JP4709513B2 - 電動湾曲制御装置 - Google Patents
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Description
この内視鏡には、一般に先端部側に上下/左右に湾曲する湾曲部が設けられており、この湾曲部に接続した湾曲ワイヤを牽引・弛緩操作することによって湾曲部を所望の方向に湾曲させられる。
また特開平6−217925号公報の第2の従来例には、モータトルクを適切に設定した電動湾曲内視鏡装置が開示されている。
また、第2の従来例では、各スコープに合ったモータのトルクを設定できるが、湾曲駆動の動作を行うには、モータのトルク以外のパラメータも適切に設定することが必要になる。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、電動湾曲動作に関するモータのトルク以外の各種パラメータの設定ができる電動湾曲制御装置を提供することを目的とする。 また、本発明は、電動湾曲動作に関する各種のパラメータの設定が広範囲にできる電動湾曲制御装置を提供することを目的とする。
湾曲駆動制御に関する静的パラメータの設定を行うものであって、湾曲指示の操作入力を行う湾曲操作入力部に関するパラメータの設定と、前記湾曲部を電気的に湾曲駆動するサーボ制御系に関するパラメータの設定を行うパラメータ設定手段を具備したことを特徴とする。
上記構成により、電動湾曲動作に関するパラメータの設定ができ、湾曲動作を適切に行えるようにしている。
図7は、湾曲制御装置における各種機能とその内容を示し、図8は、湾曲制御装置によるパラメータ変更、システム監視等の内容を示し、図9は湾曲制御装置による異常処理の項目を示し、図10は図6におけるシステム制御部の処理機能をメインCPUと監視CPU側との関係で示し、図11は図10における処理機能をメインCPU側と監視CPU側とに分けて具体的に示し、図12はモニタ(PC)における湾曲状態の表示例及びHMI(PC)によるキャリブレーションモードでの表示画面例を示す。
図31は、SRAMカードに格納された静的な設定パラメータにおける展開、展開後における設定パラメータの使用、変更要求及び記憶要求された場合それぞれの動作を示し、図32はSRAMカードに格納された各種の設定パラメータとそれらの設定パラメータからDPRAMにコピーされる様子を示し、図33はSRAMカードに格納された動的な設定パラメータにおける展開、展開後における設定パラメータの使用、変更要求及び記憶要求された場合それぞれの動作を示し、図34はSRAMカードに格納される操作部固有パラメータ等の設定パラメータ及びシスログ等を示し、図35はインタロックの詳細な構成を示す。
内視鏡2は、可撓性を有する細長の挿入部11と、この挿入部11の後端に設けられた操作部12と、この操作部12の側部から延出されたユニバーサルコード13とを有し、このユニバーサルコード13の端部のコネクタ部14は、光源装置5に着脱自在に接続される。
挿入部11内には、照明光を伝送するライトガイドファイバ18が挿通されており、このライトガイドファイバ18の後端側はユニバーサルコード13内を挿通され、コネクタ部14を光源装置5に接続することにより、ライトガイドファイバ18には光源装置5の内部の図示しないランプから照明光が供給される。
このライトガイドファイバ18により伝送された照明光は先端硬性部15の照明窓に固定された先端面から外部に出射され、体腔内の管部などの被写体を照明する。照明された被写体は、照明窓に隣接して設けられた観察窓に取り付けられた図示しない対物レンズによりその結像位置に配置された撮像素子20に結像される。
また、挿入部11内には、送気管路7a、送水管路7b、吸引管路7cが挿通されており、これら管路7a、7b、7cは、送気送水/吸引装置7に接続される。また、前記湾曲制御装置3と前記画像処理装置4とは図示しない信号線によって電気的に接続されている。
上記湾曲部16は、複数の湾曲駒23を挿入部11の長手方向に回動自在に連設して構成されており、最先端の湾曲駒には対となる上下湾曲用の湾曲ワイヤ24の先端が固着されており、この湾曲ワイヤ24の後端側は図示しないチェーンに連結され、このチェーンは、操作部12内に配置された(湾曲部16を電気的に湾曲駆動する湾曲駆動機構としての)湾曲機構部25を構成するスプロケット26に噛合している。
なお、挿入部11内には左右湾曲用の湾曲ワイヤも挿通されているが、上下湾曲用の湾曲ワイヤ24と同様の構成であるため、簡単化のため図示していない。スプロケット26は、以下のように電気的に回転駆動できるようにしている。
このスプロケット26には、電気的な湾曲駆動手段である例えばDCモータからなる湾曲モータ(モータと略記)27の駆動力が、複数の歯車28と駆動力伝達/切断手段である電磁クラッチ30を介して伝達されるようになっている。そして、この電磁クラッチ30を切断状態とすると湾曲ワイヤ24に張力がかからない状態になり、湾曲部16が外力によって自由に湾曲する湾曲フリー状態になる。
ここでは、電磁クラッチを対象に説明しているが、機構的にモータ27の駆動力が直接湾曲部16に伝達しなければクラッチ手段は、電磁クラッチに限ったものではない。
また、前記モータ27の回転量は、エンコーダ35により検出される。そして、このエンコーダ35の検出出力を用いて、モータ27をサーボ制御することができるようにしている。
またこの操作入力部31として、前記モニタ6の画面上に表示される内視鏡画像のフリーズ等、前記画像処理装置4に対する制御を行う各種スコープスイッチ38、前記電磁クラッチ30を駆動力伝達切断状態又は駆動力伝達復元状態に切換操作する前記切換操作レバー32、この切換操作レバー32が湾曲フリー操作指示位置に位置しているかアングル操作指示位置に位置しているかを検知する状態検知手段である状態検知スイッチ33が設けられている。
なお、ジョイスティック36aを傾倒操作する際のその操作速度に応じて、モータ27の駆動速度も変化させ、ジョイスティック36aの傾倒操作動作を反映して湾曲部16を湾曲駆動させるように湾曲駆動制御を行うようにしている。また、ジョイスティック36aを直立状態にしたとき、前記湾曲部16を非湾曲状態(湾曲部直線状態)にできるようにしている。
また、操作部12内に設けた基板41には、内視鏡2及び操作部12内部の湾曲機構の特性に対応したスコープIDを発生するスコープID発生回路42が設けてある。
このように各スコープ2は、スコープID発生回路42を有し、湾曲制御装置3はそのID情報を最初に読み出して、そのID情報に対応したパラメータを(後述するSRAMカード48から)読み出して使用することにより、スコープ2の種類や特性が異なる場合にも、湾曲制御装置3は、実際に使用するスコープ2に適したパラメータを用いて湾曲の駆動制御を行えるようにしている。
また、この湾曲制御装置3には、外部周辺装置を接続可能とするインタフェースが設けてある。
