JP4703420B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Description
エステル基を有するビニル系樹脂(A)と着色剤(B)とを含有するトナーにおいて、該トナーが下記群Gから選ばれる化合物(C)を含有することを特徴とするトナー。
群G:エチリデン酢酸、プロピリデン酢酸、イソプロピリデン酢酸、ブチリデン酢酸、
イソブチリデン酢酸、ペンチリデン酢酸、イソペンチリデン酢酸
前記トナーは、前記化合物(C)を0.001〜0.500質量%含有するものであることを特徴とする前記1に記載のトナー。
前記化合物(C)が、イソブチリデン酢酸であることを特徴とする前記1または2に記載のトナー。
前記トナーは、ピーク分子量が330〜3400の(メタ)アクリル酸エステル重合体、または、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
前記(メタ)アクリル酸エステル重合体が、ポリブチルアクリレート、または、ポリ−2−メチルヘキシルアクリレートであることを特徴とする前記4に記載のトナー。
樹脂(A)100質量部に対して、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体、または、前記(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体を0.1〜20質量部含有することを特徴とする前記4または5に記載のトナー。
前記(メタ)アクリル酸エステル重合体、または、前記(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体のピーク分子量が1000〜1800であることを特徴とする前記4〜6のいずれか1項に記載のトナー。
前記トナーは、コア・シェル構造を有するものであり、
前記樹脂(A)と前記着色剤(B)、及び、前記化合物(C)をコアに含有するものであることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載のトナー。
前記ピーク分子量が330〜3400の(メタ)アクリル酸エステル重合体、または、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体を、前記コアに含有するものであることを特徴とする前記8に記載のトナー。
エステル基を有するビニル系樹脂(A)と着色剤(B)とを含有する粒子に樹脂粒子を固着させてコア・シェル構造を有するトナーを作製するトナーの製造方法において、
該樹脂(A)は下記群Gから選ばれる化合物(C)の存在下で作製されるものであること
を特徴とするトナーの製造方法。
群G:エチリデン酢酸、プロピリデン酢酸、イソプロピリデン酢酸、ブチリデン酢酸、
イソブチリデン酢酸、ペンチリデン酢酸、イソペンチリデン酢酸
前記樹脂(A)は、重合性単量体、前記化合物(C)を含有する油相を水系媒体中に分散させ、該油相の中で重合反応を行って作製されるものであり、
該樹脂(A)と前記着色剤(B)とを水系媒体中で会合させる工程を経て前記粒子を作製することを特徴とする前記10に記載のトナーの製造方法。
前記油相の中に、ピーク分子量が330〜3400の(メタ)アクリル酸エステル重合体、または、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体を含有させて、前記樹脂(A)を作製することを特徴とする前記10または11に記載のトナーの製造方法。
エステル基を有するビニル系樹脂(A)と着色剤(B)とを含有する粒子に樹脂粒子を固着させてコア・シェル構造を有するトナーを作製するトナーの製造方法において、
水系媒体中で該樹脂(A)と該着色剤(B)とを会合させて粒子を形成する際に、該水系
媒体中に下記群Gから選ばれる化合物(C)を存在させた状態で該会合を行うことを特徴
とするトナーの製造方法。
群G:エチリデン酢酸、プロピリデン酢酸、イソプロピリデン酢酸、ブチリデン酢酸、
イソブチリデン酢酸、ペンチリデン酢酸、イソペンチリデン酢酸
群G:エチリデン酢酸、プロピリデン酢酸、イソプロピリデン酢酸、ブチリデン酢酸、イソブチリデン酢酸、ペンチリデン酢酸、イソペンチリデン酢酸
アウトガス捕集装置:HM−04GW型
容器の容量160ml
90℃ He100ml/min 30min TENAX TAに回収
試料量10mg
(パージ&トラップGC/MS測定分析条件の詳細)
装置 JTD−505
TFER HEATER:250℃
NEEDLE HEATER:250℃
