JP2005340101A - リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体および光源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リフレクタの中心側の温度を効率的に下げることができる放熱構造を有する光源装置を提供する。
【解決手段】光源装置10は、ランプバルブ12と、リフレクタ14と、ハウジング16を備え、また、ハウジング16の外表面に冷風を当てるファン18が設けられる。リフレクタ14およびハウジング16の間の隙間には、双方の面に密着した状態にリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20が設けられる。リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20は、リフレクタ14の外表面形状に合わせて立体形状に成形した膨張黒鉛成形体を用い、この膨張黒鉛成形体を光源装置組み立て時にリフレクタ14およびハウジング16の間に介挿して圧接したものである。
【選択図】図1
【解決手段】光源装置10は、ランプバルブ12と、リフレクタ14と、ハウジング16を備え、また、ハウジング16の外表面に冷風を当てるファン18が設けられる。リフレクタ14およびハウジング16の間の隙間には、双方の面に密着した状態にリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20が設けられる。リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20は、リフレクタ14の外表面形状に合わせて立体形状に成形した膨張黒鉛成形体を用い、この膨張黒鉛成形体を光源装置組み立て時にリフレクタ14およびハウジング16の間に介挿して圧接したものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、プロジェクタ等に用いられる光源装置の冷却手段に関する。
プロジェクタ、液晶表示装置あるいはプラズマ表示装置等において、光を発するランプバルブと、ランプバルブが発した光を反射して集光するリフレクタを備えたランプ、言い換えれば光源装置が用いられている。
これらの光源装置には、キセノンランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ等の高輝度のランプが広く使用されている。また、光源装置のリフレクタは、例えば楕円面あるいは放物面、もしくは多数の微小平面で構成される、全体として曲面を有する中空半球状のガラス体の内表面にアルミニウム等の金属をコーティングしたものが一般的に用いられている。
光源装置はランプバルブが使用時に高温となるため、ランプバルブの熱を受けるリフレクタも例えば数百度以上の高温となる。
リフレクタが高温になりすぎると、リフレクタが変形し、さらには破損するおそれがある。また、リフレクタが変形すると、反射光の光軸に狂いが生じ、プロジェクタの光投影面や液晶パネルに輝度のむらを生じるおそれがあり、利用者の画像視認性に支障をきたすことになる。
リフレクタが高温になりすぎると、リフレクタが変形し、さらには破損するおそれがある。また、リフレクタが変形すると、反射光の光軸に狂いが生じ、プロジェクタの光投影面や液晶パネルに輝度のむらを生じるおそれがあり、利用者の画像視認性に支障をきたすことになる。
このため、ランプバルブやリフレクタが高温になりすぎないように、冷却手段が工夫されている。
冷却手段としては、ファンを用いて発生させた冷風を利用する空冷方式が一般に用いられる。
空冷方式として、リフレクタの内側からランプバルブやリフレクタに冷風を当てて、リフレクタの中心軸部分に設けた開口を通じて熱風を外部に逃がす方式や、リフレクタの外表面に冷風を当てる方式等が採用されている。そして、この冷風の流動状態等に種々の工夫がなされており、特許文献も枚挙にいとまが無い。
空冷方式として、リフレクタの内側からランプバルブやリフレクタに冷風を当てて、リフレクタの中心軸部分に設けた開口を通じて熱風を外部に逃がす方式や、リフレクタの外表面に冷風を当てる方式等が採用されている。そして、この冷風の流動状態等に種々の工夫がなされており、特許文献も枚挙にいとまが無い。
しかしながら、単にファンで空冷するだけの従来の冷却手段では、ランプをより高輝度化した場合等において、冷却を強化するための装置構造が大型化したり、冷却風量を増すことで騒音が大きくなったりする問題がある。
また、ランプの構造上、リフレクタの各部のうちでランプバルブに近い側、言い換えれば、リフレクタの中心側がリフレクタの外周側(周縁側)に比べてより高温化する問題がある。このとき、リフレクタの中心側の冷却をより強化すると、上記の冷却装置の不具合がさらに顕著となる。
また、ランプの構造上、リフレクタの各部のうちでランプバルブに近い側、言い換えれば、リフレクタの中心側がリフレクタの外周側(周縁側)に比べてより高温化する問題がある。このとき、リフレクタの中心側の冷却をより強化すると、上記の冷却装置の不具合がさらに顕著となる。
一方、冷却方法を改善するために、リフレクタに放熱構造を設けることが提案されており、例えば、金属等のフィン状の熱伝導部材やヒートパイプ等をリフレクタの外表面に取り付けて、リフレクタの外表面に冷風を当てる光源装置が開示されている(特許文献1参照。)。