例えば、MCU基板44には、湾曲部16の湾曲状態を表示するモニタパーソナルコンピュータ(モニタ(PC)と略記)51、メンテナンスを行う場合等に使用するデバックコンソール52、操作入力部31により湾曲操作を行う自動モードの他に手動モードにより湾曲制御したり、パラメータの変更設定、キャリブレーション等を行うヒューマンインタフェースPC(HMI或いはHMI(PC)と略記)53が接続される外部インタフェースを有する。
また、この監視手段により、異常状態の発生を検出できるようにすると共に、その異常が発生した場合には、異常を表示して、ユーザに告知できるようにしている。また、異常状態が発生した場合には、インタロック57(図2中参照)を介して電動湾曲の動作を停止させる等、発生した異常状態に対して適切な処理を速やかに行うことができるようにして、電動湾曲内視鏡システム1の操作性を向上している。
なお、本実施例においては、設定可能なパラメータとしては、図31,図32等において後述するように操作部固有パラメータ、スコープ固有パラメータ、ユーザ設定用パラメータ、サーボ調整用パラメータ等、湾曲駆動制御に関係するパラメータの他に、送気送水/吸引パラメータ等がある。
このようなパラメータの設定は、初期化の際にスコープIDの情報を利用して自動的に行うことにより、湾曲制御装置3に接続されたスコープ2に適した設定ができ、適切な湾曲駆動制御ができることになる。
また、使用中においても、HMI(PC)53等からパラメータを変更設定ができるようにして、ユーザの選択等にも対応した湾曲駆動制御も行うことができるようにして、良好な操作性を確保している。
このMCU基板44は、主に湾曲制御の全体的な制御処理を行うメインCPU55と、その湾曲制御状態が正常状態或いは異常状態かを監視する監視処理を行う監視CPU56とを有し、メインCPU55と監視CPU56は、データバスを介して相互にデータを送受信可能に接続されている。
また、メインCPU55は、異常時には電磁クラッチ30をOFFにしたり、サーボドライバ45の主電源をOFFにしてモータ27の回転動作を停止する等の動作を行うインタロック57と制御線を介して接続されている。
また、このインタロック57は、異常状態においては、監視CPU56に対してその情報を送り、監視CPU56は、その情報をUIパネル47に送り、UIパネル47の表示部47bにより異常状態の情報を表示し、異常状態をユーザに告知できるようにしている。
また、UIパネル47に設けた非常停止スイッチがユーザにより操作された場合には、インタロック57は、電源スイッチをOFFにする非常停止の動作を行うと共に、メインCPU55にも非常停止の信号を送る。
また、メインCPU55は、アドレスデータやデータバスが接続された通信機能を備えた第1のFPGA59と接続され、この第1のFPGA59は、前記絶縁回路58を介して患者回路側に設けた第2のFPGA60と接続されている。
また、監視CPU56は、そのアドレスデータやデータバスが第1のFPGA59に接続されており、この第1のFPGA59は、各種の制御信号を生成し、対応する制御処理を行う。
また、操作入力部有効スイッチの情報、湾曲操作有効スイッチ、中立復帰スイッチ、送気、送水、吸引のスイッチ操作によるON/OFFデータがメインCPU55に入力され、メインCPU55は、これらのデータに対応した制御処理を行う。
なお、この画像処理装置4は、モニタ6の他に、患者データ等を入力するキーボード4aとも接続されている。
内視鏡2の操作部12内に設けた湾曲機構部25を構成するモータ27は、サーボドライバ45と接続されている。
そして、操作入力部31のジョイスティック36aによる傾倒操作が行われると、その傾倒操作の操作量データがRS485の通信線を介してメインCPU55に入力され、この入力を受けてメインCPU55は、第1のFPGA59、絶縁回路58、第2のFPGA60を介してサーボドライバ45に指令値を送り、サーボドライバ45は、その指令値に向けてモータ27を駆動制御する。
すなわち、メインCPU55からのサーボ指令に基づくフィードバックループが形成されている。
また、たるみセンサ(ワイヤのたるみ状態を検知するためのセンサ)61による検出された信号は、第2のFPGA60に入力された場合、第2のFPGA60は、その信号レベルにより、湾曲ワイヤ24が許容値以上弛んでいたり、断線の有無を検出する。
これらが検出された場合には、ACTIVEN信号線を介して、異常な状態に対応した動作状態となる様にインタロック57に通知する。同時にFPGA59からメインCPU55にエラーデータを通知し、メインCPU55は、ソフトウェア指令信号線を介してソフトウェア指令としてインタロック57に通知する。この様に、異常が起きた時にはハードウェア的にすばやくインタロック57を起動し、その後、監視CPU56側での判断処理が可能な様にソフトウェア指令で箇所の所定が行われる様に構成されている。
AWSユニット49は、送気スイッチが操作された場合には、4ビットによる16階調で入力される制御信号をコンバータCN1によりPWM変調のアナログ信号に変換して送気用の電磁バルブ等の送気を実現するためのアクチュエータ2V1の駆動量を制御し、さらに圧力計P1を経て送気する。
また、送水スイッチが操作された場合には、1ビットの制御信号で電磁バルブ等の送水を実現するためのアクチュエータ2V1の駆動量を制御し、さらに圧力計P2を経て送水する。また、1ビットの信号により、電磁バルブ等のアクチュエータ3V1の駆動量を制御し、送気の場合にはアクチュエータ2V1側、送水の場合にはアクチュエータ2V2側へと切り替えを行なう構成となっている。
また、圧力計P1,P2,P3により計測された送気、送水、吸引の圧力は、それぞれ8ビットの信号線を介して監視CPU56に入力される。
また、監視CPU56により監視されている情報は、UIパネル47の表示部47aの表示用LEDに送られ、スコープ位置、RL/UDの湾曲量などがメインCPUを介さずにダイレクトに表示される。
また、UIパネル47のスイッチ部47cには、上述した非常用スイッチ、異常状態を解除する解除スイッチ、電源のON/OFFを行う電源スイッチが設けてある。
また、メインCPU55には、RS232Cのシリアル通信線によりデバックコンソール52を接続して、メンテナンスやプログラムの変更等を行うことができる。このデバックコンソール52は、監視CPU56に接続して同様の処理を行うことができる。
また、このメインCPU55には、外部接続用インタフェースとしてPCMCIAスロットが設けてあり、このPCMCIAスロットには不揮発性で電気的に書き換えが可能なフラッシュメモリからなるSRAMカードを着脱自在に接続することができる。
また、監視CPU56にRS232Cのシリアル通信線を介してモニタ(PC)51を接続して、湾曲状態をこのモニタPC51に表示させることもできる。
