JP4706152B2 - 同期整流型スイッチング電源装置 - Google Patents
同期整流型スイッチング電源装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4706152B2 JP4706152B2 JP2001266695A JP2001266695A JP4706152B2 JP 4706152 B2 JP4706152 B2 JP 4706152B2 JP 2001266695 A JP2001266695 A JP 2001266695A JP 2001266695 A JP2001266695 A JP 2001266695A JP 4706152 B2 JP4706152 B2 JP 4706152B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- voltage
- power supply
- switching element
- synchronous rectification
- period
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Dc-Dc Converters (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は制御用ICから出力されるPWM制御された駆動パルスを用いてリアクトルなどの誘導性手段と直列に接続された主スイッチング半導体素子(以下、主スイッチング素子という)をON/OFF駆動し、少なくともエネルギ源となる直流入力電源を開閉して安定化した直流出力電源を生成し、外部の負荷に供給するスイッチング電源装置であって、主スイッチング素子のOFF期間に転流ダイオードと並列に設けた整流用スイッチング半導体素子(以下、同期整流素子という)をONさせる同期整流型スイッチング電源装置に関するもので、
特に、主スイッチング素子と同期整流素子との同時OFF期間を自動的に変えてスイッチング電源装置の効率を高めたり、スイッチング電源装置用の同期整流専用でない安価なPWM制御用ICを利用して主スイッチング素子のみならず同期整流素子をも制御できるようにした同期整流型スイッチング電源装置に関する。
【0002】
なお、以下各図において同一の符号は同一もしくは相当部分を示す。
【0003】
【従来の技術】
同期整流は、整流回路素子の導通時の電力損失を低減するため、順方向電圧降下の比較的大きいダイオード(本例では転流ダイオード)に並列に、ダイオードに代わる整流用としてON電圧の比較的小さい電界効果トランジスタなどのスイッチング素子を接続し、前記ダイオードの導通期間にほぼ同期して前記整流用スイッチング素子としての同期整流素子を導通させる方式である。
【0004】
なお、同期整流素子の導通期間には、前記ダイオードに流れるべき電流は同期整流素子に移って流れる。また、前記導通期間は同期整流回路に関わる回路全体の構成や動作させる電圧,電流等によって決定される。
図4および図5は、同期整流素子を備えた、それぞれ降圧型および昇圧型の従来のスイッチング電源装置の回路例を示し、図6は図4および図5のそれぞれの主スイッチング素子および同期整流素子のON/OFFのタイミングの例を示す。
【0005】
先ず図4と図6を用いて従来の同期整流・降圧型スイッチング電源装置の構成と動作を説明する。
図4の主回路において、11PはPチャネルMOSFETからなる主スイッチング素子で、この主スイッチング素子11Pは後述する制御用IC03の制御によって、この制御用IC03の端子VCCにも供給される直流入力電源(本例では7〜18V)を繰り返し開閉する。
【0006】
L0は主スイッチング素子11Pの電流出力端(ドレイン)と本スイッチング電源装置が生成する安定化出力電源(本例では5V)の出力端との間に接続されたリアクトル、C0はこの出力端とグランドGNDとの間に接続され、その両極間に安定化出力電源を形成する平滑コンデンサである。
14は主スイッチング素子11Pの電流出力端とグランドGND間に設けられ、主スイッチング素子11Pのオフ時にリアクトルL0の電流の流路となる転流ダイオード、12Nは転流ダイオード14と並列に設けられたNチャネルMOSFETからなる同期整流素子で、この同期整流素子12Nは制御用IC03の制御によって主スイッチング素子11PのOFF期間にONされ、転流ダイオード14に代わりリアクトルL0の電流を流す。
【0007】
この主回路構成においては主スイッチング素子11PのON期間に直流入力電源と平滑コンデンサC0の両極間の安定化出力電源との電圧差によってリアクトルL0を付勢し、主スイッチング素子11PのOFF期間にリアクトルL0の電流をダイオード14および同期整流素子12Nに転流させ、リアクトルL0の発生電圧で平滑コンデンサC0を充電させるという動作を周期的に繰り返して直流入力電源より低い電圧の安定化出力電源を生成する。
