以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成されている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とが備えられている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部6が配設されている。画像表示部6は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現等により大当りの可能性を予告する予告演出を表示したり、特別図柄抽選が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。なお、画像表示部6は、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物7および盤ランプ8が設けられている。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて又は遊技者の操作に応じて、所定の動作を行うことによって演出を行う。また、盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球の落下方向を変化させる遊技くぎ及び風車(共に図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1では、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23、および普通入賞口24が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口26が配設されている。
第1始動口21および第2始動口22は、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当り抽選)が始動する。第1始動口21は、予め定められた特別電動役物(大入賞口23)および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第1特別図柄表示器4a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口22は、上記特別電動役物および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第2特別図柄表示器4b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート25を遊技球が通過すると普通図柄抽選(下記の電動チューリップ27の開閉抽選)が始動する。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
第2始動口22は、第1始動口21の下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ27を備えている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ27は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口22へ入らない閉状態となる。一方、電動チューリップ27は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口22へ入り易い開状態となる。そして、電動チューリップ27は、ゲート25を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が、規定時間(例えば、0.1秒間)の開放を規定回数(例えば、1回)行う。
大入賞口23は、第2始動口22の下側中央に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口23は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口23は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、15回)だけ繰り返す。
また、遊技盤2の右下には、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器4が配設されている。表示器4の詳細については後述する。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が1個入賞すると3個の賞球、大入賞口23に遊技球が1個入賞すると10個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル31、レバー32、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、演出レバー40、および皿39等が設けられている。
遊技者がハンドル31に触れてレバー32を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿39(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給される遊技球を一時的に溜めておく。また、皿39には、上述した賞球が払い出される。そして、皿39に溜められた遊技球は、遊技者のレバー32による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられ、ハンドル31に遊技者が触れてレバー32を時計回りに回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿39に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ35および枠ランプ36は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を報知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ36は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器4について説明する。図2において、表示器4は、第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4gを備えている。
第1特別図柄表示器4aは、第1始動口21に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器4aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器4bは、第2始動口22に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器4bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器4eは、ゲート25を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器4eは、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート25を通過した場合、普通図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器4cは、第1始動口21に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器4dは、第2始動口22に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器4fは、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、および普通図柄保留表示器4fは、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器4gは、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(通常遊技状態等)を表示する。
次に、図3等を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン37および演出キー38が設けられている。
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、中央キーと略十字に配列された4つの方向キーとを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、演出キー38の4つの方向キーを操作することにより、画像表示部6に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶこと等が可能である。また、遊技者は、演出キー38の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、図1に示したように、遊技機1には、入力装置の一例として、更に、演出レバー40が設けられている。演出レバー40は、遊技機1の上部に設けられ、遊技者によって握られて下方向に引き下げられることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出レバー40を引き下げることによって所定の演出を楽しむことができる。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36、盤ランプ8)や可動役物7等による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図4を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101により実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当り抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、および遊技球がゲート25を通過したときの普通図柄抽選の実行保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで、大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば、15回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口23が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。
メイン制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、表示器4(第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4g)が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口21へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口22へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート25を遊技球が通過したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口23へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口23を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口24へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。
メイン制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第1特別図柄表示器4aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第2特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第2特別図柄表示器4bに表示する。メイン制御部100は、第1特別図柄抽選を保留している保留回数を、第1特別図柄保留表示器4cに表示する。メイン制御部100は、第2特別図柄抽選を保留している保留回数を、第2特別図柄保留表示器4dに表示する。メイン制御部100は、ゲート25への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器4eに表示する。メイン制御部100は、普通図柄抽選を保留している保留回数を、普通図柄保留表示器4fに表示する。また、メイン制御部100は、遊技機1の電源投入時にその時点の遊技状態を遊技状態表示器4gに表示する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー32は、その位置が基本位置(原点位置)にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー32は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー32の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。発射制御部200は、停止ボタン33が押下された信号が出力された場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400には、遊技者によって操作される演出キー38が接続され、演出制御部400は、遊技者による演出キー38の操作に応じて演出キー38から出力される操作データを取得する。また、演出制御部400は、ランプ制御部600を介して演出ボタン37および演出レバー40から出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、又は演出レバー40が引き下げ操作された場合、当該操作入力に応じて演出内容を設定する場合もある。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部6に表示する画像およびスピーカ35から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄画像、大当り可能性を予告する予告演出や先読み予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等の画像、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像、および各種背景画像等を、画像表示部6に表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部6に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部6に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音響処理を行って、スピーカ35から音響を出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、および可動役物7等の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物7の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた可動役物7の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物7の動作を制御する。
また、ランプ制御部600には、遊技者によって操作される演出ボタン37および演出レバー40が接続され、ランプ制御部600は、遊技者による演出ボタン37および演出レバー40の操作に応じて演出ボタン37および演出レバー40から出力される操作データを取得して、当該操作データを演出制御部400に伝達する。更に、ランプ制御部600は、演出制御部400又は画像音響制御部500から送られたコマンドに基づいて、演出ボタン37を突出動作させたり、演出レバー40を振動動作させること等によって演出ボタン37および演出レバー40を可動役物として動作制御することもできる。
なお、演出制御部400は、ランプ制御部600から伝達される演出ボタン37および演出レバー40の操作データ、および演出キー38から出力された操作データに基づいて、画像音響制御部500に対して、演出ボタン37、演出レバー40および演出キー38の操作状態を通知する。ここで、演出ボタン37および演出キー38の操作状態とは、押下操作が行われているか否かや、どのような操作が行われているか(例えば、演出ボタン37の長押しや、演出キー38の左方向キーの押下)を含む情報である。また、演出レバー40の操作状態とは、引き下げ操作が行われているか否かを含む情報である。したがって、例えば演出ボタン37(又は演出レバー40)が遊技者によって操作された場合、ランプ制御部600によって検出された演出ボタン37(又は演出レバー40)の操作状態が、演出制御部400を介して画像音響制御部500に伝達される。このため、画像音響制御部500は、演出制御部400から伝達される演出ボタン37(又は演出レバー40)の操作状態に基づいて、演出内容を変化させたり、所定の演出を実行したりすることもできる。
[本実施形態における遊技状態の概要]
次に、本実施形態における遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1の遊技状態としては、高確状態、低確状態、電サポ状態、非電サポ状態、時短状態、非時短状態、大当り遊技状態が少なくとも存在する。低確状態は、特別図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/300)に設定されている遊技状態であり、高確状態は、特別図柄抽選の当選確率が、低確状態よりも高確率(例えば1/50)に設定されている遊技状態である。非電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/10)であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合であっても電動チューリップ27が短時間(例えば0.10秒間を1回)しか開放制御されない遊技状態であり、このため、第2始動口22に遊技球が入球し難い遊技状態である。電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が非電サポ状態よりも高確率(例えば10/10)であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ27が長時間(例えば2.00秒間を3回)開放されるように制御される遊技状態であり、このため、電動チューリップ27が頻繁に長時間開放されて第2始動口22に遊技球が頻繁に入球(入賞)し易くなる遊技状態である。非時短状態とは、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄の変動時間)が通常の所定時間である遊技状態であり(図13参照)、時短状態とは、特別図柄抽選の実行間隔が、非時短状態よりも短縮され易い遊技状態である(図16参照)。大当り遊技状態とは、特別図柄抽選に当選して(大当りして)大入賞口23が開放される大当り遊技が実行されているときの遊技状態である。なお、本実施形態においては、電サポ状態と時短状態とは常に同時に制御されるものとするが、この同時に制御される遊技状態においては、第2始動口22へ遊技球が入賞し易くなることにより遊技球が殆ど減ることなく、かつ短時間で多数の特別図柄抽選を実行できることとなる。また、以下では、低確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態を通常遊技状態といい、高確状態かつ電サポ状態かつ時短状態に制御される遊技状態を確変遊技状態といい、高確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態を潜伏遊技状態という。なお、本実施形態では、低確状態かつ電サポ状態かつ時短状態に制御される時短遊技状態は設けていない。以上のように、本実施形態では、電サポ状態と時短状態とが常に同時に制御される一方で非電サポ状態と非時短状態とが常に同時に制御されるので、以下では、電サポ状態かつ時短状態を単に時短状態といい、非電サポ状態かつ非時短状態を単に非時短状態という場合がある。ここで、大当り遊技状態では、低確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御されるので、大当り遊技状態は通常遊技状態の一種と考えることもできる。なお、図31を用いて本実施形態の演出モード(通常モード、潜伏可能性モード、確変モード)について後に説明するが、通常遊技状態では通常モード又は潜伏可能性モードで制御され、潜伏遊技状態では通常モード又は潜伏可能性モードで制御され、又、確変遊技状態では確変モードで制御される。
[本実施形態における大当り内訳および大当り遊技の概要]
次に、本実施形態における特別図柄抽選の大当り内訳および大当り遊技の概要について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る特別図柄抽選の大当り内訳および大当り遊技の一例を説明するための図である。図5(1)は、第1始動口21への遊技球入賞による第1特別図柄抽選の大当り内訳を示し、図5(2)は、第2始動口22への遊技球入賞による第2特別図柄抽選の大当り内訳を示す。図5(1)に示すように、第1始動口21への遊技球入賞による第1特別図柄抽選の大当り内訳は、大当りAが20%であり、大当りBが5%であり、大当りCが5%であり、大当りDが5%であり、大当りEが35%であり、大当りFが30%である。また、図5(2)に示すように、第2始動口22への遊技球入賞による第2特別図柄抽選の大当り内訳は、大当りAが50%であり、大当りEが50%である。
ここで、通常遊技状態および潜伏遊技状態では(つまり、非時短状態では)、上記したように第2始動口22に遊技球が入賞し難いので、殆ど第1始動口21への遊技球入賞による第1特別図柄抽選(図5(1))が実行される。一方、確変遊技状態では(つまり、時短状態では)、上記したように第2始動口22に遊技球が頻繁に入賞し、又、図11を用いて後述するように第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が優先して実行されるので、殆ど第2特別図柄抽選(図5(2))が実行される。
次に、図5(3)を参照して、各大当りに当選した場合の大当り遊技について説明する。大当りAに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、大入賞口23が閉状態から開状態にされて1ラウンド(以下、単に「R」と記載する場合がある)のラウンド遊技が開始される。1Rにおいて、大入賞口23に遊技球が10個入賞するか大入賞口23の開放時間が29.5秒経過すると、大入賞口23が開状態から閉状態にされて1Rのラウンド遊技が終了する。その後、ラウンドとラウンドとの間のインターバル期間(例えば2秒間)が設けられた後に、1Rと同様に大入賞口23が開放されてから2Rのラウンド遊技が開始され、大入賞口23が閉鎖されて2Rのラウンド遊技が終了する。以後同様に残り13回のラウンド遊技が実行されて、合計15回のラウンド遊技が実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。この大当り遊技によって、遊技者は、約1500球の賞球総数を獲得することができる。その後、遊技状態は、大当り遊技が終了してから54回転終了するまで(正確には、特別図柄抽選が54回実行されて表示器4に特別図柄が54回変動表示されてから停止表示されるまで)の間、高確状態に制御され、又、大当り遊技が終了してから50回転終了するまで時短状態に制御される。つまり、大当り遊技が終了してから50回転終了するまでは、確変遊技状態に制御され、51回転〜54回転目までは潜伏遊技状態に制御され、55回転目以降は通常遊技状態に制御される。
大当りBに当選した場合、上記した大当りAの大当り遊技のラウンド数を12ラウンドにした大当り遊技が実行されて、遊技者は約1200球の賞球総数を獲得することができる。そして、大当りAと同様に、大当り遊技が終了してから50回転終了するまでは、確変遊技状態に制御され、51回転〜54回転目までは潜伏遊技状態に制御され、55回転目以降は通常遊技状態に制御される。
