JP4710362B2 - 動力出力装置及びその補機駆動装置 - Google Patents

動力出力装置及びその補機駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、動力出力装置及びその補機駆動装置に関し、特に、変速機の入力軸に伝達された原動機の動力を変速機により変速して変速機の出力軸に結合された負荷へ出力可能な動力出力装置にて用いられ、原動機と負荷との間で伝達される動力の一部により補機を駆動する装置に関する。
例えば車両等の負荷を駆動するための動力出力装置において、油圧ポンプやオルタネータ(発電機)等の補機は、エンジンの動力の一部により駆動されるのが一般的である。ただし、この場合は、補機の回転速度がエンジン回転速度に依存するため、補機の回転速度を負荷の駆動状態に応じて適切に制御することが困難となる。例えば補機が油圧ポンプである場合は、エンジン回転速度が高くなるに従い、油圧ポンプの無駄吐出流量が増大するため、油圧ポンプの駆動効率が低下してしまうことになる。
下記特許文献1には、無段変速機用の油圧ポンプを電動モータにより駆動し、電動モータの回転速度を制御することで、油圧ポンプの吐出流量を制御することが開示されている。さらに、下記特許文献1には、エンジンの動力の一部により駆動される無段変速機用の油圧ポンプに可変容量ポンプを用い、可変容量ポンプの容量を変化させることで、油圧ポンプの吐出流量を調整することも開示されている。
その他にも、下記特許文献2による無段変速機用の油圧ポンプの駆動装置が開示されている。
特開平1−135956号公報 特開平11−280643号公報
特許文献1における油圧ポンプを電動モータにより駆動する構成では、電動モータを用いているため、電動モータを駆動制御するドライバ回路を含めてコスト高を招くという問題点がある。さらに、特許文献1における可変容量ポンプを用いた構成では、可変容量ポンプは容積効率が低いため、油圧ポンプを効率よく駆動することが困難であるという問題点がある。以上のように、特許文献1においては、簡単な構成で補機を効率よく駆動することが困難であるという問題点がある。
本発明は、簡単な構成で補機を効率よく駆動することができる動力出力装置及びその補機駆動装置を提供することを目的とする。
本発明に係る動力出力装置及びその補機駆動装置は、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る動力出力装置の補機駆動装置は、変速機の入力軸に伝達された原動機の動力を変速機により変速して変速機の出力軸に結合された負荷へ出力可能な動力出力装置にて用いられ、原動機と負荷との間で伝達される動力の一部により補機を駆動する補機駆動装置であって、原動機から変速機の入力軸に至る入力側動力伝達経路にて取り出した動力を用いて補機を駆動する入力側駆動と、変速機の出力軸から負荷に至る出力側動力伝達経路にて取り出した動力を用いて補機を駆動する出力側駆動と、のいずれかを選択的に行う動力切替機構を備え、動力切替機構は、前記入力側動力伝達経路に伝達された動力の一部が伝達可能な入力側駆動用回転要素と、前記出力側動力伝達経路に伝達された動力の一部が伝達可能な出力側駆動用回転要素と、前記入力側動力伝達経路に伝達された動力の一部を入力側駆動用回転要素へ伝達することが可能な入力側伝達用回転要素と、前記出力側動力伝達経路に伝達された動力の一部を出力側駆動用回転要素へ伝達することが可能な出力側伝達用回転要素と、を含む動力伝達機構と、入力側駆動用回転要素を補機に結合することで前記入力側駆動を行い、出力側駆動用回転要素を補機に結合することで前記出力側駆動を行う結合機構と、を有し、動力伝達機構は、結合機構により入力側駆動用回転要素が補機に結合されている場合は、入力側伝達用回転要素に伝達された動力を入力側駆動用回転要素及び出力側伝達用回転要素に分配し、結合機構により出力側駆動用回転要素が補機に結合されている場合は、出力側伝達用回転要素に伝達された動力を出力側駆動用回転要素及び入力側伝達用回転要素に分配することを要旨とする。
また、本発明の一態様では、動力伝達機構は、結合機構により入力側駆動用回転要素が補機に結合されている場合に、入力側伝達用回転要素の回転速度が出力側伝達用回転要素の回転速度より高いときは、入力側駆動用回転要素の回転速度が入力側伝達用回転要素の回転速度及び出力側伝達用回転要素の回転速度より高くなる状態で、入力側伝達用回転要素に伝達された動力を入力側駆動用回転要素及び出力側伝達用回転要素に分配し、出力側伝達用回転要素の回転速度が入力側伝達用回転要素の回転速度より高いときは、入力側駆動用回転要素の回転速度が入力側伝達用回転要素の回転速度及び出力側伝達用回転要素の回転速度より低くなる状態で、入力側伝達用回転要素に伝達された動力を入力側駆動用回転要素及び出力側伝達用回転要素に分配することが好適である。
また、本発明の一態様では、動力伝達機構は、結合機構により出力側駆動用回転要素が補機に結合されている場合に、出力側伝達用回転要素の回転速度が入力側伝達用回転要素の回転速度より高いときは、出力側駆動用回転要素の回転速度が入力側伝達用回転要素の回転速度及び出力側伝達用回転要素の回転速度より高くなる状態で、出力側伝達用回転要素に伝達された動力を出力側駆動用回転要素及び入力側伝達用回転要素に分配し、入力側伝達用回転要素の回転速度が出力側伝達用回転要素の回転速度より高いときは、出力側駆動用回転要素の回転速度が入力側伝達用回転要素の回転速度及び出力側伝達用回転要素の回転速度より低くなる状態で、出力側伝達用回転要素に伝達された動力を出力側駆動用回転要素及び入力側伝達用回転要素に分配することが好適である。
また、本発明に係る動力出力装置の補機駆動装置は、変速機の入力軸に伝達された原動機の動力を変速機により変速して変速機の出力軸に結合された負荷へ出力可能な動力出力装置にて用いられ、原動機と負荷との間で伝達される動力の一部により補機を駆動する補機駆動装置であって、原動機から変速機の入力軸に至る入力側動力伝達経路にて取り出した動力を用いて補機を駆動する入力側駆動と、変速機の出力軸から負荷に至る出力側動力伝達経路にて取り出した動力を用いて補機を駆動する出力側駆動と、のいずれかを選択的に行う動力切替機構を備え、動力切替機構は、前記入力側動力伝達経路に伝達された動力の一部が伝達可能な入力側駆動用回転要素と、前記出力側動力伝達経路に伝達された動力の一部が伝達可能な出力側駆動用回転要素と、前記入力側動力伝達経路に伝達された動力の一部を入力側駆動用回転要素へ伝達することが可能な入力側伝達用回転要素と、前記出力側動力伝達経路に伝達された動力の一部を出力側駆動用回転要素へ伝達することが可能な出力側伝達用回転要素と、を含む動力伝達機構と、入力側駆動用回転要素を補機に結合することで前記入力側駆動を行い、出力側駆動用回転要素を補機に結合することで前記出力側駆動を行う結合機構と、を有し、動力伝達機構は、各々がサンギアとキャリアとリングギアを回転要素として含む複数の遊星歯車により構成された遊星歯車機構であって、該遊星歯車機構が2自由度の回転自由度を有するように各遊星歯車の回転要素のいずれかが他の遊星歯車の回転要素のいずれかと結合または共用化された遊星歯車機構を有し、入力側駆動用回転要素と出力側駆動用回転要素と入力側伝達用回転要素と出力側伝達用回転要素が、前記遊星歯車機構の回転要素により構成されていることを要旨とする
また、本発明に係る動力出力装置の補機駆動装置は、変速機の入力軸に伝達された原動機の動力を変速機により変速して変速機の出力軸に結合された負荷へ出力可能な動力出力装置にて用いられ、原動機と負荷との間で伝達される動力の一部により補機を駆動する補機駆動装置であって、原動機から変速機の入力軸に至る入力側動力伝達経路にて取り出した動力を用いて補機を駆動する入力側駆動と、変速機の出力軸から負荷に至る出力側動力伝達経路にて取り出した動力を用いて補機を駆動する出力側駆動と、のいずれかを選択的に行う動力切替機構と、前記入力側駆動による補機の駆動性能と前記出力側駆動による補機の駆動性能とを推定し、該推定した補機の駆動性能に基づいて前記入力側駆動と前記出力側駆動とのいずれを行うかを選択する駆動選択手段と、を備えることを要旨とする
