JP4700348B2 - 2成分系湿式セメント、その製造方法および使用方法 - Google Patents

2成分系湿式セメント、その製造方法および使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規な2成分系湿式セメントに関し、さらに本湿式セメントの製造方法(包装、保管および輸送方法を含む)および使用方法、ならびにその用途に関する。なお、以下では、本発明に係る新規な2成分系湿式セメントを、「シアライト2成分系湿式セメント」ということがある。
ここ100年間、多くの新規なタイプのセメント、および特殊セメントが絶え間なく出現している。種々のセメントが様々な特性を有するが、製造技術の観点から、ポルトランドセメント(普通セメントとも呼ばれる)が、従来の現代セメントの代表的なものである。極めて成熟した知識(状態図および相律)ならびに技術的手段によって、ポルトランドセメントの製造は厳密に制御することができ、また「1成分系(one component)」セメントである最終セメントクリンカでは、一定の組成および性状を有する種々の鉱物成分が存在するので、製品の特性を予測することができる。普通セメントを使用する際には、その乾燥粉末を、いくらかの水、骨材、(必要であれば、少量の調整剤、減水剤などを添加してもよい。)とただ配合すればよく、他の活性剤を何ら配合する必要がなく、そしてそれ自体水和してコンクリートを形成することができる。したがって、普通セメントは、「1成分系」乾式セメントと呼ぶことができる。
ここ50年間、セメントの需要の急増、およびスラグ汚染、ダスト汚染および大気汚染を制御しつつ利用する人間の意識の高まりと共に、種々の活性もしくは不活性混合材料が、ポルトランドセメント中に添加されており、また従来の「1成分系」乾式セメントを種々置き換えるものが現れ、特に「環境に優しい」かつ安価な材料が絶え間なく開発され、それらは多くの分野で広範な用途を徐々に得ている。それらの材料の中でポルトランドスラグセメント(ポルトランドフライアッシュセメントおよびポルトランドポゾランセメントを含む)がセメント産業の主流となってきている(GB1344-1999を参照されたい)。例えば、クリンカの一部を置換するためにシンダ(ポゾラン、フライアッシュ)を使用することにより、1つのタイプの「混合材料」セメント(または複合セメントと呼ばれる)が形成される。そのセメントでは、従来のセメントクリンカが依然として非常に大きな割合を占め、その処理コンセプト、製造工程、および設備は、基本的に既存のセメントクリンカのそれを踏襲している。
しかし、この複合セメントの水和および硬化プロセスからの製品の中で起っている新たな現象および法則を解析しかつ理解する場合に、この複合セメントは「1成分系」セメントの理論によって明確に説明することができないことが見出されている。
セメントが建設産業における3つの基本的材料の1つであることはよく知られており、広範な用途および巨大な使用量を有する。最も普通に使用されるセメントは、ポルトランドセメント系列であり、GB175-1999(Portland cement and ordinary Portland cement, Standard No. GB175-1999)を参照されたい。しかし、セメント開発により引き起こされる生態学的環境の汚染および損害は、人類の文明発展の強敵でもある。セメントは一般に次の6種類:ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント、スラグポルトランドセメント、フライアッシュポルトランドセメント、ポゾランポルトランドセメント、および複合セメント、に分類される。後者の4種類は、添加される混合材料のタイプによって分類される。
セメントの従来の製造方法はいずれも、「2つの粉砕および1つの仮焼」、すなわち次の3つの工程:出発材料の配合および粉砕、クリンカ仮焼(clinker calcining)、およびセメント粉砕、が含まれる。最も普通に使用されるポルトランドセメントについて、セメントクリンカは、石灰石、粘土、フェライト粉末、および石炭から主に製造される。セメントクリンカ中の活性構成成分は、主としてケイ酸三カルシウム鉱物およびケイ酸二カルシウム鉱物であり、それらは約1450℃で、またはいくらかの鉱化剤を添加することにより約1300℃で生成させることができる(Shen Wei, Huang Wenxi, et. al, Cement Technology, Wuhan, Wuhan Industrial University Publishing House, 1990; Yuan Runzhang, cementitious materials science Wuhan, Wuhan Industrial University Publishing House, 1996を参照されたい。)。セメントを製造する工程から使用する工程まで、出発材料の乾燥、破砕、および粉砕、クリンカの仮焼、およびセメントの粉砕は、2つの重要な汚染、すなわち、固体汚染および気体汚染を招き、これらの汚染は、生態学的環境を破壊する「キラー」でもある。