【0008】
次に03は同期整流・降圧型スイッチング電源装置を制御する制御用ICで、この制御用IC03はこのスイッチング電源装置の安定化出力電圧(本例では5V)を分圧抵抗R1,R2を介し端子IN1−によって検出しつつ、この安定化出力電圧を一定とするように、端子OUT1およびOUT2からそれぞれ主スイッチング素子11Pおよび同期整流素子12Nを所定の周期でON/OFFする、いわゆるPWM(パルス幅変調の意)制御された駆動パルスを出力する。
【0009】
このPWM制御は基本的には次式で表される主スイッチング素子のON時比率(デューティともいう)を可変制御することによって行われる。
【0010】
【数1】
次に制御用IC03内において、4は図6の上端に示すような、通常は一定の周波数で所定の電圧上限値Vu(本例では1.1V)と所定の電圧下限値Vd(本例では0.6V)との間を昇降する三角波電圧3を発振出力する発振器である。
【0011】
1はこの三角波電圧3と端子FB1の電圧とを比較し、その比較結果を遅延回路13を介し端子OUT1およびOUT2に出力して主スイッチング素子11Pおよび同期整流素子12Nの駆動パルスとするPWMコンパレータである。
このPWMコンパレータ1は、三角波電圧3が端子FB1電圧を下回る期間にはLレベルの駆動パルスを出力して主スイッチング素子11PをON且つ同期整流素子12NをOFFに駆動し、三角波電圧3が端子FB1電圧を上回る期間にはHレベルの駆動パルスを出力して主スイッチング素子11PをOFF且つ同期整流素子12NをONに駆動する。
【0012】
ここで、遅延回路13は、主スイッチング素子11Pと同期整流素子12N のON/OFFの切り換えを同時に行うと、OFF側に切り換わる素子の動作遅れによって電源短絡を生ずるおそれがあるため、図6に示すようにPWMコンパレータ1から新たにON側となる素子に与えるONパルスの先頭部の立上がりまたは立下がりの時間を所定時間Tα遅らせる役割を持つ。
【0013】
なお、この時間Tαの期間内では主スイッチング素子11Pと同期整流素子12Nが同時にOFF状態になるのでTαを同時OFF期間という。
次に9は安定化電源出力電圧の検出電圧と基準電圧との差電圧を増幅してなる前記端子FB1電圧を、この差電圧を少なくするようにPWMコンパレータ1に与えるエラーアンプである。
【0014】
このエラーアンプ9はその非反転入力端子に基準電圧源5からの基準電圧8(本例では1V)を、またその反転入力端子に本ICの端子IN1−に入力される安定化電源出力電圧の検出電圧(本例では安定化出力電圧を分圧抵抗R1(=12kΩ)とR2(=3kΩ)とで1/5に分圧してなる電圧)をそれぞれ入力している。
【0015】
そして、例えば基準電圧8に対して安定化出力電圧の検出電圧が増加(減少)しようとすると端子FB1電圧を下げて(上げて)、三角波電圧3の発振周期内における主スイッチング素子11PのON期間を減少(増加)させ、OFF期間を増加(減少)させる。換言すれば、主スイッチング素子11Pの前記ON時比率を減少(増加)させる。これにより安定化出力電圧が一定に保たれる。
【0016】
次に図5の同期整流・昇圧型スイッチング電源装置においては、図4に対し主回路の構成が若干変わり、制御用IC03が04に置き換わっている。しかし制御用IC03と04の違いは基本的には、制御用IC04ではPWMコンパレータを1Aに変えてその反転入力と非反転入力との接続を入れ替え、図6に示すように端子OUT1とOUT2の出力パルスの極性を逆にしていることのみである。
【0017】
なお、制御用IC04の電源端子VCCは、駆動対象の主スイッチング素子および同期整流素子の駆動電圧(従ってゲート電圧)を高めて被駆動素子のON抵抗を下げる目的で、電圧の低い直流入力電源(本例では3〜4.5V)側でなく安定化出力電源(本例では5V)側に接続されているが、これは直流入力電源側に接続しても装置としての動作は可能であり、本質的な相違ではない。
【0018】
図5の主回路において、11Nは制御用IC04の端子OUT1の出力によってON/OFF駆動されるNチャネルMOSFETからなる主スイッチング素子で、リアクトルL0と主スイッチング素子11Nは直列に、主スイッチング素子11NをグランドGND側として直流入力電源とグランドGND間に接続されている。
【0019】
12Pは制御用IC04の端子OUT2の出力によって主スイッチング素子11NのOFF期間にONするようにON/OFF駆動されるPチャネルMOSFETからなる同期整流素子で、この同期整流素子12Pは転流ダイオード14と並列に、リアクトルL0の主スイッチング素子11Nとの接続点と安定化出力電源の出力端との間に接続されている。
【0020】
