入した後に、溶着または接着等で一体化するといった手段が考えられる(図示を省略する)。
【0030】
付着物除去用外筒18は、浮体底面の付着物19に対しては対磨耗性を有するが、浮体底面への接触時に浮体1を磨耗させない材質で成形されている。付着物除去用外筒18の材質の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ジュラコン、硬質ゴム等の樹脂が挙げられる。
【0031】
さらに付着物除去用外筒18の内径は連結筒体17の外径より若干大きいため、付着物除去用外筒18は連結筒体17に対して回転自在である。そのため、付着物除去用外筒18と付着物19との接触部分が偏らず、付着物除去具15の著しい損耗が防止される。
【0032】
また付着物除去用外筒18の外周面は、外筒軸方向に延長する突起18aが設けられることにより表面が凹凸状に形成されている。したがって、付着物除去体3の往復動時には、付着物除去用外筒18の表面凹凸部で局所的に外力(衝撃)が付着物19に作用し、付着物19の除去効果が向上する。
【0033】
もっとも、上記した本実施形態の付着物除去具は一例にすぎず、付着物除去具が全体として浮力を生じさせるものであればいかなる構成であってもよい。例えば、連結筒体は浮力を生じさせないが、付着物除去用外筒により浮力が生じる構成としてもよい。また、付着物除去具を硬質ゴム等の部材で成形された連結筒体のみで構成し、連結筒体が付着物と接触するようにしてもよい。
【0034】
また海底環境を保全する観点からは、図7に示すように、付着物が落下しない程度の網目を有する回収ネット20を付着物除去体3の下方に設置して、浮体底面から除去した付着物19を回収することが望ましい。
【0035】
ここで、回収ネット20は着脱容易な広さであって、かつ除去具ロープ13に掛止するためのフック状の着脱容易な掛け具21を四辺に備えており、潜水夫による水中での交換作業が容易なように構成されている。また、回収ネット20の外枠には必要に応じて浮力体22を取付けることもでき、この場合には回収ネット20の水中重量が軽減されて交換作業が更に容易となる。
【0036】
本発明の付着物除去装置は上記のように構成されており、以下その作用を説明する。
(1)まず、浮体1上に配置された一方の付着物除去体駆動装置2のウインチ4に付着物除去体3の伝達ロープ8の一端を結び付け、伝達ロープ8の他端を浮体底面をくぐらせて他方の付着物除去体駆動装置2のウインチ4に結び付けて、浮体1の底面に付着物除去体3を張設する。このとき、浮体側面の上端付近のローラー6aおよび下端付近のローラー6bに伝達ロープ8を架設し、浮体1に伝達ロープ8が接触しないようにする。
【0037】
(2)次に付着物除去体3の張設後、2台のウインチ4を駆動させて伝達ロープ8の巻取り・巻戻しの同調運転をすることにより、浮体1の底面で付着物除去体3が往復動する。付着物除去体3の付着物除去具15は浮力を有し、浮体1の底面形状に沿って付着物除去具15が浮体底面に接触するため、浮体底面の付着物19が効率的に除去される。また、付着物除去具15の付着物除去用外筒18は、浮体接触時に浮体を磨耗させない材質で成形されており、浮体底面が傷つくことはない。
【0038】
(3)そして、一定個所の付着物19がほぼ除去された段階で、付着物除去体駆動装置2を浮体前後方向に移動させ、浮体底面における他の個所の付着物18を逐次除去する。なお、付着物除去体3下方の回収ネット20に付着物19が一定量蓄積された段階で、適宜回収ネット20を交換して付着物19を回収する。
【0039】
<第2実施形態>
図8は、本発明の第2実施形態を示した図であり、浮体中央に伝達ロープをさえぎる構造物が無い場合において適用される例である。第2実施形態は、図9に示すような1台で2本の伝達ロープを巻き取り・巻戻し可能なウインチ23を採用し、浮体1の両側の伝達ロープ8を1台のウインチで駆動させるものである。
【0040】
第2実施形態では、浮体両端の各付着物除去体駆動装置2にそれぞれウインチを設ける必要がないため、装置の構成を簡素化することができる。なお、第2実施形態における他の構成は第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
<実施例>
本発明の付着物除去装置を用いた付着物除去について、実施例として以下の条件で実験を行った。
本実施例では、約0.4kgの浮力を生じさせる20個の付着物除去具15を、長手方向に40cm間隔をおいて10個づつ2列に配置した付着物除去体3を使用した(図3参照)。そして、31cm/secの速度でウインチを駆動させて、約1.3秒に1回、付着物除去具15が浮体1の底面に接触するようにした。
表1は本発明の付着物除去装置による付着物の除去状況を示したものである。
【表1】
本実施例によれば、当初は約10cm厚に付着していたカキ、カラス貝の付着物が、20往復後で約50%、50往復後で約80%除去できた。そして、100往復後(所用時間約1時間)ではほとんど(95%)除去できた。これは、潜水夫による手作業と同程度の除去レベルにあたる。
【0042】
【発明の効果】
本発明の付着物除去装置は簡易な構成であり、浮体底面に張設された付着物除去体に伝達ロープ駆動手段から伝達ロープを介して往復動を与えるのみで浮体底面の付着物を容易に除去でき、低コストで付着物除去が行える点で優れた効果を奏する。
【0043】
また、潜水夫による浮体底面への潜水作業では、緊急時に潜水夫がそのまま浮上できない点などで危険を伴なうが、本発明では人手を介さずに浮体底面の付着物を除去できるため、かかる危険が解消する点でも優れた効果を奏する。
【0044】
