JP4705506B2 - 回転圧入鋼管杭及び鋼管杭を用いた圧入工法 - Google Patents

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本発明は、開口部が形成された下端において掘削ビットが複数設けられた中空の鋼管杭を備えた回転圧入鋼管杭及び鋼管杭を用いた圧入工法に関する。
一般的な回転圧入工法を採用する、下端に開口部を形成させた鋼管杭としては、杭体や杭先端付近にらせん状の羽根を固着させた第1の回転圧入鋼管杭(例えば、特許文献1、2参照。)が提案されている。
この従来における第1の回転圧入鋼管杭では、回転力によって地中に羽根部を食い込ませ、当該羽根部が地盤を杭上部に押し上げる際の地盤反力によって生じる推進力により杭を回転圧入(貫入)させる工法である。この工法では羽根の面積に応じて支持力を大きくとることが可能となる。
しかしながら、この第1の回転圧入鋼管杭は、基本的には施工時に杭周辺地盤を乱さないようにするために、螺旋状の羽根のピッチ以下で施工することが必須となる。このため、施工速度が一般的な鋼管中掘り工法と比べて小さくなるとともに、杭径の1.5〜3倍程度の羽根部を地中部にねじ込むように食い込ませるために大きな回転力(トルク)が必要となり、これに対応して施工機械の仕様も大型なものとなる。
さらに、羽根部は貫入に伴う地盤抵抗に対応できるものでなければならず、羽根単体及び羽根を鋼管に固着するための加工費も増加してしまう。
これに対して、従来においては、更に杭の先端部に掘削ビットを形成させた第2の回転圧入鋼管杭(例えば、特許文献3、4参照。)も提案されている。
この第2の回転圧入鋼管杭においては、掘削ビットにより先端土砂を掘削することにより、貫入抵抗を低減させる。この第2の回転圧入鋼管杭は、羽根を有していないために第1の回転圧入鋼管杭と異なり、羽根による推進力によって貫入することができないため、別途推進力が必要となる。しかし、この第2の回転圧入鋼管杭は、回転力と(推進力による)圧入力を掘削ビットに集中することができるため、掘削ビットに調質材料、硬質材料等を用いることにより、第1の回転圧入鋼管杭と比較して掘削性を向上させることが可能となる。
また、この第2の回転圧入鋼管杭は、羽根を有さないため杭の貫入抵抗に関しては、鋼管板厚部分のみであるので、第2の回転圧入鋼管杭よりも小さく、同様の地盤で同一の鋼管径であれば、施工時に必要となる回転力を小さくした状態で施工することが可能となる。特に施工機械の推進力(圧入力)と地盤条件によっては、羽根ピッチに左右される第1の回転圧入鋼管杭に対して、杭周辺地盤を乱すことなく通常の中掘り鋼管杭と同等の施工速度を保持することができる。
しかしながら、第2の回転圧入鋼管杭は、先端に羽根を有していないため、支持力では第1の回転圧入鋼管杭に対して劣っている。第2の回転圧入鋼管杭は、これまでに、特許文献3、4に記載されているように、掘削の優位性を活用した場所打ちコンクリートのケーシングパイプや支持力を必要としない土留め構造としての鋼管壁列として用いられている。特に、鋼管壁列を築造する場合には、第1の回転圧入鋼管杭は、先端に羽根を有するために羽根突出幅以下の間隔で鋼管杭を連続して施工することができず、ほぼ鋼管杭径で施工できる第2の回転圧入鋼管杭が有効であった。
但し、近年においては、土留め壁構造の鋼管壁列においても、耐震補強構造における橋脚基礎への鋼管矢板井筒壁や河川護岸での跨線橋部等で支持力を必要とする場合が出てきている。
これらの要求性能に対して、第2の回転圧入鋼管杭は、先端部に掘削ビットが取り付けられており、先端土砂を掘削することにより貫入抵抗を低減できる効果がある一方で、先端土砂を乱してしまうために、先端部における支持力が損なわれる可能性がある。
