以下、本発明の実施の形態を示す第1実施例について図1〜図24に基づいて説明する。本第1実施例は、遊技機の一具体例としていわゆるセブン機と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(以下、単に遊技機という)を例示している。
まず、遊技機1本体の構造について図1〜図4を参照して説明する。図1は遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、主として外枠(本体枠)2,中枠3,前面枠4,上皿部5,下皿部6,施錠装置7,遊技盤10等を備えている。なお、図1では、遊技盤10の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の枠状に組み立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3は全体がプラスチック製であり、外枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤10と前面枠4とが重なるように設けられ、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。
また、下板部には、遊技球を遊技盤10に発射する発射ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)、遊技状態に応じて効果音等を発生させるスピーカ400a(図5参照)等が設けられている。なお。本実施例のスピーカ400aは、中高音用スピーカ(ツィータ)及び低音用スピーカ(ウーファ)を含んで構成されている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤10の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。
前面枠4には、遊技効果等のためのランプ類として、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、上LED表示部4fが設けられている。これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。左LED表示部4bと右LED表示部4cは、開口部4aの周囲の右側と左側にそれぞれ円弧状に設けられている。左上LED表示部4dは左LED表示部4bの左上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右上方に設けられている。上LED表示部4fは円弧状に形成され、左LED表示部4bの上端部と右LED表示部4cの上端部との間に2個設けられている。
また、2個の上LED表示部4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。賞球LED表示部4gの上方には、扇形のエラーLED表示部4hが設けられている。
図2は、各種LED基板4i〜4oの配置関係を示す説明図である。図2に示す各種LED基板4i〜4oは、中枠3の枠体部において、上述の各種LED表示部4b〜4hに対応する位置に設けられている。具体的には、左LED基板4iは左LED表示部4bに対応し、右LED基板4jは右LED表示部4cに対応し、左上LED基板4kは左上LED表示部4dに対応し、右上LED基板4lは右上LED表示部4eに対応し、上LED基板4mは上LED表示部4fに対応し、賞球LED基板4nは賞球LED表示部4gに対応し、エラーLED基板4oはエラーLED表示部4hに対応している。
図1に戻り、上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左側に開閉可能に支持されている。上皿部5は、玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設された皿外縁部5aと、遊技機1の内側から遊技球を排出するための排出口5bとを備えている。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1音声出力部5cが形成されている。第1音声出力部5cは、スピーカ400a(図5参照)のうち中高音用スピーカ(ツィータ)とダクトを介して接続されており、中高音用スピーカからの音声がダクトを介して出力される。上皿部5の裏面には音量スイッチ基板12(図5参照)が設けられている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿6bが設けられている。また、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には図示しない球抜き穴が設けられている。球抜き穴は通常時には閉鎖しており、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放する。
下皿部6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6cが設けられている。排出ノブ6cは、下皿部6の周縁部の一部を構成している。排出ノブ6cは、通常時は直立状態であり、下端を回転軸として上端が手前側に倒れるように回動可能となっている。球抜き穴は、排出ノブ6cに連動しており、排出ノブ6cが直立状態のときには球抜き穴は閉鎖しており、排出ノブ6cを手前側に倒すことで球抜き穴は開放する。
排出ノブ6cは、プルロック式に構成されている。遊技者が下皿部6に溜まった遊技球を手前側に掻き出すように操作することで、排出ノブ6cが回転軸を中心に手前側に回動して、この状態でロックされる。同時に球抜き穴が排出ノブ6cの回動に連動して開放し、遊技球が下皿部6から排出される。排出ノブ6cを押すことでロックが解除され、排出ノブ6cを直立状態に戻すことができ、球抜き穴は閉鎖する。
下皿部6における排出ノブ6cの右側およ左側の下面には、第2音声出力部6dが設けられている。第2音声出力部6dは、スピーカ400aの低音用スピーカ(ウーファ)とダクトを介して接続されており、低音用スピーカからの音声が下方に向かって出力される。
下皿部6の右側には、発射装置ユニット(図示略)を操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ9aが設けられている。また、発射ハンドル9の左側面には、遊技球の発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。
施錠装置7は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた際にこれを施錠するためのものである。また、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13が装着されている。
次に、本第1実施例の遊技盤10の表面構造について図3を参照して説明する。図3は、遊技盤10の正面図である。遊技盤10は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に表面側に着脱可能に取り付けられるとともに、後述する裏機構盤102(図4参照)によりその背面側が覆われている。
図3に示すように、遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成されている。遊技領域11内には、中央装置26,第一種始動口(普通電動役物)17、変動入賞装置18、左入賞口19、右入賞口209、左下入賞口21、右下入賞口22、多数の障害釘23、一対のランプ風車24,25等が配設されている。
図3に示すように、中央表示装置16は、遊技領域11の略中央部に配置され、センター役物26と、液晶表示装置(液晶表示盤)27とを備えている。
液晶表示装置27は、四角枠状の枠部271内に、略長方形状の映像画面272を配置している。また、この液晶表示装置27の映像画面272上には、1又は複数の特別図柄(識別情報)を所定の芳香に次々と変動させながら表示した後、停止表示する特別図柄表示領域(識別情報表示領域)が形成されている(図示を省略)。すなわち、左特別図柄を表示する左特別図柄表示領域、中特別図柄を表示する中特別図柄表示領域、及び右特別図柄を表示する右特別図柄表示領域が、略横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成されている(図示略)。各特別図柄表示領域は、これらの、表示領域の配列方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定され、その向きで変動しているように識別情報としての複数の図柄(特別図柄)が順次表示されていく。
