(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別図柄)を変動表示可能な変動表示装置(変動表示装置9)を有し、該変動表示装置における前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せ(大当り図柄の組合せ)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記変動表示の表示結果を前記特定の識別情報の組合せとするか否かを判定する表示結果判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S43)と、
前記変動表示の表示結果を導出表示させる識別情報の変動表示パターンとして予め定められた複数の変動パターン(図4の変動パターン)を記憶する変動パターン記憶手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、ROM54)と、
前記表示結果判定手段により判定された変動表示の表示結果に応じて、表示結果が導出表示される前に、前記変動パターン記憶手段に記憶された複数の変動パターンのうちから、当該変動表示において実行する変動パターンを選択する変動パターン選択手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S62,S64,S65)と、
該変動パターン選択手段により選択された変動パターンによる前記識別情報の変動表示を実行する変動表示実行手段(表示制御用マイクロコンピュータ800、S505)とを含み、
前記変動表示実行手段は、
前記変動パターン記憶手段に記憶されている複数の変動パターンのうち、リーチ状態を形成しない非特定の識別情報の組合せ(チャンス目)を一旦導出表示(一旦停止演出)した後、前記識別情報の変動表示として特別の変動表示態様(図8(f)、(g))で変動表示(特別変動演出)を行ない、前記表示結果判定手段により判定された変動表示の表示結果を導出表示する第1の変動パターン(一旦停止発展演出リーチ、図7(a)、図8)を実行する第1変動実行手段(S83〜S86)と、
前記変動パターン記憶手段に記憶されている複数の変動パターンのうち、前記識別情報の変動表示として、リーチ状態を形成する識別情報の組合せ(リーチ図柄)を導出表示(ノーマル変動演出)した後、前記特別の変動表示態様(図9(f)、(g))で変動表示(特別変動演出)を行ない、前記表示結果判定手段により判定された変動表示の表示結果を導出表示する第2の変動パターン(リーチ発展演出リーチ、図7(b)、図9)を実行する第2変動実行手段(S83〜S86)とを含み、
前記変動パターン選択手段は、前記第2の変動パターンで変動表示が実行されたときと比較して、前記第1の変動パターンで変動表示が実行されたときの方が高確率で前記変動表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる(図5で、一旦停止発展演出リーチの方がリーチ発展演出リーチよりも大当り信頼度が高い)ように、選択用データが前記第1の変動パターンと前記第2の変動パターンとに振分けられており、かつ、前記第1の変動パターンが選択されたときに一旦導出表示する予め定められた非特定の識別情報の組合せと前記第1の変動パターンとが対応付けられた対応付けデータが複数種類記憶されている(チャンス目と変動パターンとを対応付けたデータを複数種類記憶した変形例)選択用データテーブル(変動パターン選択テーブル、図4)を用いて、変動パターンを選択することにより、前記第1の変動パターンが選択されたときには、前記対応付けデータに基づいて前記非特定の識別情報の組合せも同時に選択される(チャンス目と変動パターンとを1段階の処理で同時に選択(ランダムに選択)する変形例)。
このような構成によれば、変動表示の表示結果を導出表示させる識別情報の変動パターンとして、リーチ状態を形成しない非特定の識別情報の組合せを一旦導出表示した後、特別の変動表示態様で変動表示を行なって表示結果を導出表示する第1の変動パターンと、リーチ状態を形成する識別情報の組合せを導出表示した後、特別の変動表示態様で変動表示を行なって表示結果を導出表示する第2の変動パターンとが含まれている。そして、特別の変動表示態様での変動表示が行なわれる前にリーチ状態を形成しない非特定の識別情報の組合せを一旦導出表示する第1の変動パターンで変動表示が実行されたときの方が、同じ特別の変動表示態様での変動表示が行なわれる前にリーチ状態を形成する識別情報の組合せを導出表示する第2の変動パターンで変動表示が実行されたときよりも高確率で、変動表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなるように変動パターンが選択される。このため、非特定の識別情報の組合せを一旦導出表示するという遊技者の興趣の低下を招きやすい表示が行なわれたときでも、その後に特別の変動表示態様で変動表示が実行されると、リーチ状態を形成した後に特別の変動表示態様で変動表示が実行されるときよりも変動表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなる確率が高いので、特定の識別情報の組合せとなるのではないかという期待感を遊技者に持たせることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。つまり、変動表示中において行なわれる一旦導出表示および特別の変動表示態様での変動表示等の演出によって、遊技者の興趣の低下を招く反作用を低減しつつ遊技者の興趣を向上させることができる。また、興趣の低下を招きやすいリーチ状態を形成しない非特定の識別情報の組合せが一旦導出表示された後に特別の変動表示態様での変動表示が実行されるため、遊技者に非特定の識別情報の組合せが変動表示の表示結果として導出表示されるのではないかと感じさせることで一旦興趣を低下させて、その反作用により特別の変動表示態様で変動表示が実行されたときの遊技者の興趣を極めて高く向上させることができる。さらに、遊技者が識別情報の変動表示中にリーチ状態を形成しないとわかっても特別の変動表示態様になるのではないかという期待感を持つことができ、遊技者の興趣を低下させることを防止できる。また、第1の変動パターンにおいて、一旦導出表示する非特定の識別情報の組合せとして、予め定められた非特定の識別情報の組合せが一旦導出表示させられるので、どのような識別情報の組合せが導出表示されるかについて遊技者が持つ興味を増大させることができる。さらに、第1の変動パターンが選択されたときには、第1の変動パターンが選択されたときに一旦導出表示する予め定められた非特定の識別情報の組合せと第1の変動パターンとが対応付けられた対応付けデータに基づいて、非特定の識別情報の組合せも同時に選択することができる。
このような構成によれば、選択された変動パターンが第1の変動パターン以外の変動パターンであり、かつ、選択された表示結果となる識別情報の組合せが第1の変動パターンにおいて一旦導出表示する予め定められた非特定の識別情報の組合せであるときに、当該選択された非特定の識別情報の組合せが予め定められた非特定の識別情報の組合せ以外の識別情報の組合せに変更される。このため、第1の変動パターンでの変動表示が行なわれないときには予め定められた非特定の識別情報の組合せが表示結果として導出されることがないので、非特定の識別情報の組合せが導出表示されたときに、第1の変動パターンでの変動表示が行なわれないにもかかわらず、第1の変動パターンでの変動表示が行なわれると遊技者が誤解して誤った期待感を持たないようにすることができる。
このような構成によれば、次のような効果を得ることができる。第1の変動パターンでの変動表示が行なわれるときに、表示結果が特定の識別情報の組合せとなることを予告して特定の識別情報の組合せとなることを遊技者に予想させてしまうと、一旦導出表示後の変動表示に意外性がなくなり、第1の変動パターンにおける一旦導出表示を含む変動表示による遊技者の興趣の盛り上げが確実に行なえない。これに対して、第1の変動パターンが選択されたときに、そのような予告が行なわれないようにしたことにより、第1の変動パターンでの変動表示における一旦導出表示を含む変動表示により遊技者の興趣を確実に盛り上げることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機およびスロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示装置を有し、該変動表示装置における前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機であればすべてに適用することが可能である。
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1の正面図である。パチンコ遊技機1には、遊技領域7が形成された遊技盤6が取付けられている。ここでは図示を省略するが、パチンコ遊技機1の左側面側には、遊技者所有の記録媒体である遊技用カード(プリペイドカード)に記録されている遊技用価値としてのカード残高からの引落としに応じて遊技球を貸出すカードユニットが設けられている。このようなカードユニットでは、遊技者が、遊技用カードを挿入した状態で所定の貸玉操作を行なうことにより、所定の貸出単位額分の残高がカード残高から減額されるとともに、その貸出単位額分の打玉がパチンコ遊技機1の打玉供給皿3に貸出される。遊技者が操作ノブ5を操作すると、打球供給皿3に貯留された打玉(パチンコ玉)が1個ずつ発射されて遊技領域7内に打込まれる。
遊技領域7の中央には、図柄等の各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示(可変表示、更新表示ともいう)させる表示装置として、特別図柄を変動表示させる変動表示装置9が設けられている。変動表示装置9は、画像を表示する液晶表示器(LCD表示器)で構成された表示装置である。
また、変動表示装置9では、演出用のキャラクタ等のその他の画像も表示される。ここで、キャラクタとは、変動表示装置9に表示される人間,動物,あるいは物等を表わす映像をいう。なお、変動表示装置9により変動表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。この実施の形態では、特別図柄として数字の図柄が変動表示される例を説明する。
変動表示装置9では、特別図柄が変動表示される複数の変動表示部(左,中,右変動表示部)が画像上で設けられる。これら変動表示部では、左図柄,中図柄,右図柄と呼ばれる3つの特別図柄がスクロール等の所定の変動表示パターンで変動表示される。このような変動表示が開始された後、左図柄,中図柄,右図柄の3つの図柄がそれぞれ停止表示されることにより、変動表示の表示結果が導出表示される。変動表示装置9で特別図柄の変動表示が開始されるときには、左,中,右図柄の変動表示が一斉に開始される。その後、表示結果が導出表示されるときには、たとえば、左,右,中図柄の順に図柄が順次停止表示されていき、表示結果が導出表示される。このような変動表示の開始時から表示結果の導出表示時までの時間は、変動時間(変動表示時間)と呼ばれる。
なお、変動表示装置9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、変動表示装置9は、画像表示式の表示装置に限らず、外周に複数種類の図柄が描かれた回転ドラムを回転駆動する回転ドラム式等のその他の機械式の変動表示装置であってもよい。
変動表示装置9の上方には、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示可能な普通図柄表示装置10が設けられている。普通図柄表示装置10は、当り図柄である○印を表示可能な当り表示器10aと、はずれ図柄である×印を表示可能なはずれ表示器10bとを含み、当り図柄とはずれ図柄とを交互に点灯表示することにより、普通図柄を変動表示する。変動表示装置9の下方には、特別図柄の変動表示を始動させる打玉を受入れ可能な始動口14を有する始動用電動役物14aと、普通図柄の変動表示を始動させる打玉を受入れ可能な2つの通過口11とが設けられている。
通過口11に打玉が進入すると、ゲートスイッチ12により打玉の通過(始動通過という)が検出され、それに応じて、乱数値となる数値データが抽出され、通過記憶データとして、後述するRAM55に記憶される。通過記憶データの記憶個数には上限値が設定されており、上限値に達しない状態で始動通過が検出されると普通図柄の変動表示の実行条件が成立して始動通過が有効となるが、上限値に達した状態で始動通過が検出されると実行条件が成立せず始動通過が無効となる。通過記憶データに基づき普通図柄の変動表示を開始させることができる開始条件(普通図柄の変動表示が実行中でないこと)が成立すると、普通図柄の変動表示が開始される。これにより、通過記憶データが複数記憶されたときには、それぞれのデータに基づいて普通図柄の変動表示が順次実行されていく。開始条件が未成立の通過記憶データの個数は、変動表示装置9上方に設けられた通過記憶表示器15でのLEDの点灯数により表示される。
始動通過記憶データの値が所定の当り判定値と合致するときには、普通図柄の当りと判定され、当り図柄が普通図柄の表示結果として導出表示される。一方、始動通過記憶データの値が当り判定値と合致しないときには、普通図柄のはずれと判定され、はずれ図柄が普通図柄の表示結果として導出表示される。
始動用電動役物14aは、ソレノイド16によって駆動される左右一対の可動片の開閉によって開閉可能である。始動用電動役物14aは、普通図柄の変動表示結果が当りとなった場合に始動口14に打玉が進入しやすい開成状態となり、その開成状態で打玉が1つ入賞すると始動口14に打玉が進入しにくい閉成状態に戻る。また、始動用電動役物14aは、開成状態となってから所定の開放期間が経過すれば、打玉が入賞しなくても閉成状態に戻る。
