JP4707201B2 - ピリドンカルボン酸の可溶化方法、その可溶化剤および可溶化されたピリドンカルボン酸からなる水性液剤 - Google Patents

ピリドンカルボン酸の可溶化方法、その可溶化剤および可溶化されたピリドンカルボン酸からなる水性液剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、両性化合物であって抗菌活性を有するピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩の可溶化方法、その可溶化剤および可溶化されたピリドンカルボン酸からなる水性液剤に関する。
【0002】
ピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩は、極めて優れた合成抗菌剤として知られている。しかし、該ピリドンカルボン酸は分子内にカルボン酸およびジヒドロピリジン骨格を有するツビッターイオン(zwitterion)であるため、生理的pH、すなわち中性付近における水に対する溶解度が極めて低い。そのため、ピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩を含有する水性液剤は、中性付近における製剤化が困難であるという問題がある。
【0003】
従来、難溶性のピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩を可溶化させるために、例えばピリドンカルボン酸の乳酸塩に無機酸を添加したり(特開昭60−94910号公報)、ピリドンカルボン酸に過剰の塩基を添加したり(特開昭61−180771号公報)、ピリドンカルボン酸またはその塩にアルミニウム、マグネシウムまたは亜鉛を構成成分とする金属化合物を添加する(特開昭63−188626号公報)ことが知られているが、これらの水性液剤には添加した可溶化剤によるpHの変化や可溶化剤自身による局所刺激などの毒性があり、予想外の障害を引き起こすという問題がある。
したがって、未だ生理的pH、すなわち中性付近では安全で且つ有用な可溶化されたピリドンカルボン酸からなる水性液剤ができていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩の可溶化方法を提供することにある。
また本発明の他の目的は、アリールカルボン酸を有効成分とするピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩の可溶化剤を提供することにある。
また本発明のさらに他の目的は、可溶化されたピリドンカルボン酸にアリールカルボン酸を配合することにより得られる水性液剤を提供することにある。
さらに、本発明の目的は高濃度にピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩を含有する水性液剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩にアリールカルボン酸を配合することにより、生理的pH付近においてピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩が可溶化することを見出し、本発明を完成するに到った。
【0006】
即ち、本発明の要旨およびその好ましい態様は次の通りである。
(1)ピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩に、一般式(I):
【0007】
【化8】
Figure 0004707201
【0008】
(式中、L1 は炭素数14以下の置換されてもよい複素環基またはアリール基を、R1 は炭素数4以下の置換されてもよいアルキル基または単結合を意味する)で表されるアリールカルボン酸を配合することを特徴とするピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩の可溶化方法。
(2)アリールカルボン酸が、プラノプロフェン、イブプロフェン、ブロムフェナック、2−ナフトエ酸、2−ナフチル酢酸および2−ナフトキシ酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である上記(1)記載のピリドンカルボン酸の可溶化方法。
(3)ピリドンカルボン酸が一般式(II):
【0009】
【化9】
Figure 0004707201
【0010】
(式中、X、YおよびZは窒素原子または置換されてもよいCHを、R2 、R3 、R4 およびR5 は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン、カルボキシル基、置換されてもよい低級アルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよい低級アシル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよい複素環基を意味し、Z、R2 、R3 、R4 およびR5 は任意の2つ以上の基を介して4〜7員環を形成してもよい)で表される上記(1)記載のピリドンカルボン酸の可溶化方法。
(4)ピリドンカルボン酸が、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、トスフロキサシン、フレロキサシン、シノキサシン、レボフロキサシンおよびスパルフロキサシンからなる群より選ばれる1種の化合物である上記(3)記載のピリドンカルボン酸の可溶化方法。
(5)ピリドンカルボン酸1重量部に対しアリールカルボン酸を0.001〜50重量部配合することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のピリドンカルボン酸の可溶化方法。
(6)一般式(I):
【0011】
【化10】
Figure 0004707201
【0012】
(式中、L1 は炭素数14以下の置換されてもよい複素環基またはアリール基を、R1 は炭素数4以下の置換されてもよいアルキル基または単結合を意味する)で表されるアリールカルボン酸を有効成分とするピリドンカルボン酸またはその薬理上許容される塩の可溶化剤。
(7)アリールカルボン酸が、プラノプロフェン、イブプロフェン、ブロムフェナック、2−ナフトエ酸、2−ナフチル酢酸および2−ナフトキシ酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である上記(6)記載の可溶化剤。