大当りCに当選した場合、上記した大当りAの大当り遊技のラウンド数を10ラウンドにした大当り遊技が実行されて、遊技者は約1000球の賞球総数を獲得することができる。そして、大当りAと同様に、大当り遊技が終了してから50回転終了するまでは、確変遊技状態に制御され、51回転〜54回転目までは潜伏遊技状態に制御され、55回転目以降は通常遊技状態に制御される。
大当りDに当選した場合、上記した大当りAの大当り遊技のラウンド数を8ラウンドにした大当り遊技が実行されて、遊技者は約800球の賞球総数を獲得することができる。そして、大当りAと同様に、大当り遊技が終了してから50回転終了するまでは、確変遊技状態に制御され、51回転〜54回転目までは潜伏遊技状態に制御され、55回転目以降は通常遊技状態に制御される。
大当りEに当選した場合、上記した大当りAの大当り遊技のラウンド数を5ラウンドにした大当り遊技が実行されて、遊技者は約500球の賞球総数を獲得することができる。そして、大当りAと同様に、大当り遊技が終了してから50回転終了するまでは、確変遊技状態に制御され、51回転〜54回転目までは潜伏遊技状態に制御され、55回転目以降は通常遊技状態に制御される。
大当りFに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、大入賞口23が閉状態から開状態にされて極めて短時間(例えば0.1秒)経過すると大入賞口23が開状態から閉状態にされるラウンドが、インターバル期間を挟んで2回実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。つまり、この大当り遊技では、大入賞口23が瞬間的にしか開放されないため、遊技球が大入賞口23に入ることは殆どなく、遊技者は実質的に賞球を得ることはできない。その後、低確状態(つまり通常遊技状態)での大当りFの当選であった場合には、大当りFの大当り遊技が終了してから54回転終了するまで潜伏遊技状態に制御されてから55回転目以降は通常遊技状態に制御される一方で、高確状態(つまり、確変遊技状態又は潜伏遊技状態)での大当りFの当選であった場合には、大当りFの大当り遊技が終了してから50回転終了するまで確変遊技状態に制御されてから51回転〜54回転目までは潜伏遊技状態に制御され、その後55回転目以降は通常遊技状態に制御される。
また、本実施形態では、第1始動口21への遊技球入賞に基づく第1特別図柄抽選(つまり、潜伏遊技状態に制御され得る大当りFが設けられた第1特別図柄抽選)にだけ、所定の確率(例えば1/300)で当選する小当りを設けている。小当りは第1特別図柄抽選の特定のハズレであり、小当りに当選した場合には、小当りに当選したことに応じて遊技状態は変更されない一方で、大当りFに当選した場合と酷似した(又は同様の)の演出(報知演出、および、小当り遊技演出)が行われ、かつ、大当りFに当選した場合と同様の(又は酷似した)大入賞口23の開閉制御が行われる。このことによって、遊技者に対して、実際は遊技状態が変更されない「小当り」であっても、大当りFに当選して潜伏遊技状態に制御されているかもしれないという期待感を抱かせ、遊技性を向上させることができる。なお、高確状態(つまり、確変遊技状態又は潜伏遊技状態)において大当りFに当選した場合には、上記のように確変遊技状態に制御されることから小当りに当選した場合と区別し難くする必要はないので、大当りFに当選したことを報知する演出(報知演出および大当り遊技演出)を行う構成としてもよい。
また、本実施形態では、大当りB〜Dは、大当り遊技中に実行される大当り遊技演出において、大当り遊技のラウンド数が増加(ランクアップ)するか否かの演出を行う大当り(ランクアップボーナス)である。具体的には、大当りB〜Dの何れかの大当り遊技演出において、8ラウンド中にラウンド数が10ラウンドに増加することを期待させるランクアップ期待演出を行った後に、大当りDである場合にはランクアップ失敗演出を行ってから8ラウンドまでで大当り遊技を終了する。一方、大当りB又はCである場合には、その後、8ラウンド中にランクアップ成功演出を行ってから、10ラウンド中にラウンド数が12ラウンドに増加することを期待させるランクアップ期待演出を行った後に、大当りCである場合にはランクアップ失敗演出を行って10ラウンドまでで大当り遊技を終了する。その一方で、大当りBである場合には、その後、10ラウンド中にランクアップ成功演出を行った後に、12ラウンドまで実行して大当り遊技を終了する。
次に、パチンコ遊技機1が実行する処理フローについて説明する。
[メイン制御部100によるメイン処理]
まず、図6を参照しつつ、メイン制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。なお、このメイン処理は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると開始され、メイン制御部100が起動している間、継続的に実行される。
図6のステップS901において、まず、CPU101は、例えば2000ms待機して、処理はステップS902に移る。なお、図示はしていないが、演出制御部400のCPU401は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、待機処理を行うことなく、メイン制御部100からの信号を受信可能な状態となる。すなわち、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100のCPU101よりも先に、処理を開始できる状態となる。
ステップS902において、CPU101は、RAM103へのアクセスを許可して、処理はステップS903に移る。
ステップS903において、CPU101は、不図示のRAMクリアスイッチが「ON」であるか否かを判定する。ステップS903での判定がYESの場合、処理はステップS904に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS907に移る。
ステップS904において、CPU101は、RAMクリアを行う。ここで、RAMクリアは、公知の技術であるため詳細な説明は省略するが、RAM103に格納されている各種情報(例えば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とすることである。その後、処理はステップS905に移る。
ステップS905において、CPU101は、RAMクリア時の作業領域を設定し、処理はステップS906に移る。
ステップS906において、CPU101は、周辺部の初期設定を行う。ここで、周辺部とは、演出制御部400や払出制御部300等である。周辺部の初期設定は、それぞれの制御部に対して、初期設定の実行を指示する初期設定コマンドを送信することによって行われる。その後、処理はステップS910に移る。
ステップS907において、CPU101は、バックアップフラグが「ON」であるか否かを判定する。なお、バックアップフラグとは、電源遮断時にバックアップデータの生成が正常に完了した場合、オンになるフラグであり、生成したバックアップデータに関連付けて、当該バックアップデータが有効であることを示すフラグである。ステップS907での判定がYESの場合、処理はステップS908に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS908において、CPU101は、チェックサムが正常であるか否かを判定する。ステップS908での判定がYESの場合、処理はステップS909に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS909において、CPU101は、後述する復旧処理(図8参照)を実行し、処理はステップS910に移る。
ステップS910において、CPU101は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(4ms)を設定する。なお、CPU101は、ここで設定された周期を用いて後述するタイマ割込処理(図9参照)を実行する。その後、処理はステップS911に移る。
ステップS911において、CPU101は、後述する電源遮断監視処理(図7参照)を実行し、処理はステップS912に移る。
ステップS912において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを禁止する設定を行い、処理はステップS913に移る。
ステップS913において、CPU101は、初期値乱数を更新し、処理はステップS914に移る。ここで、初期値乱数とは、後述するタイマ割り込み処理(図9参照)においてカウントアップ更新される各種の乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)の開始値を決定するための乱数であり、この各種の乱数に対応して複数の初期値乱数が用意されている。なお、初期値乱数は、所定のCTCの周期(4ms)ごとに発生するタイマ割込み処理(図9参照)と、その残余時間(すなわち、この所定のCTCの周期からタイマ割込み処理に要する処理時間を減じた時間)に処理されるメイン処理(図6参照)の両方でカウントアップ更新され、設定されている乱数の最大値(例えば299)に達した後は再び最小値(例えば0)に戻る。また、この残余時間は、CPU101の処理状況に応じて異なるので、ランダムな時間となっており、この残余時間で更新される初期値乱数の更新回数もランダムとなる。一方、詳細は後述するが、他の各種乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)は、タイマ割込み処理(図9参照)でしか更新されないため、初期値乱数とは乱数更新処理の処理周期が相違する。このように、処理周期が相違することにより、例えば、初期値乱数と大当り乱数の乱数範囲が同じ(例えば0〜299)であったとしても、大当り乱数の開始値として取得される初期値乱数の値は毎回ランダムとなる。そのため、大当たりを発生させる大当たり乱数値が取得されるタイミングを予測することを困難にすることができる。
ステップS914において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを許可する設定を行い、処理がステップS911に戻される。すなわち、CPU101は、ステップS911〜ステップS914の処理を繰り返し実行する。
[メイン制御部100による電源遮断監視処理]
図7は、図6のステップS911における電源遮断監視処理の詳細フローチャートである。図7のステップS9111において、CPU101は、割込処理を禁止し、処理はステップS9112に移る。
ステップS9112において、CPU101は、不図示の電源部から電源遮断信号が入力されたか否かに基づいて、パチンコ遊技機1に対する電源供給が遮断されたか否かを判定する。ステップS9112での判定がYESの場合、処理はステップS9114に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS9113に移る。
ステップS9113において、CPU101は、割込処理を許可し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図6のステップS912に移る)。
一方、ステップS9114において、CPU101は、CPU101に対して各種情報が入出力される出力ポートをクリアし、処理はステップS9115に移る。
ステップS9115において、CPU101は、現在の遊技機1の遊技状態等に基づいて、バックアップデータをRAM103に作成後、RAM103の内容からチェックサムを作成してRAM103に格納する。なお、この処理は、メイン制御部100に供給される電源の電源遮断により電源電圧が低下し始めたことを検出してから(ステップS9112で「YES」と判定されてから)電源電圧が「0」になるまでの期間に行われる。この処理によって、電源が遮断される直前の遊技状態情報等がRAM103に記憶される。その後、処理はステップS9116に移る。
ステップS9116において、CPU101は、バックアップフラグを「ON」に設定し、処理はステップS9117に移る。
ステップS9117において、CPU101は、RAM103へのアクセスを禁止し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図6のステップS912に移る)。
[メイン制御部100による復旧処理]
図8は、図6のステップS909における復旧処理の詳細フローチャートである。まず、図8のステップS9091において、CPU101は、復旧時におけるRAM103の作業領域を設定し、処理はステップS9092に移る。
ステップS9092において、CPU101は、RAM103の情報を参照して、電源遮断時における遊技状態や特別図柄抽選の保留数に関する情報を確認し、当該情報を含めた復旧通知コマンドを演出制御部400に対して送信する。このように、CPU101は、パチンコ遊技機1に対する電源供給が復旧したことを通知するために、電源遮断時の状態を示す復旧通知コマンドを演出制御部400へ送信する。このステップS9092の処理により、演出制御部400は、電源遮断前の遊技状態等を確認することができる。
ステップS9093において、CPU101は、周辺部の設定を行い、処理はステップS9094に移る。
ステップS9094において、CPU101は、バックアップフラグを「OFF」に設定し、復旧処理を終了する(処理は図6のステップS910に移る)。
[メイン制御部のタイマ割り込み処理]
次に、メイン制御部100において実行されるタイマ割込処理について説明する。図9は、メイン制御部100によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図9を参照して、メイン制御部100において行われるタイマ割込み処理について説明する。メイン制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図9に示す一連の処理を一定時間(4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図9以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS1において、メイン制御部100のCPU101は、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新、及びこの各乱数がカウントアップ更新される際の開始値となるそれぞれの初期値乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当り乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を判定する(つまり、特別図柄抽選を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当りの種類を決定するための乱数である。大当り乱数及び図柄乱数は、後に説明する図11のステップS407の大当り判定処理で使用される乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。なお、本実施形態では特別図柄抽選に当選した場合には必ずリーチ演出を行うが、他の実施形態では特別図柄抽選に当選した場合にリーチ演出を行わない場合があるものとしてもよい。変動パターン乱数は、特別図柄の変動パターン(特別図柄の変動時間等を特定する情報)を決定するための乱数である。ここで、特別図柄の変動時間は、この特別図柄の変動に同期して実行される報知演出(変動演出)の実行時間と等しい。リーチ乱数及び変動パターン乱数は、後に説明する図11のステップS408の変動パターン選択処理で使用される。ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等および各初期値乱数の値は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理において各乱数が取得されて、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当り乱数では299)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等の各カウンタは、それぞれ、ループカウンタのカウントが一巡すると、その時点での各乱数に対応する初期値乱数を取得して、当該初期値乱数の値を開始値として、新たにループカウンタのカウントを開始する。なお、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の乱数範囲は、任意に設定すればよいが、それぞれを互いに異なる範囲に設定することで(例えば、大当り乱数の範囲は0〜299としリーチ乱数の範囲は0〜99とする等)、これらの乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期しないように設定することが好ましい。
次に、ステップS2において、CPU101は、第1始動口スイッチ111a及び第2始動口スイッチ111bの状態を監視することにより、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したと判定された時点で、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や各種乱数を取得する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図10を参照して後に詳述する。
次に、ステップS3において、CPU101は、ゲートスイッチ113の状態を監視することにより、ゲート25を遊技球が通過したと判定された時点で普通図柄抽選の保留数が上限値(例えば4)未満か否かを判断し、保留数が上限値未満であると判断した場合、後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する。
次に、ステップS4において、CPU101は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選を実行し、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bに特別図柄を変動表示させた後にこれらの抽選結果を示す停止図柄の表示処理や、演出制御部400へ各種コマンドを送信等するための特別図柄処理を実行する。この特別図柄処理については、図11を参照して後に詳述する。
次に、ステップS5において、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当り乱数と一致するか否かを判定する普通図柄処理を実行する。そして、CPU101は、普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。具体的には、CPU101は、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる普通図柄の変動時間を、非時短状態では10秒に設定し、時短状態では0.5秒に短縮する。また、CPU101は、普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当り図柄となる確率(つまり、普通図柄抽選の当選確率)を、非時短状態では低確率(1/10)に設定し、時短状態では高確率(10/10)に上昇させる。
次に、ステップS6において、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理で特別図柄抽選に当選したと判定された場合(つまり、大当りした場合)に、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23に所定の開閉動作を行わせ、また、大当り遊技演出等に関する各種コマンドを演出制御部400に対して送信等するための大入賞口処理を実行する。この処理によって、大当り遊技(特別遊技)が進行され、遊技者は多量の賞球を獲得可能となる。この大入賞口処理については、図17及び図18を参照して後に詳述する。
次に、ステップS7において、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理によって普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当り図柄である場合(つまり、普通図柄抽選に当選した場合)に、電動チューリップ27を作動させる電動チューリップ処理を実行する。その際、CPU101は、非時短状態では電動チューリップ27を極短期間(例えば0.10秒間を1回)開放制御し、時短状態では電動チューリップ27を長期間(例えば2.00秒間を3回)開放制御する。なお、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。
次に、ステップS8において、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する賞球処理を実行する。
次に、ステップS9において、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS8の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部400又は/及び払出制御部300へ出力する出力処理を実行する。なお、CPU101は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24に遊技球が入賞する毎に、それぞれの入賞口に遊技球が入賞したことを通知するための入賞コマンドをRAM103にセットして、当該入賞コマンドを演出制御部400又は/及び払出制御部300へ出力する。
[始動口スイッチ処理]
図10は、図9のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図9のステップS2における始動口スイッチ処理について、図10を参照して説明する。
まず、ステップS201において、メイン制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111aからの出力信号に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS201での判定がYESの場合、処理はステップS202に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS202において、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の保留数の上限値Umax1(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が上限値Umax1未満であるか否かを判定する。ステップS202での判定がYESの場合、処理はステップS203に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS203において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS204に移る。
ステップS204において、CPU101は、第1特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数;遊技情報)を取得する。その後、処理はステップS205に移る。
ステップS205において、CPU101は、事前判定および乱数格納を行う。具体的には、CPU101は、ステップS204の処理で取得された大当り乱数等の乱数セット(第1特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を用いて、これらの乱数がROM102に記憶されている所定値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否か、大当りの場合何れの種類の大当りか、リーチ演出を実行するか否か、および変動パターン等を事前判定する。つまり、先読み予告演出(先読み連続予告演出)や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図11のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、CPU101は、事前判定に用いた上記乱数セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図11のステップS409の処理によって第1特別図柄抽選の保留数U1の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第1特別図柄抽選の保留数U1の値が「3」の場合、直近3回のステップS204の処理によって取得された直近3回の上記乱数セット(第1特別図柄抽選用の乱数セット)が、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS206に移る。