SAT HEATER:200℃
SAT:TENAX TA(F=280、L=10mm)
HAED PRESS.:117kPa
COLUMN FLOW:2.0ml/min
SPLIT RATE:1/1000
(GC−2010)
OVEN TEMP.:40℃(3min)〜(10℃/min)〜280℃(3min)
DET.TEMP.:260℃
ANA.TIME:30min
(GCMS−QP2010)
MASS RANG:40〜800
SCAN TIME:30min
EM=0.75kV
COLUMN:DB−5MS:0.25mm×30m、t0.25μm
SAT:TENAX TA(F280、L10mm)
HAED PRESS.:117kPa
COLUMN FLOW:2.0ml/min。
化合物(C)とビニル重合体(D)を含有する樹脂粒子(s)を凝集させたコア部の形成方法は、樹脂粒子(s)を水系媒体中で凝集、融着させる工程を有する、いわゆる乳化会合法が好ましい。ここで会合とは、樹脂粒子を水系媒体中で凝集、融着させてトナー粒子を形成する製造方法をいう。また、融着とは1個のトナー粒子に対して複数の樹脂粒子を合一させることを意味する。凝集と融着は並行して進行させることが好ましいが、いったん凝集を完結させた後に融着工程を設けてもよい。
化合物(C)及びビニル重合体(D)を含有する樹脂粒子(s)は、水系媒体中の重合性単量体乳化液に化合物(C)及びビニル重合体(D)を添加し、ミニエマルジョン重合により製造されることが好ましい。具体的には、界面活性剤を臨界ミセル濃度以下に溶解させた水系媒体中に化合物(C)及びビニル重合体(D)を溶解させた重合性単量体の溶液を機械的エネルギーを利用して油滴分散させて分散液を調製する。そして、得られた分散液に水溶性重合開始剤を添加して油滴内でラジカル重合する方法(これをミニエマルジョン重合、ミニエマルジョン法という。)である。なお、上記方法で水溶性重合開始剤に代えて、あるいは、水溶性重合開始剤とともに、油溶性重合開始剤を使用してもよい。
本発明に係るトナーで形成されたトナー画像は、加熱、加圧定着されて記録紙上に固定される。具体的には、ローラーで構成されたローラー定着方法、加熱ローラーと加圧ローラーが巻回自在に支持されたエンドレスベルトで構成されたベルト定着方法により、オフセット印刷用紙などの記録紙上に形成されたトナー画像を定着する。これらの中ではベルト定着方法が好ましい。以下、ベルト定着装置について説明する。
〈ビニル重合体(D)の作製〉
(ビニル重合体(D−1)の製造)
ブチルアクリレート(BA)単量体100質量%を一定温度に維持した連続撹拌槽型反応器を含む反応装置に連続的に供給してビニル重合体(D−1)を作製した。ここで、反応装置は図1に記載のものに類似のものを用い、反応ゾーン質量は連続撹拌槽型反応器の使用可能容積の100%を重合性単量体で満たす様に制御した。
「ビニル重合体(D−1)」の製造において、ブチルアクリレート単量体100質量%に代わり、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)単量体100質量%とし、反応器内の循環回数を24回とした以外は同様にして「ビニル重合体(D−2)」を製造した。ビニル重合体(D−2)の分子量ピークは1760、Tgは−80℃であった。
〈コア用樹脂粒子(2−1−2)の製造〉
コア粒子の原料となるコア用樹脂粒子を、以下に示す二段重合により製造した。
スチレン 186.9g
n−ブチルアクリレート 76.5g
メタクリル酸 19.8g
一方、撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けたセパラブルフラスコに、下記のアニオン性界面活性剤(101)4.9gをイオン交換水1364gに溶解させ界面活性剤溶液を調製した。
上記界面活性剤溶液を80℃に加熱した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、「重合性単量体溶液2−1−1」を2時間混合分散させ、分散粒子径が750nmの乳化粒子(油滴)を含む乳化液(分散液)を調製した。
スチレン 213.8g
n−ブチルアクリレート 69.4g
n−オクタンチオール 4.55g
化合物(C)として
エチリデン酢酸 0.016g
ビニル重合体(D−1) 1.7g
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第二段重合)を行った後、28℃まで冷却し、「コア用樹脂粒子(2−1−1)」を原料とした「コア用樹脂粒子(2−1−2)」の分散液を得た。