始動口14に打玉が進入すると、始動口スイッチ17により打玉(始動入賞玉)が検出され、それに応じて、乱数値となる数値データ(大当り判定用のランダムカウンタのカウント値)が抽出されて始動入賞記憶データとして後述するRAM55に記憶される。このような始動入賞記憶データは、記憶順番(抽出順番)を特定可能に記憶される。また、始動入賞記憶データは、保留記憶データとも呼ばれる。始動入賞記憶データの記憶個数には上限値(4つ)が設定されており、上限値に達しない状態で始動入賞が検出されると特別図柄の変動表示の実行条件が成立して始動入賞が有効となるが、上限値に達した状態で始動入賞が検出されると実行条件が成立せず始動入賞が無効となる。始動入賞記憶データに基づき特別図柄の変動表示を開始させることができる開始条件(始動入賞記憶データがある状態で、特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ大当り遊技状態中でもない場合)が成立するごとに始動入賞記憶データが1つずつ読出されて、特別図柄の変動表示が開始される。これにより、始動入賞記憶データが複数記憶されたときには、それぞれのデータに基づいて特別図柄の変動表示が順次実行され、始動入賞記憶データが消化されていく。開始条件が未成立の始動入賞記憶データの個数は、変動表示装置9において画像により表示される。
読出された始動入賞記憶データの値が所定の大当り判定値と合致するときには、特別図柄の変動表示結果が大当りと判定され、特定の識別情報の組合せ(特定の表示態様)としての大当り図柄の組合せ(たとえば「777」等のゾロ目。)が表示結果として導出表示される。一方、読出された始動入賞記憶データの値が大当り判定値と合致しないときには、変動表示結果がはずれと判定され、はずれ図柄の組合せ(たとえばゾロ目以外の図柄の組合せ)が表示結果として導出表示される。
始動用電動役物14aの下方には、打玉が入賞可能な大入賞口18と、大入賞口18を開閉する開閉板20とを備えた可変入賞球装置19が設けられている。特別図柄の変動表示結果が大当り図柄の組合せとなると、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御され、可変入賞球装置19の開閉板20が、遊技者に不利な第2の状態である閉状態から遊技者に有利な第1の状態である開状態に制御される。開閉板20の駆動は、ソレノイド21によって行なわれる。
可変入賞球装置19における大入賞口18の内部には、特定入賞領域と通常入賞領域とが設けられている。特定入賞領域に進入した打玉は、V入賞玉と呼ばれ、Vカウントスイッチ22により検出された後、カウントスイッチ23により検出される。通常入賞領域に進入した打玉は、カウントスイッチ23のみにより検出される。
大当り遊技状態の可変入賞球装置10において、大入賞口18が開口した第1の状態で、大入賞口18に進入した打玉の数が所定個数(たとえば10個)に達したとき、または所定期間(たとえば30秒間)経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときには、第1の状態が一旦終了して開閉板20が閉成し、第2の状態に制御される。そして、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、その回における可変入賞球装置19の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板20が開成されて、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態はラウンドと呼ばれる。
また、特別図柄の変動表示結果が特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)のうちの予め定められた特別の表示態様(たとえば、奇数のゾロ目。以下、確変大当り図柄の組合せともいう)となると、大当り遊技状態の終了後において、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態としての確率変動状態(以下、確変状態という)に制御される。確変状態は、確率向上状態ともいい、大当りとなる確率が変動して通常遊技状態(大当り遊技状態および確変状態以外の遊技状態)よりも向上した(高くなった)状態である。確変状態は、次回の大当りが発生するまで継続される。図柄以外の非確変大当り図柄による大当りは非確変大当りと呼ばれる。確変大当り図柄による大当りは確変大当りと呼ばれ、確変大当り確変状態は、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ53の確率変動制御機能により実現される。
また、特別図柄の変動表示中においては、たとえばまだ中図柄の表示結果が確定していない段階で左図柄と右図柄とが同じ図柄に揃ったようなリーチ状態(リーチ態様、リーチ表示態様ともいう)が発生する場合がある。ここで、リーチとは、複数の表示領域(変動表示領域、変動表示部)における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定表示結果の組合せ(大当り図柄の組合せ)となる条件を満たしている表示状態をいう。また、リーチとして定義されるもののうちには、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組合せを保持した状態で変動表示を行なっている所謂全回転リーチも含まれる。また、リーチとして定義されるもののうちには、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組合せを保持した状態が表示されているが、表示結果が未だ確定していない表示状態としてのリーチ(たとえば、後述する図8の(f),(g)および後述する図9の(f),(g)に示されるようなリーチ)も含まれる。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、特別図柄の変動表示中においては、表示結果が大当り図柄の組合せとなるときに、特別図柄を非確変大当り図柄の組合せで一旦仮に停止(たとえば、図柄が更新されていない状態で揺動している状態等であり、以下、仮停止という)させた後、特別図柄が再度変動表示され、その後、表示結果として、最終的に確定した非確変大当り図柄の組合せまたは確変大当り図柄の組合せを表示する再変動表示が行なわれる場合がある。この再変動表示においては、表示結果が大当り図柄の組合せとなるときに、確変大当り図柄となるか非確変大当り図柄となるかという楽しみを遊技者に与えることができる。
遊技領域7には、一般入賞口である入賞口24および装飾ランプ25等の他の構造物も設けられている。遊技領域7の下端部には、どの入賞口にも入賞しなかった打玉をアウト玉として回収するアウト口26が設けられている。遊技領域7の外周には遊技効果LED42等の各種ランプが設けられている。遊技領域7の上部の左右には効果音等の音を発生するスピーカ41,41が設けられている。
図2は、パチンコ遊技機1における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。図2には、制御基板として、遊技制御基板(主基板ともいう)31、賞球制御基板37、音制御基板70、ランプ制御基板35、発射制御基板91および表示制御基板80が示されている。
遊技制御基板31、表示制御基板80、賞球制御基板37、音制御基板70、ランプ制御基板35、および、発射制御基板91のそれぞれには、制御用のマイクロコンピュータ等が搭載されている。具体的に、遊技制御基板31には遊技制御用マイクロコンピュータ53が設けられている。表示制御基板80には表示制御用マイクロコンピュータ800が設けられている。賞球制御基板37には賞球制御用マイクロコンピュータ370が設けられている。音制御基板70には音制御用マイクロコンピュータ700が設けられている。ランプ制御基板35にはランプ制御用マイクロコンピュータ350が設けられている。発射制御基板91には発射制御用マイクロコンピュータ910が設けられている。
各制御基板に設けられた制御用のマイクロコンピュータには、たとえば、制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM、制御用プログラムに従って制御動作を行なう演算制御手段としてのCPUおよび入出力手段としてのI/Oポート等の構成要素が含まれている。これらROM、RAM、CPU、および、I/Oポートは、一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ53および表示制御用マイクロコンピュータ800について図示する。
賞球制御基板37では、球払出装置97および前述のカードユニットが接続され、これらが賞球制御用マイクロコンピュータ370により制御される。音制御基板70では、スピーカ41,41が接続され、スピーカ41,41から出力される音が音制御用マイクロコンピュータ700により制御される。ランプ制御基板35では、遊技効果LED42、賞球ランプ43、玉切れランプ44、普通図柄表示装置10(10a,10b)、および、通過記憶表示器15が接続され、これらがランプ制御用マイクロコンピュータ350により制御される。発射制御基板91では、操作ノブ(打球操作ハンドル)5と打球ハンマー(図示省略)を駆動する駆動モータ94とが接続され、これらが発射制御用マイクロコンピュータ910により制御される。駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。表示制御基板80では、変動表示装置9が接続され、これが表示制御用マイクロコンピュータ800により制御される。
遊技制御基板31には、遊技制御用のプログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53、スイッチ回路58、ソレノイド回路59、ランプ・LED回路60、情報出力回路64、初期リセット回路65、アドレスデコード回路67、および、試験信号出力回路68が設けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、遊技制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、CPU56が、ROM54に記憶されている遊技制御用プログラムを読出し、タイマ割込みにしたがって、遊技制御用プログラムを定期的(たとえば2msec毎)に先頭から繰返し実行することにより、前述したような遊技制御を含む各種の遊技制御を実行する。
スイッチ回路58は、接続されている各種スイッチからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える回路である。スイッチ回路58には、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、および、入賞球検出スイッチ99等が接続される。
ソレノイド回路59は、始動用電動役物14aの左右に設けられた可動片を動作させるソレノイド16および可変入賞球装置19の開閉板20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する回路である。
ランプ・LED回路60は、遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って、装飾ランプ25の点灯および滅灯を制御する回路である。
情報出力回路64は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、確変大当りが発生し確率向上状態となっていることを示す確変情報、大当りが発生し特定遊技状態となっていることを示す大当り情報、および始動入賞のうち変動表示装置9の変動表示に有効に使用される始動入賞の発生を示す始動入賞情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する回路である。
初期リセット回路65は、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ53をリセットする回路である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、初期リセット回路65から送られてきた初期リセットパルスに応答してパチンコ遊技機1の状態を初期化する。試験信号出力回路68は、遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って、後述する試験端子処理(図11のS32)において試験信号として、発射位置指定信号1、発射位置指定信号2、発射位置指定信号3、および、遊技機エラー状態信号を選択的にパチンコ遊技機1の外部に出力するための回路である。ここで、発射位置指定信号1〜3のそれぞれは、パチンコ遊技機1での遊技状態に応じて遊技領域7内での遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が変化するときの最適な発射位置を指定するための信号である。また、遊技機エラー状態信号は、パチンコ遊技機1に所定のエラー状態が生じたときに、エラー状態の発生を示すための信号である。
アドレスデコード回路67は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート57のうちのいずれかのポートを選択するための信号を出力する回路である。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御基板31に接続された各種スイッチ(検出器)からの信号を受け、前述したような遊技が行なえるように、接続された制御対象の各種機器を駆動する制御を行なう。
また、前述したような遊技を行なうために、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ800、賞球制御用マイクロコンピュータ370、音制御用マイクロコンピュータ700、および、ランプ制御用マイクロコンピュータ350のそれぞれには、各制御用マイクロコンピュータが実行する制御内容を指令(指示、指定)する制御信号(制御指令情報)の一例となるコマンド(制御コマンド)がそれぞれ送信される。