ステップS206において、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第1保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第1保留数増加コマンドには、ステップS205の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(以下、「事前判定情報」という)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第1保留数増加コマンドが、図9のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第1特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第1特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理はステップS207に移る。
ステップS207において、CPU101は、第2始動口スイッチ111bからの出力信号に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS207での判定がYESの場合、処理はステップS208に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS208において、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の保留数の上限値Umax2(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が上限値Umax2未満であるか否かを判定する。ステップS208での判定がYESの場合、処理はステップS209に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS209において、CPU101は、RAM103に格納されている保留数U2の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS210に移る。
ステップS210において、CPU101は、第2特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数;遊技情報)を取得する。その後、処理はステップS211に移る。
ステップS211において、CPU101は、事前判定および乱数格納を行う。具体的には、CPU101は、ステップS210の処理で取得された大当り乱数等の乱数セット(第2特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を用いて、これらの乱数がROM102に記憶されている所定値と一致するか否か等に基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるか否か、大当りの場合いずれの大当りか、リーチ演出を実行するか否か、および変動パターン等を事前判定する。つまり、先読み予告演出(先読み連続予告演出)や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図11のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、CPU101は、事前判定に用いた上記乱数セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図11のステップS409の処理によって第2特別図柄抽選の保留数U1の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第2特別図柄抽選の保留数U1の値が「3」の場合、直近3回のステップS210の処理によって取得された直近3回の上記乱数セット(第2特別図柄抽選用の乱数セット)が、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS212に移る。
ステップS212において、CPU101は、第2特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第2保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第2保留数増加コマンドには、ステップS211の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(事前判定情報)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第2保留数増加コマンドが、図9のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第2特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第2特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
[特別図柄処理]
図11は、図9のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図11を参照して、図9のステップS4における特別図柄処理について説明する。
まず、ステップS401において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)に基づいて、遊技機1の現在の状態が大当り遊技中または小当り遊技中であるか否かを判定する。つまり、特別図柄抽選に当選した場合に実行される大当り遊技(特別遊技)の実行中、又は、特別図柄抽選の特定のハズレである小当りに当選した場合に実行される小当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS401での判定がYESの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS402に移る。
ステップS402において、CPU101は、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ステップS402での判定がYESの場合、処理はステップS411に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS402−1に移る。
ステップS402−1において、CPU101は、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示終了直後に設けられる特別図柄の確定停止表示の実行中であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の確定停止表示は、特別図柄の変動表示が終了してから規定時間(本実施形態では0.5秒間)特別図柄の停止表示状態を維持して表示するものであり、特別図柄抽選結果を報知する表示である。なお、特別図柄の確定停止表示は、報知演出における装飾図柄の確定停止表示と同期し時間的に一致している。ステップS402−1での判定がYESの場合、処理はステップS417に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS403に移る。
ステップS403において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2が1以上であるか否か(つまり第2特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS403での判定がYESの場合、処理はステップS404に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS405に移る。
ステップS404において、CPU101は、RAM103に格納されている図10のステップS210およびS211によって取得されて格納された第2特別図柄抽選用の乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出す。その後、処理はステップS407に移る。
一方、ステップS405において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1が1以上であるか否か(つまり第1特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS405での判定がYESの場合、処理はステップS406に移り、この判定がNOの場合、実行されるべき特別図柄抽選は無いので、処理はステップS415に移る。
ステップS406において、CPU101は、RAM103に格納されている図10のステップS204およびS205によって取得されて格納された第1特別図柄抽選用の乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出す。その後、処理はステップS407に移る。
以上のステップS403〜S406の処理によって、第2特別図柄抽選が、第1特別図柄抽選よりも優先して実行されることとなる。
ステップS407において、CPU101は、特別図柄抽選が大当りであるかハズレであるかを判定する大当り判定処理を実行する。具体的には、ステップS404の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS404の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS406の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS406の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。また、CPU101は、第1特別図柄抽選の結果がハズレと判定した場合には、特定のハズレである小当りに当選したか否かを判定する。そして、CPU101は、特別図柄抽選の結果が小当りではないハズレと判定した場合、ハズレ図柄の情報を、設定情報における特別図柄の停止図柄の情報としてRAM103にセットする一方で、小当りに当選したと判定した場合、小当り図柄の情報を設定情報における特別図柄の停止図柄の情報としてRAM103にセットする。一方、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、この判定に使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された図柄乱数がROM102に記憶されている所定値の何れと一致するかに基づいて、今回の大当りの種類を判定する。そして、CPU101は、大当りしたこと及び大当りの種類を表す大当り図柄の情報を、設定情報における特別図柄の停止図柄の情報としてRAM103にセットする。その後、処理はステップS408に移る。
[変動パターン選択処理]
ステップS408において、CPU101は、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、ステップS408において、CPU101は、通常遊技状態又は潜伏遊技状態(つまり、非時短状態)のときには、図13及び図14に示す変動パターン決定テーブルHT1−1及びHT1−2を使用し、確変遊技状態(つまり、時短状態)のときには、図15及び図16に示す変動パターン決定テーブルHT2−1及びHT2−2を使用して、特別図柄抽選毎に変動パターンを決定(選択)する。ここで、この変動パターンは、表示器4に特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの時間である特別図柄変動時間、および、報知演出の演出パターンのタイプを特定する。この特別図柄変動時間は、報知演出の実行時間と同期しており報知演出の実行時間と同じ時間である。なお、以下では、変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2を、単に、HT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2という場合がある。
まず、通常遊技状態又は潜伏遊技状態(つまり、非時短状態)のときに、図13及び図14に示すHT1−1及びHT1−2を使用して変動パターンを選択する場合について、説明する。図13は、通常遊技状態又は潜伏遊技状態においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。図14は、通常遊技状態又は潜伏遊技状態においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。
[非時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図13を用いて、通常遊技状態又は潜伏遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。
ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理において第1特別図柄抽選で大当りしたと判定した場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターンを決定する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「大当り」の部分の各変動パターンに割り振られた乱数値の何れと一致するかに基づいて、変動パターンを決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「78」である場合、この変動パターン乱数が、HT1−1の「大当り」の部分の変動パターン「H03」に割り振られた乱数値「40〜99」に含まれるので、変動パターンとして「H03」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、「大当り」の部分の変動パターンH01〜H07は、それぞれ、特別図柄変動時間「180.00」秒、「180.00」秒、「180.00」秒、「40.00」秒、「25.00」秒、「20.00」秒、および「15.00」秒に対応する。また、HT1−1に示すように、「大当り」の部分の変動パターンH01〜H07は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「第3SPSP当り」、「第2SPSP当り」、「第1SPSP当り」、「SP当り」、「擬似変動3回当り」、「擬似変動2回当り」及び「ノーマルリーチ当り」に対応する。
また、ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理において第1特別図柄抽選でハズレたと判定した場合、第1特別図柄抽選の保留数(U1)、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて変動パターンを決定する。
具体的には、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」である場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出されたリーチ乱数(0〜99のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「ハズレ」の保留数「1、2」の部分のリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれるのかリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれるのかを判定する。
そして、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれるのか変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれるのかを判定する。そして、CPU101は、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれる場合には変動パターンとして「H16」を決定し、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれる場合には変動パターンとして「H15」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、「ハズレ」の部分の変動パターンH15およびH16は、それぞれ、特別図柄変動時間「13.50」秒および「8.00」秒に対応する。また、HT1−1に示すように、変動パターン「8.00秒」及び「13.50秒」は、何れも、報知演出の演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応する。
一方、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の各変動パターンに割り振られた変動パターン乱数値範囲の何れに含まれるかに基づいて、変動パターンを決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「260」である場合、変動パターン「H12」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「253〜275」に含まれるので、変動パターンとして「H12」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、「ハズレ」の部分の変動パターンH08〜H14は、それぞれ、特別図柄変動時間「180.00」秒、「180.00」秒、「180.00」秒、「40.00」秒、「25.00」秒、「20.00」秒、および「15.00」秒に対応する。また、HT1−1に示すように、「ハズレ」の部分の変動パターンH08〜H14は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「第3SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」、「第1SPSPハズレ」、「SPハズレ」、「擬似変動3回ハズレ」、「擬似変動2回ハズレ」、および「ノーマルリーチハズレ」に対応する。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜79」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「80〜99」に置き換え、又、変動パターン「H16」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「0〜209」に置き換え、変動パターン「H15」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「210〜299」に置き換えた乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜84」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「85〜99」に置き換え、又、変動パターン「H16」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「210〜269」に置き換え、変動パターン「H15」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「270〜299」に置き換え、更に、演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応し変動パターン乱数値範囲「0〜209」が割り振られた変動パターン「H17」が加えられた内容の乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。なお、変動パターン「H17」は、特別図柄変動時間「3.00」秒に対応する。
ここで、ステップS407の大当り判定処理において第1特別図柄抽選でハズレたと判定した場合において特定のハズレである小当りに当選した場合には、例外的に必ず「リーチあり」と判定して変動パターン乱数によって変動パターンH08〜H14の何れかを決定する。このように制御することによって、小当りした場合に、報知演出の演出パターンとして、即ハズレが選択されることはなく、必ずノーマルリーチ以上が選択されることとなる。
以上に図13に示す変動パターン決定テーブルHT1−1を用いて説明したように、通常遊技状態又は潜伏遊技状態(非時短状態)において第1特別図柄抽選でハズレ(小当りを除くハズレ)の場合には、第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど、リーチありの変動パターンが選択され易く、又、リーチなしの変動パターンが選択された場合には第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど長い変動パターンが選択され易い。なお、報知演出の「演出パターンのタイプ」については、図11の特別図柄処理のフローチャートの説明をした後に、詳しく説明する。
[非時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
次に、図14を用いて、通常遊技状態又は潜伏遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図13に示すHT1−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図14に示すHT1−2は、図13に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わった点で異なるのみである。つまり、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。
[時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
次に、図15を用いて、確変遊技状態(時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図15に示すHT2−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図15に示すHT2−1は、図13に示したHT1−1に対して、「ハズレ」においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合において、第1特別図柄抽選の保留数に関わらず一律に変動パターン「H15」(即ハズレに対応)が選択される点で異なる。なお、図15に示したHT2−1を用いる変動パターン決定の処理においても、図13に示したHT1−1を用いる変動パターン決定の処理と同様に、特定のハズレである小当りに当選した場合には、例外的に必ず「リーチあり」と判定して変動パターン乱数によって変動パターンH08〜H14の何れかを決定する。
[時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
次に、図16を用いて、確変遊技状態(時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図16に示すHT2−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図16に示すように、HT2−2は、図13に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わっている。つまり、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。また、図16に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「1」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、一律に変動パターン「H15」が決定される。また、図16に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「2〜4」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、変動パターン乱数値範囲「0〜239」において変動パターン「H20」が決定され、変動パターン乱数値範囲「240〜269」において変動パターン「H19」が決定され、変動パターン乱数値範囲「270〜299」において変動パターン「H18」が決定される。なお、図16のHT2−2に示すように、変動パターン「H18」〜「H20」は、それぞれ、特別図柄変動時間「10.00」秒、「4.00」秒および「2.00」秒に対応し、又、何れも、演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応する。