ところが、この光源装置の場合、冷却構造が大型化しあるいは複雑化することを避けることができない。また、リフレクタの中心側の温度を積極的に下げる効果の有無についてはさだかではない。
ところが、この光源装置の場合、冷却構造が大型化しあるいは複雑化することを避けることができない。また、リフレクタの中心側の温度を積極的に下げる効果の有無についてはさだかではない。
これに対して、リフレクタに放熱構造を設けた他の形態として、リフレクタの外表面を椀形状のハウジングで覆って保持、固定したものや、凹部を形成したブロック形状のハウジングのその凹部にリフレクタを内嵌めして保持、固定したものも知られている。
この場合、ハウジングはアルミニウム等の金属材料を鋳造してリフレクタ外表面の全体を覆うように形成されているため、上記のヒートパイプ等を設けたものに比べて放熱性に優れることが考えられる。
ところが、鋳造したハウジングをリフレクタに完全に密着させることは難しいため、ハウジングとリフレクタの間に不可避的に生じた隙間が放熱効果を低下させるという問題がある。このことは、当然に、リフレクタの中心側の温度を下げることの障害にもなる。
特開2002−352612号公報
この場合、ハウジングはアルミニウム等の金属材料を鋳造してリフレクタ外表面の全体を覆うように形成されているため、上記のヒートパイプ等を設けたものに比べて放熱性に優れることが考えられる。
ところが、鋳造したハウジングをリフレクタに完全に密着させることは難しいため、ハウジングとリフレクタの間に不可避的に生じた隙間が放熱効果を低下させるという問題がある。このことは、当然に、リフレクタの中心側の温度を下げることの障害にもなる。
上記のように、従来のランプは、いずれも、冷却を十分に行うためには、光源装置の冷却構造が大型化しあるいは複雑化することを避けることができない。特に、より高温になりやすいリフレクタの中心側の温度を効率的に下げる手段としては必ずしも適当ではない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、リフレクタの中心側の温度を効率的に下げることができる放熱構造を有する光源装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体は、膨張黒鉛を出発原料とする成形材料を光源装置のリフレクタの外表面形状に合わせて立体形状に成形してなる膨張黒鉛成形体であることを特徴とする。
また、本発明に係るリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体は、前記成形材料が、平均粒径0.1〜3mmの膨張黒鉛の細粒または膨張黒鉛シートの砕片を主成分とすることを特徴とする。
また、本発明に係るリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体は、前記成形材料が膨張黒鉛シートであり、該膨張黒鉛シートを重ねあわせ部分を生じないように突き合せてプレスしてなることを特徴とする。
また、本発明に係るリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体は、前記成形材料が膨張黒鉛シートであり、該膨張黒鉛シートを積層してプレスしてなることを特徴とする。
また、本発明に係る光源装置は、光を発するランプバルブと、該ランプバルブが発した光を反射するリフレクタと、該リフレクタの外表面を覆って該リフレクタを保持するハウジングとを備えてなる光源装置において、
該リフレクタと該ハウジングの間に、該リフレクタおよび該ハウジングの双方に密着するように上記のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体が被着されてなることを特徴とする。
該リフレクタと該ハウジングの間に、該リフレクタおよび該ハウジングの双方に密着するように上記のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体が被着されてなることを特徴とする。
本発明に係るリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体および光源装置は、膨張黒鉛を出発原料とする成形材料を光源装置のリフレクタの外表面形状に合わせて立体形状に成形したリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体をリフレクタに被着して用いるため、リフレクタの中心側の熱をリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体を介してリフレクタの外周側に逃がしながら、リフレクタ全体を効率的に冷却することができる。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
まず、本発明に係る光源装置の例について、図1および図2を参照して説明する。
図1は光源装置の概略断面図であり、図2は、図1の光源装置に用いられるリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体の斜視図である。
図1は光源装置の概略断面図であり、図2は、図1の光源装置に用いられるリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体の斜視図である。
