JP4710322B2 - 真空ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、磁性体の温度による透磁率変化を利用してロータ温度を検出したり、その検出結果を用いてロータ温度を制御する真空ポンプに関する。
半導体製造装置等に用いられるターボ分子ポンプにおいては、ターボ分子ポンプで排気されるガスの流量や分子量が大きくなるにつれて、モータ電力増大に伴う発熱やガス排気に伴う摩擦熱などによりロータ温度が上昇する。また、熱伝導率の小さなガスを排気した場合にも、ロータ温度が上昇する。一般的に、ロータ回転数、排気ガスの流量や圧力や温度およびポンプ周囲温度が高いほど、ロータ温度は高くなる。
ターボ分子ポンプのロータは高速回転しているため、遠心力によって大きな引っ張り応力が作用している。そのため、ロータには比強度に優れたアルミ合金が一般的に用いられている。ところが、アルミ合金の場合、クリープ変形の許容温度が比較的低い温度(約110℃〜120℃)であるため、ポンプ運転時にはロータ温度がこの許容温度以下になるように常に監視する必要がある。
そのため、強磁性体の透磁率がキュリー温度において大きく変化することを利用して、ロータ温度を非接触で検出する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。リング状の強磁性体をロータ外周に装着し、キュリー温度における強磁性体の透磁率変化をコイルにより検出するようにしている。
特開平7−5051号公報
ところで、温度検出をする場合には、一般的に、コイルからの信号レベルと基準となる閾値とを比較し、信号レベルが閾値を下回った否かでキュリー温度を越えたか否かを判断している。しかしながら、キュリー点における透磁率変化は大きいが、常温時における透磁率とキュリー点を越えた時点での透磁率との差はキュリー点における透磁率変化ほど大きくないため、閾値設定幅が狭く、温度検出を精度良く行うのが難しかった。
請求項1の発明は、ステータに対してロータを回転することによりガスを排気する真空ポンプに適用され、ロータ上のロータ回転軸を中心とした円周上に配設され、ロータの温度監視範囲内にキュリー温度を有する第1の磁性体と、ロータ上の円周上に配設され、温度監視範囲の上限温度よりも高温側にキュリー温度を有する第2の磁性体と、ロータの回転により第1および第2の磁性体が順に対向する位置に配設され、対向する第1および第2の磁性体の透磁率に応じた第1および第2信号をそれぞれ出力するインダクタンス式のギャップセンサと、第1の磁性体がギャップセンサと対向したときの第1信号と、第2の磁性体がギャップセンサと対向したときの第2信号との差分信号を生成する差信号生成手段と、差分信号の信号レベルと予め設定された基準レベルとを比較して、ロータの温度が第1の磁性体のキュリー温度を越えたか否かを検出する温度検出部とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、ステータに対してロータを回転することによりガスを排気する真空ポンプに適用され、ロータの温度監視範囲内にキュリー温度を有する第1の磁性体を、ロータ回転軸を中心とした円周上に配設するように保持してロータに固定する保持部材であって、温度監視範囲の上限温度よりも高温側にキュリー温度を有する第2の磁性体と、ロータの回転により第1および第2の磁性体が順に対向する位置に配設され、対向する第1および第2の磁性体の透磁率に応じた第1および第2信号をそれぞれ出力するインダクタンス式のギャップセンサと、第1の磁性体がギャップセンサと対向したときの第1信号と、第2の磁性体がギャップセンサと対向したときの第2信号との差分信号を生成する差信号生成手段と、差分信号の信号レベルと予め設定された基準レベルとを比較して、ロータの温度が第1の磁性体のキュリー温度を越えたか否かを検出する温度検出部とを備えたことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項に記載の真空ポンプにおいて、温度検出部は、差分信号の信号レベルと複数の異なる基準レベルとを比較することにより、差分信号の信号レベルに対応した複数の温度を検出するようにしたものである。
請求項の発明は、請求項またはに記載の真空ポンプにおいて、第1の磁性体は、円周方向の長さがロータ回転軸の動径方向に関する長さの2倍以上とされる。
請求項の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載の真空ポンプにおいて、ロータ上の円周上に配設されるとともに、ギャップセンサと対向したときの隙間寸法が、第1および第2の磁性体がギャップセンサと対向したときの隙間寸法よりも小さくまたは大きく設定され、上限温度よりも高温側にキュリー温度を有する第3の磁性体と、第3の磁性体とギャップセンサとが対向したときのギャップセンサの出力信号に基づいて、ロータの回転周期を検出する回転検出部とを備えたものである。
請求項の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の真空ポンプにおいて、温度検出部の検出結果に基づいて、ロータの温度制御を行うようにしたものである。