以下に示す「着色剤分散液」と上記「コア用樹脂粒子(2−1−2)」の分散液を用いて、着色剤粒子とコア用樹脂粒子との凝集を行った。
アニオン系界面活性剤(101)59.0gをイオン交換水1600gに撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330」(リーガル社製)420.0gを徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、「着色剤粒子」の分散液を調製した。この分散液中の着色剤の粒子径は93nmであった。
「コア用樹脂粒子(2−1−2)」の分散液237.2g(固形分換算)と、イオン交換水2064gと、「着色剤粒子」の分散液82g(固形分換算)とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた四つ口フラスコに入れ撹拌した。容器内の温度を30℃に調製した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
コア粒子(s1)表面に固着させるシェル用樹脂粒子(t1)を含有する樹脂粒子分散液(T1)を調製した。
下記化合物を混合してなる重合性単量体溶液を調製し、これを「重合性単量体溶液(1−1−1)」とする。
スチレン 70.1g
n−ブチルアクリレート 19.9g
メタクリル酸 10.9g
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けたセパラブルフラスコに、下記のアニオン系界面活性剤(102)7.08gをイオン交換水3010gに溶解させ、窒素気流下、撹拌しながら、内温を80℃に昇温させて、界面活性剤溶液を調製した。
前記界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、前記重合性単量体溶液(1−1−1)を1時間かけて滴下し、滴下終了後、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第一段重合)を行い、樹脂粒子を調製した。これを「シェル用樹脂粒子(1−1−1)」とする。
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、以下の重合性単量体の混合液に離型剤(ペンタエリスリトールテトラベヘネート)を96.0g添加し、80℃に加温し溶解した。これを、「重合性単量体溶液(1−1−2)」とする。
スチレン 122.9g
n−ブチルアクリレート 49.7g
メタクリル酸 16.3g
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けたのセパラブルフラスコに、下記のアニオン性界面活性剤(101)5.7gをイオン交換水1340gに溶解させた界面活性剤溶液を調製した。
上記界面活性剤溶液を80℃に加熱した後、前述の「シェル用樹脂粒子(1−1−1)」を全量添加した。循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、「重合性単量体溶液(1−1−2)」を2時間混合分散させ、分散粒子径646nmを有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。なお、この操作は「シェル用樹脂粒子(1−1−1)」に「重合性単量体溶液(1−1−2)」を被覆させることを狙ったものである。
上記で得られた「シェル用樹脂粒子(1−1−2)」に、重合開始剤(KPS)8.87gをイオン交換水346gに溶解させた開始剤溶液を添加し、次いで、80℃の温度条件下に、以下の「重合性単量体溶液(1−1−3)」を1時間かけて滴下した。ここで、「シェル用樹脂粒子(1−1−2)」の表面に「重合性単量体溶液(1−1−3)」を被覆させることを狙いとしている。
スチレン 322.3g
n−ブチルアクリレート 121.9g
メタクリル酸 35.5g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 9.55g
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌して重合反応(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、「シェル用樹脂粒子(1−1−2)」を原料とした「シェル用樹脂粒子(t1)」の分散液を得た。これを「シェル用樹脂粒子(t1)」の分散液とする。