さらに、この第2の回転圧入鋼管杭は、先端に開口部を有しており、先端が閉塞されている杭に比べて、先端部から土砂を管内に取り込むため、貫入抵抗そのものは小さくなる。しかしながら、中間層において、管内に取り込んだ土砂が管内で閉塞してしまうと、結局のところ貫入抵抗は増加して施工性が低下し、貫入不能になる可能性がある。このため、中間層での施工性を向上させるために、回転圧入時の貫入抵抗を低減させる補助工法として、鋼管内に別途用意される駆動装置によるスクリューオーガーを配設する方法や、例えば特許文献5に示すように、エアや掘削水等を噴射する方法が提案されている。
これらの補助工法は、基本的には、先端より鋼管内に取り込まれる掘削土砂が鋼管内で閉塞状態となって、貫入抵抗が大きくなり、施工能率が低下し又は不能になることを回避するものであり、スクリューオーガーを利用した強制排土や、アジテータロッドによる攪拌、エアや掘削水等の噴射による粘着力(付着力)の低減をすることにより、掘削土砂が鋼管杭内面に定着し、閉塞状態となることを防止することが可能となる。
但し、これらの補助工法を支持層まで適用すると、逆に先端の閉塞効果が得られないため、支持力を得るためには最終的に支持層において鋼管杭に打撃力又は圧入力を加えるか、鋼管杭先端部より下方地盤及び鋼管内に根固めセメントモルタルを築造するか、鋼管内を洗浄後コンクリート打設することが必要となる。
最終的に支持層において、鋼管杭に打撃力又は圧入力によって根入れを行う、打込み杭工法においては、杭先端を管内に取り込んだ土砂の圧密により管内を閉塞させ、十分な支持力を発揮させるためには、支持層へ杭先端を杭径の5倍程度貫入させることが一般的に知られており(例えば、非特許文献1参照。)、一般的に中間層よりも強度の高い地盤に根入れさせるには施工時間が増加してしまう。
また、鋼管杭先端部より下方地盤及び鋼管内に根固めセメントモルタルを築造するか、鋼管内を洗浄した後にコンクリートを打設する工法では、根固めセメントモルタルを別途築造する必要があり、或はコンクリートを別途打設する必要が生じる。このため施工工程数や必要な装置の種類が増加し、施工コストが増加してしまうという問題点がある。
第2の回転圧入鋼管杭においても支持力を確保する場合には、支持層付近の打ち止めにおける最終段階では回転を止めて圧入するという方法が考えられるが、圧入のみでは杭径の5倍程度まで支持層に根入れさせるのに相当な圧入力及び施工時間を要し、施工コストの増加に繋がるか、或いは施工機械能力によっては、施工不能となってしまう可能性が大きい。
このため、支持層における先端閉塞を促進させ支持層への根入れを短くするために、杭先端から鋼管内に取り込んだ土砂を圧密させ、杭先端の鋼管内を閉塞させられるように、鋼管杭先端部に、鋼管内に取り込んだ土砂を押さえ込むような治具が必要となる。
打込み杭工法においても、先端閉塞が十分に得られない場合には、鋼管杭先端部に十字仕切板や井桁を一般に杭径の2〜3倍程度溶接することがある。これらは、先端部鋼管内における鋼管内面と土砂との周面摩擦面積を増加させることにより、鋼管内土砂の閉塞効果を発現させ、支持力を確保することはできる。しかしながら、これは中間層が軟弱である場合で、しかも掘削土砂により中間層において鋼管内が閉塞しない場合のみしか適用することができず、汎用性が低くなるという問題点があった。
特開平8−284160号公報 特開2001−193063号公報 特開2000−154693号公報 特開2001−214434号公報 特開2005−127095号公報 道路橋示方書(V耐震設計編) 社団法人日本道路協会発行
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、中間層での施工速度優位性や加工費抑制効果があり、土留め壁構造としても適用可能な先端に掘削ビットを有する回転圧入鋼管杭において、中間層の施工時に、従来工法では別駆動系の補助工法を用いてコストアップとなっていた場合と比較して、施工コスト低減を図ることが可能であり、支持層での支持力を確保するために、従来別工程でこなっており施工費増加に繋がっていたコンクリート打設や施工速度が極端に低下する根入れ長さを抑えることにより、施工速度向上・施工コスト低減を図ることが可能な回転圧入鋼管杭を提供することにある。
