以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(番組再生装置の実施形態)
まず、本発明の番組再生装置の実施形態について説明する。
(番組再生装置の構成)
図1は、本発明の実施形態である番組再生装置を示している。図1に示すように、番組再生装置1は、スケジュールに従って、広告、告知または案内などを内容とする複数の番組を順次再生し、再生された番組をディスプレイに順次表示する装置である。番組再生装置1は、電子広告、電子掲示、電子看板または電子ポスターなどに用いることができる。番組再生装置1は、例えば市街、店舗内、駅の構内、鉄道の車内、イベント会場または公民館などに設置される。
図2は、番組配信システムおよび番組再生装置の内部構造を示している。図2に示すように、番組配信システム100は、番組再生装置1、広告事業者のサーバ2およびネットワーク3を備えている。番組再生装置1とサーバ2とはネットワーク3を通じて接続されており、これにより、両者間で情報通信をすることができる。番組配信システム100において、番組再生装置1は表示端末としての役割を果たす。ネットワーク3は、例えばインターネットである。ネットワーク3には販売者のウェブサーバ4なども接続されている。番組再生装置1は、ネットワーク3を介してウェブサーバ4と通信を行い、ウェブサーバ4内に構築されたウェブサイトにアクセスすることができる。
なお、本実施形態では、番組再生装置1を番組配信システム100の表示端末として用いる場合を例に挙げたが、本発明の番組再生装置はスタンドアローンの表示装置として用いることも可能である。
図2に示すように、番組再生装置1は、CPU(中央処理装置)11、主記憶装置12、ディスプレイ13、外部記憶装置14および通信部15を備えている。
CPU11は、プロセス制御手段として機能する。すなわち、CPU11は、複数の番組のそれぞれについて、その番組を再生するためのプロセスを生成し、プロセスの実行を待機させ、およびプロセスを実行することができる。
具体的には、CPU11は、プロセスの生成時に、このプロセスに係る番組を再生するための制御プログラムの一部または全部およびコンテンツデータの一部または全部を主記憶装置12に記憶させることができる。より具体的には、CPU11は、プロセスの生成時に、このプロセスに係る番組を再生するための制御プログラムの一部または全部およびコンテンツデータの一部または全部を外部記憶装置14から主記憶装置12に転送することができる。また、CPU11は、プロセスの生成時に、このプロセスに係る番組を再生するための制御プログラムの一部または全部およびコンテンツデータの一部または全部をサーバ2から通信部15を介して主記憶装置12に転送することができる。
また、CPU11は、プロセスの実行時に、主記憶装置12に一時的に記憶された制御プログラムおよびコンテンツデータを用いて、この通常プロセスに係る番組を再生することができる。さらに、CPU11は、複数の番組に含まれる第1番組を再生するための第1プロセス(例えば後述の通常プロセスA)の実行が終了する前に、複数の番組に含まれ、スケジュール情報に従って第1番組の次に再生すべき第2番組を再生するための第2プロセス(例えば後述の通常プロセスB)を生成し、第1プロセスの実行が終了するまで第2プロセスの実行を待機させることができる。
さらに、CPU11は、ウィンドウ制御手段として機能する。すなわち、CPU11は、プロセスの実行時において、このプロセスに係る番組を表示するためのウィンドウをディスプレイ13の表示領域において最大化することにより、このプロセスに係る番組を表示領域の全体に表示することができる。また、CPU11は、プロセスの待機時においては、このプロセスに係る番組を表示するためのウィンドウをディスプレイ13の表示領域において最小化することによって、このプロセスに係る番組を表示領域に表示しないようにすることができる。
CPU11のこれらの機能は、例えば、図示しないROM(リードオンリーメモリ)または外部記憶装置14に記憶された制御プログラムを主記憶装置12にロードし、CPU11がその制御プログラムを実行することによって実現される。
主記憶装置12は、例えばRAM(ランダムアクセスメモリ)などの半導体メモリである。そして、主記憶装置12はCPUとバスを介して直接的に接続されている。このため、制御プログラムおよびコンテンツデータを主記憶装置12にロード(転送)することによって、その制御プログラムを迅速に実行することができる。主記憶装置12は、スケジュール記憶手段の一例である。すなわち、主記憶装置12は、複数の番組を順次再生するためのスケジュール情報を記憶する。また、主記憶装置12は、半導体記憶手段の一例である。すなわち、主記憶装置12は、複数の番組のうち、実行中の通常プロセスに係る番組を再生するための制御プログラムおよびコンテンツデータ並びに待機中の通常プロセスに係る番組を再生するための制御プログラムおよびコンテンツデータを一時的に記憶する。
ディスプレイ13は、例えば液晶ディスプレイまたはプラズマディスプレイなどである。ディスプレイ13は、図1に示すように、中型または大型の表示領域を有する。例えば、ディスプレイ13の表示領域は、市街、駅構内、鉄道の車内または公民館内などにいる人々が、番組内容を見ることができる程度の大きさである。ディスプレイ13は、図1に示すように、壁に取り付けられている。なお、ディスプレイ13の設置方法は、壁に取り付ける方法に限られない。ディスプレイの下部に支持台を取り付け、その支持台によってディスプレイを床に置く方法でもよい。ディスプレイ13は、表示手段の一例である。すなわち、ディスプレイ13は、通常プロセス、代替プロセスおよび付加プロセスの実行により再生された番組を表示する。なお、ディスプレイ13に代えて、表示手段をプロジェクタによって実現してもよい。
外部記憶装置14は、例えばハードディスクなど、データを長期間保持することができる記憶装置である。なお、外部記憶装置14は、書き換え可能な光ディスクおよび光ディスクドライブによって構成することも可能である。外部記憶装置14は、外部記憶手段の一例である。すなわち、外部記憶装置14は、たとえ電源を落としても、制御プログラムおよび複数の番組のコンテンツデータなどを記憶し続ける。
通信部15は、例えばモデムまたはターミナルアダプタなどである。通信部15は、通信手段の一例である。すなわち、通信部15は、サーバ2、4などの外部サーバとネットワーク3を介して接続され、外部サーバから複数の番組のコンテンツデータなどを受信することができる。