具体的に、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ800には、表示制御用マイクロコンピュータ800により制御が行なわれる表示制御基板80に接続された機器を制御するための指令情報である表示制御コマンド等の情報が送信される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、受信した表示制御コマンドに基づいて、変動表示装置9を動作させて特別図柄の変動表示をさせる制御を行なう。また、表示制御用マイクロコンピュータ800は、受信した表示制御コマンドに基づいて、始動入賞記憶数を変動表示装置9に表示させる制御を行なう。
表示制御用マイクロコンピュータ800には、表示制御用のプログラム等を記憶するROM801、ワークメモリとして使用されるRAM802、表示制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU803、および、入出力手段としてのI/Oポート804が設けられている。さらに、表示制御基板80には、画像表示用のIC(集積回路)であるVDP(Video Display Processor )805、画像表示のための作業領域として用いられるVRAM(Video Random Access Memory)806、および、画像データを記憶したキャラクタROM807が設けられている。CPU804からVDP805には、画像表示を命令するための命令データが与えられる。命令データはROM801において画像表示の種類ごとに格納されており、必要に応じて読出され、VDP805に与えられる。VDP805は、与えられた命令データに従った画像表示をするために、画像データが記憶されたキャラクタROM87から必要なデータを読出し、読出したデータに従って変動表示装置9に表示するための画像データを生成し、その画像データをVRAM806に格納する。VRAM806内の画像データは、RGB信号に変換されて、変動表示装置9へ与えられる。これにより、変動表示装置9においては、特別図柄の変動表示等の各種表示が行なわれる。
表示制御コマンドの送信は、たとえば、次のように行なわれる。変動表示を実行する場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、まず、特別図柄の変動態様としての変動パターン(変動表示時間を含む)を指定する変動パターンコマンドを送信する。この変動パターンコマンドには、表示結果が大当りとなるときの変動パターンと、表示結果がはずれとなるときの変動パターンとが含まれている。このため、表示制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動パターンのみならず、変動表示結果が大当りとなるか否かを判別することができる。また、変動パターンコマンドは、変動表示の開始を指示するためのコマンドでもある。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動パターンコマンドの送信に引続き、左,中,右特別図柄の予定停止図柄を指定する3つの停止図柄コマンドを送信する。変動パターンコマンドに応じて特別図柄の変動表示が開始されてから変動パターンコマンドにより指定した変動表示時間が経過した時に、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動表示の停止を指示するための全図柄停止コマンドを送信する。
このような変動表示に関する表示制御コマンドのうち、変動パターンコマンドは特別図柄の変動表示の開始時に送信される。また、3つの停止図柄コマンドは特別図柄の変動表示の開始後に送信される。そして、全図柄停止コマンドは特別図柄の変動表示の終了時に送信される。
そして、特別図柄の変動表示の結果として大当りとなった場合、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種コマンドを送信する制御が行なわれる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、始動入賞記憶数に変化があったときには、現在の始動入賞記憶数を示す始動入賞記憶数コマンドを送信する制御が行なわれる。これにより、表示制御用マイクロコンピュータ800は、始動入賞記憶数を把握し、変動表示装置9に始動入賞記憶数を表示する。
表示制御用マイクロコンピュータ800では、前述したような各種表示制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示制御を実行する制御を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ53から音制御用マイクロコンピュータ700には、スピーカ41から出力させる効果音等の音を制御するための指令情報である音制御コマンド等の情報が送信される。音制御用マイクロコンピュータ700では、受信した音制御コマンドに基づいて所定の効果音をスピーカ41から出力させる制御が行なわれる。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、ランプ制御用マイクロコンピュータ350により制御が行なわれるランプ制御基板35に接続された機器を制御するための指令情報であるランプ制御コマンド等の情報が送信される。ランプ制御用マイクロコンピュータ350では、受信したランプ制御コマンドに基づいて、ランプおよびLED等の各種発光体の発光制御が行なわれる。
変動表示装置9での変動表示制御に同期して音制御および発光制御を行なう場合には、これらの制御を同期させるように、表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドが送信される。
遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球制御用マイクロコンピュータ370に送信される情報には、賞球の払出制御に関する指令情報としてのコマンドと、貸玉の払出制御に関する指令情報としてのコマンド(たとえば、玉貸し禁止コマンド、玉貸し禁止解除コマンド等)とが含まれる。賞球制御用マイクロコンピュータ370では、受信したコマンドに基づいて球払出装置97を制御して、所定個数の賞球または貸玉を払出すための制御が行なわれる。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、入賞球検出スイッチ99の検出信号と始動口スイッチ17の検出信号、Vカウントスイッチ22の検出信号、カウントスイッチ23の検出信号に基づいて所定個数の景品玉を払出すための賞球コマンド(賞球信号ともいう)を賞球制御用マイクロコンピュータ370に送信する。賞球制御用マイクロコンピュータ370では、その出力されてきた賞球信号に基づいて球払出装置97を制御して所定個数の景品玉を払出すための制御を行なう。
遊技制御基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ53)から各制御基板へ送信される情報には、前述したような制御の指令内容を示すコマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、このような2バイトのデータを、INT信号により取込みタイミングを示しつつ指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
なお、図2においては、表示制御機能と音制御機能とランプ制御機能とをそれぞれ別のマイクロコンピュータに含ませる例を示した。しかし、これに限らず、表示制御機能、ランプ制御機能、および、音制御機能のすべてを1つのマイクロコンピュータの機能に含ませ、その1つのマイクロコンピュータが前述したような表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を統括的に行なうようにしてもよい。
図3は、遊技制御および表示制御等の各種制御に用いられる各種ランダムカウンタの代表例を説明するための説明図である。図3においては、各種ランダムカウンタのうち、遊技制御用マイクロコンピュータ53によりカウント動作されるものが(a)に示され、表示制御用マイクロコンピュータ800によりカウント動作されるものが(b)に示されている。
図3の(a)を参照して、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、たとえば、R1〜R6を代表例とするランダムカウンタがカウント動作させられる。R1は、大当り状態を発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられるランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「249」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、2msec毎に1ずつ加算更新されることとなる。始動口スイッチ17により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのランダムカウンタのカウント値が抽出されて始動入賞記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、変動表示の表示結果を大当り図柄の組合せとして大当りを発生させることが決定されて前述した大当り遊技状態の制御が行なわれ、一致しない場合には、変動表示の表示結果をはずれとすることが決定されて遊技状態が変化しない。確変状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確変状態においては、大当り判定値が複数の数値に設定されることにより、非確変状態の場合よりも大当りの発生確率が向上する。
図3の各ランダムカウンタについての範囲の欄に示されている数値範囲は、このようなランダムカウンタのカウント範囲であって、R1で説明したように初期値から上限値までカウントアップした後、再度初期値からカウントアップし直すものである。したがって、説明を簡略化するために、以下の各種カウンタの説明においては、カウント範囲およびカウント方法についての説明を省略する。
R2−1〜R2−3は、変動表示装置9のはずれとなる表示結果における停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられるランダムカウンタである。R2−1は、左図柄の停止図柄を決定するために用いられる。R2−2は、中図柄の停止図柄を事前に決定するために用いられる。R2−3は、右図柄の停止図柄を事前に決定するために用いられる。R2−1〜R2−3のそれぞれについては、R2−1が0.002秒ごとおよび割込み処理余り時間、R2−2がR2−1の桁上げごと、R2−3がR2−2の桁上げごとにそれぞれ1ずつ加算更新されることにより、カウントアップされるタイミングが異ならされている。
ここで、R2−1等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、割込み処理の終了から次の割込み処理の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
特別図柄は、予め定められた図柄の配列順序に従って変動(更新)表示されていく。複数種類の特別図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、前述の大当り判定ではずれとする判定がされた場合において後述するリーチ判定によりリーチ状態としないことが判定された場合には、所定のタイミングでR2−1〜R2−3のそれぞれから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の特別図柄の停止図柄として決定される。なお、大当り判定ではずれとする判定がされた場合において、このようなカウンタの抽出値に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、大当り判定ではずれとする判定がされた場合において後述するリーチ判定によりリーチ状態とすることが判定された場合には、前述したタイミングで抽出されたカウンタの値のうち、R2−1から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各特別図柄の停止図柄として決定され、R2−3から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
R3は、大当り図柄の組合せをランダムに決定するために用いられるランダムカウンタである。このR3は、0.002秒ごとに1ずつ加算更新される。前述の大当り判定により大当りとする判定がされた場合には、所定タイミングでR2からカウンタの値が抽出され、その抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各特別図柄の一致した停止図柄として決定される。複数種類の特別図柄のそれぞれには大当り図柄決定用の数値データが対応付けられている。大当り判定で大当りとする判定がされた場合には、抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各特別図柄の停止図柄として決定される。
R4は、前述の大当り判定においてはずれとする判定がされたときに、特別図柄についてリーチ状態を形成する(以下、リーチはずれという)かリーチ状態を形成しない(以下、非リーチはずれという)かをランダムに判定するために用いられるリーチ判定用のランダムカウンタである。このR4は、0.002秒ごとに1ずつ加算更新される。特別図柄の停止図柄を決定する前の段階で、R4のカウント値が抽出され、抽出されたカウント値が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致した場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。たとえば、リーチはずれとする判定確率は1/10である。