これは、操作者が意図して把持しているかどうかを制御しているかどうかを湾曲制御装置3側で安全のためのスイッチである。
また、操作部12の例えば頂部には、エンゲージスイッチ66cが設けてあり、このエンゲージスイッチ66cを操作することにより、その操作直前の湾曲状態に固定できるようにしている。
なお、図3(A)に示した場合の他に、図3(B)に示すように、入力指令デバイス36として、4方向(U,D,R,L)の湾曲操作の指令入力を行うパッドスイッチ或いは十字パッド66cにより形成したものでも良い。
図4は、湾曲制御装置3とHMI(PC)53とのRS232Cによる通信によるデータの流れを示し、HMI(PC)53により、図5に示すように湾曲制御を行うことができる。
監視CPU56は、HMI(PC)53からの指示データをメインCPU55に伝え状態を監視する、すなわち、データの監視に専念し、状態遷移が生じたときに操作者に警告等の情報伝達を行なう処理を行うためのCPUである。
そして、メインCPU55は、DPRAM68のシステム状態、その他のデータの格納エリアから対応するデータを監視CPU56を経てHMI(PC)53に送信する。そして、HMI(PC)53の表示面は、自動モードの場合には図5(A)、手動モードの場合には図5(B)のような表示となる。
また、このHMI(PC)53から各種のパラメータの変更設定を行うこともできる。 図6は、本実施例におけるMCU基板44による湾曲制御機能の全体を示す。UIパネル47等からなる操作パネル71により、ユーザは、パラメータの設定を変えたり、エラー解除、非常停止等のスイッチ操作等を行うことができ、外部機器インタフェース72を介してシステム制御部73に操作入力をすることができる。
なお、操作パネル71としては、UIパネル47の他に、PCのタッチパネル付きのモニタを用いることもできる。
外部機器インタフェース72は、システム制御部73と双方向のインタフェースと、SRAMカード48等の不揮発性で電気的に書き換え可能なメモリカードに対するインタフェースと、イーサネット(登録商標)74を介して外部と通信を行う通信処理の機能も備えている。
動作指令生成処理78は、操作入力部31のジョイスティック36a等入力指令デバイス36の指令値を読み込む処理を行なう。操作部入力制御部81は、操作部からのデータを動作指令精製処理部78に受け渡すためのデータを生成処理する。加えて、操作部12の力覚フィードバック制御を行なうための処理を行なう構成になっている。これは、湾曲制御処理のためのサーボ処理と力覚制御のためのサーボ処理を区別するためである。
また、異常監視処理80としては、ハードウェア上の異常となるハード異常80aとソフトウェア上の異常としてのソフト異常80bとを監視すると共に、非常停止スイッチによる非常停止80cの監視処理も行う。
上記構成による主要な機能は、図7に示すようになっている。
図7においては、湾曲の機能、送気送水/吸引の機能、シリアル通信操作部、その他の操作方法・機能におけるモードと内容が記載してある。
また、送気送水/吸引の機能としては、操作入力部による送気、送水操作のモード、及び吸引操作のモードとがある。
また、シリアル通信操作部の機能には、接続、通信速度、通信周期、バリエーション対応のモードがある。
また、その他の操作方法・機能におけるモードとしては、システム立ち上げ・立ち下げシーケンス、システム状態表示、スコープスイッチ、非常停止ボタン、解除ボタン、手動モード等がある。
図8は、システム機能を示し、このシステム機能には、システムパラメータ設定・変更、メンテナンスフリー、データロギング、システム監視、インタロック、RAS、キャリブレーション、ソフトウェアダウンロードの各モード及びその内容を示している。
この場合、ハードウェアの異常の場合には、非常停止する処理を行い、ソフトウェア上での異常においては、その異常の度合いに応じた処理を行うようにしている。併せて、湾曲制御装置3では、異常処理(各タスク)とエラーレベルは、図9の通り一意ではなく、任意に設定を行える構成となっている。
図10は、図6におけるシステム制御部73の処理をメインCPU55と監視CPU56との関係で示しており、DPRAM68を共用データとしてメインCPU55と監視CPU56とは共有して、それぞれの処理を行うようにしている。
また、時間制御の処理の際にはSDRAM69aのデータが使用されると共に、処理されたデータは、DPRAM68にも格納され、監視CPU56側で監視等に利用される。
また、外部通信制御によりHMI(PC)53等にデータを出力したり、HMI(PC)53からデータを取り込む。また、HMI(PC)53からパラメータの変更の要求コマンドが送られた場合には、DPRAM68を介してメインCPU55は、パラメータの変更の処理を行う。
図11は、図10に示した処理機能の具体例を示すものである。図11(A)は、メインCPU55側を主体にした処理内容を示し、図11(B)は、監視CPU56側を主体にした処理内容を示す。
図11(A)では、監視CPU56は、監視側アプリケーション82bにより、DPRAM68による共用データを取り込んで、エラーの監視処理を行い、監視データをHMI(PC)53に入出力する。
また、インタロック内部コードにはクラッチOFF等をするためのバイナリの内部コードが内蔵されており、その内部コードは、SLCインタプリタ(シーケンス制御)により、MCL制御(モーションSCL制御)で処理可能な言語に翻訳された後、MCL制御に渡される。
このMCL制御により、動作範囲の確認・加減速処理による生成されたモータ駆動のための指令値を算出する処理が行われ、算出されたモータ指令値を時間制御(サーボ制御)側に出力する。
また、この時間制御の処理に際して、エンコーダ35の出力信号などが入力され、そのエンコーダ35の出力を参照しながらサーボ処理する。
この時間制御の処理部分は、ディジタル入出力部を経て患者回路(操作入力部31,湾曲機構部25)及びUIパネル47に処理情報を入出力する。ディジタル入出力部を介してAWSユニット49の圧力計P1〜P3等のデータが入力されたり、電磁バルブ2V1等を制御する信号が出力されたりする。
また、このメインCPU55においては、FPGA60から発生されるFPGA割り込み90により、操作入力部制御タスク、MCL制御、時間制御の各処理がタイマドリブンによりマルチタスク処理として実行される。
具体的には、例えば3.3msの操作入力部制御起動メッセージの割り込み処理により操作入力部制御タスクが実行され、また3.3msの時間制御起動メッセージの割り込み処理により時間制御の処理が実行され、また33.3msのMCL制御起動メッセージの割り込み処理によりMCL制御の処理が実行される。
一方、監視CPU56側のcom1mgr91aでは、RS232Cを介して送受信する送受信ドライバを介してHMI(PC)53と通信を行う。