この主回路構成においては主スイッチング素子11NのON期間に直流入力電源によってリアクトルL0を付勢し、主スイッチング素子11NのOFF期間にリアクトルL0の電流をダイオード14および同期整流素子12Nに転流させ、直流入力電源の電圧とリアクトルL0の発生電圧との和の電圧によって平滑コンデンサC0を充電させるという動作を周期的に繰り返して直流入力電源より高い電圧の安定化出力電源を生成する。
【0021】
図5においても、図4と同様に主スイッチング素子のON時比率を高める(低める)ことは、安定化出力電源の電圧を高める(低める)方向に働く。しかし、主スイッチング素子と同期整流素子が図4ではそれぞれPチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETであるのに対し、図5では逆にそれぞれNチャネルMOSFETとPチャネルMOSFETである。
【0022】
このため、図6に示すように制御用IC04の端子OUT1とOUT2は制御用IC03と同じタイミングにおいて逆極性の駆動パルスを出力する必要がある。そこで制御用IC04ではPWMコンパレータ1Aの入力接続が制御用IC03のPWMコンパレータ1とは入れ替っている。
なお、制御用IC04の遅延回路13も図6に示すようにPWMコンパレータ1Aから新たにON側となる素子に与えるONパルスの先頭部の立上がりまたは立下がりの時間を所定時間Tα遅らせる役割を持つ。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の説明から分かるように同期整流による電力損失の低減(従ってスイッチング電源装置の電力変換効率の向上)の効果が大きくなる条件は同期整流素子の導通期間が比較的大きくなることである。
同期整流素子の導通期間が比較的小さく、例えばスイッチング周期の30%以下の場合、同期整流による効率向上の効果よりも同期整流素子の駆動電力による損失の方が大きくなり、同期整流によって逆に効率が低下する場合がある。
【0024】
従来の同期整流専用の制御用ICでは図6に示すように、主スイッチング素子と同期整流素子との同時OFF期間Tαを一定にする方式が主流になっている。
このため、同時OFF期間Tαがスイッチング周期に比べて数%以下などと小さい一方、主スイッチング素子のON時比率が約0%から約100%までの広い範囲にわたって同期整流を行うので、同期整流により逆に効率が低下するON時比率の範囲が広くなりやすい。
【0025】
また、同期整流専用の制御用lCは、一般のPWM制御用lCに比べ高価なため、同期整流専用の制御用lCを用いるスイッチング電源装置はコストが比較的高くなる。
本発明は、上述した同期整流による効率低下とコスト高を改善することができる同期整流型スイッチング電源装置を提供することを課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1の同期整流型スイッチング電源装置は、
誘導性インピーダンスを持つ誘導性手段(リアクトルL0など)を介して直流入力電源を開閉する半導体スイッチング素子としての主スイッチング素子(11P,11Nなど)、
前記主スイッチング素子のON期間における付勢により該主スイッチング素子のOFF時に前記誘導性手段から発生する起電力を少なくとも含む電圧によって該起電力の方向に流れる電流を導通させる転流ダイオード(14)、
少なくとも該電流を蓄積し、外部に供給する直流出力電源を形成する電流蓄積手段(平滑コンデンサC0など)、
前記転流ダイオードに並列に接続された半導体スイッチング素子としての同期整流素子(12N,12Pなど)、
を具備する主回路と、
所定の上限値(Vu)と下限値(Vd)との間で昇降を繰り返す三角波電圧(3)を生成する発振器(4)、
前記直流出力電源の検出電圧(分圧抵抗R1,R2の分圧電圧など)と基準電圧(8)との差電圧を増幅する第1のエラーアンプ(9)、
該エラーアンプの出力電圧(端子FB1電圧など、以下第1の帰還電圧という)と前記三角波電圧とを比較し、この両電圧が交わる時点ごとにH/Lの2値が入れ代わる駆動パルスを生成し、該駆動パルスによって前記差電圧が小さくなるように前記主スイッチング素子をON/OFF駆動する第1のPWMコンパレータ(1、1A)、
を具備する制御回路とを備えた同期整流型スイッチング電源装置において、
前記制御回路に、
前記第1の帰還電圧に対して所定の関係で定まるレベル差を持つ第2の帰還電圧(端子FB2電圧など)を生成する手段と、
該第2の帰還電圧と前記三角波電圧とを比較し、この両電圧が交わる時点ごとにH/Lの2値が入れ代わる駆動パルスを生成し、該駆動パルスによって前記同期整流素子を前記主スイッチング素子のOFF期間にONさせるように、ON/OFF駆動する第2のPWMコンパレータ(2、2A)とを設け、