(8)ピリドンカルボン酸が一般式(II):
【0013】
【化11】
Figure 0004707201
【0014】
(式中、X、YおよびZは窒素原子または置換されてもよいCHを、R2 、R3 、R4 およびR5 は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン、カルボキシル基、置換されてもよい低級アルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよい低級アシル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよい複素環基を意味し、Z、R2 、R3 、R4 およびR5 は任意の2つ以上の基を介して4〜7員環を形成してもよい)で表される上記(6)記載の可溶化剤。
(9)ピリドンカルボン酸が、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、トスフロキサシン、フレロキサシン、シノキサシン、レボフロキサシンおよびスパルフロキサシンからなる群より選ばれる1種の化合物である上記(8)記載の可溶化剤。
(10)ピリドンカルボン酸1重量部に対しアリールカルボン酸を0.001〜10重量部配合することを特徴とする上記(6)〜(9)のいずれかに記載の可溶化剤。
(11)上記(1)記載の可溶化方法により得られる可溶化されたピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩および一般式(I):
【0015】
【化12】
Figure 0004707201
【0016】
(式中、L1 は炭素数14以下の置換されてもよい複素環基またはアリール基を、R1 は炭素数4以下の置換されてもよいアルキル基または単結合を意味する)で表されるアリールカルボン酸からなる水性液剤。
(12)アリールカルボン酸が、プラノプロフェン、イブプロフェン、ブロムフェナック、2−ナフトエ酸、2−ナフチル酢酸および2−ナフトキシ酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である上記(11)記載の水性液剤。
(13)ピリドンカルボン酸が一般式(II):
【0017】
【化13】
Figure 0004707201
【0018】
(式中、X、YおよびZは窒素原子または置換されてもよいCHを、R2 、R3 、R4 およびR5 は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン、カルボキシル基、置換されてもよい低級アルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよい低級アシル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよい複素環基を意味し、Z、R2 、R3 、R4 およびR5 は任意の2つ以上の基を介して4〜7員環を形成してもよい)で表される上記(11)記載の水性液剤。
(14)ピリドンカルボン酸が、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、トスフロキサシン、フレロキサシン、シノキサシン、レボフロキサシンおよびスパルフロキサシンからなる群より選ばれる1種の化合物である上記(13)記載の水性液剤。
(15)点眼剤である上記(11)〜(14)のいずれかに記載の水性液剤。
(16)点鼻剤である上記(11)〜(14)のいずれかに記載の水性液剤。
(17)点耳剤である上記(11)〜(14)のいずれかに記載の水性液剤。
(18)ピリドンカルボン酸またはその薬理上許容される塩の濃度が0.2〜5.0(w/v)%である少なくともピリドンカルボン酸またはその薬理上許容される塩を含む水性液剤。
(19)ピリドンカルボン酸が一般式(II):
【0019】
【化14】
Figure 0004707201
【0020】
(式中、X、YおよびZは窒素原子または置換されてもよいCHを、R2 、R3 、R4 およびR5 は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン、カルボキシル基、置換されてもよい低級アルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよい低級アシル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよい複素環基を意味し、Z、R2 、R3 、R4 およびR5 は任意の2つ以上の基を介して4〜7員環を形成してもよい)で表される上記(18)記載の水性液剤。
(20)ピリドンカルボン酸が、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、トスフロキサシン、フレロキサシン、シノキサシン、レボフロキサシンおよびスパルフロキサシンからなる群より選ばれる1種の化合物である上記(18)記載の水性液剤。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の可溶化方法は、両性化合物であって抗菌活性を有するピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩に、アリールカルボン酸を有効成分とする可溶化剤を配合することによって行われる。その態様としては、例えばピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩にアリールカルボン酸を添加することなどによって行われる。
【0022】
アリールカルボン酸は、例えば、ピリドンカルボン酸を水に溶解し、pHを3以下にした後添加される。その後pHを3.5〜8.5、好ましくは6〜8に調整する。
【0023】
該アリールカルボン酸は、下記一般式(I)
【0024】
【化15】
Figure 0004707201
【0025】
(式中、L1 は炭素数14以下の置換されてもよい複素環基またはアリール基を、R1 は炭素数4以下の置換されてもよいアルキル基または単結合を意味する)で表され、特に制限なく使用できる。
【0026】