また、com2mgr91bでは、RS232Cを介して送受信する送受信ドライバを介してモニタ(PC)51と通信を行い、湾曲状態を表示する。図12(A)は、モニタ(PC)51による湾曲状態の表示例を示す。R(right)L(left)/U(up)D(down)の4方向の表示面に、例えばジョイスティック36aの場合の指令値の位置(傾斜ラインで示している)と、スコープ位置(小丸で示す)と、中央の小丸で示すワイヤテンションの状態が表示される。
monmgr92では、センサ信号を読み取り、メインCPU55と共用されるDPRAM68のデータと比較等してエラー監視をする。
subclock93では、FPGA割り込み90により、UIパネル47でのサウンドで警告する処理や、LEDの点滅等の駆動処理を行う。
具体的には、3.3msのsubclock起動メッセージの割り込みにより、subclock93は、UIパネル47によりサウンドでの警告等のタスクを行う。また、subclock93は、monmgr起動メッセージの割り込みを発生して、monmgr92も、センサ信号に対してエラーの監視のタスクを行う。
図13は、図11(B)の監視処理をより詳細に示したものである。
メインCPU55はインタロック57を介して監視CPU56と接続されている。この構成によれば、メイン・監視CPU双方から独立にインタロック指令を出力することが出来るため、このインタロック57がエラー検出状態か否かの情報が、図2に示したインタロック57から監視CPU56に出力されるDi(1ビット)の情報が監視CPU56内のシステム制御(SYSMGR)のsubclock93内に取り込まれる。
また、このsubclock93には、DPRAM68に設定されているUIパネル47の入出力の状態と、UIパネル47からの解除スイッチの情報も入力される。
また、このsubclock93では、UIパネル47の入出力の状態のデータを取り込んだり、監視CPU56の状態を監視するウオッチドッグタイマ(WDTと略記)95bにクロックを出力したり、UIパネル47のLED等に状態表示のデータを出力したり、監視処理(monmgr)92に割り込み起動する信号を出力する。
また、このsubclock93では、エラー検知した場合、システム制御内のsysmgr96にそのデータを出力する。
また、monmgr92では、AWSユニット49の圧力計、ポテンショメータ34、たるみセンサ61のセンサ信号を取り込み、その信号を閾値と比較等してエラーか否かを監視する。そして、初期化完了、エラー検知のデータをsysmgr96に出力する。
上記sysmgr96には、通信処理(commgr)のcom1mgr91a、com2mgr91bからパリティチェックサム等の通信処理の際のエラー発生した場合のデータも入力される。図11(B)に示したようにcom1mgr91a、com2mgr91bは、それぞれHMI(PC)53、モニタ(PC)51とシリアル通信インタフェース(SCI)97a、97bを介して通信を行う。
また、com1mgr91a、com2mgr91bでは、SDRAM69bのデータを読み込む等の処理を行う。このSDRAM69bには、monmgr92によるDPRAM処理を介してメインCPU55側からのデータが格納されたり、メインCPU55側にデータを送信したりするのに利用される。
なお、システム制御におけるexception(mgr)99により監視CPU56が演算時等において演算が行えないゼロ割等の例外のエラーが発生した場合にも、DPRAM68の監視エラーステータスに格納する。
そして、メインCPU55は、DPRAM68の監視エラーステータスエリアのデータを読み込み、対応する処理を行うことになる。
このエラー監視がスタートすると、チェックルーチンAからチェックルーチンGまでの7個のチェックを行う。この場合、最初のチェックルーチンAでチェック結果が正常であると、次のチェックルーチンBに移る。一方、エラーが検出された場合には、この処理を終了して、そのエラー内容をDPRAM68の監視エラーステータスに格納する。メインCPU55は、そのエラーに対応した処理を行うことになる。
チェックルーチンB以降も、チェックルーチンAとチェック内容が異なるのみで同様のチェックを行う。
操作入力部31のジョイスティック36aの操作によるシリアルデータは、ジョイスティック36aの位置の操作量mと、速度の操作量mとなる。各操作量mは、スコープ現在位置pとの差分が演算された後、位置の操作量mの場合には差分Ppに感度Kp、速度の操作量mの場合には差分Pvに感度Kvが乗算される。
その後、位置の場合には、さらにスコープ位置の原点の値pc(org)と加算されて、前回の位置指令値pc_preと共に、Pcommandに入力される。pc(org)は、内視鏡湾曲部とモータ駆動部とがクラッチ切断し、各々の位置の対応が一意に決まらなくなるため、クラッチ接続毎にオフセット値を加えることで、モータ位置と内視鏡湾曲位置を一意に設定するためである。
なお、このPcommandには、さらに手動、中立復帰、キャリブレーションのモード情報が入力され、これらに対応した処理も行えるようにしている。
また、操作入力部31の操作入力は、DPRAM68を経てさらにシリアルデータで比較器(コンパレータ)C_Dの一方の入力端に入力される。
また、ジョイスティック36aの位置の操作量mは、DPRAM68を介して比較器C_Dの他方の入力端に接続される。そして、この比較器C_Dによりジョイスティック36aのシリアルデータと位置或いは速度の操作量mに変換後のデータが一致するか否かの比較が行われる。
また、比較器C_Eの他方の入力端は、比較データを各々同じスケール・次元に変換する変換変換処理部(f()で略記)を経て比較器C_Fの一方の入力端に接続され、この比較器C_Fの他方の入力端には、減算器98に入力されるモータ指令値がDPRAM68を介して入力される。そして、この比較器C_Fにより、図15の1点鎖線で示すようにMCLMGR側とTIMCTL側とでモータ指令値の関係をチェックする。
また、この比較器C_Fの他方の入力端は、比較データを各々同じスケール・次元に変換する変換変換処理部(f()で略記)を経て比較器C_Gの一方の入力端に接続され、この比較器C_Gの他方の入力端には、エンコーダ35の出力がDPRAM68を介して入力される。そして、この比較器C_Gにより、モータ指令値とエンコーダ値の関係をチェックする。
また、この比較器C_Cの他方の入力端は、比較器C_Bの一方の入力端に接続され、この比較器C_Bの他方の入力端には、ポテンショメータ34の出力信号が入力される。そして、この比較器C_Bにより、メイン側と監視側とで同一センサ値が一致するかをチェックする。
このように比較器C_D、C_E、C_F、C_G、C_C、C_Bは、図14(A)のチェックルーチンD、E、F、G、C、Bのチェックをそれぞれブロック線図的に行う様子を示す。