本発明は、先端に掘削ビットを有する回転圧入鋼管杭においては、中間層では回転圧入施工を行い、支持層では、圧入施工を行うということが可能であることに着目し、中間層の回転圧入時には鋼管内の閉塞を除去し、支持層における打止め時には、鋼管内の閉塞を促進させるための掘削リブを鋼管内に設置することにより、上述した課題の解決を図ろうとするものである。
この掘削リブは、中間層の回転圧入時には掘削用のリブとして、鋼管内に取り込まれる土砂を掘削、切削することが可能となる。さらに掘削リブが鉛直方向に対して回転方向に傾斜されている場合には、回転力による土砂が掘削リブ上を移動することにより攪拌効果を得ることができる。これにより、鋼管内に取り込まれた掘削土砂が鋼管内壁に付着することなく、閉塞状態となることを防止することが可能となる。
さらに、最終打ち留め段階において、回転を止めて鋼管杭を圧入する際には、鋼管中心に対して点対称となるように配置されている掘削リブが、鋼管杭下端から鋼管内に取り込まれた土砂の貫入抵抗となり、押さえ込むことで、鋼管内に取り込まれた土砂を圧密させ、鋼管内を閉塞させるための促進治具として機能させることができる。
また、これら双方の効果は、特に掘削リブを多段で構成することにより、切削、攪拌距離を長くなるとともに、閉塞促進のための貫入抵抗には投影面積が鋼管閉鎖断面に占める割合が大きくなる方が望ましいことに鑑みて、以下の構成としている。
即ち、請求項1に記載の回転圧入鋼管杭は、下端において円周方向に掘削ビットが複数設けられた円筒状の鋼管杭と、上記鋼管杭の下端より上側の管内に鋼管中心に対して点対称となるように固着されてなり、上記鋼管杭とともに回転圧入又は圧入することが可能な掘削リブとを備え上記掘削リブは、直線状に延びた1つ又は複数の部材により1本のものが構成されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の回転圧入鋼管杭は、請求項1に記載の回転圧入鋼管杭において、上記掘削リブは、一段毎の平面配置が1本又は複数本で構成されてなり、さらに固着される段数が1段又は複数段であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の回転圧入鋼管杭は、請求項1又は2に記載の回転圧入鋼管杭において、上記掘削リブの下端には、刃先を鉛直方向に対して傾斜させた掘削刃が形成されてなることを特徴とする。
また、請求項4に記載の鋼管杭を用いた圧入工法は、請求項1〜3のうち何れか1項記載の鋼管杭を利用し、中間層の施工にはこれを回転圧入させ、さらに支持層への根入れにはこれを圧入させることを特徴とする。
本発明では、下端において円周方向に掘削ビットが複数設けられた円筒状の鋼管杭と、上記鋼管杭の管内に鋼管中心に対して点対称となるように固着されてなり、上記鋼管杭とともに回転圧入又は圧入することが可能な掘削リブとを備える。
これにより、本発明では、鋼管杭の内壁に取り付けた掘削リブが、中間層並びに支持層において所期の機能を発揮することにより、施工性を改善することができる。即ち、回転圧入工法による中間層への施工性を向上させることができ、支持層において、支持力を確保するために根入れ長さを抑えることにより、施工速度を向上させ、さらにはコストを低減させることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、開口部が形成された下端において掘削ビットが複数設けられた中空の鋼管杭を備えた回転圧入鋼管杭について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した回転圧入鋼管杭1の構成を示している。この回転圧入鋼管杭1は、図5に示すように、中間層21とその下層にある支持層22により構成される地盤2中に回転圧入、或いは圧入される。回転圧入鋼管杭1は、図1に示すように、下端に開口部11が形成された中空の鋼管杭12と、開口部11の円周方向に複数に亘り設けられた掘削ビット13と、鋼管杭12の管内に形成された掘削リブ14とを備えている。
