JP4711310B2 - 石綿含有廃材の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、石綿含有廃材、すなわち建材・土木分野を始めとする広範囲な分野で使用されてきた石綿(アスベスト)を含有する無機質系材料の廃材(以下、単に「廃材」と記す)を、効率的に非石綿化してリサイクルに有用な無機粉体とするための処理方法に関するものである。
廃材の処理方法としては、従来、石綿を非石綿化するために1500℃程度の高温で加熱し、石綿を溶融して固化する方法が採られていた。例えば、特許文献1には、「(1)廃石綿等排出工場から排出される廃石綿等を飛散防止処置をして、また、建築物解体・改修工事現場からの排出物は直接二重のプラスチック袋に詰めて、中間処理場へ搬送する。(2)中間処理現場では溶融施設内の溶融炉・内へ搬送して来た排出物を袋ごと直接投入し、1500℃以上の炉温で溶融固化する。固化された廃石綿の「スラグ」及び「カレル状」内にはアスベスト繊維は溶融され皆無となり無害化される。(3)溶融固化後、無害化されたスラグ等は特別管理産業廃棄物の範囲から離れ「ガラスくず及び陶器くず」に該当する物質となるために安定型最終処分場に埋め立てることが出来る。」という廃石綿等の処理方法が開示されている。しかし、溶融のために1500℃以上の温度にするのは膨大なエネルギーが必要であり、処理コストが高くなる問題がある。また、石綿を溶融固化して最終処分場に埋め立てるのでは、資源としてリサイクルすることができないという問題がある。
また、処理に必要なエネルギーとコストを下げる目的で、廃材に添加物を加えて融点を下げ、比較的低温で処理する技術なども提案されている。たとえば特許文献2には「アスベストとフロン分解無害化処理によって生成されたフロン分解物とを混合(又は混練)し、次いで当該混合物を低温加熱処理して成る。」という技術が開示されている。また、特許文献3には、アスベスト含有セメント複合材を塩化カルシウムを含む反応液に浸漬後、熱処理する技術が開示されている。しかし、特許文献2の技術で処理した溶融固化物には混合したフロン分解物に起因するフッ素が多く含まれており、特許文献3の技術で処理した溶融固化物には反応液に含まれる塩素を多く含んでいるためセメント原料や建築材料の混和剤としては利用しにくいという問題点がある。更に、特許文献2及び特許文献3は処理後の有効なリサイクル方法について何ら開示していない。
また、特許文献4には「アスベストを含むスレート廃材を破砕せずにホウ砂、ホウ酸と炭酸ナトリウムの混合物、又はホウ砂と炭酸ナトリウムの混合物からなる融解剤の水溶液に漬け、それを減圧下又は加圧下に置いて融解剤をスレート廃材の表面からスレート内部の空隙内に含浸することによって前処理した後、該前処理したスレート廃材を融解剤を満たした溶融炉内に浸漬して780℃〜1000℃の範囲に加熱することによってスレート廃材中のアスベストを溶融させてガラス化させる。」という技術が開示されているが、この場合も処理後の溶融固化物はホウ素等を多量に含んでいるため有効な再生利用方法がないという問題点がある。特許文献4も処理後の有効なリサイクル方法について何ら開示していない。
そこで、廃材のリサイクルするための技術として、水硬性を有する物質に変換して再利用する技術が提案されている。例えば、特許文献5には、石綿セメント製品を600〜1450℃の温度で、15分〜2時間加熱処理した石綿セメント製品の加熱処理品であって、X線回折による石綿のピークが不在であり、且つガラス状固化物が不在であることを特徴とする水硬性粉体組成物が開示されている。しかし、石綿セメント製品を実際に加熱処理するにあたっては、石綿粉塵が発生するという問題があるのでその対策が重要な課題となる。しかし、特許文献5は、石綿粉塵対策について何等開示していない。
特許文献6には、ロータリーキルンを用いたセメントの製造方法であって、前記ロータリーキルン内の焼成帯において石綿廃材、及びセメント原料を処理することを特徴とするセメント製造方法が開示されている。しかし、ロータリーキルン内に石綿廃材を導入するためには廃材を破砕する必要があるが、この破砕時に石綿粉塵が発生するという問題がある。しかし、特許文献6も石綿粉塵対策について何等開示していない。
特開平10−337547号公報 特許第3769569号公報 特許第3747246号公報 特開2005−279589号公報 特許第3198148号公報 特開平9−86982号公報