また、Pcommmandの出力から、ポテンショ位置(論理上の位置)がチェックされる。また、ポテンショメータ34の出力により、ポテンショ位置(実際の位置)がチェックされる。
ポテンショ位置には論理上の位置と実務の位置とがあるが、後述する様に操作手段には指令がジョイスティックの様に指令が有限のものと、トラックボールなどの指令が無限のものがある。このため、操作部位置とポテンショ位置との整合性を計算させるために必要な情報として、ポテンショ(論理上の位置)を設けている。
図16(A)は、ジョイスティック36aを用いた場合における図15における操作入力部31から係数Kthを経てモータ指令値を出力する部分までの処理内容を示す。また、図17(A)及び図18(A)は、ジョイスティック36aの代わりにポインティングデバイス及びトラックボールをそれぞれ用いた場合における同じ部分での処理内容を示す。なお、図16(A)、図17(A)及び図18(A)は、起動コマンド後に周期的に行われる周期コマンド時の処理内容である。
図16(A)に示すように、最初のステップS1においてメインCPU55は、ポテンショメータ34の検出値からスコープ現在位置の取り込み処理を行う。つまり、図16(C)に示すようにスコープ部ポジション現在位置pを取り込む。次のステップS2においてメインCPU55は、ジョイスティック36aによる位置指令の操作量mを取り込む。 この操作量mは、図16(B)に示すように−10Vから+10Vまでの値を例えば12ビット量で表したものである。
次のステップS4においてメインCPU55は、pti計算、つまり操作量mに感度を掛けた値を、図16(B)に示すように計算する。
ここで、感度とは位置司令と速度指令など指令入力タイプにより操作感覚が異なるために設定するパラメータである。これにより、指令モード切替毎に湾曲制御装置3に設定されている幾つかのパラメータを再設定することなく、感度パラメータのみを設定すれば対応できるパラメータである(Pcommandへ入力する前にパラメータを設けることで、Pcommandからモータ指令生成までのパラメータを統一することが出来る)。
次のステップS5においてメインCPU55は、pc計算、つまり図16(B)に示すスコープ部ポテンショ指令値pcを計算する処理を行う。
つまり、図16(B)に示すようにpc=pre_pc+Kp×(pti−pre_pti)を計算する。ここで、例えばpre_pc、pre_ptiは、図16(C)に示すようにスコープ部ポジション及び操作量に感度を掛けた値の前回指令値をそれぞれ示す。
つまり、図16(B)に示すようにth=pre_th+Kth×(pc−pre_pc)を計算する。
このモータ指令値thを計算後、ステップS8においてメインCPU55は、速度制限処理を行う。具体的には、前回との差分値Δthがmax速度×感度を超えた場合には、速度制限を掛ける。
これは、指令値と実際にモータ27が動作する量を一致させるために再計算するためであり、例えば、動作範囲を超えた指令値が発生した場合でも実際に動く量と操作部とが一意に対応させるためである。
図17(A)は、ジョイスティック36aの代わりにポインティングデバイスを用いた場合の処理を示す。ステップS1からS3までは、図14(A)と同様にスコープ現在位置取り込み、操作量取り込み、操作量リミット処理を行う。
次のステップS11においてメインCPU55は、不感帯処理を行う。つまり、ポインティングデバイスにおいては、感圧センサを用いているため、ポインティングデバイスにに対する操作に対して、適切な操作出力が得られるように不感帯を設けている。
これは、ポインティングデバイスの様に位置ではなく、操作力量による指令形態を有する操作系においては、操作者の操作量が直に反映しやすく、急激な指令動作を防ぐために不感帯を設けている。
図18(A)は、ジョイスティック36aの代わりにトラックボールを用いた場合の処理を示す。ステップS1からS2までは、図16(A)と同様にスコープ現在位置取り込み、操作量取り込みの処理を行う。
次に、ステップS4からステップS7の処理及びステップS9の処理を行う。これらの処理は図17(A)のポインティングデバイスの場合と同様である。
このように本実施例では、入力指令デバイス36として、ジョイスティック36a、ポインティングデバイス、トラックボールのいずれを用いた場合にも、それらに適切に対応した湾曲駆動制御を行うことができるようにしている。
図19は、例外発生時における処理の内容を示す。監視CPU56内におけるcommmgr91、monmgr92、subclock93、sysgrm96では、それぞれ演算処理を行うので、その演算処理において、例外が発生すると、その情報は、exception99において検出される。
そして、exception99により検出された例外発生のエラーの情報は、インタロック57に入力され、インタロック57は、そのエラーの発生に対応して、非常停止のコマンドを発生する。なお、インタロック57は、図35にて後述するように各種の異常をハードウェア的及びソウトウェア的に検出して、非常停止させる出力を出す他に、サーボドライバ等の主電源のON、サーボON、クラッチONを禁止する(つまりON/OFF制御する)。
図20は、メインCPU55側で発生したエラーに対する処理を示す。メインCPU55側でエラーが発生すると、そのエラーの情報は、DPRAM68におけるLED(表示用)情報、エラーコード、エラーセベリティの各エリアに格納される。
ここで、エラーセベリティは、0が正常、1が警告、2が緊急停止、3が非常停止に相当し、番号が大きい程、エラーの度合いが高いことを示す。
また、これらのエラー情報は、commmgr91aにより、HMI(PC)53に送信され、HMI(PC)53の表示面にそのエラー情報が表示される。
このように本実施例では、正常な状態からエラー発生状態までを監視する状態検出機能を有すると共に、エラーが発生した場合にはそのエラーの度合いを検出して、そのエラーの度合いを表示する機能を有する。勿論、正常な状態の場合も表示する。
図21は、監視CPU56側のソフトウェアエラーにおけるオペレーショナルシステム(OSと略記)のコールエラー発生時の処理を示す。
監視CPU56におけるcommgr191a、monmgr92、subclock93、sysmgr96は、それぞれソフトウェアを実行しており、エラーが発生すると、各エラーはsysmgr96に通知される。
すると、メインCPU55は、この監視エラーステータスエリアのエラーを読み込み、DPRAM68におけるLED(表示用)情報、エラーコード、エラーセベリティの各エリアに格納する。
これらのエラー情報は、subclock93により読み出されて、UIパネル47において、そのエラー表示などがされる。
この後は、図20の場合と同様に、これらのエラー情報は、commmgr91aにより、HMI(PC)53に送信され、HMI(PC)53の表示面にそのエラー情報が表示される。