鋼管杭12は、円筒状で構成されてなる。この鋼管杭12は、例えば図示しないケーシング回転掘削機等を利用して地中に回転圧入され、或いは単に圧入される。
掘削ビット13は、鋼管杭12を地盤中に食い込ませるために鋼管杭12の下端に設けられている。この掘削ビット13の仕様は、対象とする地盤の支持層22の硬さに支配されることになるが、鋼管の端部を突起状にしたものや、鋼製ブロック、平鋼、鉄筋等や、硬さ調整を行った超硬ビットを鋼管内面、外面に隅肉溶接やフレアー溶接するか、或いは鋼管を短冊状に切断し、ビットを板厚間に設置し、回し溶接により固着したものとして構成するようにしてもよい。
掘削リブ14は、鋼管杭12の回転圧入時において、当該鋼管杭12の回転動作に応じて鋼管内を回転することになる。その結果、鋼管内に取り込まれた土砂を掘削、切削するとともにこれらを攪拌することができる。掘削リブ14は、鋼管中心に対して点対称となるように固着されている。このため、回転圧入時における回転力を掘削リブ14による掘削に最大限活用することが可能となる。
掘削リブ14の平面配置は、掘削の対象となる地盤に応じて互いに異ならせるようにしてもよい。掘削リブ14の本数があまりに多くなると、鋼管内における掘削リブの投影面積(掘削リブ14の平面配置に占める面積率)が大きくなり、施工速度が速くなると、掘削、攪拌能力と比較して貫入抵抗がいきおい大きくなり、さらに施工コストも増加してしまう。このため、この掘削リブ14の本数は、1〜4本程度とすることが望ましい。
掘削リブ14における平面配置の例としては、例えば図2に示すように、2本のリブで構成する際には、鋼管中心を通る十字配置することが望ましい。また、この掘削リブ14の平面配置の他の例としては、例えば図3(a)に示すように、1本のリブで構成している場合には、鋼管直径に相当する位置に配置するようにしてもよい。また、掘削する地盤の中間層における玉石や礫の径と、鋼管杭12の内径に応じて、掘削リブ14の交差角度に差を設けるようにしてもよい(図3(b)参照)。
また、図3(c),(d)に示すように、掘削リブ14が3本又は4本で構成される場合においても、基本的には等角度(60°、45°)での配置を基本とするが、上述した理由により、これら掘削リブ14の交差角度を互いに不均一にするようにしてもよい(例えば、図3(e)参照。)。掘削リブ14が3本又は4本で構成される場合には、鋼管中心に対して点対称となるように井桁状に組むようにしてもよい(例えば、図3(f),(g)参照。)。
掘削リブ14は、鋼板、平鋼、鋼製ブロック等を溶接組み立てすることにより構成されるが、掘削リブ14の高さが高くなると、回転圧入時の回転に対する抵抗面積が増加し、必要となる回転力が増加する。このため、この掘削リブ14の高さは、少なくとも鋼管杭12の径Dの1/5以下とすることが望ましい。しかしながら、この掘削リブ14の高さをあまり小さくしすぎると、掘削、攪拌速度が低下するとともに、支持層における圧入時の鋼管内に取り込んだ土砂の抑え力が小さくなり、閉塞効果を得ることができなくなる。このため、この掘削リブ14の高さは、実際の平面配置において必要となる本数に応じて適宜選定することとなる。