液晶表示装置27は、遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入球することにより、その映像画面の表示領域(図示略)に表示される各特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311が開放される。即ち、本遊技機1では、「複数の識別情報」として、左特別図柄表示領域と、中特別図柄表示領域と、右特別図柄表示領域とを備えている。また、「遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入球する。」という「所定条件の成立」によって、各特別図柄がそれぞれ変動され(即ち、複数の識別情報を可変表示され)、「図柄が3桁同一図柄で揃う。」という、特定条件の停止態様が達成されると、「大当り」という「特定の価値」を付与する。
センター役物26は、液晶表示装置27の前面周辺部に突設して装着されており、上方に配置されるフラスコ部263と、下方に配置されるステージ264と、ステージ264の略中央に形成された中央穴271と、中央穴271に入った遊技球を第一種始動口17の上方へと導いて遊技領域11に戻すための排出口262を備えている。
センター役物26の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート36,37がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36,37内に左、右普通図柄作動ゲート検知スイッチ36s、37s(図5参照)が配設されている。そして、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、液晶表示装置27に表示された普通図柄が変動表示する。
第一種始動口17は、後述する変動入賞装置18と一体化されたもので、中央装置16におけるセンター役物26の中央位置の下方に離れて配設されている。第一種始動口17は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するように形成され、その前面に飾りを備えて後述する基板34に取り付けられている。第一種始動口17の内部には、遊技球の通過を検知する第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図5、図23(b)参照)と、翼片部を作動させるための第一種始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図5参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きい開放状態となり、一対の翼片部が立設されると、遊技球の入球可能性が小さい通常状態となる。
変動入賞装置18は、第一種始動口17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図5参照)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ318(図5参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する図示しない特定領域(V入賞口及び一般入賞口)と、連動杆(図示略)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
また、左下入賞口21は、第一種始動口17の左側に配設され、内部に左下入賞口通過検知スイッチ21s(図5参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223〜225が左下入賞口LED基板21f(図5参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、第一種始動口17の右側に配設され、内部に右下入賞口通過検知スイッチ22s(図5参照)が設けられている。
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。これらの内部には、それぞれ左入賞口通過検知スイッチ19s(図5参照)、右入賞口通過検知スイッチ20s(図5参照)が設けられている。また、中央装置16の左右斜め上方には、一対のランプ風車24、25がそれぞれ配設されている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配置されている。
遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、ファール球防止部材59が内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60がファール球防止部材59の位置とは略正反対側の遊技盤10の右半分側の位置において、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
なお、多数の障害釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
次に、本第1実施例の遊技機1の裏面構造について図4を参照して説明する。図4は遊技機の裏面を示す背面図である。図1で示した前面枠4は、上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により中枠3に開閉可能に支持されている。
図4に示すように、裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知スイッチ(図示略)が設けられ、さらにその下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
続いて、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、液晶表示装置27を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられ、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図5参照)として、裏側遊技装置としての主制御基板340(図6(a)参照)を格納した格納容器としての主制御基板ケース112が配設されている。主制御基板ケース112の背面下側には、発射制御部193(図5参照)として発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113、及び発射制御集合中継基板(図示略)が設けられている。裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が設けられている。裏機構盤102の右下方部には、払出制御部150(図5参照)として、払出制御基板350(図6(b)参照)を格納した格納容器としての払出制御基板ケース118が設けられている。
主制御基板ケース112の右側上方には、裏側遊技装置としての中継基板190が装着されている。本第1実施例においては、主制御基板ケース112、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板122が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板122の上側に配設されている。払出制御基板350(図6(b)参照)を格納した払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。なお、電源ターミナル基板121には、「RAMクリア信号」を発生させるための図示しないRAMクリアスイッチが接続されている。
次に、本第1実施例の遊技機1の電子制御装置130について、図5〜図13を参照して説明する。図5は電子制御装置130のブロック図である。図6〜図8は各制御部140〜170の構成を示しており、図6は主制御部140と枠制御部150、図7は特別図柄制御部160、図8は音声・ランプ制御部170を示している。