この際、前記同期整流素子のON期間が前記主スイッチング素子のOFF期間内に納まるように、前記レベル差の極性が定められてなるようにする。
【0027】
さらに、前記第2の帰還電圧を生成する手段が、少なくとも前記第1の帰還電圧を入力とし、前記レベル差が、1個以上の抵抗(同時OFF期間調整用抵抗R11,R12など)を介して設定された割合で第1の帰還電圧に比例するように前記第2の帰還電圧を増幅生成するオペアンプとしての第2のエラーアンプ(10)からなるようにする。
【0028】
また請求項2の同期整流型スイッチング電源装置では、請求項1に記載の同期整流型スイッチング電源装置において、前記制御回路のうち、前記主回路の構成や動作等の条件によって変化しない回路部分がICからなるようにする。また請求項3の同期整流型スイッチング電源装置では、請求項1に記載の同期整流型スイッチング電源装置において、前記制御回路が、前記第1のエラーアンプおよび第1のPWMコンパレータにおける前記主回路の構成や動作等の条件によって変化しない回路部分と、前記第2のエラーアンプおよび第2のPWMコンパレータにおける該回路部分と同様な回路部分とをそれぞれ個別の安定化直流出力電源を生成するPWM制御チャネル用として持つ、スイッチング電源装置制御用の複数制御チャネル型のIC、もしくは前記発振器を同期動作させたスイッチング電源装置制御用の単制御チャネル型の複数のlCを利用してなるようにする。
【0029】
また請求項4の同期整流型スイッチング電源装置は、請求項3に記載の同期整流型スイッチング電源装置において、前記制御用ICが非同期整流型であるようにする。本発明の作用は次の如くである。即ち、発振出力される三角波電圧と交わり主スイッチング素子のON/OFFの切換タイミングを定める端子FB1電圧(エラーアンプ9の出力)に対して電圧差を持ち、この電圧差が端子FB1電圧に比例する(具体的には端子FB1電圧に、同時OFF期間調整用の抵抗の比(R11/R12)を乗じた値となる)ような端子FB2電圧を生成する。
【0030】
そして、同期整流素子を、端子FB2電圧と三角波電圧が交わる切換タイミングで、同期整流素子のON期間が主スイッチング素子のOFF期間内に納まるようにON/OFF駆動する。
これにより、主スイッチング素子と同期整流素子との同時OFF期間を調整用の抵抗により、「同時OFF期間が0」の状態から「同期整流素子が全く導通しない」状態となるまでの範囲で任意に設定できるようにする。
【0031】
またこれにより、主スイッチング素子のON時比率の増加と共に同時OFF期間が増大することから、所定のON時比率以上では同期整流素子が導通しなくなるようにし、高ON時比率の条件で同期整流素子をスイッチングさせることにより装置効率が逆に低下することを防ぐ。また、同期整流素子の駆動を行うのに、主スイッチング素子を駆動するPWM制御チャネル内にあるものと同様な第2のエラーアンプとPWMコンパレータを用い、第2のエラーアンプに端子FB1電圧を与え、且つ前記の調整用抵抗を組み合わせて反転増幅器を構成し、端子FB2電圧を生成させる。そして、この端子FB2電圧を第2のPWMコンパレータに与え、同期整流素子を駆動させる。
【0032】
これにより、PWM制御チャネルを複数個内蔵する一般の(つまり非同期整流型の)PWM制御IC、あるいは発振器を同期動作させた単チャネルの複数個の一般のPWM制御ICを利用して同期整流型スイッチング電源装置の制御回路を構成できるようにし、ICコスト、従って装置のコストを下げる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の1実施例としての同期整流・降圧型スイッチング電源装置の回路を示し、図2は本発明の別の実施例としての同期整流・昇圧型スイッチング電源装置の回路を示す。また図3は図1および図2のそれぞれの主スイッチング素子および同期整流素子のON/OFFのタイミングの例を示す。そして、図1,図2,図3はそれぞれ図4,図5,図6に対応している。
【0034】
ここで図1は図4に対して制御用ICが03から、01に置き換わり、また図2は図5に対して制御用ICが04から02に置き換わっている。
そして制御用IC01においては制御用IC03に対して遅延回路13が省略され、これに代わりPWMコンパレータ2とエラーアンプ10からなる、別チャンネルのPWM制御用回路が設けられている。
【0035】
この制御用IC01は、本来は1台で2つの安定化直流出力電源を生成するスイッチング電源装置を制御するためのもので、2チャンネルの非同期整流型の降圧型スイッチング電源装置のPWM制御回路を作れるように構成されている。
図1では、今まで通りのPWMコンパレータ1が出力する駆動パルスを直接、IC端子OUT1から主スイッチング素子11Pに与え、別チャンネルのPWMコンパレータ2が出力する駆動パルスを直接、IC端子OUT2から同期整流素子12Nに与えるようにしている。