なお、ディスプレイ13を除く番組再生装置1の構成部分は、ディスプレイ13の裏側のスペースなど、人目につかない場所に設置されている。
番組再生装置1で再生される番組は、静止画および動画である。番組は、番組内容をデジタルデータ化したコンテンツデータと、このデータ再生用の制御プログラムとを用いて再生される。番組が静止画の場合、コンテンツデータは静止画データであり、制御プログラムは静止画再生用の制御プログラムである。他方、番組が動画の場合、コンテンツデータは動画データであり、制御プログラムは動画再生用の制御プログラムである。静止画再生用の制御プログラムと動画再生用の動画プログラムとは、それぞれ異なる別々の制御プログラムである。
動画番組の再生形式につき、番組再生装置1は、ダウンロード再生と、ストリーミング再生を行うことができる。本実施形態においてダウンロード再生とは、コンテンツデータの全部を外部記憶装置14に一括して記憶させてから、そのコンテンツデータを再生することを意味する。コンテンツデータの全部を外部記憶装置14に記憶させる方法は、サーバ2またはサーバ4からのダウンロードに限られない。番組再生装置1に設けられた図示しないディスクドライブに、コンテンツデータが記録されたディスクを挿入し、コンテンツデータをディスクから読み取り、これを外部記憶装置14に記憶させる方法でもよい。なお、「ダウンロード再生」とは、一般に、クライアントコンピュータにおいて、サーバコンピュータから一括してダウンロードしたデータを再生することを意味するが、本実施形態における「ダウンロード再生」は、これに加え、何らかの手段で外部記憶装置に一括して記憶されたデータを再生することを含むものとする。
ストリーミング再生とは、サーバ2、4その他の外部サーバから、ネットワーク3および通信部15を介して、コンテンツデータを受信(ダウンロード)し、それと同時にリアルタイムでそのコンテンツデータを再生することを意味する。すなわち、ストリーミング再生において、コンテンツデータは、通信部15から直接、主記憶装置12に転送され、直ちに再生される。なお、コンテンツデータのデータサイズが大きく、かつ外部サーバからのデータ転送速度が速い場合には、コンテンツデータが外部記憶装置14に一旦蓄えられた後、それが外部記憶装置14から主記憶装置12に少しずつ転送され、再生されることもあり得る。これは一般のストリーミング再生の技術と同様である。
また、番組再生装置1は、販売者のウェブサイトにアクセスし、そのウェブサイトを表示することができる。番組再生装置1は、制御プログラムとしてウェブブラウザプログラムを備えている。
番組を再生するための複数の制御プログラム、ウェブブラウザプログラムおよびダウンロード再生に用いられる番組のコンテンツデータは、外部記憶装置14に長期保持可能な状態で記憶されている。
なお、本実施形態において番組は静止画、動画およびウェブサイトであるが、番組の種類ないし形態は限定されない。例えば、1枚の静止画と音声の組合せでもよい。複数の静止画のスライドショーでもよい。動画と音声の組合せでもよい。ウェブサイトにおけるスクリプトにより作られる映像でもよい。番組再生装置1は販売者または広告事業者から提供される番組の様々な種類ないし形態に応じて、様々な種類ないし形態の制御プログラムを持つことができ、それら制御プログラムを実行することにより、様々な種類ないし形態の番組を再生することができる。
他方、番組再生装置1はスケジュールに従って複数の番組を順次再生する。スケジュールは、スケジュール情報に記録される。スケジュール情報は、サーバ2からネットワーク3および通信部15を介して主記憶装置12に転送される。なお、スケジュール情報を外部記憶装置14に記憶することもできる。また、番組再生装置1に設けられた図示しない入力装置(例えばキーボード)を用いてスケジュール情報を入力することもできる。
スケジュール情報は、例えば、番組の再生順序を指定する情報、およびそれぞれの番組の再生開始時刻を指定する情報などを含んでいる。なお、スケジュール情報は、番組の再生順序を指定する情報、およびそれぞれの番組の再生時間を示す情報を含むものであってもよい。また、スケジュール情報は、番組の再生順序を指定する情報を含むだけのものであってもよい。
(番組再生装置の動作1:順次再生動作)
図3は、番組再生装置1の動作の一例を示している。具体的には、図3は、その左側から順に、スケジュール情報に記録されたスケジュールの内容、3個の通常プロセスA、B、Cの状態、代替プロセスの状態、および付加プロセスの状態を示している。そして、図3の縦軸は時間を示し、時間は図3の上部から下部に向けて進む。
図3に示す例においては、スケジュールは、ある1日のスケジュールである。このスケジュールによれば、3個の番組が順次再生される。1番目に再生される番組は、その内容が商品広告であり、その種類は動画であり、再生形式はダウンロード再生である。2番目に再生される番組は、その内容が企業PRであり、その種類はウェブサイトへのアクセスである。3番目に再生される番組は、その内容が草原風景の画像であり、その種類は静止画である。
番組再生装置1は、番組を再生するためにプロセスを生成する。プロセスは番組ごとに生成される。本実施形態においては、通常プロセス、代替プロセスおよび付加プロセスの3種類のプロセスがある。「通常プロセス」とは、スケジュールに従って、商品広告、企業PR、告知、案内などの通常の番組を再生するためのプロセスである。「代替プロセス」とは、代替番組を再生するためのプロセスである。「代替番組」とは、通常の番組再生中に何らかのイベントが発生したとき、通常の番組の代わりに再生される番組である。「付加プロセス」とは、通常の番組に付加画像を重ね合わせて再生するためのプロセスである。「付加画像」とは、通常の番組再生中に何らかのイベントが発生したとき、通常の番組に重ね合わせられ、その番組とともに再生される画像または映像である。図3に示す例においては、3個の番組のそれぞれにつき、通常プロセスA、B、Cが生成される。なお、代替プロセス、付加プロセスについての詳細は後述する。