ここで、図11のステップS403〜S406での処理で説明したように、本実施形態では、第2特別図柄抽選の保留が、第1特別図柄抽選の保留よりも優先して消化される。また、確変遊技状態(時短状態)では、図9のステップS5及びS7での処理で説明したように、電動チューリップ27が頻繁に長期間開放して第2始動口22に遊技球が頻繁に入賞するので、第2特別図柄抽選が頻繁に連続して実行される。また、図5から分かるように、第2始動口22への遊技球入賞による第2特別図柄抽選の方が、第1始動口21への遊技球入賞による第1特別図柄抽選よりも、遊技者の利益が大きい。このことから、逆に言えば、確変遊技状態(時短状態)において、第1特別図柄抽選が実行されると、遊技者の利益が損なわれると言える。本実施形態では、以上に図16のHT2−2を用いて説明したように、確変遊技状態(時短状態)においては、第2特別図柄抽選の保留数が2〜4でリーチなしの場合には短時間の変動パターンH20およびH19(2.00秒、4.00秒)を選択し易くして第2特別図柄抽選の保留が高速で消化されるようにしてスピード感のある遊技を実行する一方で、第2特別図柄抽選の保留数が1でリーチなしの場合には長時間の変動パターンH15(13.50秒)を必ず選択して遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行され難く制御している。更に、本実施形態では、以上に図15のHT2−1を用いて説明したように、確変遊技状態(時短状態)においては、遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行されたとしても、第1特別図柄抽選の保留数が1〜4の全てにおいて、リーチなしの場合には長時間の変動パターンH15(13.50秒)を必ず選択して、第2始動口22に遊技球が入賞して遊技者に比較的有利な第2特別図柄抽選が実行されるための時間を稼ぐように制御している。
以上のようにしてステップS408において決定された変動パターンの情報(つまり、報知演出の実行時間および報知演出の演出パターンのタイプの情報)は、設定情報としてRAM103にセットされる。その後、処理はステップS409に移る。
ステップS409において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理によってセットされた設定情報、及びステップS408の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む報知演出開始コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、報知演出開始コマンドは、演出制御部400に対して、画像表示部6及びスピーカ35等による報知演出の開始を指示するコマンドである。また、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報には、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報も含まれる。また、CPU101は、現在の遊技状態(例えば、時短状態であるか非時短状態であるか)を示す遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。上記した報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドは、図9のステップS9における出力処理によって、演出制御部400へ送信される。また、CPU101は、上記したステップS404の処理で第2特別図柄抽選用の乱数セットをRAM103から読み出してステップS407およびS408の処理を実行した場合には、RAM103に記憶されている保留数U2を1減算した値に更新すると共に、読み出した第2特別図柄抽選用の乱数セットをRAM103から削除する。同様に、CPU101は、上記したステップS406の処理で第1特別図柄抽選用の乱数セットをRAM103から読み出してステップS407およびS408の処理を実行した場合には、RAM103に記憶されている保留数U1を1減算した値に更新すると共に、読み出した第1特別図柄抽選用の乱数セットをRAM103から削除する。その後、処理はステップS410に移る。
ステップS410において、CPU101は、ステップS409の処理でセットされた報知演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を開始する。その後、処理はステップS411に移る。
ステップS411において、CPU101は、ステップS410における特別図柄の変動表示の開始時点から、ステップS408の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS411での判定がYESの場合、処理はステップS412に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS412において、CPU101は、画像表示部6による報知演出の終了を指示する報知演出停止コマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS413に移る。なお、ステップS412でセットされた報知演出停止コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。
ステップS413において、CPU101は、ステップS410の処理で開始した第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を終了してその停止図柄を表示する。その後、処理はステップS414に移る。
ステップS414において、CPU101は、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の確定停止表示を開始する。また、その際に、CPU101は、特別図柄の確定停止表示を行う規定時間(0.5秒間)の計測を開始する。なお、既に説明したが、特別図柄の確定停止表示は、特別図柄の変動表示が終了してから規定時間(0.5秒間)特別図柄の停止表示状態を維持して表示するものであり、特別図柄抽選結果を報知する表示である。その後、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS415おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび現在の遊技状態を示す遊技状態通知コマンドを、ステップ416の処理(後述)で既に送信済みであるか否かを判定する。ここで、客待ちコマンドとは、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したことを契機に即時に特別図柄抽選を実行できる状態であって、特別図柄抽選の抽選結果を報知する報知演出が実行されていない状態(いわゆる客待ち状態)になったことを通知するコマンドである。ステップS415での判定がYESの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS416に移る。
ステップS416おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。この客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドは図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、当該客待ちコマンドに基づいて、所定の停止演出(装飾図柄の確定停止表示をそのまま引継いだ演出)が開始される。なお、上記した所定の停止演出が開始されてから所定時間(例えば90秒)が経過すると、客待ち演出が開始される。ここで、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。その後、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS417おいて、CPU101は、以下に図12を用いて説明する確定停止中処理を実行する。その後、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[確定停止中処理]
図12は、図11のステップS417における確定停止中処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図11のステップS417における確定停止中処理について、図12を参照して説明する。
まず、ステップS450において、メイン制御部100のCPU101は、図11のステップS414で開始した特別図柄の確定停止表示を行う規定時間(0.5秒間)が経過したか否かを判定する。ステップS450での判定がYESの場合、処理はステップS451に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS451において、CPU101は、図11のステップS414で開始した第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の確定停止表示を終了させる。なお、この終了の時点で特別図柄の次の変動表示が開始されない場合には(つまり、次の変動表示を実行させる特別図柄抽選の保留がない場合には)、この終了の時点の確定停止表示をそのまま引継いだ演出表示が実行される。その後、処理はステップS452に移る。
ステップS452において、CPU101は、ステップS451で終了させた特別図柄の確定停止表示が、ハズレ(特定のハズレである小当りも含む)を示す図柄であるか否かを判定する。つまり、CPU101は、確定停止表示を終了した特別図柄抽選でハズレたか否かを判定する。ステップS452での判定がYESの場合、処理はステップS453に移り、この判定がNOの場合(つまり、大当りA〜Fの何れかに当選した場合)、処理はステップS455に移る。
ステップS453において、CPU101は、遊技状態設定処理を行う。以下、具体的に説明する。ステップS453において、CPU101は、RAM103に記憶されている高確回転数Xの値および時短回転数Yの値が、それぞれ、1以上であるか否かを確認する。なお、大当り遊技の終了時に実行される図18のステップ623の遊技状態設定処理(後述)によって、高確回転数Xの値は54に設定され、時短回転数Yの値は0又は50に設定される。そして、CPU101は、高確回転数Xの値が1以上の場合には高確回転数Xの値を1減算して更新し、又、この更新によって高確回転数Xの値が0になる場合には、遊技状態を高確状態から低確状態に切替え、同様に、時短回転数Yの値が1以上の場合には時短回転数Yの値を1減算して更新し、又、この更新によって時短回転数Yの値が0になる場合には、遊技状態を時短状態から非時短状態に切替える。なお、CPU101は、高確回転数Xの値が1以上ではない場合(つまりX=0の場合)には高確回転数Xの値に対して処理は行わず、又、時短回転数Yの値が1以上ではない場合(つまりY=0の場合)には時短回転数Yの値に対して処理は行わない。以上のステップS453の処理によって、大当りA〜Eの大当り遊技終了後、および、高確状態で当選した大当りFの大当り遊技終了後において、50回転(報知演出50回)終了した時点で、確変遊技状態から潜伏遊技状態に設定され、その後4回転終了した時点で潜伏遊技状態から通常遊技状態に設定されることとなる。また、以上のステップS453の処理によって、低確状態で当選した大当りFの大当り遊技終了後において、54回転(報知演出54回)終了した時点で、潜伏遊技状態から通常遊技状態に設定されることとなる。その後、処理はステップS454に移る。
ステップS454において、CPU101は、ステップS451で終了させた特別図柄の確定停止表示が特定のハズレである小当りを示す図柄である場合には(つまり、小当りの場合には)、小当り遊技演出の実行を指示する小当りコマンドを、RAM103にセットする。この小当りコマンドは、図9のステップS9の処理によって演出制御部400に送信され、後述する図21のステップS131によって小当り遊技演出が実行制御されることとなる。その後、確定停止中処理は終了して、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS455において、CPU101は、遊技状態を大当り遊技状態に設定することによって、大当り遊技を開始する。その後、処理はステップS456に移る。
ステップS456において、CPU101は、大当り遊技演出の実行を指示するオープニングコマンドを、RAM103にセットする。このオープニングコマンドは、当選した大当りの種類を示す情報を含み、図9のステップS9の処理によって演出制御部400に送信され、後述する図21のステップS120によって大当り遊技演出が開始されることとなる。その後、確定停止中処理は終了して、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[演出パターンのタイプ]
ここで、図13〜図16のHT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2に示した報知演出の「演出パターンのタイプ」について説明する。
「ノーマルリーチ当り」は、装飾図柄の変動が開始されてから「擬似変動」を実行することなく、「リーチ成立」して「ノーマルリーチ」となった後に、「SPリーチ」、「第1SPSPリーチ」、「第2SPSPリーチ」および「第3SPSPリーチ」の何れにも発展することなく、装飾図柄が確定停止して大当りが報知される演出パターンのタイプである。
「ノーマルリーチハズレ」は、上記した「ノーマルリーチ当り」のタイプにおいて、最終的にハズレが報知される演出パターンのタイプである。
「擬似変動」(「擬似変動演出」、「擬似連続変動演出」、「擬似連演出」ともいう)とは、1回の報知演出において装飾図柄列が擬似的に複数回変動したように見せる演出である。例えば、「擬似変動」は、1回の報知演出において複数の装飾図柄列が全て擬似的に停止(つまり、仮停止)した後に擬似的に変動を再開すること(言い換えると、擬似的な変動を連続させること)を(1回以上)行うことによって、大当りを期待させる演出である。
「仮停止」とは、装飾図柄が一見停止表示されているように見えるが完全には停止表示されていない(確定停止表示されていない)仮の停止であり、例えば、装飾図柄が上下に僅かに揺れ動いて表示されている仮の停止である。
「リーチ成立」とは、報知演出において複数の装飾図柄列のうち変動中の残りの1つ装飾図柄列が仮停止したならば既に仮停止している他の装飾図柄列との関係で大当りを報知する特定の図柄状態となる可能性がある「リーチ状態」(単に「リーチ」ともいう)の成立をいう。例えば、「リーチ状態」は、左側、右側および中央の3つの装飾図柄列のうち右側と左側の装飾図柄列が同じ図柄(例えば数字の7の図柄)で既に仮停止しており、残りの変動中の中央の装飾図柄列が同じ図柄(例えば数字の7の図柄)で仮停止したならば大当りを示すゾロ目(例えば「777」)となる図柄状態である。
「ノーマルリーチ」(「ノーマルリーチ演出」ともいう)とは、「SPリーチ」、「第1SPSPリーチ」、「第2SPSPリーチ」および「第3SPSPリーチ」の何れにも発展していないリーチ状態の演出の一態様であり、大当りすることを期待させる演出である。例えば、「ノーマルリーチ」は、報知演出の開始に応じて画像表示部6の画面中央で変動開始された左側、右側および中央の3つの装飾図柄列がそのまま画面中央でリーチ状態になっており、SPリーチおよびSPSPリーチの何れも実行されていない演出である。
「SPリーチ」(「SPリーチ演出」ともいう)とは、リーチ成立後にノーマルリーチから発展して(又はノーマルリーチを経由せず突然リーチ成立直後に)実行されるリーチ状態の演出の一態様であり、ノーマルリーチよりも大当りすることを強く期待させる演出である。例えば、「SPリーチ」は、主人公のキャラクタが必殺技を修行する演出である。なお、本実施形態ではSPリーチを1種類としているが、他の実施形態ではSPリーチを複数種類設けて演出パターンのバリエーションを更に充実させてもよい。
「第1SPSPリーチ」(「第1SPSPリーチ演出」ともいう)とは、SPリーチから発展して(又は、SPリーチを経由せずノーマルリーチから発展して、或いは、ノーマルリーチもSPリーチも経由せず突然リーチ成立直後に)実行されるリーチ状態の演出の一態様であり、SPリーチよりも大当りすることを強く期待させる演出である。例えば、「第1SPSPリーチ」は、主人公のキャラクタが敵キャラクタと戦って第1の必殺技を繰り出す演出である。
「第2SPSPリーチ」(「第2SPSPリーチ演出」ともいう)とは、SPリーチから発展して(又は、SPリーチを経由せずノーマルリーチから発展して、或いは、ノーマルリーチもSPリーチも経由せず突然リーチ成立直後に)実行されるリーチ状態の演出の一態様であり、第1SPSPリーチよりも大当りすることを強く期待させる演出である。例えば、「第2SPSPリーチ」は、主人公のキャラクタが敵キャラクタと戦って第2の必殺技を繰り出す演出である。
「第3SPSPリーチ」(「第3SPSPリーチ演出」ともいう)とは、SPリーチから発展して(又は、SPリーチを経由せずノーマルリーチから発展して、或いは、ノーマルリーチもSPリーチも経由せず突然リーチ成立直後に)実行されるリーチ状態の演出の一態様であり、第2SPSPリーチよりも大当りすることを強く期待させる演出である。例えば、「第3SPSPリーチ」は、主人公のキャラクタが敵キャラクタと戦って第3の必殺技を繰り出す演出である。
なお、上記した「第1SPSPリーチ」、「第2SPSPリーチ」および「第3SPSPリーチ」を総称して「SPSPリーチ」(又は「SPSPリーチ演出」)という場合がある。
「擬似変動2回当り」は、装飾図柄の変動が開始されてから、上記した「擬似変動」における1回目および2回目の擬似的な変動が実行された後に、「リーチ成立」して「ノーマルリーチ」となり、「SPリーチ」、「第1SPSPリーチ」、「第2SPSPリーチ」および「第3SPSPリーチ」の何れも実行されず、装飾図柄が確定停止して大当りが報知される演出パターンのタイプである。ここで、このように1回目および2回目の(つまり、2回の)擬似的な変動が実行される場合には、擬似的な変動の連続が1回あるとも言えるので、「擬似変動2回」は、擬似連1回(擬似連演出1回)と言ってもよい。
「擬似変動2回ハズレ」は、上記した「擬似変動2回当り」のタイプにおいて、最終的にハズレが報知される演出パターンのタイプである。
「擬似変動3回当り」は、装飾図柄の変動が開始されてから、「擬似変動」における1回目〜3回目の擬似的な変動が実行され、その後、「リーチ成立」して「ノーマルリーチ」となり、「SPリーチ」、「第1SPSPリーチ」、「第2SPSPリーチ」および「第3SPSPリーチ」の何れも実行されず、装飾図柄が確定停止して大当りが報知される演出パターンのタイプである。ここで、このように1回目〜3回目の(つまり、3回の)擬似的な変動が実行される場合には、擬似的な変動の連続が2回あるとも言えるので、「擬似変動3回」は、擬似連2回(擬似連演出2回)と言ってもよい。
「擬似変動3回ハズレ」は、上記した「擬似変動3回当り」のタイプにおいて、最終的にハズレが報知される演出パターンのタイプである。
「SP当り」は、上記したSPリーチが実行されてからこのSPリーチが終了する際に装飾図柄が確定停止して大当りが報知される演出パターンのタイプである。なお、「SP当り」のタイプには、リーチ成立の前に「擬似連」が実行(言い換えると、2回目又は3回目の擬似的な変動が実行)されるものがある。
「SPハズレ」は、上記した「SP当り」のタイプにおいて、最終的にハズレが報知される演出パターンのタイプである。
「第1SPSP当り」は、上記した第1SPSPリーチが実行されてからこの第1SPSPリーチが終了する際に装飾図柄が確定停止して大当りが報知される演出パターンのタイプである。
「第1SPSPハズレ」は、上記した「第1SPSP当り」のタイプにおいて、最終的にハズレが報知される演出パターンのタイプである。
「第2SPSP当り」は、上記した第2SPSPリーチが実行されてからこの第2SPSPリーチが終了する際に装飾図柄が確定停止して大当りが報知される演出パターンのタイプである。
「第2SPSPハズレ」は、上記した「第2SPSP当り」のタイプにおいて、最終的にハズレが報知される演出パターンのタイプである。
「第3SPSP当り」は、上記した第3SPSPリーチが実行されてからこの第3SPSPリーチが終了する際に装飾図柄が確定停止して大当りが報知される演出パターンのタイプである。
「第3SPSPハズレ」は、上記した「第3SPSP当り」のタイプにおいて、最終的にハズレが報知される演出パターンのタイプである。
なお、上記した第1〜第3SPSP当り及び第1〜第3SPSPハズレのタイプには、リーチ成立の前に「擬似連」が実行(言い換えると、2回目又は3回目の擬似的な変動が実行)されるものがある。
「即ハズレ」は、装飾図柄の変動が開始されてから、擬似変動(擬似連)もなく、リーチ成立もなく(つまり、ノーマルリーチ、SPリーチ、第1〜第3SPSPリーチの何れも実行されず)、装飾図柄がハズレを報知する態様で確定停止して即ハズレる演出パターンのタイプである。
ここで、大当りA〜E(図5参照)に当選した場合に実行される以上に説明した「当り」の演出パターンのタイプでは、大当りしたことを明確に報知するパターン(例えば、「333」等のゾロ目)で装飾図柄を確定停止させる。一方で、大当りF(図5参照)に当選した場合に実行される以上に説明した「当り」の演出パターンのタイプでは、一般にハズレと認識される大当りしたことを非常に分かり難く報知するパターン(例えば、「343」等の非ゾロ目)で装飾図柄を確定停止させる。この場合には、例えば、一般に遊技者に認識されていない補助装飾図柄(例えば、画面の左下に表示される直径5mmの円形の図柄;図示なし)を通常の青色から赤色に変化させることで、大当りFに当選したことを非常に分かり難く報知する。このことによって、大当りFに当選したのか、特定のハズレである小当りに当選したのかを、非常に分かり難くすることができるので、遊技の興趣性を向上させることができる。
[大当り信頼度]
次に、大当り信頼度(大当り期待度ともいう)について説明する。大当り信頼度が高い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される確率が高い演出であり、大当り信頼度が低い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される確率が低い演出である。以下、図13に示すHT1−1を用いて具体的に説明する。HT1−1の「大当り」の部分から分かるように、大当りの場合には、「ノーマルリーチ当り」、「擬似変動2回当り」、「擬似変動3回当り」、「SP当り」、「第1SPSP当り」、「第2SPSP当り」、「第3SPSP当り」の順で、変動パターン乱数値範囲が大きくなっている。一方で、HT1−1の「ハズレ」の部分から分かるように、ハズレの場合には、「ノーマルリーチハズレ」、「擬似変動2回ハズレ」、「擬似変動3回ハズレ」、「SPハズレ」、「第1SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」、「第3SPSPハズレ」の順で、変動パターン乱数値範囲が小さくなっている。以上から分かるように、大当りの場合に実行され易くハズレの場合に実行され難い演出は大当り信頼度が高い一方で、大当りの場合に実行され難くハズレの場合に実行され易い演出は大当り信頼度が低い。つまり、「ノーマルリーチ」、「擬似変動の2回目」、「擬似変動の3回目」、「SPリーチ」、「第1SPSPリーチ」、「第2SPSPリーチ」、「第3SPSPリーチ」の順で大当り信頼度が高くなる。
[大入賞口処理]
図17及び図18は、図9のステップS6における大入賞口処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図9のステップS6における大入賞口処理について、図17及び図18を参照して説明する。