本発明によれば、差分信号を生成するようにしたので、基準レベルの設定範囲が広がり、従来よりも精度良い温度検出を行うことができる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明による真空ポンプの一実施の形態を示す図であり、磁気軸受式ターボ分子ポンプのポンプ本体1とコントローラ30の概略構成を示したものである。
ロータ2が取り付けられたシャフト3は、ベース4に設けられた電磁石51,52,53によって非接触支持されている。シャフト3の浮上位置は、ベース4に設けられたラジアル変位センサ71,72およびアキシャル変位センサ73によって検出される。ラジアル磁気軸受を構成する電磁石51,52と、アキシャル磁気軸受を構成する電磁石53と、変位センサ71〜73とで5軸制御型磁気軸受が構成される。
シャフト3の下端には円形のディスク41が設けられており、このディスク41を上下に挟むように電磁石53が設けられている。そして、電磁石53によりディスク41を吸引することによりシャフト3がアキシャル方向に浮上する。ディスク41はナット42によりシャフト3の下端部に固定されている。ナット42には磁性体ターゲット81,82が設けられている。ナット42と対向するステータ側には、磁性体ターゲット81,82と対向する位置にギャップセンサ44が設けられている。ギャップセンサ44は、インダクタンス式のギャップセンサであって、後述するように、ロータ温度が許容温度以上に上昇したときのターゲット81,82の透磁率変化をインダクタンス変化として検出するものである。
ロータ2には、回転軸方向に複数段の回転翼8が形成されている。上下に並んだ回転翼8の間には固定翼9がそれぞれ配設されている。これらの回転翼8と固定翼9とにより、ポンプ本体1のタービン翼段が構成される。各固定翼9は、スペーサ10によって上下に挟持されるように保持されている。スペーサ10は、固定翼9の保持機能とともに、固定翼9間のギャップを所定間隔に維持する機能を有している。
さらに、固定翼9の後段(図示下方)にはドラッグポンプ段を構成するネジステータ11が設けられており、ネジステータ11の内周面とロータ2の円筒部12との間にはギャップが形成されている。ロータ2およびスペーサ10によって保持された固定翼9は、吸気口13aが形成されたケーシング13内に納められている。ロータ2が取り付けられたシャフト3を電磁石51〜53により非接触支持しつつモータ6により回転駆動すると、吸気口13a側のガスは矢印G1のように背圧側(空間S1)に排気され、背圧側に排気されたガスは排気口26に接続された補助ポンプにより排出される。
ターボ分子ポンプ本体1はコントローラ30によって駆動制御される。コントローラ30には、磁気軸受を駆動制御する磁気軸受駆動制御部32およびモータ6を駆動制御するモータ駆動制御部33が設けられている。検出部31は、上述したギャップセンサ44の出力信号に基づいてターゲット81,82の透磁率が変化したか否かを検出する。
検出部31にはギャップセンサ44の出力信号が入力され、検出部31はロータ温度モニタ信号をモータ駆動制御部33および警報部34に出力する。もちろん、ロータ温度モニタ信号をコントローラ30の外部に出力できる出力端子を設けるようにしても良い。警報部34はロータ温度異常などの警報情報をオペレータに提示する警報手段であり、警告音を発生するスピーカや警告を表示する表示装置などにより構成される。
図2(a)はシャフト下端部分のナット42とギャップセンサ44とを示す斜視図であり、図2(b)はギャップセンサ44側から見たナット42の平面図である。ナット42の底面側には磁性体ターゲット81,82が、接着や焼き嵌め等によって埋め込まれている。ナット42がシャフト3とともに高速回転するとターゲット81,82に遠心力が作用するが、ターゲット81,82をシャフト3の端面部分に設けて回転体の軸近傍に配設することにより、遠心力の影響を低減することができる。特に、ターゲット81,82を焼き嵌めした場合には、焼き嵌め時に加熱したナット42が冷えて収縮した際にターゲット81,82に圧縮応力が働き、遠心力の影響を低減効果が高くなる。
ターゲット81,82の材料には、検出したい温度域すなわち温度監視範囲にキュリー温度を有する材料が選ばれる。一般的には、回転翼8(図1参照)に用いられるアルミ材のクリープ変形の許容上限温度である110℃〜120℃にキュリー温度を有するもの、例えばフェライトが選ばれる。温度監視範囲は、許容上限温度の前後20℃程度の温度範囲が設定される。
ターゲット81,82の露出面はナット42の底面と同一平面となっており、ナット底面とギャップセンサ44との隙間は1mm程度に設定されている。ここでは、ナット42の材料には磁性体である純鉄が用いられるが、そのキュリー温度は、ここで問題としている許容温度110℃〜120℃よりも十分高く、温度監視範囲の高温側にある。以下では、純鉄製ナット42の底面80をターゲット80と称することにする。すなわち、ロータ2が固定されたシャフト3の回転によりナット42がギャップセンサ44に対して図2(b)の矢印方向に回転すると、ギャップセンサ44はターゲット80、ターゲット81、ターゲット82、ターゲット80の順に各ターゲット80〜82と対向し、それぞれの透磁率に応じた信号がギャップセンサ44から出力される。