また、本発明の一態様では、補機は、入力される動力を基に流体を出力するポンプであり、駆動選択手段は、前記補機の駆動性能として、ポンプから出力される流体の流量を推定することが好適である。この態様では、駆動選択手段は、ポンプの要求流量と前記入力側駆動によるポンプの推定流量と前記出力側駆動によるポンプの推定流量とに基づいて、前記入力側駆動と前記出力側駆動とのいずれを行うかを選択することが好適である。また、この態様では、ポンプは、入力される動力を基に変速機にて用いられる作動油を出力することが好適である。
また、本発明の一態様では、補機は、入力される動力を基に発電を行う発電機であり、駆動選択手段は、前記補機の駆動性能として、発電機の効率を推定することが好適である。この態様では、駆動選択手段は、前記入力側駆動による発電機の推定効率が前記出力側駆動による発電機の推定効率より高い場合には、前記入力側駆動を行う方を選択し、前記出力側駆動による発電機の推定効率が前記入力側駆動による発電機の推定効率より高い場合には、前記出力側駆動を行う方を選択することが好適である。
また、本発明に係る動力出力装置は、変速機の入力軸に伝達された原動機の動力を変速機により変速して変速機の出力軸に結合された負荷へ出力可能な動力出力装置であって、原動機と負荷との間で伝達される動力の一部により補機を駆動する補機駆動装置を備え、該補機駆動装置が、本発明に係る動力出力装置の補機駆動装置であることを要旨とする。
本発明によれば、原動機から変速機の入力軸に至る入力側動力伝達経路にて取り出した動力を用いて補機を駆動する入力側駆動と、変速機の出力軸から負荷に至る出力側動力伝達経路にて取り出した動力を用いて補機を駆動する出力側駆動と、のいずれかを選択的に行うことで、補機の回転速度を変化させることができる。したがって、簡単な構成で原動機と負荷との間で伝達される動力の一部を利用して補機を効率よく駆動することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る補機駆動装置を備えた動力出力装置の概略構成を示す図である。本実施形態に係る動力出力装置は、エンジン10の動力を変速機14により変速して負荷へ出力可能であり、エンジン10と負荷との間で伝達される動力の一部により補機を駆動する。なお、本実施形態に係る動力出力装置は、例えば車両の駆動に用いられるものである。
エンジン10の発生する動力は、トルクコンバータ16及び前後進切替装置18を介して変速機14の入力軸26に伝達される。変速機14は、入力軸26に伝達された動力を変速して出力軸36へ伝達する。変速機14の出力軸36に伝達された動力は、出力軸36に結合された負荷(図示せず)へ出力されることで、例えば車両の駆動等の負荷の駆動に用いられる。
なお、図1では、変速機14の一例として、ベルト式無段変速機(CVT)を示している。ベルト式無段変速機14は、入力軸26に連結されたプライマリプーリ30、出力軸36に連結されたセカンダリプーリ32、及びプライマリプーリ30とセカンダリプーリ32とに巻き掛けられた無端ベルト34を備えており、プライマリプーリ30及びセカンダリプーリ32への無端ベルト34の掛かり径を変化させることで変速比γ(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)を変更する。ただし、ここでの変速機14の種類は特に限定されるものではなく、例えば多段式の自動変速機(AT)であってもよいし、手動変速機(MT)であってもよい。変速機14が自動変速機(AT)である場合は、エンジン10の動力はトルクコンバータ16を介して変速機14の入力軸26に伝達される。また、変速機14が手動変速機(MT)である場合は、エンジン10の動力はクラッチ(図示せず)を介して変速機14の入力軸26に伝達される。
本実施形態に係る動力出力装置においては、エンジン10と負荷との間で伝達される動力の一部により補機を駆動するために、以下に説明する動力伝達機構20及び結合機構22が設けられている。なお、図1では、補機の一例として、入力される動力を基にリザーバ52に貯溜された作動油を汲み上げて吐出する油圧ポンプ54を示している。ここでの油圧ポンプ54としては、例えば容積効率の高い固定容量式のものを用いることができる。油圧ポンプ54が吐出した作動油は、変速機14の変速比γを変更するための供給油圧に用いられる(変速機14がCVTやATの場合)他に、変速機14の各部の潤滑やトルクコンバータ16における動力の伝達や前後進切替装置18のクラッチ(図示せず)への供給油圧等にも用いられる。
動力伝達機構20は、各々がサンギアとキャリアとリングギアを回転要素として有する複数の遊星歯車により構成された遊星歯車機構を備えている。図1に示す例では、動力伝達機構20は、シングルピニオン遊星歯車とダブルピニオン遊星歯車とがキャリア及びリングギアを共用化した構成となっているラビニオ(Ravigneaux)型遊星歯車機構を備え、このラビニオ型遊星歯車機構は、サンギアS1,S2、キャリアCR、及びリングギアRを回転要素として有する。キャリアCRは、その回転速度Ncがエンジン回転速度Neと一致する状態で、エンジン10の出力軸10−1に結合されている。リングギアRは、その回転速度Nrが変速機14の出力軸回転速度Noutと一致する状態で、変速機14の出力軸36に結合されている。
結合機構22は、複数のクラッチC1,C2を備えている。クラッチC1は、サンギアS1と油圧ポンプ54との結合状態を切り替えることで、両者間における動力の断続を行う。サンギアS1と油圧ポンプ54の駆動軸54−1がクラッチC1により結合されたときは、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpは、サンギアS1の回転速度Ns1と一致する。一方、クラッチC2は、サンギアS2と油圧ポンプ54との結合状態を切り替えることで、両者間における動力の断続を行う。サンギアS2と油圧ポンプ54の駆動軸54−1がクラッチC2により結合されたときは、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpは、サンギアS2の回転速度Ns2と一致する。各クラッチC1,C2は、例えば油圧や電磁力を利用して係合/解放を切り替えることが可能であり、さらに、各クラッチC1,C2に供給する油圧力や電磁力を調整することで、各クラッチC1,C2の締結力を調整することもできる。
ラビニオ型遊星歯車機構において、サンギアS1,S2、キャリアCR、及びリングギアRの4つの回転要素の回転速度は、図2の共線図に示す共線関係にある。図2の共線図では、ラビニオ型遊星歯車機構の各回転要素がサンギアS1、キャリアCR、リングギアR、サンギアS2の順に配列されていることで、エンジン10の出力軸10−1に結合されたキャリアCR及び変速機14の出力軸36に結合されたリングギアRが油圧ポンプ54と結合可能なサンギアS1,S2間に配置されている。そして、ラビニオ型遊星歯車機構は2自由度の回転自由度を有する機構であり、サンギアS1,S2、キャリアCR、及びリングギアRの4つの回転要素のうち2つの回転要素の回転速度が決まると、残りの2つの回転要素の回転速度も決まる。例えばキャリアCRの回転速度Nc(エンジン回転速度Ne)及びリングギアRの回転速度Nr(変速機14の出力軸回転速度Nout)が決まると、サンギアS1,S2の回転速度Ns1,Ns2も決まる。
電子制御装置42は、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、入出力ポートと、を備える。この電子制御装置42には、図示しない各センサにより検出されたスロットル開度Aを示す信号、エンジン回転速度Neを示す信号、変速機14の入力軸回転速度Ninを示す信号、変速機14の出力軸回転速度Noutを示す信号、及び車速Vを示す信号等が入力ポートを介して入力されている。一方、電子制御装置42からは、変速機14の変速比γを制御するための変速制御信号CS_1(変速機14がCVTやATの場合)、及びクラッチC1,C2の締結力を制御するためのクラッチ制御信号CS_2等が出力ポートを介して出力されている。
