JP4710642B2 - ピストンポンプ - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、ブレーキ液圧制御装置に動力駆動の液圧源として採用されるピストンポンプ(プランジャポンプとも称される)に関する。
首記のピストンポンプの従来例として、下記特許文献1や特許文献2に示されるものなどがある。
特許文献1が開示しているピストンポンプは、バルブシート部材(バルブ座保持部材)と、そのバルブシート部材のバルブシート面(座面)に接離させて出口通路を開閉する弁体と、一端で前記弁体を前記バルブシート面に押圧する閉弁用のスプリングと、このスプリングの他端を支持するリテーナ(スプリング保持器)とでポンプ室の出口を開閉する吐出弁を構成している。また、リテーナを軸線方向に位置決めするために、ポンプハウジングに形成されたシリンダの入口を閉鎖するプラグ(バルブカバー)とポンプハウジングによって軸線方向に位置決めされるバルブシート部材との間にリテーナを挟み、さらに、ポンプハウジングに対する前記プラグの固定をかしめで行うようにしている。
しかしながら、プラグとバルブシート部材間にリテーナを挟み込むと、プラグをかしめ加工してポンプハウジングに固定するときにリテーナやバルブシート部材に軸線方向の圧縮力が加わり、その力で、バルブシート部材やリテーナが変形するなどしてリテーナを軸線方向に位置決めする面が変位する可能性が生じる。その位置決め面の変位が起こると、リテーナと吐出弁の弁体との位置関係が変化し、そのために、コイルスプリングによる弁体の押圧力(即ち吐出弁の開弁圧)が変化し、これが原因でポンプの吐出圧が変動してブレーキの性能にその影響が及ぶといった懸念が生じる。プラグをポンプハウジングにねじ込んで固定することも考えられるが、この場合にも、締付力の管理次第ではリテーナの位置決め面を変位させる圧縮力が発生して上記の懸念が生じる可能性がある。また、特許文献1はプラグをリテーナとして兼用する構造も開示しているが、この構造でも同様の問題が起こり得る。
一方、特許文献2が開示しているピストンポンプは、吐出弁を構成するバルブシート部材にリテーナを固定し、そのリテーナで弁体に閉弁力を加えるスプリングを支持するようにしており、プラグ固定に伴うリテーナ位置決め面の変位は起こらない。しかしながら、この特許文献2の構造は、バルブシート部材に形成した突出部の外周に切削加工による周溝を設け、その周溝にリテーナの端部に設けた内フランジを係止させる方法でバルブシート部材に対するリテーナの固定を行うので、周溝の切削加工、リテーナ端のフランジの曲げ加工が必要になり、製作コストが増大する。
特表2003−528244号公報 特開平11−37057号公報
この発明は、ピストンポンプの吐出性能を安定させるために、吐出弁の閉弁力発生用コイルスプリングを支持するリテーナの位置精度をコスト上昇が抑えられる方法で高めることを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、ピストンポンプのポンプ室の出口部
に配置される吐出弁を、前記シリンダ内で前記ポンプハウジングに固定されるバルブシー
ト部材と、そのバルブシート部材のバルブシート面に接離させる弁体と、その弁体を一端
で前記バルブシート面に押圧するコイルスプリングと、前記バルブシート部材とこのバル
ブシート部材が挿入される前記シリンダの入口を閉鎖するプラグとの間に配置されて前記
コイルスプリングの他端を支持するリテーナとで構成し、前記リテーナを前記バルブシー
ト部材に設けた位置決め面に当接させて軸線方向に位置決めし、このリテーナと前記プラ
グとの間に弾性部材を配置し、前記リテーナの前記弾性部材が配置される部分と、前記位置決め面を軸線方向に見て互いの位置が重なるように配置し、前記弾性部材を介して前記リテーナを前記バルブシート部材と前記プラグとで挟持するようにした。
