以下、本発明の遊技機をパチンコ機10に具体化した一実施形態を図1〜図14に基づき詳細に説明する。
(1)パチンコ機10全体の概略構成
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されている。このパチンコ機10は機体の外郭をなす縦長方形状の外枠11を備えている。この外枠11は、外枠11の下部を構成する合成樹脂製の腰板ユニット11aを備えている。外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形状の中枠12が、開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15とが、それぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の上部前面には、『演出実行手段』であるトップランプ16が前面側に向けて突出している。トップランプ16は、パチンコ機10の各種遊技の演出態様(大当り、リーチなど)に応じて点灯(点滅)・消灯などの遊技演出(発光演出)を行うようになっている。このトップランプ16は、図示しない発光体(発光ダイオードなど)を備え、同発光体にレンズ部材を覆い被せて構成されている。また、腰板ユニット11aの前面側における左右両側部には、『演出実行手段』であるスピーカ17が互いに離間して形成されている。スピーカ17は、遊技の演出状態に応じて各種音声(効果音、言語音声など)を出力する遊技演出(音声演出)を行うようになっている。中枠12の前面側において上球皿15の下方には、下球皿19、操作ハンドル20及び灰皿24などが装着されている。
図1に示されるように、遊技盤13の遊技領域13aの略中央部には、矩形状開口部を有する枠状の大型装飾部材21が装着されている。大型装飾部材21の奥側には、『演出実行手段』としての液晶式図柄表示装置18が配設されている。なお、液晶式図柄表示装置18の可視表示部H(表示画面)は、矩形状開口部から露出しており、視認可能とされている。この液晶式図柄表示装置18では、変動画像(または画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。また、液晶式図柄表示装置18では、始動入賞条件の成立に基づいて、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出させる図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。そして、複数種類の図柄が大当りとなる図柄組み合わせで確定停止する場合、各図柄は、特定図柄(確率変動を開始させる契機となる図柄)または非特定図柄(確率変動を開始させる契機とはならない図柄)で確定停止するようになっている。なお、液晶式図柄表示装置18を、ドットマトリクス式、エレクトロルミネッセンス素子式、7セグメント式の図柄表示装置に変更してもよい。
図1に示されるように、液晶式図柄表示装置18の下方には、普通電動役物22aが一体的に構成された始動入賞口22が配設されている。普通電動役物22aは、一対の羽根部材からなり、図示しないソレノイドの励磁作用により開閉するようになっている。さらに、始動入賞口22の下方には、図示しないソレノイドにより開閉動作を行う大入賞口23が配設されている。なお、前記操作ハンドル20の操作によって遊技領域13aに打ち出された遊技球が始動入賞口22へ入賞すると、始動保留球数の記憶値(始動入賞記憶数)が加算される。そして、始動入賞記憶数に基づき、液晶式図柄表示装置18にて図柄組み合わせゲームが行われるとともに、賞球の払い出しが行われる。
ここで、「始動入賞記憶数」とは、図柄の変動中に始動入賞口22に入賞した遊技球の数を所定の最大値(本実施形態では4)の範囲で記憶した値である。始動入賞記憶数は、始動入賞口22への遊技球の入賞により「+1」され、図柄組み合わせゲームの開始により「−1」される。
図1に示される前記上球皿15の上面には、『操作部』としてのタッチセンサ15aが設けられている。タッチセンサ15aは、機表側に配置されており、遊技中に遊技者が操作可能になっている。タッチセンサ15aは、遊技者によって操作されるとオン状態となり、Hレベルの操作信号を統括制御基板35の統括制御CPU35a(図2,図3参照)に出力するようになっている。また、タッチセンサ15aは、遊技者によって操作されていないときにオフ状態となり、Lレベルの操作信号を出力するようになる。
(2)パチンコ機10の電気的構成
図2,図3に示されるように、パチンコ機10は、『主制御手段』としての主制御基板31を備えている。また、パチンコ機10は、表示制御基板32、ランプ制御基板33、音声制御基板34及び統括制御基板35を備えている。主制御基板31には統括制御基板35が電気的に接続され、統括制御基板35には、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34が電気的に接続されている。
(2−1)電源基板41の電気的構成
図2に示されるように、パチンコ機10は電源基板41を備えている。電源基板41は、遊技店の電源AC(AC24V)を電源電圧V1(例えば、DC30V)に変換処理する電源回路42を備えている。この電源回路42は、主制御基板31、表示制御基板32、ランプ制御基板33、音声制御基板34及び統括制御基板35に接続されている。そして、電源回路42は、電源電圧V1を各制御基板31〜35にそれぞれ対応する電源電圧V2〜V6に変換処理し、変換処理後の電源電圧V2〜V6を各制御基板31〜35に供給するようになっている。
また、電源回路42には、同電源回路42から供給された電源電圧V1の電圧値を監視する電源断監視回路43が接続されている。詳述すると、電源断監視回路43は、電源電圧V1があらかじめ定められた電圧V(例えば、DC20V)に降下したか否かを判定するようになっている。電圧Vは、遊技に支障を来すことなくパチンコ機10を動作させるために必要な最低限の電圧である。なお、電源断(電源オフ)時や停電時においては、パチンコ機10に電源ACが供給されなくなるため、電源電圧V1は電圧Vに降下する。一方、電源投入(電源オン)時や復電(復旧電源)時においては、パチンコ機10に電源ACが供給されるため、電圧は電源電圧V1に上昇する。ここで、「復電時」とは、RAMクリアされずに電源ACを投入する場合をいう。
図2に示されるように、電源断監視回路43にはリセット信号回路44が接続されている。電源断監視回路43は、電源電圧V1≦電圧Vである場合に、電源電圧V1が電圧Vに降下したことを示す電源断信号Sを、前記主制御基板31及びリセット信号回路44に出力するようになっている。リセット信号回路44は、電源供給の開始時または電源断信号Sの入力時に、各制御基板31〜35に対してリセット信号Reを出力するようになっている。
また、前記電源基板41は、例えば電気二重層コンデンサからなるバックアップ用電源45を備えている。バックアップ用電源45には、前記電源回路42が接続されており、電源回路42からの電源電圧が供給されるようになっている。そして、前記電源ACが遮断された場合、バックアップ用電源45は、バックアップ処理を行うための電源電圧VB(例えば、DC5V)を主制御基板31のメインRAM31cに供給するようになっている。なお、バックアップ用電源45は、統括制御基板35の統括RAM35c、表示制御基板32の表示RAM32c、ランプ制御基板33のランプRAM33c、音声制御CPU34aの音声RAM34cには電源電圧を供給しない。従って、統括制御基板35、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34においてバックアップ処理が行われることはない。
図2に示されるように、電源基板41は、操作されることによりメインRAM31cの初期化(メインRAM31cの記憶内容の消去)を指示するRAMクリアスイッチ46を備えている。RAMクリアスイッチ46は、遊技店の店員による操作のみを許容させるために機裏側に位置している。RAMクリアスイッチ46はRAMクリアスイッチ回路47に接続されており、RAMクリアスイッチ回路47は主制御基板31のメインCPU31aに接続されている。RAMクリアスイッチ回路47は、RAMクリアスイッチ46からの指示に基づいて、メインCPU31aによるメインRAM31cの初期化を実行するようになっている。
(2−2)主制御基板31の電気的構成
図2,図3に示されるように、主制御基板31は、パチンコ機10全体を制御するメインCPU31aを備えており、メインCPU31aには、メインROM31b及びメインRAM31cが電気的に接続されている。さらに、メインCPU31aにはリセット入力回路31dが接続されている。リセット入力回路31dは、前記リセット信号回路44から前記リセット信号Reが入力された際に、そのリセット信号ReをメインCPU31aに所定時間出力し続けるようになっている。なお、メインCPU31aは、入力されたリセット信号Reによって起動時の動作などが規制される。
図2に示されるように、メインRAM31cには前記バックアップ用電源45が接続されている。メインRAM31cの制御情報記憶領域には、前記電源電圧VBに基づいた制御情報が記憶されるようになっている。即ち、メインRAM31cは、前記電源ACが遮断された際に制御情報を記憶する『バックアップ用記憶手段』としての機能を有している。また、メインCPU31aには、前記電源断監視回路43が接続されている。なお、電源断監視回路43による判定結果が肯定(電源電圧V1≦電圧V)である場合、メインCPU31aには前記電源断信号Sが入力される。この場合、メインCPU31aは、メインRAM31cの制御情報記憶領域に記憶されている制御情報を前記電源ACの遮断後に記憶させる処理(バックアップ処理)を行うようになっている。
図2,図3に示されるように、メインROM31bには、パチンコ機10を制御するための各種制御プログラム(メイン処理プログラム、割込み処理プログラム、電源断処理プログラムなど)が記憶されている。なお、割込み処理プログラムとは、遊技中(パチンコ機10の動作中)において、メインCPU31aによって所定周期ごと(例えば4msごと)に繰り返し実行される処理である。
また、メインCPU31aは、図柄組み合わせゲームに係る各種抽選に用いる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数、ハズレ右図柄用乱数、変動パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、メインCPU31aは、更新後の値をメインRAM31cの乱数記憶領域に設定して更新前の値を書き換えている。なお、メインRAM31cのフラグ記憶領域には、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種のフラグが記憶(設定)されるようになっている。メインRAM31cの始動入賞記憶領域には、前記始動入賞記憶数が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記メインROM31bには、図柄組み合わせゲーム用の変動パターンP1〜P9が振り分けられた変動パターン振分テーブル(図4参照)が記憶されている。本実施形態の変動パターン振分テーブルには、ハズレ演出用の変動パターンP1,P2,P3、ハズレリーチ演出用の変動パターンP4,P6,P8及び大当り演出用の変動パターンP5,P7,P9が振り分けられている。なお、各変動パターンP1〜P9には、同変動パターンP1〜P9ごとに異なる遊技演出の時間及び内容が対応付けられている。ここで、変動パターンP4,P5はノーマルリーチ演出の場合のパターンを示し、変動パターンP6,P7はスーパーリーチ演出Aの場合のパターンを示し、変動パターンP8,P9はスーパーリーチ演出Bの場合のパターンを示している。なお、ノーマルリーチ演出とは、左図柄及び右図柄が同一の図柄で停止した状態で中図柄を変動させた後に、確定停止して図柄組み合わせを導出させる演出をいう。また、スーパーリーチ演出A,Bとは、例えば左図柄及び右図柄が同一の図柄で停止した状態で、特別な演出を行うとともに、中図柄を変動させた後に確定停止して図柄組み合わせを導出させる演出をいう。各変動パターンP1〜P9には、変動パターン振分乱数の値(本実施形態では、0〜99までの100通りの整数)が振り分けられている。なお、変動パターンP1〜P3は、ハズレ図柄組み合わせ(大当りまたはリーチとなる図柄組み合わせが導出されない図柄組み合わせ)を導出するハズレ演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP1は、通常変動が行われる演出のベースとなるパターンであり、変動パターンP2は、通常変動よりも図柄変動時間が短い短縮変動が行われる演出のベースとなるパターンである。また、変動パターンP3は、結果が負けとなるゲームを模した予告演出(本実施形態では、野球拳のじゃんけんの結果が負けとなる野球拳演出)が併せて行われるため、通常変動よりも図柄変動時間が長い変動が行われる演出のベースとなるパターンである。変動パターンP4は、ノーマルリーチ演出の場合において、中図柄が、左図柄及び右図柄とは異なる図柄で停止するハズレリーチ演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP5は、ノーマルリーチ演出の場合において、中図柄が、左図柄及び右図柄と同一の図柄で停止する大当り演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP6は、スーパーリーチ演出Aに発展した後、中図柄が、左図柄及び右図柄とは異なる図柄で停止するハズレリーチ演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP7は、スーパーリーチ演出Aに発展した後、中図柄が、左図柄及び右図柄と同一の図柄で停止する大当り演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP8は、スーパーリーチ演出Bに発展した後、中図柄が、左図柄及び右図柄とは異なる図柄で停止するハズレリーチ演出のベースとなるパターンを示している。変動パターンP9は、スーパーリーチ演出Bに発展した後、中図柄が、左図柄及び右図柄と同一の図柄で停止する大当り演出のベースとなるパターンを示している。