さらに、本発明では付着物除去具に浮力を付与しており、往復動時には浮体の底面形状に沿って付着物除去具が浮体底面に接触するため、付着物の効率的な除去が可能となる。
【0045】
また、本発明の付着物除去体について、付着物除去具を往復動直交方向に複数列に配置することで、一度に広い面積の付着物除去作業が可能となる。
【0046】
また、本発明の付着体除去具について、連結筒体の外側に付着物除去用外筒を回転自在に取付けてなる場合には、付着物除去具の付着物との接触部分が偏らずに付着物除去具の著しい損耗を防止できる。さらに、付着物除去用外筒の外周面を凹凸状に形成することで、往復動時に付着物除去具を付着物に擦りつける外力(衝撃)が付着物除去用外筒表面の凹凸部で局所的に作用し、付着物の除去効果を更に向上させることが可能である。
【0047】
本発明において、付着物除去体の下方に除去具ロープに着脱容易な掛け具を備えた除去付着物の回収ネットが取付けた場合には、除去作業によって海底環境を損なわない。回収ネットは着脱容易な掛け具で掛止されており、かつ着脱容易な広さであるので、潜水夫が回収ネット毎に取外して容易に交換できる。また、ネットの外枠に浮力体を取付ける場合には、回収ネットの水中重量が軽減されて交換作業もさらに容易となる。
【0048】
また、本発明において、付着物除去体に往復動を伝達する2台の伝達ロープ駆動手段につき巻取り・巻戻しの同調運転を可能とすると、自動運転による省力化ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における付着物除去装置の正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態における付着物除去装置の側面図である。
【図3】本発明における付着物除去体の一例を示した図である。
【図4】本発明における付着物除去具の一例を示した平面図である。
【図5】図4に示した付着物除去具の断面図である。
【図6】本発明における付着物除去具の一例を示した側面図である。
【図7】本発明において付着物除去体に回収ネットを取付けた場合の斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態における付着物除去装置の正面図である。
【図9】本発明の第2実施形態におけるウインチを示した斜視図である
【符号の説明】
1 浮体
2 付着物除去体駆動装置
3 付着物除去体
4 ウインチ(伝達ロープ駆動手段)
4a ウインチ用モータ
5 移動架台
5a 移動モータ
6 ローラー(伝達ロープ案内部)
6a 上部ローラー
6b 下部ローラー
7 枠体
7a 枠体水平辺
7b 枠体垂直辺
8 伝達ロープ
9 車輪
10 レール
11 ゴムタイヤ
12 棒状体
13 除去具ロープ
14 連結片
15 付着物除去具
16 スぺーサー
17 連結筒体
18 付着物除去用外筒
18a 突起
19 付着物
20 回収ネット
21 掛け具
22 浮力体
23 ウインチ
23a ウインチ用モータ
24 海面
Claims (7)
- 浮体側面の上端付近および下端付近にそれぞれ伝達ロープ案内部を備え、かつ伝達ロープ駆動手段を有する浮体前後方向へ移動可能な付着物除去体駆動装置と、浮力を有する付着物除去具が長手方向に間隔をおいて多数配置された伝達ロープ付の付着物除去体とからなり、浮体の両側面に設置された前記付着物除去体駆動装置により、浮体底面に張設された前記付着物除去体を往復動可能であり、前記付着物除去具は、両端に連結片を有しかつ中空または浮力材を充填した連結筒体の外側に付着物除去用外筒が往復動直交方向軸周りに回転自在に取付けられてなり、前記付着物除去体の往復動時に前記浮体底面に対して前記付着物除去用外筒の外周面が接触することにより付着物が除去可能とされていることを特徴とする浮体底面の付着物除去装置。
- 付着物除去体は、浮力を有しかつ両端に連結片を備えた付着物除去具を並行する除去具ロープ間に連結したものであり、前記付着物除去具は往復動直交方向に複数列に配置されて、前記除去具ロープと前記付着物除去具とが格子状に連結されており、複数列の前記除去具ロープの端部は伝達ロープを固定した棒状体に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の浮体底面の付着物除去装置。
- 付着物除去用外筒の外周面は凹凸状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の浮体底面の付着物除去装置。
- 付着物除去体の下方であって、浮体底面の下方の水中にのみ、除去具ロープに着脱可能な掛け具を備えた除去付着物の回収ネットが取付けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の浮体底面の付着物除去装置。
- 回収ネットは着脱容易な広さとされ、かつ前記回収ネットの外枠に浮力体が取付けられていることを特徴とする請求項4記載の浮体底面の付着物除去装置。
- 前記付着物外周用外筒は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ジュラコン、硬質ゴムの何れかから構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の浮体底面の付着物除去装置。
- 伝達ロープ駆動手段を、伝達ロープの巻取り・巻戻しの同調運転が可能なウインチとしたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の浮体底面の付着物除去装置。
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