溶融による無害化、減容化処理には次の点で問題がある。(1)溶融に必要な高温処理には莫大なエネルギーが必要である。処理コストが高い。(2)溶融固化したスラグは有効なリサイクル用途がなく、廃棄されているのが現状。(3)添加物を加えて溶融温度を下げた処理物は、不要な成分を含むためリサイクルが困難となる。
また、セメントキルンにて加熱処理する方法には次の点で問題がある。(1)前処理として破砕工程が必要であり、その際に発生する粉塵への対策が別途必要。(2)セメントキルンへの投入時に二次的な粉塵飛散の可能性がある。(3)廃材のみを効率的に処理する方法としては適さない。
従って、本発明の目的は、廃材を溶融温度以下の温度で加熱処理することにより含まれている石綿を非石綿化して再利用するにあたり、廃材の破砕から熱処理して回収するまでを閉鎖系内で連続的に行い、石綿粉塵により周辺環境を悪化させることなく該廃材に含まれる石綿を非石綿化処理し、石綿を含まない無機粉体とすることでセメント原料、セメント成形物の混和材あるいはパテ、接着剤などの無機充填剤等として再利用するための方法を提供することにある。
本発明者らは、廃材に含まれる石綿を非石綿化処理する場合、廃材の破砕時、あるいは破砕した廃材を次工程に移送(例えば、セメントキルンのへ投入)する際などに発生する石綿粉塵により、周辺環境を悪化させることなく廃材に含まれる石綿を非石綿化するための有効な処理方法を検討すべく鋭意研究を進めた結果、空気の流れにより配管内を流動中の寸法が1mm以下の石綿粉塵に対し、配管の一部を外部から加熱して配管内部の雰囲気温度を1000℃以上とし、この温度域を1秒以上かけて通過させることにより、短時間に閉鎖系内で連続して石綿の非石綿化処理が可能であることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明になる廃材の処理方法は、石綿含有廃材を破砕するための破砕装置と、一端が前記破砕装置に連結し前記破砕装置で破砕された前記廃材の破砕物を空気とともに流動輸送するための配管と、流動輸送中の前記破砕物を加熱処理するために前記配管の経路途中に設けられた加熱装置と、前記配管の他端に連結し加熱処理された前記破砕物を空気から分離して回収するための回収装置と、回収された前記破砕物を蓄積するためのサイロとからなる処理装置を用い、前記廃材を前記処理装置に設けられ且つ負圧に保たれた投入口からその内部に投入し、前記破砕装置により寸法が1mm以下となるように破砕し、得られた破砕物を前記破砕装置から前記サイロまで前記配管中を空気とともに流動輸送し、流動輸送する間に前記加熱装置により1000℃以上1450℃以下の雰囲気温度で且つ1秒以上加熱して破砕物に含まれる石綿を非石綿化させ、次いで前記回収装置により空気から分離して前記サイロに蓄積することを特徴とする。
また、本発明は、前記した構成に加え、回収装置にて加熱処理された破砕物と分離された空気の一部又は全部を、前記配管の前記加熱装置よりも前記破砕装置側の位置に環流させ循環使用する構成、および既存の高温焼成炉内に配管を設けることにより、既存の高温焼成炉を加熱処理装置として使用する構成を有することを特徴とする。
本発明によれば、廃材を閉鎖系の処理装置を用いて連続して処理することにより、石綿粉塵を外部に飛散させることなく、従って周辺環境を悪化させることなく非石綿化処理することができる。また、廃材を微破砕し次いで流動輸送させながら加熱処理を行うので、短時間で確実に廃材に含まれる石綿を非石綿化することができる。
なお、本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施の形態によって更に詳しく説明する。
以下、本発明に係る石綿含有廃材の処理方法の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1に、本発明に使用する石綿含有廃材の処理装置の概要を示す。
石綿含有廃材の処理装置は、石綿含有廃材を破砕するための破砕装置と、一端が破砕装置に連結して破砕された破砕物を空気とともに流動輸送するための配管と、流動輸送中の破砕物を加熱処理すべく配管の経路途中に設けられた加熱装置と、配管の他端に連結して加熱処理された破砕物を空気から分離して回収するための回収装置と、回収された破砕物を蓄積するためのサイロとを備える。