まず、ステップS601において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に格納されている情報(典型的には、フラグによる情報)に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技中(大当り遊技状態)であるか否かを判定する。ステップS601での判定がYESの場合、処理はステップS602に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS602において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のオープニング演出中であるか否かを判定する。ステップS602での判定がYESの場合、処理はステップS603に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS609に移る。
ステップS603において、CPU101は、オープニング演出の実行時間を規定する設定オープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS603での判定がYESの場合、処理はステップS604に移り、この判定がNOの場合、オープニング演出は終了していないので、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS604において、CPU101は、大当り遊技の全ラウンド数Rmaxと大当り遊技の大入賞口23の動作パターンとを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、大当り遊技に含まれるラウンドの数量(Rmax:例えば「15」)と大当り遊技中の大入賞口23の動作パターンを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。ステップS604の処理によって、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、大当り遊技中のラウンドとラウンドとの間のインターバル時間、大当り遊技の最後にエンディング演出を行う時間である設定エンディング時間等が設定される。その後、処理はステップS605に移る。
ステップS605において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを「0」にリセットする。その後、処理はステップS606に移る。
ステップS606において、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技のラウンド数Rを、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS607に移る。
ステップS607において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23の開放制御を開始する。この処理によって、大当り遊技のラウンド(ラウンド遊技)が開始されて大入賞口23の開放動作(1回の開放動作)が開始される。その後、処理はステップS608に移る。
ステップS608において、CPU101は、ラウンド開始(ラウンド遊技開始)を通知するラウンド開始通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が開始されることとなる。なお、このラウンド開始通知コマンドには、ステップS604で設定された全ラウンド数Rmaxを示す情報およびステップS606の処理により更新された現在のラウンド数Rを示す情報が含まれている。その後、処理はステップS612に移る。
ステップS609において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のインターバル中であるか否かを判定する。ステップS609での判定がYESの場合、処理はステップS610に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS611に移る。
ステップS610において、CPU101は、大当り遊技中の前回のラウンド終了時に大入賞口23が閉塞された時点から、ステップS604の処理で設定された大当り遊技中の設定インターバル時間が経過したか否かを判定する。ステップS610での判定がYESの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっているので処理はステップS605に移り、この判定がNOの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっていないので、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS611において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のエンディング演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS611での判定がYESの場合、処理は図18のステップS621に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS612に移る。
ステップS612において、CPU101は、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド中であると判断して、大入賞口スイッチ114からの出力信号に基づいて、大入賞口23に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS612での判定がYESの場合、処理はステップS613に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS614に移る。
ステップS613において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを、1加算した値に更新する。ステップS613の処理が実行されることで、1つのラウンド中に大入賞口23に入賞した遊技球の総数(入賞数C)がRAM103に累積記憶されていく。また、CPU101は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、図21のステップS125の入賞処理が実行されることとなる。その後、処理はステップS614に移る。
ステップS614において、CPU101は、ステップS607の処理で大入賞口23の開放制御が開始された時点から規定の開放制御時間(例えば、29.5秒間)が経過したか否かを判定する。ステップS614での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS615に移る。
ステップS615において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、大入賞口23が閉塞されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では「10」)となったか否かを判定する。ステップS615での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS616において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して、ステップS607で開始した大入賞口23の開放制御を終了する。このように、CPU101は、大当り遊技中の各ラウンドにおいて、大入賞口23を開放してから規定の開放制御時間(例えば、29.5秒間)が経過するまでに大入賞口スイッチ114によって検出された遊技球の総数(入賞数C)が10個(Cmax)に達したこと、又は大入賞口23を開放してから10個の遊技球が入賞することなく規定の開放制御時間(例えば、29.5秒間)が経過したことを条件として大入賞口23を閉塞する。その後、処理はステップS617に移る。
ステップS617において、CPU101は、ラウンド終了(ラウンド遊技終了)を通知するラウンド終了通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が終了されることとなる。その後、処理はステップS618に移る。
ステップS618において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS604の処理で設定された大当り遊技の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。ステップS618での判定がYESの場合、処理は図18のステップS619に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
図18のステップS619において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rを「0」にリセットする。その後、処理はステップS620に移る。
ステップS620において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技のエンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを、RAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図9のステップS9(出力処理)によって演出制御部400へ送信される。なお、このエンディングコマンドとしては、大当り図柄(つまり、大当りの種類)および大当り遊技終了後に制御される遊技状態に対応したコマンドが送信され、演出制御部400は、このエンディングコマンドに基づいて、エンディング演出終了後(大当り遊技演出終了後)の演出モードを制御する。例えば、大当りAに対応したエンディングコマンドが送信された場合、演出制御部400は、当該エンディングコマンドに基づいて大当り遊技演出の終了後、確変遊技状態を示す確変モードで報知演出を実行する。その後、処理はステップS621に移る。
ステップS621において、CPU101は、ステップS620でエンディングコマンドをRAM103にセットした時点から図17のステップS604の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS621での判定がYESの場合、処理はステップS622に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS622において、CPU101は、実行していた大当り遊技を終了する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技中であることを示す設定情報(典型的には、フラグによる情報)を解除して、大当り遊技を終了する。その後、処理はステップS623に移る。
ステップS623において、CPU101は、RAM103に記憶されている高確回転数Xの値および時短回転数Yの値(図12のS453の説明を参照)を設定すると共に今回の大当りの種類(大当り図柄)に応じて遊技状態を切り替える遊技状態設定処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS622で大当りA〜Eの何れかの大当り遊技を終了した場合は、高確回転数Xの値として54を設定すると共に時短回転数Yの値として50を設定し、遊技状態を確変遊技状態に設定する。また、ステップS622で高確状態で当選した大当りFの大当り遊技を終了した場合にも、高確回転数Xの値として54を設定すると共に時短回転数Yの値として50を設定し、遊技状態を確変遊技状態に設定する。また、ステップS622で低確状態で当選した大当りFの大当り遊技を終了した場合は、高確回転数Xの値として54を設定すると共に時短回転数Yの値として0を設定し、遊技状態を潜伏遊技状態に設定する。以上に説明したステップS623の遊技状態設定処理、および、図12のステップS453の遊技状態設定処理によって、図5(3)を用いて説明したように大当り遊技後の遊技状態が制御される。その後、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
[小当りした場合の大入賞口の開閉処理(小当り遊技の処理)]
以上では、大当りした場合による大入賞口23の開閉処理(大当り遊技の処理)について説明したが、小当りした場合にも、大入賞口23を開閉させる処理(小当り遊技の処理)が行われる。具体的には、メイン制御部100のCPU101は、特別図柄抽選の特定のハズレである小当りに当選した場合に、大当りFに当選して以上に説明した大入賞口処理が実行されることによって大入賞口23が0.1秒間の瞬間開放動作を2回行うのと同一の動作を、大入賞口23に行わせる。このことによって、大当りFに当選したのか或いは小当りしたのかを大入賞口23の開閉動作によって遊技者が判別できないようにしている。
[演出制御部によるタイマ割込み処理]
図19は、演出制御部400によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図19を参照して、演出制御部400において行われるタイマ割込み処理について説明する。演出制御部400は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図19に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図19以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部400で行われる処理は、ROM402に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS11において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から図9のステップS9の出力処理により出力された各種コマンドを受信して、受信したコマンドに応じて演出内容を設定し、設定した演出内容の演出を画像音響制御部500等に指示して実行させるコマンド受信処理を実行する。このコマンド受信処理については、図20及び図21を参照して後に詳述する。
次に、ステップS12において、CPU401は、遊技者による操作に応じて演出を制御する操作演出制御処理を実行する。この操作演出制御処理については、図28及び図29を参照して後に詳述する。
次に、ステップS13において、CPU401は、所定の大当り遊技中および大当り遊技終了後の所定期間に出力する楽曲を、大当り遊技中の遊技者による操作に応じて選択する楽曲選択操作処理を実行する。この楽曲選択操作処理については、図30を参照して後に詳述する。
次に、ステップS14において、CPU401は、ステップS11〜S13の処理でRAM403にセットされた各種コマンドを画像音響制御部500等に出力する出力処理を実行する。この処理によって、ステップS11〜S13の処理で実行決定された各種演出が、画像音響制御部500等の実行制御により、画像表示部6、スピーカ35および盤ランプ8等で実行されることとなる。
なお、上記したタイマ割り込み処理の実行毎に、CPU401は、演出内容の決定等に使用する各種の演出乱数を更新する乱数更新処理を行う。この乱数更新処理においても、図9のステップS1の乱数更新処理と同様に、典型的にはループカウンタが用いられ、そのカウント値(更新された乱数値)は、最大値(例えば、99)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、この乱数更新処理において、各演出乱数のカウンタは、それぞれ、1回循環するとランダムに初期値(循環の起点となる値)を更新する。このことによって、これらの演出乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期することを回避できる。
[コマンド受信処理]
図20および図21は、図19のステップS11のコマンド受信処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図20および図21を参照して、図19のステップS11のコマンド受信処理について説明する。なお、図20以降のフローチャートの処理における演出制御部400による画像音響制御部500等に対する指示は、各種コマンドをRAM403にセットすることによって実行される。
まず、ステップS111において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から保留増加コマンド(第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定する(図10のステップS206及びS212参照)。ステップS111での判定がYESの場合、処理はステップS112に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS114に移る。
ステップS112において、CPU401は、ステップS111の処理で受信した保留増加コマンドに応じて、画像音響制御部500に指示して、画像表示部6に特別図柄抽選の保留を示す保留画像(図示なし)を追加表示させる保留画像設定処理を行う。その後、処理はステップS113に移る。
ステップS113において、CPU401は、後に実行される報知演出で大当りする可能性を、その報知演出よりも先に実行される1つ以上の報知演出において示唆する先読み予告演出の実行を設定する先読み予告演出設定処理を行う。先読み予告演出は、例えば、所定のキャラクタを表示することによって、後の報知演出で大当りする可能性を示唆する演出である。その後、処理はステップS114に移る。
ステップS114において、CPU401は、図11のステップS409でセットされた報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS114での判定がYESの場合、処理はステップS115に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS116に移る。
ステップS115において、CPU401は、ステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンド等に応じて、画像音響制御部500等に指示して、画像表示部6等によって報知演出を開始させる報知演出設定処理を行う。ここで、報知演出(変動演出)は、特別図柄の変動表示に応じて画像表示部6等において実行されて特別図柄抽選の結果を報知する演出であり、本実施形態では、装飾図柄DI(後述する図35等参照)が変動表示され、この変動表示された装飾図柄DIが確定停止表示されることにより特別図柄抽選の結果が報知される演出である。この報知演出設定処理については、図22を用いて後に詳述する。その後、処理はステップS116に移る。
ステップS116において、CPU401は、図11のステップS412の処理でセットされた報知演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS116での判定がYESの場合、処理はステップS117に移り、この判定がNOの場合、処理は図21のステップS118に移る。
ステップS117において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS115の処理で実行開始した報知演出を終了して、変動表示させていた装飾図柄を最終的に全て完全に停止させて(規定時間(0.5秒間)確定停止表示させて)特別図柄抽選の結果を演出的に報知する。その後、処理は図21のステップS118に移る。
図21のステップS118において、CPU401は、図12のステップS456の処理でセットされたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS118での判定がYESの場合、処理はステップS119に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS121に移る。
ステップS119において、CPU401は、ステップS118で受信したオープニングコマンドに含まれる当選した大当りの種類(大当り図柄)の情報に基づいて、実行する大当り遊技演出の種類を決定する。以下、具体的に説明する。
大当りの種類が大当りA又はEの場合(図5参照)、CPU401は、大当り遊技演出として(より正確には、大当り遊技のラウンド中およびインターバル中の演出として)、主人公のキャラクタが大勢の敵キャラクタを次々に倒していく大当りA及びE用の演出を決定する。
大当りの種類が大当りB〜D(ランクアップボーナス)の場合(図5参照)、CPU401は、大当り遊技演出として(より正確には、大当り遊技のラウンド中およびインターバル中の演出として)、大当り遊技のラウンド数が増加(ランクアップ)するか否かの演出を行う大当りB〜D用の演出を決定する。具体的には、1〜7ラウンドにおいて主人公のキャラクタが敵を探索する演出を行い、8ラウンド中にラウンド数が10ラウンドに増加することを期待させるランクアップ期待演出(例えば、強敵キャラクタと戦う演出)を行った後に、大当りDである場合にはランクアップ失敗演出(例えば、強敵キャラクタと引分ける演出)を行ってから8ラウンドまででラウンド遊技を終了する演出を決定する。一方、大当りB又はCである場合には、その後、ランクアップ成功演出(例えば、強敵キャラクタに勝利する演出)を行った後に8ラウンドから再び主人公のキャラクタが敵を探索する演出を実行してから、10ラウンド中にラウンド数が12ラウンドに増加することを期待させるランクアップ期待演出(例えば、2人目の強敵キャラクタと戦う演出)を行ってから、大当りCである場合にはランクアップ失敗演出(例えば、2人目の強敵キャラクタと引分ける演出)を行って10ラウンドまででラウンド遊技を終了する演出を決定する。その一方で、大当りBである場合には、その後、ランクアップ成功演出(例えば、2人目の強敵キャラクタに勝利する演出)を行った後に10ラウンドから再び主人公のキャラクタが敵を探索する演出を実行して、12ラウンドまでラウンド遊技を実行する演出を決定する。
大当りの種類が大当りFの場合(図5参照)、CPU401は、大当り遊技演出として(より正確には、大当り遊技のオープニングからエンディングまでの大当り遊技演出全体の演出として)、主人公のキャラクタが敵キャラクタを探索して発見してから逃げられる大当りF用の演出を決定する。
また、ステップS119において、CPU401は、大当りの種類が大当りA又はEの場合には、大当りA又はEの大当り遊技のオープニング期間全体に亘って、楽曲選択操作有効期間を設定する。図30等を用いて後述するが、この楽曲選択操作有効期間において、遊技者は演出ボタン37を操作することによって大当りA又はEのラウンド中およびインターバル中等に出力される楽曲を選択することができる。
その後、処理はステップS120に移る。
ステップS120において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のオープニング演出を開始させる。つまり、大当り遊技演出を開始させる。ここで、大当り遊技演出のオープニング演出は、大当り遊技の開始を報知する演出である。但し、大当りFの大当り遊技のオープニング演出は、小当りした場合と区別できない(又は区別し難い)ようにするため、大当り遊技の開始を報知する演出ではない演出(主人公のキャラクタが敵キャラクタを探索する演出)である。その後、処理はステップS121に移る。
ステップS121において、CPU401は、図17のステップS608の処理でセットされたラウンド開始通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS121での判定がYESの場合、処理はステップS122に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS124に移る。
ステップS122において、CPU401は、図30を用いて詳しく説明する楽曲選択操作処理で設定された楽曲を大当りA又はEの大当り遊技の1ラウンドから出力開始する選択楽曲実行処理を行う。この選択楽曲実行処理については、図27を用いて後に詳述する。その後、処理はステップS123に移る。
ステップS123において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出を開始させる。ここで、ラウンド演出は、大当り遊技のラウンド遊技中に実行される演出であり、例えば大当りA及びEのラウンド演出は、主人公のキャラクタが大勢の敵キャラクタを次々に倒していく演出である。その後、処理はステップS124に移る。
ステップS124において、CPU401は、図17のステップS613等の処理でセットされた入賞コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS124での判定がYESの場合、処理はステップS125に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS126に移る。
