JP4709551B2 - 非脈管的用途のための迅速交換膨張カテーテル - Google Patents

Description

本発明はカテーテルに関し、より詳細には、体腔の膨張に使用されるバルーンカテーテルに関する。

消化管、胆管分岐及び気管支系等の身体の様々な腔内の異常性病状を治療するための内視鏡による方法は、益々増えている。これらの方法では、内視鏡を用いて直接視認することにより、所望の腔、又は管の領域へ接近し得る。しかしながら、比較的狭い管では、Ｘ線透視法及びガイドワイヤと関連付けて使用するカテーテルによる接近のみ必要とされる。

多くの場合、このような小径を有する管は、一つ以上のカテーテルの使用を要するため、処置中、カテーテルを交換する必要がある。カテーテルは、例えば管の解剖学的構造の詳細をＸ線透視するため使用される造影剤の送達、治療薬の送達、又は脈管膨張の遂行等の特化された用途を有する。最後のケースにおいて、カテーテルは拡張時に管を機械的に膨張させる拡張部分を有し得る。カテーテルの交換は、通常、ガイドワイヤ上において、第一のカテーテルを内視鏡から除去して、ガイドワイヤ上において第二のカテーテルを所望の治療部位へ前進させる。ガイドワイヤが一旦、目標領域に関して定位置に配置された際、その後のカテーテル交換等を含むカテーテル工程中、ガイドワイヤ位置を維持して、次に使用されるカテーテル、又は他の装置を目標領域へ配置することを促進することが非常に望ましい。この工程中、目標領域におけるガイドワイヤ位置が失われた場合、身体内の管を介してガイドワイヤを再誘導することは困難で、かつ時間を要する。

内科医は通常、ガイドワイヤの位置を維持するため、ガイドワイヤ及び／又はカテーテルの基端を片手で把持して、他方の手でカテーテルの交換を実行する。ある工程においては、カテーテルを除去する際、標準的なガイドワイヤでは、その全長に沿ってカテーテルが移動されるため、内科医がカテーテルの把持を継続するに十分な長さを有さない。このような障害を緩和するため、ガイドワイヤ増量材（guide wire extender)等の付加的な器具が使用され得る。しかしながら、付加的な器具を使用するとカテーテル交換の際の複雑性が増し、また交換に要する時間が延長する。更に、延長されたガイドワイヤの長さ（２ｍ迄、又はそれ以上）は、該工程中の装置の取扱いに第二の操作者を必要とし得る。

本発明は、カテーテル先端の先端側孔から、カテーテル基端より隔離された基端側孔へ延びるガイドワイヤルーメンと、基端側孔からカテーテル基端へ延びる剛性部材とを有する、体腔に挿入される可撓性を備えたカテーテルに関する。

本発明は更に、体腔の目標領域において組織を治療する方法に関する。本方法は、体腔を介してガイドワイヤを目標領域へと挿入する工程と、カテーテルのガイドワイヤルーメンの先端側孔内へガイドワイヤの基端を挿入して、ガイドワイヤがカテーテルの基端から離間されたガイドワイヤルーメンの基端側孔から退出する迄、カテーテルをガイドワイヤに沿って摺動させる工程とを含む。カテーテルは、該カテーテルの基端からガイドワイヤルーメンの基端側孔に隣接する位置へ延びる剛性部材を有する。前記工程は更に、ガイドワイヤに沿ってカテーテルを目標領域へ摺動させる工程と、カテーテルを使用して目標領域において組織を治療する工程とを含む。
本発明は更に、体腔に挿入される可撓性を備えたカテーテルに関し、前記カテーテルの先端に設けられた先端側孔から、該カテーテルの基端から先端方向へ離間する位置に設けられた基端側孔へ延びる、ガイドワイヤを収容するためのガイドワイヤルーメンと、前記ガイドワイヤルーメンから隔離された剛性部材ルーメンと、前記剛性部材ルーメンはカテーテルの基端からカテーテルの先端の開口へ延びて、該剛性部材ルーメンに供給された流体がカテーテルの先端に隣接する体腔領域へ送達されることと、前記剛性部材ルーメン内にてカテーテルの基端から前記基端側孔の隣接位置へ延びる剛性を備えた剛性部材とを有し、前記剛性部材は、前記剛性部材ルーメンから取り外し可能であることとを特徴とする。