「シェル用樹脂粒子(t1)」の分散液12.5g(固形分換算)を5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH8に調製した。なお、「シェル用樹脂粒子(t1)」分散液のゼータ電位は−49.4mVであった。
「粒子1分散液」を遠心脱水機にかけ、40℃のイオン交換水をふりかけながら洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより「粒子1」を得た。
上記「粒子1」に、疎水性シリカ0.8質量部、疎水性酸化チタン1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーの回転翼の周速を30m/秒に設定し25分間混合して「トナー1」を調製した。
「トナー1」の製造において、化合物(C)としてエチリデン酢酸を0.016g、及びビニル重合体(D−1)を1.7g加えたところを、プロピリデン酢酸を0.036g、及びビニル重合体(D−2)を1.7gとした以外は同様にして「トナー2」を製造した。
「トナー1」の製造において、化合物(C)としてエチリデン酢酸を0.016g加えたところを、イソプロピリデン酢酸0.04gとした以外は同様にして「トナー3」を製造した。
「トナー1」の製造において、化合物(C)としてエチリデン酢酸を0.016g、及びビニル重合体(D−1)を1.7g加えたところを、ブチリデン酢酸を0.044g、及びビニル重合体(D−2)を1.7gとした以外は同様にして「トナー4」を製造した。
「トナー1」の製造において、化合物(C)としてエチリデン酢酸を0.016g加えたところを、イソブチリデン酢酸(1)を0.04gとした以外は同様にして「トナー5」を作製した。
「トナー1」の製造において、化合物(C)としてエチリデン酢酸を0.016g、及びビニル重合体(D−1)を1.7g加えたところを、ペンチリデン酢酸を0.160g、及びビニル重合体(D−2)を1.7gとした以外は同様にして「トナー6」を作製した。
「トナー1」の製造において、化合物(C)としてエチリデン酢酸を0.016g加えたところを、イソペンチリデン酢酸を0.04gとした以外は同様にして「トナー7」を作製した。
「トナー1」の製造において、「母体粒子の原料となる樹脂粒子の製造する工程」において、エチリデン酢酸を0.016g加えたところを添加せずに、「凝集工程」において237.2g(固形分換算)の母体用樹脂粒子分散液2−1−2と、イオン交換水2064gと、着色剤分散液82gとともに、エチリデン酢酸を0.020g添加した以外は同様にして「トナー8」を製造した。
「トナー1」の製造において、「母体粒子の原料となる樹脂粒子の製造する工程」において、エチリデン酢酸を0.016g、ビニル重合体(D−1)を1.7g加えたところを、エチリデン酢酸を添加せず、ビニル重合体(D−2)25.4gに変更した。さらに、「凝集工程」において、237.2g(固形分換算)の母体用樹脂粒子分散液2−1−2と、イオン交換水2064gと、着色剤分散液82gとともに、プロピリデン酢酸を0.045g添加した以外は同様にして「トナー9」を作製した。
「トナー1」の製造において、「コア粒子原料とする樹脂粒子の製造工程」において、エチリデン酢酸を0.016g、ビニル重合体(D−1)を1.7g加えたところを、エチリデン酢酸を添加せず、「凝集工程」において237.2g(固形分換算)の「コア用樹脂粒子分散液(2−1−2)」と、イオン交換水2064gと、「着色剤粒子」分散液82gとともに、イソプロピリデン酢酸を0.105g添加した以外は同様にして「トナー10」を作製した。
「トナー1」の製造において、「コア粒子の原料とする樹脂粒子の製造工程」において、エチリデン酢酸を0.016g、ビニル重合体(D−1)を1.7g加えたところを、エチリデン酢酸を添加せず、ビニル重合体(D−2)51.1gに変更した。さらに、「凝集工程」において237.2g(固形分換算)の「コア用樹脂粒子分散液(2−1−2)」と、イオン交換水2064gと、「着色剤粒子」分散液82gとともに、ブチリデン酢酸を0.120g添加した以外は同様にして「トナー11」を作製した。
「トナー1」の製造において、「コア粒子の原料とする樹脂粒子の製造工程」において、エチリデン酢酸を0.016g、ビニル重合体(D−1)を1.7g加えたところを、エチリデン酢酸を添加せず、「凝集工程」において237.2g(固形分換算)の「コア用樹脂粒子分散液(2−1−2)」と、イオン交換水2064gと、「着色剤粒子」分散液82gとともに、イソブチリデン酢酸を0.130g添加した以外は同様にして「トナー12」を作製した。