なお、スーパーリーチ演出Aの出現率(変動パターンP6,P7が選択される確率)は、ノーマルリーチ演出の出現率(変動パターンP4,P5が選択される確率)よりも低くなっている。さらに、スーパーリーチ演出Bの出現率(変動パターンP8,P9が選択される確率)は、スーパーリーチ演出Aの出現率よりも低くなっている。また、スーパーリーチ演出A,Bは、ノーマルリーチ演出よりも大当りとなる信頼度が高く、スーパーリーチ演出Bは、スーパーリーチ演出Aよりも大当りとなる信頼度が高くなっている。なお、本実施形態のスーパーリーチ演出A,Bは、大当りとなる信頼度が高い高信頼度リーチ演出である。また、変動パターンP1は、特定状態(本実施形態では、大当りの抽選確率が高確率に変動する確率変動状態)ではない通常状態時に選択され、変動パターンP2は、特定状態時に選択され、変動パターンP3〜P9は、通常状態時及び特定状態時の両方において選択されるようになっている。なお、特定状態は、確率変動状態でなくてもよく、例えば、図柄組み合わせゲームの図柄変動時間が短縮される変動時間短縮状態であってもよい。
まず、前記メインCPU31aが実行する電源投入時における各種処理を説明する。
パチンコ機10への電源投入後、図2,図3に示されるメインCPU31aは、前記メインRAM31cに前記制御情報が記憶されているか否かを判定する。即ち、メインCPU31aは、『制御情報記憶判定手段』としての機能を有している。制御情報が記憶されていると判定された場合、メインCPU31aは、前記RAMクリアスイッチ46が操作されていないとして、復電時に電源投入が行われたことを示す復電時用の電源投入コマンドを生成する。一方、制御情報が記憶されていないと判定された場合、メインCPU31aは、RAMクリアスイッチ46が操作されたとして、復電時ではないときに電源投入が行われたことを示す初期設定用の電源投入コマンドを生成する。
メインCPU31aは、前記統括制御基板35の前記統括制御CPU35aに対して制御を指示する際に、制御コマンドなどを制御信号(8ビット信号)とし、その信号を出力ポート51及び出力バッファ52を介して所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU31aは、生成した復電時用の電源投入コマンド、または、生成した初期設定用の電源投入コマンドを、制御コマンドとして出力する。即ち、メインCPU31aは、『電源投入コマンド出力手段』としての機能を有している。
また、図2,図3に示されるメインCPU31aは、制御信号の出力タイミングにあわせて、統括制御基板35に対し制御信号を構成する制御コマンドの読み込みを指示するための読込信号(INT信号、または、ストローブ信号)を出力ポート51及び出力バッファ52を介して出力するようになっている。
次に、前記メインCPU31aが実行する図柄組み合わせゲームに係る各種処理(大当り判定、リーチ判定、停止図柄、変動パターンの決定など)を説明する。
メインCPU31aは、始動入賞条件の成立(前記始動入賞口22への遊技球の入賞)を契機として、所定の周期毎に更新される前記大当り判定用乱数の値及び前記大当り図柄用乱数の値を前記メインRAM31cから読み出し、それらの値をメインRAM31cの前記乱数記憶領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU31aは、図柄組み合わせゲームの開始直前に、メインRAM31cの乱数記憶領域に格納されている大当り判定用乱数の値と前記メインROM31bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かの大当り判定(当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、メインCPU31aは、大当りを決定する。なお、本実施形態では、大当り判定用乱数の採りうる数値を0〜946(全947通りの整数)としている。そして、メインCPU31aは、大当り判定用乱数の採りうる数値の中からあらかじめ定めた3個の大当り判定値を用いて、大当りの抽選確率を947分の3(=315.7分の1)として大当り判定を行う。
大当りの決定がなされると、図2,図3に示されるメインCPU31aは、前記液晶式図柄表示装置18に最終的に停止させる図柄(停止図柄左、中、右)を、全列が同一種類の図柄となるように決定する。具体的には、メインRAM31cの乱数記憶領域に記憶された前記大当り図柄用乱数の値に基づいて、停止図柄左、停止図柄中及び停止図柄右(各停止図柄は同一種類)を決定する。この決定された停止図柄左、停止図柄中、停止図柄右が、液晶式図柄表示装置18に最終的な図柄組み合わせとして導出される。本実施形態では、大当り図柄用乱数の採りうる数値を0〜9の10通りの整数とし、図柄の種類ごとに1つの数値が対応付けられている(例えば、図柄「3」には大当り図柄用乱数の値「3」が対応付けられている)。そして、メインCPU31aは、決定した停止図柄左、停止図柄中、停止図柄右に対応したデータを、次回の図柄組み合わせゲームに係る処理を行うまでの間、メインRAM31cに記憶する。
また、メインCPU31aは、メインRAM31cの乱数記憶領域に記憶された大当り図柄用乱数の値に基づいて、各停止図柄が前記特定図柄であるか否かを判定する。本実施形態では、大当り図柄用乱数の値が「1」、「3」、「5」、「7」、「9」であれば、各停止図柄が特定図柄であると判定され、大当り図柄用乱数の値が「0」、「2」、「4」、「6」、「8」であれば、各停止図柄が特定図柄ではなく前記非特定図柄であると判定される。各停止図柄が特定図柄であると判定された場合、メインCPU31aは、大当り遊技演出(全図柄が大当りの組み合わせで確定停止した後に前記大入賞口23を開放する演出)の終了後に、大当りの抽選確率が高確率に変動する前記確率変動を開始させる。なお、確率変動が開始された場合、メインCPU31aは、前記大当り判定用乱数の採りうる数値の中から15個の大当り判定値を用いて、大当りの抽選確率を947分の15として大当り判定を行う。即ち、確率変動時の大当り判定値の数は、確率変動前の5倍となる。なお、確率変動は、次回の大当り演出が開始されるまでの間、継続されるようになっていてもよいし、複数回(例えば、10000回)の図柄の変動表示が実行されるまでの間、継続されるようになっていてもよい。
そして、図2,図3に示されるメインCPU31aは、メインRAM31cの乱数記憶領域から前記変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、前記大当り演出用の変動パターンP5,P7,P9を決定する。具体的には、特定図柄で大当りとなる場合であっても、非特定図柄で大当りとなる場合であっても、メインCPU31aは、大当り演出用の変動パターンP5,P7,P9を決定する。
また、前記大当り判定の判定結果が否定(前記大当り判定用乱数の値と前記大当り判定値とが不一致)の場合、メインCPU31aは、メインRAM31cから読み出した前記リーチ判定用乱数の値と前記メインROM31bに記憶されているリーチ判定値とを比較してハズレリーチを実行するか否かのリーチ判定を行う。リーチ判定の判定結果が肯定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致)の場合、メインCPU31aは、ハズレリーチを決定する。そして、メインCPU31aは、停止図柄左、中、右を、左列と右列が同一種類の図柄で、中列が左右2列とは異なる種類の図柄となるように決定する。具体的には、前記ハズレ左図柄用乱数の値に基づいて停止図柄左及び停止図柄右(両停止図柄は同一種類)を決定する。そして、前記ハズレ中図柄用乱数の値に基づいて停止図柄中を決定する。ハズレ中図柄用乱数の値とハズレ左図柄用乱数の値(または前記ハズレ右図柄用乱数の値)とが一致していた場合、メインCPU31aは、停止図柄中と停止図柄左(または停止図柄右)とが一致しないように停止図柄中を決定する。本実施形態では、大当り図柄用乱数の値と同様に、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数及びハズレ右図柄用乱数の各乱数の採りうる数値を0〜9の10通りの整数とし、図柄の種類ごとに1つの数値が対応付けられている。また、メインCPU31aは、メインRAM31cから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、前記ハズレリーチ演出用の変動パターンP4,P6,P8を決定する。
また、リーチ判定の判定結果が否定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが不一致)の場合、図2,図3に示されるメインCPU31aは、ハズレ(リーチを伴わないハズレ)を決定する。そして、メインCPU31aは、停止図柄左、中、右を、全列が同一種類の図柄とならないように決定する。具体的には、ハズレ左図柄用乱数の値に基づいて停止図柄左を決定し、ハズレ中図柄用乱数の値に基づいて停止図柄中を決定し、ハズレ右図柄用乱数の値に基づいて停止図柄右を決定する。ハズレ左図柄用乱数の値とハズレ右図柄用乱数の値とが一致していた場合、メインCPU31aは、停止図柄左と停止図柄右とが一致しないように停止図柄右を決定する。そして、メインCPU31aは、メインRAM31cから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、前記特定状態でハズレとなる場合は前記ハズレ演出用の変動パターンP2,P3を決定し、前記通常状態でハズレとなる場合は前記ハズレ演出用の変動パターンP1,P3を決定する。
なお、従来のパチンコ機では、ハズレ演出用の変動パターンが決定された場合には、単に1パターンの演出のみが行われていた。一方、本実施形態のパチンコ機10では、ハズレ演出用の変動パターンP3が決定されると、通常のハズレ演出に加え、予告演出(野球拳のじゃんけんの結果が負けとなる野球拳演出)も行われる。これにより、遊技者は、変動パターンP3に基づいて行われる演出に熱くなることができる。しかも、変動パターンP3に基づく演出と予告演出A(図5参照)との見分けが付かなくなる。
そして、各停止図柄及び変動パターンを決定したメインCPU31aは、前記統括制御基板35の統括制御CPU35aに対して制御を指示する際、制御コマンドなどを制御信号(8ビット信号)とし、その信号を出力ポート51及び出力バッファ52を介して所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU31aは、最初に、変動パターンを指定するとともに図柄の変動開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、制御コマンドとして出力する。次に、メインCPU31aは、停止図柄左を指定する左図柄指定コマンド、停止図柄右を指定する右図柄指定コマンド及び停止図柄中を指定する中図柄指定コマンドを、制御コマンドとして出力する。その後、メインCPU31aは、各列の図柄の停止を指示する全図柄停止指定コマンドを、制御コマンドとして出力する。
また、図2,図3に示されるメインCPU31aは、制御信号の出力タイミングにあわせて、統括制御基板35に対し制御信号を構成する制御コマンドの読み込みを指示するための読込信号(INT信号、または、ストローブ信号)を出力ポート51及び出力バッファ52を介して出力するようになっている。
(2−3)統括制御基板35の電気的構成
図2,図3に示されるように、『サブ制御手段』である統括制御基板35は、統括制御CPU35aを備えている。統括制御CPU35aにはメインCPU31aが出力した制御信号及び読込信号を入力する入力バッファ55が電気的に接続されている。さらに、入力バッファ55には入力ポート56が電気的に接続されており、制御信号は入力ポート56を介して統括制御CPU35aに入力されるようになっている。また、統括制御CPU35aには、前記タッチセンサ15aが電気的に接続されており、タッチセンサ15aからの前記操作信号が入力されるようになっている。