本発明は、以下の説明と、類似した要素に同一の参照番号が付された添付の図面とを参照にして、更に理解が深まるであろう。本発明の実施形態によれば、迅速交換カテーテルは、任意の身体の様々な腔、特に胃腸管、胆管、肝管及び膵管、気管等の非脈管体腔を膨張させるために使用される。しかしながら、当業者は本発明のカテーテルは内科医が膨張を希望する任意の体腔に使用され得ることを理解するであろう。以下に説明するように、カテーテルは、本願に説明されている様々な機能のいくつか、又は全てに適用するルーメン、及び任意の他の公知の目的に使用されるルーメンを備えてもよい。

本発明による実施形態は、ガイドワイヤ上へカテーテルを挿入することを容易にし、かつガイドワイヤの目標領域における位置を変更することなく、カテーテルを交換することを容易にする。以下にて詳細に説明するように、本発明の実施形態では、比較的短いガイドワイヤを使用し得るとともに、交換処置中、内科医がワイヤの堅固な把持を継続することが可能である。

狭い非脈管の目標通路、即ち目標管内でカテーテルを用いる典型的な処置においては、まず内視鏡、又は気管支鏡を挿入して、目標通路に至る比較的広い体腔を視認化し得る。内視鏡はサイズが大きいため、小径を有する管内に位置する目標領域へ、内視鏡を直接接近させることは不可能であり得る。そのため、この小径管への接近は、カテーテルとガイドワイヤの組み合わせを、内視鏡から先端方向へと、小径を有する管を介して目標領域へ延ばすことにより実行される必要がある。ガイドワイヤは、多くの場合、最初にＸ線透視下で、又は他の公知の一方法によって挿入される。ガイドワイヤは、内視鏡のルーメン内から延ばされるか、又は内視鏡と並行して個別に挿入され得る。従って、ガイドワイヤは、内視鏡とＸ線透視法の双方にて視認され得る。一旦、ガイドワイヤの先端が目標領域に到達したら、該ガイドワイヤを定位置にて保持することが重要である。位置が失われた場合、ガイドワイヤを再びその位置に誘導する必要があり、処置に要する時間が相当追加される。

一旦、ガイドワイヤを定位置に配置したら、カテーテルを内視鏡等のルーメン内から、ガイドワイヤに沿って目標領域へと延ばし得る。カテーテルは、ガイドワイヤが通過するガイドワイヤルーメンを有してもよい。カテーテルはガイドワイヤ上に差し込まれてもよく、それによりガイドワイヤは、カテーテル先頭の付近にてガイドワイヤルーメン内に入り込み、カテーテル全長の一部に沿ってカテーテルを辿って、カテーテルのより基端位置にて退出する。ガイドワイヤは、カテーテルのガイドワイヤルーメン内において長手方向に摺動可能であるが、ガイドワイヤルーメンの壁によって径方向に拘束されている。ガイドワイヤはカテーテルを誘導すると共に、カテーテルに所定量の剛性を付与して、内部にガイドワイヤが存在しない場合に容易に発生し得るカテーテルの歪みを防止する。

図１に、本発明による迅速交換膨張カテーテル１０の代表的な実施形態を示す。上述し、また当業者が理解し得るように、膨張カテーテル１０は内視鏡、又は気管支鏡（図示せず）から身体内に延伸されるか、又は用途に応じて、体腔に直接挿入され得る。膨張カテーテル１０は、先端２２及び基端２４から延びている。先端２２は、例えば天然の身体開口、又は外科的開口等を介して体腔に挿入されるように構成されている一方、基端２４は、通常、全工程において体腔の外部に残留し、かつカテーテル１０の操作に必要なハンドル、様々なアクチュエータ又は制御装置、及び接合部を備え得る。当業者が理解し得るように、カテーテル１０は、狭い体腔及び管を介してガイドワイヤに沿って移動し得るよう可撓性を備えたマルチルーメンカテーテルであることが好ましい。本発明の範囲内において、カテーテルの異なる構成的構造を使用し得ることが理解されるであろう。