光源装置10は、メタルハライドランプの例である。但し、使用する光源装置には特に制限は無く、キセノンランプ、高圧水銀ランプ等の高輝度のランプを適宜選択して用いることができる。
光源装置10は、ランプバルブ12と、ランプバルブ12を覆うようにして例えば中空半球状に形成されたリフレクタ14を有するとともに、さらにリフレクタ14を覆うハウジング16を備える。また、ファン18がハウジング16表面に空気を当ててハウジング16を冷却するために設けられる。さらに本発明のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20がリフレクタ14に被着して設けられる。なお、図1では、光源装置10について本発明を説明するに必要な主要構成部材のみを表示しており、各電極等の他の部材については、表示および説明を省いている。
リフレクタ14は、例えばガラス体であり、内面に例えばアルミニウム等の反射性に優れる金属が被覆される。
ハウジング16は、例えばアルミニウム等の放熱性に優れる金属材料を用いて、鋳造等の方法で形成され、リフレクタ14を覆うように設けられ、図示しない締結部材あるいは接着部品等を用いてリフレクタ14に直接にあるいはリフレクタ14と一体的に設けられる他の部材に固着される。これにより、リフレクタ14はハウジング16によって保持され、固定される。
このとき、ハウジング16の形状は、図1に示すように直方体ブロックにリフレクタ14を嵌めこむための凹部16aを形成したものであってもよく、また、リフレクタ14の外表面形状に合わせて椀形状に形成したものであってもよい。
ハウジング16はできる限りリフレクタ14の外表面に密着する形状に形成される。しかしながら、加工技術上、ハウジング16の内表面を完全にリフレクタ14の外表面に密着するように仕上げることは容易ではない。このため、単にリフレクタ14にハウジング16を被着しただけでは、リフレクタ14とハウジング16の間に不可避的に隙間を生じる。
このとき、ハウジング16の形状は、図1に示すように直方体ブロックにリフレクタ14を嵌めこむための凹部16aを形成したものであってもよく、また、リフレクタ14の外表面形状に合わせて椀形状に形成したものであってもよい。
ハウジング16はできる限りリフレクタ14の外表面に密着する形状に形成される。しかしながら、加工技術上、ハウジング16の内表面を完全にリフレクタ14の外表面に密着するように仕上げることは容易ではない。このため、単にリフレクタ14にハウジング16を被着しただけでは、リフレクタ14とハウジング16の間に不可避的に隙間を生じる。
リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20は、図2に示すように、リフレクタ14の外表面形状に合わせて予め立体形状に成形したもの、すなわち、ほぼ中空楕円体形状に形成した膨張黒鉛成形体を用意する。この膨張黒鉛成形体の厚みは、組み立て状態における上記リフレクタ14とハウジング16との間に生じうる隙間の寸法よりもわずかに大きく形成する。
このリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20をリフレクタ14の外表面に被着した後、ハウジング16をリフレクタ14に組み付けて、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20をリフレクタ14に圧接する。これにより、厚み方向に圧縮され、両面がリフレクタ14およびハウジング16の双方に密着した状態のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20が得られる。
ここで、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20は、光源装置の構造上避けることのできない例えば参照符号22で示すランプバルブ12のベースがリフレクタ14の中心軸部分を挿通する箇所である中空楕円体の頂点を開口した立体形状に形成したものであってもよく、また、上記の開口部分だけでなく、装置構造上必要に応じて設けられる凸部等を避ける形で開口を設けてもよい。すなわち、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20は、リフレクタ14およびハウジング16の双方にほぼ全面的に密着していることが最も好ましいものの、本発明の効果を奏することができる限り、部分的に密着性を欠き、あるいは欠損部を有するものであってもよい。
なお、ハウジング16の内面にリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20を配置した後、ハウジング16をリフレクタ14に組み付けることによってリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20をリフレクタ14に被着する方法を用いてもよい。
なお、ハウジング16の内面にリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20を配置した後、ハウジング16をリフレクタ14に組み付けることによってリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20をリフレクタ14に被着する方法を用いてもよい。
リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20は、望ましくは全面が均一な厚みに形成されたものを用いる。
なお、光源装置10は、製造したリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20を同一工場内の近接した場所で引き続き組み込んで製造するケースのほか、同一工場内の離れた場所にリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20を搬送してその場所で組み込んで製造するケースや別々の工場でリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20および光源装置10を製造するケースもある。
このように、製造したリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20を別の場所で組み込んで光源装置10を製造する場合、例えば、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20をホルダーに収容した状態で搬送等すると、好適である。ホルダーは、例えば後述するリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体製造用の金型をそのまま用いてもよく、あるいは、樹脂等で形成した専用のホルダーを用いてもよい。また、ホルダーは、単一のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20を収容できる構造としてもよく、あるいは複数のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20を例えば積み重ねて収容できる構造としてもよい。専用のホルダーを用いる場合、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20の立体形状を保持するために、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20と密着する保持部をホルダー内部に設けるとより好適である。
このように、製造したリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20を別の場所で組み込んで光源装置10を製造する場合、例えば、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20をホルダーに収容した状態で搬送等すると、好適である。ホルダーは、例えば後述するリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体製造用の金型をそのまま用いてもよく、あるいは、樹脂等で形成した専用のホルダーを用いてもよい。また、ホルダーは、単一のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20を収容できる構造としてもよく、あるいは複数のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20を例えば積み重ねて収容できる構造としてもよい。専用のホルダーを用いる場合、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20の立体形状を保持するために、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20と密着する保持部をホルダー内部に設けるとより好適である。
ここで、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体20の製造方法について説明する。
製造方法は、特に限定するものではないが、例えば、以下に説明する2つの成形方法を好適に用いることができる。
製造方法は、特に限定するものではないが、例えば、以下に説明する2つの成形方法を好適に用いることができる。
第一の方法は、成形材料として膨張黒鉛の細粒あるいは膨張黒鉛シートの砕片を用いる方法である。
すなわち、金型として、リフレクタの外表面形状に合わせた立体形状の成形体を得ることができるキャビテイを有する圧縮成形金型を用いる。
そして、例えば通常の方法を用いて予め膨張させた黒鉛粉末を成形材料としてキャビテイに充填する。その後、通常の黒鉛シートを成形する方法と同様の温度、圧力等の条件で成形材料を加圧、加温し、立体形状のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体を得る。
これにより、均一な厚みのリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体を得ることができる。
そして、例えば通常の方法を用いて予め膨張させた黒鉛粉末を成形材料としてキャビテイに充填する。その後、通常の黒鉛シートを成形する方法と同様の温度、圧力等の条件で成形材料を加圧、加温し、立体形状のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体を得る。