R5は、特別図柄の変動表示の表示結果を導出表示させる特別図柄の変動表示パターンをランダムに選択決定するために用いられるランダムカウンタである。このR5は、0.002秒ごとおよび割込み処理余り時間に1ずつ加算更新される。特別図柄の停止図柄が決定された後の特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、R5のカウント値が抽出され、抽出されたカウント値が、予め定められた複数種類の変動パターンのそれぞれについて定められた値と一致するか否かが判断される。そして、抽出されたカウント値と一致する変動パターンが、変動表示における変動パターンとして選択決定される。
R6は、普通図柄表示部10の表示結果に基づいて普通当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられるランダムカウンタである。ゲートスイッチ12により有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このランダムカウンタのカウント値が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれる。
以上に示したような大当り判定機能、はずれ停止図柄決定機能、大当り図柄決定機能、リーチ判定機能、変動パターン選択機能、および、普通図柄当り判定機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御機能により実現される。
次に、図3の(b)を参照して、表示制御用マイクロコンピュータ800では、たとえば、R7〜R9を代表例とするランダムカウンタがカウント動作させられる。R7〜R9のそれぞれは、0.002秒ごとに1ずつ加算更新される。
R7は、後述する一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの変動表示において特別図柄を一旦停止したときに表示される一旦停止図柄の組合せであるチャンス目を、予め定められた複数のチャンス目のうちからランダムに選択決定するために用いられるランダムカウンタである。一旦停止発展演出リーチを指定する変動パターンの実行を指令する表示制御コマンドが受信されたときに、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、R7のカウント値が抽出され、抽出されたカウント値が、予め定められた複数種類のチャンス目のそれぞれについて定められた値と一致するか否かが判断される。そして、抽出されたカウント値と一致するチャンス目が、一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの変動表示において一旦停止されるチャンス目として選択決定される。
R8は、ステップアップ予告と呼ばれる大当り予告をするか否かをランダムに判定(決定)するために用いられるランダムカウンタである。特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、R8のカウント値が抽出され、抽出されたカウント値が予め定められた大当り予告判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、大当り予告をすることが判定(決定)され、大当り予告をする制御が行なわれる。
R9は、前述の大当り予告を行なうときの予告パターンをランダムに選択決定するために用いられるランダムカウンタである。前述の予告判定により大当り予告をする判定がされたときには、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、R9のカウント値が抽出され、抽出されたカウント値が、予め定められた複数種類の予告パターンのそれぞれについて定められた値と一致するか否かが判断される。そして、抽出されたカウント値と一致する予告パターンが、変動表示における予告パターンとして選択決定される。
以上に示したようなチャンス目選択機能、予告判定機能、および、予告パターン選択機能は、表示制御用マイクロコンピュータ800の制御機能により実現される。
次に、前述した変動パターンの選択のために用いられるランダムカウンタR5の抽出値と、その抽出値に対応して選択される変動パターンとの関係を説明する。図4は、変動パターン選択用ランダムカウンタの抽出値R5と、その抽出値に対応して選択される変動パターンとの関係を表形式で示す図である。
図4においては、大当りとする判定がされたとき、リーチはずれとする判定がされたとき、および、非リーチはずれとする判定がされたときのそれぞれについて、抽出値と選択される変動パターンとの関係を示す。
図4に示されるように、変動パターンは、リーチ状態となる変動パターンと、リーチ状態とならない変動パターンとに大別される。リーチ状態となる変動パターンは、変動表示中にリーチ状態となった後、大当り図柄の組合せまたははずれ図柄の組合せが表示結果として導出表示される変動パターンであり、リーチ状態変動パターンと呼ばれる。リーチ状態とならない変動パターンは、変動表示中にリーチ状態とならずに、はずれ図柄の組合せが表示結果として導出表示される変動パターンであり、通常変動パターンと呼ばれる。
リーチ変動パターンとしては、たとえば、リーチ1〜リーチ4というような複数の変動パターンが設けられている。リーチ変動パターンは、ノーマルリーチ、発展演出リーチ、および、非発展演出リーチの変動パターンに大別される。
ノーマルリーチの変動パターンは、リーチ状態での演出を特に行なわない変動パターンである。また、発展演出リーチの変動パターンは、ある演出が実行された後に、その演出とは異なる演出が引続き実行されて最終的な表示結果が導出表示される変動パターンである。この発展演出リーチは、複数種類の演出が順次実行されることにより演出内容が発展するように変化するため、発展演出リーチと呼ばれる。また、発展演出リーチは、一旦停止発展演出リーチと、リーチ発展演出リーチとを含む。一旦停止発展演出リーチは、リーチ状態を形成しないはずれ図柄の組合せを一旦導出表示する演出を実行した後、特別の変動表示態様で変動表示を行なって変動表示の表示結果を導出表示する演出を実行する変動パターンである。リーチ発展演出リーチは、リーチ状態を形成する図柄の組合せを導出表示する演出を実行した後、一旦停止発展演出リーチと同様の特別の変動表示で変動表示を行なって変動表示の表示結果を導出表示する演出を実行する変動パターンである。
非発展演出リーチは、リーチ状態での演出が実行されるが、実行される演出が1種類のみであり、発展演出リーチのような演出内容が発展していく演出が行なわれないリーチの変動パターンである。
通常変動パターンとしては、たとえば、通常変動パターン1および通常変動パターン2というような変動パターンが異なる(たとえば、変動時間が異なる)複数の変動パターンが設けられている。
変動パターン選択用ランダムカウンタR5は、0〜99の数値範囲で更新される。図4においては、各変動パターンについて、変動表示における変動パターンとして選択される抽出値が対応付けて示されている。
図4に示されるように、各変動パターンに対応する抽出値は、大当りとする判定がされたとき、リーチはずれとする判定がされたとき、および、非リーチはずれとする判定がされたときのそれぞれについて区別して設定されている。
非リーチはずれとする判定がされたときには、抽出値が0〜49の範囲内となったときに通常変動1が選択され、抽出値が50〜99の範囲内となったときに通常変動2が選択される。非リーチはずれとする判定がされたときには、リーチ変動パターンは選択されない。非リーチはずれとする判定がされたときには、リーチ変動パターンが選択されない。一方、大当りとする判定がされたときと、リーチはずれとする判定がされたときとには、通常変動パターンが選択されない。
ノーマルリーチとしてのリーチ1は、大当りとする判定がされたときには抽出値が0〜1の範囲内となったときに選択され、リーチはずれとする判定がされたときには抽出値が0〜59の範囲内となったときに選択される。非発展演出リーチとしてのリーチ2は、大当りとする判定がされたときには抽出値が2〜9の範囲内となったときに選択され、リーチはずれとする判定がされたときには抽出値が60〜79の範囲内となったときに選択される。一旦停止発展演出リーチとしてのリーチ3は、大当りとする判定がされたときには抽出値が10〜69範囲内となったときに選択され、リーチはずれとする判定がされたときには抽出値が80〜87の範囲内となったときに選択される。リーチ発展演出リーチとしてのリーチ4は、大当りとする判定がされたときには抽出値が70〜99範囲内となったときに選択され、リーチはずれとする判定がされたときには抽出値が88〜99の範囲内となったときに選択される。
リーチ1およびリーチ2のそれぞれは、はずれとする判定がされたときに選択される割合よりも大当りとする判定がされたときに選択される割合の方が低くなっている。つまり、リーチ1およびリーチ2のそれぞれは、大当りとする判定がされたときよりもはずれとする判定がされたときの方がリーチ変動パターンとして選択されやすい。これに対し、発展演出リーチであるリーチ3およびリーチ4のそれぞれは、はずれとする判定がされたときに選択される割合よりも大当りとする判定がされたときに選択される割合の方が高くなっている。つまり、リーチ3およびリーチ4のそれぞれは、はずれとする判定がされたときよりも大当りとする判定がされたときの方がリーチ変動パターンとして選択されやすい。
また、発展演出リーチのうち、一旦停止発展演出リーチであるリーチ3は、リーチ発展演出リーチであるリーチ4よりも、各変動パターンでの変動表示が実行されたときに大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される確率である大当り信頼度が高くなるように、変動パターン選択用のデータ(抽出値)が振分けられている。
このような変動パターンを選択するために変動パターンと抽出値との関係を示すデータである変動パターン選択テーブルのデータは、ROM54の所定の記憶領域に記憶されている。本実施の形態の場合には、変動パターン選択テーブルは、大当りとする判定がされたときにおける抽出値と変動パターンとの関係を示す大当り用変動パターンテーブル、リーチはずれとする判定がされたときにおける抽出値と変動パターンとの関係を示すリーチはずれ用変動パターンテーブル、および、非リーチはずれとする判定がされたときにおける抽出値と変動パターンとの関係を示す非リーチはずれ用変動パターンテーブルに分けて設けられている。
次に、リーチ1〜リーチ4の各変動パターンでの大当り信頼度を説明する。図5は、各リーチの大当り信頼度を表形式で示す図である。図5においては、各リーチ変動パターンについて、大当り変動表示出現率、はずれ変動表示出現率、および、大当り信頼度が対応付けられて示されている。
図5を参照して、各リーチ変動パターンの大当り信頼度は、すべての変動表示に対する大当りとする判定がされたときの各リーチ変動パターンの出現率(以下、大当り変動出現率という)と、すべての変動表示に対するはずれとする判定がされたときの各リーチ変動パターンの出現率(以下、はずれ変動出現率という)とを合算した出現率中における大当り変動出現率が占める率として算出される。つまり、大当り信頼度は、ある変動パターンでの変動表示が実行されたときに大当り図柄の組合せの表示結果が導出表示される確率である。図5においては、どのような大当り変動出現率とはずれ変動出現率とに基づいて大当り信頼度が算出されたのかを明確にするために、これらの具体的な数値データが示される。
次に、各リーチ変動パターンの大当り信頼度が具体的にどのように求められるのかを明確化するために、大当り信頼度の算出方法の具体例を説明する。ここでは、リーチ3について大当り信頼度の算出方法の具体例を示す。
変動表示の表示結果を大当りとする判定がされ、かつ、リーチ3の変動パターンが選択される確率A(%)は、「A=(1/250)×(60/100)×100」の演算式により算出される。ここで、大当りとする判定確率は1/250、大当りとする判定がされたときのリーチ3の変動パターン選択確率は60/100である。
変動表示の表示結果をはずれとする判定がされ、かつ、リーチ3の変動パターンが選択される確率B(%)は、「B=(249/250)×(1/10)×(8/100)×100」の演算式により算出される。ここで、はずれとする判定確率は249/250、リーチはずれとする判定確率は1/10、はずれとする判定がされたときのリーチ3の変動パターン選択確率は8/100である。
以上のような確率Aおよび確率Bに基づいて、リーチ3についての大当り信頼度C(%)は、「C=A÷(A+B)×100」の演算式により算出される。また、リーチ3以外のリーチについても、同様の算出方法により、大当り信頼度が算出される。
図5に示すように、リーチについては、リーチ1、リーチ2、リーチ4、リーチ3の順に大当り信頼度が高くなるように、前述の変動パターン選択テーブルにおいて、変動パターン選択用のデータが振分けられている。また、リーチ3およびリーチ4のような発展演出リーチは、リーチ1およびリーチ2のような発展演出リーチ以外のリーチよりも、大当り信頼度が高くなるように、変動パターン選択用のデータが振分けられている。
さらに、発展演出リーチのうちであっても、は、リーチ3のような一旦停止発展演出リーチは、リーチ4のようなリーチ発展演出リーチよりも大当り信頼度が高くなるように、変動パターン選択用のデータが振分けられている。このため、発展演出リーチが変動表示中に表示された場合に、遊技者は、はずれ図柄の組合せの一旦停止により大当りの発生に対する期待感を一旦失いかけるが、発展演出リーチであることを認識することにより、大当り遊技状態の発生に対する期待感がより高まる。
次に、前述したチャンス目の選択のために用いられるランダムカウンタR7の抽出値と、その抽出値に対応して選択されるチャンス目との関係を説明する。図6は、チャンス目選択用ランダムカウンタR7の抽出値と、その抽出値に対応して選択される変動パターンとの関係を表形式で示す図である。図6においては、大当りとする判定がされたときと、リーチはずれとする判定がされたときとについて、抽出値とチャンス目との関係を示す。