図１〜図３に示すように、カテーテル１０は、治療されるべき領域の内腔を膨張させる拡張要素を備え得る。拡張要素は、先端２２の近傍に形成されたバルーン部分１６を有してもよく、膨張の際、ガイドワイヤ１４の先端２６によって正確に定められた内腔内の目標位置に隣接するルーメンの直径を拡張させる。このように、カテーテル１０をガイドワイヤ１４に沿って移動することによって、バルーン部分１６は正確に目標位置へ移動され得る。当業者が理解し得るように、バルーン部分１６は、一端が流体供給チューブ３０に、他端がバルーン部分１６に接続され得る膨張ルーメン３４を介して、膨張流体源に連結され得る。バルーン部分１６は、弁、又は他の制御装置３２を使用して膨張流体を選択的に導入、又は除去することによって、拡張されるか、又は潰されてもよい。理解し得るように、膨張流体は空気、生理食塩水、又は他の適切な流体からなり得る。

上述したように、本発明のガイドワイヤ１４を使用してカテーテル１０の先端２２を目標領域に正確に配置し得る。上述したように、ガイドワイヤ１４を治療されるべき体腔又は管内に挿入して、ガイドワイヤ１４の先端２６を目標領域の隣接位置へ誘導する。その後、ガイドワイヤ１４の基端をカテーテル１０のガイドワイヤルーメン４２内に挿入して、カテーテル１０の先端２２もまた目標領域に隣接する迄、ガイドワイヤ１４に沿ってカテーテル１０を押進する。図示する代表的な実施形態よれば、図２に示すように、ガイドワイヤルーメン４２は先端側孔１８から基端側孔２０へ延びており、バルーン部分１６の下方を通過している。ガイドワイヤ１４は、先端側孔１８を介してガイドワイヤルーメン４２内に挿入されて、バルーン部分１６の下方全体に亘って摺動されて基端側孔２０から退出する。先端側孔１８は、例えば先端２２に形成されており、ガイドワイヤ１４はカテーテル１０の軸線にほぼ沿って、先端２２から退出し得る。基端側孔２０は、例えばカテーテル１０の基端から離間されたカテーテル１０の側部面上に形成されており、ガイドワイヤ１４は角度をなして基端側孔２０から退出して、カテーテル１０の基端部を通過しない。

上述したように、従来のオーバー・ザ・ワイヤカテーテルでは、ガイドワイヤがカテーテルの全長に差し込まれるため、カテーテル長の２倍の長さを有するガイドワイヤを必要とする。このようなガイドワイヤ長は、特にガイドワイヤを定位置に維持する一方でカテーテルを交換する際の、装置の取扱いを困難にする。本発明の実施形態によれば、ガイドワイヤ１４は先端側孔１８と基端側孔２０間のカテーテル１０部分を介して延びるのみで、基端側孔２０の基端側のカテーテル１０部分を介して延びる必要がないため、ガイドワイヤ１４は相当短くなり得る。先端側孔１８と基端側孔２０間の距離は、カテーテル１０全長と比較して相当短いことが好ましく、それによりガイドワイヤ１４は、適切に機能するためにカテーテル１０よりも長くされる必要がない。例えば、１００ｃｍの長さを有するカテーテル１０では、ガイドワイヤルーメン４２の基端側孔２０は、バルーン部分１６基端から約１０ｃｍの位置に配置される。バルーン部分１６として使用されるバルーンの長さに応じて、バルーン基端から先端側孔１８迄の距離が変動し得ることが理解されるであろう。一般に、バルーンは、２〜１０ｃｍの長さを有する。先端側孔１８と基端側孔２０間におけるガイドワイヤルーメン４２の長さは、先端２２及びバルーン部分１６を目標領域に誘導し得る最小の長さに保持される。好ましい実施形態において、カテーテル１０は少なくとも目標領域に関して正確に配置される必要のある膨張機構、例えばバルーン部分１６を収容する部分内にて、ガイドワイヤ１４上に差し込まれる。一実施形態では、ガイドワイヤルーメンは、約１０〜１５ｃｍの長さを有することが好ましい。