「炭素数14以下の置換されてもよい複素環基」なる表現中の複素環基としては、環を構成する原子として炭素原子以外に、窒素原子、硫黄原子および酸素原子のうちから選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有するものであってよく、飽和または不飽和の単環式または多環式複素環基を包含する。
好ましい複素環基としては、以下のものが挙げられる。
1〜4個の窒素原子を含有する3〜6員不飽和複素単環基、例えばピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(例えば4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリルなど)、テトラゾリル(例えば1H−テトラゾリル、2H−テトラゾリルなど)、トリアジニル(例えば、1,2,4−トリアジニルなど)など;
1〜4個の窒素原子を含有する3〜7員飽和複素単環基、例えばピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニルなど;
1〜4個の窒素原子を含有する飽和複素多環基、例えばキヌクリジニルなど;
1〜5個の窒素原子を含有する不飽和複素多環基、例えばインドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル(例えばテトラゾロ[1,5−b]ピリダジニルなど)、プテリジニル、カルバゾリル、フェナントリニジル、アクリジニル、ペリミジルなど;
1〜3個の窒素原子と1〜2個の酸素原子を含有する3〜6員不飽和複素単環基、例えばオキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(例えば1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリルなど)など;
1〜3個の窒素原子と1〜2個の酸素原子とを含有する3〜6員飽和複素単環基、例えばモルホリニル、シドノリルなど;
1〜3個の窒素原子と1〜2個の酸素原子とを含有する不飽和縮合複素環基、例えばベンゾフラザニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジアゾリルなど;
1〜3個の窒素原子と1〜2個の硫黄原子とを含有する3〜6員不飽和縮合複素環基、例えばチアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル(例えば1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリルなど)など;
1〜3個の窒素原子と1〜2個の硫黄原子とを含有する3〜6員飽和複素単環基(例えばチアゾリジニルなど);
1〜3個の窒素原子と1〜2個の硫黄原子とを含有する不飽和縮合複素環基(例えばベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリルなど);
1個の酸素原子を含有する3〜6員不飽和複素単環基、例えばフリル、ピラニルなど;
1〜2個の硫黄原子を含有する3〜6員不飽和複素単環基、例えばチエニル、ジヒドロチエニルなど;
1〜2個の硫黄原子を含有する不飽和縮合複素環基(例えばベンゾチエニルなど)など。
【0027】
「炭素数14以下の置換されてもよいアリール基」なる表現中のアリール部分としては、フェニル、ナフチルなどが挙げられ、これらのうちでも好ましいのは、ナフチルである。
【0028】
該「複素環基」および「アリール基」は、水酸基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されてもよい脂肪族アルキル基、芳香族アルキル基、脂肪族カルボン酸基、芳香族カルボン酸基、脂肪族カルボン酸エステル基、芳香族カルボン酸エステル基、脂肪族エーテル基、芳香族エーテル基、脂肪族アルコール基、芳香族アルコール基、脂肪族アルデヒド基、芳香族アルデヒド基、脂肪族アミノ基、芳香族アミノ基よりなる群から選ばれた置換基の1種または2種以上で置換されてもよい。
【0029】
「炭素数4以下の置換されてもよいアルキル基」なる表現中のアルキル部分としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチルなどの直鎖状または分枝鎖状のものが挙げられる。
【0030】
アリールカルボン酸としては、例えばナフトエ酸関連化合物、サリチル酸関連化合物、フェニル酢酸関連化合物、ピラゾロン関連化合物、アントラニール酸関連化合物、インドール酢酸関連化合物、フェンクロズ酸関連化合物およびそれらの塩などが挙げられる。
【0031】
ナフトエ酸関連化合物としては、2−ナフトエ酸、2−ナフチル酢酸および2−ナフトキシ酢酸などが挙げられる。
【0032】
サリチル酸関連化合物としては、サリチル酸、アスピリン、フルフェニサール、エテンザミドおよびベノリレイトなどが挙げられる。
【0033】
フェニル酢酸関連化合物としては、イブフェナック、アルクロフェナック、フルビプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、イブプロフェン、ブロムフェナック、プラノプロフェン、ナモキシレートおよびフェノプロフェンなどが挙げられる。
【0034】
ピラゾロン関連化合物としては、アミノピリン、フェニルブタゾン、アザプロパゾン、シノペンタゾンなどが挙げられる。
【0035】
アントラニール酸関連化合物としては、メフェナム酸、ニフルム酸、ジクロフェナック、メチアジン酸、プロチジン酸、クロニキシン、フルフェナム酸およびケトプロフェンなどが挙げられる。
【0036】
インドール酢酸関連化合物としては、インドメサシンおよびイントラゾールなどが挙げられる。
【0037】
本発明の可溶化方法において使用されるピリドンカルボン酸とは、ピリジン骨格またはピリダジン骨格の3位にカルボキシル基を、4位にオキソ基を有する化合物である。
また、本明細書中におけるピリドンカルボン酸とは、水に対する溶解性が、第12改正日本薬局方解説書(1991)東京、広川書店、A−45頁通則24性状の項の溶解性の試験を行う際「やや溶けにくい」から「ほとんど溶けない」または国際薬局方III版の“sparingly soluble" から“practically insoluble ”に相当する溶解性を示すピリドンカルボン酸を意味する。
【0038】
好適なピリドンカルボン酸としては、下記一般式(II)
【0039】
【化16】
Figure 0004707201