このピストンポンプの好ましい形態を以下に列挙する。
(1)前記プラグを、ポンプハウジングに設けられた位置決め面に当接させて軸線方向に
位置決めし、位置決め点にプラグを固定してこのプラグのバルブシート部材側への移動を
前記位置決め面で規制する。
(2)前記弾性部材を、前記リテーナのコイルスプリング支持部よりもリテーナ径方向外
側に配置する。
(3)前記弾性部材を前記リテーナに一体に形成する。
(4)前記リテーナと一体の前記弾性部材を、前記プラグに向って外径が小さくなる円錐形状にする。
(5)前記リテーナを樹脂の成形体で形成する。
(6)前記リテーナに、バルブシート部材の位置決め面に当接させる鍔とその鍔に連なる
筒部とを形成し、前記筒部をバルブシート部材に設けられた突出部の外周に外嵌または内
周に圧入してリテーナをバルブシート部材で保持する。
(7)前記リテーナに吐出弁の弁体のリテーナ径方向移動量を規制する規制部を備えさせ
る。
(8)前記リテーナに、吐出弁の弁体のリフト量を規制するストッパを備えさせる。
(9)樹脂の成形体で前記リテーナを形成し、前記ストッパをリテーナと同一材料で前記
リテーナに一体に形成する。
(10)前記ストッパを前記コイルスプリングの内側に配置される凸状に形成して、前記コイルスプリングの傾倒を抑制可能なスプリング内径ガイド部として兼用する。
(11)前記ストッパの弁体リフト量規制面に、リフトした弁体に入口が塞がれて内部に
液体を封じ込める窪みを設ける。
(12)前記リテーナに、前記コイルスプリングの外周を囲うスプリング外径ガイド部を
設け、そのスプリング外径ガイド部に、前記コイルスプリングの外周と当接してコイルス
プリングの傾倒を抑制可能な内周面と、内径が前記弁体の外径よりも小さい小径部とを設け、前記小径部を前記弁体と当接可能に配置してその小径部で前記ストッパを形成する。
この発明のピストンポンプにおいては、バルブシート部材とプラグとの間に弾性部材を介在してリテーナが挟持されており、プラグ固定時に作用する軸線方向の押圧力が弾性部材の弾性変形によって吸収される。そのために、リテーナの位置決めに係るバルブシート部材の位置決め面に押圧力が伝わり難くなり、位置決め面の変位が抑えられてリテーナと弁体の好適な位置関係が保持される。その結果、コイルスプリングによる弁体の押圧力(開弁圧)が安定し、開弁圧の変動によるポンプの吐出圧の変化が無視できるものになる。
なお、上記(1)の構成を採用したピストンポンプは、ポンプハウジングに設けられた
位置決め面によって位置決め点からのプラグのバルブシート部材側へのさらなる移動が規制されるので、組み付け時にプラグが仮に強い力で押し込まれたとしても弾性部材の一定量を越えた圧縮が防止され、リテーナの位置決めに係るバルブシート部材の位置決め面の変位抑制の効果がより高まる。
また、上記(2)の構成を採用したピストンポンプは、弾性部材がリテーナのコイルスプリング支持部から外れた位置にあるので、前記コイルスプリング支持部が弾性部材の反力で変形することがなく、支持部の変形によるコイルスプリングの他端の変位が起こり難い。従って、これもポンプの吐出圧の安定化に役立つ。
上記(3)の構成を採用したピストンポンプは、弾性部材がリテーナに一体に形成されているので部品点数の削減が図れる。また、リテーナを樹脂の成形体で形成する(4)の構成を採用したピストンポンプにおいては、モールド成形によってバリのない軽量のリテーナを安価に簡単に作ることができる。例えば、金属板をプレス成形してリテーナを作ることも考えられるが、この場合、素材板を打ち抜くときに打抜きバリが発生しやすく、バリの除去工程が必要になる。その点、樹脂の成形品はそのバリの除去工程が不要である。