破砕装置としては、図1に示されるように、廃材を一次破砕するための一次破砕機と、一次破砕した廃材を更に破砕するための二次破砕機と、二次破砕機で二次破砕した廃材を微破砕するための微破砕機とを連結した構成を例示することができる。一次破砕機としては例えば図示の鬼歯クラッシャー1や二軸ロールクラッシャーが好適であり、二次破砕機としては例えば図示のハンマークラッシャー3が好適であり、微破砕機としては図示の高速回転衝撃破砕機4が好適である。微破砕機にはスクリーンが装着されており、その穴径を調整することにより寸法が1mm以下まで破砕された廃材の破砕物を得ることができる。
粗破砕機である鬼歯クラッシャー1はハウジング内に設置され、ハウジング内は負圧に保たれ集塵機10によって除塵される。ハウジングには廃材の投入口としての開口部が設けられているが、ハウジング内が負圧に保たれているので石綿粉塵が外部に飛散することはない。また、解体現場等から輸送されてくる廃材は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、散水等により十分に湿潤化した状態にされ、石綿が飛散しないようになっているので、廃材を処理装置の投入口に投入する前に石綿粉塵が飛散することもない。廃材は、処理装置の投入口からベルトコンベヤやスクリューコンベヤ等で鬼歯クラッシャー1へ投入され一次破砕される。一次破砕された廃材は、鬼歯クラッシャー1の排出口からベルトコンベヤ2により二次破砕機であるハンマークラッシャー3へと輸送される。ハンマークラッシャー3のハウジングには、鬼歯クラッシャーからの排出口に対応する箇所に、開口部が設けられているが、この開口部に連結してベルトコンベヤを密閉するためのフードが設けられており、このフード内も負圧に保たれる。上記のハウジング内およびフード内を負圧に保つ方法としては、ハウジング内およびフード内を集塵するための集塵機を設置して集塵することにより負圧に保つ方法、あるいはハウジング、フードのみならず、後述する二次破砕機、微破砕機および配管を連結して密閉し、配管の出口側からブロワーの吸引作用で吸引する方法を例示することができる。
二次破砕機であるハンマークラッシャー3と微破砕機である高速回転衝撃破砕機4は、前者を上側に後者を下側にして、上下に連続して配置することができる。鬼歯クラッシャー1で一次破砕された廃材は、ベルトコンベヤ2により輸送され二次破砕機であるハンマークラッシャー3に投入されるが、ベルトコンベヤ2のフードとハンマークラッシャー3の投入口が連結され密閉されている構成が好適である。しかし、密閉されていなくともハンマークラッシャー3に連続する微破砕機である高速回転衝撃破砕機4の回転により、ハンマークラッシャー3内は負圧に保たれるので、石綿粉塵はハンマークラッシャー3の投入口の外部には飛散しない。ハンマークラッシャー3で二次破砕された廃材は、更に高速回転衝撃破砕機4によりその内部に装着されたスクリーンを通過するまで微破砕される。このスクリーンの穴径を調整することにより、破砕物の寸法を所定の条件に調整することができる。
微破砕後の破砕物の寸法は1mm以下が好ましく、より好ましくは0.5mm以下、更に好ましくは0.1mm以下である。すなわち、破砕物の寸法が1mmを上回と空気とともに流動輸送しにくくなるため、流動媒体である空気の流速を上げる必要があること、および加熱処理時間の下限値を引き上げる必要を生ずることから、後述する配管中を空気とともに流動輸送し加熱処理を施すための配管の加熱区間を長くせねばならず、加熱処理における熱効率が悪くなる。
高速回転衝撃破砕機4の排出口には、寸法が所定の条件に調整された廃材の破砕物を空気とともに流動輸送させるための配管11の一端が連結されている。また、かかる配管11の他端は、空気とともに流動輸送された破砕物を空気から分離して回収するための回収装置6(例えばサイクロン捕集器)に連結される。回収装置6にはブロワーが設けられており、ブロワーによる吸引により、寸法を所定の条件に調整された破砕物および破砕時に発生した石綿粉塵は配管内を流動輸送され、配管11の経路途中に設けられた加熱装置5で加熱処理されることにより、破砕物に含まれる石綿および破砕時に発生した石綿粉塵が非石綿化される。