【0036】
なお、PWMコンパレータ2の非反転入力にはPWMコンパレータ1と同様、発振器4からの三角波電圧3が入力され、PWMコンパレータ2の反転入力にもPWMコンパレータ1と同様、前段のエラーアンプ10の出力が入力される構成となっている。
この、PWMコンパレータ2の前段のエラーアンプ10については、エラーアンプ10の非反転入力のレベル(IC端子IN2+)をエラーアンプ9の出力である端子FB1電圧に等しくすると共に、エラーアンプ10の反転入力(IC端子IN2−)とエラーアンプ10の出力(IC端子FB2)との間に帰還抵抗であるR11(ここでは同時OFF期間調整用抵抗という、本例では2.2kΩ)を、同じくエラーアンプ10の反転入力とグランドGND間に抵抗R12(ここでは同時OFF期間調整用抵抗という、本例では68kΩ)を接続している。
【0037】
このエラーアンプ10の構成は、その非反転入力のレベルである端子FB1電圧を仮の基準レベルとして、この基準レベルからグランドGND(0V)までの電圧差(=(−)端子FB1電圧)を反転増幅し、この増幅電圧分を基準レベル(端子FB1電圧)に上乗せした形で出力する回路となっている。
従ってエラーアンプ10の出力を端子FB2電圧と呼ぶことにすると、次式が成り立つ。
【0038】
【数2】
つまり、本例では図3に示すように、端子FB2電圧は端子FB1電圧に対して、端子FB1電圧の(R11/R12)倍=約3%分、上方にずれることになる。
【0039】
このようにして、図1の回路では図3に示すように、主スイッチング素子11Pは三角波電圧3と端子FB1電圧との交点で、また同期整流素子12Nは三角波電圧3と端子FB2電圧との交点でいずれもON/OFFが切り換わることとなり、同期整流素子12NのOFF期間は主スイッチング素子11PのON期間を跨いで広がり、同期整流素子12NのON期間は主スイッチング素子11PのOFF期間内で狭まる。
【0040】
この結果として、スイッチング素子11Pと12Nのうち、新たにON側に切り換わる素子のターンON時点の前には、2つの素子11Pと12Nが同時にOFF状態になる同時OFF期間Tβができることとなる。
図2の制御用lC02と図1の制御用lC01との違いは、制御用lC02では制御用lC01のPWMコンパレータ1と2の入力接続をそれぞれ入れ替えたPWMコンパレータ1Aと2Aを用いて、図3に示すようにIC端子OUT1,OUT2の出力パルスの極性を逆にしていることのみである。
【0041】
ところで、図3に示す通り、主スイッチング素子と同期整流素子の同時OFF期間Tβは、三角波電圧3と端子FB1電圧および端子FB2電圧との交点の、交点同士の時間差と一致するので、端子FB2電圧と端子FB1電圧の電位差に比例する。
前記の▲1▼式から端子FB1電圧に比例して前記電位差が大きくなるので、端子FB1電圧に比例して同時OFF期間Tβが長くなる。またこの例では、端子FB1電圧が高くなるほど主スイッチング素子のON時比率が大きくなる。
【0042】
以上をまとめると、主スイッチング素子のON時比率が大きくなるほど、主スイッチング素子と同期整流素子との同時OFF期間Tβが長くなり、ON時比率が一定値以上になると同期整流素子が導通しなくなる。即ち、同期整流が停止するため、ON時比率の大きい場合において同期整流により逆に電源装置の効率が低下する現象を防止できる。
【0043】
同時OFF期間Tβは、IC端子lN2−に接続された2個の同時OFF期間調整用抵抗R11,R12の値を調整することで任意に設定可能であり、同期整流型スイッチング電源装置の高効率化のための最適設計が可能になる。
なお、上述した実施例ではスイッチング電源装置の主回路に誘導性手段としてリアクトルL0を用いているが、これに代わりフライバックトランスを用い、このフライバックトランスの2次側に設けた整流ダイオード(転流ダイオード)に並列に同期整流素子を設けた場合でも、本発明の適用が可能である。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、発振出力される三角波電圧と交わり主スイッチング素子のON/OFFの切換タイミングを定める端子FB1電圧(エラーアンプ9の出力)に対して電圧差を持ち、この電圧差が端子FB1電圧に調整用の抵抗の比を乗じた値となるような端子FB2電圧を生成して、同期整流素子を、端子FB2電圧と三角波電圧が交わる切換タイミングで、同期整流素子のON期間が主スイッチング素子のOFF期間内に納まるようにON/OFF駆動するようにしたので、主スイッチング素子のON時比率が大きくなるほど、主スイッチング素子と同期整流素子との同時OFF期間が長くなり、ON時比率が一定値以上になると同期整流素子が導通しなくなるため、高ON時比率の条件において同期整流によりスイッチング電源装置の効率が逆に低下する現象を防止することができる。