統括制御CPU35aには、統括ROM35b及び統括RAM35cが接続されている。さらに、統括制御CPU35aにはリセット入力回路35dが接続されている。リセット入力回路35dは、前記リセット信号回路44から前記リセット信号Reが入力された際に、そのリセット信号Reを統括制御CPU35aに所定時間出力し続けるようになっている。なお、統括制御CPU35aは、入力されたリセット信号Reによって起動時の動作などが規制される。
図2,図3に示される統括制御CPU35aは、演出内容の決定のために用いる各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、統括制御CPU35aは、更新後の値を統括RAM35cの乱数記憶領域に設定して更新前の値を書き換えている。例えば、統括RAM35cの乱数記憶領域には、第1予告演出振分用乱数(0〜199)、第2予告演出振分用乱数(0〜99)などが記憶されている。
また、統括ROM35bには、電源投入時に用いられるプログラムや、遊技中に用いられるプログラムなどが記憶されている。なお、電源投入時に用いられるプログラムとしては、後述する演出制御プログラム、コマンド入力判定プログラム、復電時コマンド入力判定プログラム、操作時間設定プログラム、操作時間終了判定プログラム、操作判定プログラム、設定回数値更新プログラム等がある。また、遊技中に用いられるプログラムとしては、後述する予告制御プログラム、回数表示制御プログラム、予告演出判定プログラム、リーチ演出判定プログラム、移行回数値更新プログラム、大当りパターン判定プログラム及び予告演出変更プログラム等がある。
さらに、図2,図3に示される統括ROM35bには、大当りとなる信頼度が高い高信頼度予告演出である予告演出Aと、複数種類の予告を段階的に変化させる演出である予告演出Bとが振り分けられた予告演出選択テーブル1(図5参照)が記憶されている。予告演出Bは、予告演出B1,B2,B3の3種類である。各予告演出A,B1,B2,B3には、第1予告演出振分用乱数の値が振り分けられている。なお、予告演出Aは、スーパーリーチ演出AまたはBの確定を予告するスーパーリーチ確定予告演出であり、野球拳のじゃんけんの結果が勝ちとなる野球拳演出である。予告演出B1は、ノーマルリーチ演出を予告するリーチ予告演出であり、本実施形態では、「リーチ?」と記載された札を演出用キャラクタに持たせる演出である。予告演出B2は、リーチ予告演出と、リーチ演出の確定を予告するリーチ確定予告演出とからなる予告演出である。本実施形態の予告演出B2では、「リーチ?」と記載された札を演出用キャラクタに持たせる演出が行われた後、札に記載された文字が「リーチ確定」に変更される演出が行われる。予告演出B3は、リーチ予告演出と、リーチ確定予告演出と、スーパーリーチ演出の確定を予告するスーパーリーチ確定予告演出である。予告演出B3では、「リーチ?」と記載された札を演出用キャラクタに持たせる演出が行われた後、札に記載された文字が「リーチ確定」に変更される演出が行われ、さらに札に記載された文字が「スーパーリーチ確定」に変更される演出が行われる。なお、予告演出B3は予告演出Aと同等の演出であり、予告演出B3の演出時間も予告演出Aの演出時間と等しくなっている。
また、図2,図3に示される統括ROM35bには、背景予告演出X,Yが振り分けられた予告演出選択テーブル2(図6参照)が記憶されている。各背景予告演出X,Yには、第2予告演出振分用乱数の値が振り分けられている。背景予告演出Xは、スーパーリーチ演出の確定を予告するスーパーリーチ確定予告演出であり、前記液晶式図柄表示装置18の前記可視表示部Hに表示される背景の色を赤色に変更する演出である。背景予告演出Yは、図柄組み合わせゲームの結果が大当りに確定したことを予告する大当り確定予告演出であり、可視表示部Hに表示される背景の色を虹色に変更する演出である。
図2,図3に示される統括RAM35cのフラグ記憶領域には、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種のフラグが記憶(設定)されるようになっている。例えば、統括RAM35cのフラグ記憶領域には、前記予告演出Aから前記スーパーリーチ演出A,Bへの移行回数を示す移行回数値が移行回数値フラグとして記憶されている。なお本実施形態において、統括RAM35cに記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)は、更新開始条件となる更新開始値(例えば「5」)から更新終了条件となる更新終了値「0」まで減算されるようになっている。また、電源投入時において統括RAM35cに記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)は、更新開始値「5」である。さらに、統括RAM35cのフラグ記憶領域には、予告演出Aに関する所定の設定回数値が設定回数値フラグとして記憶されている。即ち、統括RAM35cは、『設定回数値記憶手段』としての機能を有している。なお、本実施形態の設定回数値は、移行回数値の更新開始値を設定するためのものであり、更新開始条件となる初期値「5」から更新終了条件となる閾値「1」まで減算されるようになっている。この設定回数値は電源投入時(復電時)に決定される。
まず、前記統括制御CPU35aが実行する電源投入時における各種処理を説明する。
前記コマンド入力判定プログラムとは、図2,図3に示される統括制御CPU35aを『コマンド入力判定手段』として機能させるためのプログラムである。具体的には、前記メインCPU31aから前記電源投入コマンドが入力されたか否かを判定する。
前記復電時コマンド入力判定プログラムとは、統括制御CPU35aを『復電時コマンド入力判定手段』として機能させるためのプログラムである。具体的には、統括制御CPU35aによって電源投入コマンドが入力されたと判定された場合に、その電源投入コマンドが復電時用の電源投入コマンドであるか否かを判定する。
前記操作時間設定プログラムとは、統括制御CPU35aを『操作時間設定手段』として機能させるためのプログラムである。具体的には、統括制御CPU35aによって電源投入コマンドが復電時用の電源投入コマンドであると判定された場合に、前記タッチセンサ15aの有効操作時間(本実施形態では20000ms)を設定(統括RAM35cに記憶)する。なお、有効操作時間は、統括制御CPU35aによって所定の割込み周期ごとに(4msごとに)減算される。
前記操作時間終了判定プログラムとは、図2,図3に示される統括制御CPU35aを『操作時間終了判定手段』として機能させるためのプログラムである。具体的には、有効操作時間が終了していないか否か、即ち、統括RAM35cに記憶されている有効操作時間が0msではないか否かを判定する。
前記操作判定プログラムとは、統括制御CPU35aを『操作判定手段』として機能させるためのプログラムである。具体的には、統括制御CPU35aによって有効操作時間が終了していない(有効操作時間が0msではない)と判定された場合に、前記タッチセンサ15aが操作されたか否かを判定する。即ち、タッチセンサ15aは、統括RAM35cに記憶されている設定回数値フラグ(設定回数値)を変更する際に操作される『操作手段』としての機能を兼ねており、有効操作時間内において『操作手段』として機能する。
前記設定回数値更新プログラムとは、図2,図3に示される統括制御CPU35aを『設定回数値更新手段』として機能させるためのプログラムである。具体的には、統括制御CPU35aによってタッチセンサ15aが操作されたと判定された場合に、統括RAM35cに記憶されている設定回数値を更新する。この場合、統括制御CPU35aは、フラグ記憶領域に記憶されている設定回数値フラグ(設定回数値)を、初期値「5」から閾値「1」までの範囲内で順次1個ずつ減算させる。そして、統括制御CPU35aは、設定回数値フラグ(設定回数値)が閾値「1」であるか否かを判定するようになっている。即ち、統括制御CPU35aは、『閾値判定手段』としての機能を有している。設定回数値が閾値「1」であると判定された場合、統括制御CPU35aは、設定回数値フラグ(設定回数値)を初期値「5」に戻すようになっている。即ち、統括制御CPU35aは、『初期値更新手段』としての機能を有している。
前記演出制御プログラムとは、図2,図3に示される統括制御CPU35aを『演出制御手段』として機能させるためのプログラムである。具体的には、統括RAM35cのフラグ記憶領域に記憶されている設定回数値フラグ(設定回数値)に関連するアイコン18a(図7(a),(b)参照)を前記液晶式図柄表示装置18の前記可視表示部Hに表示させる制御を行う。詳述すると、設定回数値を示す設定回数値コマンドを生成し、生成した設定回数値コマンドを設定(統括RAM35cに記憶)するようになっている。
そして、統括制御CPU35aは、前記表示制御基板32に対して制御を指示する際、制御コマンドなどを制御信号(8ビット信号)とし、その信号を出力ポート53及び出力バッファ54を介して表示制御基板32に出力するようになっている。統括制御CPU35aは、設定回数値コマンドなどを、制御コマンドとして表示制御基板32に出力するようになっている。また、統括制御CPU35aは、制御信号の出力タイミングにあわせて、表示制御基板32に対し制御信号を構成する制御コマンドの読み込みを指示するための読込信号(INT信号、または、ストローブ信号)を出力ポート53及び出力バッファ54を介して出力するようになっている。
次に、前記統括制御CPU35aが実行する図柄組み合わせゲームに係る各種処理を説明する。
前記メインCPU31aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、図2,図3に示される統括制御CPU35aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを統括RAM35cに記憶するようになっている。
さらに、統括制御CPU35aは、メインCPU31aから前記左図柄指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄左を統括RAM35cに記憶するようになっている。同様に、統括制御CPU35aは、メインCPU31aから前記右図柄指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄右を統括RAM35cに記憶し、前記中図柄指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄中を統括RAM35cに記憶するようになっている。
そして、統括制御CPU35aは、前記第1予告演出振分用乱数、前記第2予告演出振分用乱数の値を統括RAM35cから取得するようになっている(図12のステップS50参照)。次に、統括制御CPU35aは、予告演出選択テーブル1(図5参照)及び予告演出選択テーブル2(図6参照)から図柄組み合わせゲームの具体的な演出内容を決定するようになっている。詳述すると、統括制御CPU35aは、メインCPU31aが決定した変動パターン、及び、統括RAM35cから取得した第1予告演出振分用乱数の値に基づいて、予告演出選択テーブル1から予告演出A,B1〜B3のいずれか1つを選択するか、予告演出A,B1〜B3を選択しないかを決定するようになっている。また、統括制御CPU35aは、メインCPU31aが決定した変動パターン、及び、統括RAM35cから取得した第2予告演出振分用乱数の値に基づいて、予告演出選択テーブル2から背景予告演出X,Yのいずれか1つを選択するか、背景予告演出X,Yを選択しないかを決定するようになっている。
なお、前記予告演出判定プログラムとは、図2,図3に示される統括制御CPU35aに、選択された予告演出が予告演出Aであるか否かを判定させるためのプログラムである。
前記リーチ演出判定プログラムとは、統括制御CPU35aに、統括RAM35cに記憶されている変動パターンが、スーパーリーチ演出A,Bの場合の変動パターンP6〜P9であるか否かを判定させるためのプログラムである。なお本実施形態では、スーパーリーチ演出A,Bの場合の変動パターンは、予告演出Aが行われうる変動パターンと同じ変動パターンP6〜P9である。よって、リーチ演出判定プログラムは予告演出判定プログラムと同時に機能する。
前記大当りパターン判定プログラムとは、統括制御CPU35aに以下の制御を実行させるためのプログラムである。具体的には、スーパーリーチ演出A,Bの場合の変動パターンP6〜P9であると判定された場合であって、選択された予告演出が予告演出Aであると判定されたときにおいて、統括RAM35cのフラグ記憶領域に記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)が、前記更新終了値「0」に到達する直前の回数「1」に到達している場合に機能する。この場合、図柄組み合わせゲーム用の変動パターンが大当りの変動パターンP7,P9であるか否かを判定する。なお、変動パターンが大当りの変動パターンP7,P9であると判定された場合、統括制御CPU35aは、図柄組み合わせゲームにて導出される図柄が前記特定図柄であるか否かを判定する。