次に、本実施形態に係る動力出力装置の動作、特に、補機(油圧ポンプ54)を駆動する動作について説明する。
まずサンギアS1と油圧ポンプ54がクラッチC1の係合により結合されているとともに、サンギアS2と油圧ポンプ54のクラッチC2による結合が解除されている場合の動作について説明する。その場合において、エンジン10の動力により負荷を駆動するときは、図3(A)の動力の流れを説明する図に示すように、エンジン10の動力の一部が出力軸10−1にて取り出されてキャリアCRに伝達される。一方、負荷のエネルギーを回生するとき(負荷の減速運転時)には、図3(B)の動力の流れを説明する図に示すように、負荷の動力が変速機14を介してエンジン10の出力軸10−1に伝達され、この伝達された動力の一部が出力軸10−1にて取り出されてキャリアCRに伝達される。キャリアCRに伝達された動力は、図4(A)の共線図、図3(A)及び図3(B)に示すように、サンギアS1及びリングギアRに分配され、サンギアS1に伝達された動力により油圧ポンプ54が回転駆動される。このように、サンギアS1には、エンジン10の出力軸10−1に伝達された動力の一部がキャリアCRを介して伝達される。また、リングギアRに伝達された動力は、変速機14の出力軸36に伝達される。以上のように、サンギアS1と油圧ポンプ54がクラッチC1により結合されている場合は、エンジン10の出力軸10−1にて取り出した動力を用いて油圧ポンプ54を回転駆動する入力側駆動が行われる。そして、エンジン10の動力により負荷を駆動するときには、エンジン10の動力の一部を変速機14を介さずに油圧ポンプ54に伝達させることができる。
入力側駆動が行われている場合に、リングギアRの回転速度NrがキャリアCRの回転速度Ncより高い(出力軸回転速度Noutがエンジン回転速度Neより高い)ときは、図5(A)の共線図に示すように、サンギアS1の回転速度Ns1がリングギアRの回転速度Nr及びキャリアCRの回転速度Ncより低くなる状態で、キャリアCRの動力がサンギアS1及びリングギアRに分配される。このときは、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpが出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより低くなり、サンギアS2の回転速度Ns2が出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより高くなる。一方、キャリアCRの回転速度NcがリングギアRの回転速度Nrより高い(エンジン回転速度Neが出力軸回転速度Noutより高い)ときは、図5(B)の共線図に示すように、サンギアS1の回転速度Ns1がリングギアRの回転速度Nr及びキャリアCRの回転速度Ncより高くなる状態で、キャリアCRの動力がサンギアS1及びリングギアRに分配される。このときは、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpが出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより高くなり、サンギアS2の回転速度Ns2が出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより低くなる。また、キャリアCRの回転速度NcがリングギアRの回転速度Nrに等しいときは、サンギアS1の回転速度Ns1、リングギアRの回転速度Nr、及びキャリアCRの回転速度Ncが等しくなる。すなわち、油圧ポンプ54の回転速度N_pump、出力軸回転速度Nout、及びエンジン回転速度Neが等しくなる。以上のことから、入力側駆動が行われている場合、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpは、変速機(CVT)14の変速比γに応じて連続的に変化する。そのため、油圧ポンプ54の吐出流量Qpも、変速機(CVT)14の変速比γに応じて連続的に変化する。
次に、サンギアS2と油圧ポンプ54がクラッチC2の係合により結合されているとともに、サンギアS1と油圧ポンプ54のクラッチC1による結合が解除されている場合の動作について説明する。その場合において、エンジン10の動力により負荷を駆動するときは、図3(C)の動力の流れを説明する図に示すように、エンジン10の動力が変速機14を介して出力軸36に伝達され、この伝達された動力の一部が出力軸36にて取り出されてリングギアRに伝達される。一方、負荷のエネルギーを回生するとき(負荷の減速運転時)には、図3(D)の動力の流れを説明する図に示すように、負荷の動力の一部が出力軸36にて取り出されてリングギアRに伝達される。リングギアRに伝達された動力は、図4(B)の共線図、図3(C)及び図3(D)に示すように、サンギアS2及びキャリアCRに分配され、サンギアS2に伝達された動力により油圧ポンプ54が回転駆動される。このように、サンギアS2には、変速機14の出力軸36に伝達された動力の一部がリングギアRを介して伝達される。また、キャリアCRに伝達された動力は、エンジン10の出力軸10−1に伝達される。以上のように、サンギアS2と油圧ポンプ54がクラッチC2により結合されている場合は、変速機14の出力軸36にて取り出した動力を用いて油圧ポンプ54を回転駆動する出力側駆動が行われる。そして、負荷のエネルギーを回生するときには、負荷の動力の一部を変速機14を介さずに油圧ポンプ54に伝達させることができるので、負荷のエネルギーの回生時における油圧ポンプ54の駆動効率を向上させることができる。なお、図3では、トルクコンバータ16及び前後進切替装置18の図示を省略している。
出力側駆動が行われている場合に、リングギアRの回転速度NrがキャリアCRの回転速度Ncより高いときは、図5(C)の共線図に示すように、サンギアS2の回転速度Ns2がリングギアRの回転速度Nr及びキャリアCRの回転速度Ncより高くなる状態で、リングギアRの動力がサンギアS2及びキャリアCRに分配される。このときは、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpが出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより高くなり、サンギアS1の回転速度Ns1が出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより低くなる。一方、キャリアCRの回転速度NcがリングギアRの回転速度Nrより高いときは、図5(D)の共線図に示すように、サンギアS2の回転速度Ns2がリングギアRの回転速度Nr及びキャリアCRの回転速度Ncより低くなる状態で、リングギアRの動力がサンギアS2及びキャリアCRに分配される。このときは、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpが出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより低くなり、サンギアS1の回転速度Ns1が出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより高くなる。また、キャリアCRの回転速度NcがリングギアRの回転速度Nrに等しいときは、油圧ポンプ54の回転速度N_pump、出力軸回転速度Nout、及びエンジン回転速度Neが等しくなる。以上のことから、出力側駆動が行われている場合も、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpは、変速機(CVT)14の変速比γに応じて連続的に変化し、油圧ポンプ54の吐出流量Qpも、変速機(CVT)14の変速比γに応じて連続的に変化する。