これにより、均一な厚みのリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体を得ることができる。
この場合、膨張黒鉛粉末はかさ密度が大きく成形作業に手間がかかるため、これに代えて、膨張黒鉛粉末を適宜のバインダーを用いて造粒した平均粒径0.1〜3mm程度の細粒を成形材料として用いると、キャビテイ内に充填された成形材料のかさ密度を大きくすることができ、より好ましい。
また、これらの場合において、膨張作用を起こす化学品を成形材料に添加して、成形時に成形材料をさらに膨張させながら加圧してもよく、あるいはまた、膨張させていない黒鉛粉末と、膨張作用を起こす化学品を配合した成形材料を金型に入れて金型内で膨張させてもよい。
また、これらの場合において、膨張作用を起こす化学品を成形材料に添加して、成形時に成形材料をさらに膨張させながら加圧してもよく、あるいはまた、膨張させていない黒鉛粉末と、膨張作用を起こす化学品を配合した成形材料を金型に入れて金型内で膨張させてもよい。
また、膨張黒鉛シートを破砕して、目開き0.1〜3mm程度に篩分した砕片を成形材料として用いると、上記膨張黒鉛粉末の細粒を用いるときと同様の効果を得ることができる。なお、このときも、膨張作用を起こす化学品を添加してもよい。
第二の方法は、成形材料として膨張黒鉛シートを用いる方法である。
すなわち、第一の方法の場合と同様の圧縮成形金型を用い、ほぼ楕円体状に掘り込まれたキャビテイ面に、適切な形状に裁断した膨張黒鉛シートを重ねて挿入する。このとき、積層した膨張黒鉛シートの厚みが各部で均一になるように、予め採寸、切断した膨張黒鉛シートを周方向両端は重ならないように突き合わせてもよい。
そして、金型を加圧、加温して成形することにより、均一な厚みを持った立体形状のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体を得る。
この場合、成形材料として既に成形されたシートを用いているため、加圧、加温条件は、通常の膨張黒鉛シートを製造するための成形条件よりは緩和することができる。すなわち、相対的に低圧、低温な、例えば1〜20kgf/cm2程度の圧力および室温〜100℃程度の温度で処理することができる。
そして、金型を加圧、加温して成形することにより、均一な厚みを持った立体形状のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体を得る。
この場合、成形材料として既に成形されたシートを用いているため、加圧、加温条件は、通常の膨張黒鉛シートを製造するための成形条件よりは緩和することができる。すなわち、相対的に低圧、低温な、例えば1〜20kgf/cm2程度の圧力および室温〜100℃程度の温度で処理することができる。
なお、このとき、第一の方法の場合と同様に、膨張作用を起こす化学品を併用してもよい。
膨張黒鉛シートは、圧延成形加工されたものの場合、熱伝導率特性に異方性を示し、厚み方向で例えば4W/m・K程度の熱伝導率を示すものの場合、面方向でその数十倍の例えば140W/m・K程度の熱伝導率を示す。
この黒鉛シートの熱伝導率は、リフレクタの内表面に薄膜状に反射材料として被覆されるアルミニウムの熱伝導率(240W/m・K程度)に比べると小さいが、リフレクタ材料であるガラスの熱伝導率(1W/m・K程度)に比べると著しく大きい。
この黒鉛シートの熱伝導率は、リフレクタの内表面に薄膜状に反射材料として被覆されるアルミニウムの熱伝導率(240W/m・K程度)に比べると小さいが、リフレクタ材料であるガラスの熱伝導率(1W/m・K程度)に比べると著しく大きい。
上記第二の方法で単一の膨張黒鉛シートを用いて成形し、あるいは膨張黒鉛シートを積層して得られるリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体は、膨張黒鉛シートの面方向の熱伝導率に近い大きな熱伝導率を示しうる。また、第一の方法で膨張黒鉛の細粒あるいは膨張黒鉛シートの砕片を成形して得られるリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体も、膨張黒鉛シートの厚み方向の熱伝導率に比べて大きな熱伝導率を示しうる。
なお、従来のリフレクタにおけるアルミニウム薄膜が放熱性を向上させる機能を有しないことは明らかである。また、先に説明したように、アルミニウムを鋳造等によって肉厚に形成したものをガラス製のリフレクタに完全に密着させることは困難である。このため、熱伝導率の大きなアルミニウムで本発明のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体の役割を代替することはできない。
なお、従来のリフレクタにおけるアルミニウム薄膜が放熱性を向上させる機能を有しないことは明らかである。また、先に説明したように、アルミニウムを鋳造等によって肉厚に形成したものをガラス製のリフレクタに完全に密着させることは困難である。このため、熱伝導率の大きなアルミニウムで本発明のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体の役割を代替することはできない。
ここで、本発明の効果を確認するために行った試験の結果について図3を参照して以下に説明する。