図5に示すように、電子制御装置130は、主制御部140、払出制御部(主として賞球の払出制御を行う賞球払出制御部)150、特別図柄制御部160、音声・ランプ制御部170を含んで構成されている。主制御部140は主制御基板(メイン基板)340を備え、各副制御部150,160,170はそれぞれ副制御基板(サブ基板)350,360,370を備えている。主制御部140と払出制御部150および特別図柄制御部160は信号伝送経路500aにより接続され、特別図柄制御部160と音声・ランプ制御部170は信号伝送経路500bにより接続されている。
主制御部140から信号伝送経路500a、500bを介して各副制御部150〜170に処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータが送信される。主制御部140から各制御部150〜170には、一方向形式でデータが伝送される。また、各制御部140〜170には、電源受電基板410から電源ユニット420、さらには分電基板430を介して電源が供給されており、後述する電源立上げ時のシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
図6(a)に示すように、主制御部140は主制御基板340を備えている。主制御基板340は、CPU401を含む主回路部400と、入出力回路部500とを備えている。主制御基板340は、通常、不正行為者にとっては開閉困難なケース(即ち、主制御基板ケース112)に収納されている。従って、この不正行為者は不正にアクセス(ぶら下げ基板の取り付け)することが困難である。
図6(a)に示すように、入出力回路部500には外部端子部145が接続されている。この外部端子部145には、パチンコホールの「ホールコンピューター」が接続される。そして、主制御基板340は、RAMクリア処理の実行後に、RAMクリア信号をONし、一定時間経過後にOFFするが、このRAMクリア信号を遊技機1の外部に出力し、パチンコホールのシステム等に報知できる。このため、不正行為者が判らない間に、パチンコホールの管理者側が不正行為を知ることができる。
主制御部140の入出力回路部500には、図5に示す中継基板190の出力端子が接続されている。中継基板190は、図5に示すように入賞球検知スイッチ318、19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板である。さらに、主制御部140の入出力回路部500には、第一種始動口入賞検知スイッチ17s、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c、313、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ37s、左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36sが接続されている。
図11は、主制御基板340の主回路部400および入出力回路部500の構成を示している。図11に示すように、主回路部400は、CPU401、発振部410、データバス安定化部411、I/Oデコード回路部420、第1外部入力回路部430、リセット回路部450を有している。入出力回路部500は、賞球コマンド出力回路部510、ランプコマンド出力回路部520、表示コマンド出力回路部530、音声コマンド出力回路部540、ソレノイド駆動回路部550、LED駆動・情報出力回路部560、第2外部入力回路部570を有している。
図12は主回路部400のCPU401の構成を示し、図13は内蔵RAMに格納されているメモリのうち代表的なものを示している。図12に示すように、CPU401は、CPUコア480、内蔵RAM481、内蔵ROM482、メモリ制御回路483、クロック発生器484、アドレスデコーダ485、ウオッチドッグタイマ486、カウンタ/タイマ487、パラレル入出力ポート488、リセット/割り込みコントローラ489、外部バスインターフェース490、出力制御回路491を備えている。内蔵RAM481には、図13に示す各種メモリ481a・・・481wが格納されている。
CPU401は、ROM482に格納された制御プログラムにより、RAM481をワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司る。また、ROM482に記憶された当否判定プログラムにより、CPU401が主体となって当否判定制御を行う。
図6(b)に示すように、払出制御部150は払出制御基板350を備えている。払出制御基板350は、主制御基板340と同様の主回路部600及び入出力回路部700を含んで構成され、入出力回路部700において図5に示す信号伝送経路500aに接続されている。また、入出力回路部700には、図5に示す賞球払出装置109、発射装置制御部193等が接続されている。また、入出力回路部700には、払出用端子基板191の出力端子が接続されている。払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192,タンク球切れ検知スイッチ104及び補給球切れ検知スイッチ108等が接続されている。
図7に示すように、特別図柄制御部160は特別図柄制御基板360を備えている。特別図柄制御基板360は、演算回路構成要素としてCPU161、RAM162、ROM163、入出力ポート164、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)166を含んでいる。これらの演算回路構成要素はバス165により相互に接続して構成され、入出力ポート164において信号伝送経路500aに接続されている。入出力ポート164には、液晶表示装置27が接続されている。CPU161は、ROM163に格納された制御プログラムにより、RAM162をワークエリアとして中央装置16(液晶表示装置27等)の作動制御を行う。
図8に示すように、音声・ランプ制御部170は制御回路基板370を備えている。制御回路基板370は、演算回路構成要素としてCPU171、RAM172、ROM173、入出力ポート174、サウンドジェネレータ175を含んで構成されている。これらの構成要素171〜175は、本発明の制御回路部を構成している。これらの構成要素171〜175は、バス176により相互に接続され、入出力ポート174において信号伝送経路500bに接続されている。なお、音声・ランプ制御部170は、本発明のランプ制御部を構成している。
音声・ランプ制御部170は、制御回路基板370とは別に、駆動回路基板371及びコネクタ出力基板372を備えている。駆動回路基板371には、ランプ等の駆動回路を有するドライバ部(駆動回路部)177が設けられている。コネクタ出力基板372には、各種LED基板等と接続するためのコネクタを有するコネクタ出力部178が設けられている。制御回路基板370の入出力ポート174にはドライバ部177が接続され、ドライバ部177にはコネクタ出力部178が接続されている。なお、ドライバ部177とコネクタ出力部178が本発明のインターフェース部を構成している。
コネクタ出力部178には、各種ランプ基板261f、262f、各種LED基板4i〜4o等が接続されている。これらの各基板には、ランプあるいはLEDが1又は複数個接続される。これらのランプ等はゲームの進行に対応して点灯・消灯または点滅する。また、コネクタ出力部178にはステッピングモータ800が接続されている。さらに、制御回路基板370は、遊技球の入球に影響を与えない可動部分等を駆動するソレノイド850やモータ(図示略)等の駆動制御を行うように構成されており、コネクタ出力部178にはソレノイド850等が接続されている。
図9は制御回路基板370及び駆動回路基板371の構成を示し、図10はコネクタ出力基板372の構成を示している。なお、図9の制御回路基板370では、CPU171以外の構成要素の図示を省略している。