以上のことから、油圧ポンプ54の駆動軸54−1に結合する動力伝達機構20の回転要素(サンギアS1,S2)を結合機構22(クラッチC1,C2)により切り替えることで、前述の入力側駆動による油圧ポンプ54の駆動と出力側駆動による油圧ポンプ54の駆動とを切り替えることができる。この切り替えによって、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpを変化させることができ、油圧ポンプ54の吐出流量Qpを変化させることができる。このように、動力伝達機構20及び結合機構22が入力側駆動または出力側駆動を選択的に行う動力切替機構として機能する。
ここで、図5の共線図に示すように、サンギアS1,S2のいずれか一方の回転速度は、エンジン回転速度Ne以下となる。そのため、油圧ポンプ54の駆動軸54−1に結合するサンギアS1,S2の切り替え制御により、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpをエンジン回転速度Ne以下に制御することができる。また、図5の共線図に示すように、サンギアS1,S2のいずれか他方の回転速度は、エンジン回転速度Ne以上となる。そのため、油圧ポンプ54の駆動軸54−1に結合するサンギアS1,S2の切り替え制御により、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpをエンジン回転速度Ne以上に制御することもできる。さらに、サンギアS1,S2の回転速度Ns1,Ns2は、変速機(CVT)14の変速比γに応じて連続的に変化する。以上のことから、本実施形態においては、油圧ポンプ54の駆動軸54−1に結合するサンギアS1,S2をクラッチC1,C2により切り替えることで、油圧ポンプ54の吐出流量Qpを柔軟に変化させることができる。なお、ここでのサンギアS1,S2の切り替えについては、例えば、電子制御装置42からのクラッチ制御信号CS_2により、係合された一方のクラッチの締結力を徐々に低下させるとともに、解放された他方のクラッチの締結力を徐々に増大させることで行うことができる。
電子制御装置42は、油圧ポンプ54の吐出流量Qpを制御するために、前述の入力側駆動により補機(油圧ポンプ54)を駆動するか、あるいは前述の出力側駆動により補機(油圧ポンプ54)を駆動するかを、負荷の駆動状態に応じて選択する。以下、電子制御装置42により入力側駆動または出力側駆動を選択する処理について説明する。図6は、電子制御装置42により実行される補機駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎に繰り返して実行される。
この補機駆動制御ルーチンが実行されると、電子制御装置42のCPUは、まずステップS101において、各種信号の入力処理を実行する。ここでの入力信号は、エンジン回転速度Neを示す信号、変速機14の出力軸回転速度Noutを示す信号、及び車速Vを示す信号等である。
こうして入力信号処理を実行すると、次にステップS102において、油圧ポンプ54の要求流量Qreqが算出される。ここでの要求流量Qreqについては、例えば車速V(あるいは出力軸回転速度Nout)を用いて算出することができる。そして、車速V(あるいは出力軸回転速度Nout)の増大に対して要求流量Qreqも増大する。
次に、ステップS103においては、補機(油圧ポンプ54)の駆動性能として、入力側駆動による油圧ポンプ54の推定流量Qs1、及び出力側駆動による油圧ポンプ54の推定流量Qs2が算出される。ここでは、油圧ポンプ54の容量をqp(固定値)とすると、例えば以下の(1)、(2)式により、推定流量Qs1,Qs2を算出することができる。以下の(1)、(2)式において、サンギアS1,S2の回転速度Ns1,Ns2は、エンジン回転速度Ne及び出力軸回転速度Noutから算出することができる。また、油圧ポンプ54の効率を考慮して推定流量Qs1,Qs2を算出することもできる。
Qs1=Ns1×qp (1)
Qs2=Ns2×qp (2)
次に、ステップS104においては、Qs1≧QreqとQs2≧Qreqの両方が成立しているか否かが判定される。Qs1≧QreqとQs2≧Qreqの両方が成立している場合(ステップS104の判定結果がYesの場合)は、ステップS105に進む。一方、Qs1≧QreqとQs2≧Qreqの両方が成立していない場合(ステップS104の判定結果がNoの場合)は、ステップS106に進む。
ステップS105においては、サンギアS1,S2のうち、回転速度が低い方のギアが油圧ポンプ54の駆動軸54−1に結合されるように、クラッチ制御信号CS_2が設定される。ここでは、エンジン回転速度Neが変速機14の出力軸回転速度Noutより低いときは、サンギアS1と油圧ポンプ54がクラッチC1により結合されることで、入力側駆動が選択される。一方、エンジン回転速度Neが変速機14の出力軸回転速度Noutより高いときは、サンギアS2と油圧ポンプ54がクラッチC2により結合されることで、出力側駆動が選択される。これによって、油圧ポンプ54の吐出流量Qpが、以下の(3)式に設定される。ただし、(3)式のmin{Ns1,Ns2}は、Ns1,Ns2のうち、回転速度が低い方の値を表す。そして、本ルーチンの実行を終了する。
Qp=min{Ns1,Ns2}×qp (3)
一方、ステップS106においては、サンギアS1,S2のうち、回転速度が高い方のギアが油圧ポンプ54の駆動軸54−1に結合されるように、クラッチ制御信号CS_2が設定される。ここでは、エンジン回転速度Neが変速機14の出力軸回転速度Noutより高いときは、サンギアS1と油圧ポンプ54がクラッチC1により結合されることで、入力側駆動が選択される。一方、エンジン回転速度Neが変速機14の出力軸回転速度Noutより低いときは、サンギアS2と油圧ポンプ54がクラッチC2により結合されることで、出力側駆動が選択される。これによって、油圧ポンプ54の吐出流量Qpが、以下の(4)式に設定される。ただし、(4)式のmax{Ns1,Ns2}は、Ns1,Ns2のうち、回転速度が高い方の値を表す。そして、本ルーチンの実行を終了する。
Qp=max{Ns1,Ns2}×qp (4)
なお、ステップS105またはステップS106において、エンジン回転速度Neが変速機14の出力軸回転速度Noutに等しいときは、入力側駆動を選択してもよいし、出力側駆動を選択してもよい。また、以上の補機駆動制御ルーチンにおいて、油圧ポンプ54の容量qpは、以下の(5)式を常に満たすように予め設定されている。
max{Ns1,Ns2}×qp≧Qreq (5)
以上説明したように、本実施形態においては、前述の入力側駆動による油圧ポンプ54の駆動と出力側駆動による油圧ポンプ54の駆動とを選択的に切り替えることで、油圧ポンプ54の吐出流量Qpを変化させることができる。そして、入力側駆動または出力側駆動の選択により、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpをエンジン回転速度Ne以上に制御するか、あるいはエンジン回転速度Ne以下に制御するかを選択することができる。例えば油圧ポンプ54の要求流量Qreqが大きいときは、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpをエンジン回転速度Ne以上となるように入力側駆動または出力側駆動を選択することで、エンジン回転速度Neが低いときでも十分な油圧ポンプ54の吐出流量Qpを確保することができる。一方、油圧ポンプ54の要求流量Qreqが小さいときは、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpをエンジン回転速度Ne以下となるように入力側駆動または出力側駆動を選択することで、エンジン回転速度Neが高いときでも油圧ポンプ54の吐出流量Qpを抑制することができる。さらに、油圧ポンプ54の吐出流量Qpは、変速機(CVT)14の変速比γに応じて連続的に変化する。以上のことから、本実施形態によれば、簡単な構成で補機(油圧ポンプ54)を要求流量Qreqに応じて効率よく駆動することができる。