セメント製造において莫大なエネルギー、石炭、鉱物資源、土地資源を費やすこと、また粉砕および仮焼工程で発生する有害ガスおよび粉塵によって大気汚染が引き起こされること、特にクリンカの仮焼工程において、大量のSO2、NOx、およびCO2が排出されて重大な大気汚染、環境汚染、土地汚染、水資源汚染、および生態系の破壊を招くこと、は人間の進歩のために無視できる問題ではないからである(Wu Zhongwei, Tao Yousheng, present situation and problems of China cement and concrete industries, fly ash, 1999,(1):3, Wu Zhongwei, Development Direction of Chinese Cement Industry, China Building Material, 1999, (4):11を参照されたい。)。
今日、経済の急激な発展により、産業廃棄物スラグが継続して増加している。流動床炉スラグおよび鋼スラグ、非鉄金属冶金スラグ、発電所スラグ、および化学工業スラグなどの産業固体廃棄物が、物質循環におけるかなり大きな比率を占めている。例えば、中国において、全体の鋼製造高は1年当り2億トンを超え、高炉の水急冷スラグは1年当り約6000万トンであり、これに鋼スラグを加えると1億トンを超えるであろう。一例として、石炭燃焼型火力発電所が、中国における主な発電所である。電力産業が発展しているため、石炭燃焼発電機の数が継続して増加し、また火力発電所の規模が継続して増大し、そのためフライアッシュの急増をもたらしている。1985年の火力発電所のスラグの全量は、3768万トンであり、また1995年には9936万トンであり、平均して1年当り560万トン増加している。2000年には、フライアッシュの排出量は1億6000万トンであり、発電所からのフライアッシュの累積は12億トンを超え、それが国土の40万ムーを超えて占有している。フライアッシュの良好な総合的活用がどのようにして得られるか、が非常に重要である。その上、中国の石油(oil)資源は比較的乏しい。予想では、2010年に石油輸入量は1億6000万トンに達するであろう。石油の一部を置換するために石炭を使用して液体燃料を作ることが国家的方針である。二段階法(最初ガス化、次いで液化)を用いる場合、石油1トンを合成するには約5トンの石炭を要する。1年当り1億トンの石油を合成するとすれば、1億トン以上の固体スラグが産出されるであろう(Jiang Xuerong, Lin Jiedong, et. al., status of coal-ash comprehensive utilization and its development trend, electric power environment protection, 2002, 18(3):55; Liu Shuangshuang, Han Mingfang, present situation and development trend of utilization of fly ash In China, China Coal, 2001, 27(8):43; Zhu Guilin, Sun Shusan, et. al, present situation and development trend of resource utilization of metallurgical slag, China resource comprehensive utilization, 2002, (3): 29; T. Takahashi, K. Yabuta. New Application for Iron and Steelmaking Slag. NKK Technical Review, 2002, (87) : 38を参照されたい。)。
上述の全ての固体廃棄物スラグを使用するならば、それは21世紀におけるエネルギー分野、環境および材料分野における重要な技術革新となろう。
セメントのいわゆる複合材料は、セメント性状を改良するために、またセメントのグレードを調整するために、セメント内に添加される合成および天然鉱物材料を指す。従来技術では、複合材料として複合セメント中に使用される産業廃棄物スラグなどは、単にセメントクリンカの一部を置き換えるが、セメントクリンカが依然としてセメントのかなりの割合を構成し、したがってセメントクリンカがセメント強度を付与するための主要部分である。全ての水硬性結合繊維スラグポルトランドセメントは、ポルトランドクリンカおよび粒状の流動床炉スラグを、適量の石膏と共に微粉砕することにより製造される。そのセメントでは粒状の流動床炉スラグのブレンド量は、セメントの全重量に対して20〜70重量%である。石灰石、キルンアッシュ、フライアッシュ、およびポゾラン複合材料からの1つを使用して、スラグを置き換えることが許容可能であるが、置換量はセメントの8重量%を超えることはできず、また得られたセメントでは流動床炉スラグは20重量%以上である。ポゾランポルトランドセメントは、ポルトランドクリンカおよびポゾラン混合物を、適正量の石膏と共に微粉砕することにより製造される水硬性結合材料である。