【0045】
また、同期整流素子の駆動を行うのに、主スイッチング素子を駆動するPWM制御チャネル内にあるものと同様な第2のエラーアンプとPWMコンパレータを用い、第2のエラーアンプに端子FB1電圧を与えると共に前記の調整用抵抗を組み合わせて反転増幅器を構成し、端子FB2電圧を生成させ、この端子FB2電圧を第2のPWMコンパレータに与え、同期整流素子を駆動させるようにしたので、PWM制御チャネルを複数個内蔵する複数チャネル型の一般の(非同期整流型の)PWM制御IC、あるいは発振器を同期動作させた単チャネル型の複数個の一般のPWM制御ICを利用して同期整流型スイッチング電源装置の制御回路が構成できるので、ICコスト、従って電源装置のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例としての同期整流・降圧型スイッチング電源装置の要部の構成を示す回路図
【図2】本発明の別の実施例としての同期整流・昇圧型スイッチング電源装置の要部の構成を示す回路図
【図3】図1,図2の要部の動作を示すタイミングチャート
【図4】図1に対応する従来の回路図
【図5】図2に対応する従来の回路図
【図6】図4,図5の要部の動作を示すタイミングチャート
【符号の説明】
01,02 制御用IC
1,1A,2,2A PWMコンパレータ
3 三角波電圧
4 発振器
5 基準電圧源
6 バイアス電流源
7,8 基準電圧
9,10 エラーアンプ
11P,11N 主スイッチング素子
12P,12N 同期整流素子
14 転流ダイオード
L0 リアクトル
C0 平滑コンデンサ
R11,R12 同時OFF期間調整用抵抗
Tβ 同時OFF期間
Claims (4)
- 誘導性インピーダンスを持つ誘導性手段を介して直流入力電源を開閉する半導体スイッチング素子としての主スイッチング素子、
前記主スイッチング素子のON期間における付勢により該主スイッチング素子のOFF時に前記誘導性手段から発生する起電力を少なくとも含む電圧によって該起電力の方向に流れる電流を導通させる転流ダイオード、
少なくとも該電流を蓄積し、外部に供給する直流出力電源を形成する電流蓄積手段、
前記転流ダイオードに並列に接続された半導体スイッチング素子としての同期整流素子、
を具備する主回路と、
所定の上限値と下限値との間で昇降を繰り返す三角波電圧を生成する発振器、
前記直流出力電源の検出電圧と基準電圧との差電圧を増幅する第1のエラーアンプ、
該エラーアンプの出力電圧(以下第1の帰還電圧という)と前記三角波電圧とを比較し、この両電圧が交わる時点ごとにH/Lの2値が入れ代わる駆動パルスを生成し、該駆動パルスによって前記差電圧が小さくなるように前記主スイッチング素子をON/OFF駆動する第1のPWMコンパレータ、
を具備する制御回路とを備えた同期整流型スイッチング電源装置において、
前記制御回路に、
前記第1の帰還電圧に対して所定の関係で定まるレベル差を持つ第2の帰還電圧を生成する手段と、
該第2の帰還電圧と前記三角波電圧とを比較し、この両電圧が交わる時点ごとにH/Lの2値が入れ代わる駆動パルスを生成し、該駆動パルスによって前記同期整流素子を前記主スイッチング素子のOFF期間にONさせるように、ON/OFF駆動する第2のPWMコンパレータとを設け、
この際、前記同期整流素子のON期間が前記主スイッチング素子のOFF期間内に納まるように、前記レベル差の極性が定められてなるようにし、
前記第2の帰還電圧を生成する手段が、少なくとも前記第1の帰還電圧を入力とし、前記レベル差が、1個以上の抵抗を介して設定された割合で第1の帰還電圧に比例するように前記第2の帰還電圧を増幅生成するオペアンプとしての第2のエラーアンプからなることを特徴とする同期整流型スイッチング電源装置。 - 請求項1に記載の同期整流型スイッチング電源装置において、
前記制御回路のうち、前記主回路の構成や動作等の条件によって変化しない回路部分がICからなることを特徴とする同期整流型スイッチング電源装置。 - 請求項1に記載の同期整流型スイッチング電源装置において、
前記制御回路が、前記第1のエラーアンプおよび第1のPWMコンパレータにおける前記主回路の構成や動作等の条件によって変化しない回路部分と、
前記第2のエラーアンプおよび第2のPWMコンパレータにおける該回路部分と同様な回路部分とをそれぞれ個別の安定化直流出力電源を生成するPWM制御チャネル用として持つ、スイッチング電源装置制御用の複数制御チャネル型のIC、もしくは前記発振器を同期動作させたスイッチング電源装置制御用の単制御チャネル型の複数のlCを利用してなることを特徴とする同期整流型スイッチング電源装置。 - 請求項3に記載の同期整流型スイッチング電源装置において、