加熱装置5により石綿を非石綿化するための加熱処理の温度条件は、雰囲気温度として1000℃以上1450℃以下であり、1100℃以上1450℃以下が好適である。すなわち、配管中を通過する破砕物中の石綿および石綿粉塵を連続して確実に非石綿化するためには雰囲気温度が1000℃以上であることが望ましく、特に角閃石系石綿を確実に非石綿化するには1100℃以上であることが更に望ましく、一方雰囲気温度が1450℃を上回ると石綿が溶融して再利用しにくくなるからである。また、加熱処理の時間については、前記温度の範囲内において、温度が高いほど短くて済む傾向は認められるものの、石綿の中心部までを確実に非石綿化するためには、1秒以上加熱することが好ましい。なお、石綿を非石綿化するうえでの加熱処理時間の上限はないが、長時間の加熱処理は無駄なエネルギーの消費に繋がることから、温度変動等に対する安全率を考慮しても5秒以内とすることが望ましい。
加熱装置5としては、配管外部からのバーナー或いは電気ヒーター等を例示することができる。また、既存の高温焼成炉(例えばレンガを焼成するトンネル炉)の内部に破砕物を流動輸送するための配管を設置することにより、既存の高温焼成炉を加熱装置として使用すれば、既にある熱源を有効利用することができる。これは、配管内部という閉鎖系で石綿を非石綿化するための加熱処理を行うので、既存焼成炉内の他の被焼成物と廃材とが分離されているという特徴を活かした加熱処理方法である。また、配管外部からの加熱に加え、マイクロ波を照射することによる粉体内部からの発熱を併用して非石綿化の処理を行うこともできる。なお、既存の高温焼成炉を加熱装置5として使用する場合であって、高温焼成炉をその本来の使用目的で稼働させるときに、同時に廃材の処理を行う場合には、前記した加熱処理の時間が5秒を上回ったとしても、特に問題はない。
さらに、破砕能力が熱処理能力を上回る場合には、上記の条件を満足する目的で破砕物を一時貯留するタンクを破砕部から熱処理部に向かう途中に設け、該タンクから定量的に熱処理側の系に破砕物を供給するなどの方法を講じてもよい。
空気とともに流動輸送され、加熱装置5において加熱処理された破砕物は、サイクロン捕集器等の回収装置6により空気と分離されサイロ7に蓄積される。また破砕物と分離された空気はブロワー9に吸引されて最終的には排気されるが、その前にバグフィルター8によって集塵処理されてから排気することが望ましい。また、回収装置で分離された空気の温度は高いので、この空気を前記加熱装置の手前から配管内に再流入させて循環使用すれば、熱効率の点で好適である。
(実施例1)
クリソタイル石綿約10質量%を含有した波形スレートの廃材を破砕し、目開き0.5mmの篩いを通過させて寸法が0.5mm以下の破砕物を得た。この破砕物を流動輸送させるための実験装置として、直径80mm,長さ約10mの鋼製の配管の一端は、あらかじめガスバーナーで予備加熱した空気を送り込めるようにするとともにその近傍に前記破砕物を投入するための投入口を設け、配管の他端には回収装置としてのサイクロン捕集器を設け、更にサイクロン捕集器で分離された空気を冷却するための冷却用配管と空気に混入した粉塵を集塵するためのバグフィルター集塵部とを連結して設け、バグフィルター集塵部に連結されたブロワーにより毎分約500リットルの流量で吸引する実験用の装置を製作した。この装置の配管は、予備加熱した空気を送り込めるようにした端部から約5mにわたって、この配管の外側にさらに外管を設けることにより二重構造を形成して保温性を高め、外管の4カ所に設けた貫通孔から、それぞれガスバーナーを二重構造の外部から二重構造内に挿入し、このガスバーナーにより配管の外面を直接加熱する構造の加熱装置とした。この加熱装置の設置位置に対応した配管内部の雰囲気温度を1000℃〜1100℃の範囲に維持するようガスバーナーの火力を調整した。予備加熱した空気を配管内に送り込むとともに、投入口から前記破砕物を約3グラム毎分で配管内に投入し配管内を流動輸送させながら加熱装置により加熱処理を行った。この加熱装置を設けた配管内の流速をピトー管にて実測したところ、4.5m/sであり、加熱装置の設置位置に対応した配管内部を破砕物が通過する時間は1秒であった。加熱処理後、サイクロン捕集器で捕集された破砕物についてJIS A 1481「建材製品中のアスベスト含有率測定方法」に準拠した方法により石綿の有無を測定した結果、石綿の残存は認められなかった(X線回折:非検出、位相差顕微鏡による分散染色法観察:観察した3000粒子においてアスベストとして染色される繊維状粒子無し)。また、電子顕微鏡により観察した結果、加熱処理により石綿が非石綿化した際に溶融した痕跡は認められなかった。
(実施例2)