ステップS125において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して入賞処理を実行させる。ここで、入賞処理は、例えば大当り遊技中(ラウンド中)に開放される大入賞口23に入賞した遊技球に基づいて払い出された賞球数をカウントする処理であり、入賞処理の実行を指示された画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400を介して受信した入賞コマンドのうち、大入賞口23への遊技球入賞に基づく入賞コマンドを受信する毎に(つまり、大入賞口23へ遊技球が1つ入賞する毎に)、大入賞口23入賞に対応する賞球数「10」をRAM503に記憶された賞球総数に加算して更新し、更新された賞球総数を画像表示部6に表示する。これにより、大当り遊技で獲得された賞球総数が表示されることとなる。その後、処理はステップS126に移る。
ステップS126において、CPU401は、図17のステップS617の処理でセットされたラウンド終了通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS126での判定がYESの場合、処理はステップS127に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS128に移る。
ステップS127において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出を終了させると共にインターバル演出を開始させる。なお、CPU401は、最終ラウンドのラウンド演出終了を指示する場合には、エンディング演出の開始タイミングとなっているので、インターバル演出開始の指示は行わない。また、ステップS123およびS127の処理によって実行されるラウンド演出およびインターバル演出は、一連の連続的な演出(例えば大当りA及びEの場合、主人公のキャラクタが大勢の敵キャラクタを次々に倒していく一連の連続的な演出である)である。その後、処理はステップS128に移る。
ステップS128において、CPU401は、図18のステップS620の処理でセットされたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS128での判定がYESの場合、処理はステップS129に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS130に移る。
ステップS129において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のエンディング演出を開始させる。ここで、エンディング演出は、大当り遊技が終了することを報知する演出であり、典型的には、遊技機1のメーカー名を表示させる演出である。また、ステップS129において、CPU401は、図30を用いて後述する楽曲選択操作処理で設定されて、図27を用いて後述する選択楽曲実行処理により大当り遊技のラウンドおよびインターバル中に出力(実行)される選択楽曲が実行されている場合には、その選択楽曲の実行を停止して、エンディング演出の音響(例えば、大当り遊技の終了を報知する音声)を出力する。その後、処理はステップS130に移る。
ステップS130において、CPU401は、図12のステップS454の処理でセットされた小当りコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS130での判定がYESの場合、処理はステップS131に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS132に移る。
ステップS132において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、小当り遊技演出を実行させる。ここで、小当り遊技演出は、主人公のキャラクタが敵キャラクタを探索して発見してから逃げられる大当りFの大当り遊技演出と同じ(又は類似の)演出である。その後、処理はステップS132に移る。
ステップS132において、CPU401は、図11のステップS416の処理でセットされた客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS132での判定がYESの場合、処理はステップS133に移り、この判定がNOの場合、コマンド受信処理を終了し、処理は図19のステップS12に移る。
ステップS133において、CPU401は、ステップS132で受信した客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドに基づいて、画像音響制御部500に指示して、停止状態処理を開始させる。ここで、停止状態処理は、いわゆる客待ち状態になることを契機に開始される処理であり、停止状態処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、所定の停止画像(例えば、装飾図柄が停止表示された画像をそのまま引き継いだ画像)を画像表示部6に表示する。なお、CPU501は、上記した所定の停止画像の表示を開始してから、所定時間(例えば90秒)が経過したときに、CPU401から、他の演出の指示を受けない場合、客待ち演出を開始する。なお、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばSPリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。その後、コマンド受信処理を終了し、処理は図19のステップS12に移る。
[報知演出設定処理]
次に、図22を用いて、演出制御部400による報知演出設定処理について説明する。図22は、図20のステップS115の報知演出設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS501において、CPU401は、図20のステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドに基づいて、今回の報知演出(変動)の演出モードを設定する。演出モードの設定(移行)については図31を用いて後に詳述するが、演出モードには、通常基本モードおよび通常特別モードを含む通常モードと、潜伏可能性モードと、確変モードとがある。通常モードは、通常遊技状態である可能性が高いことを示唆する演出モードであり、報知演出を都市Aの青色背景画像とすることにより通常基本モードが実行され、報知演出を都市Bの青色背景画像とすることにより通常特別モードが実行される。潜伏可能性モードは、潜伏遊技状態である可能性が通常モードよりも高いことを示唆する演出モードであり、報知演出を都市Cの黄色背景画像とすることにより実行される。確変モードは、確変遊技状態であることを確定的に示す演出モードであり、報知演出を都市Dの赤色背景画像とすることにより実行される。なお、ステップS501において、CPU401は、必要に応じて、演出モードを設定(移行)するために必要となる報知演出の実行回数(変動数)をカウントする処理を実行する。例えば、CPU401は、大当りAの大当り遊技終了からの報知演出の実行回数をカウントしてこの実行回数が1〜50のときは確変モードに設定し、51からは(つまり、大当りAの大当り遊技終了から51回目の報知演出からは)通常モードに設定する。その後、処理はステップS502に移る。
ステップS502において、CPU401は、今回の報知演出(変動)の演出パターンを決定する演出パターン決定処理を実行する。この演出パターン決定処理については、図23を用いて後に説明する。その後、処理はステップS503に移る。
ステップS503において、CPU401は、大当り中楽曲引継ぎ処理を実行する。この大当り中楽曲引継ぎ処理については、図26を用いて後に説明する。その後、処理はステップS504に移る。
ステップS504において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、上記したステップS501〜S503で決定された内容の報知演出を実行させる。その後、処理はステップS505に移る。
ステップS505において、CPU401は、保留画像制御処理を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500に指示して、今回開始する報知演出(変動)に対応する保留画像を非表示とすると共に、他の保留画像が表示されている場合にはその保留画像をシフト移動させる。その後、報知演出設定処理は終了して、処理は図20のステップS116に移る。
[演出パターン決定処理]
次に、図23を用いて、演出制御部400による演出パターン決定処理について説明する。図23は、図22のステップS502の演出パターン決定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS511において、CPU401は、図20のステップS114で受信した報知演出開始コマンドを解析する。その後、処理はステップS512に移る。
ステップS512において、CPU401は、ステップS511での報知演出開始コマンドの解析結果に基づいて、今回の報知演出(変動)の演出パターンを決定する。具体的には、CPU401は、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報が示す変動パターン(図13等参照)に対応する演出パターンのタイプに含まれる多数の演出パターンのうちの1つを、演出乱数を用いた抽選等によって、今回の報知演出(変動)の演出パターンとして決定する。例えば、CPU401は、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報が示す変動パターン(図13等参照)が「H03」の場合、これに対応する演出パターンのタイプ「第1SPSP当り」に含まれる多数の演出パターンのうち、擬似連演出を1回実行(言い換えると、擬似変動を2回実行)してからリーチ成立した後に第1SPSPリーチに発展させて大当りを報知する演出パターンを、今回の報知演出(変動)の演出パターンとして決定する。また、例えば、CPU401は、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報が示す変動パターン(図13等参照)が「H11」の場合、これに対応する演出パターンのタイプ「SPハズレ」に含まれる多数の演出パターンのうち、擬似連演出を実行することなくリーチ成立すると同時にSPリーチに発展させてからハズレを報知する演出パターンを、今回の報知演出(変動)の演出パターンとして決定する。その後、処理はステップS513に移る。
ステップS513において、CPU401は、ステップS512で決定された演出パターン(図13等参照)が8秒以上の演出パターンであるか否かを判定する。つまり、CPU401は、今回の報知演出(変動)が8秒以上の実行時間の報知演出であるか否かを判定する。ステップS513での判定がYESの場合、処理はステップS514に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS517に移る。
ステップS514において、CPU401は、RAM403に記憶されている図24に示すカットイン予告ボタン演出実行抽選テーブルおよび図25に示すカットイン色抽選テーブルを用いて、カットイン予告ボタン操作演出を実行するか否か等を決定する抽選を行う。なお、図35を用いて具体的に後述するが、カットイン予告ボタン操作演出は、遊技者による演出ボタン37の押下操作に応じて、実行中の報知演出において大当りする可能性(大当り信頼度)を予告(示唆)するカットイン画像を表示する演出である。例えば、CPU401は、ステップS512で決定された演出パターン(図13等参照)が「第2SPSP当り」のタイプである場合、図24に示すカットイン予告ボタン演出実行抽選テーブルの「第1〜第3SPSP当り/ハズレ」の行の演出乱数を用いた抽選を実行して、30%の確率でカットイン予告ボタン演出を実行すると決定する。その後、CPU401は、図25に示すカットイン色抽選テーブルの「第1〜第3SPSP当り/ハズレ」の行の演出乱数を用いた抽選を実行して、カットイン画像の色を、15%の確率で青色に決定し、35%の確率で緑色に決定し、50%の確率で赤色に決定する。また、例えば、CPU401は、ステップS512で決定された演出パターン(図13等参照)が「ノーマルリーチハズレ」のタイプである場合、図24に示すカットイン予告ボタン演出実行抽選テーブルの「ノーマルリーチ当り/ハズレ」の行の演出乱数を用いた抽選を実行して、5%の確率でカットイン予告ボタン演出を実行すると決定する。その後、CPU401は、図25に示すカットイン色抽選テーブルの「ノーマルリーチ当り/ハズレ」の行の演出乱数を用いた抽選を実行して、カットイン画像の色を、99%の確率で青色に決定し、1%の確率で緑色に決定する。ここで、図24及び図25から分かるように、CPU401は、大当り信頼度の高い演出パターンのタイプになるほど、カットイン予告ボタン操作演出を実行し易く、又、カットイン予告ボタン操作演出を実行する場合には、大当り信頼度の高い演出パターンのタイプになるほど、大当り信頼度の高いカットイン画像の色を決定し易い。なお、他の実施形態では、演出パターンのタイプの大当り信頼度の高さに関わらずカットイン予告ボタン操作演出の実行確率を一定にしてもよく、又、大当り信頼度の低い演出パターンのタイプになるほどカットイン予告ボタン操作演出を実行し易くしてもよい。その後、処理はステップS515に移る。
ステップS515において、CPU401は、ステップS514でカットイン予告ボタン操作演出を実行すると決定されたか否かを判定する。ステップS515での判定がYESの場合、処理はステップS516に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS517に移る。
ステップS516において、CPU401は、今回の報知演出(変動)に対して、カットイン予告ボタン操作演出に係る操作有効期間を設定して、ステップS514で決定した色のカットイン画像が表示されるカットイン予告ボタン操作演出の実行を設定する。その後、処理はステップS517に移る。
上記したステップS513〜S516の処理によって、カットイン予告ボタン操作演出を実行する時間的余裕がある8秒以上の報知演出において、カットイン予告ボタン操作演出が実行されることとなる。
ステップS517において、CPU401は、ステップS512で決定された演出パターン(図13等参照)がSPSPリーチ演出を実行する演出パターンであるか否かを判定する。ステップS517での判定がYESの場合、処理はステップS518に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS521に移る。
ステップS518において、CPU401は、今回の報知演出(変動)に対して、当落報知レバー操作演出の操作有効期間を設定して、当落報知レバー操作演出の実行を設定する。なお、図36及び図37を用いて具体的に後述するが、当落報知レバー操作演出は、報知演出のSPSPリーチ演出の終盤に、遊技者による演出レバー40の引き下げ操作に応じて、可動役物7を動作させる可動役物演出を実行するか否かによって大当りか否かを報知する演出である。その後、処理はステップS519に移る。
ステップS519において、CPU401は、ステップS511での報知演出開始コマンドの解析結果に基づいて、今回の報知演出(変動)に係る特別図柄抽選で大当りA〜Eの何れかに当選したか否かを判定する。ステップS519での判定がYESの場合、処理はステップS520に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS521に移る。
ステップS520において、CPU401は、ステップS518で設定した当落報知レバー操作演出において可動役物7を動作させる可動役物演出の実行を設定する。その後、処理はステップS521に移る。
上記したステップS517〜S520の処理によって、SPSPリーチ演出の終盤において演出レバー40の引き下げ操作に応じて可動役物演出を実行するか否かによって大当りか否かを報知する当落報知レバー操作演出が実行されることとなる。なお、既に説明したように大当りFに当選した場合には、小当りに当選した場合と区別困難にするために、ハズレたように見せる演出を行うので、可動役物演出は実行しない。
ステップS521において、CPU401は、ステップS512で決定された演出パターンが擬似変動2回又は3回を実行(言い換えると、擬似連演出1回又は2回を実行)する演出パターンであるか否かを判定する。ステップS521での判定がYESの場合、処理はステップS522に移り、この判定がNOの場合、処理は図22のステップS503に移る。
ステップS522において、CPU401は、ステップS511での報知演出開始コマンドの解析結果に基づいて、今回の報知演出(変動)に係る特別図柄抽選で大当りA〜Eの何れかに当選したか否かを判定する。ステップS522での判定がYESの場合、処理はステップS523に移り、処理は図22のステップS503に移る。
ステップS523において、CPU401は、演出乱数を用いた抽選を実行して、5%の確率で背景変更レバー操作演出を実行すると決定する。なお、図40〜図42を用いて具体的に後述するが、背景変更レバー操作演出は、演出レバー40の引き下げ操作を遊技者に促す大当り確定の操作指示演出を行って、演出レバー40の引き下げ操作(又は操作有効期間の満了)に応じて、擬似変動2回目の開始タイミングで大当り確定の特殊バトル背景(例えば、主人公のキャラクタが最強形態に変身して多数の敵キャラクタを殲滅するバトル背景)に報知演出の背景画像を切替える演出である。その後、処理はステップS524に移る。
ステップS524において、CPU401は、ステップS523の抽選で背景変更レバー操作演出を実行すると決定されたか否かを判定する。ステップS524での判定がYESの場合、処理はステップS525に移り、この判定がNOの場合、処理は図22のステップS503に移る。
ステップS525において、CPU401は、今回の報知演出(変動)に対して、背景変更レバー操作演出の操作有効期間を設定して、背景変更レバー操作演出の実行を設定する。その後、処理は図22のステップS503に移る。
上記したステップS521〜S525の処理によって、演出レバー40の引き下げ操作に応じて、擬似変動2回目の開始タイミングで、大当りを報知する特殊バトル背景に切替える背景変更レバー操作演出が実行されることとなる。なお、既に説明したように大当りFに当選した場合には、小当りに当選した場合と区別困難にするために、ハズレたように見せる演出を行うので、大当り確定の背景変更レバー操作演出は実行しない。その後、処理は図22のステップS503に移る。
[大当り中楽曲引継ぎ処理]
次に、図26を用いて、演出制御部400による大当り中楽曲引継ぎ処理について説明する。図26は、図22のステップS503の大当り中楽曲引継ぎ処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS531において、CPU401は、図30を用いて後述する選択楽曲操作処理によって、大当り遊技のオープニングに遊技者の操作等に応じて選択された選択楽曲が設定された報知演出(変動)であるか否かを判定する。ステップS531での判定がYESの場合、処理はステップS532に移り、この判定がNOの場合、処理は図22のステップS504に移る。
ステップS532において、CPU401は、設定されている選択楽曲を、今回実行する報知演出において連続的に引継いで出力することを設定する。その後、処理は図22のステップS504に移る。
以上の大当り中楽曲引継ぎ処理によって、大当り遊技のオープニングに遊技者の操作等に応じて選択されて大当り遊技のラウンドおよびインターバル中に出力された選択楽曲が、大当り遊技が終了してから50回転まで(50変動まで)出力されることとなる。
[選択楽曲実行処理]
次に、図27を用いて、演出制御部400による選択楽曲実行処理について説明する。図27は、図21のステップS122の選択楽曲実行処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS631において、CPU401は、図21のステップS121で受信したラウンド開始通知コマンドに基づいて、開始されるラウンドが1ラウンドであるか否かを判定する。ステップS631での判定がYESの場合、処理はステップS632に移り、この判定がNOの場合、処理は図21のステップS123に移る。
ステップS632において、CPU401は、図21ステップS118で受信したオープニングコマンドに含まれる当選した大当りの種類(大当り図柄)の情報に基づいて、大当りA又はEの大当り遊技演出が実行されているのか否かを判定する。ステップS632での判定がYESの場合、処理はステップS633に移り、この判定がNOの場合、処理は図21のステップS123に移る。
ステップS633において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して、図30を用いて後述する楽曲選択操作処理によって大当り遊技のオープニング中に選択された選択楽曲の実行(出力)を開始させる。その後、処理は図21のステップS123に移る。
以上の選択楽曲実行処理によって、遊技者の操作等に応じてオープニング中に選択された選択楽曲が、大当りAおよびEの大当り遊技のラウンドおよびインターバルにおいて出力されることとなる。
[操作演出制御処理]
次に、図28を用いて、演出制御部400による操作演出制御処理について説明する。図28は、図19のステップS12の操作演出制御処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS551において、CPU401は、図23のステップS516で設定されたカットイン予告ボタン操作演出(図35に示す具体例参照)の操作有効期間中であるか否かを判定する。ここで、カットイン予告ボタン操作演出の操作有効期間は、例えば、報知演出が開始されてから、3秒後から6秒後までの3秒間に設定されている。また、CPU401は、画像音響制御部500に指示して、カットイン予告ボタン操作演出の操作有効期間には、演出ボタン37を押下操作することを遊技者に促す所定の画像を表示させる。ステップS551での判定がYESの場合、処理はステップS552に移り、この判定がNOの場合、処理は図29のステップS556に移る。
ステップS552において、CPU401は、ランプ制御部600からの情報に基づいて、演出ボタン37が押下操作されたか否かを判定する。ステップS552での判定がYESの場合、処理はステップS553に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS554に移る。
ステップS553において、CPU401は、カットイン予告ボタン操作演出の操作有効期間を終了する(操作有効期間の満了を待たず終了する)。その後、処理はステップS555に移る。
ステップS554において、CPU401は、カットイン予告ボタン操作演出の操作有効期間が満了したか否かを判定する。ステップS555での判定がYESの場合、処理はステップS555に移り、この判定がNOの場合、処理は図29のステップS556に移る。
ステップS555において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して、図23のステップS516で設定した色のカットイン画像を表示させることによって、カットイン予告ボタン操作演出を実行する。その後、処理は図29のステップS556に移る。
上記したステップS551〜S555の処理によって、カットイン予告ボタン操作演出の操作有効期間中の演出ボタン37の操作(又は操作有効期間の満了)に応じて、大当り信頼度を示唆するカットイン画像を表示するカットイン予告ボタン操作演出が実行される(図35に示す具体例参照)。
図29のステップS556において、CPU401は、図23のステップS518で設定された当落報知レバー操作演出(図36及び図37の具体例参照)の操作有効期間中であるか否かを判定する。ここで、当落報知レバー操作演出の操作有効期間は、SPSPリーチ演出の終盤の例えば3秒間に設定されている。また、CPU401は、画像音響制御部500に指示して、当落報知レバー操作演出の操作有効期間には、演出レバー40を引き下げ操作することを遊技者に促す所定の画像を表示させる。ステップS556での判定がYESの場合、処理はステップS557に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS562に移る。
ステップS557において、CPU401は、ランプ制御部600からの情報に基づいて、演出レバー40が引き下げ操作されたか否かを判定する。ステップS557での判定がYESの場合、処理はステップS558に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS559に移る。