前記制御用ICが非同期整流型であることを特徴とする同期整流型スイッチング電源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001266695A JP4706152B2 (ja) | 2001-09-04 | 2001-09-04 | 同期整流型スイッチング電源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001266695A JP4706152B2 (ja) | 2001-09-04 | 2001-09-04 | 同期整流型スイッチング電源装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003079140A JP2003079140A (ja) | 2003-03-14 |
JP4706152B2 true JP4706152B2 (ja) | 2011-06-22 |
Family
ID=19092941
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001266695A Expired - Lifetime JP4706152B2 (ja) | 2001-09-04 | 2001-09-04 | 同期整流型スイッチング電源装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4706152B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006166667A (ja) * | 2004-12-10 | 2006-06-22 | Ricoh Co Ltd | スイッチングレギュレータ |
JP5167733B2 (ja) * | 2007-09-06 | 2013-03-21 | 株式会社リコー | 昇圧型dc/dcコンバータ |
WO2010104172A1 (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-16 | 富士電機システムズ株式会社 | スイッチング電源装置、集積回路およびスイッチング電源装置の動作状態設定方法 |
JP5552790B2 (ja) * | 2009-10-14 | 2014-07-16 | 株式会社リコー | スイッチング電源装置、ac電源装置及び画像形成装置 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06225522A (ja) * | 1993-01-27 | 1994-08-12 | Fuji Electric Co Ltd | スイッチング電源回路 |
JPH0759340A (ja) * | 1993-08-11 | 1995-03-03 | Nec Corp | スイッチング電源回路 |
JP2001112241A (ja) * | 1999-10-08 | 2001-04-20 | Nippon Avionics Co Ltd | 同期整流式dc−dcコンバータ |
JP2001298943A (ja) * | 2000-04-07 | 2001-10-26 | Hitachi Kokusai Electric Inc | スイッチング電源回路 |
-
2001
- 2001-09-04 JP JP2001266695A patent/JP4706152B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06225522A (ja) * | 1993-01-27 | 1994-08-12 | Fuji Electric Co Ltd | スイッチング電源回路 |
JPH0759340A (ja) * | 1993-08-11 | 1995-03-03 | Nec Corp | スイッチング電源回路 |
JP2001112241A (ja) * | 1999-10-08 | 2001-04-20 | Nippon Avionics Co Ltd | 同期整流式dc−dcコンバータ |
JP2001298943A (ja) * | 2000-04-07 | 2001-10-26 | Hitachi Kokusai Electric Inc | スイッチング電源回路 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003079140A (ja) | 2003-03-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6535400B2 (en) | Control circuit for synchronous rectifiers in DC/DC converters to reduce body diode conduction losses | |