インタロック57により、断線等のエラーが検出されると、その情報は、メインCPU55を介してDPRAM68におけるLED(表示用)情報、エラーコード、エラーセベリティの各エリアに格納される。
これらのエラー情報は、subclock93により読み出されて、UIパネル47において、そのエラー表示などがされる。
また、これらのエラー情報は、commmgr91aにより、HMI(PC)53に送信され、HMI(PC)53の表示面にそのエラー情報が表示される。
図23は、湾曲制御装置3の立ち上げ時から終了時の処理内容を示す。この場合、図23の左側は、UIパネル47でのシステム起動状態を示すLEDの点灯内容を示す。
ステップS32のシステムチェック及び初期化の処理が終了して、メインCPU55と監視CPU56とが双方とも正常であると、ステップS33のシステムレディの状態となり、LEDは緑色で点灯する状態となる。
ステップS33のシステムレディの後に、ステップS34に示すように内視鏡2の湾曲部16を湾曲させることができる湾曲の動作モードとなり、モード切替スイッチにより、自動モード、手動モード、スタンバイモードを選択してその選択したモードで湾曲制御を行うことができる。
自動モード、手動モード、スタンバイモードは、図22に示すように相互に切り替えることができる。
自動モードは、内視鏡2の操作入力部31に設けられたジョイスティック36a等の湾曲操作による指令値により湾曲部16を湾曲させる標準動作モードである。手動モードは、HMI(PC)53により、HMI(PC)53上のR(右)、L(左)、U(上)、D(下)と各湾曲方向に対応したボタンを押下する事で操作者の手動により湾曲を独立して操作したり、湾曲速度を変更設定したり、送気送水/吸引の設定などをすることもできる湾曲制御の動作モードである。
そして、自動モード、或いは手動モードにより、湾曲制御を行い、内視鏡検査を行った後、湾曲制御を終了する場合には、ステップS35に示すように、MCU基板44の主電源をOFFにするとLEDは消灯して、通常運転シーケンスが終了することになる。
図25は、図23の通常運転シーケンスにおけるワーニングの発生及びその発生を解消する場合の動作を示す。
図23で説明したようにしてステップS34の動作モードにおいて、操作を行っていると、ワーニング(警告)が発生する場合があり、このワーニングが発生するとワーニング処理111が行われ、UIパネル47においてワーニングが発生したことが表示される。 従って、UIパネル47の解除スイッチにより解除操作をするとワーニング表示の消去の処理が行われ、ワーニングのない動作モードに復旧させることができる。
異常処理112としてLEDにより赤色の点灯とエラーコードによる表示が行われるが、解除スイッチでは復旧できないので、図26に示すように主電源をOFFにした後、再び主電源をONにして復旧させることになる。
図27は、緊急停止の発生とその発生に対する対処の動作を示す。図27に示すようにステップS34の動作モードにおいて、復旧可能な異常(緊急停止)が発生する場合がある。この異常は、サーボ偏差の異常、湾曲の動作範囲から外れたような異常のように復旧が可能な場合である。
図28はキャリブレーションの動作シーケンスを示す。また、右側の部分には、キャリブレーション状態に対応するLEDの点灯状態を示す。
ステップS32のシステムチェック及び初期化の時に、キャリブレーションデータの読み出しの処理が行われる。つまり、接続された内視鏡2の場合におけるR,L,U,Dの湾曲範囲や湾曲速度などのキャリブレーションデータの読み出しが行われる。この場合、キャリブレーション状態を示すLEDは緑色で点灯する。
また、ステップS34の動作モード(通常運用)時の動作が開始する。そして、キャリブレーションを行う場合には、ステップS41に示すようにキャリブレーションスイッチをONにする。
この状態では、湾曲のサーボがON、クラッチがONに設定されて、ステップS42に示すように湾曲部16を低速でR/L、U/D方向に繰り返し湾曲する。この場合、キャリブレーション状態を示すLEDは黄色で点灯する。
その際、サーボドライバ45の入出力ゲインを一定にして、操作入力部31側のジョイスティック36aの操作量に対して実際のモータ27の回転量等、実際のキャリブレーションデータを取り込む。
このようにキャリブレーションを行うことにより、繰り返しの湾曲操作により、操作入力部31側での操作に対して、湾曲部16側での実際の湾曲量との間にずれが発生したような場合にも、両者のずれを解消することができる。
具体的に説明すると、湾曲操作を長期にわたり繰り返し行うと、操作入力部31側において、例えばジョイスティック36aを、例えばU方向の可動範囲のリミットまで、傾倒する操作を行っても、湾曲部16がそのリミットに対応した湾曲角まで湾曲しなくなることが発生するが、このような場合においてもキャリブレーションを行うことにより、初期の設定状態に復帰させることができる。
MCU基板44(のCPUボード)における主電源がONにされると、メインCPU55のメインPOWER(メイン側電源)がON及び監視CPU56の監視POWER(監視側電源)がONになる。
すると、ステップS51a、51bに示すように、メインCPU55側ではOSが起動すると共に、監視CPU56側でもOSが起動し、両者はそれぞれ初期化の処理をハンドシェークで行う。
その後、メインCPU55は、メイン側の共用データのロード完了の通知をDPRAM68のエリアを介してハンドシェークで監視CPU56側に通知すると共に、メインCPU55側の初期化処理を開始する。
監視CPU56は、メイン側の共用データのロード完了の通知を受けて、監視側の初期化処理の開始をメインCPU55側に通知して、監視CPU56は初期化処理を行う。
これは、操作者が操作を意図して開始するために解除させる解除SWの指令があった運用を可能にするために緊急停止状態としている(運用安全上、湾曲制御装置3の電源立ち上げが行われるやいなや操作部からの湾曲動作可能な状態にはしない。)本実施例では緊急停止解除待ちのステップを示しているが、緊急停止解除待ちにしないことも設定可能である。
メインCPU55側では、運用の処理の後、メインCPU55は、ステップS55aの運用終了かの判断を行い、終了でない場合には運用の処理に戻り、運用終了の操作が行われた場合には、ステップS56aの終了準備の処理を行う。
図30は、電磁クラッチ30をON,OFFする動作のタイミングを示すもので、図30(A)は、電磁クラッチ30をOFFからONにする場合、図30(B)は、ONからOFFにするタイミングを示す。なお、両図とも太い実線より上側が指令値、下側は実際の動作を示す。なお、番号(1)〜(5)は時間的に動作する順序を示す。
図30(A)に示すようにMCU基板44側から湾曲機構部25のモータ27に対してサーボONの指令が出されると、短い時間遅延Taまでの間に、モータ27にはサーボドライバ45からサーボ駆動信号が供給されてサーボONの状態となる。