図9に示すように、駆動回路基板371には複数の駆動回路177a〜177eが設けられている。第1駆動回路177aは賞球LED基板4nやエラーLED基板4oのLEDを駆動するものであり、第2駆動回路177bはソレノイド850やステッピングモータ800を駆動するものであり、第3〜第5駆動回路177c〜177eは中枠3に設けられた各種LED基板4i〜4mのLEDを駆動するものである。第3駆動回路177cはコモン信号を出力し、第4駆動回路177d及び第5駆動回路177eはデータ信号を出力する。
図9に示すように、制御回路基板370には、インタフェース基板371と接続するためのコネクタCN1が設けられ、駆動回路基板371のコネクタCN2が接続される。制御回路部171〜175とドライバ部177との間は信号線(図示略)で接続されており、制御回路部171〜175からドライバ部177への信号の送信はシリアル通信にて行われる。CPU171からの制御指令は、シリアル通信にてドライバ部177に送信された後、各駆動回路177a〜177eに振り分けられる。
駆動回路基板371には、賞球LED基板4n及びエラーLED基板4o(図2)と接続するためのコネクタCN3が設けられている。第1駆動回路177aの駆動信号は、コネクタCN3を介して賞球LED基板4n及びエラーLED基板4oに送信される。駆動回路基板371には、コネクタ出力基板372と接続するためのコネクタCN4が設けられ、コネクタ出力基板372のコネクタCN5が接続される。第2駆動回路177b〜第5駆動回路177eの駆動信号は、コネクタCN4及びコネクタCN5を介してコネクタ出力部178に送信される。
図10に示すように、コネクタ出力基板372には、ソレノイド850と接続するためのコネクタCN6、ステッピングモータ800と接続するためのコネクタCN7、中枠3に設けられた各種LED基板4i〜4m(図2)と接続するためのコネクタCN8〜CN12、遊技盤10に設けられた各種LED基板と接続するためのコネクタCN13〜CN15が設けられている。
コネクタCN8には上LED基板4mが接続され、コネクタCN9には左上LED基板4kが接続され、コネクタCN10には右上LED基板4lが接続され、コネクタCN11には左LED基板4iが接続され、コネクタCN12には右LED基板4jが接続される。また、コネクタCN13には特別図柄保留表示LED及び普通図柄保留表示LED(いずれも図示省略)に対応するLED基板が接続され、コネクタCN14にはサイドランプ38、39に対応するランプ基板が接続され、コネクタCN15にはLED72,74に対応するランプ基板がそれぞれ接続される。コネクタ出力部178では、インタフェース部177の第3駆動回路177c〜第5駆動回路177eが出力したコモン信号及びデータ信号を各コネクタCN8〜CN15に振り分ける。
また、上述のように制御回路基板370にはサウンドジェネレータ175が設けられており、本実施例の音声・ランプ制御部170の制御回路部171〜175は、ランプ制御に加えて音声制御も行うように構成されている。制御回路基板370の入出力ポート174には、図示しない増幅回路を介して音量スイッチ基板12が接続されている。音量スイッチ基板12は、音量スイッチ(図示略)の操作により出力音量の設定を行うものである。音量スイッチ基板12には、スピーカ400aが接続されている。制御回路基板370に設けられたサウンドジェネレータ175は、格納された音声データと音声出力モジュールとに基づいて、音量スイッチ基板12を介してスピーカ400aより、ゲームの進行に対応した各種の音声出力を行う。
また、各種ランプ、LEDや音声は、特別図柄制御部160の制御による特別図柄の変動・停止表示態様、リーチ発生の有無、後述するリーチ表示態様、特別遊技態様、及び遊技モード(確率変動、時短など)等に応じて制御される。その制御指令の指令信号は、音声・ランプ制御部170を作動指令対象とする指令信号として、信号伝送経路500bを介して送信される。
なお、上述した特別図柄制御部160および音声・ランプ制御部170は、主制御部140や払出制御部150と同様の回路部から構成されるものとすることもできる。すなわち、主回路部と入出力回路部から構成されるものとし、内部にROM、RAMが内蔵されたCPUを用いることもできる。
次に、賞球動作は以下の順序で実行される。
主制御部140は、所定個数の賞球個数データを、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、払出制御部150に対してその検知順に信号伝送経路500aを介して送信する。固有賞球数は 本第1実施例では6個、10個あるいは15個である。具体的には、遊技球が入賞球検知スイッチ318を通過した場合には15個、第一種始動口入賞検知スイッチ17sを通過した場合には6個、それ以外の場合(例えば、左右下入賞口21、22の通過検知スイッチ21s、22sの通過を検知した場合等)には10個としている。払出制御部150は、主制御部140からの賞球個数データを受け取り、賞球払出信号の送信により賞球払出装置109を作動させる。
また、主制御部140は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断する。さらに主制御部140は、その遊技状態に基づいて当否判定を行うっともに、判定内容に応じた図柄表示態様で画面表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、第一種始動口入賞検知スイッチ17s、入賞球検知スイッチ318等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び特別遊技状態なども判断する。また、始動入賞が検出されると後述する乱数値に基づいて当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)、または確定などの表示態様制御のためのデータが読み込まれる。このデータは、特別図柄制御部160を作動指令対象とする指令信号として、信号伝送経路500aを介して送信される。
次に、主制御部140により実行されるジョブについて図14〜図20を参照して説明する。図14は、主制御部140のCPU401がROM482に格納されたプログラムに基づいて実行するメインジョブの一例を示している。
まず、スタックポインタをRAM481の所定のアドレスに設定し(S10)、RAMクリアスイッチ144が操作(押下)されているか否かを判断する(S12)。この結果、RAMクリアスイッチ144が操作されている場合には、RAM481の初期化処理を行う(S800)。一方、RAMクリアスイッチ144が操作されていない場合には、バックアップフラグが設定されているか否かを判定する(S15)。この結果、バックアップフラグが設定されている場合には、図16に示す「電源断に対する復電処理」を行う。
なお、本第1実施例の遊技機1は、停電等によって電源断が発生した場合に、図15のフローチャートで示す電源断発生時の処理を行う。まず、使用レジスタをRAM481に退避し(S630)、スタックポインタの値をRAM481に保存する(S632)。そして、大入賞口ソレノイド313、第一種始動口ソレノイド17cをOFFにし(S634)、賞球センサのポーリング処理時間(例えば、約85m秒)を設定し(S636)、賞球計数前センサ及び賞球計数後センサで遊技球の通過を監視する(S638)。次いで、ポーリング処理時間が経過すると(S640)、使用しているRAM481のチェックサム(チェックサム、バックアップフラグ、スタック領域は除く)を作成し(S642)、保存し、バックアップフラグをRAM481に設定する(S646)。そして、RAM481のアクセスを禁止し(S648)、無限ループ処理にて電源ダウンに備える。なお、上記無制限ループ処理に替えてHALT処理やSTOP処理を実行することも可能である。
図16に示す「復帰処理」においては、チェックサムを算出し(S664)、電源断時に保存していたチェックサムと一致するか否かを判定する(S666)。この結果、チェックサムが一致しない場合には、RAM481の初期化処理を行う(S800)。一方、チェックサムが一致した場合には、電源断前のスタックポインタを復帰し(S668)、バックアップフラグをクリアし(S670)、サブ基板を電源断前の状態に復帰させるためのコマンドを送信する(S672)。そして、各レジスタを電源断前の状態に復帰し(S674)、割込みの許可/不許可を電源断前の状態に復帰等し(S676,S678)、電源断前の番地に戻る(S680)。本第1実施例では、遊技機1に対し、電源断対策用のバックアップ電源を付加しているため、パチンコホールの停電時等においても、停電前に生じていた「遊技者にとって有利な情報」を保存できる。