図6を参照して、チャンス目としては、リーチ状態を形成しないはずれ図柄の組合せのうち、予め定められた図柄の組合せが設定される。この例では、「3・9・4(左・中・右図柄の順、以下、同様)」、「5・7・3」、および、「7・3・5」の複数のチャンス目が設けられている。また、各チャンス目を選択するために対応付けられた抽出値の数は、大当りとする判定がされたときと、リーチはずれとする判定がされたときとで区別して設定されている。
大当りとする判定がされたときには、抽出値が0〜2の範囲内となったときに「3・9・4」が選択され、抽出値が3〜7の範囲内となったときに「5・7・3」が選択され、抽出値が8〜15の範囲内となったときに「7・3・5」が選択される。このように、大当りとする判定がされたときに、チャンス目ごとに異なる割合でチャンス目が選択される。一方、はずれとする判定がされたときには、抽出値が0〜6の範囲内となったときに「3・9・4」が選択され、抽出値が7〜11の範囲内となったときに「5・7・3」が選択され、抽出値が12〜15の範囲内となったときに「7・3・5」が選択される。このように、はずれリーチとする判定がされたときに、チャンス目ごとに異なる割合でチャンス目が選択される。また、大当りとする判定がされたときに選択されやすいチャンス目程、はずれリーチとする判定がされたときに選択されにくくなるように設定されている。
このようなチャンス目を選択するためにチャンス目と抽出値との関係を示すデータであるチャンス目選択テーブルのデータは、ROM54の所定の記憶領域に記憶されている。本実施の形態の場合には、チャンス目選択テーブルは、大当りとする判定がされたときにおける抽出値とチャンス目との関係を示す大当り用チャンス目選択テーブルと、リーチはずれとする判定がされたときにおける抽出値と変動パターンとの関係を示すリーチはずれ用チャンス目選択テーブルとに分けて設けられている。
次に、発展演出リーチの変動表示の制御タイミングについて説明する。図7は、発展演出リーチの変動表示の制御タイミングを示すタイミングチャートである。図7においては、(a)に一旦停止発展演出リーチの制御タイミングが示され、(b)にリーチ発展演出リーチの制御タイミングが示される。
(a)を参照して、リーチ3としての一旦停止発展演出リーチの変動パターンは、次の通りである。まず、左,中,右の全図柄が同時にスクロールによる変動表示を開始した後、左図柄、右図柄、中図柄の順序で図柄が順次停止していき、前述のように選択されたチャンス目が、所定期間(複数の始動入賞記憶に基づいて通常の変動表示が連続して実行されるときの各変動表示の終了時から次の変動表示の開始時までの間隔の時間として設定された時間よりも短い時間)一旦停止表示(導出表示)する一旦停止演出がされる。そして、一旦停止表示時から所定期間経過時において、一旦停止演出とは異なる特別の変動表示態様での変動表示をする特別変動演出が開始される。具体的に、特別変動演出においては、左,中,右の全図柄が再度変動表示を開始した後において、特別の変動表示態様として、特別のリーチ変動表示(図8参照)が行なわれ、その後、大当り図柄の組合せまたははずれ図柄の組合せが、変動表示における確定した表示結果として導出表示される。
(b)を参照して、リーチ4としてのリーチ発展演出リーチの変動パターンは、次の通りである。まず、左,中,右の全図柄が同時にスクロールによる変動表示を開始した後、左図柄、右図柄の順序で図柄が順次停止していき、中図柄が変動中の状態で左図柄および右図柄によりリーチ状態を形成するリーチ図柄の組合せが停止表示され、予め定められた期間にわたり、前述のノーマルリーチと同様の変動パターンでの変動表示をするノーマルリーチ変動演出が行なわれる。そして、予め定められた期間が終了した時から、一旦停止発展演出リーチでの特別変動演出と同様の特別変動演出が実行された後、大当り図柄の組合せまたははずれ図柄の組合せが、変動表示における確定した表示結果として導出表示される。
次に、変動表示装置9において表示されるリーチ3としての一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの表示例を説明する。図8は、一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの変動表示装置9の表示例を示す表示画面図である。図8においては、時間経過に伴う表示画面の状態が(a)〜(h)に示されている。
変動表示装置9では、(a)に示されるように特別図柄の左図柄91、中図柄92、および、右図柄93のそれぞれがスクロールを開始することにより、変動表示が開始される。変動表示開始当初は、(b)に示されるように全図柄が変動表示されている。そして、(c)および(d)に示されるように、左,右,中の順序で図柄が順次停止表示されていく。一旦停止発展演出リーチの変動パターンでは、(d)に示されるようにチャンス目が一旦停止された後、(e)に示されるように全図柄の変動表示が再度開始される。このような再度の変動表示は、再変動と呼ばれる。
全図柄の最変動が開始された後、(f)に示されるように、特別の変動態様のリーチであることを示す図形(図中の星印の図形)および背景(図中の星印の背景)が表示される。(f)に示すような図形および背景が表示されることにより、前述の特別変動演出が行なわれることが明確に示される。その後、(g)に示されるように、特別の変動態様のリーチであることを示す図形および背景の画像の濃度が徐々に薄くなっていくとともに、それに応じて、左,中,右の全図柄が停止表示した画像がその画像の濃度が徐々に濃くなっていくことにより出現する。
そして、(h)に示されるように、やがて、特別の変動態様のリーチであることを示す図形および背景の画像の濃度が薄くなることにしたがって当該画像が消去され、かつ、左,中,右の全図柄が停止表示した画像の濃度が薄くなることにしたがって当該画像のみが表示されることにより、全図柄の表示結果が確定的に導出表示されることとなる。このような(f),(g)のような表示が特別変動演出における特別のリーチ変動表示に該当する。
次に、変動表示装置9において表示されるリーチ4としてのリーチ発展演出リーチの変動パターンでの表示例を説明する。図9は、リーチ発展演出リーチの変動パターンでの変動表示装置9の表示例を示す表示画面図である。図9においては、時間経過に伴う表示画面の状態が(a)〜(h)に示されている。
変動表示装置9では、(a)に示されるように特別図柄の左図柄91、中図柄92、および、右図柄93のそれぞれがスクロールを開始することにより、変動表示が開始される。そして、変動表示開始当初は、(b)および(c)に示されるように、全図柄が変動表示されている最中に、複数の予告用キャラクタ94等が段階的に順次登場していくステップアップ予告と呼ばれる大当り予告の表示が行なわれる場合がある。
ここで、ステップアップ予告とは、大当りとなる旨を予告するときに、予告が複数ステップに分けて段階的に行なわれる予告であり、予告のステップの進度、つまり、どの段階まで進んだ予告が行なわれたかにより、大当りの生じやすさを示すことが可能な予告をいう。この実施の形態においては、変動表示が開始されてから左図柄91が停止する前までの期間において、複数の予告用キャラクタ94が順次登場する表示が行なわれるステップアップ予告の形式で大当り予告が行なわれる。
この実施の形態での大当り予告は、たとえば、登場した予告用キャラクタの人数が多い程、その変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなる確率が高くなるように設定されている。たとえば、図に示されるような予告用キャラクタ94が2人登場したときの方が、予告用キャラクタ94が1人しか登場しないときよりも、その変動表示の表示結果が大当りの図柄の組合せとなる確率が高くなるように、予告パターンの選択確率が設定された前述の予告パターン選択用のランダムカウンタR9を用いて予告パターンが決定される。
そして、(d)および(e)に示されるように、左図柄、右図柄の順序で図柄が順次停止表示されていく。リーチ発展演出リーチの変動パターンでは、(e)に示されるようなリーチ状態になった後、(f)および(g)に示されるように、前述の一旦停止発展演出リーチの場合と同様の特別変動演出が行なわれる。その後、前述の一旦停止発展演出リーチの場合と同様に、(h)に示されるように、全図柄の表示結果が確定的に導出表示される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56により実行される制御の一例を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53では、遊技の進行を制御するための処理である遊技制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
次にパチンコ遊技機1の動作について説明する。図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が実行する遊技制御メイン処理の処理内容を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降の処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、以下のような処理を行なう。まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定する(S2)。ここで、割込みモード2は、マスク可能な割込のモードとして設けられた複数の割込みモードのうちの1つのモードであり、遊技制御用マイクロコンピュータ53が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが割込み番地を示すモードである。そして、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行なう(S4)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ53の内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(S5)を行なった後、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S6)。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM(RAM55のバックアップRAM領域)に記憶されたバックアップデータをクリアするための操作手段)の出力信号(以下、クリアスイッチ信号という)の状態を1回だけ確認する(S7)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、前述のバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否かを確認する(S8)。この実施の形態では、パチンコ遊技機1への電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような保護処理が行なわれていたことを確認した場合には、CPU56はバックアップありと判定する。そのような保護処理が行なわれていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
保護処理が行なわれていたか否かは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されるときに実行される電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。たとえば、バックアップフラグとしてバックアップありのデータがセットされていればバックアップありと判定し、バックアップフラグとしてバックアップなしのデータがセットされていなければバックアップなしと判定する。
バックアップありと判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S9)。前述の電力供給停止時処理においては、バックアップ記憶するデータについてのチェックサムが算出され、算出したチェックサムがバックアップRAM領域に保存されている。S9では、バックアップデータに基づいてチェックサムを算出し、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(S11〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御用マイクロコンピュータ53の内部状態と表示制御用マイクロコンピュータ800等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用のランダムカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。たとえば、大当り判定用のランダムカウンタのカウント値のデータをそのままにした場合には、不正な手段によって初期化処理が実行される状態になったとしても、大当り判定用のランダムカウンタのカウント値が大当り判定値に一致するタイミングを狙うことは困難である。また、所定の作業領域(各種カウンタ、バッファ、ポインタ、および、フラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行なう(S11)。
そして、CPU56は、賞球制御基板37、表示制御基板80、音制御基板70、および、ランプ制御基板35のようなサブ基板を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(S13)。初期化コマンドとしては、変動表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(S14)。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が、所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかる。