図3に示すように、各プロセスには、生成、待機および実行の3種類の状態がある。すなわち、番組再生装置1は、まず、プロセスを生成する。プロセスの生成時に、番組再生装置1は、プロセスに係る番組のコンテンツデータおよびそれを再生するための制御プログラムを主記憶装置12に記憶させる。1個の番組のコンテンツデータのデータサイズが小さい場合には、番組再生装置1は、コンテンツデータの全部を主記憶装置12に記憶させ、1個の番組のコンテンツデータのデータサイズが大きい場合には、例えば再生開始時に必要なコンテンツデータの一部を主記憶装置12に記憶させる。制御プログラムについても同様である。
具体的には、番組が動画のダウンロード再生の場合には、動画再生用の制御プログラムの一部または全部および動画のコンテンツデータの一部または全部を外部記憶装置14から主記憶装置12に転送する。他方、番組が動画のストリーミング再生の場合には、動画再生用の制御プログラムの一部または全部を外部記憶装置14から主記憶装置12に転送し、次に、番組の配信先の外部サーバ(例えば図2中のサーバ4)にネットワーク3を介して接続し、次に、その外部サーバから少なくとも番組開始部分のコンテンツデータを受信し、これを主記憶装置12に記憶させる。他方、番組が静止画の場合には、静止画用の制御プログラムの一部または全部および静止画のコンテンツデータの一部または全部を外部記憶装置14から主記憶装置12に転送する。他方、番組がウェブサイトの場合には、まず、ウェブブラウザプログラムの一部または全部を外部記憶装置14から主記憶装置12に転送し、次に、ネットワーク3を介してウェブサイトにアクセスし、ウェブサイトからそのホームページ(フロントページ)を表示するためのデータを受信し、これを主記憶装置12に記憶させる。
続いて、プロセスの生成時に、番組再生装置1は、ディスプレイ13の表示領域において最小化されたウィンドウを作り、このウィンドウに生成中の番組を割り当てる。なお、最小化されたウィンドウは、ディスプレイ13の表示領域に観念的に存在しているにすぎず、視覚的には存在していない。すなわち、最小化されたウィンドウに割り当てられた番組は、表示領域に表示されない。
次に、番組再生装置1は、生成したプロセスを待機させる。すなわち、プロセスの生成を完了した状態、つまり、プロセスに係る番組の再生準備を完了し、プロセスに係る番組を割り当てた最小化ウィンドウを完成させた状態を維持する。
次に、番組再生装置1は、待機中のプロセスを実行する。すなわち、まず、ディスプレイ13の表示領域において最小化されたウィンドウを最大化する。これにより、そのウィンドに割り当てられた番組の画像が表示領域の全面にかつ最前面に表示される。続いて、番組再生装置1は、主記憶装置12に転送され記憶された、動画再生用の制御プログラム、静止画制御用の制御プログラムまたはウェブブラウザプログラムを実行し、動画もしくは静止画の再生、またはウェブサイトの表示を開始する。番組が動画の場合には、動画のプレイが開始される。なお、プロセスを生成した後、待機状態を経ずにそのプロセスを実行することも可能である。
また、番組再生装置1は、あるプロセスの実行中に他のプロセスの生成を行うことができる。これは、マルチプロセスあるいはマルチタスクなどの技術を用いて実現することができる。
なお、本実施形態では、スケジュールを1日のスケジュールとしたが、スケジュールの内容はこれに限定されない。例えば半日のスケジュールでもよいし、1週間のスケジュールでもよい。また、1個のスケジュールに従って再生される番組の個数も限定されない。さらに、図3に示す例では、番組再生時刻すなわちプロセス実行の少し前にそのプロセスを生成する場合を例に挙げたが、プロセスの生成は、そのプロセスの実行前であれば、いつでもよい(もっとも、主記憶装置12が揮発性の半導体メモリである場合には、主記憶装置12に電気が供給されている期間内でプロセスの生成と実行が行われるようにすることが望ましい)。
図4は、図3に示した番組再生装置1の動作を実行するための制御(順次再生処理)の流れを示している。この制御は、番組再生装置1のCPU11の指図のもとで行われる。
図4に示すように、ある日の朝(8時55分)に、番組再生装置1ないし番組配信システム100の管理者が、番組再生装置1の電源を入れる。これにより、順次再生処理がスタートする。まず、番組再生装置1は、広告事業者のサーバ2からネットワーク3を介してスケジュール情報を受信し、これを主記憶装置12に記憶させる(ステップS11)。これにより、CPU11はスケジュール情報をいつでも参照することができる。
次に、番組再生装置1は、代替プロセスを生成し、これを待機させる(ステップ12)。続いて、番組再生装置1は、付加プロセスを生成し、これを待機させる(ステップS13)。代替プロセスおよび付加プロセスの生成および待機については後述する。
次に、番組再生装置1は、スケジュール情報を参照し、商品広告の番組(図3参照)の開始時刻2分前かどうか判定する(ステップS14)。商品広告の番組の開始時刻2分前となったとき(ステップS14:YES)、番組再生装置1は、商品広告の番組を再生するための通常プロセスAを生成し、これを待機させる(ステップS15)。このとき、商品広告の番組が割り当てられた最小化ウィンドウが作られる。
次に、番組再生装置1は、スケジュール情報を参照し、商品広告の番組の開始時刻が到来したかどうかを判定する(ステップS16)。商品広告の番組の開始時刻が到来したとき(ステップS16:YES)、番組再生装置1は、通常プロセスAを実行する(ステップS17)。これにより、商品広告の番組を割り当てたウィンドウが最大化され、商品広告の番組の動画がプレイされ、この動画がディスプレイ13の表示領域全面に表示される。
次に、番組再生装置1は、スケジュール情報を参照し、商品広告の番組の終了時刻2分前かどうか判定する(ステップS18)。商品広告の番組の終了時刻2分前となったとき(ステップS18:YES)、番組再生装置1は、企業PRの番組(図3参照)を再生する(ウェブサイトへアクセスする)ための通常プロセスBを生成し、これを待機させる(ステップS19)。このとき、企業PRの番組が割り当てられた最小化ウィンドウが作られる。
次に、番組再生装置1は、スケジュール情報を参照し、企業PRの番組の開始時刻が到来したかどうかを判定する(ステップS20)。企業PRの番組の開始時刻が到来したとき(ステップS20:YES)、番組再生装置1は、通常プロセスBを実行する(ステップS21)。これにより、企業PRの番組を割り当てたウィンドウが最大化され、企業のウェブサイトがディスプレイ13の表示領域全面に表示される。