これにより、モータに工藤のためのエネルギーを供給する際に生じる振動発生などの不要なノイズを内視鏡に伝達することなく運転状態に移行することが出来る。
このようにサーボONした後にクラッチONの指令を出すような制御を行うことにより、湾曲部16を湾曲させるモータ27を、スムーズにサーボ駆動させることができる状態に設定できるようになる。
これに対して、図33においては、1回の内視鏡検査中において時間的に変化し易い、或いは時間的に変更すべき動的な設定パラメータの場合を説明する。換言すると、リード/ライトされる設定パラメータの展開、使用、変更、記憶の動作を示す。
この場合、メインCPU55は、最初に操作部ID、スコープIDを読み込み、その読み込んだ操作部IDやスコープIDに対応した(固有となる)操作部固有パラメータ、スコープ固有パラメータ等をSRAMカード48から読み出すことになる。
このようにして、内視鏡検査時に使用されるスコープ2の種類などが異なる場合においても、メインCPU55は、そのスコープ2に適した固有のパラメータをSRAMカード48から読み出し、DPRAM68に展開する。
図31(B)は、設定パラメータの使用の動作、つまり通常動作を示す。メインCPU55側において、設定パラメータを使用する場合には、このメインCPU55は、SDRAM69aにアクセスして、このSDRAM69aから設定パラメータを読み出す。
一方、監視CPU56側において、設定パラメータを使用する場合には、この監視CPU56は、DPRAM68にアクセスして、このDPRAM68から設定パラメータを読み出す。
すると、監視CPU56は、その変更要求の設定パラメータによりDPRAM68に格納されている変更前の対応する設定パラメータを変更する。その後、メインCPU55は、変更された設定パラメータをDPRAM68からSDRAM69aにコピー(上書き)して、変更前の対応する設定パラメータを変更する。
図31(C)では、湾曲制御装置3に外部インターフェースを介して接続されるHMI(PC)53により、設定パラメータを変更設定できることを示しているが、この他に例えば湾曲制御装置3のUIパネル47等に設定パラメータを変更設定できる操作手段を設けるようにしても良い。
図31(D)は、設定パラメータの記憶の動作を示す。設定パラメータを変更した場合には、そのままでは電源をOFFにした場合には、保存されないので、設定パラメータを変更して、その変更した設定パラメータにより次回にも使用したいと望むような場合には、HMI(PC)53を操作して、このHMI(PC)53から、監視CPU56に設定パラメータの記憶要求のコマンドを送る。
このSRAMカード48は、不揮発性であるので、電源OFF時にも保持され、次回には、変更された設定パラメータで使用することができる。
図32は、SRAMカード48に格納されている各種の設定パラメータ及びそれらの設定パラメータがDPRAM68やSDRAM69aにコピーされる動作を示す。
操作部固有パラメータは、操作部毎に設定されたパラメータで、操作部毎にID番号が割り当てられている。また、湾曲制御装置3でサポートしている操作部の数だけ用意されている。
具体的には操作部固有パラメータとしては、操作部ID、操作部16に設けてあるジョイスティック36a、トラックボール、ポインティングデバイスの情報に関する操作(入力)部名称、その操作入力部からRL/UD方向に湾曲させる操作範囲の最大値、最小値、不感帯、感度、力覚フィードバック用特性等である。
具体的にはスコープ固有パラメータとしては、スコープID、スコープ2の動作範囲(湾曲機構部25を構成するモータ27の動作符号、最高速度等の特性、エンコーダ35の特性、ポテンショメータ34の特性、モータ27のサーボ系のループゲイン等の特性)等である。
またAWS設定パラメータは、シーケンス毎に設定されたパラメータであり、シーケンス毎に、ID番号が割り当てられている。また、湾曲制御装置3でサポートしているシーケンスの数だけ用意されている。
前記した様に、本装置には幾つかのパラメータ設定が可能であるが、大別するとモータ27等のアクチュエータを駆動するために必要なサンプリング周期、ゲイン、振幅量などサーボ調整パラメータを動的設定パラメータとし、それ以外の動作範囲、シーケンス、ID、操作部感度などの前記動的設定パラメータ以外の設定パラメータを静的設定パラメータと定義する。
これは、モータ駆動などの動的パラメータの設定には知識・熟練を要するため、安易に設定してしまうと動作が不安定、挙動が意図しないものとなってしまうためである。そのため、装置の安全性を考慮し、HMI(PC)53では静的パラメータのみ変更可能である。
図32の例では、最初に複数(255個)から1つの操作部固有パラメータA2.binが、DPRAM68のシステムパラメータエリアにおける接続操作部1用エリアにコピーされる。この場合、上述したように操作部固有IDの情報が先に読み出され、その情報に対応して、例えば操作部固有パラメータA2.binがコピーされることになる。
そして、DPRAM68にコピーされた、これらのパラメータは、図31(A)に示すようにさらにSDRAM69aにコピーされて初期化が終了する。
図33は、動的な設定パラメータの場合における設定パラメータの展開、使用、変更及び記憶などの動作を示す。この動的な設定パラメータは、通常運用時に、常時アップデートされる値であると共に、前回停止時の最終アップデート値が次回システム起動時に使用される。
また、この場合における設定パラメータの使用の前に図33(C)の設定パラメータの変更の動作を先に説明する。
上述したスコープ固有パラメータには、静的な設定パラメータの他に、RL,UD方向の位置プープゲイン、ワイヤ形状状態の推定下限値、上限値、経時変化値等があり、これらは時間的に変化する。
次に図33(B)に示す設定パラメータの使用を説明する。メインCPU55側で設定パラメータを使用する場合、静的な設定パラメータに対しては、図31(B)の場合と同様にSDRAM69aから読み出して使用し、動的な設定パラメータに対しては、DPRAM68から最新の設定パラメータを読み出して使用する。
監視CPU56側で設定パラメータを使用する場合には、図31(B)の場合と同様にDPRAM68から読み出して使用する。
なお、上述の説明では、操作部ID、スコープIDに対応した操作部固有パラメータファイル、スコープ固有パラメータファイル等を複数用意しているが、このような区分けの名称に限定されるものでなく、例えばスコープIDにより、そのスコープ2における湾曲指示を行う湾曲操作入力手段(具体的には、ジョイスティック36aなどの入力指令デバイス)用のパラメータファイルや、湾曲駆動する湾曲機構部25用のパラメータファイル等を一意に規定できるように区分けしたものでも良い。
システムのログデータとしては、システム実行履歴のデータであり、各ファイルに、日時、タスク名、メッセージのデータが格納される。
また、データログデータとしては、操作量、指令値、モータ指令、エンコーダなどの動作状態のデータが時間的に記憶される。これらを計測して保存することにより、メンテナンス等を行い易くなる。
このように本実施例においては、湾曲駆動動作を行うモータ27に関するパラメータの設定のみでなく、その回転位置の検出を行うエンコーダ35に関する特性の設定等や、湾曲指示の入力操作を行う湾曲操作入力部等に対するパラメータ等、多くのパラメータに対して、各スコープ2に対して広範囲な項目に対して、詳細かつ適切に設定できるようにしているので、従来例よりも適切な電動湾曲動作を行うことができる。
メインCPU55からサーボドライバ45、AWSユニット49の電源ONのソフトウェア指令121が出されると、インタロック57の2入力のアンド回路によるゲート131を経て、サーボドライバ45及びAWSユニット49の電源をONにする出力信号となる。
なお、オア回路141〜144に入力される非常停止入力122としては、RASの電源電圧、ハードウェア(アンプ異常、エンコーダ断線、FPGA異常)、メインCPU(WDT異常、ソフトウェア異常)、監視CPU(WDT異常、ソフトウェア異常)であり、これらの異常発生を第1の非常停止自己保持回路145が検出する。
また、メインCPUのソフトウェア異常125、監視CPUのソフトウェア異常126は、オア回路147を経て第2の非常停止自己保持回路148に入力され、この第2の非常停止自己保持回路148の出力は、ゲート132の他方の入力端に入力される。
なお、(メインCPU55側から出力される)異常解除124の入力は、2入力のオア回路149を経て、第2の非常停止自己保持回路148をリセットする。また、この第2の非常停止自己保持回路148は、リセット入力123によっても、オア回路149を経てリセットされる。
また、クラッチONのソフトウェア指令127により、ゲート135を経てクラッチONの出力信号を出力する。この場合、2入力のアンド回路によるゲート135の反転入力端には、ゲート132の出力が入力されるようにしている。
この状態ではサーボドライバ、AWSユニット電源のON、サーボON[RL]、[UD]、クラッチONがそれぞれ禁止される、つまりOFFになるようにしている。換言すると、非常停止出力が無い場合にのみ、サーボドライバ、AWSユニット電源のON、サーボON[RL]、[UD]、クラッチONが許可されるようにしている。
なお、図35の左側に示すように、例えば非常停止入力122におけるエンコーダ断線は、メイン側で検出して、その要因を特定する。また、メインCPU55側のWDT、ソフトウェア異常(非常停止、NMI(ノンマスカブルインタラプト)を含む)は、監視側で検出する。また、異常解除入力124は、監視側で解除スイッチの入出力から検出できる。また、ソフトウェアによるシステムレディ入力128は、メイン側で監視側の立ち上げ状態を検出することで、それを検出できることになる。
なお、上述した実施例を部分的に変更する等して構成されるものも本発明に属する。
1.請求項1、2、3、4、5において、前記電動湾曲制御装置は、複数の内視鏡に選択的に接続可能である。
2.付記1において、前記パラメータ設定手段は、起動時において、実際に接続された内視鏡の固有情報に対応した固有パラメータを読み出し、その固有パラメータを使用するパラメータとする設定を行う。
3.付記1において、前記パラメータ設定手段は、起動時において、実際に接続された内視鏡の固有情報に対応した固有パラメータを読み出して、その固有パラメータを使用する設定を自動的に行う。
4.請求項1〜6において、パラメータ設定手段は、設定されているパラメータを変更設定可能である。
5.請求項2において、前記湾曲入力部に関するパラメータは、湾曲部を湾曲させる操作範囲、不感帯、感度、力覚フィードバック用特性に関するものである。
7.請求項3において、前記ユーザにより、選択、設定されるパラメータは、クラッチON、OFFの待ち時間、サーボ制御系のサーボON,OFFの待ち時間に関するものである。
8.請求項5において、前記湾曲駆動するサーボ制御系に関するパラメータは、サーボ制御する際のサンプリングを行うサンプリング周期、湾曲駆動用モータを駆動するモータパルスの振幅、サーボアルゴリズムの選択、ゲインに関するものである。
湾曲駆動の動作に関し、少なくとも時間的な変化の少ない静的なパラメータの設定を行うパラメータ設定手段を具備したことを特徴とする電動湾曲制御装置。
11.付記10において、さらに湾曲駆動の動作に関し、時間的に変化し易い動的なパラメータの設定を行うパラメータ設定手段を具備する。
12.付記10において、前記動的なパラメータを適宜の時間間隔でアップデートするパラメータアプデート手段を有する。
2…内視鏡
3…湾曲制御装置
4…画像処理装置
5…光源装置
6…モニタ
7…送気送水/吸引装置
11…挿入部
12…操作部
16…湾曲部
20…撮像素子
23…湾曲駒
24…湾曲ワイヤ
25…湾曲機構部
26…スプロケット
27…モータ
28…ギヤ
30…電磁クラッチ
31…操作入力部
34…ポテンショ(メータ)
35…エンコーダ
36a…ジョイスティック
37…送気送水/吸引スイッチ(AWSスイッチ)
44…MCU基板
47…UIパネル
48…SRAMカード(PCMCIAカード)
49…送気送水/吸引ユニット(AWSユニット)
51…モニタ(PC)
52…デバッグコンソール
53…HMI (PC)
55…メインCPU
56…監視CPU
57…インタロック
59、60…FPGA
68…DPRAM
69a、69b…SDRAM
代理人 弁理士 伊藤 進
Claims (4)
- 内視鏡に設けられた湾曲部に対して電気的に湾曲駆動の制御を行う電動湾曲制御装置において、
湾曲駆動制御に関する静的パラメータの設定を行うものであって、湾曲指示の操作入力を行う湾曲操作入力部に関するパラメータの設定と、前記湾曲部を電気的に湾曲駆動するサーボ制御系に関するパラメータの設定を行うパラメータ設定手段を具備したことを特徴とする電動湾曲制御装置。 - 前記パラメータ設定手段は、ユーザにより、前記湾曲部を電気的に湾曲駆動する動作に関するパラメータの選択、設定を行うことを特徴とする請求項1に記載の電動湾曲制御装置。
- 前記パラメータ設定手段は、前記湾曲部を電気的に湾曲駆動する湾曲駆動機構部に関するパラメータの設定を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動湾曲制御装置。
- 前記パラメータ設定手段は、さらに送気送水及び吸引の動作に関するパラメータの設定を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動湾曲制御装置。
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