図14に戻り、ステップS15でバックアップフラグが設定されていないと判断された場合には、初期化終了の判定を行う(S20)。この結果、初期化が終了していない場合には、初期化ジョブ(S190)を実行した後に、再びS20の初期化終了判定を行う。なお、RAM481の初期化処理は、遊技機1が出荷状態から最初の電源投入時の場合、RAMクリアスイッチ144が操作(押下)された場合、バックアップフラグに異常があった場合、チェックサムが一致しなかった場合に行われる。
一方、初期化が終了してい留場合には、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(S70)までの各ジョブが実行される。LEDジョブ(S30)では、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データや、特別図柄未始動回数の表示態様データなどが出力される。等速乱数ジョブ(S40)では、後述するRAM481の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウントメモリなどが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、初期値カウンタ、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。なお、汎用カウントメモリ(図示略)は、例えば割り込み毎の「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョブ、飾りジョブの実行などに使用される。
また、音声ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータの読み込みが行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、左右入賞口通過検知信号などの各種信号が中継基板190を介して主制御部140に取り込まれ、発射停止検知信号、タッチ検知信号、ヴォリューム検知信号などの各種信号が払出用端子基板191を介して枠制御部150に取り込まれる。また、主制御部140には、第一種始動口入賞検知スイッチ17sから第一種始動口入賞検知信号が取り込まれ、大入賞装置31から入賞球検知信号、及び普通図柄作動ゲート通過検知信号が取り込まれる。
次に、カウント検知スイッチ、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ等の各種スイッチに異常があるか否かを判定する(S80)。この結果、異常(球詰まりや断線など)がある場合には、エラージョブ(S130)が実行される。
一方、異常がない場合には、特別図柄メインジョブ(S90)および普通図柄ジョブ(S100)が実行される。特別図柄メインジョブ(S90)では、主制御部140と特別図柄制御部160とが協調して動作するために必要なデータに関するジョブが実行される。また、普通図柄ジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データの読み込みが行われる。
この後、各フラグの状態がバックアップメモリにセットされ(S140)、賞球信号ジョブ(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンドジョブ(S170)、及び残余時間ジョブ(S180)が実行される。賞球信号ジョブ(S150)では、賞球払出しに関するデータの読み込みや出力が行われ、情報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの読み込みが行われる。さらに、コマンドジョブ(S170)では、特別図柄管理等のためのコマンドの出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)では、非等速乱数の呼出しが行われる。尚、S180の残余時間ジョブにおいても、初期値乱数の更新が行われる。
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される当否判定ジョブを図17〜図19のフローチャートを参照して説明する。図17は当否判定ジョブのフローチャート、図18は大当り処理のフローチャート、図19は外れ処理のフローチャートである。当否判定ジョブは、始動入賞、すなわち第一種始動口17への入賞(始動入賞)時に実行される。これらのジョブでは、上記図16に示した主制御部140の内蔵RAM481に格納された各種メモリ等が用いられる。
まず、図17に示すように、始動入賞があったか否かを判定する(S200)。この結果、始動入賞が無い場合にはS250にスキップし、保留の有無を確認する。この結果、保留が無い場合(保留数が零の場合)にはS200に戻り、保留が有る場合(保留数が1〜4の場合)にはS255に進む。
一方、始動入賞がある場合は、保留数(未始動回数)が一定値(本第1実施例では「3」)を超えているか否かを判定する(S210)。保留数(未始動回数)が一定値を超えている場合には、その始動入賞は無効となってS255にスキップする。また、保留数(未始動回数)が一定値を超えていない場合には、特別図柄保留数メモリ481bに記憶されている保留数を1増加させる(S220)。
次に、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)を発生させるとともに(当否用乱数発生手段)、読み込みを行う(S230)。当否用乱数発生手段は、ソフトウェアを用いても、ハードウェアを用いてもよい。そして読み込んだ判定乱数値を、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(以下、判定乱数メモリともいう)に記憶する(S240)。このメモリは、読み込んだ判定乱数値を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
次に、判定乱数メモリ481aから記憶している最も古い先頭の判定乱数値を読み出し(S255)、ROM482内の大当り番号メモリ482aから大当り番号(当り用判定値)を読み出す(S260)。そして、判定乱数値と大当り番号が一致しているか否かを判定する(S265)。この結果、両者が一致していれば大当り判定となり、大当り処理を行い(S270)、一致していなければ外れ判定となり、外れ処理を行う(S310)。
次に、大当り処理(S270)を図18に基づいて説明する。まず大当り図柄決定乱数(識別情報決定用乱数)を発生させるとともに読み込みを行う(S280)。そして、読み込んだ決定乱数値を大当り図柄決定乱数メモリ481dに記憶する(S290)。なお、大当り図柄決定乱数の読み込みは、始動入賞時に当否用乱数と同時に行なっているが、当り判定決定と同時に、あるいは当り判定決定後所定の時間後に読み込むものとしてもよい。
次に、大当り図柄決定乱数と同時にリーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値をリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶する(S295)。また、「大当り」という判定結果(本第1実施例では「1」)を判定結果メモリ481jに記憶する(S300)。
この大当り図柄決定乱数値で決定される特別図柄は、特別図柄制御部160のROM163に格納されている特別図柄画像データに基づいて、液晶表示装置27に変動表示状態を経た後、定められた配列態様で表示される(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)。なお、上記特別図柄画像データを大当り図柄決定乱数値と対応付けて識別情報決定用値として主制御部140のRAM481に記憶しておき、読み込んだ大当り図柄決定乱数と識別情報決定用値とを比較することで停止する図柄を決定するものとしてもよい。