次に、番組再生装置1は、スケジュール情報を参照し、企業PRの番組の終了時刻2分前かどうか判定する(ステップS22)。企業PRの番組の終了時刻2分前となったとき(ステップS22:YES)、番組再生装置1は、草原風景の番組(図3参照)を再生するための通常プロセスCを生成し、これを待機させる(ステップS23)。このとき、草原風景の番組が割り当てられた最小化ウィンドウが作られる。
次に、番組再生装置1は、スケジュール情報を参照し、企業PRの番組の終了時刻が到来したかどうかを判定する(ステップS24)。企業PRの番組の終了時刻が到来したとき(ステップS24:YES)、番組再生装置1は、通常プロセスCを実行する(ステップS25)。これにより、草原風景の番組を割り当てたウィンドウが最大化され、草原風景の番組の静止画が再生され、この静止画がディスプレイ13の表示領域全面に表示される。
そして、その日の夕方(17時)、草原風景の番組の再生が終了し、順次再生処理が完了する。その後、管理者は、番組再生装置1の電源をオフにする。
このように、番組再生装置1は、(a)プロセスの生成時に、このプロセスに係る番組を再生するためのコンテンツデータの一部または全部を主記憶装置12に記憶させ、(b)プロセスの実行時に、主記憶装置12に記憶されたコンテンツデータを用いて、このプロセスに係る番組を再生し、かつ、(c)スケジュール情報に従って先に再生される第1番組を再生するための第1プロセス(例えば通常プロセスA)の実行が終了する前に、スケジュール情報に従った次に再生すべき第2番組を再生するための第2プロセス(例えば通常プロセスB)を生成し、第1プロセスの実行が終了するまで第2プロセスの実行を待機させる。この構成により、第1番組の再生から第2番組の再生への切替を迅速に(空き時間なしに)行うことができ、複数の番組のスムーズな連続再生が可能となる。したがって、番組再生装置1によれば、多数の広告、告知または案内を順次連続的に表示することができる。そして、ディスプレイ13に表示された番組を見る人々は、多数の番組を快適に見ることができる。これは、電子広告および電子掲示などの質の向上をもたらし、広告等の経済効果を高めるとともに、広告事業の発展に寄与しうる。
また、番組再生装置1は、プロセスの実行時において、このプロセスに係る番組を表示するためのウィンドウをディスプレイ13の表示領域において最大化することにより、このプロセスに係る番組を表示領域の全体に表示し、プロセスの待機時においては、このプロセスに係る番組を表示するためのウィンドウをディスプレイ13の表示領域において最小化することによって、このプロセスに係る番組を表示領域に表示しないようにする。この構成によっても、番組の迅速かつスムーズな連続再生を実現することができる。
さらに、番組再生装置1は、コンテンツデータだけでなく、実行中のプロセスに係る番組を再生するための制御プログラムおよび待機中のプロセスに係る番組を再生するための制御プログラムを主記憶装置12に記憶させ、プロセスの実行時には、主記憶装置12に記憶された制御プログラムを用いて、このプロセスに係る番組を再生する。この構成によっても、番組の迅速かつスムーズな連続再生を実現することができる。
他方、番組再生装置1は、実行すべきプロセスに係る番組が静止画の場合には、静止画を再生するための制御プログラムを用いてこの番組を再生し、実行すべきプロセスに係る番組が動画の場合には、動画を再生するための制御プログラムを用いてこの番組を再生し、実行すべきプロセスに係る番組がインターネットウェブサイトの場合には、インターネットウェブブラウザプログラムを制御プログラムとして用いてこの番組を再生する。この構成によれば、様々な種類ないし形態の番組を再生することができ、販売者、広告事業者その他の情報発信者ないし編集者のニーズを満たすことができる。
(番組再生装置の動作2:代替再生処理)
次に、番組再生装置1における代替再生処理について説明する。番組再生装置1は、通常の番組再生中に何らかのイベントが発生したとき、通常の番組の代わりに代替番組を再生する代替再生処理を行うことができる。代替再生処理は、代替番組を再生するための代替プロセスの生成、待機および実行によって実現する。
代替再生処理を行うとき、番組再生装置1のCPU11は、代替番組を再生するための代替プロセスを生成し、代替プロセスの実行を待機させ、および代替プロセスを実行する。具体的には、CPU11は、スケジュール情報に従って最初に再生すべき番組に係る通常プロセスを実行する前に、代替プロセスを生成し、かつこの代替プロセスの実行を待機させることができる。また、CPU11は、代替プロセスの生成時に、この代替プロセスに係る代替番組を再生するための制御プログラムおよびコンテンツデータの一部または全部を主記憶装置12に記憶させることができる。また、CPU11は、イベントが生じたか否かを判定することができる。また、CPU11は、イベントが発生したとき、通常プロセスの実行を中止するとともに、代替プロセスを実行することができる。また、CPU11は、代替プロセスの実行時に、主記憶装置12に一時的に記憶されたコンテンツデータを用いて代替プロセスに係る代替番組を再生することができる。
さらに、CPU11は、代替プロセスの実行時において、この代替プロセスに係る代替番組を表示するためのウィンドウをディスプレイ13の表示領域において最大化することにより、この代替プロセスに係る代替番組を表示領域の全体に表示し、代替プロセスの待機時においては、この代替プロセスに係る代替番組を表示するためのウィンドウをディスプレイ13の表示領域において最小化することによって、この代替プロセスに係る代替番組を表示領域に表示しないようにすることができる。
他方、代替再生処理を行うとき、主記憶装置12は、実行中の代替プロセスに係る代替番組を再生するための制御プログラムおよびコンテンツデータ並びに待機中の代替プロセスに係る代替番組を再生するための制御プログラムコンテンツデータを一時的に記憶する。
「代替番組」とは、上述したように、通常の番組再生中に何らかのイベントが発生したとき、通常の番組の代わりに再生される番組である。代替番組は静止画でもよいし、動画でもよい。代替番組は、例えば風景画像など、ディスプレイを見ている人々に不快や退屈感を与えない画像または映像とすることが好ましい。また、代替番組は、例えば、イベントの発生により通常の番組の再生を行うことができない事態を、ディスプレイを見ている人々に気付かれないようにするための画像または映像とすることが好ましい。
代替番組を再生するためのコンテンツデータは、外部記憶装置14に長期保持可能な状態で記憶されている。代替番組のコンテンツデータの再生には、通常の番組のコンテンツデータの再生に用いる制御プログラムを用いることができる。