ステップS558において、CPU401は、当落報知レバー操作演出の操作有効期間を終了する(操作有効期間の満了を待たず終了する)。その後、処理はステップS560に移る。
ステップS559において、CPU401は、当落報知レバー操作演出の操作有効期間が満了したか否かを判定する。ステップS559での判定がYESの場合、処理はステップS560に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS562に移る。
ステップS560において、CPU401は、図23のステップS520の処理で可動役物7を動作させる可動役物演出の実行が設定されているか否かを判定する(言い換えると、大当りA〜Eの何れかに当選したか否かを判定する)。ステップS560での判定がYESの場合、処理はステップS561に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS562に移る。
ステップS561において、CPU401は、ランプ制御部600に指示して、図23のステップS520で設定した可動役物演出を実行させる。その後、処理はステップS562に移る。
上記したステップS556〜S561の処理によって、当落報知レバー操作演出の操作有効期間中の演出レバー40の操作(又は操作有効期間の満了)に応じて、可動役物7を動作させて大当りを報知する当落報知レバー操作演出が実行される(図36及び図37の具体例参照)。
ステップS562において、CPU401は、図23のステップS525で設定された背景変更レバー操作演出(図40〜図42の具体例参照)の操作有効期間中であるか否かを判定する。ここで、背景変更レバー操作演出の操作有効期間は、擬似変動の2回目が実行されることを期待させる所定の演出(「継続」図柄の仮停止煽りの演出;図40(3)参照)の実行中の期間(例えば最大3秒間)に設定されている。また、CPU401は、画像音響制御部500に指示して、背景変更レバー操作演出の操作有効期間には、演出レバー40を引き下げ操作することを遊技者に促す所定の画像を表示させる。ステップS562での判定がYESの場合、処理はステップS563に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS567に移る。
ステップS563において、CPU401は、ランプ制御部600からの情報に基づいて、演出レバー40が引き下げ操作されたか否かを判定する。ステップS563での判定がYESの場合、処理はステップS564に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS565に移る。
ステップS564において、CPU401は、背景変更レバー操作演出の操作有効期間を終了する(操作有効期間の満了を待たず終了する)。その後、処理はステップS566に移る。
ステップS565において、CPU401は、背景変更レバー操作演出の操作有効期間が満了したか否かを判定する。ステップS565での判定がYESの場合、処理はステップS566に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS567に移る。
ステップS566において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して、背景変更レバー操作演出の操作有効期間中に実行されていた「継続」図柄の仮停止煽りの演出を終了させて「継続」図柄を仮停止表示させることによって、擬似変動の2回目が実行されることを報知させる(つまり、擬似連演出の実行を報知する)。これにより、演出レバー40が引き下げ操作されたタイミングで、「継続」図柄が仮停止表示されて擬似変動の2回目が実行されることが報知されることとなる(図40(4)(5)参照)。その後、処理はステップS567に移る。
ステップS567において、CPU401は、ステップS566の処理によって「継続」図柄が仮停止表示されてから所定時間(例えば0.5秒)が経過したか否かを判定する。ステップS567での判定がYESの場合、処理はステップS568に移り、この判定がNOの場合、処理は図19のステップS13に移る。
ステップS568において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して、仮停止している装飾図柄を再変動させると同時に(つまり、擬似変動の2回目を開始すると共に)、報知演出の背景を大当りを報知する特殊バトル背景に変更させる(図40(6)参照)。その後、処理は図19ステップS13に移る。
上記したステップS562〜S568の処理によって、背景変更レバー操作演出の操作有効期間中の演出レバー40の操作(又は操作有効期間の満了)に応じて、擬似変動の2回目の開始タイミングで(擬似連演出の実行タイミングで)報知演出の背景を特殊バトル背景(大当り確定を報知する背景)に切替える背景変更レバー操作演出が実行される(図40〜図42の具体例参照)。
[楽曲選択操作処理]
次に、図30を用いて、演出制御部400による楽曲選択操作処理について説明する。図30は、図19のステップS13の楽曲選択操作処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS651において、CPU401は、図21のステップS119で設定された楽曲選択操作有効期間中であるか否かを判定する。ここで、楽曲選択操作有効期間は、大当りAおよびEの大当り遊技のオープニング期間全体に設定されている。ステップS651での判定がYESの場合、処理はステップS652に移り、この判定がNOの場合、処理は図19のステップS14に移る。
ステップS652において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して、楽曲選択操作有効期間には、演出ボタン37を押下操作して任意の楽曲を選択することを遊技者に促す選択指示画像を表示させる。図34を用いて後述するが、選択指示画像は、選択楽曲として選択可能な複数の楽曲を表示しており、遊技者による演出ボタン37の押下操作によって選択中の楽曲が切替わる画像である。その後、処理はステップS652に移る。
ステップS653において、CPU401は、ランプ制御部600からの情報に基づいて、演出ボタン37が押下操作されたか否かを判定する。ステップS653での判定がYESの場合、処理はステップS654に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS655に移る。
ステップS654において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して、選択指示画像における選択中の楽曲を切替える。その後、処理はステップS655に移る。
ステップS655において、CPU401は、楽曲選択操作有効期間が満了したか否かを判定する。ステップS655での判定がYESの場合、処理はステップS656に移り、この判定がNOの場合、処理は図19のステップS14に移る。
ステップS656において、CPU401は、選択指示画像において選択中の楽曲を、ラウンド演出およびインターバル演出中、および、大当り遊技終了後の確変モードの報知演出(50回転)の音響として設定する。その後、処理は図19のステップS14に移る。
上記した処理によって、大当りAおよびEの大当り遊技のオープニング期間において、遊技者の操作によって任意に、ラウンド演出およびインターバル演出中、および、大当り遊技終了後の確変モードの報知演出(50回転)で出力される楽曲が選択される。
そして、選択された楽曲が、図21のステップS122の選択楽曲実行処理(図27も参照)によって大当りAおよびEのラウンド演出およびインターバル演出中に出力されてから、図21のステップS129の処理によってエンディング演出中は一旦停止され、その後、図22のステップS503の大当り中楽曲引継ぎ処理(図26も参照)によって大当り遊技終了後の確変モード50回転の期間において引継いで(再開して)出力される(図33(1)参照)。
[演出モードの移行等について]
次に、図31を用いて、本実施形態における演出モードの移行等について説明する。図31に示すように、本実施形態では、報知演出の演出モードとして、通常モード、潜伏可能性モードおよび確変モードがあり、通常モードには、通常基本モードと通常特別モードがある。
通常モードは、通常遊技状態、確変モード終了後(確変遊技状態終了後)の4回転(4回の報知演出)の潜伏遊技状態、又は潜伏可能性モード終了後の所定回転(34、24又は14回転)の潜伏遊技状態に制御されているときに実行され、青色背景に制御される演出モードであり、又、遊技者に通常遊技状態で制御されている可能性が非常に高い(つまり、潜伏遊技状態で制御されている可能性が非常に低い)ことを示唆する演出モードである。また、通常基本モードは都市Aの青色背景に制御される演出モードであり、通常特別モードは都市Bの青色背景に制御される演出モードであり、通常基本モードよりも通常特別モードの方が潜伏遊技状態で制御されている可能性が高い。
潜伏可能性モードは、潜伏遊技状態または通常遊技状態に制御されているときに実行され、都市Cの黄色背景に制御される演出モードであり、又、遊技者に潜伏遊技状態に制御されている可能性が高いことを期待させるための演出モードである(つまり、大当りし易い高確状態が内部的に潜伏していることを期待させるための演出モードである)。
確変モードは、確変遊技状態で制御されているときに実行され、都市Dの赤色背景に制御される演出モードである。
図31に示すように、通常遊技状態(つまり低確中)での通常モードにおいて大当りFに当選した場合、大当り遊技の終了後、潜伏可能性モードに制御されると共に潜伏遊技状態に制御される。また、通常遊技状態または潜伏遊技状態での通常モードにおいて小当りに当選した場合、小当り遊技の終了後、潜伏可能性モードに制御される一方で小当り当選による遊技状態の変更はされない。また、潜伏遊技状態または通常遊技状態での通常モードにおいて大当りA、B、C、D、Eの何れかに当選した場合、大当り遊技の終了後、確変モードに制御される。また、潜伏遊技状態(つまり高確中)での通常モードにおいて大当りFに当選した場合、大当り遊技の終了後、確変モードに制御される。
また、図31に示すように、通常モードから潜伏可能性モードに移行してから、20、30又は40回転終了すると、通常特別モードに移行する。ここで、上記した20、30又は40回転終了の何れのタイミングで、潜伏可能性モードから通常特別モードに移行させるのかは(つまり、潜伏可能性モードの滞在回転数は)、演出制御部400のCPU401によって、通常モードから潜伏可能性モードに移行するときに演出乱数を用いた抽選により設定される。具体的には、CPU401は、ROM402に記憶されている図32に示す潜伏可能性モード滞在回転数抽選テーブルを用いて、大当りFの当選によって潜伏遊技状態に制御すると共に潜伏可能性モードに移行させる場合は、潜伏可能性モードの滞在回転数を確率10%で20回転と設定し確率30%で30回転と設定し確率60%で40回転と設定する一方で、小当りの当選によって遊技状態を変更することなく潜伏可能性モードに移行させる場合は潜伏可能性モードの滞在回転数を確率60%で20回転と設定し確率30%で30回転と設定し確率10%で40回転と設定する。このように制御することで、大当りFに当選して潜伏遊技状態に制御される場合の方が、小当りに当選して遊技状態が維持される場合(この場合は通常遊技状態の可能性が非常に高い)よりも、長期間(つまり、多い回転数)潜伏可能性モードに制御され易いこととなるので、遊技者は、潜伏可能性モードが長く続くほど潜伏遊技状態に制御されていることを強く期待することとなる。
また、潜伏遊技状態又は通常遊技状態での潜伏可能性モードにおいて大当りA、B、C、D、Eの何れかに当選した場合、および、潜伏遊技状態(つまり、高確中)での潜伏可能性モードにおいて大当りFに当選した場合、大当り遊技の終了後、確変モードに制御される。
また、通常遊技状態(つまり、低確中)での潜伏可能性モードにおいて大当りFに当選した場合、潜伏可能性モードの1回転目から、再度、潜伏可能性モードが開始される(つまり、潜伏可能性モードがリセットされる)。この場合、図32に示す潜伏可能性モード滞在回転数抽選テーブルを用いた抽選によって、再度、潜伏可能性モード滞在回転数が設定される。また、潜伏遊技状態又は通常遊技状態での潜伏可能性モードにおいて小当りに当選した場合、潜伏可能性モードの1回転目から、再度、潜伏可能性モードが開始される(つまり、潜伏可能性モードがリセットされる)。この場合も、図32に示す潜伏可能性モード滞在回転数抽選テーブルを用いた抽選によって、再度、潜伏可能性モード滞在回転数が設定される。なお、小当りに当選したことに応じて遊技状態が変更されることはない。
また、図31に示すように、潜伏可能性モードから通常特別モードに移行してから20回転終了すると、21回転〜60回転の開始時に毎回、通常基本モードに移行させるか否かの抽選が実行され、この抽選に当選すると通常基本モードに移行させ、又、61回転からは必ず通常基本モードに移行させる。これにより、潜伏遊技状態に制御されていることを或る程度期待させる通常特別モードの滞在回転数を20回転保障して最大60回転とすることとなる。
また、図31に示すように、確変モード(確変遊技状態)において50回転が終了すると、次の報知演出から通常基本モードに制御される。なお、この場合、通常基本モードに制御されてから4回転終了までは、潜伏遊技状態に制御される。
また、確変モードにおいて大当りA、B、C、D、Eの何れかに当選した場合、大当り遊技の終了後、再度、確変モードに50回転制御される。一方、確変モードにおいて小当りに当選した場合には、確変モードに再度50回転制御されることはない。
[選択楽曲出力演出の具体的説明]
次に、本実施形態において特徴的な選択楽曲出力演出について、図33のタイムチャートを用いて具体的に説明する。選択楽曲出力演出は、大当りAおよびEの大当り遊技演出のオープニング期間において遊技者が演出ボタン37を操作することによって複数の楽曲から選択した楽曲を、大当り遊技演出中および大当り遊技終了後の確変モード中に出力する演出である。図33(1)は大当りA又はEに当選して選択楽曲出力演出が実行される場合のタイムチャートであり、図33(2)は大当りB、C又はDに当選して選択楽曲出力演出が実行されない場合のタイムチャートである。
まず、図33(1)を用いて、大当りA又はEに当選して選択楽曲出力演出が実行される場合について説明する。
まず、図33(1)に示すように、大当りA又はEの大当り遊技が開始されると、オープニング期間(ta0〜ta1)において、大当り遊技の開始を報知するオープニング画像を表示すると共に遊技者に楽曲を選択することを促す選択指示画像を表示する画像演出が実行され、又、大当り遊技の開始を報知するオープニング音響を出力する演出が実行される。オープニング音響は、例えば、「大入賞口を狙え」と言う音声である。図34は、大当りAおよびEの大当り遊技のオープニング期間(ta0〜ta1)において表示されるオープニング画像および選択指示画像の具体例を示す図である。図34に示すように、大当りAおよびEの大当り遊技のオープニング期間(ta0〜ta1)において、大当り遊技の開始を報知するオープニング画像として「大当り開始!」が表示されると共に、遊技者に楽曲を選択することを促す選択指示画像として選択指示画像XおよびYが表示される。選択指示画像Xは、「楽曲A」と表示された領域、「楽曲B」と表示された領域および「楽曲C」と表示された領域から成る楕円部分と、「ボタンを押して楽曲を選択せよ」と表示された部分とから成り、この3つ領域の1つが選択中の領域(選択中の楽曲)として強調表示されている。選択指示画像Yは、演出ボタン37を模したボタン画像と、演出ボタン37の操作ができる残り期間(つまり、操作有効期間)を示すインジケータ画像とから成る。遊技者は、この操作有効期間において演出ボタン37を押下することによって、選択指示画像Xの強調表示される領域(つまり、選択中の楽曲)を切替えることができる。例えば、図34に示す「楽曲A」が選択されている状態で、演出ボタン37が1回押下されると、強調表示が時計回りに1つ移動して「楽曲B」が強調表示されて選択されている状態となる。その後、オープニング期間の終了時点ta1において選択中の楽曲が、ラウンド及びインターバル期間等に出力される音響として設定される。なお、大当りAの大当り遊技のオープニング画像として「大当りA開始」と表示し、大当りEの大当り遊技のオープニング画像として「大当りE開始」として、大当りの種類を報知してもよい。
次に、図33(1)に示すように、大当りA又はEの大当り遊技のラウンド及びインターバル期間(ta1〜ta2)において、ラウンド/インターバル画像を表示すると共に、オープニング期間に設定された楽曲(選択楽曲)を出力する。ラウンド/インターバル画像は、例えば、主人公のキャラクタが敵のキャラクタを次々に倒していく画像である。
次に、図33(1)に示すように、大当りA又はEの大当り遊技のエンディング期間(ta2〜ta3)において、大当り遊技が終了することを報知するエンディング画像を表示すると共に、ラウンド/インターバル期間に出力された選択楽曲の出力を一旦停止してエンディング音響を出力する。エンディング画像は、例えば、遊技機1のメーカー名を表示する画像であり、エンディング音響は、例えば、「大当り終了」と言う音声である。
次に、図33(1)に示すように、大当りA又はEの大当り遊技終了後の確変モード50回転(確変遊技状態での50変動)の期間(ta3〜ta4)の報知演出において、確変モードの画像を表示すると共に、大当りA又はEの大当り遊技のラウンド及びインターバル期間に出力していた選択楽曲(エンディング期間に一旦停止していた選択楽曲)の出力を、一旦停止していたところから再開して出力する。なお、大当り遊技のラウンド及びインターバル期間全体、及び、この確変モード50回転(50変動)の報知演出全体に亘って、それぞれ、選択楽曲は途切れることなく、又、不連続になることなく(つまり、連続的に)出力される。また、この確変モード50回転(50変動)の報知演出において、遊技進行および演出進行に係る音響(例えば、装飾図柄の変動音や停止音、SPリーチ演出やSPSPリーチ演出におけるキャラクタの声やバトル音、予告演出の音等)は、選択楽曲と共に出力される。
次に、図33(1)に示すように、確変モード終了直後の4回転(潜伏遊技状態)の通常モードの期間(ta4〜ta5)の報知演出において、通常モードの画像を表示すると共に、通常モードの音響を出力する。
次に、図33(1)に示すように、上記した4回転(潜伏遊技状態)の通常モード終了後の通常モード(通常遊技状態)の期間(ta5〜ta6)の報知演出において、同様に、通常モードの画像を表示すると共に、通常モードの音響を出力する。
次に、図33(2)を用いて、大当りB、C又はDに当選して選択楽曲出力演出が実行されない場合について説明する。
まず、図33(2)に示すように、大当りB、C又はDの大当り遊技が開始されると、オープニング期間(tb0〜tb1)において、選択指示画像XおよびY(図34参照)を表示することなく、大当り遊技の開始を報知するオープニング画像を表示すると共に、大当り遊技の開始を報知するオープニング音響を出力する演出が実行される。オープニング画像は、例えば、「大当り開始!」と表示される画像であり、オープニング音響は、例えば、「大入賞口を狙え」と言う音声である。ここで、図5を用いて既に説明したが、大当りB〜Dは、大当り遊技中に実行される大当り遊技演出において、大当り遊技のラウンド数が増加(ランクアップ)するか否かの演出を行う大当り(ランクアップボーナス)である。このことから、大当りB、CおよびDの大当り遊技のオープニング画像では、「大当りB開始」等と表示して大当りの種類を報知することはしない。
次に、図33(2)に示すように、大当りB、C又はDの大当り遊技のラウンド及びインターバル期間(tb1〜tb2)において、ランクアップボーナス用の、ラウンド/インターバル画像およびラウンド/インターバル音響を出力する(つまり、ランクアップボーナスのラウンド/インターバル演出を実行する)。ランクアップボーナスのラウンド/インターバル演出は、例えば、主人公のキャラクタが敵のキャラクタを次々に倒していく演出であり、又、図5を用いた説明で具体的に述べたように、ラウンド数が増加することを期待させるランクアップ期待演出を実行した後に、ラウンド数が増加することを報知するランクアップ成功演出又はラウンド数が増加しないことを報知するランクアップ失敗演出を実行する演出である。
次に、図33(2)に示すように、大当りB、C及びDの大当り遊技のエンディング期間(tb2〜tb3)において、大当り遊技が終了することを報知するエンディング画像を表示すると共に、大当り遊技が終了することを報知するエンディング音響を出力する。エンディング画像は、例えば、遊技機1のメーカー名を表示する画像であり、エンディング音響は、例えば、「大当り終了」と言う音声である。
次に、図33(2)に示すように、大当りB、C及びDの大当り遊技終了後の確変モード50回転(確変遊技状態での50変動)の期間(tb3〜tb4)の報知演出において、確変モードの画像を表示すると共に、確変モードの音響を出力する。
次に、図33(2)に示すように、確変モード終了直後の4回転(潜伏遊技状態)の通常モードの期間(tb4〜tb5)の報知演出において、通常モードの画像を表示すると共に、通常モードの音響を出力する。
次に、図33(2)に示すように、上記した4回転(潜伏遊技状態)の通常モード終了後の通常モード(通常遊技状態)の期間(tb5〜tb6)の報知演出において、同様に、通常モードの画像を表示すると共に、通常モードの音響を出力する。
なお、大当り遊技による賞球を実質的に獲得できない大当りF(図5参照)の大当り遊技演出は、遊技の興趣性を高めるために、小当りによる小当り遊技演出と同一(又は類似)の演出であり、又、非常に短時間(例えば4秒間)の大当り遊技演出である。このことから、大当りFの大当り遊技演出では、選択楽曲出力演出は実行しない。
以上に説明したように、本実施形態では、大当りAおよびEの大当り遊技のオープニングで選択指示画像表示を行って、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて複数の楽曲から任意の楽曲を選択させ、選択された楽曲を大当り遊技演出中および大当り遊技終了後の確変モード中に出力する(図33(1)参照)。このことによって、遊技者は、大当りAおよびEの大当り遊技中に所望の楽曲を出力させて楽しむばかりでなく、大当り遊技終了後の確変モード中も引き続きその楽曲を楽しむことができる。言い換えると、遊技者が最も遊技を楽しむ期間である、大当り遊技の賞球を獲得する大当り遊技中およびその後の大当りし易い確変遊技状態の確変モード中において、遊技者は所望の楽曲を選択して遊技を楽しむことができる。また、大当り遊技のエンディング演出は、大当り遊技終了を報知する重要な演出であるため、エンディング演出では遊技者により選択された楽曲は一旦中断している。
また、以上に説明したように、本実施形態では、大当りB、CおよびDは、ランクアップボーナスであり、これらの大当り遊技では画像演出と音響演出とを同期させてランクアップ期待演出等を効果的に実行する必要があるので、遊技者が選択した楽曲を出力する選択楽曲出力演出は実行しない。
また、以上に説明したように、本実施形態では、大当りFは、小当りによる小当り遊技演出と同一(又は類似)の演出であり、又、非常に短時間(例えば4秒間)の大当り遊技演出であるので、遊技者が選択した楽曲を出力する選択楽曲出力演出は実行しない。
[カットイン予告ボタン操作演出の具体的説明]
次に、カットイン予告ボタン操作演出の具体例について、図35を用いて説明する。ここで、カットイン予告ボタン操作演出は、遊技者による演出ボタン37の押下操作に応じて、実行中の報知演出において大当りする可能性(大当り信頼度)を予告(示唆)するカットイン画像を表示する演出である。図35では、一例として、都市Aの背景が表示される通常基本モードの報知演出において、大当り信頼度が或る程度高いことを示唆する緑色のカットイン画像(図25参照)が表示されるカットイン予告ボタン操作演出が実行される場合について説明する。
まず、図35(1)に示すように、確定停止表示されていた装飾図柄DIの変動表示が開始されて、報知演出が開始される。なお、図35以降の図では、上から下に変動表示されている装飾図柄DIを下向きの矢印で表現している。
次に、図35(2)に示すように、演出ボタン37を模したボタン画像と、演出ボタン37の操作ができる残り期間(つまり、操作有効期間)を示すインジケータ画像とから成るボタン操作指示画像Zが表示される。