さらに、リーチ態様決定乱数値で指定されるリーチ表示態様は、特別図柄制御部160のROM163に格納されたリーチ表示態様画像データに基づいて、液晶表示装置27に、変動表示状態を経た後、定められたリーチ態様で表示される。なお、この場合も、上記リーチ表示態様画像データをリーチ態様決定乱数値と対応付けてリーチ態様決定用値として、主制御部140のRAM481のリーチ態様決定用値メモリ481lに記憶しておき、読み込んだリーチ態様決定乱数値とリーチ態様決定用値とを比較することで表示するリーチ態様を決定するものとしてもよい。
次に、外れ処理(S310)について図19に基づいて説明する。まず、外れリーチジョブを行うかどうかを乱数により決定する。具体的には、リーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込み(S315)、リーチ番号メモリ481iに記憶されているリーチ番号を読み出す(S320)。リーチ態様決定乱数とリーチ番号とが一致していれば外れリーチジョブに、一致していなければ通常外れジョブとなる(S330)。
外れリーチジョブの場合は、揃えるべき少なくとも2つの特別図柄(例えば、3種類の特別図柄のうち、左図柄と右図柄)を、外れリーチ図柄決定乱数を使用して決定する(S340)。あるいは、左図柄の乱数を参照し、それに右図柄を一致させるようにしてもよい。決定した図柄を外れリーチ図柄番号メモリ481mに記憶する(S350)。また、外れ中図柄を乱数により同様に決定し(S360)、決定した乱数値を外れ中図柄番号メモリ481gに記憶する(S370)。そして、「外れリーチ」という判定結果(本第1実施例では「2」)を判定結果メモリ481jに記憶する(S380)。
一方、通常外れジョブの場合は、各特別図柄(例えば左図柄、右図柄、中図柄)をそれぞれ乱数により決定し、決定した各乱数値をそれぞれ対応する外れ図柄番号メモリ481e、481f、481gに記憶する(S390〜S440)。また、「通常外れ」という判定結果(本第1実施例では「3」)を判定結果メモリ481jに記憶する(S450)。
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、特別図柄メインジョブの概略の流れを図20のフローチャートに基づいて説明する。
まず、第一種始動口17への遊技球の入賞に基づき、液晶表示装置27上で各特別図柄の変動表示を開始させる(S500)。例えば、左右及び中図柄を上から下、下から上へスクロール変動させる。
次に、判定結果メモリ481jから図17〜図19に示した当否判定ジョブで得られた各入賞に対する判定結果を読み出し(S510)、判定結果が大当り判定か否かを判定する(S520)。
この結果、大当り判定(「1」)の場合は、上述したリーチ態様決定乱数値に対応するリーチ態様決定用値メモリ481lに記憶されているリーチ態様決定用値を読み出し(S580)、大当り番号(識別情報決定用値)を大当り番号メモリ(決定用値記憶手段)482aから読み出す(S600)。次に、S610に進んで、例えば左図柄及び右図柄を同一図柄に揃えて所定のリーチ表示態様を経た後に、中図柄を左図柄及び右図柄と同一図柄に揃えて停止表示させ確定させる(S610)。
一方、大当り判定でない場合には、外れリーチ判定(「2」)か否かを判定する(S530)。この結果、外れリーチ判定(「2」)の場合には、上述の外れリーチ図柄番号メモリ481mから外れリーチ図柄番号を読み出し、外れ中図柄番号メモリ481gから外れ中図柄番号を読み出す(S570)。そして、外れリーチ図柄番号と外れ中図柄番号との番号の差(例えば左図柄と中図柄との差)を算出し(S571)、これらの差異に基づいて外れリーチ態様メモリ481nから外れリーチ態様を決定する(S572)。例えば、中図柄が左図柄の1つ前の図柄であり差が「−1」の場合には、複数種類(例えば3種類)の外れリーチの中から1種が選択され(例えば、所定の乱数取得により選択することができる)、読み出される。その後、例えば左図柄及び右図柄を同一図柄に揃えて所定のリーチ表示態様を経た後に、中図柄を他の図柄とは異なる図柄で停止表示させ確定させる(S610)。
一方、外れリーチ判定でない場合には、通常外れ判定(「3」)であり(S540)、外れ各図柄番号を外れ番号メモリ481e、481f、481gからそれぞれ読み出し(S550)、各特別図柄を(例えば、左図柄、右図柄及び中図柄)、相互にずれたタイミングで停止表示させ確定させる(S560)。なお、通常外れ判定の場合も、表示態様を「すべり表示」等により種々の態様に変化させる。これは、表示態様画像データを上記リーチ態様決定乱数値と対応付けて通常外れ表示態様決定用値として、主制御部140のRAM481の通常外れ表示態様決定用値メモリ(図示略)に記憶しておき、読み込んだリーチ態様決定乱数値と通常外れ表示態様決定用値とを比較することで表示する通常外れ態様を決定するようにすることが挙げられる。
大当り判定となった場合には、液晶表示装置27には所定の配列態様(例えば「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)で特別図柄が確定表示され、その後、特別遊技が実行される特別遊技状態(大当り遊技状態)となる。特別遊技状態においては、まず、大入賞装置31の開閉板312が開放状態となり、大入賞口311への遊技球の入賞が遊技者にとって容易な遊技球受入状態となる。
この特別遊技状態では、大入賞装置31は、所定の終了条件が成立するまで遊技球受入状態が継続される。例えば、開放状態が所定時間t1(例えば30秒)経過したとき、もしくは入賞球検知スイッチ318に所定数n1(例えば10個)の入賞が検知されたときに終了条件が成立し、遊技球受入状態が一旦終了して、開閉板312が閉鎖状態となって1ラウンドが終了する。この開閉板312が閉鎖されて所定時間t2(例えば0.5秒)が経過した後に所定の継続条件(図示しない特定領域への通過)が成立していれば、再び開閉板312が開放状態となり大入賞装置31が遊技球受入状態となる。なお、このような終了条件までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数(本第1実施例では16ラウンド)まで繰り返し継続される。また、終了条件成立時に継続条件が不成立の場合は、特別遊技状態がそのラウンドで終了(いわゆるパンク)するものとなっている。
なお、遊技機1においては、当り判定により中央装置16の液晶表示装置27に停止表示された特別図柄の種類に基づき、上記特別遊技状態の終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)を変更(向上)させる確率変更手段が備えられている。具体的には、予め記憶されている上記大当り図柄決定乱数値が、確率変更用乱数値と非確率変更用乱数値とから構成され、各乱数値の取得に応じて確率変更用図柄又は非確率変更用図柄が停止表示される。その停止表示された図柄が確率変更用図柄の場合、上記特別遊技状態終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜5倍に向上するものとされている。
以上説明した本第1実施例の遊技機1のように、音声・ランプ制御部170の制御回路部171〜175とインタフェース部177、178とを異なる基板に設けることで、インタフェース部177、178のみを交換することが可能となる。これにより、例えば盤面変更等の際、音声・ランプ制御部170にて制御するLEDの数や色、ソレノイドの種類等が変更されたり、あるいはLED基板やソレノイド個数が変更された場合であって、音声・ランプ制御部170のCPU171やROM173等の制御回路部171〜175の変更を要しない場合には、インタフェース部177、178のみを変更して対応することができる。したがって、異なる機種間でも制御回路部171〜175を共通化でき、機種変更等に制御回路部171〜175を再利用することが可能となる。このため、資源の有効活用を図ることができ、コスト低減が可能となる。
さらに本第1実施例では、インタフェース部177、178をドライバ部177とコネクタ出力部178に分離して、それぞれ異なる基板に設けているため、コネクタ出力部178のみを交換することができる。これにより、単にLEDの数や色、ソレノイドの種類等が変更されたような場合であって、ドライバ部177の変更を要しない場合には、コネクタ出力部178のみを変更して対応することができる。