前記移行回数値更新プログラムとは、図2,図3に示される統括制御CPU35aに以下の制御を実行させるためのプログラムである。具体的には、スーパーリーチ演出A,Bの場合の変動パターンP6〜P9であると判定された場合であって、選択された予告演出が予告演出Aであると判定されたときにおいて、統括RAM35cのフラグ記憶領域に記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)が「1」に到達していない場合に機能する。この場合、フラグ記憶領域に記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)が1減算される。なお、統括制御CPU35aは、図柄組み合わせゲームにて導出される図柄が特定図柄であると判定された場合(図13のステップS110の判定が「Y」である場合)においても、移行回数値フラグ(移行回数値)を1減算させる。この場合、統括RAM35cのフラグ記憶領域に記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)が更新終了値「0」に更新される。
前記予告演出変更プログラムとは、図2,図3に示される統括制御CPU35aに以下の制御を実行させるためのプログラムである。具体的には、統括制御CPU35aによって変動パターンが大当りの変動パターンP7,P9ではないと判定された場合や、図柄組み合わせゲームにて導出される図柄が特定図柄ではないと判定された場合(図13のステップS110の判定が「N」である場合)に、統括制御CPU35aによる移行回数値フラグ(移行回数値)を減算しないようにする。それとともに、予告演出Aの非実行を決定し、予告演出Aとは別の前記予告演出B3の実行を決定する。
なお、統括制御CPU35aによって予告演出Aを含む2つ以上の予告演出(本実施形態では、予告演出A及び背景予告演出X、または、予告演出A及び背景予告演出Y)が選択され、予告演出Aの実行が判定されることがある。この場合、統括RAM35cは、背景予告演出XまたはYの非実行を決定して、予告演出Aを優先的に実行させるようになっている。
ところで、予告演出Aは野球拳演出であるが、野球拳演出にて行われるじゃんけんの勝敗は予測不能であるため、遊技者をわくわくさせることができる。しかし、予告演出Aとともに大当りの確定を予告する背景予告演出Yを実行すると、結果が分かってしまうため、野球拳演出を行う意義がなくなってしまう。そこで、本実施形態では、予告演出Aを実行させる際に背景予告演出XまたはYの非実行を決定している。
そして、図2,図3に示される統括制御CPU35aは、決定した予告演出を統括RAM35cに記憶するようになっている。そして、『予告制御手段』である統括制御CPU35aは、前記予告制御プログラムに従って所定の予告処理を行うようになっている。即ち、統括制御CPU35aは、予告演出を前記液晶式図柄表示装置18(前記可視表示部H)に実行させる制御を行うようになっている。具体的に言うと、統括制御CPU35aは、決定された予告演出に基づいて、予告演出の出現を指示する予告コマンドを設定(統括RAM35cに記憶)するようになっている。
前記回数表示制御プログラムとは、統括制御CPU35aに以下の制御を実行させるためのプログラムである。具体的には、統括RAM35cのフラグ記憶領域に記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)に関連するアイコン18b(図8(a),(b)参照)を液晶式図柄表示装置18の可視表示部Hに表示させる制御を行う。詳述すると、移行回数値を示す移行回数値コマンドを生成し、生成した移行回数値コマンドを設定(統括RAM35cに記憶)するようになっている。
その後、前記メインCPU31aから前記全図柄停止指定コマンドが入力されると、図2,図3に示される統括制御CPU35aは、入力された全図柄停止指定コマンドを統括RAM35cに記憶するようになっている。
そして、統括制御CPU35aは、前記表示制御基板32、前記ランプ制御基板33及び前記音声制御基板34に対して制御を指示する際、制御コマンドなどを制御信号(8ビット信号)とし、その信号を出力ポート53及び出力バッファ54を介して各制御基板32,33,34に出力するようになっている。これにより、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34が実行する遊技演出の具体的な内容が、統括制御基板35によって統括的に制御される。統括制御CPU35aは、前記メインCPU31aから入力された前記変動パターン指定コマンドを、制御コマンドとして各制御基板32,33,34に出力するようになっている。また、統括制御CPU35aは、前記左図柄指定コマンド、前記右図柄指定コマンド、前記中図柄指定コマンド及び前記全図柄停止指定コマンドなどを、制御コマンドとして表示制御基板32に出力するようになっている。さらに、統括制御CPU35aは、前記予告コマンドなどを、制御コマンドとして各制御基板32,33,34に出力するようになっている。また、統括制御CPU35aは、前記移行回数値コマンドなどを、制御コマンドとして表示制御基板32に出力するようになっている。なお、予告コマンド及び移行回数値コマンドは、図柄組み合わせゲームが行われる度に出力される。
また、図2,図3に示される統括制御CPU35aは、制御信号の出力タイミングにあわせて、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34に対し制御信号を構成する制御コマンドの読み込みを指示するための読込信号(INT信号、または、ストローブ信号)を出力ポート53及び出力バッファ54を介して出力するようになっている。そして、統括制御CPU35aは、変動パターン指定コマンドを出力した後、各図柄指定コマンド、予告コマンド、移行回数値コマンド、全図柄停止指定コマンドを所定のタイミングで出力するようになっている。
(2−4)表示制御基板32の電気的構成
図2に示されるように、『サブ制御手段』である表示制御基板32は、表示制御CPU32aを備えている。表示制御CPU32aには、表示ROM32b及び表示RAM32cが接続されている。さらに、表示制御CPU32aにはリセット入力回路32dが接続されている。リセット入力回路32dは、前記電源基板41の前記リセット信号回路44から前記リセット信号Reが入力された際に、そのリセット信号Reを表示制御CPU32aに所定時間出力し続けるようになっている。なお、表示制御CPU32aは、入力されたリセット信号Reによって起動時の動作などが規制される。
また、表示RAM32cには、統括制御CPU35aから出力され、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。
図2に示されるように、表示ROM32bには、図柄組み合わせゲームが行われる際に用いられる複数種類の表示演出データや複数種類の予告演出データが記憶されている。各表示演出データは、前記変動パターンの種類ごとに対応付けて記憶されており、各予告演出データは、前記予告演出の種類ごとに対応付けて記憶されている。表示演出データとは、表示制御CPU32aが、前記液晶式図柄表示装置18の表示内容(図柄変動など)を制御するための情報、即ち、液晶式図柄表示装置18に表示演出の実行を指示するための情報である。なお、変動パターンP3に対応付けて記憶されている表示演出データは、表示演出の実行を指示するための情報に加え、予告演出(野球拳演出)の実行を指示するための情報も含んでいる。また、予告演出データとは、表示制御CPU32aが、液晶式図柄表示装置18に予告演出の実行を指示するための情報である。
まず、表示制御CPU32aが実行する電源投入時における各種処理を説明する。
前記統括制御CPU35aから前記設定回数値コマンドが入力されると、表示制御CPU32aは、設定回数値コマンドが示す設定回数値フラグ(設定回数値)を、表示RAM32cのフラグ記憶領域に記憶させるようになっている。それとともに、表示制御CPU32aは、フラグ記憶領域に記憶されている設定回数値フラグ(設定回数値)を液晶式図柄表示装置18に出力することにより、設定回数値に関連する回数表示(前記アイコン18a)を既存の液晶式図柄表示装置18の前記可視表示部Hに表示させる制御を行うようになっている。即ち、液晶式図柄表示装置18は、『設定内容表示手段』としての機能を有している。なお図7(a),(b)に示されるように、アイコン18aは、設定回数値の初期値「5」を示している。本実施形態のアイコン18aは、逆三角形状の記号であり、設定回数値と同数だけ可視表示部Hに表示されている。また、アイコン18aは、有効操作時間中において可視表示部Hの右下部に常時現われている。
ところで、設定回数値コマンドが入力された場合、図2に示される表示制御CPU32aは、表示RAM32cのフラグ記憶領域に記憶されている設定回数値フラグ(設定回数値)をチェックするようになっている。例えば、設定回数値を「3」→「2」に更新する場合(設定回数値コマンドが示す設定回数値フラグ(設定回数値)が「2」である場合)、フラグ記憶領域に記憶されている設定回数値フラグ(設定回数値)が「3」であれば、表示制御CPU32aは、フラグ記憶領域の設定回数値フラグ(設定回数値)を「2」に更新する。これに伴い、可視表示部Hに表示されるアイコン18aの数も、「3」→「2」に更新される。仮に、フラグ記憶領域に記憶されている設定回数値フラグ(設定回数値)が「2」や「4」などであったとしても、表示制御CPU32aは、フラグ記憶領域の設定回数値フラグ(設定回数値)を「2」に更新する。これに伴い、可視表示部Hに表示されるアイコン18aの数も、「2」→「2」または「4」→「2」となる。即ち本実施形態では、フラグ記憶領域の設定回数値フラグ(設定回数値)を、設定回数値コマンドが示す設定回数値フラグ(設定回数値)に合わせるようになっている。
次に、表示制御CPU32aが実行する図柄組み合わせゲームに係る各種処理を説明する。
前記統括制御CPU35aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、図2に示される表示制御CPU32aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを前記表示RAM32cに記憶するようになっている。
また、表示制御CPU32aは、統括制御CPU35aから前記左図柄指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄左を表示RAM32cに記憶するようになっている。同様に、表示制御CPU32aは、統括制御CPU35aから前記右図柄指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄右を表示RAM32cに記憶し、前記中図柄指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄中を表示RAM32cに記憶するようになっている。
さらに、前記統括制御CPU35aから前記予告コマンドが入力されると、表示制御CPU32aは、予告コマンドにて指定された予告演出を前記表示RAM32cに記憶するようになっている。
その後、統括制御CPU35aから前記全図柄停止指定コマンドが入力されると、図2に示される表示制御CPU32aは、変動開始時に入力された表示RAM32cに記憶された前記停止図柄左、右、中に基づいて、前記液晶式図柄表示装置18に全図柄の停止を指示するようになっている。これにより、指定された図柄が停止して、液晶式図柄表示装置18に表示される。
なお、前記変動パターン指定コマンドが入力された場合、表示制御CPU32aは、前記表示ROM32bに記憶された複数種類の前記表示演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した表示演出データを表示RAM32cの記憶領域に記憶させるようになっている。また、変動パターン指定コマンド及び前記予告コマンドの両方が入力された場合、表示制御CPU32aは、複数種類の表示演出データのうちいずれか1つを設定(生成)するととともに、表示ROM32bに記憶された複数種類の予告演出データのうちいずれか1つを設定(生成)するようになっている。そして、表示制御CPU32aは、設定した表示演出データ及び予告演出データを表示RAM32cの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、表示制御CPU32aは、変動パターン指定コマンド、予告コマンド及び表示演出データに基づいて表示制御を行うようになる。より詳しくは、表示制御CPU32aは、表示RAM32cに記憶されている表示演出データを図柄信号に変換し、液晶式図柄表示装置18に出力する。その結果、液晶式図柄表示装置18は、図柄信号に基づき所定の表示を行うことができるようになる。
さらに、予告演出Aを示す予告コマンドに加えて前記移行回数値コマンドが前記統括制御CPU35aから入力されると、図2に示される表示制御CPU32aは、移行回数値コマンドが示す移行回数値フラグ(移行回数値)を、表示RAM32cのフラグ記憶領域に記憶させるようになっている。なお、電源投入時においては、表示RAM32cのフラグ記憶領域に、移行回数値フラグ(移行回数値)の更新開始値「5」が記憶されている。そして、表示制御CPU32aは、フラグ記憶領域に記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)を液晶式図柄表示装置18に出力することにより、移行回数値に関連する回数表示(前記アイコン18b)を液晶式図柄表示装置18の前記可視表示部Hに表示させる制御を行うようになっている。なお、アイコン18bは、移行回数値が更新終了値「0」に到達するまでに必要な回数を示している。本実施形態のアイコン18bは、前記設定回数値を示す複数個のアイコン18aのうち、移行回数値と同数のアイコン18aを塗り潰すことにより、可視表示部Hに表示される。また、アイコン18bは、遊技中において可視表示部Hの右下部に常時現われている。