「トナー1」の製造において、「コア粒子の原料とする樹脂粒子の製造工程」において、エチリデン酢酸を0.016g、ビニル重合体(D−1)を1.7gを加えたところを、エチリデン酢酸を添加せず、ビニル重合体(D−2)86.2gに変更した。さらに、「凝集工程」において237.2g(固形分換算)の「コア用樹脂粒子分散液(2−1−2)」と、イオン交換水2064gと、「着色剤粒子」分散液82gとともに、ペンチリデン酢酸を0.470g添加した以外は同様にして「トナー13」を作製した。
「トナー1」の製造において、「コア粒子の原料とする樹脂粒子の製造工程」において、エチリデン酢酸を0.016g、ビニル重合体(D−1)を1.7gを加えたところを、エチリデン酢酸を添加せず、「凝集工程」において237.2g(固形分換算)の「コア用樹脂粒子分散液(2−1−2)」と、イオン交換水2064gと、「着色剤粒子」分散液82gとともに、イソペンチリデン酢酸を1.050g添加した以外は同様にして「トナー14」を作製した。
「コア用樹脂粒子(2−1−2)」の分散液をスプレードライヤーで乾燥させた樹脂粉末を1000質量部、カーボンブラック100質量部、離型剤(ペンタエリスリトールテトラベヘネート)150質量部とを二軸押し出し混練機で混練したのち、定法により粉砕、分級を行い、体積基準のメディアン径6.8μmのトナーを得た。これに、疎水性シリカ0.8質量部、疎水性酸化チタン1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーの回転翼の周速を30m/秒に設定し25分間混合し、「トナー15」を製造した。
「トナー1」の製造において、エチリデン酢酸、ビニル重合体(D−1)のどちらも添加しなかった以外は同様にして「トナー16」を製造した。
「トナー1」の製造において、エチリデン酢酸の代わりにn−ブタン酸を添加した以外は同様にして「トナー17」を製造した。
「トナー7」の製造において、イソペンチリデン酢酸の代わりに4−メチルペンタン酸を添加した以外は同様にして「トナー18」を製造した。
上記「トナー1〜18」の各々に、シリコン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、トナーの濃度が6質量%になるよう混合して「現像剤1〜18」を調製した。
評価用のオフセット印刷対応の用紙は、以下の様にして製造した用紙を、A4版に裁断して製造した。
カオリン「UW−90」(エンゲルハード社製)80質量%と軽質炭酸カルシウム「タマパール123−SF」(奥多摩工業社製)20質量%からなる混合顔料100質量部当たりにポリアクリル酸ソーダ0.4質量部を添加し、デリッター(セリエ社製)を用いて水に分散させ、固形分濃度65質量%の顔料スラリーを調製した。次いで、この顔料スラリーを用いて次のような配合で塗工液を調製した。
前記顔料スラリー(固形分相当) 80質量%
ラテックス「L−1537」(旭化成社製) 15質量%
酸化澱粉「エースA」(王子コーンスターチ社製) 2質量%
エマルジョンサイズ剤「SPW−116H」(荒川化学工業社製) 3質量%
この塗工液の固形分100質量部当たり、潤滑剤としてステアリン酸カルシウム0.5質量部、蛍光染料0.2質量部、消泡剤0.2質量部、水を順次添加し、充分に撹拌、混合した後、25%アンモニア水溶液を用いてpHをアルカリ性に調節し、固形分濃度60質量%の水性塗工液を得た。
アニオン性PAM「ポリストロン194−7」(荒川化学工業社製)
0.18質量%
硫酸バンド 2.00質量%
両性PAM「ハーマイドEX−300F」(ハリマ化成社製) 1.30質量%
(アニオン性PAM:両性PAM=12:88)
この様にして得られた紙料を白水で希釈して固形分濃度0.6%として公知の長網抄紙機で抄造し、更にはサイズプレスで下記処方の表面サイズ剤を2.0g/m2塗布して乾燥し、米坪量120g/m2の原紙を抄造した。
酵素変性澱粉 80質量%
ポリビニルアルコール「T−330H」(日本合成化学工業社製) 17質量%
スチレンアクリル酸系サイズ剤「ポリマロン1308S」(荒川化学工業社製)
3質量%
前記原紙の片面に前記水性塗工液を「ブレードコーター」(三菱重工業社製)で、片面当たり15g/m2塗工し、次いで4セクションからなる「熱風ドライヤー」(アーチ型熱風ドライヤー、乾燥長さは各6m)(石川島播磨重工業社製)を用いて水分5.5質量%まで乾燥した。片面への塗工を終了後、反対面にも同様の塗工、乾燥を行い、両面塗工された坪量150g/m2の塗工紙を製造し、巻取りした。続いて、表面温度が140℃のチルドロールとウレタン樹脂製弾性ロール(ショアーD硬度、61度)とからなる仕上げ装置を2台設置し、前記の乾燥された両面塗工紙(巻取り)をこの仕上げ装置に導入し、表裏の塗工面が各1回チルドロールに当接するように通紙して仕上げを施し光沢塗工紙を製造した。この時ニップ線圧は1000N/cmであった。得られた光沢塗工紙の密度は1.01g/cm3、光沢度は70%であった。