また、本第1実施例の音声・ランプ制御部170では、制御回路部171〜175にランプ制御機能に加え音声制御機能を持たせている。これにより、音声制御機能のための独立した基板を廃止することができ、遊技機1全体としてのCPUの使用個数を減らすことができ、構成を簡略化することができる。
また、本第1実施例の遊技機1のように、別基板に設けた制御回路部171〜175とインタフェース部177、178との間の通信にシリアル通信を採用することで、制御回路部171〜175とインタフェース部177、178とを接続する信号線の数を減らすことができる。これにより、ノイズの低減、組み付け性の向上やコスト低減を図ることができる。
ここで、センター役物26、特にフラスコ部263について図21を用いて説明する。図21(a)は、図3に示したセンター役物26を拡大した図である。透明又は半透明の容器状のフラスコ部263は点Pを中心に揺動可能に構成されており、図面奧方向に配置されているステッピングモータ800(図8参照)により揺動駆動される。通常はフラスコ部263の注口263aが、図21(a)に示すように水平から45°上を向く姿勢にされているが、第一種始動口17に遊技球が入ると図21(b)に示すように水平から30°下を向く姿勢まで揺動され、その姿勢で振動された後、再び図21(a)の位置に戻される。この動作を第一種始動口17に遊技球が1回入る毎に3回繰り返す。上記振動により、後述のビーズがフラスコ263内で整流される。なお、第2の可動体265は、フラスコ部263の揺動駆動に連動して図示しないモータにより駆動される。
そしてフラスコ部263が図21(b)に示す姿勢になる都度、注口263aからアメーバ状の物体82が流れ出ているかのような画像が映像画面272上に表示される。つまり、第一種始動口17に遊技球が1回入ると合計3個の物体82が表示される。流れ出た物体82は、順次、映像画面272上で変形して、特別図柄84a、特別図柄84bになる。そして図21(b)に表示されている物体82も変形して所定時間後(例えば、2秒後)に第3の特別図柄となる。なお、3個の物体82が変形して成る図柄を特別図柄ではなく疑似図柄とし、特別図柄は映像画面272内などの別の箇所に表示してもよい。
また、フラスコ部263内にはフラスコ部263の容積の半分ほどの量の透明又は半透明のビーズが入れられており、図21(b)に示す姿勢で前記振動されることによりビーズは注口263aへ向けて流下する。なお、注口263aは実際には開口しておらず、フラスコ部263が図21(b)の姿勢で振動されてもビーズは流出しない。第1実施例では、上記ビーズは例えば直径2.5mm程度のガラス製又はポリカーボネート製の玉からなっている。
フラスコ部263の拡大図を図22に示す。図22(a)が図21(a)に示した姿勢に対応し、図22(b)が図21(b)に示した姿勢に対応している。なお、図22(a)、図22(b)では、前記ビーズを省略している。フラスコ部263は、略半球状の本体部62と、略円筒状の首部64とを備えており、これらの内部にそれぞれ複数の発光素子としてのLED72,74が設けられている。図22(a)に示す姿勢では、A−Aよりも下方にあるLED72のみが点灯され、図22(b)に示す姿勢では、B−Bよりも下方にあるLED72、74のみが点灯される。すなわち、同じLED72でもB−Bよりも下方にあるLED72bは点灯されるが、B−Bよりも上方にあるLED72aは点灯されない。点灯させるLED72,74は、各姿勢においてビーズが有る位置に対応している。このように選択的にLEDを発光させる処理が本発明の発光制御部としての処理に相当する。LED72またはLED74が点灯されると、その光がビーズ(図示略)により散乱(乱反射)され、本体部62内のビーズ全体が美しく発光する。
そしてフラスコ部263内に密閉収容されたビーズが、ステッピングモータ800によりフラスコ部263が傾斜されるに伴って移動されるので、独創的な視覚効果を持った可動体駆動機構となり、この可動体駆動機構が適用される遊技機1の遊技興趣を増すことができる。特許文献1に記載されたレンチキュラーレンズを用いた物は、開閉扉の開閉角度に応じて文字が「CLOSE」か「OPEN」かに変化する、といういわば整然とした変化を呈する物であったのに対し、本可動体駆動機構では、フラスコ部263が傾斜されるに応じてビーズがフラスコ部263内をばらばらと移動する、というエントロピー(乱雑さ)の大きい変化をするので視覚的効果が大きい。また、ビーズは透明又は半透明にされているので、LED72,74、72a,72bの光により、外光の方向や強弱に影響されることなく、発光することができる。
また、フラスコ部263が傾斜されると、ビーズがフラスコ部263内で移動されるのに伴ってLED72,74、72a,72bを選択的に発光させるので、ビーズが移動されることによる遊技興趣と、そのビーズが発光するという遊技興趣を共存させることができる。そして、揺動の上限と下限でフラスコ部263が振動されることによりビーズが整流されるため、ビーズのフラスコ部263内での詰まりを防止し、ビーズの移動を円滑にすることができる。また、フラスコ部263が傾斜されると、液晶表示装置27には、フラスコ部263の注口263aからアメーバ状の物体82が流れ出ているかのような画像(ビーズがあふれ出ているようにも見える)が表示されるので遊技興趣が高まる。
ステージ264の周辺の拡大図を図23(a)に示す。ステージ264は、本図に示すように上面が波形をしており、その略中央部に可動体41が設けられている。図23(a)のC−C断面図を図23(b)に示す。なお、図23(b)では、第一種始動口17の断面(翼片部は省略)も示した。図23(b)に示すように、可動体41は、中央穴271の奧に設置されており、中央穴271に遊技球45が入ると、中央穴271の下方に位置する梃子43の前部に遊技球45が当接する。梃子43は、点Qで軸支されており、遊技球45が前部に当接すると、点Qを軸として矢印Dのように反時計回りに回動し、可動体41を矢印Eのように上昇させる。なお、中央穴271に入賞した遊技球45は、演出用センサ271sにより検出される。演出用センサ271sは、第一種始動口入賞検知スイッチ17sなどと同様、磁気センサの一種で、遊技球45の通過を検出することができる。
こうして梃子43を介して可動体41を上昇させた遊技球45は、排出口262から遊技領域11に戻る。排出口262は、前述したように第一種始動口17の上方にあるので、排出口262から排出された遊技球45は矢印Fのように下降して高い確率で始動入賞する。始動入賞した遊技球45は、第一種始動口入賞検知スイッチ17sにて入賞が検知される。
演出用センサ271sおよび第一種始動口入賞検知スイッチ17sの検出結果を用いて実行される予告演出処理を図24に示す。本処理は、主制御部140のROM482に格納されており、演出用センサ271sが遊技球を検知すると割り込みにより起動され、主制御部140のCPU401により実行が開始される。尚、本図では説明の便宜上、演出用センサ271sが遊技球45を検出する処理から示している。本処理が起動され、演出用センサ271sが遊技球45を検出すると(S700:YES)、現在、特別図柄保留数メモリ481bに記憶されている保留数が4未満か否かを判定する(S710)。保留数が4以上の場合(S710:NO)は、現在、液晶表示装置27において行われている変動パターンに対応した演出パターンを選択(S720)し、その演出パターンに対応した表示器用コマンドを特別図柄制御部160に送信(S730)して本処理を終了する。
ここで変動パターンとは、特別図柄を液晶表示装置27上での変動のさせ方であり、前述のリーチ表示態様や「すべり表示」はその例である。この他、リーチにもならない外れの場合に特別図柄を液晶表示装置27上での変動のさせ方も変動パターンである。一方、演出パターンとは、液晶表示装置27の画面上で、特別図柄の変動・停止とは別に行われる予告パターンであり、遊技機1では予め定められたキャラクターが液晶表示装置27に表示するようにされている。特別図柄制御部160が、演出パターンの表示器用コマンドを受信すると、その時点で、液晶表示装置27上に前記キャラクターを表示し、このキャラクターを遊技者が視認できる程度の短時間経過後に画面から消去する。なお、このキャラクターの表示は、特別図柄の変動表示が停止するのを待って行なったり、特別図柄の変動中の所定のタイミングで行なったりしてもよい。また、前記キャラクターは、S760にて後述する当り用演出パターン、それ以外の演出パターンに対応してそれぞれ異なるものが予め用意されている。S720では「それ以外の演出パターン」に対応するキャラクターが選択される。