試験では、半球状のガラス製リフレクタ(a)の内部にランプバルブ(b)が設置された市販の光源装置を使用した。リフレクタ外面との間隙が1mmとなる内面を持つハウジング(c)をアルミニウムブロックから製作した。ハウジングの厚みは1mmとした。実施例では、図3に示すように、膨張黒鉛シ−トを重ねて成形してリフレクタ外面と同じ曲面を持つ厚さ1mmの膨張黒鉛成形体(d)を製作した。膨張黒鉛成形体をリフレクタに被着しアルミニウム製のハウジングを被せた。ハウジングの前面開口部内側にネジ切りしてリフレクタ押さえ金具(e)でハウジングにリフレクタが押し付けられる構造として、リフレクタに被着した膨張黒鉛成形体が圧着される構造とした。さらにリフレクタの外面f部およびハウジングの内面g部に熱電対を貼り付けランプバルブ基部とハウジングの隙間から端子を取り出しランプバルブを点灯したときのそれぞれの温度を計測した。比較例ではリフレクタとハウジングの間隙(空間)を保持するためにランプバルブの基部に幅1mm厚さ1mmの膨張黒鉛シ−トを挿入して押さえ金具(e)を用いて固定した。
ランプバルブにかける出力を変えてリフレクタ外面(f)部温度を変化させた時のハウジング内面(g)部の温度を表1に示す。このほか、液体を含浸させた膨張黒鉛シートを液体の沸点以上に加熱して成形したものや膨張黒鉛シートを再粉砕し、加熱処理した後、圧縮成形したものについても実験したが、膨張黒鉛シートを圧縮成形したものと同様の結果が得られたため、これらについては説明を省略する。
試験では、半球状のガラス製リフレクタ(a)の内部にランプバルブ(b)が設置された市販の光源装置を使用した。リフレクタ外面との間隙が1mmとなる内面を持つハウジング(c)をアルミニウムブロックから製作した。ハウジングの厚みは1mmとした。実施例では、図3に示すように、膨張黒鉛シ−トを重ねて成形してリフレクタ外面と同じ曲面を持つ厚さ1mmの膨張黒鉛成形体(d)を製作した。膨張黒鉛成形体をリフレクタに被着しアルミニウム製のハウジングを被せた。ハウジングの前面開口部内側にネジ切りしてリフレクタ押さえ金具(e)でハウジングにリフレクタが押し付けられる構造として、リフレクタに被着した膨張黒鉛成形体が圧着される構造とした。さらにリフレクタの外面f部およびハウジングの内面g部に熱電対を貼り付けランプバルブ基部とハウジングの隙間から端子を取り出しランプバルブを点灯したときのそれぞれの温度を計測した。比較例ではリフレクタとハウジングの間隙(空間)を保持するためにランプバルブの基部に幅1mm厚さ1mmの膨張黒鉛シ−トを挿入して押さえ金具(e)を用いて固定した。
ランプバルブにかける出力を変えてリフレクタ外面(f)部温度を変化させた時のハウジング内面(g)部の温度を表1に示す。このほか、液体を含浸させた膨張黒鉛シートを液体の沸点以上に加熱して成形したものや膨張黒鉛シートを再粉砕し、加熱処理した後、圧縮成形したものについても実験したが、膨張黒鉛シートを圧縮成形したものと同様の結果が得られたため、これらについては説明を省略する。
表1より、実施例は、比較例に比べてハウジングの温度が大幅に低下していることがわかる。
本発明によれば、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体を介してリフレクタの熱を効率的にハウジングを通じて外に逃がすことができるとともに、特に、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体自体の面方向への良好な熱伝導性により、あるいはリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体およびリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体に密着されたハウジングの面方向への良好な熱伝導性により、ランプバルブに近いリフレクタの中心側がリフレクタの外周側に比べて極端に高温になることを避けることができる。
なお、このとき、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体を適度の厚みに形成したものを用いれば、ハウジングを設けなくても上記本発明の効果を得ることができる。
また、これにより、リフレクタ全体を効率的に冷却することができるため、冷却のための冷却装置が大型化しあるいは複雑化することを避けることができる。
また、さらには、ランプバルブの温度上昇を軽減することができる。
なお、このとき、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体を適度の厚みに形成したものを用いれば、ハウジングを設けなくても上記本発明の効果を得ることができる。
また、これにより、リフレクタ全体を効率的に冷却することができるため、冷却のための冷却装置が大型化しあるいは複雑化することを避けることができる。
また、さらには、ランプバルブの温度上昇を軽減することができる。
また、本発明に係るリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体およびこれを用いた光源装置は、外部から衝撃を受けた場合等において、リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体が緩衝材として作用するため、リフレクタあるいはハウジングの変形、破損のおそれを軽減することができる。
