JP4701901B2 - 反射鏡製造方法 - Google Patents
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Description
これらの投射型ディスプレイ装置の光源装置には、発光効率に優れ、点光源に近く利用し易いショートアーク型超高圧水銀ランプを反射鏡内に配した光源ユニットが用いられている。
そのため、ランプ破裂に備え、反射鏡前面を透明なガラス板で塞ぎ、ランプ構成材の飛散を抑える手段が講じられているが、そのガラス板を設けたために反射鏡内に熱がこもり易く、ランプの発光管を構成する石英自体が過熱され、その熱負荷の影響で、発光管が破裂したり、失透現象を生じたりして、却って早期に寿命を迎えてしまうという問題があった。
そのために従来は切欠部のない反射鏡を焼結成形した後、砥石等で切削加工することにより切り欠き部を形成しており、作業に手間及び時間がかかるだけでなく、製造コストが嵩むという問題があった。
このとき、冷却用切欠部と入れ子は、もともと別部材で形成されており、嵌め付けた状態で両者間に空気層が形成されるから、焼結しても互いに癒着することはなく、反射鏡基材から入れ子を簡単に外して金属メッシュなどを取り付けることができる。
このように、石英製反射鏡に冷却用切欠部を後加工で形成する必要がないので、その手間及び時間を軽減し、製造コストも低減させることができ、さらに、焼結時に型崩れを起こさないので、設計反射面通りの反射面を有する石英反射鏡を製造することができる。
図1は本発明に係る反射鏡製造方法の一例を示す説明図、図2は焼結用ガラス材料の例を示す拡大模式図、図3は焼結用ガラス材料の製造方法を示す説明図、図4は焼結用成形体の成形法の一例を示す説明図である。
そして、この反射鏡1に例えばショートアーク型超高圧水銀ランプLを組み込み、先端面をガラス板6で塞いで光源ユニットUが形成されている。
焼結用ガラス材料Gは、成形用金型に充填して乾式プレス成形することにより焼結用成形体を形成した後、この成形体を加熱焼結して反射鏡を製造するためのものであって、図2に示すように、パラフィン系バインダ及びステアリン酸系バインダの一方又は双方を含むバインダBがシリカを主成分とするコアCの表面に隙間なくコーティングされて成るガラス原料粉末Pを集合させて顆粒状に形成されたものを用いた。
コアCは外径0.3〜1.5μmの球状シリカを用いている。
まず、コアCとなる球状シリカに前記バインダBを約3.4重量%混合し、粘性値10〜20mPa・sとなるように純水を加え、水分率60%に調整した後、メッシュの個々の開口が縦横38μmに設計されたフィルタにより異物を除去してスラリ(懸濁液)を得る。
コアCは、不純物となるアルミ成分がシリカに対して70ppm以下にコントロールされている。
図3はこのような噴霧乾燥機11を示し、下端部に顆粒回収口12が形成された直径1.5m程度のホッパ型チャンバ13の天井部中央に、スラリを噴霧する回転霧化ディスク14aを備えたアトマイザ14が配されている。
また、チャンバ13の上端側周壁面に水平接線方向から熱風を流入させる給気ダクト15が接続されると共に、チャンバ13内には前記顆粒回収口12に対向して開口する排気ダクト16が配されている。
給気ダクト15からチャンバ13に流入した熱風は、チャンバ13の周壁に沿って回転しながら螺旋状に流下していく。
また、コアCの表面温度もバインダBの融点より高くなっているので、バインダBはコアCの表面を流れて、均一で薄膜状のコーティング層が隙間なく形成されたガラス原料粉末Pが形成される。
そして、多数のガラス原料粉末Pがチャンバ13の熱風に乗って乾燥される過程で、その表面にコーティングされたバインダBを介在して溶着され、直径50μm程度の顆粒状の焼結用ガラス材料Gが生成される。
その際に、螺旋状に流下してきた熱風により運ばれてきた顆粒状の焼結用ガラス材料Gは、熱風の流れが上向に反転されるときに熱風から分離されて顆粒回収口12に落下して回収される。