一方、保留数が4未満の場合(S710:YES)は、1秒後の当否乱数の値を算出する(S740)。具体的には、演出用センサ271sが遊技球45を検出してから1秒後に、特別図柄当否判定乱数を発生させ、主制御部140のRAM481の演出用乱数メモリ(図示略)に読み込む。これは、特別図柄当否判定乱数を読み込む領域が特別図柄当否判定乱数メモリ481aではない点以外は当否判定ジョブのS230における処理と同様である。また、「1秒」という時間は、中央穴271に入った1個の遊技球45が始動入賞した場合に、演出用センサ271sに検出されてから、第一種始動口入賞検知スイッチ17sに検出されるまでに掛かる時間の実測値の平均値である。ここではこの所要時間の最頻値にもなっている。S750では、S740において発生させ、演出用乱数メモリに読み込んだ特別図柄当否判定乱数(以下、演出用判定値という)が、ROM482の大当り番号メモリ482aに格納されている大当り番号と一致しているか否かを判定する。
なお、演出用判定値は、始動入賞により発生した乱数ではないので、演出用判定値が大当り番号と一致しただけでは大当りにはならないが、図を簡便にするために図24では「当り」と表記した。以下、本説明でもこれに倣う。当りの場合(S750:YES)は、S760に進み、当り用の演出パターンを選択し、S730に移行する。演出パターンに関し、「特別図柄制御部160が、表示器用コマンドを受信すると、その時点で、液晶表示装置27上に前記キャラクターを表示する」と前述したが、当り用演出パターンは、更に次のような演出を別途行う。すなわち、S760の処理を実行した時点で、特別図柄保留数メモリ481bに記憶されている保留数が0ではない場合には、キャラクターを液晶表示装置27の画面に遊技者が視認できる程度の短時間表示した後、一旦、画面から消去し、その保留に対応する特別図柄の変動表示が行われるごとに再びキャラクターを表示する。つまり保留に対応する特別図柄の変動が行われる都度、キャラクターが繰り返し液晶表示装置27の画面に表示される(いわゆる連続予告を行う)。
この連続予告を行なっている間に始動入賞が発生すると、保留数が増加するが、この増加した分の保留に対応する特別図柄の変動に関しては、キャラクターは表示されない(その増加した分に対応して新たにS760の処理が実行された場合は表示される)。一方、当りではない場合(S750:NO)は、S770に進み、1秒後に選択される変動パターンに対応する演出パターン(前記「それ以外の演出パターン」)を選択し、S730に移行する。この場合の演出パターンは、S730において表示器用コマンドが特別図柄制御部160に送信された時点で実行されるのではなく、1秒後に選択される変動パターンが実際に液晶表示装置27の画面で行われる際に実行される。
また、遊技球45が演出用センサ271sに検出されたにも拘わらず、始動入賞しなかった(つまり第一種始動口入賞検知スイッチ17sに検出されなかった)場合には、S770の演出パターンは実行されない。但し、遊技機1では、演出用センサ271sが遊技球を検出してから0.5〜1.5秒の間に第一種始動口入賞検知スイッチ17sが遊技球45を検出した場合には「演出用センサ271sに検出された遊技球45が始動入賞した」と見なすものとする。すなわち、演出用センサ271sに検出された遊技球45は、第一種始動口17に入らなかったが、演出用センサ271sが遊技球45を検出してから0.5〜1.5秒の間に、別の遊技球が第一種始動口入賞検知スイッチ17sに検出された場合には、「演出用センサ271sに検出された遊技球45が第一種始動口17に入賞した」として扱う。なお、演出用センサ271sが遊技球45を検出していない場合(S700:NO)は本処理を終了する。
以上、説明した予告演出処理によれば、保留数が4個未満(S710:YES)の状態で演出用センサ271sが遊技球45を検出すると、その1秒後の特別図柄当否判定乱数の値(演出用判定値)に基づいて演出パターンを変化させる。具体的には、演出用判定値が大当り番号に一致した場合には、当り用演出パターンを選択し、演出用判定値が大当り番号に一致しない場合には、当り用演出パターン以外の演出パターンを選択する。演出用判定値は、演出用センサ271sにより検出された遊技球45が、始動入賞した場合に、取得する可能性の高い特別図柄当否判定乱数に対応している。仮に、中央穴271に入った遊技球45が、演出用センサ271sにより検出されてから、第一種始動口入賞検知スイッチ17sに検出されるまで丁度1秒掛かったとすると、実際に大当りが発生する。すなわち、演出判定値が「当り」となった場合(S750:YES)には、高い確率で、実際に大当りが発生する。従って、当否に密接した予告動作が可能となる。しかも、当り用演出パターンはS730により特別図柄制御部160に送信されて、すぐに液晶表示装置27の画面上に展開され(具体的には、キャラクターが表示され)、しかも保留がある場合には連続予告となるため、遊技者は当り用演出パターンに対して大きな期待を抱くことができる。
なお、保留数が4個の場合(S710:YES)は、たとえ演出用センサ271sが遊技球45を検出しても、当り用演出パターン(S760)も1秒後に選択される変動パターン(S770)も選択されない。これは、保留が4個、つまり満杯の場合で始動入賞しても特別図柄当否判定乱数が発生せず、従ってたとえ演出判定値が大当り番号と一致しても決して大当りにはならないからである。これにより、演出パターンを行なって「保留が満杯であることに気づかなかった遊技者をぬか喜びさせる」という事態を減少させたり、「保留が満杯であることに気づいた遊技者を、無駄な大当り番号を発生させてしまった、と過剰に悔しがらせる」という事態を防いだりすることができる。
ここで本実施例と本発明の構成要件との対応関係を示す。フラスコ部263が本発明の可動体に相当し、ビーズが本発明の粒状物質に相当し、ステッピングモータ800が本発明の傾斜駆動部に相当し、LED72,74,72a、72bが本発明の発光部に相当し、液晶表示装置27が本発明の画像表示手段に相当する。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、遊技機1は第1種遊技機と呼ばれるタイプの遊技機であったが、その他の機種(正面図が図1に示したものとは異なる機種は言うに及ばず、例えば第3種遊技機やアレンジボール式パチンコ機)に適用してもよい。
また、粒状物質をビーズではなく、球状の物質に変えても良い。また、ビーズよりも粒の細かい物質や、逆に粒の大きな物質に変えても良い。また、生分解性樹脂にしてもよい。こうすれば、遊技機1が廃棄されたときに、粒状物質は土にかえるので、環境に与える負荷を小さくすることができる。生分解性樹脂とは、廃棄時には土にかえる合成樹脂であり、トウモロコシ等を原料とするポリ乳酸を主成分とする合成樹脂を例示できる。また焼却しても有害物質を発生しない。なお、上記第1実施例では、第一種始動口17に遊技球が入球という「所定の遊技条件」が成立するとフラスコ部263が揺動駆動される構成としたが、「所定の遊技条件」としては「リーチ」、「大当り」、「予告」、「確変」、「時短」 等であってもよい。
本発明の第2実施例を図25に示す。
図25は、インタフェース部177、178の構成を図8に示す第1実施例から替えたものである。図25に示す音声・ランプ制御部170では、ドライバ部177とコネクタ出力部178とが同一基板であるインタフェース基板1371内に設けられている。このように構成した場合でも、音声・ランプ制御部170にて制御するLEDの数や色、ソレノイドの種類等が変更されたり、あるいはLED基板やソレノイド個数が変更された場合であって、音声・ランプ制御部170のCPU171やROM173等の制御回路部の変更を要しない場合には、インタフェース基板1371のみを変更して対応することができる。
なお、上記各実施例では、本発明を、第1種遊技機に適用した場合について説明したが、第2種遊技機、第3種遊技機、アレンジボール遊技機といった他の種類の遊技機にも好適に用いることができる。