本発明によるカテーテル１０は、ガイドワイヤ１４上において、第一カテーテル１０を任意の構成を有し得る第二カテーテル１０と交換するために、第一カテーテル１０がガイドワイヤ１４から除去される必要がある場合に特に有用である。上述したように、ガイドワイヤ１４の短い部分のみがガイドワイヤルーメン４２内に収容されるため、第一カテーテル１０を身体から除去する間、操作者はガイドワイヤ１４の手による操作を継続し得る
。即ち、ガイドワイヤ１４の殆どはカテーテル１０の外部に存在して接触可能であるため、操作者はガイドワイヤ１４の体腔の挿入地点付近においてガイドワイヤ１４を把持して、カテーテル１０が後退される際のガイドワイヤ１４の定位置からの移動を、手動により阻止し得る。基端側孔２０が身体から退出する際、操作者は、先端側孔１８が身体から退出する迄、ガイドワイヤ１４のより基端側部分を把持し得る。この時点で、操作者は、先端側孔１８から身体内へ延びているガイドワイヤ１４部分を把持しながら、カテーテル１０をガイドワイヤ１４から完全に除去することが可能である。その後、ガイドワイヤ１４基端が標準的方法によって第二カテーテル内に挿入されて、第二カテーテルがガイドワイヤ１４に沿って目標領域へと前進され得る。このように、操作者は全操作工程の間、ガイドワイヤ１４の把持を維持して、ガイドワイヤ１４の目標領域における位置を維持し得る。

第一カテーテル１０を除去した後、第二カテーテルのガイドワイヤルーメン内にガイドワイヤ１４を挿入して、ガイドワイヤ１４に沿って第二カテーテルを目標領域へと摺動させることによって、第二カテーテルを前進させ得る。第二カテーテルも本発明によるカテーテル１０と同様に形成されている場合、ガイドワイヤ１４は、先端側孔１８内に挿入されて基端側孔２０から引き抜かれ、ガイドワイヤ１４の基端部を把持して、目標領域に隣接したガイドワイヤ１４位置を保持しながら、体腔内に挿入されるものと想定される。このように、全操作が補助のない一人の操作者により実行され得る。

カテーテル１０は、カテーテル１０の基端２４から、カテーテル１０の一部に沿って先端方向に延びる剛性部材３６も有し得る。剛性部材３６は、カテーテル１０の長手方向における強度と堅さとを増大させて、該装置の脈管内への挿入を容易にする。より詳細には、剛性部材３６は、ガイドワイヤ１４がカテーテル１０の外部に存在するカテーテル１０の基端部（即ち、基端側孔２０より基端側のカテーテル１０部分）を堅くする。それ故、ガイドワイヤ１４がカテーテル１０の基端部内に存在しなくてもカテーテル１０の長さ方向の剛性が維持される。本発明の代表的な一実施形態において、剛性部材３６は基端２４からバルーン部分１６の隣接位置へ延びる。しかしながら、当業者はカテーテル１０の先端部の剛性を増大させるため、剛性部材３６が基端側孔２０を越えて先端方向へ延びてもよいことを理解するであろう。特定の代表的な一実施形態によれば、剛性部材３６は、基端２４からバルーン部分１６の基端へ延び得る剛性部材ルーメン３８等のカテーテル１０の第二ルーメン内に嵌入されていてもよい。剛性部材３６は、カテーテル１０と該カテーテル１０内に受容されているガイドワイヤ１４との剛性が、その長さに沿ってほぼ一定となるように、基端２４から基端側孔２０へと延びることがより好ましい。ガイドワイヤ１４は、基端側孔２０の先端方向に延びるカテーテル１０部分に、剛性部材３６によってカテーテル基端部に付与される剛性とほぼ等しい付加的な剛性を付与するため、カテーテル１０全体の円柱強度は、カテーテル１０が内腔を介して目標領域へ押進され得るに十分なものとなる。