【0040】
(式中、X、YおよびZは窒素原子または置換されてもよいCHを、R2 、R3 、R4 およびR5 は同一または異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン、カルボキシル基、置換されてもよい低級アルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよい低級アシル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよい複素環基を意味し、Z、R2 、R3 、R4 およびR5 は任意の2つ以上の基を介して4〜7員環を形成してもよい)で表される。
【0041】
「置換されてもよい低級アルキル基」なる表現中の低級アルキル部分としては、炭素数1〜6個のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ネオヘキシルなどの直鎖状または分枝鎖状のものが挙げられる。
「置換されてもよいシクロアルキル基」なる表現中のシクロアルキル部分としては、炭素数3〜9個のアルキル基であり、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。
上記低級アルキル基およびシクロアルキル基の置換基としては、低級アルキル基、ハロゲンなどが挙げられる。
【0042】
「置換されてもよい低級アシル基」なる表現中の低級アシル部分としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、トリオイル基、サリチロイル基などが挙げられる。
【0043】
上記のアシル部分は、同一または異なる適当な置換基、例えば、
低級アルキル(メチル、エチル、プロピルなど);
低級アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシなど);
低級アルキルチオ(メチルチオ、エチルチオなど);
低級アルキルアミノ(メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノなど);
シクロ低級アルキル、例えば、シクロ (C3 〜C6 ) アルキル(シクロペンル、シクロヘキシルなど);
シクロ低級アルケニル、例えば、シクロ (C3 〜C6 ) アルケニル(シクロキセニル、シクロヘキサジエニルなど);
ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素);
アミノ;アミノ保護基;ヒドロキシ;保護されたヒドロキシ;シアノ;ニトロ;カルボキシ;保護されたカルボキシ;スルホ;スルファモイル;イミノ;オキソ;
アミノ低級アルキル(アミノメチル、アミノエチルなど);カルバモイルオキシ;ヒドロキシ低級アルキル(ヒドロキシメチル、1−または2−ヒドロキシエチル、1−または2−または3−ヒドロキシプロピルなど)などで置換されていてもよい。
【0044】
「置換されてもよいアリール基」および「置換されてもよい複素環基」なる表現中のアリール部分および複素環部分としては、前記例示したものが挙げられ、該アリール基および複素環基の置換基も前記例示したものが挙げられる。
【0045】
Z、R2 、R3 、R4 およびR5 の任意の2以上の基を介して形成する4〜7員の複素環基としては、例えばチエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ジチアゾリル基、ジオキソラニル基、ジチオリル基、ピロリジニル基、チアジアジニル基、ジチアジアジニル基、モルホリニル基、オキサジニル基、チアジニル基、ピペラジニル基、ピペリジニル基、ピラニル基、チオピラニル基などが挙げられる。
【0046】
ピリドンカルボン酸としては、具体的には、エノキサシン〔1−エチル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−7−(1−ピペラジニル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸〕、オフロキサシン〔(±)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−10−(4−メチル−1−ピペラジニル)−7−オキソ−7H−[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン−6−カルボン酸〕、シノキサシン〔1−エチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−[1,3]−ジオキソロ[4,5−g]シノリン−3−カルボン酸〕、シプロフロキサシン〔1−シクロプロピル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−7−(1−ピペラジニル)−3−キノリンカルボン酸〕、スパルフロキサシン〔5−アミノ−1−シクロプロピル−7−(cis−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸〕、トスフロキサシン〔(±)−7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−ナフチリジン−3−カルボン酸〕、ノルフロキサシン〔1−エチル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−7−(1−ピペラジニル)−3−キノリンカルボン酸〕、フレロキサシン〔6,8−ジフルオロ−1−(2−フルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸〕、レボフロキサシン〔(−)−(S)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−10−(4−メチル−1−ピペラジニル)−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸〕、ロメフロキサシン〔1−エチル−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−7−(3−メチル−1−ピペラジニル)−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸〕、5,8−ジヒドロ−8−エチル−2−(1−ピペラジニル)−5−オキソピリド〔2,3−d〕ピリミジンカルボン酸、7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−1−エチル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸、7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸、1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(3−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸、7−(3−アミノ−3−メチル−1−ピロリジニル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸などの化合物およびそれらの塩などが挙げられる。