さらに、この掘削リブ14の下端には、刃先を鉛直方向に対して回転方向に傾斜させた掘削刃を形成させるようにしてもよい。図4(a)は、この掘削リブ14の断面形状を示している。この図4(a)に示すように、刃先を鉛直方向に対して角度θ傾斜させることにより、中間層の回転圧入時において、管内に取り込まれた土砂を回転力による掘削、切削する際の効率を向上させるとともに、回転力により土砂を鋼管内上方に移動させることができ、鋼管内土砂の攪拌効果を得ることが可能となる。また鉛直方向に対して刃先を角度θ傾斜させることにより、支持層における圧入時には、角度θが0°即ち刃先が鉛直下向きに向いている場合と比較して、鉛直方向の投影面積を増加させることができ、管内に取り込まれた土砂の押さえ効果を増加させることが可能となる。このθに関しては、0°<θ<90°の範囲で構成するようにしてもよい。
なお、この掘削リブ14の断面形状は、三角形で構成される場合に限定されるものではなく、例えば図4(b)に示すように、断面が平行四辺形状で構成されていてもよいし、また図4(c)に示すように断面が五角形状で構成されていてもよい。さらに図4(b)に示すように、掘削リブ14の下端に掘削ビット17を取り付けるようにしてもよい。
また掘削リブ14は、鋼管杭12の下端から鋼管内側に入った位置において設置されることになるが、この鋼管杭12の下端と掘削リブ14との距離cは、掘削の対象となる地盤や地下水位等によって異なるものの、管内に取り込まれた土砂が3〜5D(D:鋼管杭径)で鋼管内面と土砂との付着力により閉塞状態となる可能性が高いことから、その最大値を3Dとすることが望ましい。また、支持力を確保するためには、支持層への根入れが必須であるが、その根入れ長は場所打ちコンクリート杭や通常の中掘り杭と同程度の1D以下とすることにより施工コスト低減を図ることができる。このため、この距離cは、1D以下にすることがさらに望ましい。
次に本発明を適用した回転圧入鋼管杭1を地盤中に回転圧入或いは圧入する方法について説明をする。
最初に図5(a)に示すように、この回転圧入鋼管杭1を中間層21中に回転圧入していくことになる。この中間層21への施工に関しては、鋼管杭12に回転力と圧入力を加える。その結果、杭先端に形成させた掘削ビット13は、その圧入力により中間層21としての地盤2中に食い込むとともに、鋼管杭12とともに回転することになり、掘削ビット13幅の先端地盤が掘削され、ひいては鋼管杭12が地盤2中に貫入されることになる。
このとき、鋼管杭12における開口部11直下の土砂は、掘削ビット13により、掘削、切削された若干の土砂を含めて鋼管内に取り込まれることになる。この鋼管内に取り込まれた土砂(管内土砂とも言う)は、鋼管杭12とともに回転圧入されている掘削リブ14により掘削、攪拌されることになる。その結果、鋼管内に取り込まれた土砂が鋼管杭12の内壁に付着することなく、閉塞状態となる前に上方へ移動していくことになる。またこれに伴って、鋼管杭12は、貫入抵抗を増加させることなく、貫入することが可能となる。
一方、図5(b)に示すように、支持層22に到達すると、最終打ち止め段階として、鋼管杭12には、圧入力のみを加えることにより、これを貫入していくことになる。その結果、鋼管杭12に形成させた掘削ビット13を中心に鋼管杭12は貫入抵抗を受けながら支持層22に貫入されていくことになる。この圧入動作に対する貫入抵抗は、鋼管杭12の板厚に応じたものとなる。
また、それに伴い、鋼管開口部直下の支持層22の土砂が鋼管内に取り込まれるが、中間層21の場合とは異なり、掘削リブ14が土砂が開口部11から鋼管内に取り込まれることに対する貫入抵抗となり、支持層22において続いて取り込まれる後続の土砂が鋼管内への進入するのを押さえることが可能となる。後続の土砂がその押さえ力によって圧密され、さらに鋼管杭12の内壁との付着力が発揮され、随時鋼管内に取り込まれていく土砂により徐々に閉塞状態とすることが可能となる。このときの圧密されて管内に取り込まれた土砂を圧密土砂と呼ぶ。