初期化処理の実行(S10〜S14)が完了すると、CPU56は、表示用乱数更新処理(S16)および初期値用乱数更新処理(S17)を繰返し実行する。CPU56は、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(S15)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(S18)。ここで、表示用乱数とは、変動表示装置9に表示される図柄等を決定するための所定のランダムカウンタのカウント値である。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生する前述のランダムカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当り判定用ランダムカウンタ等のカウンタのカウント値の初期値を決定するための乱数である。各ランダムカウンタについては、後述する遊技制御処理においてカウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S16,S17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S16,S17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が実行するタイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理の実行中に、具体的には、S15〜S18のループ処理の実行中に、タイマ割込が発生すると、CPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。
タイマ割込処理において、CPU56は、まず、レジスタの退避処理(S20)を行なった後、S21〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23および入賞球検出スイッチ99等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用のランダムカウンタ等の所定のランダムカウンタのカウント値である判定用乱数を更新する処理を行なう(S22)。このS22によりカウント値が更新されるランダムカウンタは、前述のR1、R3、および、R6である。そして、CPU56は、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(S23)。そして、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(S24)。このS24によりカウント値が更新されるランダムカウンタは、前述のR2−1〜R2−3、R4、および、R5である。
次に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行なう(S26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行なう(特別図柄コマンド制御処理:S27)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行なう(普通図柄コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、始動口スイッチ17等の各種入賞口への入賞球を検出する各種入賞球検出スイッチの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には各入賞球検出スイッチがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球制御信号等の払出制御信号を出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、賞球個数を示す賞球制御信号等の払出制御信号に応じて球払出装置97を駆動する。
そして、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(S31)。また、パチンコ遊技機1の制御状態をパチンコ遊技機1外部で確認できるようにするための試験信号を作成して出力する処理である試験端子処理を実行する(S32)。この試験端子処理においては、具体的に、次のように試験信号出力回路68から試験信号が出力される。たとえば、パチンコ遊技機1での遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が遊技状態に応じて遊技領域7内での左位置、中央位置、および、右位置の3つの位置のいずれかに変化する構成であるときに、パチンコ遊技機1の遊技状態に応じて、前述の発射位置指定信号1(たとえば左位置指定)、発射位置指定信号2(たとえば中位置指定)、発射位置指定信号3(たとえば右位置指定)のいずれかが出力される(ON状態になる)よう信号が変更される。これにより、動作しているパチンコ遊技機1の遊技状態に応じた遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)をパチンコ遊技機1外部で確認することができる。また、満タン(打玉供給皿3が遊技球で満タンになったときに余剰球を貯留する皿が満タンになって遊技球が払出せない状態)または球切れ(パチンコ遊技機1に補給される遊技球球の球切れ状態)等の所定のエラー状態が発生したときには、遊技機エラー状態信号が出力され(ON状態になる)、かつ、発射位置指定信号1〜3の全てが出力されなくなる(OFF状態となる)。また、遊技球の発射を停止した状態がパチンコ遊技機1の遊技状態に応じた最適な状態であるときには、これら発射位置指定信号1〜3および遊技機エラー状態信号のすべてが出力されていない状態(OFF状態)となる。また、所定の条件が成立したときに、ソレノイド回路59に各種ソレノイド16,21の駆動指令を行なうソレノイド出力処理を実行する(S33)。その後、レジスタの内容を復帰させ(S34)、割込許可状態に設定し(S35)、リターンする。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理が定期的(たとえば0.002s毎)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理が遊技制御メイン処理において実行されるようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行されるサブルーチンプログラムのうち一部のプログラムについて説明する。以下においては、特別図柄プロセス処理、停止図柄設定処理、および、変動パターン設定処理について説明する。
まず、タイマ割込み処理において実行される特別図柄プロセス処理を説明する。特別図柄プロセス処理においては、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。
図12は、特別図柄プロセス処理の処理内容を示すフローチャートである。まず、S41により、始動口スイッチ17がオンしているか否かが判断される。
S41により始動口スイッチ17がオンしていると判断された場合、すなわち、打玉が始動口14に入賞する始動入賞が発生した場合は、S42において始動入賞に基づく始動入賞記憶データの記憶等の始動入賞に関連する処理である始動入賞処理を行なった後に、特別図柄プロセスフラグにより示される内部状態に応じて、S43〜S51のうちのいずれかの処理が行なわれる。始動口スイッチ通過処理の処理内容については、図4を用いて後述する。一方、S41により始動口スイッチ17がオンしていないと判断された場合は、S42を介さず、特別図柄プロセスフラグにより示される内部状態に応じて、S43〜S51のうちのいずれかの処理が行なわれる。
S43では、特別図柄通常処理が行なわれる。特別図柄通常処理では、特別図柄の変動表示が開始できる状態になったときに、始動入賞記憶数が0でなければ大当り判定がされ、始動入賞記憶数が0であれば所定期間の経過に応じてデモ表示をする決定がされる。そして、大当り判定の実行後には、特別図柄プロセス処理がS44の停止図柄設定処理に移行するように特別図柄プロセスフラグが更新され、リターンする。
S44では、停止図柄設定処理が行なわれる。停止図柄設定処理では、前述したような決定方法により、特別図柄の変動表示後に導出表示される停止図柄が選択決定される。そして、停止図柄の決定後には、特別図柄プロセス処理がS45の変動パターン設定処理に移行するように特別図柄プロセスフラグが更新され、リターンする。
S45では、変動パターン設定処理が行なわれる。変動パターン設定処理では、前述したような選択方法により、特別図柄の変動表示の変動パターンが選択されるとともに、変動表示を実行させるためのコマンドが表示制御用マイクロコンピュータ800に対して送信される。そして、変動パターンの選択等の後には、特別図柄プロセス処理がS46の特別図柄変動処理に移行するように特別図柄プロセスフラグが更新され、リターンする。
S46では、特別図柄変動処理が行なわれる。特別図柄変動処理では、変動表示の開始時から変動パターンごとに定められた変動時間の経過を待ち、変動時間が経過すると、特別図柄プロセス処理がS47の特別図柄停止処理に移行するように特別図柄プロセスフラグが更新され、リターンする。
S47では、特別図柄停止処理が行なわれる。特別図柄停止処理では、特別図柄の全図柄が停止表示されるように制御がされる。具体的には、全図柄停止コマンドが送信される状態が設定される。そして、停止図柄が大当り図柄の組合せとなる場合には、特別図柄プロセス処理がS48の大入賞口開放前処理に移行するように特別図柄プロセスフラグが更新され、停止図柄がはずれ図柄の組合せとなる場合には、特別図柄プロセス処理がS43の特別図柄通常処理に移行するように特別図柄プロセスフラグが更新され、リターンする。
S48では、大入賞口開放前処理が行なわれる。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御が開始される。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が開放される。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間が設定され、大当り中フラグがセットされる。そして、特別図柄プロセス処理がS49の大入賞口開放中処理に移行するように特別図柄プロセスフラグが更新され、リターンする。
S49では、大入賞口開放中処理が行なわれる。大入賞口開放中処理では、繰返し継続制御のラウンド表示をするためのコマンドを表示制御用マイクロコンピュータ800に送信する制御が行なわれるとともに、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等が行なわれる。そして、大入賞口の閉成条件が成立したら、特別図柄プロセス処理がS50の特定領域有効時間処理に移行するように特別図柄プロセスフラグが更新され、リターンする。
S50では、特定入賞領域有効時間処理が行なわれる。特定入賞領域有効時間処理では、Vカウントスイッチ22での玉の通過の有無が監視され、所定の有効時間内での大当り遊技状態の継続条件の成立を確認する処理を行なう。有効時間内で大当り遊技状態の継続条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、特別図柄プロセス処理がS48の大入賞口開放前処理に移行するように特別図柄プロセスフラグが更新され、リターンする。また、所定の有効時間内で大当り遊技状態の継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、特別図柄プロセス処理がS51の大当り終了処理に移行するように特別図柄プロセスフラグが更新され、リターンする。
S51では、大当り終了処理が行なわれる。大当り終了処理では、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御用マイクロコンピュータ800にさせるための制御が行なわれる等、大当り遊技状態を終了させるための処理が行なわれる。そして、大当り遊技状態を終了させるための処理が行なわれた後、特別図柄プロセス処理がS43の特別図柄通常処理に移行するように特別図柄プロセスフラグが更新され、リターンする。
次に、図12の特別図柄プロセス処理における停止図柄設定処理について説明する。図13は、停止図柄設定処理の処理内容を示すフローチャートである。停止図柄設定処理では、まず、S121において、大当りフラグがONであるか否かが判断される。大当りフラグは、停止図柄設定処理の前に実行される前述の特別図柄通常処理における大当り判定で大当りとする判定がされるごとにONにセットされる。S121により大当りフラグがONであると判断されたときは、S122により、前述したような大当り図柄決定用のランダムカウンタの抽出値を用いた大当り図柄の組合せ(左,中,右図柄の組合せ)の選択決定が行なわれ、後述するS129に進む。一方、S121により大当りフラグがONでないと判断されたときは、S123に進む。
S123では、リーチ判定用のランダムカウンタからカウント値を抽出(乱数抽出)する処理が行なわれる。そして、S124により、S123で抽出されたカウント値と前述のリーチ判定値とを比較して両者が一致するか否かを判断することにより、リーチはずれとするか否かが判断される。リーチはずれにすると判断されたときは、S125に進み、そうでないときはS127に進む。
S125に進んだ場合は、リーチとするか否かを示すリーチフラグがONにされる。そして、S126により、リーチ状態となった後にはずれ図柄の表示結果として停止表示するリーチはずれ図柄の組合せ(左,中,右図柄の組合せ)が選択決定され、後述するS129に進む。一方、S127に進んだ場合は、リーチフラグがOFFにされ、S128において、リーチとならないはずれ図柄の組合せ(左,中,右図柄の組合せ)が選択決定され、S129に進む。S129に進んだ場合には、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン設定処理に対応する(移行する)値に更新される。