【0047】
ピリドンカルボン酸の薬理学的に許容される塩としては、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、酢酸、乳酸、コハク酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、マロン酸、グルコン酸などの有機酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸などの酸から形成される酸付加塩やナトリウム塩やカリウム塩などの金属塩などが挙げられる。
【0048】
ピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩に添加させるアリールカルボン酸の量としては、ピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩1重量部に対し、好ましくは0.001〜50重量部程度が例示される。
【0049】
ピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩の可溶化剤は、アリールカルボン酸を有効成分とするものであり、その添加量は前記記載したものと同程度が例示される。
【0050】
本発明の水性液剤に使用される溶媒としては、精製水、特に注射用蒸留水が挙げられる。該水性液剤の有効成分であるピリドンカルボン酸の濃度は、アリールカルボン酸によって著しく高められ、好ましくは0.2〜5.0(w/v)%となる。
【0051】
本発明の水性液剤に使用されるアリールカルボン酸としては、前記と同様のものが使用される。
【0052】
該水性液剤にはさらに緩衝剤、等張化剤、溶解補助剤、防腐剤、粘稠剤、キレート剤、芳香剤などの各種添加剤を適宜添加してもよい。
【0053】
緩衝剤としては、例えばリン酸塩緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酒石酸緩衝剤、酢酸塩緩衝剤、アミノ酸などが挙げられる。
【0054】
等張化剤としては、例えばソルビトール、グルコース、マンニトール等の糖類、グリセリン、プロピレングリコールなどの多価アルコール類、塩化ナトリウムなどの塩類などが挙げられる。
【0055】
溶解補助剤としては、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンオキシステアリン酸トリグリセリド、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの非イオン界面活性剤などが挙げられる。
【0056】
防腐剤としては、例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウムなどの第四級アンモニウム塩類、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ソルビン酸およびそれらの塩、チメロサール、クロロブタノール、デヒドロ酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0057】
粘稠剤としては、例えばポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの塩などが挙げられる。
【0058】
キレート剤としては、エデト酸ナトリウム、クエン酸などが挙げられる。
芳香剤としては、1−メントール、ボルネオール、カンフル、ユーカリ油などが挙げられる。
【0059】
本発明の水性液剤は、点眼剤、点鼻剤、点耳剤として使用される。点眼剤として用いる場合、pHは通常約3.5〜8.5、好ましくは約6〜8に、点鼻剤として用いる場合、pHは通常約3.5〜8.5、好ましくは約6〜8に、点耳剤として用いる場合、pHは通常約3.5〜8.5、好ましくは約6〜8に調整する。
【0060】
本発明の水性液剤の製造方法は、液剤の種類によって異なるが、各液剤について自体公知の手段を採用できる。
【0061】
本発明の水性液剤は、例えば点眼剤の態様で用いる場合、眼炎症を有効に消炎させるに充分な量であればよく、症状、炎症の種類、該液剤を適用するヒト、動物の種類などによって変動しうるが、一般に20〜200μL/1回、好ましくは50〜100μL/1回を1日1〜12回の範囲で適宜選択しうる。
【0062】
【実施例】
以下に実験例、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
【0063】
実験例1
〔ピリドンカルボン酸の溶解度に及ぼすアリールカルボン酸の効果1〕
プラノプロフェン、イブプロフェンまたはブロムフェナックを含有する0.1%リン酸二水素ナトリウム水溶液100mlに、過剰量のノルフロキサシンまたはエノキサシンを加え、pHを塩酸または水酸化ナトリウムにより7〜8に調整した。25℃にて1週間振蘯した後、0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、ノルフロキサシンまたはエノキサシン含量を高速液体クロマトグラフ法により測定した。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
Figure 0004707201
【0065】
実験例2
〔ピリドンカルボン酸の溶解度に及ぼすアリールカルボン酸の効果2〕