なお、特許文献2には、エンジンの動力の一部によりタンデム駆動される無段変速機用の油圧ポンプを2つ設け、一方の油圧ポンプの吐出口とリザーバとの連通を電磁弁により開閉することで、油圧ポンプ全体の容量を2段階に変化させることが開示されている。しかし、特許文献2においては、エンジン回転速度に対応した油圧ポンプ全体の吐出流量を2通りにしか切り替えることができないため、油圧ポンプ全体の吐出流量の調整を柔軟に行うことが困難となる。これに対して本実施形態においては、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpをエンジン回転速度Ne以下にもエンジン回転速度Ne以上にも制御することができ、さらに、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpを変速機(CVT)14の変速比γに応じて連続的に変化させることができる。したがって、油圧ポンプ54の吐出流量Qpを柔軟に制御することができる。
次に、本実施形態の他の構成例について説明する。
「遊星歯車機構の他の構成例」
図7に示す構成例においては、図1に示す構成例と比較して、ラビニオ型遊星歯車機構のリングギアRは、その回転速度Nrがエンジン回転速度Neと一致する状態で、エンジン10の出力軸10−1に結合されている。そして、キャリアCRは、その回転速度Ncが変速機14の出力軸回転速度Noutと一致する状態で、変速機14の出力軸36に結合されている。他の構成については、図1に示す構成例と同様である。
図7に示す構成例において、サンギアS1と油圧ポンプ54がクラッチC1の係合により結合されている場合の動作について説明する。その場合において、エンジン10の動力により負荷を駆動するときは、図8(A)の動力の流れを説明する図に示すように、エンジン10の動力が変速機14を介して出力軸36に伝達され、この伝達された動力の一部が出力軸36にて取り出されてキャリアCRに伝達される。一方、負荷のエネルギーを回生するときには、図8(B)の動力の流れを説明する図に示すように、負荷の動力の一部が出力軸36にて取り出されてキャリアCRに伝達される。キャリアCRに伝達された動力は、図8(A)及び図8(B)に示すように、サンギアS1及びリングギアRに分配される。そして、サンギアS1に伝達された動力により油圧ポンプ54が回転駆動されることで、出力側駆動が行われる。
出力側駆動が行われている場合に、リングギアRの回転速度NrがキャリアCRの回転速度Ncより高いときは、図9(A)の共線図に示すように、サンギアS1の回転速度Ns1がリングギアRの回転速度Nr及びキャリアCRの回転速度Ncより低くなる状態で、キャリアCRの動力がサンギアS1及びリングギアRに分配される。このときは、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpが出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより低くなり、サンギアS2の回転速度Ns2が出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより高くなる。一方、キャリアCRの回転速度NcがリングギアRの回転速度Nrより高いときは、図9(B)の共線図に示すように、サンギアS1の回転速度Ns1がリングギアRの回転速度Nr及びキャリアCRの回転速度Ncより高くなる状態で、キャリアCRの動力がサンギアS1及びリングギアRに分配される。このときは、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpが出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより高くなり、サンギアS2の回転速度Ns2が出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより低くなる。
次に、サンギアS2と油圧ポンプ54がクラッチC2の係合により結合されている場合において、エンジン10の動力により負荷を駆動するときは、図8(C)の動力の流れを説明する図に示すように、エンジン10の動力の一部が出力軸10−1にて取り出されてリングギアRに伝達される。一方、負荷のエネルギーを回生するとき(負荷の減速運転時)には、図8(D)の動力の流れを説明する図に示すように、負荷の動力が変速機14を介してエンジン10の出力軸10−1に伝達され、この伝達された動力の一部が出力軸10−1にて取り出されてリングギアRに伝達される。リングギアRに伝達された動力は、図8(C)及び図8(D)に示すように、サンギアS2及びキャリアCRに分配される。そして、サンギアS2に伝達された動力により油圧ポンプ54が回転駆動されることで、入力側駆動が行われる。なお、図8では、トルクコンバータ16及び前後進切替装置18の図示を省略している。
入力側駆動が行われている場合に、リングギアRの回転速度NrがキャリアCRの回転速度Ncより高いときは、図9(C)の共線図に示すように、サンギアS2の回転速度Ns2がリングギアRの回転速度Nr及びキャリアCRの回転速度Ncより高くなる状態で、リングギアRの動力がサンギアS2及びキャリアCRに分配される。このときは、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpが出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより高くなり、サンギアS1の回転速度Ns1が出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより低くなる。一方、キャリアCRの回転速度NcがリングギアRの回転速度Nrより高いときは、図9(D)の共線図に示すように、サンギアS2の回転速度Ns2がリングギアRの回転速度Nr及びキャリアCRの回転速度Ncより低くなる状態で、リングギアRの動力がサンギアS2及びキャリアCRに分配される。このときは、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpが出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより低くなり、サンギアS1の回転速度Ns1が出力軸回転速度Nout及びエンジン回転速度Neより高くなる。
また、図10に示す構成例においては、動力伝達機構20は、シングルピニオン遊星歯車とダブルピニオン遊星歯車とがサンギア及びキャリアを共用化した構成となっているラビニオ型遊星歯車機構を備え、このラビニオ型遊星歯車機構は、サンギアS、キャリアCR、及びリングギアR1,R2を回転要素として有する。リングギアR2は、その回転速度Nr2がエンジン回転速度Neと一致する状態で、エンジン10の出力軸10−1に結合されている。キャリアCRは、その回転速度Ncが変速機14の出力軸回転速度Noutと一致する状態で、変速機14の出力軸36に結合されている。そして、結合機構22のクラッチC1は、リングギアR1と油圧ポンプ54との結合状態を切り替えることで、両者間における動力の断続を行う。一方、クラッチC2は、サンギアSと油圧ポンプ54との結合状態を切り替えることで、両者間における動力の断続を行う。他の構成については、図1に示す構成例と同様である。