そのセメントではポゾラン混合物のブレンド量は、セメントの全重量に対して20〜50重量%である。フライアッシュポルトランドセメントは、ポルトランドクリンカおよびフライアッシュを、石膏と共に微粉砕することにより製造される水硬性結合材料であり、そのセメントではフライアッシュのブレンド量は、セメントの全重量に対して20〜40重量%である。全ての水硬性結合材料は、ポルトランドセメントおよび2種以上の特定の複合材料を、適正量の石膏と共に微粉砕することにより製造される。複合材料の全ブレンド量は、セメントの全重量に対して15重量%を超え、また50重量%以下である。キルンアッシュ8重量%を使用して、複合材料の一部を置き換えることが許容可能であるが、スラグをブレンドしている場合、スラグポルトランドセメントの量とともに、複合材料のブレンド量を反復(追加)することはできない(Portland cement and ordinary Portland cement standard, Standard No. GB175-1999; Portland blast furnace-slag cement, Portland pozzolana cement and Portland fly-ash cement standard, Standard No. GB1344-1999; composite Portlandcement standard, Standard No. GB12958-1999を参照されたい。)。
より詳細には、この複合材料は一般に、活性複合材料と不活性複合材料とに分類される。活性複合材料は、微粉末に粉砕され、かつ石灰または石膏と一緒に混合され、通常の温度でそれらに水が添加されると、セメント性状を有する水和生成物が形成される。水和生成物は、水中でも、また空気中でも凝結させることができる。不活性複合材料はセメント構成成分との化学反応を有さず、またはセメント構成成分と単に非常に弱い反応を有するに過ぎず、したがってポルトランドクリンカ中にブレンドした不活性複合物質は、単に次の機能:セメント製造量を増加させる、またはセメント等級を低下させる、水和熱を低下させるなど、を有するに過ぎない(Hunan University et al edited, building materials, Beijing, China building industry publishing house, 1997を参照されたい。)。
本発明におけるシアライト2成分系湿式セメントの特性により、次のことが考えられる:
(1)古代中国の物質をコンクリート化する方法(タビア(tabia)など)は「2成分系化」の最も原型的な萌芽を有しており、早期の時代およびその後の時代に一般人に使用されている気硬性製品(この製品は高温処理された炭酸カルシウムと、高温ではなく処理された粘土とを配合することにより製造されている。)、ならびに、王および皇帝の墓、貴族の墓、万里の長城、要塞および城に使用された水硬性製品(それぞれ仮焼された粘土および炭酸カルシウムと、可塑剤および減水剤として機能する米ウォータと、補強材料として実際に機能するいくらかの植物繊維とを配合することにより作られた。)である。
(2)古代エジプトのピラミッドに使用したセメント系材料(Davidoviteによれば、粘土凝集(clay aggregating)セメントと呼ばれている。)は、仮焼粘土および他の出発材料により室温で「2次的(網目)長石化作用」を行う方法により得られたものであり、これらもまた「2成分系化」方法の特性の萌芽を有している。
(3)古代ローマのセメント系材料(ポゾラン含有カルシウム)は、最も原型的な「2成分系化」方法から、「1成分系」方法への移行を代表するものである。
セメント系材料の発展の歴史が、ねじの形で進行している否定の流れによって否定を受けているものと見ることができる。
Shen Wei, Huang Wenxi, et. al, Cement Technology, Wuhan, Wuhan Industrial University Publishing House, 1990 Yuan Runzhang, cementitious materials science Wuhan, Wuhan Industrial University Publishing House, 1996 Wu Zhongwei, Tao Yousheng, present situation and problems of China cement and concrete industries, fly ash, 1999,(1):3 Wu Zhongwei, Development Direction of Chinese Cement Industry, China Building Material, 1999, (4):11 Jiang Xuerong, Lin Jiedong, et. al., status of coal-ash comprehensive utilization and its development trend, electric power environment protection, 2002, 18(3):55 