2−ナフトエ酸、2−ナフチル酢酸または2−ナフトキシ酢酸を含有する0.1%リン酸二水素ナトリウム水溶液100mlに、過剰量のノルフロキサシンまたはエノキサシンを加え、pHを塩酸または水酸化ナトリウムにより8〜9に調整した。25℃にて1週間振蘯した後、0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、ノルフロキサシンまたはエノキサシン含量を高速液体クロマトグラフ法により測定した。結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
Figure 0004707201
【0067】
実験例3
〔ピリドンカルボン酸の溶解度に及ぼすアリールカルボン酸の効果3〕
プラノプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナック、ブロムフェナック、2−ナフトエ酸、2−ナフチル酢酸または2−ナフトキシ酢酸を含有する0.1%リン酸二水素ナトリウム水溶液100mlに、過剰量のロメフロキサシンを加え、pHを塩酸または水酸化ナトリウムにより8〜9に調整した。25℃にて1週間振蘯した後、0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、ロメフロキサシン含量を高速液体クロマトグラフ法により測定した。結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
Figure 0004707201
【0069】
表1〜3に示した結果から明らかなように、プラノプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナック、ブロムフェナック、2−ナフトエ酸、2−ナフチル酢酸および2−ナフトキシ酢酸などのアリールカルボン酸化合物の群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物の添加により、ノルフロキサシン、エノキサシン、ロメフロキサシンなどのピリドンカルボン酸化合物またはそれらの塩の溶解度が1.5〜3倍程度向上した。
【0070】
下記の処方に従い、点眼剤、点鼻剤および点耳剤を調製した。いずれの処方も室温で4日保存しても結晶の析出は見られなかった。尚、ノルフロキサシンの0.1%リン酸緩衝液(pH8)および1.6%ホウ酸緩衝液(pH7)中の溶解度はそれぞれ0.036%および0.039%であり、エノキサシンの0.1%リン酸緩衝液(pH7)および1.6%ホウ酸緩衝液(pH6)中の溶解度はそれぞれ0.028%および0.17%であった。オフロキサシンの生理食塩水(
リン酸でpH7に調整)中の溶解度は0.5%であった。
【0071】
実施例1
下記の処方に従い、点眼剤を調製した。
ノルフロキサシン 0.04g
ブロムフェナックナトリウム 0.4g
リン酸 0.1g
濃グリセリン 2.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH8)
【0072】
実施例2
下記の処方に従い、点眼剤を調製した。
ノルフロキサシン 0.05g
2−ナフチル酢酸 0.3g
ホウ酸 1.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH7)
【0073】
実施例3
下記の処方に従い、点耳剤を調製した。
エノキサシン 0.03g
イブプロフェン 0.5g
リン酸 0.1g
濃グリセリン 2.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH7)
【0074】
実施例4
下記の処方に従い、点眼剤を調製した。
エノキサシン 0.25g
2−ナフトエ酸 0.2g
ホウ酸 1.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH6)
【0075】
実施例5
下記の処方に従い、点鼻剤を調製した。
オフロキサシン 0.8g
2−ナフトエ酸 0.1g
リン酸 0.1g
塩化ナトリウム 0.9g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH7)
【0076】
実施例6
下記の処方に従い、点耳剤を調製した。
ノルフロキサシン 0.04g
ブロムフェナックナトリウム 0.4g
塩酸ナファゾリン 0.003g
リン酸 0.1g
濃グリセリン 2.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH8)
【0077】
実施例7
下記の処方に従い、点耳剤を調製した。
ノルフロキサシン 0.04g
ブロムフェナックナトリウム 0.4g
マレイン酸クロルフェニラミン 0.03g
リン酸 0.1g
濃グリセリン 2.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH8)
【0078】
実施例8
下記の処方に従い、点眼剤を調製した。
ノルフロキサシン 0.04g
ブロムフェナックナトリウム 0.4g
塩酸ピリドキシン 0.1g
リン酸 0.1g
濃グリセリン 2.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH8)
【0079】
実施例9
下記の処方に従い、点眼剤を調製した。
ノルフロキサシン 0.05g
2−ナフチル酢酸 0.3g
塩酸ナファゾリン 0.003g
ホウ酸 1.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH7)
【0080】
実施例10
下記の処方に従い、点眼剤を調製した。
ノルフロキサシン 0.05g
2−ナフチル酢酸 0.3g
マレイン酸クロルフェニラミン 0.03g
ホウ酸 1.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH7)
【0081】
実施例11
下記の処方に従い、点眼剤を調製した。
ノルフロキサシン 0.05g
2−ナフチル酢酸 0.3g
塩酸ピリドキシン 0.1g
ホウ酸 1.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH7)
【0082】
実施例12
下記の処方に従い、点鼻剤を調製した。
エノキサシン 0.03g
イブプロフェン 0.5g
塩酸ナファゾリン 0.003g
リン酸 0.1g
濃グリセリン 2.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH7)