測定条件:20度、60度
(非光沢紙)
広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)をフリーネス480ml(カナダ標準フリーネス、CSF)に叩解した後、絶乾パルプ当たり合成サイズ剤「SPS−300」(荒川化学工業社製)を0.2質量%、硫酸バンドを1.0質量%、無機填料としてタルクを5質量%添加して紙料を調整し、この紙料を用いてシムホーマー湿式抄紙機「BALMET」(住友重工社製)において950m/分で抄造し、ゲートロールサイズプレス装置においてポリビニルアルコールと浸透剤からなる固形分濃度5質量%の塗布液(ポリビニルアルコール「P−7000」(日本合成化学工業社製)固形分当たりポリグリコール型非イオン界面活性剤「ハイルーブD550」(第一工業社製薬社製)を15ppm添加)を紙の表面と裏面に塗布し、全体の塗布量を0.55g/m2とし、坪量64g/m2の非光沢紙(フォーム用紙)を製造した。得られた非光沢紙の光沢度は6%であった。
評価用装置としては、電子写真式プリンタ(コピー、スキャナ機能も有する複合機)「Bizhub PRO 1050」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の定着装置を図5に記載のベルト定着器に変更して用いた。
(定着性)
プリント原稿は、10ポイントの文字が全面にある原稿を用いた。この原稿を各評価用紙(光沢塗工紙と非光沢紙)に250枚のプリントを行った。
◎:光沢塗工紙と非光沢紙共に、全くに文字にじみ状の汚れがない(優良)
○:光沢塗工紙で、文字にわずかににじみ状の汚れが検知できるが実用上問題ない(良好)
×:光沢塗工紙と非光沢紙共に、文字に黒くにじんだような汚れがあり、且つ、親指がトナーで汚れる(不良)。
評価用紙として非光沢紙を用い、非光沢紙上でのトナー付着量が1.6mg/cm2になるベタのトナー画像を形成した。
◎:トナーブリスタが全くない(優良)
○:トナーブリスタが4cm2当たり1〜2個存在するが実用上問題ないレベル(良好)
×:トナーブリスタが4cm2当たり3個以上存在し実用上問題有り(不良)。
プリント原稿として両面とも画素率25%の文字・写真の原稿を、評価用紙に光沢塗工紙、画像形成装置に上記評価用装置を使用して評価を行った。
◎:白地部の光沢度が68〜72%、トナー画像部の光沢度が68〜74%、差が2%以下(優良)
○:白地部の光沢度が65〜75%、トナー画像部の光沢度が64〜78%、差が6%以下(良好)
△:白地部の光沢度が60〜80%、トナー画像部の光沢度が55〜80%、差が10%以下(実用可)
×:白地部の光沢度が35〜80%、トナー画像部の光沢度が35〜80%、差が10%よりも大きい(不良)。
プリント原稿として両面とも画素率25%の文字・写真の画像を、評価用紙に非光沢紙、前述の評価用装置を使用し、常温常湿(20℃、55%RH)環境下で用紙を横送りに搬送させて画像形成を行った。
◎:カール値が7mm未満(優良)
○:カール値が7mm以上、10mm未満(良好)
△:カール値が10mm以上、15mm未満(実用可)
×:カール値が15mm以上(不良)。
評価用プリント画像は、現像後、感光体上のトナー付着量が0.4mg/cm2となる条件で、5cm×2cmのトナー画像を感光体上に形成し、このトナー画像を非光沢紙に転写し、熱定着して作成した。
◎:トナー画像のムラを感じると回答した人数が0名(優良)
○:トナー画像のムラが気になると答えた人が1名(良好)
△:トナー画像のムラが気になると答えた人が2名〜4名(実用可)
×:トナー画像のムラが気になると答えた人が5名以上(不良)。
評価用紙として光沢塗工紙を用い、プリント原稿に両面とも画素率50%の写真の画像を用いた。
◎:隣接する光沢塗工紙の裏面、表面にトナーの転移による汚れは認められず、紙さばき性も優れている(優良)
○:隣接する光沢塗工紙の裏面、表面にトナーの転移による汚れは認められないが、わずかに紙さばき性が低下している(良好)
△:隣接する光沢塗工紙の裏面、表面にトナーの転移による軽微な汚れが認められるがルーペで注視しなければ確認できない(実用可)