図10に示すラビニオ型遊星歯車機構においても、サンギアS、キャリアCR、及びリングギアR1,R2の4つの回転要素の回転速度は、図11の共線図に示す共線関係にある。図11の共線図では、ラビニオ型遊星歯車機構の各回転要素がサンギアS、リングギアR2、キャリアCR、リングギアR1の順に配列されていることで、エンジン10の出力軸10−1に結合されたリングギアR2及び変速機14の出力軸36に結合されたキャリアCRが油圧ポンプ54と結合可能なサンギアSとリングギアR1との間に配置されている。そして、図10に示すラビニオ型遊星歯車機構も、2自由度の回転自由度を有する機構である。
図10に示す構成例において、サンギアSと油圧ポンプ54がクラッチC2の係合により結合されている場合は、エンジン10の出力軸10−1に伝達された動力の一部がリングギアR2に伝達される。リングギアR2に伝達された動力は、図11(A)の共線図に示すように、サンギアS及びキャリアCRに分配される。そして、サンギアSに伝達された動力により油圧ポンプ54が回転駆動されることで、入力側駆動が行われる。一方、リングギアR1と油圧ポンプ54がクラッチC1の係合により結合されている場合は、変速機14の出力軸36に伝達された動力の一部がキャリアCRに伝達される。キャリアCRに伝達された動力は、図11(B)の共線図に示すように、リングギアR1,R2に分配される。そして、リングギアR1に伝達された動力により油圧ポンプ54が回転駆動されることで、出力側駆動が行われる。
また、図12に示す構成例においては、図10に示す構成例と比較して、ラビニオ型遊星歯車機構のキャリアCRは、その回転速度Ncがエンジン回転速度Neと一致する状態で、エンジン10の出力軸10−1に結合されている。リングギアR2は、その回転速度Nr2が変速機14の出力軸回転速度Noutと一致する状態で、変速機14の出力軸36に結合されている。他の構成については、図10に示す構成例と同様である。
図12に示す構成例において、リングギアR1と油圧ポンプ54がクラッチC1の係合により結合されている場合は、エンジン10の出力軸10−1に伝達された動力の一部がキャリアCRに伝達される。キャリアCRに伝達された動力は、図13(A)の共線図に示すように、リングギアR1,R2に分配される。そして、リングギアR1に伝達された動力により油圧ポンプ54が回転駆動されることで、入力側駆動が行われる。一方、サンギアSと油圧ポンプ54がクラッチC2の係合により結合されている場合は、変速機14の出力軸36に伝達された動力の一部がリングギアR2に伝達される。リングギアR2に伝達された動力は、図13(B)の共線図に示すように、サンギアS及びキャリアCRに分配される。そして、サンギアSに伝達された動力により油圧ポンプ54が回転駆動されることで、出力側駆動が行われる。
さらに、各回転要素の回転速度が共線関係にある2自由度の遊星歯車機構については、以上に説明したラビニオ型遊星歯車機構の他に、複数の遊星歯車を組み合わせた様々な構成を採り得ることができる。例えば遊星歯車機構を2つの遊星歯車を組み合わせて構成する場合は、一方の遊星歯車における2つの回転要素が他方の遊星歯車における2つの回転要素とそれぞれ結合されていることによっても、4つの回転要素の回転速度が共線関係にある2自由度の遊星歯車機構を得ることができる。このように、本実施形態の遊星歯車機構については、遊星歯車機構が2自由度の回転自由度を有するように、各遊星歯車の回転要素のいずれかが他の遊星歯車の回転要素のいずれかと結合または共用化された構成を採り得ることができる。
「補機の他の構成例」
以上の説明では、補機の一例として油圧ポンプ54を回転駆動する場合について説明した。ただし、以下に説明するように、本実施形態において駆動対象となる補機は、油圧ポンプ54に限定されるものではない。図14では、補機の一例として、入力される動力を基に発電を行うオルタネータ(発電機)50を示している。オルタネータ50により発電された電力は、バッテリ等の蓄電装置(図示せず)に蓄えられ、車両電装品(図示せず)の作動に用いられる。なお、図14では、動力伝達機構20及び結合機構22等の他の構成が図1の構成と同様である例を示している。
次に、補機がオルタネータ50である場合に、電子制御装置42により入力側駆動または出力側駆動を選択する処理について説明する。図15は、電子制御装置42により実行される補機駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎に繰り返して実行される。
この補機駆動制御ルーチンが実行されると、電子制御装置42のCPUは、まずステップS201において、各種信号の入力処理を実行する。ここでの入力信号は、エンジン回転速度Neを示す信号、及び変速機14の出力軸回転速度Noutを示す信号等である。
こうして入力信号処理を実行すると、次にステップS202において、補機(オルタネータ50)の駆動性能として、入力側駆動によるオルタネータ50の推定効率ηs1、及び出力側駆動によるオルタネータ50の推定効率ηs2が算出される。ここで、オルタネータ50の効率ηは、例えば図16に示すように、オルタネータ50の回転速度Ns及びトルクTsに対する特性マップで表すことができる。そこで、サンギアS1の回転速度Ns1及びトルクTs1から推定効率ηs1を算出することができ、サンギアS2の回転速度Ns2及びトルクTs2から推定効率ηs2を算出することができる。なお、サンギアS1,S2の回転速度Ns1,Ns2は、例えばエンジン回転速度Ne及び出力軸回転速度Noutから算出することができる。また、サンギアS1,S2のトルクTs1,Ts2は、例えばオルタネータ50の設定発電量及びサンギアS1,S2の回転速度Ns1,Ns2から算出することができる。
次に、ステップS203においては、ηs1≧ηs2が成立しているか否かが判定される。ηs1≧ηs2が成立している場合(ステップS203の判定結果がYesの場合)は、ステップS204に進む。一方、ηs1<ηs2であり、ηs1≧ηs2が成立していない場合(ステップS203の判定結果がNoの場合)は、ステップS205に進む。
ステップS204においては、サンギアS1がオルタネータ50の駆動軸50−1にクラッチC1により結合されることで、入力側駆動が選択される。そして、本ルーチンの実行を終了する。一方、ステップS205においては、サンギアS2がオルタネータ50の駆動軸50−1にクラッチC2により結合されることで、出力側駆動が選択される。そして、本ルーチンの実行を終了する。ただし、以上の補機駆動制御ルーチンにおいて、ηs1=ηs2の場合は、出力側駆動を選択してもよい。
以上説明したように、補機がオルタネータ50の場合は、入力側駆動または出力側駆動の選択により、オルタネータ50の効率が高くなるようにオルタネータ50を回転駆動することができる。例えば入力側駆動によるオルタネータ50の推定効率ηs1が出力側駆動によるオルタネータ50の推定効率ηs2より高い場合は入力側駆動を選択し、推定効率ηs2が推定効率ηs1より高い場合は出力側駆動を選択する。このように、オルタネータ50の効率が高くなるように入力側駆動または出力側駆動を選択することで、オルタネータ50の効率を向上させることができる。したがって、簡単な構成で補機(オルタネータ50)を効率よく駆動することができる。
また、本実施形態において駆動対象となる補機は、油圧ポンプ54やオルタネータ(発電機)50の他に、入力される動力を基に気体を圧縮して出力するコンプレッサ(例えばエアコンディショナ用)や、入力される動力を基にエンジン10の冷却液を吐出するポンプや、入力される動力を基に車両のパワーステアリング(図示せず)にて用いられる作動油を吐出するポンプ等であってもよい。
「遊星歯車機構以外の構成例」
本実施形態においては、例えば図17に示すように、遊星歯車機構を用いずに動力伝達機構20を構成することもできる。図17に示す構成例においては、動力伝達機構20は伝達ギアG1,G2を備えている。伝達ギアG1は、その回転速度Ng1がエンジン回転速度Neと一致する状態で、エンジン10の出力軸10−1に結合されている。伝達ギアG2は、その回転速度Ng2が変速機14の出力軸回転速度Noutと一致する状態で、変速機14の出力軸36に結合されている。結合機構22のクラッチC1は、伝達ギアG1と油圧ポンプ54との結合状態を切り替えることで、両者間における動力の断続を行う。クラッチC2は、伝達ギアG2と油圧ポンプ54との結合状態を切り替えることで、両者間における動力の断続を行う。他の構成については、図1に示す構成例と同様である。