US6958592B2 (en) | Adaptive delay control circuit for switched mode power supply | |
US8035364B2 (en) | Step-down switching regulator with freewheeling diode | |
US7675275B2 (en) | DC-DC converter | |
US9350236B2 (en) | Switching regulator with reduced body diode conduction | |
EP1261122A2 (en) | Switching power supply unit | |
TWI399020B (zh) | Switching regulator circuit | |
JP5727797B2 (ja) | Dc−dcコンバータ | |
US10637357B1 (en) | Ramp offset compensation circuit in a buck boost converter | |
JP5456495B2 (ja) | 昇降圧型のスイッチング電源の制御回路、昇降圧型のスイッチング電源、及び昇降圧型のスイッチング電源の制御方法 | |
JP2009284667A (ja) | 電源装置、および、その制御方法ならびに半導体装置 | |
JP5955294B2 (ja) | スイッチング電源装置 | |
US6798178B1 (en) | Method of forming a power system and structure therefor | |
TWI467900B (zh) | 降壓調整器 | |
JP2006149107A (ja) | 多出力電源回路 | |
TWI414921B (zh) | Pwm控制器及形成pwm控制器之震盪器的方法 | |
US20170222573A1 (en) | Resonant Decoupled Auxiliary Supply for a Switched-Mode Power Supply Controller | |
JP4706152B2 (ja) | 同期整流型スイッチング電源装置 | |
US20210006244A1 (en) | Drive circuit | |
JP4880630B2 (ja) | Dc/dc電力変換装置 | |
JP2002281744A (ja) | Dc−dcコンバータ | |
CN111614249A (zh) | 二极管电路 | |
CN115833542A (zh) | 开关变换器的驱动控制电路及驱动方法 | |
US7304459B2 (en) | Synchronous rectification mode dc-to-dc converter power supply device | |
US11223272B2 (en) | Uninterrupted current sense |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20031225 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20060703 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060704 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080515 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20081216 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20090219 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20091112 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101130 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110127 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110215 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110228 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140325 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |