(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別図柄)の変動表示を並行して個別に行なうことが可能な複数の変動表示部(変動表示装置9a、9b)を有し、何れかの変動表示部における変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となるか否かを表示結果の表示以前に判定する事前判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、大当り判定機能、S1等)と、
該事前判定手段による判定に応じて、前記複数の変動表示部の何れかにおいて前記識別情報の変動表示を開始させてから前記変動表示の表示結果を導出表示させるまでの変動表示期間を、予め定められた複数種類の変動表示期間(図4の複数の当り変動パターンでの変動表示時間、図6のはずれ変動パターンでの変動表示時間)のうちから選択する変動表示期間選択手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S5,S9,S13,S17)と、
前記事前判定手段によって複数の変動表示部のうち第1の変動表示部にて表示結果が前記特定の表示態様となる旨の判定がされた変動表示が実行されているか否かを判定する変動中特定表示態様判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S3,S11)と、
前記変動表示が開始されてからの経過期間を計測する期間計測手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S101〜S105)と、
前記変動中特定表示態様判定手段によって前記第1の変動表示部にて表示結果が前記特定の表示態様となる旨の判定がされた特定の変動表示が実行されている旨の判定がされ、かつ、前記事前判定手段によって前記第1の変動表示部と異なる第2の変動表示部にて表示結果が前記特定の表示態様となる旨の判定がされたとき(S2Y,S3Y)、前記第1の変動表示部にて実行されている前記特定の変動表示の変動表示期間として前記変動表示期間選択手段により選択された変動表示期間(図8のT1)と、前記特定遊技状態の最大継続期間(図8のT2)とを加算した期間から前記期間計測手段により計測された経過期間を減算した期間である残期間を特定する残期間特定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S6〜S8)とを含み、
前記変動表示期間選択手段は、
前記変動中特定表示態様判定手段によって前記第1の変動表示部にて表示結果が前記特定の表示態様となる旨の判定がされた前記特定の変動表示が実行されている旨の判定がされ(S3Y)、かつ、前記事前判定手段によって前記第1の変動表示部と異なる第2の変動表示部にて表示結果が前記特定の表示態様となる旨の判定がされたとき(S1Y)、前記第2の変動表示部にて実行する変動表示における変動表示期間として、前記残期間特定手段により特定された前記第1の変動表示部における前記残期間よりも長い変動表示期間(図5参照、図8のT3)を選択し(S9、図8(b))、
遊技者が操作可能な操作手段(短縮ボタン70)と、
前記変動表示期間を短縮する短縮手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S37)と、
前記変動表示期間選択手段により前記残期間よりも長い変動表示期間が選択された変動表示の実行中において、当該変動表示の開始時から前記第1の変動表示部での変動表示の表示結果に基づく前記特定遊技状態終了時までの期間中は前記操作手段に対する操作を無効(大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示の開始時から、先に開始された変動表示に基づく大当り遊技状態の終了時まで大当り並列変動短縮非許容状態が設定されて短縮ボタン70の操作を無効)にする操作無効化手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S33N)と、
前記変動表示期間選択手段により前記残期間よりも長い変動表示期間が選択された変動表示の実行中において、前記第1の変動表示部での変動表示の表示結果に基づく前記特定遊技状態終了時から前記第2の変動表示部での変動表示終了時までは前記操作手段に対する操作を有効(先に開始された変動表示に基づく大当り遊技状態が終了した直後から大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示が終了するまでの間が、大当り並列変動短縮許容状態が設定されて短縮ボタン70の操作が有効)にする操作有効化手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S33Y,S34)とをさらに含み、
前記短縮手段は、前記変動表示期間選択手段により前記残期間よりも長い変動表示期間が選択された変動表示の実行中において、前記操作有効化手段により前記操作手段に対する操作が有効とされ(S34,S32Y)、かつ、当該操作手段が操作されたときに(S36Y)、前記第2の変動表示部での変動表示における変動表示期間を前記残期間よりも長い変動表示期間よりも短縮する(S37)。
このような構成によれば、第1の変動表示部にて表示結果が特定の表示態様となる旨の判定がされた変動表示が実行されている旨の判定がされ、かつ、第2の変動表示部にて表示結果が特定の表示態様となる旨の判定がされたときには、第1の変動表示部にて実行されている特定の変動表示の変動表示期間として選択された変動表示期間と、特定遊技状態の最大継続期間とを加算した期間から、変動表示が開始されてからの計測された経過期間を減算した期間である残期間が特定され、その残期間よりも長い変動表示期間が第2の変動表示部にて実行する変動表示における変動表示期間として選択される。これにより、表示結果がともに特定の表示態様となる変動表示が第1の変動表示部および第2の変動表示部で並行して行なわれるときに、第2の変動表示部での変動表示が、第1の変動表示部での変動表示に基づく特定遊技状態の終了後に終了することとなるので、複数の変動表示部において、表示結果を重複して特定の表示態様としない制御が行なえる。しかも、第2の変動表示部での変動表示における変動表示期間が、第1の変動表示部で実行中の変動表示における前述の残期間よりも長い変動表示期間であることにより、このような場合の第2の変動表示部での変動表示の開始時期を遅延させる必要がないので、表示結果が特定の表示態様となることが遊技者に悟られにくいようにすることができ、その結果として、遊技者の興趣の低下が生じないようにすることができる。さらに、第2の変動表示部での変動表示について、予め定められた複数種類の変動表示期間のうちから第1の変動表示部で実行中の変動表示における前述の残期間を考慮して変動表示期間が決定されるので、選択される変動表示期間についての変動表示期間の許容範囲が広くなるため、変動表示期間の選択の幅を広げることができ、変動表示による演出のバリエーションを豊富にすることができる。
このような構成によれば、複数の変動表示装置において変動表示が並行して行なわれるときに、第1の変動表示部にて表示結果が特定の表示態様となる旨の判定がされた変動表示が実行されている旨の判定がされ、かつ、第1の変動表示部と異なる第2の変動表示部にて表示結果が特定の表示態様とならない旨の判定がされたときにも、第2の変動表示部にて表示結果が特定の表示態様となる旨の判定がされたときと同様に、第2の変動表示部にて実行する変動表示における変動表示期間として残期間特定手段により特定された残期間よりも長い変動表示期間が選択される。このため、前述の残期間よりも長期間の変動表示期間が選択されるか否かで、第2の変動表示部にて実行する変動表示の表示結果が特定の表示態様となるか否かを遊技者が識別しにくくなるので、遊技者の興趣の低下が生じないようにすることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機およびスロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を並行して個別に行なうことが可能な複数の変動表示部を有し、何れかの変動表示部における変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機であればすべてに適用することが可能である。
第1実施形態
図1は、本発明に係る遊技機の一例としてのパチンコ遊技機1の正面図である。パチンコ遊技機1には、遊技領域7が形成された遊技盤6が取付けられている。遊技者が操作ノブ5を操作すると、打球供給皿3に貯留された打玉(パチンコ玉)が1個ずつ発射されて遊技領域7内に打込まれる。
遊技領域7の中央には、図柄等の各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示(可変表示、更新表示ともいう)させる変動表示部として、特別図柄(0〜9の10種類の図柄)を個別に変動表示させる複数(2つ)の変動表示装置9a(正面から見て左側に配置),9b(正面から見て右側に配置)が左右に並んで設けられている。変動表示装置9a,9bにおいては、入賞の状況に応じて、いずれか一方で変動表示が行なわれるときがあるとともに、両方で変動表示が並行して行なわれるときがある。また、変動表示装置9a,9bでは、演出用のキャラクタ画像、および、後述する始動入賞記憶画像等のその他の画像も表示される。ここで、キャラクタとは、変動表示装置9a,9bに表示される人間,動物,あるいは物等を表わす映像をいう。
なお、変動表示装置9a,9bにより変動表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。
変動表示装置9a,9bのそれぞれは、画像を表示する液晶表示器(LCD表示器)で構成された表示装置であり、特別図柄が変動表示される左,中,右変動表示部が画像上で設けられる。左,中,右変動表示部のそれぞれでスクロール等の所定の変動表示パターンで個別に変動表示される特別図柄は、左,中,右図柄と呼ばれる。
なお、変動表示装置9a,9bは、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、変動表示装置9a,9bは、画像表示式の表示装置に限らず、外周に複数種類の図柄が描かれた回転ドラムを回転駆動する回転ドラム式等のその他の機械式の変動表示装置であってもよい。
各変動表示装置9a,9bで特別図柄の変動表示が開始されるときには、左,中,右図柄の変動表示が一斉に開始される。その後、たとえば、左,右,中図柄の順に図柄が順次停止表示されていき、表示結果が導出表示される。このような変動表示の開始時から表示結果の導出表示時までの時間(期間)は、変動表示時間(変動表示期間、または、変動時間ともいう)と呼ばれる。
変動表示装置9aの左下方には、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示可能な普通図柄表示装置10が変動表示装置9aに対応して設けられている。普通図柄表示装置10は、当り図柄である○印を表示可能な当り表示器10aと、はずれ図柄である×印を表示可能なはずれ表示器10bとを含み、当り図柄とはずれ図柄とを交互に点灯表示することにより、普通図柄を変動表示する。また、変動表示装置9bの右下方には、当り表示器10aとはずれ表示器10bとを含み、前述の普通図柄表示装置10と同様の機能を有する普通図柄表示装置11が変動表示装置9bに対応して設けられている。
変動表示装置9aの下方には、変動表示装置9aでの特別図柄の変動表示を始動させる打玉を受入れ可能な始動口14aおよび左右一対の可動片を有する始動用電動役物13aが変動表示装置9aに対応して設けられている。変動表示装置9bの下方には、変動表示装置9bでの特別図柄の変動表示を始動させる打玉を受入れ可能な始動口14bおよび左右一対の可動片を有する始動用電動役物13bが変動表示装置9bに対応して設けられている。また、変動表示装置9aの左側方には、普通図柄表示装置10での普通図柄の変動表示を始動させる打玉を受入れ可能な通過口11aが変動表示装置9aに対応して設けられており、同様に、変動表示装置9bの右側方には、普通図柄表示装置11での普通図柄の変動表示を始動させる打玉を受入れ可能な通過口11bが変動表示装置9bに対応して設けられている。
通過口11aに打玉が進入すると、ゲートスイッチ12aにより打玉の通過(始動通過という)が検出され、それに応じて、乱数値となる数値データが抽出されて左側の普通図柄表示装置10の変動表示用の通過記憶データとして後述するRAM55に記憶される。また、通過口11bに打玉が進入すると、ゲートスイッチ12bにより打玉の始動通過が検出され、それに応じて、乱数値となる数値データが抽出されて右側の普通図柄表示装置11の変動表示用の通過記憶データとして後述するRAM55に記憶される。
各普通図柄表示装置用の通過記憶データの記憶個数には上限値(たとえば、4個)が設定されており、上限値に達しない状態で始動通過が検出されると対応する普通図柄の変動表示の実行条件が成立して変動表示が有効となるが、上限値に達した状態で始動通過が検出されると実行条件が成立せず始動通過が無効となる。通過記憶データに基づき各普通図柄表示装置での普通図柄の変動表示を開始させることができる開始条件(普通図柄の変動表示が実行中でないこと)が成立すると、各側の普通図柄の変動表示が開始される。これにより、各側の通過記憶データについて、データが複数記憶されたときには、それぞれのデータに基づいて各側で普通図柄の変動表示が順次実行されていく。開始条件が未成立の通過記憶データの個数は、普通図柄表示装置10についてはその下方に設けられた普通記憶表示器15aでのLEDの点灯数により表示され、普通図柄表示装置11についてはその下方に設けられた普通記憶表示器15bでのLEDの点灯数により表示される。
通過記憶データの値が所定の当り判定値と一致するときには、普通図柄の当りと判定され、当り図柄が普通図柄の表示結果として導出表示される。一方、始動記憶データの値が当り判定値と一致しないときには、普通図柄のはずれと判定され、はずれ図柄が普通図柄の表示結果として導出表示される。
始動用電動役物13aは、ソレノイド16aによって駆動される左右一対の可動片の開閉によって開閉可能である。始動用電動役物13aは、普通図柄の変動表示結果が当りとなった場合に始動口14aに打玉が進入しやすい開成状態となり、その開成状態で打玉が1つ入賞すると始動口14aに打玉が進入しにくい閉成状態に戻る。また、始動用電動役物13aは、開成状態となってから所定の開放期間が経過すれば、打玉が入賞しなくても開成状態に戻る。
また、始動用電動役物13bは、ソレノイド16bによって駆動される左右一対の可動片の開閉によって開閉可能である。始動用電動役物13bは、普通図柄の変動表示結果が当りとなった場合に始動口14bに打玉が進入しやすい開成状態となり、その開成状態で打玉が1つ入賞すると始動口14bに打玉が進入しにくい閉成状態に戻る。また、始動用電動役物13bは、開成状態となってから所定の開放期間が経過すれば、打玉が入賞しなくても開成状態に戻る。
始動口14aに打玉が進入すると、始動口スイッチ17aにより打玉(始動入賞玉)が検出され、それに応じて、乱数値となる数値データ(大当り判定用のランダムカウンタのカウント値)が抽出されて始動入賞記憶データとして、後述するRAM55の左側用始動入賞記憶領域に記憶される。また、始動口14bに打玉が進入すると、始動口スイッチ17bにより打玉(始動入賞玉)が検出され、それに応じて、乱数値となる数値データ(大当り判定用のランダムカウンタのカウント値)が抽出されて始動入賞記憶データとして、後述するRAM55の右側用始動入賞記憶領域に記憶される。始動入賞記憶データは、保留記憶データとも呼ばれる。
左側用および右側用の各始動入賞記憶データのそれぞれについては、記憶個数に上限値(4個)が設定されており、上限値に達しない状態で、対応する始動入賞が検出されると特別図柄の変動表示の実行条件が成立して対応する変動表示が有効となるが、上限値に達した状態で対応する始動入賞が検出されると実行条件が成立せずに、始動入賞が無効となる。左側用および右側用の各始動入賞記憶データに基づき特別図柄の変動表示を開始させることができる開始条件(対応する側の始動入賞記憶がある状態で、対応する変動表示装置で変動表示がされておらず、かつ対応する変動表示装置で大当り遊技状態中でもない場合)が成立すると、対応する変動表示装置において、特別図柄の変動表示が開始される。これにより、各側の始動入賞記憶データが複数記憶されたときには、それぞれのデータに基づいて、対応する変動表示装置における特別図柄の変動表示が順次実行され、始動入賞記憶データが消化されていく。開始条件が未成立の始動入賞記憶データの個数については、対応する変動表示装置において画像(始動入賞記憶画像)により表示される。
各側の始動入賞記憶データの値が所定の大当り判定値と一致するときには、対応する変動表示装置での特別図柄の変動表示結果が大当りと判定され、対応する変動表示装置において、特定の表示態様としての大当り図柄の組合せ(たとえば「777」等のゾロ目であり、以下、大当りの表示結果ともいう)が表示結果として導出表示される。一方、各側の始動入賞記憶データの値が大当り判定値と不一致のときには、対応する変動表示装置での変動表示結果がはずれと判定され、対応する変動表示装置において、はずれ図柄の組合せ(以下、はずれの表示結果ともいう)が表示結果として導出表示される。
始動用電動役物13aの下方には、打玉が入賞可能な大入賞口18aと、大入賞口18aを開閉する開閉板20aとを備えた可変入賞球装置19aが変動表示装置9aに対応して設けられている。開閉板20aの駆動は、ソレノイド21aによって行なわれる。可変入賞球装置19aにおける大入賞口18aの内部には、特定入賞領域と通常入賞領域とが設けられている。特定入賞領域に進入した打玉は、V入賞玉と呼ばれ、Vカウントスイッチ22により検出された後、カウントスイッチ23により検出される。通常入賞領域に進入した打玉は、カウントスイッチ23のみにより検出される。
また、始動用電動役物13bの下方には、打玉が入賞可能な大入賞口18bと、大入賞口18bを開閉する開閉板20bとを備えた可変入賞球装置19bが変動表示装置9bに対応して設けられている。開閉板20bの駆動は、ソレノイド21bによって行なわれる。可変入賞球装置19bにおける大入賞口18bの内部には、可変入賞球装置19aと同様に、特定入賞領域と通常入賞領域とが設けられており、特定入賞領域に進入した打玉は、Vカウントスイッチ22bにより検出された後、カウントスイッチ23bにより検出される。通常入賞領域に進入した打玉は、カウントスイッチ23bのみにより検出される。
変動表示装置9aでの特別図柄の変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなると、大当り遊技状態に制御され、対応する開閉板20aが、遊技者に不利な第2の状態である閉状態から遊技者に有利な第1の状態である開状態に制御される。また、変動表示装置9bでの特別図柄の変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなると、大当り遊技状態に制御され、対応する開閉板20bが、遊技者に不利な第2の状態である閉状態から遊技者に有利な第1の状態である開状態に制御される。大当り遊技状態においては、このような開閉板が動作されるとともに、大当り遊技状態の進行状況を示すために、対応する変動表示装置において大当り遊技状態時表示が行なわれる。このような大当り遊技状態については、後述するように、変動表示装置9aおよび可変入賞球装置19aの側と、変動表示装置9bおよび可変入賞球装置19bの側との両方で同時に発生しないようにする制御が行なわれる。
次に、変動表示装置9aおよび可変入賞球装置19aの側を代表例として、大当り遊技状態の制御状態を説明する。大当り遊技状態の可変入賞球装置19aにおいて、大入賞口18aが開口した第1の状態で、大入賞口18aに進入した打玉の数が所定個数(たとえば10個)に達したとき、または所定期間(たとえば30秒間)経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときには、第1の状態が一旦終了して開閉板20aが閉成し、第2の状態に制御される。そして、可変入賞球装置19aが第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に入賞し、Vカウントスイッチ22aにより検出されたことを条件として、その回における可変入賞球装置19aの第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板20aが開成されて、可変入賞球装置19aを第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19aが第1の状態にされている状態はラウンドと呼ばれる。このような大当り遊技状態で行なわれる制御は、変動表示装置9aおよび可変入賞球装置19aの側でも同様に行なわれる。変動表示装置9aおよび可変入賞球装置19aの側で行なわれる大当り遊技状態での制御については、重複した説明を行なわない。
また、変動表示装置9a,9bの何れかにおいて、特別図柄の変動表示結果が特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)のうちの予め定められた特別の表示態様(たとえば、奇数のゾロ目。以下、確変大当り図柄の組合せともいう)となると、大当り遊技状態の終了後において、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態としての確率変動状態(以下、確変状態という)に制御される。確変状態は、確率向上状態ともいい、大当りとなる確率が変動して通常遊技状態(大当り遊技状態および確変状態以外の遊技状態)よりも高くなった状態である。確変状態は、次回の大当りが発生するまで継続される。確変大当り図柄による大当りは確変大当りと呼ばれ、確変大当り図柄以外の非確変大当り図柄による大当りは非確変大当りと呼ばれる。確変状態は、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ53の確率変動制御機能により実現される。
また、各変動表示装置での特別図柄の変動表示中においては、左図柄と右図柄とが同じ図柄に揃ったリーチ状態(リーチ態様、リーチ表示態様ともいう)が発生する場合がある。ここで、リーチとは、複数の表示領域(変動表示領域、変動表示部)における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定表示結果の組合せ(大当り図柄の組合せ)となる条件を満たしている表示状態をいう。また、リーチとして定義されるもののうちには、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組合せを保持した状態で変動表示を行なっている所謂全回転リーチも含まれる。
また、各変動表示装置での特別図柄の変動表示中においては、表示結果が大当り図柄の組合せとなるときに、特別図柄を非確変大当り図柄の組合せまたは確変大当り図柄の組合せで一旦仮に停止(たとえば、図柄が更新されていない状態で揺動している状態等であり、以下、仮停止という)させた後、特別図柄が再度変動表示され、その後、表示結果として、最終的に確定した非確変大当り図柄の組合せまたは確変大当り図柄の組合せを導出表示する再変動表示が行なわれる。この再変動表示においては、表示結果が大当り図柄の組合せとなるときに、確変大当り図柄となるか非確変大当り図柄となるかという楽しみを遊技者に与えることができる。
以上のように、このパチンコ遊技機1においては、変動表示装置9aの側の変動表示と、変動表示装置9bの側の変動表示とで、通過記憶データ、普通図柄の変動表示、および、始動入賞記憶データが別個に管理され、各変動表示装置で、別個に特別図柄の変動表示が行なわれる。そして、大当り遊技状態についても、変動表示装置9aに対応する可変入賞球装置19aと、変動表示装置9bに対応する可変入賞球装置19bとを、対応する各変動表示装置での変動表示の表示結果に基づいて別個に動作させる制御が行なわれる。これにより、特別図柄の変動表示は、2つの変動表示装置9a,9bの何れか一方のみで行なわれる場合と、2つの変動表示装置9a,9bの両方で並列的に行なわれる場合とがある。ただし、大当り図柄の表示結果を2つの変動表示装置9a,9bで同時に表示すること、および、大当り遊技状態の制御を2つの可変入賞球装置19a,19bで同時することがそれぞれ生じなくする制御が行なわれる。
また、遊技領域7には、一般入賞口である入賞口24および装飾ランプ25等の他の構造物も設けられている。遊技領域7の下端部には、どの入賞口にも入賞しなかった打玉をアウト玉として回収するアウト口26が設けられている。遊技領域7の外周には遊技効果LED42等の各種ランプが設けられている。遊技領域7の上部の左右には効果音等の音を発生するスピーカ41,41が設けられている。
打球供給皿3の左側には、遊技者が操作可能な短縮ボタン70が設けられている。変動表示装置9a,9bでの特別図柄の変動表示中に遊技者が短縮ボタン70を押圧操作すれば、その操作が短縮ボタン70の構造物の内部に設けられた短縮ボタンスイッチ(図2参照)により検出され、その検出に基づいて、実行されている特別図柄の変動表示の変動表示時間を短縮する(具体的には、短縮ボタン70の押圧操作に応じて変動表示が直ちに停止し表示結果が導出される)短縮制御が行なわれる。つまり、短縮ボタン70が操作される(操作が検出される)と、操作されない(操作が検出されない)ときよりも変動表示時間が短縮される。短縮ボタン70は、常に操作が有効(操作に応じて変動表示時間が短縮されること)になるわけではなく、特別図柄の変動パターンに応じて、操作の有効期間が定められている。変動表示装置9a,9bのどちらか一方のみで変動表示が実行されている場合には、その変動表示が短縮ボタン70の操作に応じて短縮される。また、変動表示装置9a,9bの両方で変動表示が実行されている場合には、後から実行を開始した変動表示が短縮ボタン70の操作に応じて短縮される。なお、変動表示装置9a,9bの両方で変動表示が実行されている場合においては、先に実行を開始した変動表示が短縮ボタン70の操作に応じて短縮されるようにしてもよい。
図2は、パチンコ遊技機1における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。図2には、制御基板として、遊技制御基板(主基板ともいう)31、賞球制御基板37、音制御基板70、ランプ制御基板35、発射制御基板91および表示制御基板80が示されている。
遊技制御基板31、表示制御基板80、賞球制御基板37、音制御基板70、ランプ制御基板35、および、発射制御基板91のそれぞれには、制御用のマイクロコンピュータ等が搭載されている。具体的に、遊技制御基板31には遊技制御用マイクロコンピュータ53が設けられている。表示制御基板80には表示制御用マイクロコンピュータ81が設けられている。賞球制御基板37には賞球制御用マイクロコンピュータ370が設けられている。音制御基板70には音制御用マイクロコンピュータ700が設けられている。ランプ制御基板35にはランプ制御用マイクロコンピュータ350が設けられている。発射制御基板91には発射制御用マイクロコンピュータ910が設けられている。
各制御基板に設けられた制御用のマイクロコンピュータには、たとえば、制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM、制御用プログラムに従って制御動作を行なう演算制御手段としてのCPUおよび入出力手段としてのI/Oポート等の構成要素が含まれている。これらROM、RAM、CPU、および、I/Oポートは、一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ53について図示する。
賞球制御基板37では、球払出装置97およびカードユニット50が接続され、これらが賞球制御用マイクロコンピュータ370により制御される。音制御基板70では、スピーカ41,41が接続され、スピーカ41,41から出力される音が音制御用マイクロコンピュータ700により制御される。ランプ制御基板35では、遊技効果LED42、賞球ランプ43、玉切れランプ44、普通図柄表示装置10(10a,10b)、普通図柄表示装置11(11a,11b)、通過記憶表示器15a、および、通過記憶表示器15bが接続され、これらがランプ制御用マイクロコンピュータ350により制御される。発射制御基板91では、操作ノブ(打球操作ハンドル)5と打球ハンマー(図示省略)を駆動する駆動モータ98とが接続され、これらが発射制御用マイクロコンピュータ910により制御される。駆動モータ98の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。表示制御基板80では、2つの変動表示装置9a,9bが接続され、これらが表示制御用マイクロコンピュータ81により制御される。
遊技制御基板31には、遊技制御用のプログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53、スイッチ回路58、ソレノイド回路59、ランプ・LED回路60、情報出力回路64、初期リセット回路65、および、アドレスデコード回路67が設けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、遊技制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56、および、I/O回路57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、CPU56が、ROM54に記憶されている遊技制御用プログラムを読出し、タイマ割込みにしたがって、遊技制御用プログラムを定期的(たとえば2msec毎)に先頭から繰返し実行することにより、前述したような遊技制御を含む各種の遊技制御を実行する。
スイッチ回路58は、接続されている各種スイッチからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える回路である。スイッチ回路58には、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞球検出スイッチ99、および、短縮ボタンスイッチ32等が接続される。
ソレノイド回路59は、始動用電動役物13aの可動片を動作させるソレノイド16a、始動用電動役物13bの可動片を動作させるソレノイド16b、可変入賞球装置19aの開閉板20aを開閉するソレノイド21a、および、可変入賞球装置19bの開閉板20bを開閉するソレノイド21bのそれぞれを遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する回路である。
ランプ・LED回路60は、遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って、装飾ランプ25の点灯および滅灯を制御する回路である。
情報出力回路64は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、確変大当りが発生し確率向上状態となっていることを示す確変情報、大当りが発生し特定遊技状態となっていることを示す大当り情報、および始動入賞のうち変動表示装置9の変動表示に有効に使用される始動入賞の発生を示す始動入賞情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する回路である。
初期リセット回路65は、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ53をリセットする回路である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、初期リセット回路65から送られてきた初期リセットパルスに応答してパチンコ遊技機1の状態を初期化する。
アドレスデコード回路67は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/O回路57が接続されたI/Oポートのうちのいずれかのポートを選択するための信号を出力する回路である。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御基板31に接続された各種スイッチ(検出器)からの信号を受け、前述したような遊技が行なえるように、接続された制御対象の各種機器を駆動する制御を行なう。
また、前述したような遊技を行なうために、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81、賞球制御用マイクロコンピュータ370、音制御用マイクロコンピュータ700、および、ランプ制御用マイクロコンピュータ350のそれぞれには、各制御用マイクロコンピュータが実行する制御内容を指令(指示、指定)する制御指令情報の一例となるコマンド(制御コマンド)がそれぞれ送信される。
具体的に、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81には、表示制御用マイクロコンピュータ81により制御が行なわれる表示制御基板80に接続された機器を制御するための指令情報である表示制御コマンド等の情報が送信される。表示制御用マイクロコンピュータ81は、受信した表示制御コマンドに基づいて、変動表示装置9を動作させて特別図柄の変動表示をさせる制御を行なう。また、表示制御用マイクロコンピュータ81は、受信した表示制御コマンドに基づいて、始動入賞記憶数を変動表示装置9に表示させる制御を行なう。
表示制御コマンドの送信は、たとえば、次のように行なわれる。まず、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動表示の実行にあたり、変動表示結果を大当りとするか否かを指定する当りはずれ指定コマンドを送信する。当りはずれ指定コマンドには、たとえば、はずれにすることを指定するはずれ指定コマンド、および、大当りにすることを指定する大当り指定コマンドが含まれる。大当りとする判定がされたときには大当り指定コマンドが当りはずれコマンドとして出力され、はずれとする判定がされたときにははずれ指定コマンドが当りはずれコマンドとして出力される。次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動表示の実行にあたり、現在の始動入賞記憶数を示す保留記憶コマンドを送信する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動態様としての変動パターン(変動表示時間が予め定められた変動パターン)を指定する変動パターンコマンドを送信する。この変動パターンコマンドは、変動表示の開始を指示するためのコマンドでもある。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動パターンコマンドの送信に引続き、左,中,右特別図柄の予定停止図柄を指定する3つの停止図柄コマンドを送信する。変動パターンコマンドに応じて特別図柄の変動表示が開始されてから変動パターンコマンドにより指定した変動表示時間が経過した時に、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動表示の停止を指示するための全図柄停止コマンドを送信する。
このような変動表示に関する表示制御コマンドのうち、当りはずれ指定コマンドおよび保留記憶コマンドは特別図柄の変動表示が開始される前に送信され、変動パターンコマンドは特別図柄の変動表示の開始時に送信され、3つの停止図柄コマンドは特別図柄の変動表示の開始後に送信され、全図柄停止コマンドは特別図柄の変動表示の終了時に送信される。また、前述したような変動時間の短縮制御が行なわれるときには、変動パターンコマンドにより指定された変動表示時間の経過前(たとえば、短縮ボタン70が操作された直後)に全図柄停止コマンドが送信される。
そして、特別図柄の変動表示の結果として大当りとなった場合、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種コマンドを送信する制御が行なわれる。
このような表示制御コマンドの各コマンドにおいては、表示制御用マイクロコンピュータ81が2つの変動表示装置9a,9bを制御するため、どちらの変動表示装置での表示を指令するコマンドなのかを示す必要がある。このため、表示制御コマンドの各コマンドにおいては、どちらの変動表示装置での表示を指令するのかを示す情報も含まれる。表示制御用マイクロコンピュータ81では、前述したような各種表示制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される変動表示装置において、そのコマンドにより指定される表示制御を実行する制御を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ53から音制御用マイクロコンピュータ700には、スピーカ41,41から出力させる効果音等の音を制御するための指令情報である音制御コマンド等の情報が送信される。音制御用マイクロコンピュータ700では、受信した音制御コマンドに基づいて所定の効果音をスピーカ41,41から出力させる制御が行なわれる。
遊技制御用マイクロコンピュータ53からランプ制御用マイクロコンピュータ350には、ランプ制御用マイクロコンピュータ350により制御が行なわれるランプ制御基板35に接続された機器を制御するための指令情報であるランプ制御コマンド等の情報が送信される。ランプ制御用マイクロコンピュータ350では、受信したランプ制御コマンドに基づいて、ランプおよびLED等の各種発光体の発光制御が行なわれる。
遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球制御用マイクロコンピュータ370に送信される情報には、賞球の払出制御に関する指令情報としてのコマンドと、貸玉の払出制御に関する指令情報としてのコマンド(たとえば、玉貸し禁止コマンド、玉貸し禁止解除コマンド等)とが含まれる。賞球制御用マイクロコンピュータ370では、受信したコマンドに基づいて球払出装置97を制御して、所定個数の賞球または貸玉を払出すための制御が行なわれる。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、入賞球検出スイッチ99の検出信号と始動口スイッチ17の検出信号、Vカウントスイッチ22の検出信号、カウントスイッチ23の検出信号に基づいて所定個数の景品玉を払出すための賞球コマンド(賞球信号ともいう)を賞球制御用マイクロコンピュータ370に送信する。賞球制御用マイクロコンピュータ370では、その出力されてきた賞球信号に基づいて球払出装置97を制御して所定個数の景品玉を払出すための制御を行なう。
遊技制御基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ53)から各制御基板へ送信される情報には、前述したような制御の指令内容を示すコマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、このような2バイトのデータを、INT信号により取込みタイミングを示しつつ指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
なお、図2においては、表示制御機能と音制御機能とランプ制御機能とをそれぞれ別のマイクロコンピュータに含ませる例を示した。しかし、これに限らず、表示制御機能、ランプ制御機能、および、音制御機能のすべてを1つのマイクロコンピュータの機能に含ませ、その1つのマイクロコンピュータが前述したような表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を統括的に行なうようにしてもよい。
次に、この実施の形態に示されたパチンコ遊技機における大当りとするかはずれとするかの決定(大当り判定ともいう)、リーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)、特別図柄の変動表示における変動パターンの決定、および、特別図柄の予定停止図柄の決定等の制御内容の決定について、決定のための処理手順を簡単に説明する。
大当りとするかはずれとするかの判定は、大当り判定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当りを発生させるか否かをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのものであり、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント値は、所定周期(2msecごと)で1ずつ加算されることとなる。始動口スイッチ17により始動入賞が検出されると、それに応じてこのランダムカウンタのカウント値が抽出されて始動入賞記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が、予め定められた大当り判定値と一致するか否かの判断がなされる。抽出された大当り判定用のランダムカウンタの値と大当り判定値とが一致した場合は、大当りを発生させることが決定され、大当り遊技状態の制御が行なわれる。確率変動状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確率変動状態においては、大当り判定値が複数の数値に設定されることにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が向上するのである。このような大当り判定は、2つの変動表示装置9a,9bのそれぞれの変動表示について行なわれる。
次に、大当りを発生させることが決定された場合において前述した確率変動状態に制御するか否かの判定(以下、確変判定という)が、確変判定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当り判定において大当りとする判定がされた場合に確変状態を発生させるか否かをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのものであって、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。大当り判定後の所定のタイミングで確変判定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値が予め定められた確変判定値と一致する場合に、確変状態とすることが決定される。このような確変判定は、2つの変動表示装置9a,9bのそれぞれの変動表示について行なわれる。
次に、変動表示がはずれとなる場合においてリーチ状態とするか否かの判定(リーチ判定ともいう)は、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当り判定においてはずれとする判定がされた場合にリーチ状態を発生させるか否かをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのものであって、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングでリーチ判定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値が予め定められたリーチ判定値と一致する場合に、リーチ状態とすることが決定される。一方、大当り判定において大当りとする決定がされた場合には、リーチ判定用のランダムカウンタを用いた判定は行なわれず、すべての場合にリーチ状態となる。このようなリーチ判定は、2つの変動表示装置9a,9bのそれぞれの変動表示について行なわれる。
また、特別図柄の変動表示においてリーチ状態となる決定がされた場合(大当りとする決定が行なわれた場合と、はずれとする決定が行なわれた場合との両方を含む)においては、リーチ状態の変動パターンが複数種類の変動パターンのうちから選択的に決定(ランダムに決定)される。このような変動パターンの決定は、変動パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、リーチ状態の変動パターンをランダムに決定するために用いる乱数値を発生させるためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで変動パターン決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値が、複数種類予め定められた変動パターン決定値のうちの一致するものに対応する変動パターンとすることが決定される。このような変動パターンの決定は、2つの変動表示装置9a,9bのそれぞれの変動表示について行なわれる。
また、特別図柄の変動表示における停止図柄の決定は、左,中,右の各図柄に対応する3つの停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれのカウント値を用いて行なわれる。この各ランダムカウンタは、対応する特別図柄の停止図柄をランダムに決定するために用いる乱数値を発生させるためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。左,中,右の各図柄として表示される複数種類の特別図柄には、左,中,右の特別図柄ごとに図柄の配列順序が予め定められている。複数種類の特別図柄は、図柄の配列順序に従って変動(可変,更新)表示されていく。このような複数種類の停止図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、はずれとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで各ランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。なお、はずれとする決定がされた場合において、このようなカウンタの抽出値に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(修正)して各停止図柄が決定される。
また、大当りとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで左特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。ただし、前述した確変判定により確変状態とする決定がされた場合には、確変図柄のうちから大当り図柄がランダムに決定され、一方、確変判定により非確変状態とする決定がされた場合には、非確変図柄のうちから大当り図柄がランダムに決定される。
また、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで各特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値のうち、左特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,右の各停止図柄として決定されるとともに、中特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。なお、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合において、中特別図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に対応する停止図柄が偶然左,右図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように中図柄の停止図柄が別の図柄に補正(修正)されて決定される。これにより、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合には、左,右の停止図柄が一致したはずれ図柄となるように停止図柄が決定される。
以上のような停止図柄の決定は、2つの変動表示装置9a,9bのそれぞれの変動表示について行なわれる。
以上に示したような大当り判定機能、確変判定機能、リーチ判定機能、変動パターン決定機能、および、停止図柄決定機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御機能により実現される。遊技制御用マイクロコンピュータ53では、2つの変動表示装置9a,9bのそれぞれについて、大当り判定、確変判定、リーチ判定、変動パターン決定、および、停止図柄決定を実行するとともに大当り制御を実行する等、2つの変動表示装置での変動表示と、それらの変動表示に基づく遊技とを統括的に管理して制御する。
図3は、変動表示装置9a,9bの表示制御をするための表示制御基板80内の回路構成を示すブロック図である。変動表示装置9a,9bのそれぞれは、LCD表示装置により構成される。
遊技制御基板31には、パチンコ遊技機1の遊技制御を行なう遊技制御用マイクロコンピュータ53が設けられている。遊技制御基板31においては、遊技制御用マイクロコンピュータ53から出力バッファ63(前述のI/O回路に含まれるバッファ回路)を介して、変動表示装置9a,9bの表示制御に関する指令情報としての表示制御用のコマンド(コマンドデータ)等の情報が出力される。この表示制御用のコマンドは表示制御基板80へ伝送される。表示制御基板80では、表示制御用のコマンドの指令内容にしたがって変動表示装置9a,9bにおける表示制御を行なう。
表示制御用マイクロコンピュータ81に含まれる表示制御用CPU800は、RAM101aを内蔵しており、制御データROM102に格納された表示制御用のプログラムに従って動作し、遊技制御基板31から入力バッファ回路105における入力バッファ105aを介してINT信号(ストローブ信号、割込信号ともいう)が入力されると表示制御用CPU800が割込動作状態となって表示制御用のコマンドデータを取込む。そして、取込んだ表示制御コマンドデータに従って、変動表示装置9a,9bに表示される画像の表示制御を行なう。制御データROM102には、変動表示パターン(変動表示の変動パターン)に関するデータ等が複数種類記憶されている。このようなRAM101aを内蔵した表示制御用CPU800、および、制御データROM102により、表示制御用マイクロコンピュータ81が構成されている。
具体的には、表示制御用CPU800は、表示制御コマンドデータに応じた指令をVDP(Video Display Processor )103,113に与える。VDP103,113は、キャラクタROM86,96から必要なデータを読出す。そして、VDP103,113は、入力したデータに従って変動表示装置9a,9bに表示するための画像データを生成し、その画像データをVRAM(Video Random Access Memory)84,VRAM94に格納する。そして、VRAM84,94内の画像データは、R(赤),G(緑),B(青)信号(RGB信号)に変換され、D/A変換回路104,D/A変換回路114でアナログ信号に変換されて変動表示装置9a,9bに出力される。
なお、図3には、VDP103,113をリセットするためのリセット回路83,93、VDP103,113のそれぞれに動作クロックを与えるための発振回路85,95、画像データを格納するキャラクタROM86,96、および、表示制御コマンドデータを入力する入力バッファ回路105も示されている。キャラクタROM86,96に格納される画像データとは、たとえば、変動表示装置9a,9bに表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。なお、この例では、2つの変動表示装置9a,9bに表示するためのVDPとして、変動表示装置に1対1の対応関係で2つのVDPを設けた例を示したが、これに限らず、2つの変動表示装置9a,9bに表示するためのVDPとして、変動表示装置に2対1の対応関係で1つのVDPを設け、その1つのVDPによりこの例と同様の表示を行なうようにしてもよい。そのような場合に、1つのVDPに対応して、VRAMおよびキャラクタROMを1つずつ設けてもよく、VRAMおよびキャラクタROMをそれぞれ2つずつこの例のように設けてもよい。
表示制御用CPU800は、遊技制御基板31から表示制御コマンドを受信すると、受信したコマンドに応じて、各変動パターン(遊技演出パターン)において予め決められている背景やキャラクタを画面上で表示する制御を行なう。
また、表示制御基板80側において表示制御コマンドが入力される入力バッファ回路105は、遊技制御基板31から表示制御基板80へ向かう方向にのみ信号の伝送を許容するがその逆に向かう信号の伝送を行なわない半導体チップよりなる入力バッファチップ105aを含む不可逆性入力手段である。このような構成によれば、表示制御基板80から遊技制御基板31に信号が与えられる可能性を確実になくすことができる。従って、表示制御基板80側から遊技制御基板31側に信号が伝わる余地はなく、表示制御コマンドの伝送経路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31側に伝わることはない。このため、遊技制御基板31と表示制御基板80との間の信号の一方向通信が担保され、表示制御コマンドの伝送経路を介して遊技制御基板31に不正な信号(データ)を入力させて不正な制御動作を行なわせる不正行為を確実に防ぐことができる。
また、遊技制御基板31側において表示制御コマンドが出力される出力バッファ回路63も同様に、遊技制御基板31から表示制御基板80へ向かう方向にのみ信号の伝送を許容するがその逆に向かう信号の伝送を行なわない不可逆性を有する出力インタフェースである。従って、表示制御基板80側から遊技制御基板31側に信号が伝わる余地はなく、表示制御コマンドの伝送経路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31側に伝わることはない。
次に、2つの変動表示装置9a,9bの変動表示について選択される変動パターンを説明する。図4は、変動表示結果を大当り図柄の組合せとする決定(以下大当り決定という)がされたときに用いられる変動パターン(以下、当り変動パターンという)決定用のランダムカウンタの抽出値と、その抽出値に対応して選択される変動パターンとの関係を表形式で示す図である。
図4を参照して、複数種類の当り変動パターンA〜Nのそれぞれについては、0〜199というランダムカウンタの計数範囲のうち、選択される抽出値が対応付けられる。当り変動パターンA〜Nのうち、当り変動パターンA〜Dは、基本的な当り変動パターンとして定められた変動パターンである。変動表示の開始条件が成立した一方の変動表示装置についての開始条件成立時において、他方の変動表示装置で先に変動表示が開始されている変動表示装置の表示結果がはずれ図柄の組合せとなる変動表示(以下、はずれ変動表示という)の実行中である場合、他方の変動表示装置で先に開始される変動表示が実行されていない場合、または、他方の変動表示装置で大当り遊技状態が実行中でない場合には、当り変動パターンA〜Dのうちのいずれかが選択されるようにランダムカウンタの抽出値が設定されている。
また、当り変動パターンA〜Nのうち、当り変動パターンE〜Nは、2つの変動表示装置9a,9bにおいて表示結果としての大当り図柄の同時表示および大当り遊技状態の同時制御が行なわれないようにする制御である重複大当り回避制御を実行するために用いられる当り変動パターンとして定められた変動パターンである。また、当り変動パターンE〜Nに加えて、当り変動パターンA〜Dも、重複大当り回避制御を実行するために用いられる当り変動パターンとして定められている。つまり、当り変動パターンA〜Dは、基本的な当り変動パターンおよび重複大当り回避制御を実行するために用いられる当り変動パターンの両方に兼用される当り変動パターンとして定められている。
変動表示の開始条件が成立した一方の変動表示装置についての開始条件成立時において、他方の変動表示装置で先に変動表示が開始されている変動表示装置の表示結果が大当り図柄の組合せとなる変動表示(以下、大当り変動表示という)の実行中である場合、または、他方の変動表示装置で大当り遊技状態が実行中である場合は、重複大当り回避制御の実行条件が成立し、当り変動パターンA〜Nと、変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値との関係が可変設定される。ここで、可変設定とは、対応する抽出値が変わり得る設定である。当り変動パターンA〜Nは、後述するように、遊技の状況(後述するような制御の残時間)に応じて選択可能な変動パターンの種類の範囲が変化する。
重複大当り回避制御は、前記他方の変動表示装置で開始された大当り変動表示の実行中であること、または、前記他方の変動表示装置での変動表示結果に基づいく大当り遊技状態が実行中であることを条件として実行される。このため、重複大当り回避制御の実行条件が成立したときに、当り変動パターンA〜Nのそれぞれは、当該当り変動パターンの変動表示時間が、当該他方の変動表示装置での実行中の変動パターン、または、当該他方の変動表示装置での実行中の大当り遊技状態の契機となった変動表示の変動パターンについての変動表示時間(たとえば、30秒)に、前述の大当り遊技状態の継続期間が最大(最長)となる時間(480秒であり、繰返し継続制御が最終ラウンドまで実行されるときの大当り遊技状態の開始時から終了時までの継続時間)を加算した時間(たとえば、510秒)である大当り決定時合計制御時間の最長時間についての残時間(変動表示の開始時からの時間経過により残った時間)よりも長い場合に、選択可能な変動パターンとして認識され、対応する抽出値が設定される。
このように、大当り決定時合計制御時間の最長時間の残時間よりも長い当り変動パターンが設定された場合には、その変動パターンでの変動表示が、必ず、前述の他方の変動表示装置での大当り遊技状態が終了した後に終了することとなるので、重複大当り回避制御が実現できる。
このように、当り変動パターンA〜Nは、基本的な変動パターンとしての当り変動パターンA〜Dを含む複数種類の変動パターンから構成されている。また、このような変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値と、それぞれの抽出値に対応して選択される当り変動パターンの種類との関係を示す当り変動パターン決定用データ(データテーブル)は、ROM54に格納されており、読出されて当り変動パターン決定のために用いられる。
次に、当り変動パターンA〜Nと変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値との対応関係が可変設定されるときの具体例を説明する。図5は、当り変動パターンA〜Nと変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値との対応関係が可変設定されるときの具体例を表形式で示す図である。
図5においては、大当り決定時合計制御時間の最長時間についての残時間が320秒のときに実行される変動表示の変動パターンが決定されるときの当り変動パターンA〜Nと変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値との対応関係が(a)に示され、当該残時間が390秒のときに実行される変動表示の変動パターンが決定されるときの当該対応関係が(b)に示されている。
(a)に示すように、残時間が320秒のときには、変動表示時間が残時間としての320秒よりも長時間である当り変動パターンJ〜Nのみが選択対象となり、選択対象の当り変動パターンJ〜Nのそれぞれに変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値が割振られたデータテーブルが変動パターンの決定のために使用される。また、(b)に示すように、残時間が390秒のときには、変動表示時間が残時間としての390秒よりも長時間である当り変動パターンK〜Nのみが選択対象となり、選択対象の当り変動パターンK〜Nのそれぞれに変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値が割振られたデータテーブルが変動パターンの決定のために使用される。
遊技制御用マイクロコンピュータ53のROM54においては、前述したような基本的な大当り変動パターンのみを選択するために基本的な大当り変動パターンA〜Dと変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値との関係のみが示されたデータテーブルが記憶されているとともに、前述のような変動表示時間の長さに基づいた変動パターンの組合せ(たとえば、変動表示時間が30秒以上の変動パターンの組合せは当り変動パターンD〜Nであり、変動表示時間が300秒以上の変動パターンの組合せ変動パターンの組合せは当り変動パターンI〜Nである)ごとに選択対象の変動パターンと変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値との関係が示された複数のデータテーブル(たとえば、変動表示時間が30秒以上の当り変動パターンD〜Nのみにランダムカウンタの抽出値が割振られたデータテーブル、変動表示時間が300秒以上の当り変動パターンI〜Nのみにランダムカウンタの抽出値が割振られたデータテーブル等のすべての組合せ種類に対応する複数のデータテーブル)が記憶されている。たとえば、重複大当り回避制御の実行条件が成立したときには、このように記憶された複数のデータテーブルのうちから、前述の残時間よりも長時間の当り変動パターンのみを選択対象としたデータテーブルが選択されて読出され、当り変動パターンの決定のために用いられる。
図6は、変動表示結果をはずれ図柄の組合せとする決定(以下はずれ決定という)がされたときに用いられる変動パターン(以下、はずれ変動パターンという)決定用のランダムカウンタの抽出値と、その抽出値に対応して選択される変動パターンとの関係を表形式で示す図である。
図6を参照して、複数種類のはずれ変動パターンA〜Nのそれぞれについては、0〜199というランダムカウンタの計数範囲のうち、選択される抽出値が対応付けられる。はずれ変動パターンA〜Nは、前述のはずれ変動パターンA〜Nとそれぞれ変動表示の演出が似ているというような所定の対応関係にある変動パターンである。変動表示の演出が似ている変動パターンが大当りの場合とはずれの場合との両方に設けられていることにより、変動表示を見る遊技者に変動表示時間の長さを含む変動パターンから表示結果が遊技者に悟られてしまわないように変動パターンが設定されている。
はずれ変動パターンA〜Nのうち、はずれ変動パターンA〜Dは、基本的なはずれ変動パターンとして定められた変動パターンである。変動表示の開始条件が成立した一方の変動表示装置についての開始条件成立時において、他方の変動表示装置で先に変動表示が開始されている変動表示装置の表示結果がはずれ図柄の組合せとなる変動表示(以下、はずれ変動表示という)の実行中である場合、他方の変動表示装置で先に開始される変動表示が実行されていない場合、または、他方の変動表示装置で大当り遊技状態が実行中でない場合には、はずれ変動パターンA〜Dのいずれかが選択されるようにランダムカウンタの抽出値が設定されている。
また、はずれ変動パターンA〜Nのうち、はずれ変動パターンE〜Nは、前述の重複大当り回避制御を実行するために用いられる当り変動パターンE〜Nに対応して定められた変動パターンであり、変動表示の開始条件が成立した一方の変動表示装置についての開始条件成立時において、他方の変動表示装置で先に変動表示が開始されている変動表示装置の表示結果が大当り図柄の組合せとなる変動表示の実行中である場合、または、他方の変動表示装置で大当り遊技状態が実行中である場合にのみ選択される。また、当り変動パターンA〜Dも、はずれ変動パターンE〜Nと同様に用いられる。
変動表示の開始条件が成立した一方の変動表示装置についての開始条件成立時において、他方の変動表示装置で先に変動表示が開始されている変動表示装置の表示結果が大当り図柄の組合せとなる変動表示(以下、大当り変動表示という)の実行中である場合、または、他方の変動表示装置で大当り遊技状態が実行中である場合には、当り変動パターン選択の場合と同様に、はずれ変動パターンA〜Nと、変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値との関係が可変設定される。
このような場合に選択されるはずれ変動パターンA〜Nは、重複大当り回避制御の実行条件が成立した場合と同様に、前述の残時間に応じて選択可能な変動パターンの種類の範囲が変化する。つまり、他方の変動表示装置で先に変動表示が開始されている変動表示装置で大当り変動表示の実行中である場合、または、他方の変動表示装置で大当り遊技状態が実行中である場合には、はずれ変動パターンA〜Nのそれぞれは、当り変動パターンA〜Nの場合と同様に、変動パターンの変動表示時間が、当該他方の変動表示装置での実行中の変動パターン、または、当該他方の変動表示装置での実行中の大当り遊技状態の契機となった変動表示の変動パターンの変動表示時間に基づく大当り決定時合計制御時間の最長時間についての残時間よりも長い場合に、選択可能な変動パターンとして認識され、対応する抽出値が設定される。
このように、大当り決定時合計制御時間の最長時間の残時間よりも長いはずれ変動パターンが設定された場合には、その変動パターンでの変動表示が、必ず、前述の他方の変動表示装置での大当り遊技状態が終了した後に終了することとなるので、重複大当り回避制御時の当り変動パターンと類似するはずれ変動パターンが実現できる。
このように、はずれ変動パターンA〜Nは、基本的な変動パターンとしてのはずれ変動パターンA〜Dを含む複数種類の変動パターンから構成されている。
このような変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値と、その抽出値に対応して選択される当り変動パターンの種類との関係を示す当り変動パターン決定用データ(データテーブル)は、ROM54に複数種類格納されており、読出されて当り変動パターン決定のために用いられる。
次に、はずれ変動パターンA〜Nと変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値との対応関係が可変設定されるときの具体例を説明する。図7は、はずれ変動パターンA〜Nと変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値との対応関係が可変設定されるときの具体例を表形式で示す図である。
図7においては、大当り決定時合計制御時間の最長時間についての残時間が320秒のときに実行される変動表示の変動パターンが決定されるときのはずれ変動パターンA〜Nと変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値との対応関係が(a)に示され、当該残時間が390秒のときに実行される変動表示の変動パターンが決定されるときの当該対応関係が(b)に示されている。
(a)に示すように、残時間が320秒のときには、変動表示時間が残時間としての320秒よりも長時間であるはずれ変動パターンJ〜Nのみが選択対象となり、選択対象のはずれ変動パターンJ〜Nのそれぞれに変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値が割振られたデータテーブルが変動パターンの決定のために使用される。また、(b)に示すように、残時間が390秒のときには、変動表示時間が残時間としての390秒よりも長時間であるはずれ変動パターンK〜Nのみが選択対象となり、選択対象のはずれ変動パターンK〜Nのそれぞれに変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値が割振られたデータテーブルが変動パターンの決定のために使用される。
遊技制御用マイクロコンピュータ53のROM54においては、前述したような基本的なはずれ変動パターンのみを選択するために基本的なはずれ変動パターンA〜Dと変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値との関係のみが示されたデータテーブルが記憶されているとともに、前述のような変動表示時間の長さに基づいた変動パターンの組合せ(たとえば、変動表示時間が30秒以上の変動パターンの組合せははずれ変動パターンD〜Nであり、変動表示時間が300秒以上の変動パターンの組合せははずれ変動パターンI〜Nである)ごとに選択対象の変動パターンと変動パターン決定用のランダムカウンタの抽出値との関係が示された複数のデータテーブル(たとえば、変動表示時間が30秒以上のはずれ変動パターンD〜Nのみにランダムカウンタの抽出値が割振られたデータテーブル、変動表示時間が300秒以上のはずれ変動パターンI〜Nのみにランダムカウンタの抽出値が割振られたデータテーブル等のすべての組合せ種類に対応する複数のデータテーブル)が記憶されている。たとえば、重複大当り回避制御に見せかけるはずれ変動表示の実行条件が成立したときには、このように記憶された複数のデータテーブルのうちから、前述の残時間よりも長時間のはずれ変動パターンのみを対象としたデータテーブルが選択されて読出され、はずれ変動パターンの決定のために用いられる。
次に、2つの変動表示装置9a,9bで特別図柄の変動表示および大当り遊技状態時の表示等の変動表示に関連する表示が並列的に行なわれるときの変動表示装置9a,9bの動作例を説明する。
図8は、変動表示に関連する表示が並列的に行なわれるときの変動表示装置9a,9bの動作例を示すタイミングチャートである。図8においては、(a)〜(c)に次のような動作例が示されている。(a)には、変動表示装置9a,9bの両方がはずれ変動パターンとなる変動表示の動作例が示される。(b)には、変動表示装置9a,9bの両方が当り変動パターンとなる動作例が示される。(c)には、変動表示装置9a,9bのうちの先に変動表示が開始された方が当り変動パターンで、かつ、後に変動表示が開始された方がはずれ変動パターンである動作例が示される。
また、(a)〜(c)において、図中の第1変動表示は、変動表示装置9a,9bにおいて変動表示に関連する表示が並列的に行なわれる場合において先に変動表示が開始された変動表示装置の変動表示であり、第2変動表示は、そのような表示が並列的に行なわれる場合において後に変動表示が開始された変動表示装置の変動表示である。
(a)を参照して、2つの変動表示装置9a,9bにおいて、いずれか一方の変動表示装置(第1の変動表示部)で先にはずれ変動パターンでの変動表示が行なわれているときに、他方の変動表示装置(第2の変動表示部)ではずれの表示結果となる変動表示を実行するときには、他方の変動表示装置での変動パターンとして、基本的な変動パターンA〜Dのうちから1つのはずれ変動パターンが選択され、変動表示が実行される。
次に、(b)を参照して、2つの変動表示装置9a,9bにおいて、いずれか一方の変動表示装置(第1の変動表示部)で先に当り変動パターンでの変動表示が実行されているときに他方の変動表示装置(第2の変動表示部)で大当りの表示結果となる変動表示を実行するとき(図中第2変動表示A)、または、いずれか一方の変動表示装置(第1の変動表示部)の表示結果に基づく大当り遊技状態が実行されているときに他方の変動表示装置(第2の変動表示部)で大当りの表示結果となる変動表示を実行するとき(図中第2変動表示B)には、他方の変動表示装置での変動パターンとして、前述の残時間に応じて当り変動パターンA〜Nのうちから1つの当り変動パターンが選択され、変動表示が実行される。
この場合、他方の変動表示装置(第2の変動表示部)での当り変動パターンは、当り変動パターンA〜Nのうち、変動表示時間が、一方の変動表示装置で実行中の当り変動パターン、または、一方の変動表示装置での変動表示の表示結果に基づいて実行中の大当り遊技状態の契機となった当り変動パターンの変動表示時間T1(たとえば、30秒)に、大当り遊技状態の最大継続期間T2(たとえば、480秒)を加算した時間(大当り決定時合計制御時間の最長時間であり、たとえば510秒)に対する残時間T3よりも長い時間に設定される。したがって、このような場合には、一方の変動表示装置での変動表示の表示結果に基づいて発生した大当り遊技状態が終了した後に、他方の変動表示装置で大当り変動表示の表示結果が導出表示されることとなる。ここで、大当り遊技状態の最大継続期間T2は、たとえば次のように求められて設定される。たとえば、繰返し継続制御の実行上限回数が16ラウンドである場合において、各ラウンドの所要期間が30秒であるときには、大当り遊技状態の最大継続期間T2は、480秒(30秒×16ラウンド=480秒)となる。
このような当り変動パターンA〜Nのうち、当り変動パターンE〜Nとしては、たとえば、先に実行が開始された変動表示に基づく大当り遊技状態中において、2つの図柄を停止させて残り1つの図柄が変動しているリーチ図柄が表示される変動パターン、および、先に実行が開始された変動表示に基づく大当り遊技状態中において、どの図柄も停止させない変動パターン等の複数種類の変動パターンが設定されている。
また、(b)を参照して、このような場合には、後から開始される他方の変動表示装置での変動表示時間が短縮される制御が行なわれる。具体的には、一方の変動表示装置での大当り遊技状態が終了したときに、変動表示中である他方の変動表示装置において、当り変動パターンでの予め定められた変動表示時間が経過する前に表示結果が導出表示されて変動表示が終了させられる。このため、自動的に、変動表示時間が、実行される予定の変動表示時間よりも短縮される。これにより、たとえ、一方の変動表示装置での大当り遊技状態の終了後も長時間継続する予定の当り変動パターンが他方の変動表示装置での変動表示の変動パターンとして選択された場合であっても、大当り遊技状態の終了後に無用に長い変動表示が実行されないように制御される。
次に、(c)を参照して、2つの変動表示装置9a,9bにおいて、いずれか一方の変動表示装置(第1の変動表示部)で先に当り変動パターンでの変動表示が行なわれているときに他方の変動表示装置(第2の変動表示部)ではずれの表示結果となる変動表示を実行するとき(図中第2変動表示A)、または、いずれか一方の変動表示装置(第1の変動表示部)の表示結果に基づく大当り遊技状態が実行されているときに他方の変動表示装置(第2の変動表示部)ではずれの表示結果となる変動表示を実行するとき(図中第2変動表示B)には、他方の変動表示装置での変動パターンとして、前述の残時間に応じてはずれ変動パターンA〜Nのうちから1つのはずれ変動パターンが選択され、変動表示が実行される。
この場合、他方の変動表示装置(第2の変動表示部)でのはずれ変動パターンは、はずれ変動パターンA〜Nのうち、変動表示時間がはずれ変動パターンの変動表示時間T1(たとえば、30秒)に、大当り遊技状態の最大継続期間T2(480秒)を加算した時間(たとえば、510秒)に対する残時間T3よりも長い時間に設定される。したがって、このような場合には、一方の変動表示装置での変動表示の表示結果に基づいて発生した大当り遊技状態が終了した後に、他方の変動表示装置ではずれ変動表示の表示結果が導出表示されることとなる。
また、このような場合には、大当り変動パターンの場合と同様に、後から開始される他方の変動表示装置での変動表示時間が短縮される制御が行なわれる。具体的には、一方の変動表示装置での大当り遊技状態が終了したときに、変動表示中である他方の変動表示装置において、はずれ変動パターンでの変動表示時間が経過する前に表示結果が導出表示されて変動表示が終了させられる。このため、自動的に、変動表示時間が、実行される予定の変動表示時間よりも短縮される。
以下の説明においては、(b),(c)に示されたような2つの変動表示装置9a,9bにおいて、いずれか一方の変動表示装置(第1の変動表示部)で、先に当り変動パターンでの変動表示が実行されているとき、または、大当り遊技状態が実行されているときに、他方の変動表示装置(第2の変動表示部)で並列的に変動表示(大当り変動表示と、はずれ並列変動との両方を含む)を実行することを、大当り並列変動表示と呼ぶ。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される処理を説明する。遊技制御用マイコン53では、制御用プログラムのメインルーチンの実行に伴って各種サブルーチンが実行され、各種の制御が行なわれる。次に、サブルーチンの1つである経過時間計測処理を説明する。経過時間計測処理は、前述の大当り決定時合計制御時間の最長時間についての残時間を特定すること等を目的として大当り変動表示における変動表示の開始時からの経過時間を計測するために実行される。図9は、経過時間計測処理の処理内容を示すフローチャートである。この経過時間計測処理は、前述のメインルーチンが実行されるごとに実行される。
まず、ステップ(以下、単にSという)101により、変動表示装置9a,9bのどちらかにおいて大当り変動表示の開始時であるか否かが判断される。S101によりどちらかが大当り変動表示の開始時であると判断された場合は、S102に進み、S101により判断された大当り変動表示が開始されてからの経過時間の計測を開始させる処理が行なわれた後、この経過時間計測処理が終了し、リターンする。このような経過時間の計測は、経過時間計時処理とは別に設けられた所定の計時用のプログラムを実行して所定の経過時間計測用タイマを動作させることにより実行される。この経過時間計測用タイマは、たとえば、前述の定期的な割込み(たとえば2msec毎)が1回生じるごとに1カウントずつカウント値(RAMの所定領域に記憶されるデータ)を加算更新し、そのカウント値に基づいて経過時間を示す(たとえば、カウント値×2msecが経過時間の計測値となる)ものである。なお、経過時間の計測は、経過時間計測処理内に時間計測用のプログラムステップを設けてそのステップが実行されることに基づいて行なうようにしてもよい。
一方、S101によりどちらかも大当り変動表示の開始時ではないと判断された場合は、S103に進み、S102により開始される経過時間の計測中であるか否かが判断される。S103により経過時間の計測中ではないと判断された場合は、この経過時間計測処理が終了し、リターンする。一方、S103により経過時間の計測中であると判断された場合は、S104に進み、S102により経過時間の計測を開始した大当り変動表示に基づいて発生した大当り遊技状態の終了時であるか否かが判断される。
S104により大当り遊技状態の終了時ではないと判断された場合は、この経過時間計測処理が終了し、リターンする。一方、S104により大当り遊技状態の終了時であると判断された場合は、S105に進み、S102により開始された経過時間の計測を終了させる処理が行なわれ、その後、この経過時間計測処理が終了し、リターンする。
このような経過時間計測処理では、2つの変動表示装置9a,9bのどちらかにおいて大当り変動表示の開始時に経過時間の計測が開始され、その大当り変動表示に基づいて発生する大当り遊技状態の終了時にその経過時間の計測が終了する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53により前述の変動パターンの選択のために実行される変動パターン選択処理を説明する。メインルーチンが実行されると、サブルーチンの1つであって、2つの変動表示装置9a,9bのそれぞれにおいて実行する特別図柄の変動表示のプロセスのそれぞれを制御するための処理である特別図柄プロセス処理が実行される。そして、ある特別図柄プロセス処理が実行されると、それに基づいて変動パターン選択処理が呼び出されて実行され、特別図柄の変動パターンが選択(決定)される。この変動パターン選択処理においては、2つの変動表示装置9a,9bのそれぞれの状態が管理され、これらの装置において実行する特別図柄の変動表示の変動パターンがそれぞれ選択される。つまり、1つの特別プロセス処理により1つの変動パターン選択処理が実行されることが繰返されることにより、2つの変動表示装置9a,9bのそれぞれの変動表示における変動パターンが決定されていく。図10は、変動パターン選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
以下に説明する変動パターン選択処理は、2つの変動表示装置9a,9bのそれぞれの変動表示に関わる始動入賞に応じて変動表示の開始条件が成立するごとに、当該変動表示の開始前に実行される。つまり、変動パターン選択処理は、2つの変動表示装置9a,9bの両方の変動表示のそれぞれを対象として実行される処理である。
まず、ステップS(以下単にSという)1により、2つの変動表示装置9a,9bのうち今回開始される変動表示を実行する変動表示装置について、実行する変動表示の表示結果が大当りとなることが決定されているか否かが判断される。遊技制御用マイクロコンピュータ53では、2つの変動表示装置9a,9bのそれぞれがどのような状態にあるかを常に監視(管理)しており、それぞれの変動表示装置の状態が現在どのような状態にあるかを判断することができる。
S1により大当りとなることが決定されていない(はずれとなることが決定されている)と判断された場合は、後述するS10に進む。一方、S1により大当りとなることが決定されていると判断された場合は、S2に進み、2つの変動表示装置9a,9bのうち今回開始される変動表示の対象となっていない方の変動表示装置において、先に開始された実行中の変動表示があるか否かが判断される。
S2により先に開始された実行中の変動表示がないと判断された場合は、後述するS4に進む。一方、S2により先に開始された実行中の変動表示があると判断された場合は、S3に進み、先に開始された実行中の変動表示の表示結果が大当りの表示結果(大当り図柄の組合せ)となるか否かが判断される。S3により先に開始された実行中の変動表示の表示結果が大当りの表示結果とならないと判断された場合は、後述するS4に進む。一方、S3により先に開始された実行中の変動表示の表示結果が大当りの表示結果となると判断された場合は、後述するS6に進む。
前述したS2またはS3からS4に進むと、S4により、今回開始される変動表示の対象となっていない方の変動表示装置での表示結果に基づいて実行中の大当り遊技状態があるか否かが判断される。S4により実行中の大当り遊技状態があると判断された場合は、後述するS6に進む。一方、S4により実行中の大当り遊技状態がないと判断された場合は、S5に進み、基本的な当り変動パターンA〜Dのうちから実行する1つの当り変動パターンがランダムに選択される。具体的に、S5においては、ROM54から基本的当り変動パターン決定用のデータテーブルを読出すとともに、変動パターン決定用のランダムカウンタの値を抽出し、図4の左側の欄に示された抽出値と変動パターンとの対応関係に基づいて、当り変動パターンが選択される。S5の後、この変動パターン選択処理が終了し、リターンする。このように、今回開始される変動表示の表示結果が大当りの表示結果となるときにおいて、先に開始した実行中の変動表示がない場合と、先に開始した実行中の変動表示があるが、その変動表示がはずれ変動表示である場合とには、基本的な当り変動パターンA〜Dのうちから実行する1つの当り変動パターンがランダムに選択される。
S6に進んだ場合、すなわち、今回開始される変動表示の表示結果が大当りの表示結果となるときにおいて、先に開始した実行中の変動表示が大当り変動表示である場合と、実行中の大当り遊技状態がある場合とには、先に開始した実行中の変動表示、または、実行中の大当り遊技状態について、前述のように変動表示時間と大当り遊技状態の最大継続時間とを加算し、大当り決定時合計制御時間の最長時間(図8(b)参照)を求める演算が行なわれる。
次に、S7により、先に開始した実行中の変動表示、または、実行中の大当り遊技状態について、図9に示した経過時間計測処理により計測されている経過時間のデータを前述の経過時間計測用タイマから取得する処理が行なわれる。そして、S6により得られた「大当り決定時合計制御時間の最長時間」からS7により得られた「経過時間」を減算して大当り決定時合計制御時間の最長時間に対する残時間(図8の(b)に示された残時間T3)を求める演算が行なわれる。
次に、S9により、後から開始する大当り並列変動表示の当り変動パターンとして、S8により求められた残時間よりも長い変動表示時間の変動パターンをランダムに選択する処理が行なわれる。具体的に、S9においては、残時間よりも長時間の当り変動パターンのみを対象とした当り変動パターン決定用のデータテーブル(図5参照)をROM54から読出すとともに、変動パターン決定用のランダムカウンタの値を抽出し、図4,図5に示されたような抽出値と変動パターンとの対応関係に基づいて、残時間よりも長い変動表示時間が設定された当り変動パターンが選択される。S9の後、この変動パターン選択処理が終了し、リターンする。
また、前述のS1により大当りとなることが決定されていないと判断されてS10に進んだ場合は、S10で、S2と同様に、2つの変動表示装置9a,9bのうち今回変動表示を実行しない方の変動表示装置で先に開始された実行中の変動表示があるか否かが判断される。
S10により先に開始された実行中の変動表示がないと判断された場合は、後述するS12に進む。一方、S10により先に開始された実行中の変動表示があると判断された場合は、S11に進み、先に開始された実行中の変動表示の表示結果が大当りの表示結果(大当り図柄の組合せ)となるか否かが判断される。S11により先に開始された実行中の変動表示の表示結果が大当りの表示結果とならないと判断された場合は、後述するS12に進む。一方、S11により先に開始された実行中の変動表示の表示結果が大当りの表示結果となると判断された場合は、後述するS14に進む。
前述したS10またはS11からS12に進むと、S12により、今回開始される変動表示の対象となっていない方の変動表示装置での表示結果に基づいて実行中の大当り遊技状態があるか否かが判断される。S12により実行中の大当り遊技状態があると判断された場合は、後述するS14に進む。一方、S12により実行中の大当り遊技状態がないと判断された場合は、S13に進み、基本的なはずれ変動パターンA〜Dのうちから実行する1つのはずれ変動パターンがランダムに選択される。具体的に、S13においては、ROM54から基本的変動パターン決定用のデータテーブルを読出すとともに、変動パターン決定用のランダムカウンタの値を抽出し、図6の左側の欄に示された抽出値と変動パターンとの対応関係に基づいて、基本的なはずれ変動パターンA〜Dが選択される。S13の後、この変動パターン選択処理が終了し、リターンする。このように、今回開始される変動表示の表示結果がはずれの表示結果となるときにおいて、先に開始した実行中の変動表示がない場合と、先に開始した実行中の変動表示があるが、その変動表示がはずれ変動表示である場合とには、基本的なはずれ変動パターンA〜Dのうちから実行する1つの当り変動パターンがランダムに選択される。
S14に進んだ場合、すなわち、今回開始される変動表示の表示結果がはずれの表示結果となるときにおいて、先に開始した実行中の変動表示が大当り変動表示である場合と、実行中の大当り遊技状態がある場合とには、先に開始した実行中の変動表示、または、実行中の大当り遊技状態について、前述のように変動表示時間と大当り遊技状態の最大継続時間とを加算し、大当り決定時合計制御時間の最長時間(図8(c)参照)を求める演算が行なわれる。
次に、S15により、先に開始した実行中の変動表示、または、実行中の大当り遊技状態について、図9に示した経過時間計測処理により計測されている経過時間のデータを前述の経過時間計測用タイマから取得する処理が行なわれる。そして、S16に進み、S14により得られた「大当り決定時合計制御時間の最長時間」からS15により得られた「経過時間」を減算して大当り決定時合計制御時間の最長時間に対する残時間(図8の(c)に示された残時間T3)を求める演算が行なわれる。
次に、S17により、後から開始する大当り並列変動表示のはずれ変動パターンとして、S16により求められた残時間よりも長い変動表示時間が設定された変動パターンをランダムに選択する処理が行なわれる。具体的に、S17においては、残時間よりも長時間のはずれ変動パターンのみを対象としたはずれ変動パターン決定用のデータテーブル(図5参照)をROM54から読出すとともに、変動パターン決定用のランダムカウンタの値を抽出し、図6,図7に示されたような抽出値と変動パターンとの対応関係に基づいて、残時間よりも長い変動表示時間のはずれ変動パターンが選択される。S17の後、この変動パターン選択処理が終了し、リターンする。
このような変動パターン選択処理が実行されることにより、変動表示の変動パターンがランダムに選択される。
次に、図8の(b),(c)に示したような大当り決定時合計制御時間の最長時間に対する残時間よりも長い変動時間となるように選択された変動パターンでの変動表示である大当り並列変動表示において、変動表示時間の短縮を行なうために遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される並列変動短縮処理を説明する。この並列変動短縮処理は、制御用プログラムのメインルーチンの実行に伴って実行されるサブルーチンの1つであり、変動表示装置9a,9bにおいて大当り並列変動表示が行なわれているときにおいて、当該大当り並列表示の変動表示時間の短縮を行なうための処理である。
図11は、並列変動短縮処理の処理内容を示すフローチャートである。まず、S21により、2つの変動表示装置9a,9bのどちらかが、後から開始した大当り並列変動表示の変動パターン(当り変動パターンとはずれ変動パターンとを含む変動パターン)での変動表示中であるか否かが判断される。S21により大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示中ではないと判断された場合は、この並列変動短縮処理が終了し、リターンする。一方、S21により大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示中であると判断された場合は、S22に進み、2つの変動表示装置9a,9bのどちらかが、先に開始した変動表示に基づく大当り遊技状態の終了時であるか否かが判断される。
S22により先に開始した変動表示に基づく大当り遊技状態の終了時であるか否かが判断される。S22により先に開始した変動表示に基づく大当り遊技状態の終了時ではないと判断された場合は、この並列変動短縮処理が終了し、リターンする。一方、S22により先に開始した変動表示に基づく大当り遊技状態の終了時であると判断された場合は、S23に進み、現在実行中の大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示(大当り決定時合計制御時間の最長時間に対する残時間よりも長い変動表示時間が設定された変動パターンで後から開始された変動表示)を終了させる処理が行なわれる。これにより、大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示の変動表示時間が短縮される。
具体的に、S23では、選択されていた大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示時間に基づく全図柄停止コマンドの送信タイミングまで待たずに、直ちに全図柄停止コマンドが送信される。このように予定よりも早いタイミングで送信される全図柄停止コマンドに応じて、表示制御用マイクロコンピュータ81では、後から開始した大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示を直ちに終了させて予定よりも早く表示結果を導出表示させる制御を行なう。これにより、先に開始した変動表示に基づく大当り遊技状態の終了後においては、後から開始した大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示の変動表示時間が自動的に短縮されて表示結果が導出表示される。