図5は代替再生処理に関する番組再生装置1の動作の一例を示している。図5に示すように、番組再生装置1は、代替プロセスを番組再生装置1の電源投入直後に生成し、これを待機させる(これについては図4中のステップS12も参照)。なお、代替プロセスの生成時期は、スケジュール情報に従って最初の通常プロセスが実行される前であればよく、電源投入直後に限られない。
番組再生装置1において、代替プロセスの生成、待機および実行に関する個別的な動作は、通常プロセスの生成、待機および実行に関する動作とほぼ同じである。すなわち、番組再生装置1は、代替プロセスの生成時に、代替番組のコンテンツデータの一部または全部およびそれを再生するための制御プログラムの一部または全部を外部記憶装置14から主記憶装置12に転送する。続いて、代替プロセスの生成時に、番組再生装置1は、ディスプレイ13の表示領域において最小化されたウィンドウを作り、このウィンドウに代替番組を割り当てる。また、番組再生装置1は、代替プロセスの生成を完了した状態、つまり、代替番組の再生準備を完了し、代替番組を割り当てた最小化ウィンドウを完成させた状態を維持することによって、代替プロセスを待機させる。また、番組再生装置1は、代替プロセスの実行時には、通常プロセスを待機させた後、まず、ディスプレイ13の表示領域において最小化されたウィンドウを最大化し、これにより、そのウィンドウに割り当てられた代替番組の画像を表示領域の全面にかつ最前面に表示する。続いて、主記憶装置12に転送され、記憶された制御プログラムを実行し、代替番組の再生を開始する。
また、代替プロセスは、イベントの発生をきっかけに実行される。図5に示す例によれば、企業PRの番組再生中(通常プロセスBの実行中)に、イベントが発生し、その後、しばらく経ってそのイベントが終了する。イベントが発生したとき、番組再生装置1は、通常プロセスBの実行状態から待機状態に変更することによって、企業PRの番組の再生を中止する。これと同時に、番組再生装置1は、代替プロセスを待機状態から実行状態に変更することによって、代替番組を再生する。その後、イベントが終了したとき、番組再生装置1は、代替プロセスを実行状態から待機状態に変更し、これと同時に、通常プロセスBを待機状態から実行状態に変更することによって、企業PRの番組の再生を回復する。
イベントとは、例えば、番組の再生に支障をもたらすような障害である。具体的には、ネットワーク3がダウンしていることにより、番組再生装置1がサーバ4のウェブサイトにアクセスできない場合、番組再生装置1は、これをイベントの発生として認識する。また、番組再生装置1の外部記憶装置14に再生予定のコンテンツデータが存在しない場合や、そのコンテンツデータを再生するための制御プログラムに故障が生じている場合にも、番組再生装置1はこれらをイベントの発生として認識する。さらに、番組再生装置1は、番組再生装置1ないし番組配信システム100における突発的な故障または事故の発生をイベントの発生と認識する。なお、イベントは障害に限られない。例えば広告事業者がサーバ2を用いて番組再生装置1に指令を自発的に送信する場合、番組再生装置1においてこれをイベントの発生として認識させることもできる。より具体的には、広告事業者がすでに配信した番組の再生を中止したいとき、広告事業者は番組再生装置1に向けて再生中止指令を送信する。番組再生装置1においてこれをイベントの発生として認識させることができる。
図6は、代替再生処理の流れを示している。この処理は、番組再生装置1のCPU11の指図のもとで行われる。番組再生装置1は、上述した順次再生処理と同時に代替再生処理を実行することができる。このような複数の処理の同時実行は、マルチプロセスまたはマルチタスクの技術を用いて実現することができる。図6では、説明の便宜上、通常プロセスBの実行中にイベントが発生し、代替再生処理を実行する場合を示している。
図6に示すように、番組再生装置1において通常プロセスBが実行されており、企業PRの番組(図5参照)が割り当てられたウィンドウが最大化され、ディスプレイ13の表示領域全面には、企業PRの番組が表示されている(ステップS31)。
この状態で、番組再生装置1は、イベントが発生したか否かを判定する(ステップS32)。イベントが発生したときには(ステップS32:YES)、番組再生装置1は、まず、通常プロセスBの実行を中止し、通常プロセスBを待機させる(ステップS33)。このとき、企業PRの番組が割り当てられたウィンドウが最小化し、この結果、企業PRの番組はディスプレイ13の表示領域に表示されなくなる。
ステップS33の処理から連続して(空き時間なしに)、番組再生装置1は、代替プロセスを実行する(ステップS34)。これにより、代替番組を割り当てたウィンドウが最大化され、代替番組が再生され、この代替番組の画像または映像がディスプレイ13の表示領域全面に表示される。
次に、番組再生装置1は、イベントが終了したか否かを判定する(ステップS35)。イベントが終了したときには(ステップS35:YES)、番組再生装置1は、まず、代替プロセスの実行を中止し、代替プロセスを待機させる(ステップS36)。このとき、代替番組を割り当てられたウィンドウが最小化し、この結果、代替番組はディスプレイ13の表示領域に表示されなくなる。
ステップS36の処理から連続して(空き時間なしに)、番組再生装置1は、通常プロセスBの実行を回復させる(ステップS31に戻る)。
なお、ステップS34において代替プロセスの実行中に、通常プロセスBに係る番組の終了時刻2分前になったときには、スケジュール情報に基づいて次に実行すべき通常プロセスCが生成される。さらに、代替プロセスの実行中に、通常プロセスCの実行を開始すべき時刻を経過してしまった場合には、イベント終了後、代替プロセスの待機と同時に、通常プロセスCが実行され、通常プロセスCに係る草原風景の番組が再生される。
このように、番組再生装置1は、(a)スケジュール情報に従って最初に再生すべき番組に係る通常プロセスを実行する前に、代替プロセスを生成し、かつこの代替プロセスの実行を待機させ、(b)代替プロセスの生成時に、この代替プロセスに係る代替番組を再生するためのコンテンツデータの一部または全部を主記憶装置12に記憶させ、(c)イベントが発生したとき、通常プロセスの実行を中止するとともに、代替プロセスを実行し、(d)代替プロセスの実行時に、主記憶装置12に一時的に記憶されたコンテンツデータを用いて代替プロセスに係る代替番組を再生する。この構成により、イベントが発生したときに、迅速に(空き時間なしに)、通常の番組から代替番組に切り替えることができる。