クリソタイル石綿約10質量%とクロシドライト石綿約3質量%とを含有した波形スレートの廃材を破砕し、目開き0.5mmの篩いを通過させて破砕物を得た。この破砕物を試料とし、実施例1の装置を用い、加熱装置部分の管内の雰囲気温度を1200℃〜1300℃に保つようガスバーナーの火力を調整した以外は実施例1と同様の条件で、石綿の有無を測定した結果、石綿の残存は認められなかった(JIS A 1481準拠 X線回折:非検出、位相差顕微鏡による分散染色法観察:観察した3000粒子においてアスベストとして染色される繊維状粒子無し)。また、電子顕微鏡により観察した結果、加熱処理により石綿が非石綿化した際に溶融した痕跡は認められなかった。
(比較例1)
実施例1において、加熱装置部分における配管内の雰囲気温度を800℃〜900℃とした以外は実施例1と同様の条件で破砕物を配管に投入し加熱処理を行った。加熱処理後、サイクロン捕集器で捕集された破砕物について石綿の有無を測定した結果、石綿の残存が認められた(JIS A 1481準拠 X線回折:検出、位相差顕微鏡による分散染色法観察:アスベストとして染色される繊維状粒子が3000粒子中18粒子認められた)。
(比較例2)
実施例1において、加熱装置部分を約2.5メートルに短縮し、1000℃以上となる部分の通過時間を約0.5秒程度とした以外は実施例1と同様の条件で破砕物を配管に投入し加熱処理を行った。加熱処理後、サイクロン捕集器で捕集された破砕物について石綿の有無を測定した結果、石綿の残存が認められた(JIS A 1481準拠 X線回折:非検出、位相差顕微鏡による分散染色法観察:アスベストとして染色される繊維状粒子が3000粒子中6粒子認められた)。
(比較例3)
実施例1で使用した波形スレートの破砕物について目開き約2ミリメートルの篩いを通過し、かつ目開き約0.5ミリメートルの篩い上に残ったものを試料とした以外は実施例1と同様の条件で試料を処理した結果、処理後の試料に石綿の残存が認められた(JIS A 1481準拠 X線回折:検出、位相差顕微鏡による分散染色法観察:アスベストとして染色される繊維状粒子が3000粒子中12粒子認められた)。
上述した本発明により、有害性が指摘されている石綿含有廃材を、他の廃棄物と混合させること無く単独で効率的に加熱処理により非石綿化して再生資源とすることができる。本発明の処理が施された石綿含有廃材は、石綿を含まない無機粉体であるので、セメント原料、セメント成形物の混和材あるいはパテ、接着剤などの無機充填剤等として好適に利用することができる。
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
本発明に関する破砕装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 鬼歯クラッシャー(破砕装置)
ベルトコンベヤ
3 ハンマークラッシャー(破砕装置)
4 高速回転衝撃破砕機(破砕装置)
5 加熱装置
6 回収装置
7 サイロ
8 バグフィルター
9 ブロワー
10 集塵機
11 配管

Claims (3)

  1. 石綿含有廃材を破砕するための破砕装置と、一端が前記破砕装置に連結し破砕された前記廃材の破砕物を空気とともに流動輸送するための配管と、流動輸送中の破砕物を加熱処理すべく前記配管の経路途中に設けられた加熱装置と、前記配管の他端に連結し加熱処理された破砕物を空気から分離して回収するための回収装置と、回収された破砕物を蓄積するためのサイロとを備えた処理装置を用い、
    前記廃材を前記処理装置に設けられ且つ負圧に保たれた投入口からその内部に投入し、
    前記破砕装置により寸法が1mm以下となるように破砕し、
    得られた破砕物を前記破砕装置から前記サイロまで前記配管中を空気とともに流動輸送し、
    流動輸送する間に前記加熱装置により1000℃以上1450℃以下の雰囲気温度で且つ1秒以上加熱して破砕物に含まれる石綿を非石綿化させ、
    次いで前記回収装置により空気から分離して前記サイロに蓄積する
    ことを特徴とする石綿含有廃材の処理方法。
  2. 前記回収装置において破砕物と分離された空気の一部又は全部を、前記配管の前記加熱装置よりも前記破砕装置側の位置に環流させ循環使用することを特徴とする請求項1に記載の石綿含有廃材の処理方法。
  3. 既存の高温焼成炉内に配管を設けることにより、既存の高温焼成炉を加熱処理装置として使用することを特徴とする請求項1または2に記載の石綿含有廃材の処理方法。
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