[インダクタンス変化検出動作の説明]
図3はギャップセンサ44のインダクタンス変化を説明する図であり、ギャップセンサ44とターゲット81の作る磁気回路の模式図である。ギャップセンサ44の構造は、珪素鋼板などの透磁率の大きなコアの周囲にコイルを巻いたものである。ギャップセンサ44のコイルには搬送波として一定周波数・一定電圧の高周波電圧が印加され、ギャップセンサ44からターゲット81に向けて高周波磁界が形成される。
一方、ターゲット81には、そのキュリー温度Tcがロータ2の許容温度Tmaxとほぼ同一か、または、それに近い温度を有する磁性体材料を用いる。ロータ2の場合には、この許容温度Tmaxはロータ材料にクリープ変形が生じる温度が採用され、アルミの場合には110℃〜120℃程度である。キュリー温度Tcが120℃程度の磁性体材料としては、ニッケル・亜鉛フェライトやマンガン・亜鉛フェライト等がある。
ロータ温度上昇によりターゲット81の温度が上昇してキュリー温度Tcを越えると、図4(a)に示すように、ターゲット81の透磁率が真空の透磁率μ程度まで急激に低下する。図4(a)は典型的な磁性体であるフェライトの場合の透磁率変化を示したものであり、常温における透磁率はキュリー温度付近の透磁率よりも低く、温度上昇とともに上昇してキュリー温度を越えると急激に低下する。ギャップセンサ44が形成する磁界中でターゲット81の透磁率が変化すると、ギャップセンサ44のインダクタンスが変化することになる。その結果、搬送波は振幅変調され、ギャップセンサ44から出力される振幅変調された搬送波を検波・整流することにより、透磁率の変化に相当する信号変化を検出することができる。
ギャップセンサ44のコア材料はフェライト等の磁性体が用いられるが、この透磁率がエアギャップの透磁率に比べてそれを無視できる程度に大きく、また、漏れ磁束が無視できる場合には、インダクタンスLと寸法d,dとの関係は近似的に次式(1)のように表される。なお、Nはコイルの巻き数、Sはターゲット81と対向するコアの断面積、dはエアギャップ、dはターゲット81の厚さ、μはターゲット81の透磁率であり、エアギャップの透磁率は真空の透磁率μに等しいとする。
L=N/{d/(μ・S)+d/(μ・S)} …(1)
ロータ温度がキュリー温度Tcよりも低い温度のときには、ターゲット81の透磁率は真空の透磁率に比べて十分に大きい。そのため、d/(μ・S)はd/(μ・S)に比べて無視できるほどに小さくなり、式(1)は次式(2)のように近似できる。
L=N・μ・S/d …(2)
一方、ロータ温度がキュリー温度Tcよりも上昇すると、近似的にμ=μとなる。そのため、この場合には式(1)は次式(3)のように表される。
L=N・μ・S/(d+d) …(3)
すなわち、エアギャップがdから(d+d)に変化したことに相当し、それに応じてギャップセンサ44のインダクタンスが変化することになる。このインダクタンス変化をコントローラ30の検出部31で検出することにより、ロータ温度がキュリー温度Tc以上となったか否かをモニタすることができる。
[ロータ温度モニタ信号の説明]
図5は検出部31のブロック図であり、数十kHzの交流発振器60の出力(搬送波)を抵抗を介してギャップセンサ44に印加する。検出部31には、検波回路61,整流回路62,差信号生成部67およびコンパレータ63が設けられている。コンパレータ63は、差信号生成部67からの信号と基準信号v(後述する閾値に対応する信号)とを比較して、その結果をロータ温度モニタ信号として出力する。
ロータ2の回転とともにギャップセンサ44が3種類のターゲット80〜82と順に対向するため、ギャップセンサ44のインダクタンスは一回転で3種類の値を取ることになる。図6(a)は図5の符号(b)の位置に現れる振幅変調信号の典型例を示したものであり、元の数十kHzの交流がギャップセンサ44のインダクタンスで振幅変調され、1回転の間に3種類の振幅レベルが現れる交流信号となる。この信号を検波回路61に通し、さらに整流回路62で整流すると、符号(d)の位置には図6(b)に示すような信号が現れる。図6(b)の信号は、図6(a)の信号から振幅を取り出したものになっている。
ところで、磁性体のキュリー温度を利用した温度検出を行う場合、以下の点を考慮する必要がある。まず、検出コイルとターゲットとの隙間の僅かな変動によって検出部のインダクタンスが大きく変化するので、キュリー点を判定するための閾値レベルの設定が難しいことである。隙間の変動の要因には、取り付け時の隙間のバラツキ、隙間の経時変化、ロータ温度の変化によるロータ軸のスラスト方向移動などがあり、これらを原因とする隙間の変動により安定な閾値を設定することができない。
図4(a)に示した透磁率の変化は、ギャップセンサ44のコイルによってインダクタンスの変化に変換されるが、そのときのインダクタンス変化は図4(b)のようなものとなる。インダクタンスも透磁率の変化と同様の変化をするが、変化の割合が透磁率に比べて若干小さくなり、上下に圧縮されたような変化となる。この場合、キュリー温度を越えて急激に低下したところのレベルと、常温部分(40℃付近)におけるインダクタンスのレベルとの差が狭いことが解った。