ところで、移行回数値コマンドが入力された場合、図2に示される表示制御CPU32aは、表示RAM32cのフラグ記憶領域に記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)をチェックするようになっている。例えば、移行回数値を「3」→「2」に更新する場合(移行回数値コマンドが示す移行回数値フラグ(移行回数値)が「2」である場合)、フラグ記憶領域に記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)が「3」であれば、表示制御CPU32aは、フラグ記憶領域の移行回数値フラグ(移行回数値)を「2」に更新する。これに伴い、可視表示部Hに表示されるアイコン18bの数も、「3」→「2」に更新される。仮に、フラグ記憶領域に記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)が「2」であれば、表示制御CPU32aは、予告演出Aを示す予告コマンドに基づく表示制御を中止する。また、フラグ記憶領域に記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)が「4」である場合、移行回数値フラグ(移行回数値)を「2」に更新すると、可視表示部Hに表示されるアイコン18bの数がいきなり「4」→「2」に更新されるため、遊技者が混乱してしまう。よって本実施形態では、表示制御CPU32aは、「エラー発生」という文字を可視表示部Hに表示させる制御を行うとともに、フラグ記憶領域の移行回数値フラグ(移行回数値)を「2」に更新している。これにより、可視表示部Hに表示されるアイコン18bの数も「2」となる。
(2−5)ランプ制御基板33の電気的構成
図2に示されるように、前記ランプ制御基板33はランプ制御CPU33aを備えており、ランプ制御CPU33aにはランプROM33b及びランプRAM33cが接続されている。さらに、ランプ制御CPU33aにはリセット入力回路33dが接続されている。リセット入力回路33dは、前記電源基板41の前記リセット信号回路44から前記リセット信号Reが入力された際に、そのリセット信号Reをランプ制御CPU33aに所定時間出力し続けるようになっている。なお、ランプ制御CPU33aは、入力されたリセット信号Reによって起動時の動作などが規制される。また、ランプRAM33cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。
図2に示されるランプROM33bには、図柄組み合わせゲームが行われる際に用いられる複数種類の発光演出データや複数種類の予告演出データが記憶されている。発光演出データは、それぞれ前記変動パターンの種類ごとに対応付けて記憶されており、予告演出データは、前記予告演出の種類ごとに対応付けて記憶されている。発光演出データとは、ランプ制御CPU33aが、前記トップランプ16の発光出力態様を制御するための情報、即ち、トップランプ16に発光演出の実行を指示するための情報である。なお、変動パターンP3に対応付けて記憶されている発光演出データは、発光演出の実行を指示するための情報に加え、予告演出(野球拳演出)の実行を指示するための情報も含んでいる。また、予告演出データとは、ランプ制御CPU33aが、トップランプ16に予告演出の実行を指示するための情報である。
次に、ランプ制御CPU33aが実行する図柄組み合わせゲームに係る各種処理を説明する。
統括制御CPU35aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、ランプ制御CPU33aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを前記ランプRAM33cに記憶するようになっている。さらに、前記統括制御CPU35aから前記予告コマンドが入力されると、ランプ制御CPU33aは、予告コマンドにて指定された予告演出を前記ランプRAM33cに記憶するようになっている。
なお、変動パターン指定コマンドが入力された場合、図2に示されるランプ制御CPU33aは、ランプROM33bに記憶された複数種類の前記発光演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した発光演出データをランプRAM33cの記憶領域に記憶させるようになっている。また、変動パターン指定コマンド及び前記予告コマンドの両方が入力された場合、ランプ制御CPU33aは、複数種類の発光演出データのうちいずれか1つを設定(生成)するととともに、表示ROM32bに記憶された複数種類の予告演出データのうちいずれか1つを設定(生成)するようになっている。そして、ランプ制御CPU33aは、設定した発光演出データ及び予告演出データをランプRAM33cの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、ランプ制御CPU33aは、変動パターン指定コマンド及び予告コマンドに対応する発光演出データに基づいて発光制御を行うようになる。より詳しくは、ランプ制御CPU33aは、ランプRAM33cに記憶されている発光演出データを発光制御信号に変換し、前記トップランプ16に出力する。その結果、トップランプ16は、発光制御信号に基づき所定の発光動作(点灯、点滅など)を行うことができるようになる。
(2−6)音声制御基板34の電気的構成
図2に示されるように、前記音声制御基板34は音声制御CPU34aを備えており、音声制御CPU34aには音声ROM34b及び音声RAM34cが接続されている。さらに、音声制御CPU34aにはリセット入力回路34dが接続されている。リセット入力回路34dは、前記電源基板41の前記リセット信号回路44から前記リセット信号Reが入力された際に、そのリセット信号Reを音声制御CPU34aに所定時間出力し続けるようになっている。なお、音声制御CPU34aは、入力されたリセット信号Reによって起動時の動作などが規制される。また、音声RAM34cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。音声ROM34bには、各種の制御プログラムなどが記憶されている。
また、図2に示される音声ROM34bには、図柄組み合わせゲームが行われる際に用いられる複数種類の音声演出データや複数種類の予告演出データが記憶されている。音声演出データは、前記変動パターンの種類ごとに対応付けて記憶されており、予告演出データは、前記予告演出の種類ごとに対応付けて記憶されている。また、音声演出データとは、音声制御CPU34aが、前記スピーカ17の音声出力態様(効果音の種類、言語音声の種類、音声出力時間など)を制御するための情報、即ち、スピーカ17に音声演出の実行を指示するための情報である。なお、変動パターンP3に対応付けて記憶されている音声演出データは、音声演出の実行を指示するための情報に加え、予告演出(野球拳演出)の実行を指示するための情報も含んでいる。また、予告演出データとは、音声制御CPU34aが、スピーカ17に予告演出の実行を指示するための情報である。
次に、音声制御CPU34aが実行する図柄組み合わせゲームに係る各種処理を説明する。
前記統括制御CPU35aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、音声制御CPU34aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを前記音声RAM34cに記憶するようになっている。さらに、前記統括制御CPU35aから前記予告コマンドが入力されると、音声制御CPU34aは、予告コマンドにて指定された予告演出を前記音声RAM34cに記憶するようになっている。
なお、変動パターン指定コマンドが入力された場合、図2に示される音声制御CPU34aは、前記音声ROM34bに記憶された複数種類の前記音声演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した音声演出データを音声RAM34cの記憶領域に記憶させるようになっている。また、変動パターン指定コマンド及び前記予告コマンドの両方が入力された場合、音声制御CPU34aは、複数種類の音声演出データのうちいずれか1つを設定(生成)するととともに、音声ROM34bに記憶された複数種類の予告演出データのうちいずれか1つを設定(生成)するようになっている。そして、音声制御CPU34aは、設定した音声演出データ及び予告演出データを音声RAM34cの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、音声制御CPU34aは、変動パターン指定コマンド及び予告コマンドに対応する音声演出データに基づいて音声制御を行うようになっている。より詳しくは、音声制御CPU34aは、音声RAM34cに記憶されている音声演出データを音声信号に変換し、前記スピーカ17に出力するようになっている。その結果、スピーカ17は、音声信号に基づき所定の出力動作(音声の出力)を行うことができるようになる。
次に、電源投入時に主制御基板31のメインCPU31aによって行われる処理(電源断処理プログラムに基づいて実行されるバックアップ処理)について説明する。
電源断監視回路43から電源断信号Sが入力されると、メインCPU31aは、メインRAM31cに記憶されている制御情報に加えて、新たにレジスタ及びスタックポインタなどの制御情報をメインRAM31cに記憶する。次に、メインCPU31aは、始動入賞口22や大入賞口23などを開閉させるための各種ソレノイドの作動処理等を停止する。加えて、メインCPU31aは、液晶式図柄表示装置18による表示演出の中止を指示する制御コマンドからなる制御信号を、統括制御基板35の統括制御CPU35aを介して表示制御基板32の表示制御CPU32aに出力する。同様に、メインCPU31aは、トップランプ16による発光演出の中止を指示する制御コマンドからなる制御信号を、統括制御CPU35aを介してランプ制御基板33のランプ制御CPU33aに出力する。さらに、メインCPU31aは、スピーカ17による音声演出の中止を指示する制御コマンドからなる制御信号を、統括制御CPU35aを介して音声制御基板34の音声制御CPU34aに出力する。
また、ほぼ同時期に、メインCPU31aは、電源ACの投入後に賞球の払出しが正確に行われるように賞球処理を実行する。この賞球処理では、電源ACの遮断時において、賞球の払出しが行われていたか否かが検知され、賞球の未払い出し個数がメインRAM31cの記憶領域に記憶される。次に、メインCPU31aは、メインRAM31cのフラグ記憶領域にバックアップフラグ(電源ACの投入時にメインRAM31cに記憶されている制御情報が正しいか否かを判定するためのフラグ)を記憶した後、メインRAM31cへのアクセスを禁止する。なお、メインCPU31aは、リセット入力回路31dを介してリセット信号Reが入力されるまで待機する。
そして、電源ACの投入時に、RAMクリアスイッチ46が操作されると、メインRAM31cの記憶内容(制御情報)が初期化される。このとき、パチンコ機10は、初期化されたことを外部に報知(RAMクリア報知)するように構成されている。また、パチンコ機10は、RAMクリア報知をするとともに、液晶式図柄表示装置18、トップランプ16及びスピーカ17等にあらかじめ決められた確認用作動を行わせるように構成されている。
次に、電源投入時に主制御基板31のメインCPU31aによって行われる処理(メイン処理プログラムに基づくメイン処理)について説明する。
ところで、各CPU31a,32a,33a,34a,35aは、リセット信号回路44からリセット入力回路31d,32d,33d,34d,35dに出力されたリセット信号Reによって起動が規制されている。即ち、リセット信号回路44は、電源ACに基づく電圧がCPU31a,32a,33a,34a,35aの動作可能電圧(例えば5V)になると、各リセット入力回路31d,32d,33d,34d,35dに対してリセット信号Reを出力する。そして、リセット信号Reが入力された各リセット入力回路31d,32d,33d,34d,35dは、リセット信号Reを各CPU31a,32a,33a,34a,35aに所定時間(例えば400〜1800ms)出力し続ける。その後、電源ACに基づく電源電圧V1が安定して供給されるようになると、各リセット入力回路31d,32d,33d,34d,35dは、各CPU31a,32a,33a,34a,35aへのリセット信号Reの出力を停止する。この状態において、各CPU31a,32a,33a,34a,35aが起動する。
特に、主制御基板31のリセット入力回路31dは、表示制御CPU32a、ランプ制御CPU33a及び音声制御CPU34a及び統括制御CPU35aが起動してから所定時間後に、メインCPU31aへのリセット信号Reの出力を停止する。その結果、メインCPU31aは、各CPU32a,33a,34a,35aよりも遅く起動し、電源投入時の処理(メイン処理)を実行する。