次に、図35(3)に示すように、操作有効期間中に演出ボタン37の押下操作があると(又は操作有効期間が満了すると)、図35(4)に示すように、今回の報知演出での大当り信頼度を示唆するカットイン画像Kが表示される。図35(4)では、緑色のカットイン画像Kが表示されて、大当り信頼度が或る程度高いことが示唆されている。
次に、図35(5)に示すように、左図柄列の装飾図柄が仮停止した後に、右図柄列の装飾図柄が同じ図柄で仮停止して、リーチ成立する。図35(5)では、数字の4の装飾図柄でリーチ成立している。
次に、図35(6)に示すように、大当りの場合、中央図柄列の装飾図柄が左右の仮停止している装飾図柄と同じ図柄で仮停止した後に、全ての装飾図柄が確定停止して(つまり、ゾロ目で確定停止して)、大当りが報知される。
一方、図35(7)に示すように、ハズレの場合、中央図柄列の装飾図柄が左右の仮停止している装飾図柄と異なる図柄で仮停止した後に、全ての装飾図柄が確定停止して(つまり、非ゾロ目で確定停止して)、ハズレが報知される。なお、既に説明したが、大当りFの場合には、小当りと区別できない(又は区別し難い)ように、例外的に、ゾロ目では仮停止および確定停止されない。
以上に説明したように、本実施形態では、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて大当り信頼度を示唆するカットイン画像を表示するカットイン予告ボタン操作演出を実行して、演出の興趣性を高めることができる。
[当落報知レバー操作演出の具体的説明]
次に、当落報知レバー操作演出の具体例について、図36および図37を用いて説明する。ここで、当落報知レバー操作演出は、SPSPリーチ演出の終盤に、遊技者による演出レバー40の引き下げ操作に応じて、可動役物7を動作させる可動役物演出を実行するか否かによって大当りか否かを報知する演出である。図36および図37では、一例として、都市Aの背景が表示される通常基本モードの報知演出における第1SPSPリーチ演出の終盤において、当落報知レバー操作演出が実行される場合について説明する。
まず、図36(1)に示すように、確定停止表示されていた装飾図柄DIの変動表示が開始されて、報知演出が開始される。
次に、図36(2)に示すように、左図柄列の装飾図柄が仮停止した後に、右図柄列の装飾図柄が同じ図柄で仮停止して、リーチ成立する。図36(2)では、数字の4の装飾図柄でリーチ成立している。
次に、図36(3)に示すように、装飾図柄が画面右上に縮小表示されると共に、SPリーチ演出に発展する。
次に、図36(4)に示すように、SPリーチ演出から第1SPSPリーチ演出に発展する。
次に、図37(5)に示すように、第1SPSPリーチ演出の終盤において、演出レバー40を模したレバー画像と、「レバーを引け!!」と表示された画像とから成る演出レバー操作指示画像Mが表示される。
次に、図37(6)に示すように、操作有効期間中に演出レバー40の引き下げ操作があると(又は操作有効期間が満了すると)、大当りの場合、図37(7)に示すように、可動役物7を画面中央に移動させると共に発光させて回転させる可動役物演出を実行して、大当りしていることを報知する。その後、図37(8)に示すように、画面中央の可動役物7を画面右上の待機位置に戻すと共に、中央図柄列の装飾図柄が左右の仮停止している装飾図柄と同じ図柄で仮停止してから画面中央に拡大表示された後に、全ての装飾図柄が確定停止して(つまり、ゾロ目で確定停止して)、大当りが報知される。
一方、ハズレの場合、操作有効期間中に演出レバー40の引き下げ操作があっても(又は操作有効期間が満了しても)、図37(9)に示すように、可動役物演出を実行しない。その後、図37(10)に示すように、中央図柄列の装飾図柄が左右の仮停止している装飾図柄と異なる図柄で仮停止してから画面中央に拡大表示された後に、全ての装飾図柄が確定停止して(つまり、非ゾロ目で確定停止して)、ハズレが報知される。なお、既に説明したが、大当りFの場合には、小当りの場合と同様に実質的に賞球を獲得できず、又、小当りと区別できない(又は区別し難い)ように演出を行うので、例外的に、可動役物演出は実行されず、又、装飾図柄はゾロ目では仮停止および確定停止されない。
以上に説明したように、本実施形態では、遊技者が大当りを強く期待するSPSPリーチ演出の終盤において、遊技者による演出レバー40の操作に応じて可動役物演出を実行するか否かによって大当りか否かを報知する当落報知レバー操作演出を実行して、演出の興趣性を高めることができる。
[擬似変動演出の具体的説明]
次に、擬似変動演出の具体例について、図38および図39を用いて説明する。既に説明したように、擬似変動演出は、1回の報知演出において装飾図柄列が擬似的に複数回変動したように見せる演出である。図38および図39では、一例として、都市Aの背景が表示される通常基本モードの報知演出において、擬似変動が3回実行されてから(言い換えると、擬似連演出が2回実行されてから)リーチ成立した後にSPリーチに発展して大当りかハズレかが報知される場合について説明する。
まず、図38(1)に示すように、確定停止表示されていた装飾図柄DIの変動表示が開始されて、報知演出が開始される。
次に、図38(2)に示すように、左図柄列の装飾図柄が仮停止した後に、右図柄列の装飾図柄が左図柄列の仮停止図柄と異なる図柄で仮停止する(つまり、リーチ成立しない)。なお、他の実施形態では、リーチ成立する場合がある構成としてもよい。
次に、図38(3)に示すように、中央図柄列の装飾図柄が「継続」の文字が描かれた「継続」図柄で仮停止して擬似連演出が実行されることを期待させる擬似連煽り演出が実行される。ここで、「継続」図柄は、数字の1〜7がそれぞれ描かれた通常表示される数字の装飾図柄とは異なる装飾図柄であり、通常は表示されず、仮停止することによって擬似連演出の実行を報知するための装飾図柄である。また、擬似連煽り演出は、「継続」図柄の変動速度を低速にすることによって「継続」図柄で仮停止すること(つまり、擬似連演出が実行されること)を期待させる演出である。
次に、図38(4)に示すように、中央図柄列の装飾図柄が「継続」図柄で仮停止して擬似連演出(つまり、擬似変動2回目)が実行されることが報知される。なお、図示していないが、図38(3)の擬似連煽り演出の実行後に、中央図柄列の装飾図柄が「継続」図柄で仮停止せず他の図柄(非ゾロ目となる通常の数字図柄)で仮停止する場合もある。この場合には、擬似連演出は実行されずに、その後、全ての装飾図柄で確定停止表示されることによってハズレが報知されることとなる。
次に、図38(5)に示すように、3つの図柄列の変動が(擬似的に)開始することによって擬似変動の2回目が開始される(つまり、擬似連演出が実行される)。
次に、図38(6)に示すように、左図柄列の装飾図柄が仮停止した後に、右図柄列の装飾図柄が左図柄列の仮停止図柄と異なる図柄で仮停止してから(つまり、リーチ成立せずに)、擬似連煽り演出が実行される。なお、他の実施形態では、リーチ成立する場合がある構成としてもよい。
次に、図38(7)に示すように、中央図柄列の装飾図柄が「継続」図柄で仮停止して擬似連演出の2回目(つまり、擬似変動3回目)が実行されることが報知される。なお、図示していないが、図38(6)の擬似連煽り演出の実行後に、中央図柄列の装飾図柄が「継続」図柄で仮停止せず他の図柄(非ゾロ目となる通常の数字図柄)で仮停止する場合もある。この場合には、擬似連演出は実行されずに、その後、全ての装飾図柄で確定停止表示されることによって、ハズレが報知されることとなる。
次に、図39(8)に示すように、3つの図柄列の変動が(擬似的に)開始することによって擬似変動の3回目が開始される(つまり、擬似連演出の2回目が実行される)。
次に、図39(9)に示すように、左図柄列の装飾図柄が仮停止した後に、右図柄列の装飾図柄が同じ図柄で仮停止して、リーチ成立する。図39(9)では、数字の4の装飾図柄でリーチ成立している。
次に、図39(10)に示すように、装飾図柄が画面右上に縮小表示されると共に、SPリーチ演出に発展する。
次に、図39(11)に示すように、大当りの場合、中央図柄列の装飾図柄が左右の仮停止している装飾図柄と同じ図柄で仮停止してから画面中央に拡大表示された後に、全ての装飾図柄が確定停止して(つまり、ゾロ目で確定停止して)、大当りが報知される。
一方、図39(12)に示すように、ハズレの場合、中央図柄列の装飾図柄が左右の仮停止している装飾図柄と異なる図柄で仮停止してから画面中央に拡大表示された後に、全ての装飾図柄が確定停止して(つまり、非ゾロ目で確定停止して)、ハズレが報知される。なお、既に説明したが、大当りFの場合には、小当りと区別できない(又は区別し難い)ように、例外的に、ゾロ目では仮停止および確定停止されない。
以上に説明したように、本実施形態では、遊技者に大当りを期待させる擬似変動演出(擬似連演出)を実行して、演出の興趣性を高めることができる。
[背景変更レバー操作演出の具体的説明]
次に、背景変更レバー操作演出の具体例について、図40〜図42を用いて具体的に説明する。背景変更レバー操作演出は、演出レバー40の引き下げ操作を遊技者に促す大当り確定の操作指示演出を行って、演出レバー40の引き下げ操作(又は操作有効期間の満了)に応じて、擬似変動2回目の開始タイミングで報知演出の背景画像を大当り確定の特殊バトル背景(例えば、主人公のキャラクタが最強形態に変身して多数の敵キャラクタを殲滅するバトル背景)に切替える演出である。図40および図41は、背景変更レバー操作演出が実行される報知演出の具体的な画面例であり、図42は、この報知演出のタイムチャートである。図40〜図42では、一例として、都市Aの背景が表示される通常基本モードの報知演出において、背景変更レバー操作演出が実行されて特殊バトル背景に変更されてから擬似変動が3回まで実行されて(言い換えると、擬似連演出が2回実行されて)リーチ成立した後にSPリーチに発展して大当りが報知される場合について説明する。
まず、図40(1)に示すように、図42の時点t0において、確定停止表示されていた装飾図柄DIの変動表示が開始されて、都市Aの背景の報知演出が開始される。
次に、図40(2)に示すように、左図柄列の装飾図柄が仮停止した後に、右図柄列の装飾図柄が左図柄列の仮停止図柄と異なる図柄で仮停止する(つまり、リーチ成立しない)。なお、他の実施形態では、リーチ成立する場合がある構成としてもよい。
次に、図40(3)に示すように、図42の時点t1において、中央図柄列の装飾図柄が「継続」の文字が描かれた「継続」図柄で仮停止して擬似連演出が実行されることを期待させる擬似連煽り演出が開始されるのと同時に、演出レバー40を模したレバー画像に「レバーを引け!!」と表示された演出レバー操作指示画像Nが表示される操作指示演出(大当り確定の操作指示演出)が実行される。より具体的には、「継続」図柄の変動速度を低速にすることによって「継続」図柄で仮停止すること(つまり、擬似連演出が実行されること)を期待させる擬似連煽り演出を開始すると同時に、低速で下方向に移動する「継続」図柄の前面に演出レバー操作指示画像Nを表示させて、大当り確定を報知すると共に遊技者に演出レバー40の引き下げ操作を促す。
次に、図40(4)に示すように、操作有効期間中に演出レバー40の引き下げ操作があると(又は操作有効期間が満了すると)、図40(5)に示すように、図42の時点t2において、演出レバー操作指示画像Nが下方向に移動して停止するのと同期して、低速移動していた「継続」図柄が下方向に移動して仮停止することによって、擬似連演出(つまり、擬似変動2回目)が実行されることが報知される。
次に、図40(6)に示すように、図42の時点t3において、仮停止していた3つの図柄列の変動が(擬似的に)開始することによって擬似変動の2回目が開始される(つまり、擬似連演出が実行される)と共に、都市Aの背景から、大当りを報知(事前に報知)する特殊バトル背景に変更される。
このように、背景変更レバー操作演出において、大当り確定の特殊バトル背景に変更する背景変更演出を導入するための演出として、大当り確定の演出レバー操作指示画像Nを表示して遊技者に演出レバー40の引き下げ操作を促す演出を実行する。
次に、図40(7)に示すように、左図柄列の装飾図柄が仮停止した後に、右図柄列の装飾図柄が左図柄列の仮停止図柄と異なる図柄で仮停止してから(つまり、リーチ成立せずに)、擬似連煽り演出が実行される。なお、他の実施形態では、リーチ成立する場合がある構成としてもよい。ここで、報知演出の背景は、既に特殊バトル背景に変更されているので、背景変更レバー操作演出は実行されず、特殊バトル背景に変更する演出を導入するための演出レバー操作指示画像Nの表示(操作指示演出)は実行されない。
次に、図40(8)に示すように、図42の時点t4において、低速移動していた「継続」図柄が仮停止することによって、擬似連演出(つまり、擬似変動3回目)が実行されることが報知される。
次に、図41(9)に示すように、図42の時点t5において、仮停止していた3つの図柄列の変動が(擬似的に)開始することによって擬似変動の3回目が開始される(つまり、擬似連演出が実行される)。
次に、図41(10)に示すように、図42の時点t6において、左図柄列の装飾図柄が仮停止した後に、右図柄列の装飾図柄が同じ図柄で仮停止して、リーチ成立する(つまり、ノーマルリーチ演出を実行する)。図41(10)では、数字の4の装飾図柄でリーチ成立している。
次に、図41(11)に示すように、図42の時点t7において、装飾図柄が画面右上に縮小表示されると共にSPリーチ演出に発展して、特殊バトル背景からSPリーチ演出の背景に変更される。
次に、図41(12)に示すように、図42の時点t8において中央図柄列の装飾図柄が左右の仮停止している装飾図柄と同じ図柄で仮停止してから画面中央に拡大表示された後に、図42の時点t9において全ての装飾図柄が確定停止して(つまり、ゾロ目で確定停止して)大当りが報知される。その後、図示していないが、図42の時点t10において大当り遊技演出が開始される。
以上に説明したように、本実施形態によれば(図40〜図42参照)、演出レバー40の引き下げ操作を遊技者に促す大当り確定の操作指示演出を行って、演出レバー40の引き下げ操作(又は操作有効期間の満了)に同期させて「継続」図柄を仮停止させることにより擬似変動2回目(擬似連演出)の実行を報知してから、擬似変動2回目の開始タイミングで報知演出の背景画像を大当り確定の特殊バトル背景に切替える非常に興趣性の高い背景変更レバー操作演出を実行できる。
また、以上に説明したように、本実施形態によれば(図33、図34参照)、特定の大当り(大当りAおよびE)の大当り遊技のオープニングで選択指示画像表示を行って、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて複数の楽曲から任意の楽曲を選択させ、選択された楽曲を大当り遊技演出中および大当り遊技終了後の確変モード中に出力する選択楽曲出力演出を実行する。このことによって、遊技者は、大当りAおよびEの大当り遊技中に所望の楽曲を出力させて楽しむばかりでなく、大当り遊技終了後の確変モード中も引き続きその楽曲を楽しむことができる。言い換えると、遊技者が最も遊技を楽しむ期間である、大当り遊技の賞球を獲得する大当り遊技中およびその後の大当りし易い確変遊技状態の確変モード中において、遊技者は所望の楽曲を選択して遊技を楽しむことができ、更には、確変モードで大当りを繰り返しているときに(いわゆる連チャンしているときに;図5(2)参照)は大当りする度に所望の楽曲を選択して聴くことができるので、遊技の興趣性を非常に有効に高めることができる。
また、本実施形態によれば、大当り遊技のエンディング演出は、大当り遊技終了を報知する重要な演出であるため、エンディング演出中には遊技者により選択された楽曲の出力は一旦中断して、遊技者に大当り遊技終了を確実に報知できる。
また、本実施形態によれば、ラウンド数が増加することを期待させるランクアップ期待演出等が実行される大当りB、C及びD(ランクアップボーナス)の大当り遊技では、選択楽曲出力演出を実行せず、遊技者がランクアップ期待演出等に集中することを妨げないようにしている。
また、本実施形態によれば、小当りした場合と区別し難くしている大当りFの大当り遊技では、選択楽曲出力演出を実行しないことにより、選択楽曲出力演出を実行することで大当りFであることを遊技者が知ることを回避している。
また、以上に説明したように、本実施形態によれば(図31参照)、潜伏可能性モードから通常モードに移行した場合に、通常特別モードに移行させている。これにより、通常特別モードにおいて潜伏遊技状態に制御されている確率を比較的高くできるので、通常特別モードを、通常モードの一種でありながら、潜伏可能性モードのように遊技者に潜伏遊技状態に制御されているという期待感を持たせる特別な通常モードとすることができる。
[変形例]
なお、上記した本実施形態では、図40〜図42等を用いて説明したように、背景変更レバー操作演出において、演出レバー40の引き下げ操作を遊技者に促す操作指示演出(図40(3)のNを参照)は、大当り確定を報知するものであった。しかし、この操作指示演出は、大当り確定を報知するものでなくてもよく、この操作指示演出が実行された場合にハズレとなる場合があってもよい。また、このように構成する場合において、この操作指示演出を、大当り確定を報知する予告演出を除く他の全ての予告演出のうちで、大当り可能性(大当り信頼度)の最も高い演出(例えば、大当り確率99%)としてもよく、又、大当り可能性が或る程度高い(例えば、大当り確率10%)としてもよい。また、この操作指示演出を、演出レバー40を操作させる大当り確定を報知する予告演出(例えば、図36及び図37の当落報知レバー操作演出)を除く演出レバー40を操作させる他の全ての予告演出のうちで、大当り可能性(大当り信頼度)の最も高い演出(例えば、大当り確率95%)としてもよく、又、大当り可能性が或る程度高い(例えば、大当り確率10%)としてもよい。
また、図40(6)に示した特殊バトル背景に変更する演出も、大当り確定を報知するものでなくてもよく(例えば、大当り信頼度が高いことを示唆してもよく)、特殊バトル背景に変更された場合にハズレとなる場合があってもよい。
また、図40〜図42等を用いて説明した背景変更レバー操作演出において、演出レバー40の引き下げ操作を遊技者に促す操作指示演出(図40(3)のNを参照)が実行されて、「継続」図柄が仮停止して擬似変動2回目が実行された場合において(図40(3)〜(5)参照)、大当り確定の特殊バトル背景に変更されない場合があってもよい。
また、図40〜図42等を用いて説明した背景変更レバー操作演出において、演出レバー40の引き下げ操作を遊技者に促す操作指示演出(図40(3)のNを参照)が実行された後に、「継続」図柄が仮停止されずに通常の数字図柄が仮停止して、擬似変動2回目が実行されずに大当り確定の特殊バトル背景に変更されない場合があってもよい。
また、図40〜図42等を用いて説明した背景変更レバー操作演出において、擬似連演出1回目(つまり、擬似変動2回目)のタイミング(図40(3)〜(6)参照)と同様に、擬似連演出2回目(つまり、擬似変動3回目)のタイミング(図40(7)〜図41(9)参照)においても、演出レバー40の引き下げ操作を遊技者に促す操作指示演出を実行して大当り確定の他の特殊バトル背景に変更してもよい。
また、図40〜図42等を用いて説明した背景変更レバー操作演出において、演出レバー40の操作を促す操作指示演出を実行することなく、擬似連演出の実行タイミングで背景画像を大当り確定の特殊バトル背景に切替えてもよい。
また、図40〜図42等を用いて説明した背景変更レバー操作演出において、演出レバー40の引き下げ操作と同期して実行されて特殊バトル背景への切替えの契機となる擬似連演出の代わりに、他の演出(例えば、大当り信頼度を示唆するキャラクタを表示するキャラカットイン予告演出など)を実行してもよい。
また、上記した本実施形態では、図36及び図37等を用いて説明したように、当落報知レバー操作演出は、SPSPリーチ演出の終盤に、遊技者による演出レバー40の引き下げ操作に応じて、可動役物7を動作させる可動役物演出を実行するか否かによって大当りか否かを報知する演出であった。しかし、このレバー操作演出は、可動役物演出を実行することによって、大当りの可能性(大当り信頼度)が高いことを示唆する演出であってもよい。言い換えると、このレバー操作演出において、可動役物演出が実行されてもハズレである場合があってもよい。
また、上記した本実施形態では、図33及び図34等を用いて説明したように、選択楽曲出力演出において大当り遊技のエンディング演出中には遊技者により選択された楽曲(選択楽曲)の出力を一旦中断した。しかし、エンディング演出中には、選択楽曲の出力をミュートする(内部的には楽曲を進行させつつスピーカからの出力を停止する)ことによって出力しない制御としてもよい。
また、図33及び図34等を用いて説明した選択楽曲出力演出において、大当り遊技のエンディング演出中に、選択楽曲の出力を中断するのではなく、出力音量を低減(制限)してエンディング演出の出力の方を優先させてもよい。
また、図33及び図34等を用いて説明した選択楽曲出力演出において、確変モード中の特定の演出(例えば、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出)中に、選択楽曲の出力を停止(又はミュート)、または、出力音量を低減(制限)して特定の演出の方を優先させてもよい。
また、図33及び図34等を用いて説明した選択楽曲出力演出において、確変モード終了後の4回転の潜伏遊技状態終了まで選択楽曲を出力する制御としてもよい(図33(1)参照)。言い換えると、大当りAおよびEの大当り遊技終了後の54回転の高確状態終了まで選択楽曲を出力する制御としてもよい。
また、図33及び図34等を用いて説明した選択楽曲出力演出において、大当りAおよびEの大当り遊技終了後において、確変モードの所定回転(例えば25回転)まで選択楽曲を出力する制御としてもよいし、確変モード終了後の通常モードの所定回転(例えば30回転)まで選択楽曲を出力する制御としてもよい。更には、選択楽曲を出力する期間(回転数)を抽選又は遊技者による操作によって毎回決定してもよい。また、選択楽曲を、大当り遊技中は出力する一方で確変モード中は出力しない制御にしてもよく、確変モード中は出力する一方で大当り遊技中は出力しない制御にしてもよい。
また、図33及び図34等を用いて説明した選択楽曲出力演出において、大当りB、C及びD(ランクアップボーナス)の大当り遊技中および大当り遊技終了後においても、大当りAおよびEの大当り遊技中および大当り遊技終了後と同様に、選択楽曲出力演出を実行してもよい。但し、その場合には、大当りB、C及びD(ランクアップボーナス)の大当り遊技中のランクアップ期待演出、ランクアップ成功演出、およびランクアップ失敗演出の実行中には、選択楽曲の出力を一旦停止、ミュートまたは出力音量の低減を行うことが望ましい(つまり、選択楽曲の出力を制限するのが望ましい)。
また、上記した本実施形態では、図33(1)等を用いて説明したように、選択楽曲出力演出において、選択楽曲を途中で変更できない制御とした。しかし、大当り遊技中のラウンドおよびインターバル期間中や確変モード中の所定のタイミング、又は任意のタイミングで、遊技者の操作に応じて選択楽曲を変更して出力できる制御としてもよい。
また、上記した本実施形態では、図33及び図34等を用いて説明したように、遊技者の操作に応じて、出力される楽曲が設定される選択楽曲出力演出について記載した。しかし、例えば、遊技者の操作に応じて、表示される画像(動画)が設定される選択画像出力演出を実行してもよい。この場合、例えば、大当りAおよびEの大当り遊技のオープニング中に遊技者の操作に応じて、表示される演出画像が複数の演出画像から選択され、選択された演出画像が、大当り遊技のラウンドおよびインターバル中、及び/又は、大当り遊技終了後の確変モード中に表示される構成としてもよい。更には、遊技者の操作に応じて、表示される画像(動画)および出力音響(楽曲等)の両方が設定される選択画像音響出力演出を実行する構成としてもよい。
また、図33及び図34等を用いて説明した選択楽曲出力演出を、報知演出において特定の演出(例えば、図40〜図42等を用いて説明した背景変更レバー演出)が実行されて大当りした場合に実行できる構成としてもよい。
また、図33及び図34等を用いて説明した選択楽曲出力演出において、遊技者による操作によって楽曲を選択するのではなく、内部抽選や予め定められた順番によって、楽曲が選択されてもよい。
また、図33及び図34等を用いて説明した選択楽曲出力演出において、大当り遊技中に出力された選択楽曲に対応した楽曲(例えば、関連する楽曲、同じ曲調の楽曲)を、大当り遊技終了後に出力してもよい。
また、以上に説明した本実施形態及び変形例等に記載された様々な特徴を組み合わせてもよい。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。