本来は、キュリー温度近傍における急激なインダスタンス低下だけが出力され、閾値レベルの水平ラインはキュリー温度近傍の急激に変化する曲線と交差するのが好ましい。しかし、一般的な磁性体においては、図4(b)に示すように常温付近ではインダクタンスが低下している。そのため、常温付近での閾値レベルとの交差を避けるために閾値レベルを下げすぎると、キュリー温度を大きく越えた傾斜が緩い部分において閾値ラインが交差し、温度検出の精度低下を招くという不都合があることが判った。
図7は、3種類のターゲット80〜82に関して、インダクタンスの温度変化を示したものである。縦軸は図4(b)と同様にインダクタンスを表すが、ギャップセンサ44のインダクタンスは検出信号の振幅に対応しているので、縦軸は検出信号の振幅とみなすこともできる。すなわち、図7では、縦軸はインダクタンスまたは検出信号の振幅を表している。
上述したようにターゲット80はナット42の底面であって、純鉄であるターゲット80のキュリー温度Tc1はターゲット81,82のキュリー温度Tc2,Tc3に比して十分に高く、図7に示した温度範囲(キュリー温度Tc1よりも低い温度範囲)ではインダクタンスは単調に増加する。また、フェライトから成るターゲット81,82には、キュリー温度Tc2,Tc3がそれぞれ110℃近辺、120℃近辺にあるものを選んだ。そのため、ターゲット81の場合には常温から温度110℃程度までは単調に増加し、110℃近辺のキュリー温度Tc2を越えると急激にインダクタンスが低下する。ターゲット82の場合には、120℃近辺のキュリー温度Tc3を越えたところでインダクタンスが急激に低下する。なお、100℃以下の低温域の特性は、ターゲット80〜82を構成する磁性体の種類が異なっても、ほとんど同じような上昇傾向を示した。
前述したように、ギャップセンサ44には、図5に示す交流発振器60から、数十kHzの搬送波が、抵抗を介して入力される。ギャップセンサ44は、ナット42の回転とともに透磁率の異なる3種類のターゲット80〜82と順に対向することになる。その結果、ギャップセンサ44のインダクタンスは、ナット42の回転とともに3種類の値を取ることになる。そのため、上述した図5に示したブロック図の符号(b)の位置に現れる信号は、元の数十kHzの交流がギャップセンサ44のインダクタンスで振幅変調され、1回転の間に3種類の振幅レベルが現れる交流信号となる。
交流発振器60の周波数をf、振幅をVin、ギャップセンサ44のインダクタンスをL、抵抗をRとすると、(b)点に現れる信号の振幅Voutは次式(4)のように表される。
Figure 0004710322
式(4)において通常Rがほぼ一定値であるので、Lが大きくなれば振幅Voutも大きくなる。そこで、以下では、これまで述べてきたインダクタンスLの大小の大きさの代わりに、振幅Voutの大きさを用いて説明することにする。
以下では、図6(b)に相当する整流後の振幅信号を用いて説明する。図8の(a)〜(c)は、ターゲット温度Tが上昇する過程における振幅信号の変化(ナット42が1回転する間の変化)を示したものである。ターゲット80,81,82のキュリー温度Tc1,Tc2,Tc3はTc2<Tc3<Tc1のように設定されており、図8(a)は、ターゲット温度TがT<Tc2<Tc3<Tc1の場合を示したものである。また、図8(b)はTc2<T<Tc3<Tc1の場合を、図8(c)はTc2<Tc3<T<Tc1の場合を示している。
ナット42が1回転する間に出力される信号において、区間S,T,Uの信号はギャップセンサ44がターゲット80に対向しているときの信号である。また、区間Xの信号はギャップセンサ44がターゲット81に対向しているときの信号であり、区間Yの信号はギャップセンサ44がターゲット82に対向しているときの信号である。
図8(a)において、破線で示す曲線L10はターゲット温度Tが40℃の場合の振幅信号を、実線で示す曲線L11はT=110℃の場合の振幅信号を示している。ここでは、ターゲット温度Tはターゲット80〜82のキュリー温度Tc1,Tc2,Tc3のいずれよりも低いため、区間S、T,Uの信号と区間X,Yの信号とは振幅がほとんど等しくなっている。この温度範囲での特徴は、図7に示したように、各ターゲット80〜81がギャップセンサ44に対向したときのインダクタンスは、温度上昇とともにそれぞれ並行状態で単調に増加するので、温度上昇につれて振幅信号の全体的なレベルが増加することである。
図8(b)に示す温度範囲では、ターゲット温度Tがターゲット81のキュリー温度Tc2を越えるため、ギャップセンサ44がターゲット81に対向する区間Xにおいて信号が急激に低下する。その他の区間の信号レベルは、温度が上昇しているため図8(a)に示したものよりも増加している。
さらに、図8(c)に示す温度範囲では、ターゲット温度Tがターゲット81,82のキュリー温度Tc2,Tc3の両方とも越えるため、ギャップセンサ44がターゲット81,82に対向する区間X,Yの信号が急激に低下する。この時点においてもT<Tc1であるため、区間S,T,Uの信号レベルは図8(b)のものに比べて増加している。