図9に示されるステップM10の処理において、メインCPU31aは、遊技中に実行される割込み処理プログラムの実行を禁止に設定し、割込み処理プログラムを実行待機状態とする。次に、ステップM20において、メインCPU31aは、レジスタ、ウォッチドックタイマ及びポートなどの各種デバイスの初期設定を行う。そして、ステップM30において、メインCPU31aは、RAMクリアスイッチ46が操作されてオン状態であるか否かを判定する。RAMクリアスイッチ46がオン状態である場合(ステップM30:Y)、メインCPU31aは、メインRAM31cに記憶された各種制御情報を消去(クリア)し、メインRAM31cの記憶内容を初期化する(ステップM40)。
次に、メインCPU31aは、初期化されたメインRAM31cに対して遊技を開始させるための初期値を設定するとともに(ステップM50)、スタックポインタを初期設定する(ステップM60)。さらに、メインCPU31aは、初期設定用の電源投入コマンドを、図示しない出力処理において統括制御基板35の統括制御CPU35aに出力する(ステップM70)。
次に、メインCPU31aは、割込み処理プログラムの実行周期(例えば4ms)を設定する(ステップM80)。そして、メインCPU31aは、前記ステップM10にて禁止した割込み処理プログラムの実行を再度禁止に設定する(ステップM90)。また、メインCPU31aは、大当りに直接関与しない乱数(例えば、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数、ハズレ右図柄用乱数、変動パターン振分乱数など)の更新処理を実行し(ステップM100)、ステップM110の処理へ移行する。ステップM110において、メインCPU31aは、ステップM90にて禁止した割込み処理プログラムの実行を許可に設定し、ステップM90の処理へ移行する。そして、メインCPU31aは、割込み処理プログラムが実行されるまでの間、ステップM90〜M110の処理を繰り返し実行する。その後、割込み処理プログラムが実行されると、メインCPU31aは、メイン処理プログラムから割込み処理プログラムに移行し、割込み処理プログラムに基づきパチンコ機10の遊技を制御する。この状態において、メインCPU31aは、割込み処理プログラムにより演算処理された各種制御コマンドを制御信号として、統括制御基板35に出力する。
一方、RAMクリアスイッチ46がオフ状態である場合(前記ステップM30:N)、メインCPU31aは、メインRAM31cに記憶された制御情報が異常であるか否かを判定する(ステップM120)。具体的に言うと、メインCPU31aは、前記電源断処理プログラムにおいてメインRAM31cに設定されたバックアップフラグを確認し、メインRAM31cに記憶された制御情報が正常な情報であるか否かを判定する。メインRAM31cに記憶された制御情報に異常がある場合(ステップM120:Y)、メインCPU31aは前記ステップM40に移行し、メインRAM31cの記憶内容を初期化する。これ以降、メインCPU31aは、前記ステップM50〜M110の処理を実行する。即ち、本実施形態では、RAMクリアスイッチ46がオフ状態に設定されている場合であっても、メインRAM31cに記憶された制御情報が異常である場合に、メインRAM31cの記憶内容を初期化するようになっている。そして、この場合においても、前記ステップM70の処理により、初期設定用の電源投入コマンドを統括制御基板35の統括制御CPU35aに出力するように構成されている。
一方、メインRAM31cに記憶された制御情報が正常である場合(ステップM120:N)、メインCPU31aは制御情報として記憶されているスタックポインタを復帰設定する(ステップM130)。また、メインCPU31aは、メインRAM31cに記憶されているバックアップフラグをクリアする(ステップM130)。さらに、メインCPU31aは、復電時用の電源投入コマンドを、図示しない出力処理において統括制御基板35の統括制御CPU35aに出力する(ステップM150)。そして、メインCPU31aは、割込み処理プログラムの戻り番地としてメインRAM31cに記憶されている制御情報に基づき電源断前の戻り番地を設定し、その戻り番地から割込み処理プログラムに基づきパチンコ機10の遊技を制御する(ステップM160)。この場合、メインRAM31cの記憶内容が初期化されていないため、メインCPU31aは、液晶式図柄表示装置18、トップランプ16及びスピーカ17によるRAMクリア報知及び確認用作動を行わない。
次に、電源投入時に統括制御基板35の統括制御CPU35aによって行われる処理(電源投入時処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、統括制御CPU35aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図10に示されるステップT10の処理において、統括制御CPU35aは、メインCPU31aから電源投入コマンドが入力されたか否かを判定する。電源投入コマンドが入力されていない場合(ステップT10:N)、統括制御CPU35aは、ステップT20〜T60の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。なお、ステップT10の処理は、電源投入コマンドが入力されるまでの間繰り返される。そして、電源投入コマンドが入力されると(ステップT10:Y)、統括制御CPU35aは、ステップT20の処理へ移行する。
ステップT20の処理において、統括制御CPU35aは、入力された電源投入コマンドが復電時用の電源投入コマンドであるか否かを判定する。復電時用の電源投入コマンドではない場合(ステップT20:N)、統括制御CPU35aは、ステップT70の処理へ移行する。ステップT70において、統括制御CPU35aは、電源投入コマンドが初期設定用の電源投入コマンドであると判定して、その復電時用の電源投入コマンドを設定(統括RAM35cに記憶)する。そして、統括制御CPU35aは、ステップT60の処理へ移行する。一方、復電時用の電源投入コマンドである場合(ステップT20:Y)、統括制御CPU35aは、ステップT30の処理へ移行する。ステップT30において、統括制御CPU35aは、復電時用の電源投入コマンドを設定(統括RAM35cに記憶)し、ステップT40の処理へ移行する。
ステップT40において、統括制御CPU35aは、設定回数値変更フラグとして「1」を設定(統括RAM35cに記憶)し、ステップT50の処理へ移行する。ステップT50において、統括制御CPU35aは、タッチセンサ15aの有効操作時間(本実施形態では20000ms)を設定(統括RAM35cに記憶)し、ステップT60の処理へ移行する。ステップT60において、統括制御CPU35aは、統括RAM35cに記憶されている設定回数値フラグ(設定回数値)を、初期値「5」に更新し、ここでの処理を終了する。
次に、電源投入時に統括制御基板35の統括制御CPU35aによって行われる処理(設定回数値変更処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、統括制御CPU35aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図11に示されるステップT110において、統括制御CPU35aは、図10に示される前記ステップT40にて設定された設定回数値変更フラグが「1」であるか否かを判定する。設定回数値変更フラグが「1」ではない、即ち、設定回数値変更フラグが「0」であり、電源投入コマンドが初期設定用の電源投入コマンドであると判定された場合(ステップT110:N)、統括制御CPU35aは、ステップT120〜T210の処理を行わずに、ここでの処理へ移行する。なお、ステップT110の判定が「Y」となった場合には、下記の処理が実行される。即ち、設定回数値変更フラグが「1」となる(即ち、電源投入コマンドが復電時用の電源投入コマンドとなる)と(ステップT110:Y)、統括制御CPU35aは、ステップT120の処理へ移行する。
ステップT120において、統括制御CPU35aは、前記ステップT50において統括RAM35cに記憶された有効操作時間を確認し、続くステップT130において、ステップT120にて確認した有効操作時間が0msではないか否かを判定する。有効操作時間が0msであると判定された場合(ステップT130:N)、統括制御CPU35aは、ステップT140の処理へ移行する。ステップT140において、統括制御CPU35aは、前記ステップT40にて設定された設定回数値変更フラグを「0」に設定(統括RAM35cに記憶)し、ここでの処理を終了する。一方、有効操作時間が0msではないと判定された場合(ステップT130:Y)、統括制御CPU35aは、ステップT150の処理へ移行する。
ステップT150において、統括制御CPU35aは、有効操作時間を4ms減算して、ステップT160の処理へ移行する。ステップT160において、統括制御CPU35aは、前記タッチセンサ15aからの操作信号を確認し、続くステップT170において、タッチセンサ15aが操作されたか、即ち、操作信号がHレベルであるか否かを判定する。タッチセンサ15aが操作されていない(操作信号がLレベルである)と判定された場合(ステップT170:N)、統括制御CPU35aは、ステップT180〜ステップT210の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。一方、タッチセンサ15aが操作された(操作信号がHレベルである)と判定された場合(ステップT170:Y)、統括制御CPU35aは、ステップT180の処理へ移行する。
ステップT180において、統括制御CPU35aは、統括RAM35cに記憶されている設定回数値フラグ(設定回数値)が閾値「1」に到達しているか否かを判定する。設定回数値フラグ(設定回数値)が閾値「1」に到達していないと判定された場合(ステップT180:N)、即ち設定回数値フラグ(設定回数値)が「2」,「3」,「4」,「5」のいずれかである場合、統括制御CPU35aは、ステップT190の処理へ移行する。ステップT190において、統括制御CPU35aは、設定回数値フラグ(設定回数値)の更新(1減算)を行って、ステップT210の処理へ移行する。これに伴い、液晶式図柄表示装置18の可視表示部Hに表示されているアイコン18aが1個消去される(図7(a),(b)参照)。一方、設定回数値フラグ(設定回数値)が閾値「1」に到達したと判定された場合(ステップT180:Y)、統括制御CPU35aは、ステップT200の処理へ移行する。この場合、液晶式図柄表示装置18の可視表示部Hには、アイコン18aが1個のみ表示される(図7(c)参照)。ステップT200において、統括制御CPU35aは、設定回数値フラグ(設定回数値)を初期値「5」に戻し、ステップT210の処理へ移行する。これにより、可視表示部Hには5個のアイコン18aが表示される(図7(a)参照)。
ステップT210において、統括制御CPU35aは、統括RAM35cに記憶されている設定回数値フラグ(設定回数値)を示す設定回数値コマンドを生成し、生成した設定回数値コマンドを設定(統括RAM35cに記憶)するようになっている。なお、統括RAM35cに記憶した設定回数値コマンドは、図示しない出力処理において表示制御基板32に出力される。その後、統括制御CPU35aは、ここでの処理を終了する。
次に、図柄組み合わせゲームを行う際に統括制御基板35の統括制御CPU35aによって行われる処理(図柄変動中処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、統括制御CPU35aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図12に示されるステップS10の処理において、統括制御CPU35aは、メインCPU31aから変動パターン指定コマンドが入力されたか否かを判定する。変動パターン指定コマンドが入力されていない場合(ステップS10:N)、統括制御CPU35aは、ステップS20の処理を行わずに、ステップS30の処理へ移行する。
ステップS30において、統括制御CPU35aは、メインCPU31aから左図柄指定コマンド、右図柄指定コマンド及び中図柄指定コマンドの全てが入力されたか否かを判定する。各図柄指定コマンドは変動パターン指定コマンドよりも後に入力されるため、統括制御CPU35aは、ステップS30での判定を「N」として、図14に示すステップS180の処理へ移行する。
ステップS180において、統括制御CPU35aは、メインCPU31aから全図柄停止指定コマンドが入力されたか否かを判定する。全図柄停止指定コマンドは変動パターン指定コマンド及び各図柄指定コマンドよりも後に入力されるため、統括制御CPU35aは、ステップS180での判定を「N」として、ここでの処理を終了する。なお、ステップS10,S30,S180の順に行われる処理は、変動パターン指定コマンドが入力されるまでの間繰り返される。そして、変動パターン指定コマンドが入力されると(ステップS10:Y)、統括制御CPU35aは、図12に示すステップS20の処理へ移行する。