次に、図12に示す特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理を説明する。図14は、変動パターン設定処理の処理内容を示すフローチャートである。変動パターン設定処理では、まず、S61において、大当りフラグがONであるか否かが判断される。大当りフラグがONであると判断されたときは、S62により、リーチはずれとなるときの変動パターンが選択された後、S66に進む。具体的に、S62では、前述のように、変動パターン選択用のランダムカウンタR5からカウント値を抽出し、大当り用の変動パターンテーブルを用いて、その抽出値に対応する変動パターンが選択される。
S61において、大当りフラグがONでないと判断されたときは、S63に進み、前述のリーチフラグがONであるか否かが判断される。S63によりリーチフラグがONであると判断されたときは、S64により、リーチはずれとなるときの変動パターンが選択された後、S66に進む。具体的に、S64では、前述のように、変動パターン選択用のランダムカウンタR5からカウント値を抽出し、リーチはずれ用の変動パターンテーブルを用いて、その抽出値に対応する変動パターンが選択される。
一方、S63によりリーチフラグがONでないと判断されたときは、S65により、非リーチはずれとなるときの変動パターンが選択された後、S66に進む。具体的に、S65では、前述のように、変動パターン選択用のランダムカウンタR5からカウント値を抽出し、非リーチはずれ用の変動パターンテーブルを用いて、その抽出値に対応する変動パターンが選択される。
S66では、S62、S64またはS65により選択された変動パターンが一旦停止発展演出リーチ以外の変動パターンであるか否かが判断される。S66により一旦停止発展演出リーチ以外の変動パターンではないと判断された場合は、後述するS69に進む。一方、S66により一旦停止発展演出リーチ以外の変動パターンであると判断された場合は、S67に進み、前述の停止図柄設定処理によって選択決定された停止図柄の組合せがチャンス目であるか否かが判断される。
S67によりチャンス目ではないと判断された場合は、後述するS69に進む。一方、S67によりチャンス目であると判断された場合は、S68に進み、当該チャンス目であると判断された停止図柄の組合せがチャンス目以外のはずれ図柄の組合せに変更される。具体的に、S68では、選択された停止図柄の組合せにおける中図柄を図柄の配列順序における次の図柄に変更する(+1図柄変更)ことにより、チャンス目がチャンス目以外のはずれ図柄の組合せに変更される。S68の後、S69に進む。なお、ここでは、このような図柄の変更方法として中図柄のみを変更する例を示した。しかし、これに限らず、このような図柄の変更方法としては、チャンス目がチャンス目以外のはずれ図柄の組合せ(左,中,右図柄の組合せ)を複数種類記憶したデータテーブルを設定しておき、そのデータテーブルに記憶された図柄の組合せのうちからチャンス目以外のはずれ図柄の組合せをランダムに選択するようにしてもよい。
S69に進んだ場合は、S62、S64あるいはS65で決定された変動パターンを示す表示制御コマンドである変動パターンコマンドをRAM55のバッファにセットする変動パターンコマンドの設定が行なわれる。変動パターンコマンドは、前述のように同じ変動パターンであっても大当りとする判定がされたときのコマンドと、はずれとする判定がされたときのコマンドとに分けられているので、S69では、前述のS62、S64、S65のどのステップで変動パターンが選択されたかに基づいて、大当りとする判定がされたときのコマンドと、はずれとする判定がされたときのコマンドとを使い分ける態様で変動パターンコマンドを設定する。これにより、変動パターンコマンドが、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ800へ送信される。そして、S70により、前述のS122、S126またはS128で選択決定された停止図柄の組合せ、または、そのように選択決定され、S66〜S68に基づいて変更された停止図柄の組合せを示す停止図柄コマンドをRAM55のバッファにセットする停止図柄コマンドの設定が行なわれる。これにより、停止図柄コマンドが、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ800へ送信される。
次に、S71により、選択決定された変動パターンの変動表示時間に対応する時間が変動表示タイマにセットされ、その変動表示タイマの計時をスタートする処理が行なわれる。ここで、変動表示タイマとは、変動表示の開始時からの経過時間を計時するためのタイマである。そして、S72により、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動処理に対応する(移行する)値に更新された後、リターンする。
次に、表示制御用マイクロコンピュータ800(CPU803)により実行される制御を説明する。図15は、表示制御メイン処理およびタイマ割込み処理の処理内容を示すフローチャートである。表示制御用マイクロコンピュータ800では、表示制御の進行を制御するための処理であるメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼出されて実行されることにより、各種の表示制御が行なわれる。
図15を参照して、まず、(A)に示す表示制御メイン処理のS501により、RAM領域のクリア、各種初期値の設定、表示制御の起動間隔を決めるための2msecタイマの初期設定等の各種初期化を行なうための初期化処理が行なわれる。その後、タイマ割込フラグの監視の確認を行なうループ処理に移行する。
また、(B)に示すタイマ割込み処理(2msecごとに起動される処理)においてタイマ割込が発生すると、S507によりタイマ割込フラグがセットされる。(A)に示す表示制御メイン処理においては、S502によりタイマ割込フラグがセットされているか否かが判断され、タイマ割込フラグがセットされていたら、S503により、タイマ割込フラグがクリアされ、以下のような表示制御処理が実行される。
この実施の形態では、タイマ割込は2msec毎にかかる。すなわち、表示制御処理は、2msec毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグのセットのみがなされ、具体的な表示制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
S503の後、S504により、コマンド解析処理が実行される。具体的にコマンド解析処理においては、遊技制御用マイクロコンピュータ53から送信される表示制御コマンドを受信したときに、受信したコマンドが示す情報がどのような情報であるかを確認するために、受信したコマンドが解析される。
次に、S505により、表示制御プロセス処理を行なう。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスが選択されて実行されることにより、コマンド解析処理によって解析されたコマンドが示す内容に応じた変動表示等の表示制御が行なわれる。具体的に、表示制御プロセス処理では、コマンド解析処理によって解析されたコマンドが示す変動開始の指示にしたがって特別図柄の変動表示を開始させるとともに、コマンド解析処理によって解析されたコマンドが示す変動パターンおよび停止図柄にしたがって、これから実行しようとする変動表示における特別図柄についての停止図柄および変動パターンが設定され、その設定に基づいて、特別図柄の変動表示が実行されることとなる。つまり、設定された変動パターンで変動表示が行なわれ、設定された停止図柄の組合せで表示結果が導出表示される。
表示制御プロセス処理をより具体的に説明すると、プロセスタイマ設定値と、特別図柄の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている特別図柄制御実行データとの組合せよりなる組合せデータが複数組設定されて構成されるプロセスデータが、変動パターン等に応じてROM801に複数種類記憶されている。そして、そのような複数種類のプロセスデータのうちから、表示制御コマンドにより指定された変動パターン等の変動表示内容に対応するプロセスデータが選択される。表示制御プロセス処理においては、各プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ、対応する特別図柄制御実行データに設定されている変動態様で特別図柄を変動表示させる制御が複数の組合せデータについて順次実行されていくことにより、1回分の変動表示が実行される。
次に、S506により、乱数更新処理が行なわれる。この乱数更新処理においては、前述したチャンス目選択用のランダムカウンタR7のカウント値、予告判定用のランダムカウンタR8のカウント値、および、予告パターン選択用のランダムカウンタR9のカウント値等の表示制御用マイクロコンピュータ800で更新が行なわれるランダムカウンタのカウント値を更新するための処理が行なわれる。
S506の後、S502に戻り、前述した処理が繰返し行なわれる。これにより、特別図柄の変動表示を含む変動表示装置9での変動表示が実行されるのである。また、変動表示装置9における始動入賞数の表示は、S504のコマンド解析処理において受信した始動入賞記憶数コマンドを解析し、S505の表示制御プロセス処理において始動入賞記憶数コマンドが示す始動入賞記憶数を表示することにより行なわれる。
以上のような表示制御メイン処理の実行に伴って各種のサブルーチンが実行されることにより、表示制御用マイクロコンピュータ800により、遊技制御用マイクロコンピュータ53から送信されてきた表示制御コマンドにしたがった表示制御が実行される。また、表示制御に合わせて音制御およびランプ等の発光制御が行なわれる場合には、表示制御コマンドに対応して音制御コマンドおよび発光制御コマンドが送信されることにより、音制御用マイクロコンピュータ700およびランプ制御用マイクロコンピュータ350のそれぞれにより、表示制御に合わせた音制御および発光制御が実行される。
図16は、表示制御用マイクロコンピュータ800が実行する表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてS81〜S87のいずれかの処理が行なわれる。各処理において、以下のような処理が実行される。
S81においては、変動パターンコマンド受信待ち処理が行なわれる。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグである変動パターンコマンド受信フラグがセットされたか否かが確認される。変動パターンコマンド受信フラグは、コマンド解析処理によって変動パターンを示す表示制御コマンドが受信されたことが確認されたときにセットされる。
S82においては、演出選択処理が行なわれる。演出選択処理では、一旦停止発展演出リーチの変動パターンの変動表示を実行するときに一旦停止させるチャンス目の選択決定、前述の大当り予告の判定、および、大当り予告を実行するときの予告パターンの選択決定等の表示制御用マイクロコンピュータ800で選択決定する必要がある演出を選択決定する処理が行なわれる。
S83においては、図柄変動開始処理が行なわれる。図柄変動開始処理では、特別図柄の変動を開始させる制御が行なわれる。S84においては、図柄変動中処理が行なわれる。図柄変動中処理では、変動パターンを構成する各変動状態の切り替えタイミングが制御されるとともに、変動時間の終了が監視される。また、図柄変動中処理では、最終的な表示結果の導出表示前の段階で停止させる必要がある特別図柄を停止表示させる停止制御が行なわれる。
S85においては、図柄停止待ち処理が行なわれる。図柄停止待ち処理では、変動時間の終了時に、全図柄停止コマンドが受信されていたら、特別図柄の全図柄の変動表示を停止表示する制御(最終的な表示結果を導出表示する制御)が行なわれる。S86においては、大当り表示処理が行なわれる。大当り表示処理では、変動時間の終了後、確変大当りとなった旨を示す確変大当り表示、または、非確変大当りとなった旨を示す非確変大当り表示をする制御が行なわれる。S87においては、大当り遊技中処理が行なわれる。大当り遊技中処理では、大当り遊技状態中の表示制御が行なわれる。たとえば、この大当り遊技中処理では、大入賞口開放前表示をする制御、および、大入賞口開放時表示の表示制御コマンドの受信に応じて繰返し継続制御のラウンド数を表示する制御等の表示制御が行なわれる。
次に、図16に示す表示制御プロセス処理における演出選択処理を説明する。図17は、演出選択処理の処理内容を示すフローチャートである。演出選択処理では、まず、S91により、受信した変動パターンコマンドにより一旦停止発展演出リーチの変動パターンが指示されているか否かが判断される。
S91により一旦停止発展演出リーチの変動パターンが指示されていると判断された場合は、後述するS94に進む。一方、S91により一旦停止発展演出リーチの変動パターンが指示されていないと判断された場合は、S92に進み、前述の大当り予告をするか否かが判断される。具体的に、S92では、前述の予告決定用のランダムカウンタR8のカウント値を抽出し、その抽出値に基づいて大当り予告をするか否かが判断される。このように、演出選択処理においては、S91およびS92により、一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの変動表示が行なわれないときに、前述のステップアップ予告形式の大当り予告が所定の確率で実行される。
S92により大当り予告をしないと判断された場合は、後述するS97に進む。一方、S92により大当り予告をすると判断された場合は、S93に進み、前述の予告パターン選択用のランダムカウンタR9のカウント値を抽出し、その抽出値に基づいて大当り予告の予告パターンが選択決定される。S93の後、後述するS97に進む。