×:隣接する光沢塗工紙が、トナーによりはり付き、無理にはがすと隣接する光沢塗工紙の裏面、表面にトナーの転移による汚れが著しい(不良)。
T1 コア部
T2 シェル
A 結着樹脂(A)
B 着色剤(B)
C アルキリデン−カルボン酸化合物(C)
D ビニル重合体(D)
E 離型剤(E)
Claims (13)
- エステル基を有するビニル系樹脂(A)と着色剤(B)とを含有するトナーにおいて、該トナーが下記群Gから選ばれる化合物(C)を含有することを特徴とするトナー。
群G:エチリデン酢酸、プロピリデン酢酸、イソプロピリデン酢酸、ブチリデン酢酸、
イソブチリデン酢酸、ペンチリデン酢酸、イソペンチリデン酢酸 - 前記トナーは、前記化合物(C)を0.001〜0.500質量%含有するものであるこ
とを特徴とする請求項1に記載のトナー。 - 前記化合物(C)が、イソブチリデン酢酸であることを特徴とする請求項1または2に記
載のトナー。 - 前記トナーは、ピーク分子量が330〜3400の(メタ)アクリル酸エステル重合体、
または、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体を含有することを特徴とする請
求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。 - 前記(メタ)アクリル酸エステル重合体が、ポリブチルアクリレート、または、ポリ−2
−メチルヘキシルアクリレートであることを特徴とする請求項4に記載のトナー。 - 樹脂(A)100質量部に対して、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体、または、前
記(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体を0.1〜20質量部含有することを
特徴とする請求項4または5に記載のトナー。 - 前記(メタ)アクリル酸エステル重合体、または、前記(メタ)アクリル酸エステル−ス
チレン共重合体のピーク分子量が1000〜1800であることを特徴とする請求項4〜
6のいずれか1項に記載のトナー。 - 前記トナーは、コア・シェル構造を有するものであり、
前記樹脂(A)と前記着色剤(B)、及び、前記化合物(C)をコアに含有するものであ
ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナー。 - 前記ピーク分子量が330〜3400の(メタ)アクリル酸エステル重合体、または、(
メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体を、前記コアに含有するものであることを
特徴とする請求項8に記載のトナー。 - エステル基を有するビニル系樹脂(A)と着色剤(B)とを含有する粒子に樹脂粒子を固着させてコア・シェル構造を有するトナーを作製するトナーの製造方法において、
該樹脂(A)は下記群Gから選ばれる化合物(C)の存在下で作製されるものであること
を特徴とするトナーの製造方法。
群G:エチリデン酢酸、プロピリデン酢酸、イソプロピリデン酢酸、ブチリデン酢酸、
イソブチリデン酢酸、ペンチリデン酢酸、イソペンチリデン酢酸 - 前記樹脂(A)は、重合性単量体、前記化合物(C)を含有する油相を水系媒体中に分散
させ、該油相の中で重合反応を行って作製されるものであり、
該樹脂(A)と前記着色剤(B)とを水系媒体中で会合させる工程を経て前記粒子を作製
することを特徴とする請求項10に記載のトナーの製造方法。 - 前記油相の中に、ピーク分子量が330〜3400の(メタ)アクリル酸エステル重合体
、または、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体を含有させて、前記樹脂(A
)を作製することを特徴とする請求項10または11に記載のトナーの製造方法。 - エステル基を有するビニル系樹脂(A)と着色剤(B)とを含有する粒子に樹脂粒子を固着させてコア・シェル構造を有するトナーを作製するトナーの製造方法において、
水系媒体中で該樹脂(A)と該着色剤(B)とを会合させて粒子を形成する際に、該水系
媒体中に下記群Gから選ばれる化合物(C)を存在させた状態で該会合を行うことを特徴
とするトナーの製造方法。
群G:エチリデン酢酸、プロピリデン酢酸、イソプロピリデン酢酸、ブチリデン酢酸、
イソブチリデン酢酸、ペンチリデン酢酸、イソペンチリデン酢酸
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