剛性部材３６は、カテーテル１０の任意のルーメン内に嵌入されるように構成されて、操作者によるカテーテル１０の操作を容易にする。例えば、剛性部材３６の基端にはハンドル部が設けられて、装置の把持を容易にし得る。剛性部材３６の堅さは、剛性部材がルーメン３８内に挿入された後、治療される管、又は腔の湾曲部をカテーテル１０が辿るに十分な可撓性を残す一方で、カテーテル１０が体腔を介して目標領域に押進され得るに必要な円柱方向の剛性を有するように選択されることが好ましい。剛性部材３６は任意で、カテーテル１０から除去されることが可能であってもよい。一実施形態では、図１に示すように、ロック４０が使用されて、剛性部材３６を基端２４に関して定位置にロックし得る。理解され得るように、ロック４０が開放状態にあるとき、ロック４０は剛性部材３６のルーメン３８からの移動を可能にし、ロック４０が閉鎖状態にあるとき、ロック４０は剛性部材３６のルーメン３８からの移動を防止する。

カテーテル１０は様々な機能の実施に使用される付加的なルーメンを備え得る。例えば、特定の処置において、治療されるべき領域のＸ線透視の補助のために、目標領域に造影剤を注入する必要があり得る。これに代わって、ある処置においては、目標領域の治療のために治療薬を注入する必要があり得る。従って、カテーテル１０は、バルーン部分１６の先端に排出孔を備えた注入ルーメンを備え得る。カテーテル１０は、造影剤及び治療薬のための別個の注入ルーメンを備えてもよく、又はこれらの流体がカテーテル１０の１個の多用途ルーメンを介して注入されてもよい。一実施形態において、ルーメン３８は剛性部材３６を保持すると共に、様々な薬品を移送するために使用され得る。その場合、ルーメン３８はカテーテル１０の先端２２迄延びて、カテーテル１０の基端部のみが剛性部材３６により占有されるものと想定される。別の一実施形態では、剛性部材３６は、カテーテル１０の別個のルーメンを使用するか、又はルーメンを使用せずに、カテーテル１０のルーメンの表面に対して一体化されるか、若しくはカテーテル１０のルーメン表面に取り付けらることによって、カテーテル１０に固定され得る。

本発明によるカテーテル１０は、バルーン部分１６の近傍に開口（即ち、孔２０）を備え、該孔２０を介してガイドワイヤ１４がガイドワイヤルーメン４２に出入りし得る。この位置にて流体がカテーテル１０内に流入、及び／又はカテーテル１０外へ流出することを防止するように注意をする必要がある。カテーテル１０の先端部の周囲にシース５０を配置して、カテーテル１０の様々なルーメンを介して流体を注入する間の漏洩を防止してもよい。一実施形態において、シース５０は、基端側孔２０の基端側地点から、基端側孔２０を越えて所定の距離だけ延び得る。シース５０は、０〜３０ｃｍの長さを有し得る。このように、基端側孔２０はシース５０で封止され、ガイドワイヤ１４の出口にて発生し得る任意の漏洩はシース内にて阻止される。それと同時に、体液と汚染物質とのカテーテル１０内への進入が阻止される。シースは、カテーテル１０上で熱収縮されるポリマー材料等から形成されていてもよい。

本発明によるカテーテル１０は、例えば気管支チューブの膨張に使用され得る。この処置では、まず気管支鏡を目標領域の付近に挿入して、該気管支鏡からガイドワイヤ１４を先端方向へ延伸し得る。これに代わって、ガイドワイヤ１４を気管支鏡とは個別に挿入してもよい。その後、気管支鏡は、該気管支鏡に適合するに十分でないレベルまで直径が狭まった体腔地点へ装置を視覚的に誘導するためにのみ使用される。その後、気管支鏡からガイドワイヤ１４が延伸されて、Ｘ線透視等による確認の下で、ガイドワイヤ１４の先端２６が目標領域に到達するまで、選択された気管支チューブ内へガイドワイヤ１４が移動される。この時点から、ガイドワイヤ１４の先端２６は、治療されるべき目標領域の付近における位置を変更されるべきではない。