これにより、打ち止め段階において、初期の貫入抵抗は鋼管杭12の板厚のみに依存しているものの、最終的な打ち止め時には、鋼管内を支持層22の土砂で閉塞した状態にすることで、鋼管杭12の径に応じた支持力を得ることが可能となる。
なお、本発明を適用した回転圧入鋼管杭1は、上述した実施の形態に限定されるものではない。掘削リブ14が固着される段数が1段で構成される場合のみならず、例えば図6(a)、(b)に示すように複数段で構成されるようにしてもよい。以下の図6(a)、(b)の説明において、上述した図1、2と同一の部材、要素に関しては同一の番号を付すことにより、以下での説明を省略する。
図6(a)に示すように、掘削リブ15は、掘削リブ14と開口部11との間に設けられている。この掘削リブ15は、鋼管杭12の内壁に対して、例えば溶接等により固着されることになる。図6(b)は、この鋼管杭12の底面からの投影図であるが、掘削リブ14と、掘削リブ15とは互いにリブの向きを異ならせるようにすることが望ましい。
このように掘削リブ14(15)を複数段で構成することにより、中間層21における回転圧入時における切削、攪拌を多段階で行うことができ、その切削、攪拌効果が大きくなるとともに、支持層22における圧入時には、上段の掘削リブ14により押さえ込まれた土砂の貫入抵抗が下段の掘削リブ15の押さえ力の補助となるため、閉塞状態を生じやすくなる。
ちなみに、この掘削リブの段数に関しては、段数が多いほうが中間層施工時の掘削、攪拌効果は得られるものの、加工費が高くなるとともに、支持力を確保するために必要となる鋼管杭12内の閉塞状態が生じる必要があるものは、最下段としての掘削リブ15以下の部分である。上段の掘削リブ14による土砂の押さえ効果に関しても効果的なのは、最下段より上1〜2段程度であるため、この掘削リブの段数は3段程度以下とすることが望ましい。
なお、この掘削リブ15は、例えば図7に示すように、開口部11近傍に配置するようにしてもよい。
また、この掘削リブ14、15は、例えば図8に示すように、刃先を鉛直方向に対して角度θ傾斜させるようにしてもよい。
本発明を適用した回転圧入鋼管杭の構成図である。 掘削リブにおける平面配置の例を示す図である。 掘削リブにおける平面配置の他の例を示す図である。 掘削リブの断面構成を示す図である。 発明を適用した回転圧入鋼管杭を地盤中に圧入する方法について説明するための図である。 掘削リブを複数段で構成する例を示す図である。 掘削リブを開口部近傍に配置する場合について説明するための図である。 掘削リブを複数段で構成する場合に、角度θに亘り傾斜させる例を示す図である。
符号の説明
1 回転圧入鋼管杭
2 地盤
21 中間層
22 支持層
11 開口部
12 鋼管杭
13 掘削ビット
14、15 掘削リブ

Claims (4)

  1. 下端において円周方向に掘削ビットが複数設けられた円筒状の鋼管杭と、
    上記鋼管杭の下端より上側の管内に鋼管中心に対して点対称となるように固着されてなり、上記鋼管杭とともに回転圧入又は圧入することが可能な掘削リブとを備え
    上記掘削リブは、直線状に延びた1つ又は複数の部材により1本のものが構成されていること
    を特徴とする回転圧入鋼管杭。
  2. 上記掘削リブは、一段毎の平面配置が1本又は複数本で構成されてなり、さらに固着される段数が1段又は複数段であること
    を特徴とする請求項1記載の回転圧入鋼管杭。
  3. 上記掘削リブの下端には、刃先を鉛直方向に対して回転方向に傾斜させた掘削刃が形成されてなること
    を特徴とする請求項1又は2記載の回転圧入鋼管杭。
  4. 請求項1〜3のうち何れか1項記載の鋼管杭を利用し、中間層の施工にはこれを回転圧入させ、さらに支持層への根入れにはこれを圧入させること
    を特徴とする鋼管杭を用いた圧入工法。
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