また、上記(5)のように、リテーナに、バルブシート部材の位置決め面に当接させる鍔とその鍔に連なる筒部とを形成したものは、前記筒部をバルブシート部材に設けられた突出部の外周に外嵌したり内周に圧入したりしてリテーナをバルブシート部材で保持し、吐出弁をアセンブリとして取り扱うことができ、ポンプの組み立てが簡単になって生産性の面で有利になるとともに、上述のバルブシート部材の周溝の加工やリテーナの曲げ加工が不要となり、バルブシート部材とリテーナを安価に簡単に作ることができる。
このほか、(6)の構成を採用したものにおいては、吐出弁の弁体のリテーナ径方向移動量を規制してその弁体の挙動を安定させることができ、また、(7)の構成を採用したものにおいては、吐出弁の弁体をバルブシート面に押圧するコイルスプリングのセット長を短縮することが可能になり(その理由については次項で詳しく述べる)、ポンプの軸長短縮、それによるコスト低減が図れる。
また、(8)の構成を採用したものは、弁体がストッパに衝突するときの衝撃がストッパを金属で形成したものに比べて小さくなり、ポンプ作動に伴う振動や騒音の発生を抑制することができる。
(9)の構成を採用したものにおいては、吐出弁の弁体をバルブシート面に押圧するコイルスプリングをストッパでガイドしてコイルスプリングのリテーナ径方向へのずれや所謂倒れを防止することができ、コイルスプリングの組み付け性の向上と弁体の作動安定性の向上につながる。
また、(10)の構成を採用したものは、弁体リフト量規制面の窪みに封じ込められる液体によってストッパに弁体が衝突するときの衝撃が吸収されるので、振動・騒音の抑制効果がより高まり、さらに、(11)の構成を採用したものにおいては、例えば(9)の構成を採用した場合と比較して、凸状部分を形成しなくても同構成と同様の効果が得られるようになる。即ち、リテーナの形状の単純化を図り得るようになる。
以下、添付図面の図1〜図8に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。図1及び図2に示すピストンポンプは、ポンプハウジング1に設けたシリンダ2にピストン3を挿入し、このピストン3と、吸入弁40と、吐出弁50と、ピストン3を駆動するカム4と、ピストン3を復帰させるスプリング5を組み合わせて構成される。6はポンプハウジング1に固定されてシリンダ2の入口を閉鎖するプラグ、7,8はピストン3の外周をシールするシールリングである。
ピストン3は、一端面をポンプ室9に臨ませており、駆動軸(図示せず)に取り付けたカム4の回転によってポンプ室9側に押し動かされ、その後、スプリング5によって押し戻される。その動作(往復運動)が繰り返されてポンプ室9の容積が増減し、液体(ブレーキ液)の吸入と吐出がなされる。
吸入弁40は、ピストン3に設けられて吸入路10に連通する通路3aの出口部に組み込まれている。ここでは、吸入弁40の一例として、ピストン3に設けたバルブシート面41と、このバルブシート面41に接離させて通路を開閉する弁体42と、この弁体42をバルブシート面41に押圧するコイルスプリング43と、このコイルスプリング43の一端を支えるリテーナ44を組み合わせたものを例示した。なお、この吸入弁40の態様としては上述のものに限らず、ピストン3の内部に設けた上述の通路3aを省いて吸入路10をポンプ室9に直接連通させ、その吸入路10に組み込んだものを採用することもある。
吐出弁50は、ポンプ室9の出口部(ポンプ室9とプラグ6との間)に配置されている
。この吐出弁50は、バルブシート部材51と、このバルブシート部材51に接離させて出口通路を開閉する弁体52と、一端で弁体52をバルブシート部材51のバルブシート面51aに押圧するコイルスプリング53と、コイルスプリング53の他端を支持するリテーナ54を備えている。
バルブシート部材51は、シリンダ2の長手途中に設けた位置決め面cf1に一端が当接されることで軸線方向に位置決めされている。このバルブシート部材51はシリンダ2に圧入されており、ポンプハウジング1との間がこの圧入によって生じる締付力で液密にシールされている。
リテーナ54は、バルブシート部材51に設けられた円筒状の突出部51bの先端に当接されている。突出部51bの先端は軸線方向の位置決め面cf2として使用される。このリテーナ54は、内径をコイルスプリング53の外径よりもそのコイルスプリング53の挿入に支障の無い程度に大きくした小径円筒部54aを有しており、その小径円筒部54aの底壁54bでコイルスプリング53の他端を支えている。また、小径円筒部54aの開口縁にはリテーナ径方向外側に延びる鍔54cが形成され、その鍔54cが位置決め面cf2に当接されることでリテーナ54は軸線方向に位置決めされている。さらに、例示のリテーナ54は、鍔54cの外端に円筒部54dを有しており、その円筒部54dに前記突出部51bが圧入されることでこの突出部51bの外周に外嵌されている。この構造は、リテーナ54をバルブシート部材51で保持することができ、吐出弁50をアセンブリにしてその取り扱い性を良くすることができるという点で有利であるが、円筒部54dを突出部51bの外周に嵌合固定させることは必須の要件とはならない。例えば、その変更例として図8に示すように、鍔54cに連設した円筒部54dを突出部51bの内周に圧入してリテーナ54をバルブシート部材51で保持するといった構造を採用してもよく、この構造も上記と同様の効果を期待できる。なお、円筒部54dに対する突出部51bの圧入、および、突出部51bに対する円筒部54dの圧入は、ポンプ組み立て後はプラグ6によっても突出部51bからのリテーナ54の外れが防止されるので、軽度の圧入でよい。
54eは、小径円筒部54aに設けた窓孔であり、ポンプ室9から吐出されたブレーキ液はその窓孔54eを通り抜け、プラグ6とバルブシート部材51との間の液室を通って吐出路11に流れる。
実施例のピストンポンプに採用したリテーナ54は、樹脂のモールド成形体で形成され
ており、鍔54cの部分に一体成形して設けられたプラグ6側に突出する弾性変形可能な突起54f(図3参照)を周方向に間隔をあけて複数個(好ましくは3個以上)備えている。その突起54fが弾性部材12としてバルブシート部材51とプラグ6との間に介在される。この突起54fは、ポンプハウジング1に取り付けられるプラグ6に押圧されて弾性変形する。その弾性変形によってプラグ6による押圧力が吸収されるため、位置決め面cf2に対する鍔54cの押し付け圧が小さくなり、リテーナ54を軸方向に位置決めする部分の変形、ひいては変位が抑制されてリテーナ54と弁体52の位置関係が安定する。また、コイルスプリング53のセット荷重よりも大きな弾性復元力を生じる突起54fがプラグ6との間に挟まれることによって、円筒部54dに対する突出部51bの圧入が軽度に行われている場合にもリテーナ54が押さえ込まれて図の位置に安定して保持される。
ここでは、プラグ6の一例として、その外周に設けた環状凸部6aとポンプハウジング1に設けられた位置決め面cf3との当接により軸線方向に位置決めされ、この状態でかしめ加工によってポンプハウジング1に固定されるものを示した。ポンプハウジング1には、かしめ加工による塑性変形部1aが形成される。本実施例ではその塑性変形部1aと位置決め面cf3との間に環状凸部6aが挟み込まれることでプラグ6がポンプハウジング1に固定される。このプラグ6とポンプハウジング1との間は、プラグ6の圧入やかしめによって生じる締付力を両者が接触した界面に作用させて液密にシールされる。
固定後のプラグ6は、位置決め点(環状凸部6aと位置決め面cf3との当接によって決まる配置位置を指す)からのバルブシート部材51側への移動が位置決め面cf3によって規制される。プラグ6をポンプハウジング1の位置決め面cf3に当接させて軸線方向に位置決めした状態で固定してこのプラグ6のバルブシート部材51側への移動を規制するこの構成は、プラグ6に仮に大きな押し込み力が働いたとしても、位置決め面cf2に対する鍔54cの押し付け圧の増加が起こらず、リテーナ54と弁体52の位置関係がより安定する効果が得られるが、必須ではない。
図4は、この発明のピストンポンプに採用するリテーナ54の他の実施形態を示している。この図4のリテーナ54は、金属の素材板を絞り加工して作られたものであって、円筒部54dに相当する部分を周方向に間隔をおいて切り起こして形成した複数の弾性爪54gを有している。前述の突起54fに代えて設けたその弾性爪54gをバルブシート部材51とプラグ6との間に介在させて弾性部材12として働かせ、プラグ6から加わる押圧力をこの弾性部材12で吸収してリテーナ54の位置決めに係る位置決め面cf2の変位を抑制する。その他の構成は、図1〜図3のリテーナと同じであるので説明を省く。
なお、上述したピストンポンプのように、弾性部材12をリテーナ54のコイルスプリング支持部よりも径方向外側に配置する構成は好ましいが、必須ではない。図1〜図3のリテーナに設けられる突起54fや図4のリテーナに設けられる弾性爪54gは、リテーナのコイルスプリング支持部である底壁54bよりも径方向外側に配置されており、この突起54fや弾性爪54gが軸線方向に押圧されても底壁54bの変位は起こらないという効果を奏する。
図5は、弾性部材12とリテーナ54の他の実施形態である。弾性部材12は、コスト面では図1〜図4に示したものが好ましいが、リテーナ54から独立させたゴムリングなどであってもよい。また、リテーナ54の窓孔54eを鍔54cを含む位置に設けることによって吐出ブレーキ液をプラグ6との間の液室を経由せずに送り出すことができる。
図6に、吐出弁50の弁体リフト量を規制するストッパ13を備えさせた例を示す。例示のストッパ13は、弾性部材12と共にリテーナ54に一体に形成されており、そのストッパ13に弁体52が衝突して弁体52のリフト量が規制される。コイルスプリング53のセット長を短くするとポンプの軸長が短縮され、コンパクト化やサイズ縮小によるコスト低減が図れるが、セット長を短くしたコイルスプリングは、密着するまで撓む(圧縮されて縮む)可能性が高まる。それが繰り返されると耐久性を高く維持することが困難となることがあるため、コイルスプリングが密着するまで撓むことを防止することが望まれる。ストッパ13を設けることでコイルスプリング53の撓み量を規制してその要求に応えることができる。
リテーナ54を樹脂の成形体で形成し、そのリテーナ54に同一材料で一体に形成されたストッパ13を備えさせると、衝撃吸収能の高いストッパが得られ、弁体52がストッパ13に衝突して発生する振動や騒音が金属で形成されたストッパを採用するものよりも小さくなる。また、樹脂の一体成形であれば別部品のストッパを後から組み合わせる手間も省かれ、生産性の面でも有利である。
例示のストッパ13は、リテーナ54に設けられた小径円筒部54aの底壁54bの内面中心に軸線方向に突出する形状(凸形状)とされており、コイルスプリング53の内側に挿入されてこのコイルスプリング53の内径部分に当接可能なスプリング内径ガイドとしても兼用される。この構造は、ストッパ13でコイルスプリング53のリテーナ径方向へのずれや倒れ(傾倒)を抑えて、コイルスプリング53の組み付け性の向上と弁体の作動安定性を高めるのに役立つ。
ストッパ13は、弁体リフト量規制面(弁体52を受け止める面)に、図7に示すような窪み14を設けた構造であってもよい。この構造は、吐出弁50が開弁して弁体52がストッパ13に衝突する位置までリフトしたときに窪み14の入口が弁体52によって塞がれ、このときに液路中の液体が窪み14に封じ込められ、そのときの作用で、ストッパ13に対する弁体衝突の衝撃が吸収されて振動、騒音の抑制効果がより高まるといった点で有利である。
ストッパ13は、図8に示すようなものであってもよい。図8のリテーナ54には、コイルスプリング53の外周を囲うスプリング外径ガイド部15が設けられている。このスプリング外径ガイド部15は、その内周面がコイルスプリング53の外径部分と当接することでこのコイルスプリング53のリテーナ径方向へのずれや傾倒を規制するものである。また、このスプリング外径ガイド部15は、内径が弁体52の外径よりも小さい部分(小径部)を有している。すなわち、スプリング外径ガイド部15の内側には弁体52側に向かって内径が拡大するテーパ部が設けられており、そのテーパ部がストッパ13として機能するようになっている。また、これに代えて、例えば、スプリング外径ガイド部15の入口や中ほどに段部を設けてその段部でストッパ13を形成してもよい。この図8のストッパ13も樹脂で形成すると、振動、騒音の抑制効果が期待できる。ストッパ13は弁体52のリフト量を規制できる構造をもつものであればよく、その形状などは特に問わないが、機能面では図6や図7に示すようなものがよく、簡素化面では図8に示すようなものが有利である。図8の構造は、円筒部54dやストッパ13となるテーパ部の内径面が弁体52の径方向移動量を規制する規制部としても機能し、弁体52の挙動が安定する効果もある。
なお、ストッパ13の効果は、弾性部材12の設置の有無とは無関係に発揮される。弁体リフト量の規制によるポンプの軸長短縮、それによるコスト低減のみを目的とする場合には、リテーナ54にストッパ13のみを備えさせて弾性部材12を省いたリテーナ54を使用することになる。
このほか、実施例で示した円筒部54dを円筒以外の形状のものに置き換えてもよい。周方向に連続した筒であることも必須ではない。また、実施例に示した突出部51bも、円筒状であることは必須でない。
この発明のピストンポンプの一例を示す断面図 図1のピストンポンプの要部拡大断面図 図1のピストンポンプに採用したリテーナの斜視図 リテーナの他の例を示す断面図 ピストンポンプの他の例の要部を示す拡大断面図 弁体のリフト量を規制するストッパをリテーナに設けた例を示す拡大断面図 リテーナに設けるストッパの変形例を示す拡大断面図 リテーナに設けるストッパの他の例を示す拡大断面図
符号の説明
1 ポンプハウジング
1a 塑性変形部
2 シリンダ
3 ピストン
4 カム
5 スプリング
6 プラグ
6a 環状凸部
7,8 シールリング
9 ポンプ室
10 吸入路
11 吐出路
12 弾性部材
13 ストッパ
14 窪み
15 スプリング外径ガイド部
40 吸入弁
50 吐出弁
41,51a バルブシート面
42,52 弁体
43,53 コイルスプリング
44,54 リテーナ
51 バルブシート部材
51b 突出部
54a 小径円筒部
54b 底壁
54c 鍔
54d 円筒部
54e 窓孔
54f 突起
54g 弾性爪
cf1〜cf3 位置決め面

Claims (13)

  1. 一面がポンプ室(9)に臨むピストン(3)をポンプハウジング(1)に形成されたシ
    リンダ(2)内で往復運動させて液体の吸入・吐出を行うピストンポンプであって、前記
    ポンプ室(9)の出口部に配置される吐出弁(50)を、前記シリンダ(2)内で前記ポ
    ンプハウジング(1)に固定されるバルブシート部材(51)と、そのバルブシート部材
    のバルブシート面(51a)に接離させる弁体(52)と、その弁体(52)を一端で前
    記バルブシート面(51a)に押圧するコイルスプリング(53)と、前記バルブシート
    部材(51)とこのバルブシート部材が挿入される前記シリンダ(2)の入口を閉鎖する
    プラグ(6)との間に配置されて前記コイルスプリング(53)の他端を支持するリテー
    ナ(54)とで構成し、前記リテーナ(54)を前記バルブシート部材(51)に設けた
    位置決め面(cf2)に当接させて軸線方向に位置決めし、このリテーナ(54)と前記