また、番組再生装置1は、代替プロセスの実行時に、この代替プロセスに係る代替番組を表示するためのウィンドウをディスプレイ13の表示領域において最大化することにより、この代替プロセスに係る代替番組を表示領域の全体に表示し、代替プロセスの待機時には、この代替プロセスに係る代替番組を表示するためのウィンドウをディスプレイ13の表示領域において最小化することによって、この代替プロセスに係る代替番組を表示領域に表示しないようにする。この構成により、通常の番組から代替番組への迅速な切替を実現することができる。
さらに、番組再生装置1によれば、イベントの発生時に代替番組を再生することにより、以下の利益を得ることができる。例えば、番組の表示がウェブサイトへのアクセスである場合であって、ネットワーク3がダウンしている場合には、番組再生装置1はウェブサイトへのアクセスに失敗する。このような場合、一般に普及しているウェブブラウザは、エラー画面を表示する。しかし、電子広告または電子掲示においては、エラー画面を表示することは好ましくない。なぜなら、例えば市街に設置された大型ディスプレイにエラー画面が表示されると、ディスプレイを見ている人々に不快感または違和感を与えるおそれがあるからである。これに対し、本実施形態における番組再生装置1は、このような場合、代替番組を再生し、例えば風景画像をディスプレイ13に表示する。この構成により、ディスプレイを見ている人々に不快感や違和感を与えることを防止することができる。また、商品広告や企業PRの表示中にエラー画面が表示されることを防止でき、商品や企業のイメージを損ねることを防止することができる。
(番組再生装置の動作3:付加再生処理)
次に、番組再生装置1における付加再生処理について説明する。番組再生装置1は、通常の番組再生中に何らかのイベントが発生したとき、現在再生中の番組、またはイベントが終了するまでの間に再生すべき番組に、付加画像を付加する付加再生処理を行うことができる。すなわち、イベントが発生してから終了するまでの間、スケジュール情報に従った番組の再生は維持されるが、その(それらの)番組は付加画像が付加された状態で再生される。付加再生処理は、付加画像を通常の番組に重ねて再生するための付加プロセスの生成、待機および実行によって実現する。
なお、上述した代替再生処理は、主に、イベントの発生から終了までの間に、スケジュール情報に従って通常の番組を再生できないときに実行される。これに対し、以下に述べる付加再生処理は、主に、イベントの発生から終了までの間に、スケジュール情報に従って通常の番組を再生できるときに実行される。
付加再生処理を行うとき、番組再生装置1のCPU11は、付加画像を通常の番組に重ねて再生するための付加プロセスを生成し、付加プロセスの実行を待機させ、および付加プロセスを実行する。具体的には、CPU11は、スケジュール情報に従って最初に再生すべき番組に係る通常プロセスを実行する前に、付加プロセスを生成し、かつこの付加プロセスの実行を待機させることができる。また、CPU11は、付加プロセスの生成時に、この付加プロセスに係る付加画像を再生するための制御プログラムおよびコンテンツデータの一部または全部を主記憶装置12に記憶させることができる。また、CPU11は、イベントが生じたか否かを判定することができる。また、CPU11は、イベントが発生したとき、付加プロセスを実行することにより、通常プロセスに係る番組に付加画像を重ね合わせることができる。また、CPU11は、通常プロセスに係る番組に付加画像を重ね合わせる処理を行うとき、主記憶装置12に記憶されたコンテンツデータを用いる。
他方、付加再生処理を行うとき、主記憶装置12は、実行中の付加プロセスに係る付加画像を再生するための制御プログラムおよびコンテンツデータ並びに待機中の付加プロセスに係る付加画像を再生するための制御プログラムコンテンツデータを一時的に記憶する。
「付加画像」とは、上述したように、通常の番組再生中に何らかのイベントが発生したとき、通常の番組に重ね合わせられ、その番組とともに再生される画像または映像である。付加画像は、静止画が望ましいが、動画でもよい。さらに、付加画像は、その全面が所定の一色で塗られた画像であることが望ましい。この付加画像を通常の番組に重ね合わせることにより、その番組の背景色を変更することができる。この場合、付加画像の色は、目立たない色であることが望ましく、例えば、灰色、水色、またはパステルカラーなどが望ましい。すなわち、付加画像の付加は、イベントの発生を番組再生装置1または番組配信システム100の管理者に知らせるために行われる。このため、管理者がディスプレイ13を見て、番組に付加画像が付加されていることを気付かせる必要がある。その反面、ディスプレイ13を見ている一般の人々には、番組に付加画像が付加されていることをなるべく気付かせたくない。そこで、付加画像の色は、管理者だけが付加画像の付加に気付く程度の目立たない色が望ましいのである。なお、付加画像は、その全面が一色で塗られた画像に限られない。例えば、ディスプレイ13の表示領域の隅にマークを付加してもよい。
付加画像を再生するためのコンテンツデータは、外部記憶装置14に長期保持可能な状態で記憶されている。付加画像のコンテンツデータの再生には、通常の番組のコンテンツデータの再生に用いる制御プログラムを用いることができる。
図7は付加再生処理に関する番組再生装置1の動作の一例を示している。図7に示すように、番組再生装置1は、付加プロセスを番組再生装置1の電源投入直後に生成し、これを待機させる(これについては図4中のステップS13も参照)。なお、付加プロセスの生成時期は、スケジュール情報に従って最初の通常プロセスが実行される前であればよく、電源投入直後に限られない。
番組再生装置1において、付加プロセスの生成および待機に関する個別的な動作は、通常プロセスの生成および待機に関する動作とほぼ同じである。すなわち、番組再生装置1は、付加プロセスの生成時に、付加画像のコンテンツデータの一部または全部およびそれを再生するための制御プログラムの一部または全部を外部記憶装置14から主記憶装置12に転送する。続いて、付加プロセスの生成時に、番組再生装置1は、ディスプレイ13の表示領域において最小化されたウィンドウを作り、このウィンドウに付加画像を割り当てる。また、番組再生装置1は、付加プロセスの生成を完了した状態、つまり、付加画像の再生準備を完了し、付加画像を割り当てた最小化ウィンドウを完成させた状態を維持することによって、付加プロセスを待機させる。
また、番組再生装置1は、付加プロセスの実行時には、通常プロセスの実行を継続したまま(通常プロセスに係るウィンドウを最大化したまま)、ディスプレイ13の表示領域において最小化されたウィンドウを最大化し、これにより、そのウィンドウに割り当てられた付加画像を表示領域の全面に表示する。続いて、主記憶装置12に転送され、記憶された制御プログラムを実行し、付加画像を再生する。そして、付加画像の透過率を高める。これにより、ディスプレイ13の表示領域には、通常の番組の画像または映像と付加画像が重なり合って表示される。
なお、通常の番組の付加画像の重ね合わせは、この方法に限られない。例えば、付加プロセスの生成時において、通常の番組のコンテンツデータに含まれる、色を決定するデータを変更する処理を行う制御プログラムを外部記憶装置14から主記憶装置12に転送し、これを待機させ、付加プロセス実行時には、この制御プログラムを実行することによって、通常番組のコンテンツデータの色をデコード処理などの過程で変更する方法でもよい。
また、付加プロセスは、イベントの発生をきっかけに実行される。図7に示す例によれば、商品広告の番組再生中(通常プロセスAの実行中)に、イベントが発生し、その後、しばらく経ってそのイベントが終了する。イベントが発生したとき、番組再生装置1は、通常プロセスAの実行を維持したまま、すなわち商品広告の番組の再生を維持したまま、付加プロセスを待機状態から実行状態に変更し、これにより、商品広告の番組に付加画像を付加する。その後、イベントが終了したとき、番組再生装置1は、付加プロセスを実行状態から待機状態に変更し、これにより、商品広告の番組から付加画像を除去する。
イベントとは、例えば、番組の再生に支障をもたらさないような障害である。具体的には、番組再生装置1の外部記憶装置14の空き容量が少なくなり、将来の番組再生に悪影響が生じる可能性が発生した場合、番組再生装置1は、これをイベントの発生として認識する。また、番組再生装置1の電源が不安定である場合にも、番組再生装置1はこれらをイベントの発生として認識する。なお、イベントは障害に限られない。例えば広告事業者がサーバ2を用いて番組再生装置1に指令を自発的に送信する場合、番組再生装置1においてこれをイベントの発生として認識させることもできる。
図8は、付加再生処理の流れを示している。この処理は、番組再生装置1のCPU11の指図のもとで行われる。番組再生装置1は、上述した順次再生処理および代替再生処理と同時に付加再生処理を実行することができる。図8では、説明の便宜上、通常プロセスAの実行中(番組の再生中)にイベントが発生し、付加再生処理を実行する場合を示している。
図8に示すように、番組再生装置1において通常プロセスAが実行されており、商品広告の番組(図7参照)が割り当てられたウィンドウが最大化され、ディスプレイ13の表示領域全面には、商品広告の番組が表示されている(ステップS41)。
この状態で、番組再生装置1は、イベントが発生したか否かを判定する(ステップS42)。イベントが発生したときには(ステップS42:YES)、番組再生装置1は、通常プロセスAの実行を継続させながら、付加プロセスを実行する(ステップS43)。これにより、商品広告の番組の映像に付加画像が重ね合わさり、例えば、番組の映像の背景が灰色になる。
次に、番組再生装置1は、イベントが終了したか否かを判定する(ステップS44)。イベントが終了したときには(ステップS44:YES)、番組再生装置1は、付加プロセスを実行状態から待機状態に変更する(ステップS45)。これにより、商品広告の番組の映像から付加画像が除去され、例えば、番組の映像の背景が元の色に戻る。
なお、ステップS43において付加プロセスの実行中に、通常プロセスAに係る番組の終了時刻2分前になったときには、スケジュール情報に基づいて次に実行すべき通常プロセスBが生成される。さらに、付加プロセスの実行中に、通常プロセスBの実行を開始すべき時刻が到来した場合には、付加プロセスの実行が維持されたまま、通常プロセスAの実行が終わり、通常プロセスBの実行が開始される。これにより、イベントが終了するまでの間、企業PRの番組の画像または映像に付加画像が付加される。
このように、番組再生装置1は、(a)スケジュール情報に従って最初に再生すべき番組に係る通常プロセスを実行する前に、付加プロセスを生成し、かつこの付加プロセスの実行を待機させ、(b)付加プロセスの生成時に、この付加プロセスに係る付加画像を再生するための制御プログラムおよびコンテンツデータの一部または全部を主記憶装置12に記憶させ、(c)イベントが発生したとき、付加プロセスを実行することにより、通常プロセスに係る番組に付加画像を重ね合わせ、(d)番組に付加画像を重ね合わせる処理を行う際には、主記憶装置12に記憶された付加画像のデータを用いる。この構成により、イベントが発生したときには、迅速に(空き時間なしに)、通常の番組に付加画像を付加することができる。
また、付加画像を、その全面が所定の一色で塗られた画像とし、番組再生装置1は、付加プロセスの実行時に、この付加画像を通常の番組に重ね合わせることにより、番組の背景色を変更する。この構成により、イベントの発生を管理者に確実に伝えながら、他方、一般の人々にイベントの発生を気付かれないようにすることができる。
(番組再生方法の実施形態)
次に、本発明の番組再生方法の第1、第2および第3の実施形態について説明する。まず、本発明の番組再生方法の第1実施形態は、上述した番組再生装置1の順次再生処理(図3、図4参照)を実現することができる。すなわち、第1実施形態に係る番組再生方法は、スケジュール情報に従って複数の番組を表示手段(例えばディスプレイまたはプロジェクタなど)に順次再生する番組再生方法であって、複数の番組に含まれる第1番組を再生するための第1通常プロセスを生成する第1生成工程(図4中のステップS15参照)と、第1生成工程において、第1番組を再生するためのコンテンツデータの一部または全部を半導体記憶手段(例えば主記憶装置など)に一時的に記憶させる第1記憶工程(図2参照)と、スケジュール情報に従って第1通常プロセスを実行する第1実行工程(図4中のステップS17参照)と、第1実行工程において、半導体記憶手段に一時的に記憶されたコンテンツデータを用いて、第1通常プロセスに係る番組を再生する第1再生工程(図2参照)と、第1通常プロセスの実行が終了する前に、複数の番組に含まれ、スケジュール情報に従って第1番組の次に再生すべき第2番組を再生するための第2通常プロセスを生成し、第1通常プロセスの実行が終了するまで第2通常プロセスの実行を待機させる第2生成工程(図4中のステップSS19)と、第2生成工程において、第2番組を再生するためのコンテンツデータの一部または全部を半導体記憶手段に一時的に記憶させる第2記憶工程(図2参照)と、スケジュール情報に従って第2通常プロセスを実行する第2実行工程(図4中のステップS21参照)と、第2実行工程において、半導体記憶手段に一時的に記憶されたコンテンツデータを用いて、第2通常プロセスに係る番組を再生する第2再生工程(図2参照)とを備えている。
本発明の番組再生方法の第1実施形態によれば、スケジュール情報に従って先順位の番組の再生中に、次の順位の番組を再生するためのプロセスを生成し、待機させることができる。これにより、複数の番組の再生の切替を迅速に(空き時間なしに)行うことができ、複数の番組のスムーズな連続再生が可能となる。したがって、番組再生方法の第1実施形態によれば、多数の広告、告知または案内を順次連続的に表示することができる。そして、ディスプレイなどに表示された番組を見る人々は、多数の番組を快適に見ることができる。これは、電子広告および電子掲示などの質の向上をもたらし、広告等の経済効果を高めるとともに、広告事業の発展に寄与しうる。
また、本発明の番組再生方法の第2実施形態は、上述した番組再生装置1の代替再生処理(図4、図5、図6参照)を実現することができる。すなわち、第2実施形態に係る番組再生方法は、スケジュール情報に従って複数の番組を表示手段(例えばディスプレイまたはプロジェクタなど)に順次再生する番組再生方法であって、複数の番組に含まれる1の番組を再生するための通常プロセスを生成する第1生成工程と、第1生成工程において、前記1の番組を再生するためのコンテンツデータの一部または全部を半導体記憶手段(例えば主記憶装置)に一時的に記憶させる第1記憶工程と、通常プロセスを実行する前に、代替番組を再生するための代替プロセスを生成し、これを待機させる第2生成工程(図4中のステップS12参照)と、第2生成工程において、代替番組を再生するためのコンテンツデータの一部または全部を半導体記憶手段に一時的に記憶させる第2記憶工程と、スケジュール情報に従って通常プロセスを実行する第1実行工程と、第1実行工程において、半導体記憶手段に一時的に記憶された前記コンテンツデータを用いて、通常プロセスに係る番組を再生する第1再生工程と、イベントが発生したか否かを判定するイベント判定工程(図6中のステップS32)と、イベント判定工程において、イベントの発生が判定されたとき、通常プロセスの実行を中止するとともに、代替プロセスを実行する第2実行工程(ステップS33およびS34)と、第2実行工程において、半導体記憶手段に一時的に記憶されたコンテンツデータを用いて代替プロセスに係る代替番組を再生する第2再生工程とを備えている。
本発明の番組再生方法の第2実施形態によれば、スケジュール情報に基づく通常の番組の再生開始前に、代替番組を再生するための代替プロセスを生成し、待機する構成としたから、イベントが発生したときには、迅速に(空き時間なしに)、通常の番組から代替番組に切り替えることができる。
また、番組再生方法の第2実施形態によれば、イベントの発生時に代替プロセスを実行し、これにより代替番組を再生する構成としたから、通常の番組再生を維持できないような障害などのイベントが発生したときに、ディスプレイなどにエラー画面が表示されるのを防止することができる。これにより、ディスプレイを見ている人々に不快感を与えることを防止することができる。また、商品広告や企業PRの表示中にエラー画面が表示されることを防止でき、商品や企業のイメージを損ねることを防止することができる。
他方、本発明の番組再生方法の第3実施形態は、上述した番組再生装置1の付加再生処理(図4、図7、図8参照)を実現することができる。すなわち、第3実施形態に係る番組再生方法は、スケジュール情報に従って複数の番組を表示手段(例えばディスプレイまたはプロジェクタなど)に順次再生する番組再生方法であって、複数の番組に含まれる1の番組を再生するための通常プロセスを生成する第1生成工程と、第1生成工程において、前記1の番組を再生するためのコンテンツデータの一部または全部を半導体記憶手段(例えば主記憶装置など)に一時的に記憶させる第1記憶工程と、通常プロセスを実行する前に、付加画像を再生するための付加プロセスを生成し、これを待機させる第2生成工程(図4中のステップS13参照)と、第2生成工程において、付加画像を再生するためのコンテンツデータの一部または全部を半導体記憶手段に一時的に記憶させる第2記憶工程と、スケジュール情報に従って通常プロセスを実行する第1実行工程と、第1実行工程において、半導体記憶手段に一時的に記憶されたコンテンツデータを用いて、通常プロセスに係る番組を再生する第1再生工程と、イベントが発生したか否かを判定するイベント判定工程と、イベント判定工程においてイベントの発生が判定されたとき、付加プロセスを実行し、これにより通常プロセスに係る番組に付加画像を重ね合わせる重ね合わせ工程(図8中のステップS43参照)とを備えている。そして、重ね合わせ工程においては、半導体記憶手段に記憶されたコンテンツデータを用いて付加画像を番組に重ね合わせる。
本発明の番組再生方法の第3実施形態によれば、スケジュール情報に基づく通常の番組の開始前に、付加画像を再生するための付加プロセスを生成し、これを待機させる構成としたから、イベントが発生したときには、迅速に(空き時間なしに)、通常の番組に付加画像を付加することができる。
また、番組再生方法の第3実施形態において、付加画像を、その全面が所定の一色で塗られた画像とし、付加プロセスの実行時に、この付加画像を通常の番組に重ね合わせることにより、番組の背景色を変更する構成とすれば、イベントの発生を管理者に確実に伝えながら、他方、一般の人々にイベントの発生を気付かれないようにすることができる。
なお、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う番組再生装置および番組再生方法並びにこれらの機能を実現するコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。