また、前述のS91により一旦停止発展演出リーチの変動パターンが指示されていると判断されてS94に進む場合は、前述のような一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの変動表示が行なわれないときとは異なり、ステップアップ予告形式の大当り予告が実行されるか否かが判断されない。言い換えると、一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの変動表示が行なわれるときには、大当り予告が実行されない。本実施の形態においては、S91およびS92により大当り予告をするか否かの判定を行なう予告判定手段が構成されており、一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの変動表示が行なわれないときには、処理をS91からS92に進めることにより、大当り予告をするか否かが判定され、一方、一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの変動表示が行なわれるときには処理をS91からS92に進めないことにより、大当り予告をしない旨の判定が行なわれることとなる。
S94に進んだ場合は、受信した変動パターンコマンドに基づいて大当りとなることが示されているか否かが判断される。つまり、前述したように、変動パターンコマンドは、大当りとする判定がされたときのコマンドと、はずれとする判定がされたときのコマンドとに分けられており、変動パターンコマンドに基づいて大当りとなるか否かを示すことができる。このため、S94では、受信した変動パターンコマンドに基づいて大当りとなることが示されているか否かの判断ができる。
S94により大当りとなることが示されていると判断された場合は、S95により、大当りとする判定がされたときに対応したチャンス目がランダムに選択され、S97に進む。具体的に、S95では、前述のように、チャンス目選択用のランダムカウンタR7からカウント値を抽出し、大当り用のチャンス目選択テーブルを用いて、その抽出値に対応するチャンス目が選択される。
一方、S94により大当りとなることが示されていないと判断された場合は、S96により、はずれとする判定がされたときに対応したチャンス目がランダムに選択され、S97に進む。具体的に、S96では、前述のように、チャンス目選択用のランダムカウンタR7からカウント値を抽出し、リーチはずれ用のチャンス目選択テーブルを用いて、その抽出値に対応するチャンス目が選択される。
S97では、表示制御プロセス処理がS83の図柄変動開始処理に移行するように表示制御プロセスフラグが更新され、リターンする。
以上に示した演出選択処理においては、一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの変動表示を実行するときに、S95またはS96により、一旦停止させるチャンス目が、予め定められたチャンス目のうちからランダムに選択される。そのようなチャンス目の選択においては、表示結果が大当り図柄の組合せとなるか否かでチャンス目の選択に使用されるチャンス目選択テーブルが異なる。つまり、前述のように、大当り用およびリーチはずれ用の各チャンス目選択テーブルは、各チャンス目ごとに選択される割合が異なり、選択テーブル間でも各チャンス目が選択される割合が異なる。これにより、予め定められた各チャンス目の選択割合は、他のチャンス目の選択割合と異なり、かつ、同じチャンス目であっても表示結果が大当り図柄の組合せとなるか否かで異なる。
また、演出選択処理においては、S91〜S93により、一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの変動表示が行なわれないときに、前述のステップアップ予告形式の大当り予告が所定の確率で実行される。一方、一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの変動表示が行なわれるときには、S91での判断に基づいてS92およびS93が実行されないように制御されるので、前述のステップアップ予告形式の大当り予告が実行されないように制御される。これにより、大当り予告判定は、一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの変動表示がされるときには行なわれず、一旦停止発展演出リーチの変動パターン以外の変動パターンでの変動表示がされるときに行なわれる。
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図4に示すように、変動表示の表示結果を導出表示させる特別図柄の変動パターンとして、一旦停止発展演出リーチの変動パターンと、リーチ発展演出リーチの変動パターンとが含まれている。図7(a)に示すように、一旦停止発展演出リーチの変動パターンは、リーチ状態を形成しないはずれ図柄の組合せとしてのチャンス目を一旦導出表示する一旦停止演出をした後、特別の変動表示態様での変動表示をする特別変動演出が行なわれて表示結果を導出表示する変動表示パターンである。また、図7(b)に示すように、リーチ発展演出リーチの変動パターンは、リーチ状態を形成するリーチ図柄の組合せを導出表示するノーマル変動演出をした後、特別の変動表示態様で変動表示をする特別変動演出が行なわれて表示結果を導出表示する変動パターンである。
そして、図5の大当り信頼度で示すように、一旦停止発展演出リーチの変動パターンで変動表示が実行されたときの方が、リーチ発展演出リーチで変動表示が実行されたときよりも高確率で、変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなるように変動パターンが選択される。このため、一旦停止発展演出リーチの変動表示において、一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの変動表示においてリーチ状態を形成しないはずれ図柄の組合せを一旦導出表示するという遊技者の興趣の低下を招きやすい表示が行なわれたときでも、その後に特別の変動表示態様で変動表示が実行されると、リーチ状態を形成した後に特別の変動表示態様で変動表示が実行されるときよりも変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなる確率が高いので、大当り図柄の組合せとなるのではないかという期待感を遊技者に持たせることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。つまり、変動表示中において行なわれる一旦停止演出および特別変動演出等の演出によって、遊技者の興趣の低下を招く反作用を低減しつつ遊技者の興趣を向上させることができる。また、興趣の低下を招きやすいリーチ状態を形成しないはずれ図柄の組合せが一旦停止表示された後に特別の変動表示態様での特別変動演出が実行されるため、遊技者にはずれ図柄の組合せが変動表示の表示結果として導出表示されるのではないかと感じさせることで一旦興趣を低下させて、その反作用により特別の変動表示態様で変動表示が実行されたときの遊技者の興趣を極めて高く向上させることができる。さらに、遊技者が識別情報の変動表示中にリーチ状態を形成しない(はずれ図柄になる)とわかっても特別の変動表示態様になるのではないかという期待感を持つことができ、遊技者の興趣を低下させることを防止できる。
図6およびS95,S96に示すように、一旦停止発展演出リーチの変動パターンにおいて、一旦停止表示するチャンス目として、予め定められたはずれ図柄の組合せが一旦導出表示させられるので、どのようなはずれ図柄の組合せが導出表示されるかについて遊技者が持つ興味を増大させることができる。
図6に示すように、大当り判定の判定結果に応じて、ROM801に記憶されたチャンス目ごとに異なる割合で、一旦導出表示させるチャンス目が選択されるため、どの図柄の組合せが一旦導出表示されるかについて遊技者が持つ興味をより一層増大させることができる。
S66〜S68に示されるように、選択された変動パターンが一旦停止発展演出リーチの変動パターン以外の変動パターンであり、かつ、選択された停止図柄の組合せが一旦停止発展演出リーチの変動パターンにおいて一旦停止表示するチャンス目に該当する予め定められたはずれ図柄の組合せであるときに、当該選択されたはずれ図柄の組合せがチャンス目以外のはずれ図柄の組合せに変更される。このため、一旦停止発展演出リーチでの変動表示が行なわれないときにはチャンス目が表示結果として導出されることがないので、はずれ図柄の組合せが導出表示されたときに、一旦停止発展演出リーチでの変動表示が行なわれないにもかかわらず、一旦停止発展演出リーチの変動パターンでの変動表示が行なわれると遊技者が誤解して誤った期待感を持たないようにすることができる。
図17において、S91YでS92の予告判定用のステップが実行されないようにすることにより、一旦停止発展演出リーチが指定されたと判断されたときに、大当り予告をして大当り図柄の組合せとなることを遊技者に予想させてしまうと、一旦停止表示後の変動表示に意外性がなくなり、一旦停止発展演出リーチの変動パターンにおける一旦停止表示を含む変動表示による遊技者の興趣の盛り上げが確実に行なえない。これに対して、一旦停止発展演出リーチの変動パターンが選択されたときに、そのような予告が行なわれないようにしたことにより、第1の変動パターンでの変動表示における一旦停止表示を含む変動表示により遊技者の興趣を確実に盛り上げることができる。
次に、以上に説明した本実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態においては、大当り予告として、ステップアップ予告形式の予告を説明した。しかし、これに限らず、ステップアップ予告形式以外の予告形式の大当り予告を採用してもよい。
(2) 前述の実施の形態においては、表示制御用マイクロコンピュータ800において、チャンス目を記憶するとともにチャンス目を選択する例を示した。しかし、これに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、チャンス目を記憶するとともにチャンス目を選択するようにしてもよい。その場合には、選択したチャンス目を示す表示制御コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ800に送信し、その表示制御コマンドに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータ800がチャンス目を表示する。
(3) 前述の実施の形態においては、表示制御用マイクロコンピュータ800において、大当り予告の判定および大当り予告パターンの選択をする例を示した。しかし、これに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、大当り予告の判定および大当り予告の予告パターンの選択をするようにしてもよい。その場合には、大当り予告を実行することおよび大当り予告の予告パターンを示す表示制御コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ800に送信し、その表示制御コマンドに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータ800が大当り予告を実行する。また、大当り予告の判定および大当り予告パターンの選択は、次のように、1段階の処理で同時に行なうようにしてもよい。たとえば、変動パターンとして、予告付き変動パターン(予告を行なうことが定められた変動パターン)と、変動パターン(予告を行なわないことが定められた変動パターン)とをデータテーブルに記憶しておき、このデータターブルを用いて大当り予告の判定および大当り予告パターンの選択を1段階の処理で同時に行なう(ランダムに選択)する。
(4) 前述の実施の形態においては、一旦停止発展演出リーチおよびリーチ発展演出リーチにおいて実行する特別の変動表示態様として、特別の変動態様のリーチであることを示す図形および背景の画像の濃度が徐々に薄くなっていくとともに、左,中,右の全図柄が停止表示した画像がその画像の濃度が徐々に濃くなっていくことにより出現する画像を表示する例を示した。しかし、これに限らず、特別の変動表示態様としては、前述のような画像以外の画像を表示してもよく、少なくとも、特別の変動態様のリーチであることを示すことが可能な画像を表示すればよい。
(5) 前述したチャンス目を選択するときの選択用データ(対応する抽出値)の割振りについては、図4に示した変動パターンのように、チャンス目ごとに大当り信頼度が異なるように割振るようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、一旦停止発展演出リーチとなるときには、全く大当り予告を行なわないようにする制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、一旦停止発展演出リーチとなるときには、一旦停止発展演出リーチとならないときに大当り予告をすることが選択される確率よりも低い予め定められた確率で、大当り予告をすることが選択する制御を行なうようにしてもよい。
(7) 前述の実施の形態においては、変動パターンを選択する処理と、チャンス目を選択する処理とを別に分けて行なう例を示したが、これに限らず、変動パターンとチャンス目とを1段階の処理で同時に選択するようにしてもよい。その場合には、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、チャンス目と変動パターンとを対応付けたデータを複数種類記憶したデータテーブルを設けておき、このデータテーブルを用いて遊技制御用マイクロコンピュータ53がチャンス目と変動パターンとを1段階の処理で同時に選択(ランダムに選択)する。
(8) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。