ステップS20において、統括制御CPU35aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを統括RAM35cに記憶して、ステップS30の処理へ移行する。なお、統括RAM35cに記憶した変動パターン指定コマンドは、図示しない出力処理において各制御基板32,33,34に出力される。そして、統括制御CPU35aは、ステップS30の処理を行い、各図柄指定コマンドが入力されていなければ(ステップS30:N)、ステップS40〜S170の処理を行わずに、図14に示すステップS180の処理へ移行する。
その後、統括制御CPU35aはステップS180の処理を行う。全図柄停止指定コマンドは各図柄指定コマンドよりも後に入力されるため、統括制御CPU35aは、ステップS180での判定を「N」として、ここでの処理を終了する。なお、ステップS10,S30,S180の順に行われる処理は、各図柄指定コマンドの全てが入力されるまでの間繰り返される。そして、各図柄指定コマンドの全てが入力されると(ステップS30:Y)、統括制御CPU35aは、図12に示すステップS40の処理へ移行する。
ステップS40において、統括制御CPU35aは、各図柄指定コマンドにて指定された各図柄(停止図柄左、中、右)を統括RAM35cに記憶して、ステップS50の処理へ移行する。なお、統括RAM35cに記憶した各図柄指定コマンドは、図示しない出力処理において表示制御基板32に出力される。ステップS50において、統括制御CPU35aは、第1予告演出振分用乱数及び第2予告演出振分用乱数の取得を行い、ステップS60の処理へ移行する。ステップS60において、統括制御CPU35aは、統括RAM35cに記憶されている変動パターン、及び、取得した第1予告演出振分用乱数の値に基づいて、予告演出選択テーブル1から予告演出A,B1〜B3のいずれか1つを選択するか、予告演出A,B1〜B3を選択しないかを決定する。また、統括制御CPU35aは、統括RAM35cに記憶されている変動パターン、及び、取得した第2予告演出振分用乱数の値に基づいて、予告演出選択テーブル2から背景予告演出X,Yのいずれか1つを選択するか、背景予告演出X,Yを選択しないかを決定する。その後、統括制御CPU35aは、図13に示すステップS70の処理へ移行する。
ステップS70において、統括制御CPU35aは、ステップS60にて選択した予告演出が予告演出Aであるか否かを判定する。予告演出Aではないと判定された場合(ステップS70:N)、統括制御CPU35aは、ステップS80〜S150の処理を行わずに、ステップS160の処理へ移行する。ステップS160において、統括制御CPU35aは、ステップS60にて選択した予告演出に基づいて予告コマンドを設定(統括RAM35cに記憶)し、ステップS170の処理へ移行する。なお、統括RAM35cに記憶した予告コマンドは、図示しない出力処理において各制御基板32,33,34に出力される。
ステップS170において、統括制御CPU35aは、統括RAM35cに記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)を示す移行回数値コマンドを生成し、生成した移行回数値コマンドを設定(統括RAM35cに記憶)するようになっている。なお、統括RAM35cに記憶した移行回数値コマンドは、図示しない出力処理において表示制御基板32に出力される。その後、統括制御CPU35aは、図14に示すステップS180の処理へ移行し、ここでの処理を終了する。
一方、前記ステップS70において、前記ステップS60にて選択した予告演出が予告演出Aであると判定された場合(ステップS70:Y)、統括制御CPU35aは、ステップS80の処理へ移行する。ステップS80において、統括制御CPU35aは、統括RAM35cのフラグ記憶領域に記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)を確認し、ステップS90の処理へ移行する。
ステップS90において、統括制御CPU35aは、ステップS80にて確認した移行回数値フラグ(移行回数値)が1であるか否かを判定する。移行回数値フラグが1ではない(即ち2,3,4,5のいずれかである)と判定された場合(ステップS90:N)、統括制御CPU35aは、ステップS100,S110の処理を行わずに、ステップS120の処理へ移行する。
ステップS120において、統括制御CPU35aは、移行回数値フラグの更新(1減算)を行って、ステップS130の処理へ移行する。これに伴い、液晶式図柄表示装置18の可視表示部Hに表示されているアイコン18bが1個消去される(図8(a),(b)参照)。ステップS130において、統括制御CPU35aは、前記ステップS60の処理にて背景予告演出X,Yのいずれかが選択されたか否かを判定する。背景予告演出X,Yのいずれかが選択されている場合(ステップS130:Y)、統括制御CPU35aは、ステップS140の処理において背景予告演出X,Yの非実行を決定し、予告演出Aのみの実行を決定する。これにより、背景予告演出X,Yが実行されることで予告演出Aが実行不能になるといった状況を回避できる。そして、統括制御CPU35aは、ステップS160の処理へ移行する。一方、背景予告演出X,Yのいずれも選択されていない場合(ステップS130:N)、統括制御CPU35aは、ステップS140の処理を行わずに、ステップS160の処理へ移行する。その後、統括制御CPU35aは、ステップS160〜S180の処理を順番に行い、ここでの処理を終了する。
また、前記ステップS90において、移行回数値フラグが1であると判定された場合(ステップS90:Y)、統括制御CPU35aは、ステップS100の処理へ移行する。ステップS100において、統括制御CPU35aは、統括RAM35cに記憶されている変動パターンが大当りの変動パターンP7,P9のいずれかであるか否かを判定する。変動パターンが大当りの変動パターンP7,P9のいずれかであると判定された場合(ステップS100:Y)、統括制御CPU35aは、ステップS110の処理へ移行する。ステップS110において、統括制御CPU35aは、統括RAM35cに記憶されている停止図柄左、中、右が、確率変動を開始させる契機となる特定図柄であるか否かを判定する。停止図柄左、中、右が特定図柄であると判定された場合(ステップS110:Y)、統括制御CPU35aは、ステップS120の処理へ移行する。その後、統括制御CPU35aは、ステップS120〜S140,S160〜S180の処理を順番に行い、ここでの処理を終了する。
なお、変動パターンが大当りの変動パターンP7,P9のいずれかではないと判定された場合(ステップS100:N)や、停止図柄左、中、右が特定図柄ではないと判定された場合(ステップS110:N)、統括制御CPU35aは、ステップS150の処理へ移行する。ステップS150において、統括制御CPU35aは、予告演出Aの非実行を決定するとともに予告演出B3を選択し、ステップS160の処理へ移行する。なお、予告演出A,B3はともにスーパーリーチ確定予告演出であるため、予告演出Aが実行されずに予告演出B3が実行されたとしても、遊技者に期待を持たせ続けることができる。そして、統括制御CPU35aは、ステップS160〜S180の処理を順番に行い、ここでの処理を終了する。
その後、ステップS10,S30,S180の順に行われる処理は、全図柄停止指定コマンドが入力されるまでの間繰り返される。そして、全図柄停止指定コマンドが入力されると(ステップS180:Y)、統括制御CPU35aは、図14に示すステップS190の処理へ移行する。
ステップS190において、統括制御CPU35aは、入力された全図柄停止指定コマンドを統括RAM35cに記憶し、ステップS200の処理へ移行する。ステップS200において、統括制御CPU35aは、統括RAM35cに記憶されている変動パターンが大当りの変動パターンP5,P7,P9のいずれかであるか否かを判定する。変動パターンが大当りの変動パターンP5,P7,P9のいずれかではないと判定された場合(ステップS200:N)、統括制御CPU35aは、ステップS210〜S230の処理を行わずに、ステップS240の処理へ移行する。一方、変動パターンが大当りの変動パターンP5,P7,P9のいずれかであると判定された場合(ステップS200:Y)、統括制御CPU35aは、ステップS210の処理へ移行する。
ステップS210において、統括制御CPU35aは、統括RAM35cのフラグ記憶領域に記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)を確認し、ステップS220の処理へ移行する。ステップS220において、統括制御CPU35aは、ステップS210にて確認した移行回数値フラグ(移行回数値)が0であるか否かを判定する。移行回数値フラグが0ではない(即ち1,2,3,4,5のいずれかである)と判定された場合(ステップS220:N)、統括制御CPU35aは、ステップS230の処理を行わずに、ステップS240の処理へ移行する。
一方、移行回数値フラグが0であると判定された場合(ステップS220:Y)、統括制御CPU35aは、ステップS230の処理へ移行する。この場合、液晶式図柄表示装置18の可視表示部Hには、アイコン18bが表示されていない(図8(c)参照)。ステップS230において、統括制御CPU35aは、統括RAM35cに記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)を、更新開始値「5」に更新し、ステップS240の処理へ移行する。これにより、大当り終了後の次回の図柄組み合わせゲーム(前記ステップS170の処理)において、可視表示部Hに5個のアイコン18bが表示される(図8(a)参照)。
ステップS240において、統括制御CPU35aは、統括RAM35cに記憶されている変動パターン及び停止図柄左、中、右をクリア(消去)し、ここでの処理を終了する。これにより、次回の図柄組み合わせゲームにおいて新たな予告演出を選択できるようになる。
さて、予告演出の具体的な流れを説明する。例えば、図柄組み合わせゲームが開始されると、予告演出が開始されて野球拳演出が行われる場合がある。この場合、野球拳演出にて行われるじゃんけんの勝敗は予測不能であるため、遊技者は、勝敗の行方をハラハラしながら見守ることになる。そして、じゃんけんに負けた場合(変動パターンP3に基づく演出が行われた場合)は、図柄組み合わせゲームの結果がハズレとなるため、遊技者は、早い段階で諦めがつく。一方、じゃんけんに勝った場合(予告演出Aが行われた場合)、スーパーリーチ演出に発展し、可視表示部Hの右下に表示されているアイコン18bが1個ずつ消えていく(例えば、図8(a),(b)参照)。なお、アイコン18bは、遊技者にはっきり認識できるように消去され、スーパーリーチ発展後の図柄組み合わせゲームの結果(大当り、ハズレ)に関係なく消去されていく。このため、遊技者は、図柄組み合わせゲームの結果がハズレであったとしても、「アイコンが全部消えれば何か起こるのでは?」という期待を持つようになる。
その後、全てのアイコン18bが消去されると(図8(c)参照)、確率変動状態となる大当り(確変大当り)が確定する。本実施形態では、全てのアイコン18bが消去されると必ず確率変動状態での大当りとなるため、遊技者は、大当りへの期待が裏切られずに済み、悪い印象を受けることもない。また、遊技者は、アイコン18bが全て消えるまで遊技を続けようという気持ちになる。
なお、アイコン18bが残り1個になった場合に確率変動状態とはならない大当りが確定したとしても、アイコン18bは消去されないが、スーパーリーチ確定予告演出には発展する。即ち、予告演出Aが実行されない場合でも何らかの予告演出が実行されるため、その後の遊技で遊技者に期待を持たせ続けることができる。
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態のパチンコ機10では、統括制御CPU35aによってタッチセンサ15aが操作されたと判定された場合(ステップT170:Y)に、統括制御CPU35aが設定回数値を減算することにより、予告演出の設定を多様に変更できる。具体的には、移行回数値の更新開始値を「1」,「2」,「3」,「4」,「5」の中から自由に選択できる。従って、予告演出の設定をパチンコ機10ごとに変更できるため、遊技者の興味を引くことができる。
また一般的に、パチンコ機10の電源投入は遊技店の営業開始前に行われる。このため、本実施形態のように、電源投入時に有効操作時間を設定し、有効操作時間内に限りタッチセンサ15aで設定回数値を更新できるようにすれば、遊技中にタッチセンサ15aが操作されたとしても設定回数値が更新されることはない。
また、『演出制御手段』、『コマンド入力判定手段』、『操作時間判定手段』、『操作時間終了判定手段』、『操作判定手段』及び『設定回数値更新手段』の機能を、メインCPU31aではなく統括制御CPU35aに持たせている。このため、予告演出などの遊技演出の種類が多いにもかかわらず、メインCPU31aの負担を低減できる。
(2)本実施形態では、液晶式図柄表示装置18に表示されたアイコン18a(図7(a)〜(c)参照)を見ながら設定回数値を変更できるため、遊技店の店員は、設定回数値を間違えることなく変更できるとともに、設定回数値を簡単に設定できる。