図17に示す構成例において、伝達ギアG1と油圧ポンプ54がクラッチC1の係合により結合されているとともに、伝達ギアG2と油圧ポンプ54のクラッチC2による結合が解除されている場合は、エンジン10の出力軸10−1に伝達された動力の一部が伝達ギアG1に伝達される。そして、伝達ギアG1に伝達された動力により油圧ポンプ54が回転駆動されることで、入力側駆動が行われる。このとき、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpは、エンジン回転速度Neに等しくなる。一方、伝達ギアG2と油圧ポンプ54がクラッチC2の係合により結合されているとともに、伝達ギアG1と油圧ポンプ54のクラッチC1による結合が解除されている場合は、変速機14の出力軸36に伝達された動力の一部が伝達ギアG2に伝達される。そして、伝達ギアG2に伝達された動力により油圧ポンプ54が回転駆動されることで、出力側駆動が行われる。このとき、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpは、変速機14の出力軸回転速度Noutに等しくなる。このように、図17に示す構成例においても、油圧ポンプ54に結合する伝達ギアG1,G2をクラッチC1,C2により切り替えることで、油圧ポンプ54の回転速度N_pumpを変化させることができ、油圧ポンプ54の吐出流量Qpを変化させることができる。
図17に示す構成例の場合は、電子制御装置42にて算出される入力側駆動による油圧ポンプ54の推定流量Qs1、及び出力側駆動による油圧ポンプ54の推定流量Qs2を、以下の(6)、(7)式で表すことができる。
Qs1=Ng1×qp=Ne×qp (6)
Qs2=Ng2×qp=Nout×qp (7)
Qs1≧QreqとQs2≧Qreqの両方が成立している場合は、伝達ギアG1,G2のうち、回転速度が低い方のギアが油圧ポンプ54の駆動軸54−1に結合される。すなわち、エンジン回転速度Neが変速機14の出力軸回転速度Noutより低いときは、伝達ギアG1と油圧ポンプ54がクラッチC1により結合されることで、入力側駆動が選択される。一方、エンジン回転速度Neが変速機14の出力軸回転速度Noutより高いときは、伝達ギアG2と油圧ポンプ54がクラッチC2により結合されることで、出力側駆動が選択される。
Qs1≧QreqとQs2≧Qreqの両方が成立していない場合は、伝達ギアG1,G2のうち、回転速度が高い方のギアが油圧ポンプ54の駆動軸54−1に結合される。すなわち、エンジン回転速度Neが変速機14の出力軸回転速度Noutより高いときは、伝達ギアG1と油圧ポンプ54がクラッチC1により結合されることで、入力側駆動が選択される。一方、エンジン回転速度Neが変速機14の出力軸回転速度Noutより低いときは、伝達ギアG2と油圧ポンプ54がクラッチC2により結合されることで、出力側駆動が選択される。
以上説明したように、図17に示す構成例においても、前述の入力側駆動による油圧ポンプ54の駆動と出力側駆動による油圧ポンプ54の駆動とを選択的に切り替えることで、油圧ポンプ54の吐出流量Qpを変化させることができる。したがって、簡単な構成で補機(油圧ポンプ54)を要求流量Qreqに応じて効率よく駆動することができる。
以上の説明においては、動力伝達機構20がエンジン10の出力軸10−1及び変速機14の出力軸36に結合されており、エンジン10の出力軸10−1にて取り出した動力を用いて入力側駆動を行い、変速機14の出力軸36にて取り出した動力を用いて出力側駆動を行う場合について説明した。ただし、本実施形態においては、動力伝達機構20がエンジン10から変速機14の入力軸26に至る入力側動力伝達経路のいずれかの位置に結合されていてもよく、エンジン10から変速機14の入力軸26に至る入力側動力伝達経路のいずれかの位置にて取り出した動力を用いて入力側駆動を行うこともできる。ただし、エンジン10の出力軸10−1にて取り出した動力を用いて入力側駆動を行うことで、負荷(変速機14の出力軸36)の回転が停止しているときでもエンジン10が回転していれば補機を回転駆動することができる。また、動力伝達機構20が変速機14の出力軸36から負荷に至る出力側動力伝達経路のいずれかの位置に結合されていてもよく、変速機14の出力軸36から負荷に至る出力側動力伝達経路のいずれかの位置にて取り出した動力を用いて出力側駆動を行うこともできる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
実施形態に係る補機駆動装置を備えた動力出力装置の概略構成を示す図である。 ラビニオ型遊星歯車機構の各回転要素の回転速度を示す共線図である。 実施形態に係る動力出力装置における動力の流れを説明する図である。 実施形態に係る動力出力装置の動作を説明する共線図である。 実施形態に係る動力出力装置の動作を説明する共線図である。 電子制御装置によって実行される処理を説明するフローチャートである。 実施形態に係る補機駆動装置を備えた動力出力装置の他の概略構成を示す図である。 実施形態に係る動力出力装置の他の構成例における動力の流れを説明する図である。 実施形態に係る動力出力装置の他の構成例における動作を説明する共線図である。 実施形態に係る補機駆動装置を備えた動力出力装置の他の概略構成を示す図である。 実施形態に係る動力出力装置の他の構成例における動作を説明する共線図である。 実施形態に係る補機駆動装置を備えた動力出力装置の他の概略構成を示す図である。 実施形態に係る動力出力装置の他の構成例における動作を説明する共線図である。 実施形態に係る補機駆動装置を備えた動力出力装置の他の概略構成を示す図である。 電子制御装置によって実行される処理を説明するフローチャートである。 オルタネータの回転速度及びトルクに対する効率の特性マップの一例を示す図である。 実施形態に係る補機駆動装置を備えた動力出力装置の他の概略構成を示す図である。
符号の説明
10 エンジン、14 変速機、16 トルクコンバータ、18 前後進切替装置、20 動力伝達機構、22 結合機構、26 入力軸、30 プライマリプーリ、32 セカンダリプーリ、34 無端ベルト、36 出力軸、40 油圧制御装置、42 電子制御装置、50 オルタネータ、54 油圧ポンプ。

Claims (13)

  1. 変速機の入力軸に伝達された原動機の動力を変速機により変速して変速機の出力軸に結合された負荷へ出力可能な動力出力装置にて用いられ、原動機と負荷との間で伝達される動力の一部により補機を駆動する補機駆動装置であって、
    原動機から変速機の入力軸に至る入力側動力伝達経路にて取り出した動力を用いて補機を駆動する入力側駆動と、変速機の出力軸から負荷に至る出力側動力伝達経路にて取り出した動力を用いて補機を駆動する出力側駆動と、のいずれかを選択的に行う動力切替機構を備え
    動力切替機構は、
    前記入力側動力伝達経路に伝達された動力の一部が伝達可能な入力側駆動用回転要素と、前記出力側動力伝達経路に伝達された動力の一部が伝達可能な出力側駆動用回転要素と、前記入力側動力伝達経路に伝達された動力の一部を入力側駆動用回転要素へ伝達することが可能な入力側伝達用回転要素と、前記出力側動力伝達経路に伝達された動力の一部を出力側駆動用回転要素へ伝達することが可能な出力側伝達用回転要素と、を含む動力伝達機構と、
    入力側駆動用回転要素を補機に結合することで前記入力側駆動を行い、出力側駆動用回転要素を補機に結合することで前記出力側駆動を行う結合機構と、
    を有し、
    動力伝達機構は、
    結合機構により入力側駆動用回転要素が補機に結合されている場合は、入力側伝達用回転要素に伝達された動力を入力側駆動用回転要素及び出力側伝達用回転要素に分配し、