    プラグ(6)との間に弾性部材(12)を配置し、前記リテーナ(54)の前記弾性部材(12)が配置される部分と、前記位置決め面(cf2)を軸線方向に見て互いの位置が重なるように配置し、前記弾性部材(12)を介して前記リテーナ(54)を前記バルブシート部材(51)と前記プラグ(6)とで挟持したことを特徴とするピストンポンプ。
  2. 前記プラグ(6)を、ポンプハウジング(1)に設けられた位置決め面(cf3)に当
    接させて軸線方向に位置決めし、位置決め点に前記プラグ(6)を固定してこのプラグ(
    6)の前記バルブシート部材(51)側への移動を前記位置決め面(cf3)で規制する
    ようにした請求項1に記載のピストンポンプ。
  3. 前記弾性部材(12)を、前記リテーナ(54)のコイルスプリング支持部よりもリテ
    ーナ径方向外側に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のピストンポンプ。
  4. 前記弾性部材(12)を前記リテーナ(54)に一体に形成した請求項1〜3のいずれ
    かに記載のピストンポンプ。
  5. 前記リテーナ(54)と一体の前記弾性部材(12)を、前記プラグ(6)に向って外径が小さくなる円錐形状にしたことを特徴とする請求項4に記載のピストンポンプ。
  6. 前記リテーナ(54)を樹脂の成形体で形成したことを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載のピストンポンプ。
  7. 前記リテーナ(54)に、前記バルブシート部材(51)の位置決め面(cf2)に当
    接させる鍔(54c)とその鍔(54c)に連なる筒部(54d)とを形成し、前記筒部
    (54d)を前記バルブシート部材(51)に設けられた突出部(51b)の外周に外嵌
    または内周に圧入してリテーナ(54)をバルブシート部材(51)で保持した請求項1
    〜6のいずれかに記載のピストンポンプ。
  8. 前記リテーナ(54)に前記弁体(52)のリテーナ径方向移動量を規制する規制部を
    備えさせた請求項1〜7のいずれかに記載のピストンポンプ。
  9. 前記リテーナ(54)に、前記弁体(52)のリフト量を規制するストッパ(13)を
    備えさせたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のピストンポンプ。
  10. 樹脂の成形体で前記リテーナ(54)を形成し、前記ストッパ(13)をリテーナ(5
    4)と同一材料でリテーナ(54)に一体に形成したことを特徴とする請求項9に記載の
    ピストンポンプ。
  11. 前記ストッパ(13)を、前記コイルスプリング(53)の内側に配置される凸状に形
    成して、前記コイルスプリング(53)の傾倒を抑制可能なスプリング内径ガイド部とし
    て兼用するようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載のピストンポンプ。
  12. 前記ストッパ(13)の弁体リフト量規制面に、リフトした弁体(52)に入口が塞が
    れて内部に液体を封じ込める窪み(14)を設けたことを特徴とする請求項9〜11のい
    ずれかに記載のピストンポンプ。
  13. 前記リテーナ(54)に、前記コイルスプリング(53)の外周を囲うスプリング外径
    ガイド部(15)を設け、そのスプリング外径ガイド部(15)に、コイルスプリング(
    53)の外周と当接してコイルスプリング(53)の傾倒を抑制可能な内周面と、内径が
    前記弁体(52)の外径よりも小さい小径部とを設け、前記小径部を前記弁体(52)と
    当接可能に配置してその小径部で前記ストッパ(13)を形成したことを特徴とする請求
    項9又は10に記載のピストンポンプ。
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