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図10のS1〜S3に示されるように、2つの変動表示装置9a,9bのうち一方の変動表示装置にて表示結果が大当りとなる旨の判定がされた変動表示が実行されている旨の判定がされ、かつ、他方の変動表示装置にて表示結果が大当りとなる旨の判定がされたときには、図10のS6〜S9に示されるように、当該一方の変動表示装置にて実行されている大当り変動表示の変動表示期間として選択された図8(b)での第1変動表示のT1のような変動表示時間と、図8(b)での第1変動表示のT2のような大当り遊技状態の最大継続時間とを加算した時間である大当り決定時合計制御時間の最長時間から、変動表示が開始されてからの計測された経過時間を減算した時間である残時間(残期間)が特定され、その残時間よりも長い図8(b)での第2変動表示AのT3のような変動表示時間が当該他方の変動表示装置にて実行する大当り並列変動表示における変動表示時間として選択される。これにより、表示結果がともに大当りの表示結果となる変動表示が2つの変動表示装置9a,9bで並行して行なわれるときに、後から変動表示を開始する変動表示装置での変動表示が、先に変動表示を開始した変動表示装置での変動表示に基づく大当り遊技状態の終了後に終了することとなるので、複数の変動表示装置において、表示結果を重複して大当りの表示結果としない制御が行なえる。しかも、後から変動表示を開始する変動表示装置での大当り並列変動表示における変動表示時間が、先に変動表示を開始した変動表示装置で実行中の変動表示における変動表示時間に大当り遊技状態の最大継続時間を加算した期間よりも長い変動表示期間であることにより、このような場合における後から変動表示を開始する変動表示装置での変動表示の開始時期を遅延させる必要がないので、後から変動表示を開始する変動表示装置で表示結果が大当りの表示結果となることが遊技者に悟られにくいようにすることができ、その結果として、遊技者の興趣の低下が生じないようにすることができる。さらに、後から変動表示を開始する変動表示装置での大当り並列変動表示について、図4に示すような予め定められた複数種類の変動表示パターン(変動表示時間)のうちから先に変動表示を開始した変動表示装置で実行中の変動表示における前述の残時間を考慮して変動表示パターン(変動表示時間)が決定されるので、選択される変動表示時間についての変動表示時間の許容範囲が広くなるため、変動表示時間の選択の幅を広げることができ、変動表示による演出のバリエーションを豊富にすることができる。
さらに、図10のS1〜S4に示されるように、2つの変動表示装置9a,9bのうち一方の変動表示装置にて表示結果が大当りとなる旨の判定がされた変動表示に基づく大当り遊技状態が実行されている旨の判定がされ、かつ、他方の変動表示装置にて表示結果が大当りとなる旨の判定がされたときには、図10のS6〜S9に示されるように、当該一方の変動表示装置にて実行されている大当り変動表示の変動表示期間として選択された図8(b)での第1変動表示のT1のような変動表示時間と、図8(b)での第1変動表示のT2のような大当り遊技状態の最大継続時間とを加算した時間である大当り決定時合計制御時間の最長時間から、変動表示が開始されてからの計測された経過時間を減算した時間である残時間(残期間)が特定され、その残時間よりも長い図8(b)での第2変動表示BのT3のような変動表示時間が当該他方の変動表示装置にて実行する大当り並列変動表示における変動表示時間として選択される。これにより、大当りの表示結果となる旨の判定がされた変動表示に基づく大当り遊技状態が一方の変動表示装置で先に実行されているときに、後から変動表示を開始する他方の変動表示装置での変動表示が、一方の変動表示装置での変動表示に基づく大当り遊技状態の終了後に終了することとなるので、このような場合に、複数の変動表示装置において、重複して大当りが生じることを防ぐことができる。しかも、後から変動表示を開始する変動表示装置での大当り並列変動表示における変動表示時間が、一方の変動表示装置で実行中の大当り遊技状態の契機となった変動表示における変動表示時間に大当り遊技状態の最大継続時間を加算した時間から、当該変動表示が開始されてからの計測された経過時間を減算した時間である残時間(残期間)よりも長い変動表示期間であることにより、このような場合における後から変動表示を開始する変動表示装置での変動表示の開始時期を遅延させる必要がないので、後から変動表示を開始する変動表示装置で表示結果が大当りの表示結果となることが遊技者に悟られにくいようにすることができ、その結果として、遊技者の興趣の低下が生じないようにすることができる。さらに、後から変動表示を開始する変動表示装置での大当り並列変動表示について、図4に示すような予め定められた複数種類の変動表示パターン(変動表示時間)のうちから大当り遊技状態が実行されている変動表示装置での前述の残時間を考慮して変動表示パターン(変動表示時間)が決定されるので、選択される変動表示時間についての変動表示時間の許容範囲が広くなるため、変動表示時間の選択の幅を広げることができ、変動表示による演出のバリエーションを豊富にすることができる。
また、図11のS22,S23に示されるように、2つの変動表示装置9a,9bのうち、後から変動表示を開始する変動表示装置の大当り並列変動表示について、大当り並列変動表示の変動パターンが選択された変動表示の実行中において、先に変動表示を開始した変動表示装置での変動表示の表示結果に基づく大当り遊技状態、または、大当り遊技状態が実行中であった変動表示装置での大当り遊技状態が終了したときに、後から変動表示を開始した変動表示装置での大当り並列変動表示における変動表示時間が、選択された大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示時間よりも短縮されるので、変動表示が実行される効率を向上させることができ、変動表示装置9a,9bの稼働率を向上させることができる。
また、図10のS1、S10、およびS11に示されるように、2つの変動表示装置9a,9bのうち一方の変動表示装置にて表示結果が大当りとなる旨の判定がされた変動表示が実行されている旨の判定がされ、かつ、他方の変動表示装置にて表示結果が大当りとならない(はずれとなる)旨の判定がされたときにも、S14〜S17により、他方の変動表示装置にて表示結果が大当りの表示結果となる旨の判定がされたときと同様に、前述の残時間よりも長い変動時間の当り変動パターンが選択されることにより、当該他方の変動表示装置にて実行する大当り並列変動表示における変動表示時間として、図8(c)の第2変動表示AでのT3のような前述の残時間よりも長い変動表示時間が選択される。このため、前述の残時間よりも長時間の変動表示時間が選択されるか否かで、当該他方の変動表示装置にて実行する変動表示の表示結果が大当りの表示結果となるか否かを遊技者が識別しにくくなるので、遊技者の興趣の低下が生じないようにすることができる。
また、図10のS1、S10、およびS12に示されるように、2つの変動表示装置9a,9bのうち一方の変動表示装置にて実行中の大当り遊技状態がある旨の判定がされ、かつ、他方の変動表示装置にて表示結果が大当りとならない(はずれとなる)旨の判定がされたときにも、S14〜S17により、他方の変動表示装置にて表示結果が大当りの表示結果となる旨の判定がされたときと同様に、前述の残時間よりも長い変動時間の当り変動パターンが選択されることにより、当該他方の変動表示装置にて実行する大当り並列変動表示における変動表示時間として、図8(c)の第2変動表示BでのT3のような前述の残時間よりも長い変動表示時間が選択される。このため、前述の残時間よりも長時間の変動表示時間が選択されるか否かで、当該他方の変動表示装置にて実行する変動表示の表示結果が大当りの表示結果となるか否かを遊技者が識別しにくくなるので、遊技者の興趣の低下が生じないようにすることができる。
第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態においては、第1実施形態の図11に示された並列変動短縮処理により、先に開始した変動表示に基づく大当り遊技状態の終了後、後から開始した大当り並列変動表示の変動パターン(当り変動パターンとはずれ変動パターンとを含む変動パターン)での変動表示の変動表示時間を自動的に短縮する制御の代わりに、先に開始した変動表示に基づく大当り遊技状態の終了後、遊技者による短縮ボタン70の操作に応じて、後から開始した大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示の変動表示時間を短縮する制御を行なう例を説明する。第2実施形態においては、第1実施形態と異なる部分を主として説明する。
第2実施形態は、並列変動短縮処理の内容が第1実施形態の場合と異なる。図12は、第2実施形態による並列変動短縮処理の処理内容を示すフローチャートである。
まず、S31により、2つの変動表示装置9a,9bのどちらかが、前述のような後から開始した大当り並列変動表示の変動パターン(当り変動パターンとはずれ変動パターンとを含む変動パターン)での変動表示中であるか否かが判断される。S31により大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示中ではないと判断された場合は、この並列変動短縮処理が終了し、リターンする。一方、S31により大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示中であると判断された場合は、S32に進み、現在が大当り並列変動短縮許容状態であるか否かが判断される。
ここで、大当り並列変動短縮許容状態は、大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示の変動表示時間を短縮することが許容された状態、すなわち、大当り並列変動表示での短縮ボタン70の操作が有効となる状態であり、後述するS34により設定される。大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示の変動表示時間の短縮は、先に開始された変動表示に基づく大当り遊技状態が終了するまで許容されず、大当り並列変動短縮許容状態が設定されることに応じて許容され、短縮ボタン70の操作に応じて実行することが可能となる。つまり、大当り並列変動表示での変動表示時においては、大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示の開始時から、先に開始された変動表示に基づく大当り遊技状態の終了時まで大当り並列変動短縮非許容状態が設定されて短縮ボタン70の操作を無効とし、先に開始された変動表示に基づく大当り遊技状態の終了に応じて大当り並列変動短縮許容状態が設定されて短縮ボタン70の操作を有効とする制御が遊技制御用マイクロコンピュータ53により行なわれる。このような大当り並列変動短縮許容状態は、大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示が終了するまで継続させられた後、終了する。このため、大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示時においては、先に開始された変動表示に基づく大当り遊技状態が終了した直後から大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示が終了するまでの間が、短縮ボタン70の操作が有効となる有効期間となり、この有効期間中に短縮ボタン70が操作されると、その操作に応じて変動表示が予定よりも早めに終了されることにより変動表示時間が短縮される。
S32により現在が大当り並列変動短縮許容状態であると判断された場合は、後述するS36に進む。一方、現在が大当り並列変動短縮許容状態ではないと判断された場合は、S33に進み、2つの変動表示装置9a,9bのどちらかが、先に開始した変動表示に基づく大当り遊技状態の終了時であるか否かが判断される。
S33により先に開始した変動表示に基づく大当り遊技状態の終了時ではないと判断された場合は、この並列変動短縮処理が終了し、リターンする。一方、S33により先に開始した変動表示に基づく大当り遊技状態の終了時であると判断された場合は、S34に進み、大当り並列変動短縮許容状態が設定される。これにより、大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示の変動表示時間が、短縮ボタン70の操作に応じて短縮可能となる。S34による大当り並列変動短縮許容状態は、大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示の変動表示時間中に短縮ボタン70が操作されなければ当該変動表示時間が終了するまで最大限継続し、一方、当該変動表示時間が終了するまでの間に短縮ボタン70が操作されればその操作時点で終了する。
次に、S35に進み、短縮ボタン70の操作による変動表示時間の短縮が可能となったことを示すメッセージの表示(以下、短縮操作可能表示)を、2つの変動表示装置9a,9bのうち、後から開始した変動表示が実行中である変動表示装置において行なうための処理がされる。S35による短縮操作可能表示は、短縮ボタン70が操作されたことに応じて変動表示が終了するまで継続される。S35の後、S36に進む。
S36では、短縮ボタンスイッチ32からの操作検出信号に基づいて短縮ボタン70の操作がされたか否かが判断される。S36により短縮ボタン70が操作されていないと判断された場合は、この並列変動短縮処理が終了し、リターンする。一方、S36により短縮ボタン70が操作されたと判断された場合は、S37に進み、現在実行中の大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示を終了させる処理が行なわれる。これにより、大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示の変動表示時間が、遊技者による短縮ボタン70の操作に応じて短縮される。具体的に、S37では、前述したS23と同様の処理が行なわれる。S37の後、この並列変動短縮処理が終了し、リターンする。
このように、第2実施形態の場合は、先に開始した変動表示に基づく大当り遊技状態の終了後、遊技者による短縮ボタン70の操作に応じて、後から開始した大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示の変動表示時間を短縮する制御が行なわれる。
このような第2実施形態については、前述した第1実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した第1実施形態の場合と同様の技術的効果を得る他、次のような効果を得ることができる。
図12のS32〜S37に示されるように、2つの変動表示装置9a,9bのうち、後から変動表示を開始する変動表示装置の大当り並列変動表示について、先に変動表示を開始した変動表示装置での変動表示の表示結果に基づく大当り遊技状態、または、大当り遊技状態が実行中であった変動表示装置での大当り遊技状態が終了した後に、遊技者による短縮ボタン70の操作が検出されたとき、後から変動表示を開始した変動表示装置での大当り並列変動表示における変動表示時間が、選択された変動パターンでの変動表示時間よりも短縮されるので、遊技者の好きなタイミングで後から変動表示を開始した変動表示装置での変動表示を終了させることができ、これによって、変動表示が実行される効率を向上させることができ、変動表示装置9a,9bの稼働率を向上させることができる。