図8(a)〜図8(c)の信号変化は図7に対応している。すなわち、図8の信号から、ターゲット80に対しては、区間S,T,Uの部分のいずれか又はその平均値を取り、ターゲット81に対して区間X、ターゲット82に対して区間Yの信号をとれば、振幅信号の温度とともに変化する様子は図7に帰着する。ここで、ターゲット81またはターゲット82がキュリー温度を越えたか否かの判定は、図7の閾値vと比較することにより行われる。閾値vは低温側の振幅信号に重ならないように設定する必要があるが、前述したように、このままでは閾値設定の範囲が狭いという不都合が生じる。
このような不都合は、図4(a)に示したように磁性体の透磁率が、常温域からキュリー温度までの間においてかなりの幅で変化する事に起因する。そこで、本実施の形態では、図5に示すように整流回路62の後段に差信号生成部67を設けて、ターゲット80の信号を基準信号として、ターゲット81,82の信号から基準信号を差し引いた信号(差信号)を差信号生成部67で算出し、この信号をコンパレータ63に入力して閾値vと比較するコンパレータ63から出力される信号は、ロータ温度モニタ信号としてモータ駆動制御部33および警報部34に出力する。
差信号生成部67としては、例えば、信号ホールド回路を用いて、整流回路62の出力信号から3つのターゲット80〜82のそれぞれに相当する各区間毎の信号を取り出し、それを差動回路に導いて差信号を生成する。図9は、基準信号を差し引いた後の、各ターゲット81,82の差信号を示す図である。破線で示した曲線L21がターゲット81の差信号を示し、実線で示した曲線L22がターゲット82の差信号を示す。このような差信号を用いることにより、曲線L21,22はそれぞれのキュリー温度Tc2,Tc3よりも低温域では、曲線が水平になる。そのため、図9に示すように閾値vの設定範囲Hを広くとることができる。
他の差信号生成方法として、図10に示すように、ターゲット80の基準信号の区間(図8の区間S,T,U)においてゼロレべルに保持するゼロクランプ回路を通した後、X区間とY区間の信号を信号ホールド回路によって取り出すようにしても良い。図10は、ターゲット80の基準信号の区間S,T,Uにおいて、信号がゼロ(基線)レべルになるように平行移動するいわゆるゼロクランプ回路を介した時の信号を示す図である。
図10ではターゲット80の基準信号を差し引いているため、ターゲット80の温度変化がすべてキャンセルされ、キュリー温度での信号変化だけが符号D12,D13で示すようにマイナス側に現れる。従って、このX区間およびY区間に相当するターゲット81およびターゲット82のマイナスの信号を取り出し、そらの信号に対してキュリー温度検出の閾値をコンパレータの基準電圧vに設定すれば、安定した閾値レベルの設定ができる。なお、図8(a)の曲線L10,L11に対応する曲線は、符号D11(破線で示す部分)で示す区間X,Yにおいてもほとんど重なっている。
さらに他の手法としては、図8に示す信号を、十分速い速度でAD変換できるAD変換器によりデジタル信号に変換し、デジタル信号段階で差信号を算出するようにして閥値をデジタル的に処理してもよい。このようなターゲット80の信号を基準信号として差し引く手法は、すべて電気回路の通常の処理に属するので、ここでは詳細な記述を省略する。
なお、上述した例では、3つの磁性体をターゲット80〜82として用いる場合について説明したが、上記説明からも解るように、温度検出に必要な最小限の構成は、基準の磁性体であるターゲット80と、温度検出用磁性体であるターゲット81とで満たされる。ただし、この場合は一つのキュリー温度により温度検出を行うことになる。
上述した温度検出方法では、キュリー温度よりも低温域における温度変化による全体としての振幅変化を除去するために、ターゲット80の基準信号による補正を行うようにする。そして、そのような処理を実現するために、ターゲット80〜82がギャップセンサ44との対向位置を通過したときの信号を各々取り出す時分割検出法を用いた。
[ターゲット形状について]
次に、ターゲット81,82の最適形状について説明する。ギャップセンサ44のコア形状としては、図3に示すたような単純なC型の他に、図11の(a)に示すような2重円筒コア84の内側コア84aにコイル84cを巻いたものを用いることができる。図11(b)は、2重円筒コア84とターゲット81の形状との関係を示す図である。
ターゲット81が高温になってキュリー温度Tc2を越えると、ターゲット81の透磁率は真空の透磁率になる。そのため、純鉄製ターゲット80に埋め込まれたターゲット81が真空の透磁率になると、ターゲット81の部分が磁気的に穴が開いた状態になり、コイル84cの磁気回路が開いてインダクタンスが急減することになる。この場合、コイル84bの内側コア84aと外側コア84bとの隙間E1,E2がともに磁気的に開いていることが必要で、どちらかが純鉄の部分(ターゲット80)で磁気回路として短絡されると、ターゲット温度がキュリー温度Tc2を越えてもコイル84cのインダクタンスが十分に下がらないことになる。
このようなことから、ターゲット81はターゲット80の円周方向に沿って細長い形状であることが好ましく、円周方向の長さL30は、2重円筒コア84の直径D20よりも大きくする必要がある。径方向の幅Wは、2重円筒コア84の直径D20よりも少し小さく内側コア84aの直径D21よりも少し大きければ良い。また、2重円筒コア84の直径D20は、検出感度を確保するためにある程度大きくする必要がある。実際上は、長さL30を幅Wの2倍以上とするのが好ましい。このように長さL30を長めに設定し、幅Wを小さくすることでターゲット81の直径が小さくなり、小型化と遠心力耐性の両方に寄与できる。