    結合機構により出力側駆動用回転要素が補機に結合されている場合は、出力側伝達用回転要素に伝達された動力を出力側駆動用回転要素及び入力側伝達用回転要素に分配することを特徴とする動力出力装置の補機駆動装置。
  2. 請求項1に記載の動力出力装置の補機駆動装置であって、
    動力伝達機構は、結合機構により入力側駆動用回転要素が補機に結合されている場合に、
    入力側伝達用回転要素の回転速度が出力側伝達用回転要素の回転速度より高いときは、入力側駆動用回転要素の回転速度が入力側伝達用回転要素の回転速度及び出力側伝達用回転要素の回転速度より高くなる状態で、入力側伝達用回転要素に伝達された動力を入力側駆動用回転要素及び出力側伝達用回転要素に分配し、
    出力側伝達用回転要素の回転速度が入力側伝達用回転要素の回転速度より高いときは、入力側駆動用回転要素の回転速度が入力側伝達用回転要素の回転速度及び出力側伝達用回転要素の回転速度より低くなる状態で、入力側伝達用回転要素に伝達された動力を入力側駆動用回転要素及び出力側伝達用回転要素に分配することを特徴とする動力出力装置の補機駆動装置。
  3. 請求項1または2に記載の動力出力装置の補機駆動装置であって、
    動力伝達機構は、結合機構により出力側駆動用回転要素が補機に結合されている場合に、
    出力側伝達用回転要素の回転速度が入力側伝達用回転要素の回転速度より高いときは、出力側駆動用回転要素の回転速度が入力側伝達用回転要素の回転速度及び出力側伝達用回転要素の回転速度より高くなる状態で、出力側伝達用回転要素に伝達された動力を出力側駆動用回転要素及び入力側伝達用回転要素に分配し、
    入力側伝達用回転要素の回転速度が出力側伝達用回転要素の回転速度より高いときは、出力側駆動用回転要素の回転速度が入力側伝達用回転要素の回転速度及び出力側伝達用回転要素の回転速度より低くなる状態で、出力側伝達用回転要素に伝達された動力を出力側駆動用回転要素及び入力側伝達用回転要素に分配することを特徴とする動力出力装置の補機駆動装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1に記載の動力出力装置の補機駆動装置であって、
    動力伝達機構は、各々がサンギアとキャリアとリングギアを回転要素として含む複数の遊星歯車により構成された遊星歯車機構であって、該遊星歯車機構が2自由度の回転自由度を有するように各遊星歯車の回転要素のいずれかが他の遊星歯車の回転要素のいずれかと結合または共用化された遊星歯車機構を有し、
    入力側駆動用回転要素と出力側駆動用回転要素と入力側伝達用回転要素と出力側伝達用回転要素が、前記遊星歯車機構の回転要素により構成されていることを特徴とする動力出力装置の補機駆動装置。
  5. 変速機の入力軸に伝達された原動機の動力を変速機により変速して変速機の出力軸に結合された負荷へ出力可能な動力出力装置にて用いられ、原動機と負荷との間で伝達される動力の一部により補機を駆動する補機駆動装置であって、
    原動機から変速機の入力軸に至る入力側動力伝達経路にて取り出した動力を用いて補機を駆動する入力側駆動と、変速機の出力軸から負荷に至る出力側動力伝達経路にて取り出した動力を用いて補機を駆動する出力側駆動と、のいずれかを選択的に行う動力切替機構を備え、
    動力切替機構は、
    前記入力側動力伝達経路に伝達された動力の一部が伝達可能な入力側駆動用回転要素と、前記出力側動力伝達経路に伝達された動力の一部が伝達可能な出力側駆動用回転要素と、前記入力側動力伝達経路に伝達された動力の一部を入力側駆動用回転要素へ伝達することが可能な入力側伝達用回転要素と、前記出力側動力伝達経路に伝達された動力の一部を出力側駆動用回転要素へ伝達することが可能な出力側伝達用回転要素と、を含む動力伝達機構と、
    入力側駆動用回転要素を補機に結合することで前記入力側駆動を行い、出力側駆動用回転要素を補機に結合することで前記出力側駆動を行う結合機構と、
    を有し、
    動力伝達機構は、各々がサンギアとキャリアとリングギアを回転要素として含む複数の遊星歯車により構成された遊星歯車機構であって、該遊星歯車機構が2自由度の回転自由度を有するように各遊星歯車の回転要素のいずれかが他の遊星歯車の回転要素のいずれかと結合または共用化された遊星歯車機構を有し、
    入力側駆動用回転要素と出力側駆動用回転要素と入力側伝達用回転要素と出力側伝達用回転要素が、前記遊星歯車機構の回転要素により構成されていることを特徴とする動力出力装置の補機駆動装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1に記載の動力出力装置の補機駆動装置であって、
    前記入力側駆動による補機の駆動性能と前記出力側駆動による補機の駆動性能とを推定し、該推定した補機の駆動性能に基づいて前記入力側駆動と前記出力側駆動とのいずれを行うかを選択する駆動選択手段を備えることを特徴とする動力出力装置の補機駆動装置。
  7. 変速機の入力軸に伝達された原動機の動力を変速機により変速して変速機の出力軸に結合された負荷へ出力可能な動力出力装置にて用いられ、原動機と負荷との間で伝達される動力の一部により補機を駆動する補機駆動装置であって、
    原動機から変速機の入力軸に至る入力側動力伝達経路にて取り出した動力を用いて補機を駆動する入力側駆動と、変速機の出力軸から負荷に至る出力側動力伝達経路にて取り出した動力を用いて補機を駆動する出力側駆動と、のいずれかを選択的に行う動力切替機構と、
    前記入力側駆動による補機の駆動性能と前記出力側駆動による補機の駆動性能とを推定し、該推定した補機の駆動性能に基づいて前記入力側駆動と前記出力側駆動とのいずれを行うかを選択する駆動選択手段と、
    を備えることを特徴とする動力出力装置の補機駆動装置。
  8. 請求項6または7に記載の動力出力装置の補機駆動装置であって、
    補機は、入力される動力を基に流体を出力するポンプであり、
    駆動選択手段は、前記補機の駆動性能として、ポンプから出力される流体の流量を推定することを特徴とする動力出力装置の補機駆動装置。
  9. 請求項8に記載の動力出力装置の補機駆動装置であって、
    駆動選択手段は、ポンプの要求流量と前記入力側駆動によるポンプの推定流量と前記出力側駆動によるポンプの推定流量とに基づいて、前記入力側駆動と前記出力側駆動とのいずれを行うかを選択することを特徴とする動力出力装置の補機駆動装置。
  10. 請求項8または9に記載の動力出力装置の補機駆動装置であって、
    ポンプは、入力される動力を基に変速機にて用いられる作動油を出力することを特徴とする動力出力装置の補機駆動装置。
  11. 請求項6または7に記載の動力出力装置の補機駆動装置であって、
    補機は、入力される動力を基に発電を行う発電機であり、
    駆動選択手段は、前記補機の駆動性能として、発電機の効率を推定することを特徴とする動力出力装置の補機駆動装置。
  12. 請求項11に記載の動力出力装置の補機駆動装置であって、
    駆動選択手段は、
    前記入力側駆動による発電機の推定効率が前記出力側駆動による発電機の推定効率より高い場合には、前記入力側駆動を行う方を選択し、
    前記出力側駆動による発電機の推定効率が前記入力側駆動による発電機の推定効率より高い場合には、前記出力側駆動を行う方を選択することを特徴とする動力出力装置の補機駆動装置。
  13. 変速機の入力軸に伝達された原動機の動力を変速機により変速して変速機の出力軸に結合された負荷へ出力可能な動力出力装置であって、
    原動機と負荷との間で伝達される動力の一部により補機を駆動する補機駆動装置を備え、
    該補機駆動装置が、請求項1〜12のいずれか1に記載の補機駆動装置であることを特徴とする動力出力装置。
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