その後、ガイドワイヤ１４の基端をガイドワイヤルーメン４２の先端側孔１８内に挿入して、ガイドワイヤ１４が基端側孔２０から退出するまで、ガイドワイヤ１４に沿ってカテーテル１０を摺動させる。上述したように、ガイドワイヤ１４のカテーテル１０内への挿入中、操作者はカテーテル１０から先端方向に延びるガイドワイヤ部分を把持して、ガイドワイヤ１４位置を目標領域に関して保持する。一旦、ガイドワイヤ１４が基端側孔２０から退出したら、操作者はガイドワイヤ１４のこの基端部を把持して、カテーテル１０の先端２２が目標領域に到達するまで、ガイドワイヤに沿ってカテーテル１０を体腔にて摺動させる。この処置は、片手での比較的短いガイドワイヤ１４の操作の継続が容易であり、他方の手は使用せず残されるため、補助のない一人の操作者により実行され得る。

カテーテル１０が定位置に配置されると、膨張流体が導入されてバルーン部分１６が拡張され得る。次いで気管支チューブが膨張されて、気管支チューブによる更なる処置のために、治療薬がカテーテル１０を介して導入され得る。カテーテル１０が第二カテーテル
と置換されるべき場合、操作者は単に片手でガイドワイヤ１４の露出部分を保持してガイドワイヤを定位置にて維持し、先端側孔１８が身体から退出するまで他方の手でカテーテル１０を引き抜く。この時点で、操作者は、先端側孔１８から先端方向に延びるガイドワイヤ１４部分を把持して、ガイドワイヤ１４からカテーテル１０を完全に除去する。その後、任意の所望のカテーテルをガイドワイヤ１４に連結して目標領域へと前進させ得る。カテーテルの交換は、例えば第一バルーンの留置に失敗した場合、あるいは目標部位の近接位置からの検査によって腔の治療に異なる外科器具を要することが判明した場合等に必要となり得る。

前述の明細書中にて、特定の代表的な実施形態を参照にして本発明を説明してきた。しかしながら、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、本発明を多様に変更及び改良し得ることが明らかであろう。従って、明細書及び図面は本発明を説明することを意図するものであり、限定することを意図しない。

本発明による迅速交換バルーンカテーテルの実施形態を示す側面図。 図１に示した迅速交換カテーテルの２−２線における断面図。 図１に示した迅速交換カテーテルの３−３線における断面図。

Claims (9)

1. 体腔に挿入される可撓性を備えたカテーテルであって、
   前記カテーテルの先端に設けられた先端側孔から、該カテーテルの基端から先端方向へ離間する位置に設けられた基端側孔へ延びる、ガイドワイヤを収容するためのガイドワイヤルーメンと、
   前記ガイドワイヤルーメンから隔離された剛性部材ルーメンと、前記剛性部材ルーメンはカテーテルの基端からカテーテルの先端の開口へ延びて、該剛性部材ルーメンに供給された流体がカテーテルの先端に隣接する体腔領域へ送達されることと、
   前記剛性部材ルーメン内にてカテーテルの基端から前記基端側孔の隣接位置へ延びる剛性を備えた剛性部材とを有し、
   前記剛性部材は、前記剛性部材ルーメンから取り外し可能であることとを特徴とする可撓性カテーテル。
2. 前記カテーテルの先端に隣接して装着された拡張要素を備えて、カテーテルが挿入される内腔を膨張させる請求項１に記載の可撓性カテーテル。
3. 前記拡張要素は、ガイドワイヤルーメンの基端側孔と先端側孔との間に装着されている請求項２に記載の可撓性カテーテル。
4. 前記拡張要素は、膨張流体ルーメンに連結された膨張構造を有する請求項２に記載の可撓性カテーテル。
5. 前記剛性部材を剛性部材ルーメン内にてロックするロック機構を備える、請求項１に記載の可撓性カテーテル。
6. 前記基端側孔は、可撓性カテーテルの側部面上に形成された側部孔からなる請求項１に記載の可撓性カテーテル。
7. 前記基端側孔を含む可撓性カテーテル部分を覆うシースを更に備える、請求項１に記載の可撓性カテーテル。
8. 前記シースは不浸透性の材料から形成されている請求項７に記載の可撓性カテーテル。
9. 前記膨張構造は、膨張された時、可撓性カテーテルから径方向に拡張するバルーンを有する請求項４に記載の可撓性カテーテル。

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