次に、以上に説明した本実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述実施の形態においては、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を並行して個別に行なうことが可能な複数の変動表示部として、複数の変動表示装置が設けられた例を示した。しかし、これに限らず、複数の変動表示部としては、1つの変動表示装置の表示領域を複数(たとえば、2つ)に分けて個別に変動表示を行なうことにより、前述の実施の形態のような変動表示を行なうように構成してもよい。このような構成によれば、パチンコ遊技機1に設ける部品点数(変動表示装置の数)を削減することができ、構造を簡素化することができる。
(2) 前述実施の形態においては、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を並行して個別に行なうことが可能な複数の変動表示部として、2つの変動表示部を設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、3つの変動表示部を設ける等、2つよりも多い数の変動表示部を設け、前述の実施の形態に示したように、2つよりも多い数の変動表示部において、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を並行して個別に行なうように構成してもよい。このような構成によれば、変動表示部の数が多数になることによって、より変化に富んだ面白みがある表示をすることができる。
(3) 前述実施の形態においては、複数の変動表示部(変動表示装置9a,9b)のそれぞれに対応して複数の可変入賞球装置(19a,19b)を設け、対応する変動表示部の表示結果に対応して個別に可変入賞球装置を動作させる制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、複数の変動表示部に対して1つの可変入賞球装置を設け、複数の変動表示部のそれぞれの表示結果に対応して可変入賞球装置を動作させる制御を行なうようにしてもよい。ただし、そのような構成をする場合においては、前述した実施の形態で説明したように、複数の変動表示部において同時に大当り遊技状態が発生しないように制御される。このような構成によれば、パチンコ遊技機1に設ける部品点数を削減することができ、構造を簡素化することができる。
(4) 前述実施の形態においては、複数の変動表示部(変動表示装置9a,9b)のそれぞれに対応して、複数の通過口11a,11b、複数の普通図柄表示装置10,11、複数の始動口14a,14b、複数の始動用電動役物13a,13b、13bを設けた例を示した。しかし、これらの構成を、1つずつ設け、複数の変動表示部を、1回の始動入賞ごとに順次選択して変動表示をさせる(1回の始動入賞ごとに変動表示をさせる変動表示部を割振る)制御を行なうようにしてもよい。このような構成によれば、パチンコ遊技機1に設ける部品点数を削減することができ、構造を簡素化することができる。
(5) 前述した第1実施形態においては、大当り並列変動表示について、変動表示時間を短縮するときに、先に開始した変動表示に基づく大当り遊技状態、または、実行中であった大当り遊技状態が終了したときに、直ちに、後から開始した大当り並列変動表示の変動表示を終了させる例(並列変動短縮処理)を示した。しかし、これに限らず、大当り並列変動表示の変動表示時間を短縮するときに、先に開始した変動表示に基づく大当り遊技状態、または、実行中であった大当り遊技状態が終了した後、所定の短期間(例えば数秒間)にわたって所定の演出をする表示を行なった後に、後から開始した大当り並列変動表示を終了させる制御を行なうようにしてもよい。つまり、大当り並列変動表示での変動表示時間を短縮する制御であれは、どのような制御が行なわれてもよい。また、前述のような並列変動短縮処理(図11)を実行せず、前述のような大当り並列変動表示での変動表示時間を短縮不可能な構成としてもよい。このような構成によれば、後から開始した大当り並列変動表示を終了させる制御を行なうときに、所定の演出が行なわれるので、大当り並列変動表示での変動表示時間の短縮時の表示を面白みがあるものにすることができる。
(6) 前述した第2実施形態においては、大当り並列変動表示での変動表示時間を短縮するときに、先に開始した変動表示に基づく大当り遊技状態、または、実行中であった大当り遊技状態が終了した後の大当り並列変動短縮許容状態において短縮ボタン70が操作されたときに、直ちに、後から開始した大当り並列変動表示の変動パターンでの変動表示を終了させる例(並列変動短縮処理)を示した。しかし、これに限らず、大当り並列変動表示での変動表示時間を短縮するときに、短縮ボタン70が操作されたときに、所定の短期間(例えば数秒間)にわたって所定の演出をする表示を行なった後に、後から開始した大当り並列変動表示を終了させる制御を行なうようにしてもよい。つまり、大当り並列変動表示での変動表示時間を短縮する制御であれは、どのような制御が行なわれてもよい。このような構成によれば、後から開始した大当り並列変動表示を終了させる制御を行なうときに、所定の演出が行なわれるので、大当り並列変動表示での変動表示時間の短縮時の表示を面白みがあるものにすることができる。また、前述のような並列変動短縮処理(図12)を実行せず、前述のような大当り並列変動表示での変動表示時間を短縮不可能な構成としてもよい。このような構成によれば、前述のような並列変動短縮処理を実行するプログラムが不要になるので、制御用のプログラムの簡素化してプログラムのデータ量を削減することができる。
(7) 前述した実施の形態においては、大当り並列変動表示の変動パターンとして選択される変動パターンとしてそれぞれの変動表示時間が異なる複数の変動パターンが設けられている例を示した。しかし、これに限らず、大当り並列変動表示の変動パターンとして選択される変動パターンについては、同じ変動表示時間の変動パターン複数と、異なる変動時間の変動パターン複数とを合わせて設けてもよい。このような構成によれば、選択対象となる複数の大当り並列変動表示の変動パターンについて、変動表示時間の設定の自由度を向上させることができる。
(8) 前述した実施の形態においては、選択対象となる複数種類の変動パターンとして、基本的な変動パターンA〜Dとそれ以外の変動パターンE〜Nとを設けた例を示した。しかし、これに限らず、次のような変動パターンの選択方法を用いてもよい。基本的な変動パターンを複数種類設ける(基本変動パターン選択テープルを設ける)とともに、複数種類の基本的な変動パターンのそれぞれに対応して付加的に実行する(基本的な変動パターンの所定時間経過時から続いて実行する)付加変動パターン(大当り遊技状態の最大継続期間よりも長い変動表示期間の変動パターン)を複数種類(変動表示期間が異なる複数種類のもの)ずつ設け(付加変動パターン選択テープルを設ける)、S9,S17のような大当り並列変動表示の変動パターンの選択が必要とされるときにおいて、まず、今回の変動表示の表示結果に応じて基本的な変動パターンをランダムに選択した後、選択した基本的な変動パターンに付加して実行する付加変動パターンをランダムに選択するようにしてもよい。ただし、このように変動パターンの選択を行なう場合には、基本変動パターンでの変動表示期間と付加変動パターンでの変動表示期間との合計期間が、先に実行されている変動表示についての変動表示時間と大当り遊技状態の最大継続期間との合計期間よりも長くなるように変動パターンを選択する処理を行なう必要がある。このような構成によれば、複数種類の基本的な変動パターンのそれぞれについて付加変動パターンがランダムに選択されるので、各基本的な変動パターンが選択されたときのトータルの変動パターン(基本的な変動パターン+付加変動パターン)をバラエティに富んだものにすることができる。
(9) 前述した実施の形態においては、複数の変動表示装置9a,9bのうち第1の変動表示部(いずれか一方の変動表示装置)にて表示結果が大当りの表示結果(特定の表示態様)となる旨の判定がされた変動表示が実行されている旨の判定がされ、かつ、第1の変動表示部と異なる第2の変動表示部(他方の変動装置)にて表示結果が大当りの表示結果、または、はずれの表示結果となる旨の判定がされたときに、前記第2の変動表示部にて実行する変動表示における変動表示期間として、第1の変動表示部での変動表示の変動表示期間として選択された変動表示期間(図8のT1)と、大当り遊技状態(特定遊技状態)の最大継続期間(図8のT2)とを加算した期間から期間計測手段(変動表示が開始されてからの経過期間を計測する手段であって、遊技制御用マイクロコンピュータ53、S101〜S105)により計測された経過期間を減算した期間である残期間を特定する残期間特定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S6〜S8,S14〜S17)により特定された第1の変動表示部における前記残期間よりも長い変動表示期間(図5参照、図8のT3)を選択する(S9,S17)制御例(図8の第2変動表示A)が開示されている。さらに、これに加えて、前述の実施形態においては、次のような制御例も開示されている。つまり、第1の変動表示部(いずれか一方の変動表示装置)にて表示結果が大当りの表示結果(特定の表示態様)となる旨の判定がされた変動表示に基づく大当り遊技状態(特定遊技状態)が実行されている旨の判定がされ、かつ、第1の変動表示部と異なる第2の変動表示部(他方の変動装置)にて表示結果が大当りの表示結果、または、はずれの表示結果となる旨の判定がされたとき(S4Y,S12Y)にも、前記第2の変動表示部にて実行する変動表示における変動表示期間として、第1の変動表示部での変動表示の変動表示期間として選択された変動表示期間(図8のT1)と、大当り遊技状態(特定遊技状態)の最大継続期間(図8のT2)とを加算した期間から前記残期間特定手段により特定された第1の変動表示部における前記残期間よりも長い変動表示期間(図5参照、図8のT3)を選択する(S9,S17)制御例(図8の第2変動表示B)が開示されている。
このような構成によれば、第1の変動表示部にて表示結果が大当りの表示結果(特定の表示態様)となる旨の判定がされた変動表示に基づく大当り遊技状態(特定遊技状態)が実行されている旨の判定がされ、かつ、第2の変動表示部にて表示結果が大当りの表示結果、または、はずれの表示結果となる旨の判定がされたときにも、第2の変動表示部にて実行する変動表示における変動表示期間として、第1の変動表示部での変動表示の変動表示期間として選択された変動表示期間と、大当り遊技状態の最大継続期間とを加算した期間から残期間特定手段により特定された第1の変動表示部における残期間よりも長い変動表示期間が選択される。これにより、表示結果が大当りの表示結果となる変動表示に基づく大当り遊技状態が第1の変動表示部で行なわれるときに、第2の変動表示部での変動表示が、第1の変動表示部での変動表示に基づく大当り遊技状態の終了後に終了することとなるので、複数の変動表示部において、重複して大当りが生じることを防ぐことができる。しかも、第2の変動表示部での変動表示における変動表示期間が、第1の変動表示部で変動表示結果に基づいて実行中の大当り遊技状態の発生の契機となった変動表示における変動表示期間に特定遊技状態の最大継続期間を加算した期間から期間計測手段により計測された経過期間を減算した期間である残期間よりも長い変動表示期間であることにより、このような場合の第2の変動表示部での変動表示の開始時期を遅延させる必要がないので、第2の変動表示部での表示結果が特定の表示態様となることが遊技者に悟られにくいようにすることができ、その結果として、遊技者の興趣の低下が生じないようにすることができるさらに、第2の変動表示部での変動表示について、予め定められた複数種類の変動表示期間のうちから第1の変動表示部で実行中の大当り遊技状態における前述の残期間を考慮して変動表示期間が決定されるので、選択される変動表示期間についての変動表示期間の許容範囲が広くなるため、変動表示期間の選択の幅を広げることができ、変動表示による演出のバリエーションを豊富にすることができる。
また、このような場合において後に開始する第2の変動表示部での変動表示の変動パターンは、(a)第1の変動表示部で変動表示結果に基づいて実行中の大当り遊技状態の発生の契機となった変動表示における変動表示期間に特定遊技状態の最大継続期間を加算した期間から当該変動表示の開始時から計測された経過期間(変動表示の開始時から経過期間を計測する処理を行なうことにより計測される期間)を減算することにより得られる残期間よりも長い変動表示期間に決定する決め方、(b)第1の変動表示部で実行中の大当り遊技状態の最大(最長)継続期間から当該大当り遊技状態の開始時から計測された経過期間(大当り遊技状態の開始時から経過期間を計測する処理を行なうことにより計測される期間)を減算することにより得られる残期間よりも長い変動表示期間に決定する決め方、(c)第1の変動表示部で変動表示結果に基づいて実行中の大当り遊技状態における実行中のラウンドの回数に基づいて求められる残期間{大当り遊技状態の最大継続期間に対する残期間であり、たとえば、第16ラウンドが最終ラウンドである場合の第5ラウンドが実行中である時の残期間は当該実行中のラウンドを含む残りラウンド数である12(ラウンド)に1ラウンドの最大継続期間(たとえば、30秒)を乗算した結果(この例では12×30=360秒)として得られる期間}よりも長い期間に決定する決め方、(d)第1の変動表示部で変動表示結果に基づいて実行中の大当り遊技状態の発生の契機となった変動表示における変動表示期間に特定遊技状態の最大継続期間を加算した期間よりも長い変動表示期間に決定する決め方、(e)第1の変動表示部で実行中の大当り遊技状態の最大(最長)継続期間よりも長い変動表示期間に決定する決め方、のうちのどの決め方を用いて決定してもよい。このような構成によれば、後から開始される第2の変動表示部での変動表示が、先に開始された第1の変動表示部での変動表示に基づく大当り遊技状態が終了した後に終了するので、第1の変動表示部および第2の変動表示部の両方で同時に大当りとなることを防止することができる。
(10) 前述の実施の形態においては、1つの特別プロセス処理により1つの変動パターン選択処理が実行されることが繰返されることにより、2つの変動表示装置9a,9bのそれぞれの変動表示における変動パターンが決定されていく例を示した。しかし、これに限らず、変動表示装置9aでの特別図柄の変動表示のプロセスを制御する第1の特別プロセス処理と、変動表示装置9bでの特別図柄の変動表示のプロセスを制御する第2の特別プロセス処理との2つの特別プロセス処理のそれぞれで変動パターン選択処理が実行されることにより、2つの変動表示装置9a,9bのそれぞれの変動表示における変動パターンが個別に決定されるような制御を行なうようにしてもよい。その場合には、2つの特別プロセス処理のそれぞれが、相互に相手方の変動表示装置での変動表示の状況を監視することにより、S2,S3,S6,S7において他方の変動表示を認識する。
(11) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。