図2はこのように製造した焼結用ガラス材料Gの顆粒の模式図であって、表面にバインダBが隙間なくコーティングされたガラス原料粉末Pが稠密に集合されている様子がわかる。
まず、顆粒状の焼結用ガラス材料Gを成形用金型21の胴型22に入れた後(図4(a))、プランジャ23を降下させ、その挿通孔24に胴型22の中心ロッド25を挿入させながらプレス圧力を加えると焼結用成形体F1が成形される(図4(b))。
その後、プランジャ23を引き上げて、胴型22の底枠26を外枠27から外して型バラシし(図4(c))、底枠26から焼結用成形体F1を抜き出す(図4(d))。
ここで、「熱収縮率が焼結用ガラス材料Gと実質的に等しい」とは入れ子7を冷却用切欠部3に嵌め合わせて焼結用成形体F1を焼結したときに、入れ子7を嵌め合わせないで焼結した場合に比して歪みや撓みが小さい反射鏡基材F2が得られる程度をいい、好ましくは、冷却用切欠部3が形成されていない焼結用成形体を焼結した場合と同等の反射鏡基材F2が得られる程度をいう。
なお、冷却用切欠部3の端面には溝3aが形成されると共に、入れ子7の端面には前記溝3aと係合する平ほぞ7aが形成され、互いに本ざね継ぎにより係合されるようになっている。
このとき、入れ子7の先端はフランジ2と面一であるから、焼結用成形体F1を伏せて置いたときに入れ子7を介して余分な応力が作用することがない。
また、冷却用切欠部3は入れ子7によって支持されるので、重力方向の歪み・撓みが生じ難いだけでなく、冷却用切欠部3と入れ子7の接触端面同士が互いに係合する溝3aと平ほぞ7aにより拘束されているので、水平方向の歪み・撓みも生じにくい。
このとき、冷却用切欠部3に嵌め合わされた入れ子7もガラス体となるが、もともと別部材で形成されており、嵌め付けた状態で両者間に空気層が形成されるから、焼結しても互いに癒着することはなく、入れ子7を簡単に外すことができる。
そして、入れ子7を外した反射鏡基材F2の内面に多層膜のコールドミラーを施した後、図1(c)に示すように、冷却用切欠部3に金属メッシュ4を取り付けて、反射鏡1が完成する。
さらに、この光源ユニットUを、点灯回路(図示せず)備えたケーシングに実装し、その点灯回路に接続することにより光源装置(図示せず)が完成する。
2 フランジ
3 冷却用切欠部
U 光源ユニット
G 焼結用ガラス材料
F1 焼結用成形体
7 入れ子
Claims (6)
- 焼結用ガラス材料を反射鏡成形用金型に充填してプレス圧力を加えることにより、先端にフランジ及び冷却用切欠部を有する反射鏡型の焼結用成形体を成形し、前記反射鏡成形用金型を型バラシした後、前記焼結用成形体を加熱焼結して反射鏡基材を形成し、得られた反射鏡基材を用いて反射鏡を製造する反射鏡製造方法であって、
冷却用切欠部に嵌め合わせた状態で先端がフランジと面一になる入れ子を焼結時の熱収縮率が前記焼結用ガラス材料と実質的に等しい材料で形成しておき、
前記入れ子を前記焼結用成形体の冷却用切欠部に嵌め合せて当該焼結用成形体を加熱焼結し、
焼結により得られた反射鏡基材から入れ子を取り外すことを特徴とする反射鏡製造方法。 - 前記入れ子が前記焼結用ガラス材料を金型に充填して成形されて成る請求項1記載の反射鏡製造方法。
- 前記冷却用切欠部の端面に形成されたほぞ又は溝に、入れ子の端面に形成したほぞ又は溝を係合させて、入れ子を冷却用切欠部に嵌め合わせる請求項1記載の反射鏡製造方法。
- 前記焼結用成形体を焼成炉内に伏せた状態で加熱焼結する請求項1記載の反射鏡製造方法。
- 前記焼結用ガラス材料が、球状シリカにバインダを添加した後、これを顆粒状に造粒して成り、この焼結用ガラス材料を用いて乾式プレス法により焼結用成形体を成形する請求項1記載の反射鏡製造方法。
- 前記焼結用ガラス材料が、バインダを添加した球状シリカを分散させた泥漿からなり、この泥漿を型に流し込む鋳込み成形法により焼結用成形体を成形する請求項1記載の反射鏡製造方法。
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