【0083】
実施例13
下記の処方に従い、点眼剤を調製した。
エノキサシン 0.03g
イブプロフェン 0.5g
マレイン酸クロルフェニラミン 0.03g
リン酸 0.1g
濃グリセリン 2.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH7)
【0084】
実施例14
下記の処方に従い、点鼻剤を調製した。
エノキサシン 0.03g
イブプロフェン 0.5g
塩酸ピリドキシン 0.1g
リン酸 0.1g
濃グリセリン 2.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH7)
【0085】
実施例15
下記の処方に従い、点眼剤を調製した。
エノキサシン 0.25g
2−ナフトエ酸 0.2g
塩酸ナファゾリン 0.003g
ホウ酸 1.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH6)
【0086】
実施例16
下記の処方に従い、点眼剤を調製した。
エノキサシン 0.25g
2−ナフトエ酸 0.2g
マレイン酸クロルフェニラミン 0.03g
ホウ酸 1.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH6)
【0087】
実施例17
下記の処方に従い、点眼剤を調製した。
エノキサシン 0.25g
2−ナフトエ酸 0.2g
塩酸ピリドキシン 0.1g
ホウ酸 1.6g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量 100ml(pH6)
【0088】
【発明の効果】
本発明の可溶化方法によれば、生理pH付近におけるピリドンカルボン酸化合物またはそれらの塩の溶解度を向上させることができ、主として点眼用、点鼻用および点耳用などに適用される水性液剤を調製することができる。

Claims (10)

  1. ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、オフロキサシンおよびレボフロキサシンからなる群より選ばれる1種の化合物であるピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩に、プラノプロフェン、ブロムフェナック、2−ナフトエ酸、2−ナフチル酢酸および2−ナフトキシ酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であるアリールカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩を配合することを特徴とするピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩の可溶化方法。
  2. ロメフロキサシン、エノキサシン、オフロキサシンおよびレボフロキサシンからなる群より選ばれる1種の化合物であるピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩に、プラノプロフェン、ブロムフェナック、2−ナフトエ酸、2−ナフチル酢酸および2−ナフトキシ酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であるアリールカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩を配合することを特徴とする、ピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩の可溶化方法。
  3. ピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩1重量部に対しアリールカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩を0.001〜50重量部配合することを特徴とする請求項1または2に記載の可溶化方法。
  4. ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、オフロキサシンおよびレボフロキサシンからなる群より選ばれる1種の化合物であるピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩とプラノプロフェン、ブロムフェナック、2−ナフトエ酸、2−ナフチル酢酸および2−ナフトキシ酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であるアリールカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩を含む、水性液剤。
  5. ロメフロキサシン、エノキサシン、オフロキサシンおよびレボフロキサシンからなる群より選ばれる1種の化合物であるピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩と、プラノプロフェン、ブロムフェナック、2−ナフトエ酸、2−ナフチル酢酸および2−ナフトキシ酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であるアリールカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩を含む、水性液剤。
  6. ピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩1重量部に対しアリールカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩を0.001〜50重量部配合することを特徴とする請求項4または5に記載の水性液剤。
  7. 点眼剤である請求項4〜6のいずれか1項に記載の水性液剤
  8. 点鼻剤である請求項4〜6のいずれか1項に記載の水性液剤。
  9. 点耳剤である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の水性液剤。
  10. ピリドンカルボン酸またはその薬理学的に許容される塩の濃度が0.2〜5.0(w/v)%である請求項4または5に記載の水性液剤。
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