(3)本実施形態では、設定回数値が統括制御CPU35aによって1ずつ減算されていくため、可視表示部Hに表示されるアイコン18aも1個ずつ消去されていく。これにより、遊技店の店員は、閾値「0」に近付くことを認識しやすくなるため、誤って設定回数値を小さくしすぎなくても済む。
(4)本実施形態においてアイコン18aを消去するためには、電源投入コマンドが入力されたこと(ステップT10:Y)だけでなく、入力された電源投入コマンドが復電時用の電源投入コマンドであること(ステップT20:Y)も必要である。このため、例えば大当り状態中や確率変動状態中にパチンコ機10が故障し、遊技者を待たせてパチンコ機10を修理した場合、遊技者に迷惑をかけたお詫びとして、RAMクリアせずに電源ACを投入(復電)し、アイコン18aの数を減らしてあげることができる。また、復電時ではない電源投入時にタッチセンサ15aに遊技店の店員の手が触れたとしても、設定回数値が更新されることはない。ゆえに、遊技店側の意思に反してアイコン18aの数が誤設定されることを防止できる。
(5)本実施形態では、電源投入時(復電時)においてタッチセンサ15aを操作した際にアイコン18aが消去されるか否かを確認することにより、タッチセンサ15aと統括制御CPU35aとの接続状態をチェックできる。具体的には、アイコン18aが消えれば両者が接続されていると判断でき、アイコン18aが消えなければ両者が接続されていないと判断できる。
(6)本実施形態では、予告演出Aからスーパーリーチ演出に移行する度に移行回数値が減算され、移行回数値が更新終了値「0」に到達すると確変大当りとなる。ゆえに、予告演出Aからスーパーリーチ演出に移行した際の図柄組み合わせゲームの結果がハズレであったとしても、その後の遊技で遊技者に確変大当りへの期待を持たせることができる。また、移行回数値に関連するアイコン18aが液晶式図柄表示装置18に表示されるため、遊技者は更新終了値「0」までの回数を認識できる。よって、更新終了値「0」に到達するまで遊技を継続したいという気持ちを遊技者に持たせることができる。
さらに、移行回数値の更新は、変動パターンが大当りの変動パターンP7,P9である場合のみに実行されるのではなく、大当りの変動パターンP7,P9ではなくても、予告演出Aからスーパーリーチ演出A,Bに移行する場合であれば、必ず実行される。これにより、遊技者は、遊技演出の内容と大当りとが関連付けられていることに気付くことができる。このため、遊技者は、予告演出Aからスーパーリーチ演出A,Bに移行する際に遊技に対して期待を持つようになる。
また、本実施形態によると、予告演出Aの非実行を決定した際に、信頼度が予告演出Aと同等となる予告演出B3の実行を決定する。従って、予告演出Aが実行されない場合でも予告演出B3が実行されるため、その後の遊技で遊技者に期待を持たせ続けることができる。また、予告演出Aの実行が決定された場合のみに移行回数値が更新されるため、移行回数値の更新に伴ってアイコン18bが更新される演出に、遊技上重要な意味合いを持たせることができる。
(7)本実施形態では、予告演出Aに加えて背景予告演出X,Yのいずれか一方が選択された場合において予告演出Aを実行させる際、背景予告演出X,Yの非実行が決定される(禁則がかけられる)。このため、予告演出Aを経た遊技演出の内容と大当りとの関連付けが、予告演出Aではない予告演出の実行によって不明確にならなくて済む。ゆえに、予告演出Aの実行により、その後の遊技で遊技者に期待を持たせることができる。また、背景予告演出X,Yが実行されることで予告演出Aが実行不能になるといった状況を回避できる。
(8)本実施形態では、図柄組み合わせゲームが行われる度に移行回数値を示す移行回数値コマンドが出力されるため、遊技中に誤ったアイコン18bが液晶式図柄表示装置18の可視表示部Hに表示されることを未然に防止できる。ゆえに、アイコン18bが常時現われている場合であっても誤表示されにくくなるため、アイコン18bの信頼性が向上する。
また、サブ制御手段を統括制御基板35と表示制御基板32とに分けて、サブ制御手段の機能を分担させている。具体的には、移行回数値コマンドを生成して出力する制御を統括制御基板35で行い、アイコン18bを可視表示部Hに表示させる制御を表示制御基板32で行っている。よって、それぞれの制御基板32,35にかかる負担を低減できる。
(9)本実施形態では、野球拳のじゃんけんの結果が勝ちである場合、スーパーリーチ演出A,Bに移行して移行回数値が更新され、確変大当りに移行しやすくなる。よって、野球拳のじゃんけんに勝って確変大当りへの期待が高まったとしても、その期待が裏切られにくくなる。一方、野球拳のじゃんけんの結果が負けである場合、スーパーリーチ演出A,Bに移行しないため、確変大当りに移行することはない。よって、野球拳のじゃんけんに負けることで確変大当りへの期待が早期に低くなるため、諦めがつきやすくなる。従って、野球拳のじゃんけんの勝敗を遊技演出の結果に関連付けしやすくなる。
また、更新終了値に到達する直前の回数「2」に移行回数値が到達した場合、予告演出Aの実行が決定されるのは大当りの変動パターンP7,P9の場合のみである。このため、予告演出Aが行われると必ず確変大当りとなる。その反面、予告演出Aが実行される確率が低くなるため、結果が勝ちとなる野球拳のじゃんけんを模した演出は行われにくくなる。そこで、本実施形態では、ハズレリーチの変動パターンP6,P8である場合に、結果が負けとなる野球拳のじゃんけんを模した演出が行われるようになっている。これにより、野球拳のじゃんけんを模した演出が行われやすくなるため、遊技者をゲームに熱中させることができる。
(10)本実施形態では、アイコン18bが残り1個である場合(ステップS90:Y)、大当りの変動パターンP7,P9でなかったり(ステップS100:N)、非特定図柄での大当りであったり(ステップS110:N)すれば、アイコン18bの数を減算せずに予告演出Aの非実行を決定して予告演出B3を選択している(ステップS150)。なお、アイコン18aの数が「1」→「0」になることが、「確変大当り予告」となっている。
ところで、上記条件(ステップS100:NまたはステップS110:N)が成立した際に改めて乱数を取得し、取得した乱数を用いて、予告演出選択テーブル1,2とは別のテーブルから予告演出を選択することが考えられる。ところが、乱数を取得する処理や別テーブルから予告演出を選択する処理などを追加したり、別テーブルを設けたりしなければならず、制御が複雑化してしまう。しかも、誤作動により、全く関係のない変動パターンで別テーブルによる処理に移行することを監視(バグチェック)しなければならない。ゆえに、上記のような処理を行うのではなく、本実施形態のような処理(ステップS100,S110,S150)を行うことが好ましい。
(11)本実施形態では、移行回数値が統括制御CPU35aによって1ずつ減算されていくため、可視表示部Hに表示されるアイコン18bも1個ずつ消去されていく。これにより、遊技者は、更新終了値「0」に近付くことを認識しやすくなるため、遊技への期待が高まりやすくなる。
(12)本実施形態において、残り1個のアイコン18bを消去するためには、大当りの変動パターンP7,P9のいずれかであること(ステップS100:Y)だけでなく、特定図柄であること(ステップS110:Y)も必要である。このため、残り1個のアイコン18bは消えにくくなる。その反面、全てのアイコン18bが消えたときの喜びは大きくなる。
(13)本実施形態では、全てのアイコン18bが消去された後、自動的に5個のアイコン18bが表示されるようになるため、遊技者は、再度全てのアイコン18bを消去しようという気持ちになる。しかも、全てのアイコン18bが消去された際に、遊技店の店員が5個のアイコン18bを表示させるように設定し直さなくても済む。なお、5個のアイコン18bを表示させるように設定し直す方法としては、パチンコ機10の電源をオン・オフして移行回数値を更新開始値「5」に戻すことや、RAMクリアスイッチを操作して移行回数値を更新開始値「5」に戻すことなどが考えられる。
(14)本実施形態の統括制御CPU35aは、図柄組み合わせゲームが行われる度に、常に同じ処理(ステップS170)で表示制御基板32に移行回数値コマンドを出力している。ゆえに、移行回数値コマンドが示す移行回数値フラグ(移行回数値)と統括RAM35cに記憶されている移行回数値フラグ(移行回数値)との間にズレが生じたとしても、移行回数値コマンドの出力に特別なプログラムを用いなくても済む。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態においてアイコン18aを消去するためには、電源投入コマンドが入力されたこと(ステップT10:Y)だけでなく、入力された電源投入コマンドが復電時用の電源投入コマンドであること(ステップT20:Y)も必要であった。しかし、復電時用の電源投入コマンドであるか否かにかかわらず、電源投入コマンドが入力さえすれば、アイコン18aの消去を可能にしてもよい。このようにすれば、電源投入時処理(図10参照)を実行するための電源投入時処理プログラムや、設定回数値変更処理(図11参照)を実行するための設定回数値変更処理プログラムの内容を簡略化できる。よって、これらのプログラムを実行した際に統括制御CPU35aにかかる負担を低減できる。
・上記実施形態のアイコン18aは、設定回数値の更新に伴って消去されていくようになっていた。しかし、アイコン18aは、設定回数値の更新に伴って加算されていくようにしてもよい。
・上記実施形態の統括制御CPU35aは、統括RAM35cに記憶されている設定回数値フラグ(設定回数値)を更新するにあたり、有効操作時間が終了していないか否かを判定(ステップT130)した後、タッチセンサ15aが操作されたか否かを判定(ステップT170)するようになっていた。しかし、統括制御CPU35aは、タッチセンサ15aが操作されたか否かを判定した後、有効操作時間が終了していないか否かを判定するようにしてもよい。即ち、ステップT170の処理をステップT130の処理の前に行うようにしてもよい。
・上記実施形態のタッチセンサ15aは、上球皿15の上面に設けられていた。しかし、タッチセンサ15aは、灰皿24の裏側や操作ハンドル20などの他の場所に設けられていてもよい。
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項2において、前記回数表示は、前記設定内容表示手段の表示画面に常時現われていることを特徴とする遊技機。
(2)請求項2において、前記設定内容表示手段は、遊技盤に設けられた既存の液晶式図柄表示装置であり、前記回数表示は、前記液晶式図柄表示装置の表示画面上に表示され、前記設定回数値の更新開始条件となる初期値を示すアイコンであり、前記アイコンは、前記設定回数値記憶手段に記憶されている前記設定回数値の更新に伴って消去されていくことを特徴とする遊技機。
(3)請求項5において、前記操作部は、上球皿の上面に設けられたタッチセンサであることを特徴とする遊技機。
(4)請求項1乃至5のいずれか1項において、前記設定回数値は、大当りとなる信頼度が高い高信頼度予告演出から大当りとなる信頼度が高い高信頼度リーチ演出への移行回数を示す移行回数値の更新開始条件となる更新開始値であることを特徴とする遊技機。
(5)請求項1乃至5のいずれか1項において、前記サブ制御手段は、前記主制御手段に接続され、前記設定回数値記憶手段、前記演出制御手段、前記コマンド入力判定手段、前記操作時間設定手段、前記操作判定手段及び前記設定回数値更新手段としての機能を有する統括制御手段と、前記統括制御手段に接続され、前記統括制御手段から出力された情報を記憶する記憶手段を有し、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて前記演出実行手段を制御する表示制御手段とを備えることを特徴とする遊技機。
(6)遊技機全体を制御するための制御コマンドを出力する主制御手段と、前記制御コマンドに基づいて遊技演出を演出実行手段に実行させる制御を行うサブ制御手段と、前記遊技演出の展開を示唆する複数種類の予告演出を前記演出実行手段に実行させる制御を行う予告制御手段とを備える遊技機であって、前記サブ制御手段に、前記予告演出に関する所定の設定回数値を変更する際に操作される操作手段が接続され、前記サブ制御手段は、前記設定回数値を記憶する設定回数値記憶手段と、前記設定回数値記憶手段に記憶されている前記設定回数値に基づいた演出を遊技中に前記演出実行手段に実行させる制御を行う演出制御手段と、電源投入後に前記主制御手段から出力される電源投入コマンドが入力されたか否かを判定するコマンド入力判定手段と、前記コマンド入力判定手段によって前記電源投入コマンドが入力されたと判定された場合に、前記操作手段の有効操作時間を設定する操作時間設定手段と、前記操作手段が操作されたか否かを判定する操作判定手段と、前記操作判定手段によって前記操作手段が操作されたと判定された場合に、前記有効操作時間が終了していないか否かを判定する操作時間終了判定手段と、前記操作時間終了判定手段によって前記有効操作時間が終了していないと判定された場合に、前記設定回数値記憶手段に記憶されている前記設定回数値を更新する設定回数値更新手段とを備えることを特徴とする遊技機。