なお、ターゲット81,82を取り付けたナット42が、本来、常に監視する必要があるアルミ合金製回転翼8(図1参照)の温度と異なる場合がある。そのような場合、予め回転翼8の温度とナット42の温度との温度相関関係を測定しておいたり、さらにはモータ電流やベース4との温度関係を測定しておくことにより、回転翼8の温度をターゲット81,82が設けられたナット42の温度から推定することが可能である。
[変形例1]
図12は変形例1を示す図であり、(a)はナット42およびギャップセンサ44の斜視図であり、(b)はギャップセンサ44側から見た平面図である。変形例1では、図2に示したターゲット80,81,82に加えて、回転同期信号を検出するための凸部85をナット42の底面に形成した。凸部85はナット42と同じ純鉄で形成されるのが好ましく、ナット底面(ターゲット80面)とギャップセンサ44との隙間寸法を1mmとした場合、凸部85の高さ寸法は0.3mm程度とする。
凸部85がギャップセンサ44に対向した場合にはターゲット80の場合に比べて隙間が0.3mm小さく、その結果、磁性体がギャップセンサ44に近づくことになり、非常に敏感にインダクタンスが増加することになる。そこで、この凸部85がギャップセンサ44に対向したときの信号を、同期信号に使うことにする。このときの信号は、凸部85の温度に関わらず非常に大きな振幅を与える。ナット42が2回転したときに得られる振幅信号は図13のようになる。
図13に示す信号は、図8(b)の場合と同様の温度(T=110℃)における信号である。ターゲット80,81,82のそれぞれがギャップセンサ44と対向する区間の信号は、図8(b)に示したものと同様となっている。一方、凸部85がギャップセンサ44と対向する区間では隙間が減少するので、ターゲット80が対向した場合よりもインダクタンスが大きくなり、振幅信号も大きくなっている。そのため、この区間の信号を同期信号として、残りのターゲット80〜82の信号を区別して抽出することができる。すなわち、同一のギャップセンサ44により、回転数検出と温度検出とを同時に行うことができる。
なお、ここでは同期信号生成用に凸部85を形成したが、凹部を形成しても良い。また、1周期に凸部、凹部が複数存在するようにしても良い。ここで、凸部や凹部を形成して回転信号用ターゲットとすることは、凹部と同等のインダクタンス寄与を与える磁性体を設けることと同等であるので、磁性体で置き換えることも可能である。ただし、使用する磁性体は、キュリー温度が許容温度(約110℃〜120℃)よりも充分に高いものである必要がある。
[変形例2]
図14は変形例2を説明する図であり、図9と同様にターゲット81,82に関する差信号を示したものである。変形例2では、これらの差信号に対して、2種類の閾値Va,Vbを設定した。この場合には、図5のコンパレータ63を閾値Va,Vbの数に応じて2組設ければ良い。ターゲット81の差信号が閾値Vaと等しくなる温度をT1とし、閾値Vbと等しくなる温度をT2とする。一方、ターゲット82の差信号が閾値Vaと等しくなる温度をT3とし、閾値Vbと等しくなる温度をT4とする。その結果、許容温度近辺(約110℃〜120℃)において4種類の温度T1,T2,T3,T4を検出することができる。
なお、図14に示した例では、ターゲット81,82に対応した2つのキュリー温度を利用しているので、キュリー温度付近の急激に低下する信号を用いることにより4種類の温度T1,T2,T3,T4を検出することができたが、さらに、閾値設定を3種類以上に増やせば、検出できる温度の数をより増やすことができる。
このように、変形例2では、差信号を取ることにより拡がった閾値設定範囲内において複数の閾値を設定することにより、より細かく温度検出をすることが可能となる。その結果、ターボ分子ポンプの運転の自由度が増し、効果的にかつ安全にポンプを運転することが出来る。
例えば、温度が図14のT1を越えた場合にはポンプの回転を少し遅くするとか、T1を越えている時間の積分値に応じてポンプの回転を少し遅くしたりする。さらに、温度がT2を越えた場合とか、T2を越えている時間の積分値に応じて、ポンプの回転をさらに遅くしたりする制御を、手動または自動にて行う。そして、さらにT3を越えた場合には制限を厳しくし、温度がT4に達した場合には、強制的にポンプを停止させる。このように、複数の温度T1〜T4が検出できることにより、検出温度が一点の場合では不可能な複雑な回転制御を行うことが可能となる。
[変形例3]
図15は、本実施の形態の変形例3を示す図である。図2に示した例では、シャフト3の下端に取り付けられた純鉄製ナット42にターゲット80〜82を設けたが、温度検出用磁性体(例えば、フェライト)を埋め込む部材は、アルミ合金などの非磁性体であってもよい。ターボ分子ポンプの回転翼8には一般的にアルミ合金が用いられており、このアルミ材に直接フェライトを埋め込む方が好都合な場合が有る。
ここでは、そのようなアルミ材にターゲットを埋め込む構成について説明する。図15において、リング90はロータが固定されシャフト3と一体的に回転する。リング90は、例えば、回転翼8のシャフト取り付け部分に対応する。リング90の上面には、キュリー温度が120℃よりも充分に高い磁性体から成るターゲット80と、キュリー温度が120℃前後であるフェライトから成るターゲット81が埋め込まれている。ステータ側に設けられたギャップセンサ44は、これらのターゲット80,81と対向する位置に配置されている。
この構成を図2の構成と比較したときの特徴は、ロータが一回転する間に、広い面積のアルミリング90の信号が現れることと、基準の磁性体であるターゲット80のサイズが相対的に小さくできる。変形例3の場合も、ギャップセンサ44がリング90およびターゲット80,81のそれぞれに対向したときの3つのレベルの振幅信号が得られる。
この場合、アルミ材は非磁性であるため、アルミ材に対向する区間の振幅が最も小さく、ターゲット80,81に対応する振幅の大きな信号がパルス状に出現する。そのため、閾値設定による温度検出が比較的容易となる。なお、変形例3では、非キュリー点における透磁率の変化の補正(差信号の生成)は、アルミ材であるリング90の信号は基準信号として使用せず、磁性体であるターゲット80の信号を基準信号として差信号を生成する。
《ポンプ運転動作の説明》
次に、検出部31から出力されるロータ温度モニタ信号を利用して、ターボ分子ポンプを安全に運転する方法について説明する。ここでは、ターゲット80(基準用ターゲット)とターゲット81を用いた場合の制御ついて説明する。
(動作例1)
動作例1は最も簡単な運転動作であり、ロータ温度モニタ信号がキュリー点を越えたことを示したならば、すなわち、ロータ温度Tがキュリー温度Tc以上となった場合には、モータ駆動制御部33は直ちにロータ2の回転を減速し停止させる。そして、警報部34はロータ温度異常を報知する。ロータ温度Tが許容温度Tmaxとなってクリープ変形の著しい場合にロータ回転を停止することにより、そのようなクリープ変形が生じるのを防止することができ、ポンプの安全性が向上する。
(動作例2)
動作例1では、ロータ温度Tがキュリー温度Tc以上となった場合にロータ回転を停止するようにしたが、ロータ温度がキュリー温度Tc以上である間だけ回転数を下げて運転し、ロータ温度がキュリー温度Tcよりも低くなった時点で再び回転数を定格回転に戻すようにしても良い。ロータ温度がキュリー温度Tc以上となった場合に回転数を下げることにより、遠心力によるロータ2のクリープ変形を抑えることができる。なお、回転数を定格よりも下げた場合には、ロータ温度上昇情報を報知するだけでなく、回転数が低下していることを警報部24に表示する等してオペレータに注意を喚起する。
また、ターボ分子ポンプをエッチング装置等で使用する場合、ポンプ内部に反応生成物が付着しやすい。反応生成物はポンプ温度が低いほど付着しやすいため、一般的には、ポンプ本体をヒータ等で加熱して付着を抑制するようにしている。そこで、ロータ回転数低下の代わりに、またはロータ回転数低下とともに、ロータ温度がキュリー温度Tc以上である間だけヒータ等の加熱手段を停止するようにしても良い。
(動作例3)
上述した動作例1,2では、ロータ温度Tがキュリー温度Tc以上となった場合にロータ回転を停止したり、キュリー温度Tc以上である間だけロータ回転数を下げるような例を説明した。しかし、半導体装置側のプロセス途中であってロータ回転を変更できないような場合がある。そのような場合の動作例として、キュリー温度Tc以上となっている時間の積算値が所定の基準時間となった場合にロータ2を停止し、異常発生を警報部34により報知する。そのため、プロセス中にT≧Tcとなった場合でも、積算時間が基準時間以内であればそのままプロセスを継続することができる。
基準時間は、予めロータクリープ寿命設計により求めたロータ2の許容変形量に達するまでの時間とする。ただし、クリープ変形は温度によって異なるので、例えば、ロータ温度Tがキュリー温度Tcであるとして計算した時間や、さらに余裕をみてその時間より小さめの時間を基準時間とすれば良い。
なお、図1,2に示したポンプではターゲット80〜82をシャフト3の端面部分に配設したが、本発明は磁性体リングをロータ外周に設けるタイプのポンプにも同様に適用することができる。また、真空ポンプに限らず、回転体の温度検出機構にも適用することができる。
以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、ギャップセンサ44および検出部31はインダクタンス検出部を、検出部31は温度検出部および回転検出部を、ターゲット81,82は第1の磁性体を、ターゲット80は第2の磁性体を、凸部85は第3の磁性体を、差信号生成部67は差分信号生成手段を、ナット42は保持部材をそれぞれ構成する。なお、以上の説明はあくまでも一例であり、発明を解釈する際、上記実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。
本発明による真空ポンプの一実施の形態を示す図である。 シャフト下端部分を示す図であり、(a)はナット42およびギャップセンサ44の斜視図、(b)はギャップセンサ44側から見たナット42の平面図である。 ギャップセンサ44のインダクタンス変化を説明する図である。 磁性体温度に対する透磁率またはインダクタンスの変化を示す図であり、(a)は透磁率の温度変化を示し、(b)はインダクタンス変化を示したものである。 検出部31を説明するブロック図である。 (a)はギャップセンサ44から出力される振幅変調信号の典型例を示す図であり、(b)は整流回路62から出力される信号を示す図である。 ターゲット80〜82のインダクタンスの温度変化を示す図である。 ターゲット温度が上昇する過程における振幅信号の変化を示す図であり、(a)はT<Tc2<Tc3<Tc1の場合を、(b)はTc2<T<Tc3<Tc1の場合を、(c)はTc2<Tc3<T<Tc1の場合をそれぞれ示す。 ターゲット81,82の差信号を示す図である。 ゼロクランプ回路を用いる場合の信号を示す図である。 (a)は2重円筒コア84の外観形状と断面形状とを示す図であり、(b)は2重円筒コア84とターゲット81の形状との関係を示す図である。 変形例1を示す図であり、(a)はナット42およびギャップセンサ44の斜視図であり、(b)はギャップセンサ44側から見たナット42の平面図である。 変形例1における温度T=110℃の振幅信号を示す図である。 変形例2を説明する図であり、ターゲット81,82に関する差信号を示したものである。 変形例3を示す図である。
符号の説明
1 ポンプ本体
2 ロータ
3 シャフト
4 ベース
30 コントローラ
31 検出部
32 磁気軸受け制御部
33 モータ駆動制御部
34 警報部
42 ナット
42a 保持部
80,81,82 ターゲット
44 ギャップセンサ
67 差信号生成部
84 2重円筒コア
85 凸部
90 リング

Claims (6)

  1. ステータに対してロータを回転することによりガスを排気する真空ポンプにおいて、
    前記ロータ上のロータ回転軸を中心とした円周上に配設され、前記ロータの温度監視範囲内にキュリー温度を有する第1の磁性体と、
    前記ロータ上の前記円周上に配設され、前記温度監視範囲の上限温度よりも高温側にキュリー温度を有する第2の磁性体と、
    前記ロータの回転により前記第1および第2の磁性体が順に対向する位置に配設され、対向する前記第1および第2の磁性体の透磁率に応じた第1および第2信号をそれぞれ出力するインダクタンス式のギャップセンサと、
    前記第1の磁性体が前記ギャップセンサと対向したときの前記第1信号と、前記第2の磁性体が前記ギャップセンサと対向したときの前記第2信号との差分信号を生成する差信号生成手段と、
    前記差分信号の信号レベルと予め設定された基準レベルとを比較して、前記ロータの温度が前記第1の磁性体のキュリー温度を越えたか否かを検出する温度検出部とを備えたことを特徴とする真空ポンプ。
  2. ステータに対してロータを回転することによりガスを排気する真空ポンプにおいて、
    前記ロータの温度監視範囲内にキュリー温度を有する第1の磁性体を、ロータ回転軸を中心とした円周上に配設するように保持してロータに固定する保持部材であって、前記温度監視範囲の上限温度よりも高温側にキュリー温度を有する第2の磁性体と、
    前記ロータの回転により前記第1および第2の磁性体が順に対向する位置に配設され、対向する前記第1および第2の磁性体の透磁率に応じた第1および第2信号をそれぞれ出力するインダクタンス式のギャップセンサと、
    前記第1の磁性体が前記ギャップセンサと対向したときの前記第1信号と、前記第2の磁性体が前記ギャップセンサと対向したときの前記第2信号との差分信号を生成する差信号生成手段と、
    前記差分信号の信号レベルと予め設定された基準レベルとを比較して、前記ロータの温度が前記第1の磁性体のキュリー温度を越えたか否かを検出する温度検出部とを備えたことを特徴とする真空ポンプ。
  3. 請求項に記載の真空ポンプにおいて、
    前記温度検出部は、前記差分信号の信号レベルと複数の異なる基準レベルとを比較することにより、前記差分信号の信号レベルに対応した複数の温度を検出することを特徴とする真空ポンプ。
  4. 請求項またはに記載の真空ポンプにおいて、
    前記第1の磁性体は、前記円周方向の長さが前記ロータ回転軸の動径方向に関する長さの2倍以上であることを特徴とする真空ポンプ。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の真空ポンプにおいて、
    前記ロータ上の前記円周上に配設されるとともに、前記ギャップセンサと対向したときの隙間寸法が、前記第1および第2の磁性体が前記ギャップセンサと対向したときの隙間寸法よりも小さくまたは大きく設定され、前記上限温度よりも高温側にキュリー温度を有する第3の磁性体と、
    前記第3の磁性体と前記ギャップセンサとが対向したときの前記ギャップセンサの出力信号に基づいて、前記ロータの回転周期を検出する回転検出部とを備えたことを特徴とする真空ポンプ。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の真空ポンプにおいて、
    前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記ロータの温度制御を行うことを特徴とする真空ポンプ。
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