本発明に係るリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体を備えた光源装置は、プロジェクタ、液晶表示装置、あるいはプラズマディスプレイ等の光源装置として好適に用いることができる。
また、本発明に係るリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体を備えた光源装置は、画像の視認性が問題となるこれらの表示装置のみでなく、加熱装置のランプヒータや照明装置に適用することを排除するものではない。
また、本発明に係るリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体を備えた光源装置は、画像の視認性が問題となるこれらの表示装置のみでなく、加熱装置のランプヒータや照明装置に適用することを排除するものではない。
10 光源装置
12 ランプバルブ
14 リフレクタ
16 ハウジング
18 ファン
20 リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体
a リフレクタ
b ランプバルブ
c ハウジング
d 膨張黒鉛成形体
e リフレクタ押さえ金具
12 ランプバルブ
14 リフレクタ
16 ハウジング
18 ファン
20 リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体
a リフレクタ
b ランプバルブ
c ハウジング
d 膨張黒鉛成形体
e リフレクタ押さえ金具
Claims (5)
- 膨張黒鉛を出発原料とする成形材料を光源装置のリフレクタの外表面形状に合わせて立体形状に成形してなる膨張黒鉛成形体であることを特徴とするリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体。
- 前記成形材料が、平均粒径0.1〜3mmの膨張黒鉛の細粒または膨張黒鉛シートの砕片を主成分とすることを特徴とする請求項1記載のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体。
- 前記成形材料が膨張黒鉛シートであり、該膨張黒鉛シートを重ねあわせ部分を生じないように突き合せてプレスしてなることを特徴とする請求項1記載のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体。
- 前記成形材料が膨張黒鉛シートであり、該膨張黒鉛シートを積層してプレスしてなることを特徴とする請求項1記載のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体。
- 光を発するランプバルブと、該ランプバルブが発した光を反射するリフレクタと、該リフレクタの外表面を覆って該リフレクタを保持するハウジングとを備えてなる光源装置において、
該リフレクタと該ハウジングの間に、該リフレクタおよび該ハウジングの双方に密着するように請求項1〜4のいずれか1項に記載のリフレクタ被着用膨張黒鉛成形体が被着されてなることを特徴とする光源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004160081A JP2005340101A (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体および光源装置 |
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JP2004160081A JP2005340101A (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体および光源装置 |
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ID=35493408
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JP2004160081A Pending JP2005340101A (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | リフレクタ被着用膨張黒鉛成形体および光源装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100721015B1 (ko) | 2006-04-11 | 2007-05-23 | 엘지전자 주식회사 | 열확산층을 포함하는 조명장치 |
US7794114B2 (en) * | 2006-10-11 | 2010-09-14 | Cree, Inc. | Methods and apparatus for improved heat spreading in solid state lighting systems |
JP2018137114A (ja) * | 2017-02-21 | 2018-08-30 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 照明装置 |
-
2004
- 2004-05-28 JP JP2004160081A patent/JP2005340101A/ja active Pending
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