Liu Shuangshuang, Han Mingfang, present situation and development trend of utilization of fly ash In China, China Coal, 2001, 27(8):43 Zhu Guilin, Sun Shusan, et. al, present situation and development trend of resource utilization of metallurgical slag, China resource comprehensive utilization, 2002, (3): 29 T. Takahashi, K. Yabuta. New Application for Iron and Steelmaking Slag. NKK Technical Review, 2002, (87) : 38 Hunan University et al edited, building materials, Beijing, China building industry publishing house, 1997
原型的な2成分系がなぜ発展してきていないか。可能性のある理由は次の通りである:
(1)「1成分系」方法の理論が、極めて完全に研究されてきている;
(2)「1成分系」セメント製品が、絶対的に優勢な位置を占めてきている;
(3)人々の心が「1成分系」セメントの公式化されたものに入り込み、「1成分系」方法によって意識的にもしくは無意識的に制約され、かつそれから飛び出すことができていない。
したがって我々は、差し迫ったこととしてセメント産業の新規アプローチを開くことに期待している。第一に、現在の「1成分系」セメントの理論的束縛を破り、かつ製造方法、出発材料の選択、製品保管および輸送、ならびに使用方法におけるブレークスルーを達成することが必要である。その上、極めて多くの産業廃棄物スラグ、フライアッシュ、ならびに工業、建設、交通、水保全からの廃棄物資源を使用し、それにより国土を占有しかつ汚染の原因になっている産業廃棄物スラグの問題を解決することが期待される。
本発明の第1の目的は、シアライト2成分系湿式セメントと呼ばれる新規なセメント系材料を提供することである。そのセメントは、一次構成成分としての「雌体(female body)」、および二次構成成分としての「雄体(male body)」から構成される。シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」は、その製造、保管、輸送および使用の全期間中、常に水と混合した湿潤形態にある。本湿式セメントの二次構成成分は湿潤形態でまたは乾燥粉末形態で存在することができる。「雌体」および「雄体」は、別々に製造され、保管され、また輸送される。「雌体」および「雄体」を使用するとき、それらはまさに一緒に混合される。
本発明の第2の目的は、シアライト2成分系湿式セメントを製造する新規な方法を提供することであり、その方法は主として湿式粉砕方法を使用しており、製造の全工程中、ほとんど粉塵が発生しない。
本発明の第3の目的は、シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」を製造する出発材料を提供することである。その出発材料は、いくらかの調質効果を有する調整剤およびポゾラン活性混合物材料と共に、一次構成成分として種々の水急冷鉱物スラグなどの非晶質または/および微結晶構造を有するマス材料を主として使用する。
本発明の第4の目的は、一連の活性混合物材料を提供することであり、その材料には固体産業スラグおよび天然活性材料両方からの活性混合物材料が含まれる。
本発明の第5の目的は、シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」の出発材料を製造する方法を提供することである。
本発明の第6の目的は、シアライト2成分系湿式セメントを使用する方法を提供することである。
本発明の第7の目的は、シアライト2成分系湿式セメントの製造工程の間多くの産業スラグを使用する事実により、産業スラグが土地を占有し、かつ大きな汚染源を生じている目下の問題を解決することである。従来技術の複合セメントに使用されている産業廃棄物スラグなどと比較して、本発明のシアライト2成分系湿式セメントは重要な差異を有している。すなわち、使用している産業廃棄物スラグが全く同一の化学組成を有する場合、従来技術による複合セメントは、単にセメントクリンカの一部を置き換えているだけで、セメントクリンカが依然としてセメントのかなりの割合を構成し、したがってセメントクリンカがセメント強度を付与するための主要部分であり、これに反し本発明のシアライト2成分系湿式セメントでは、産業廃棄物スラグがセメント強度を付与するための主要部分である。
シアライト2成分系湿式セメントは、従来のセメント、つまり普通「1成分系」乾式セメント、と全く異なっている。このセメントは、2成分系セメントと呼ぶ新規なタイプのセメント系材料であり、その一次構成成分は、少量の調整剤および水と共に、無機セメント系材料から構成されるスラリ、ペーストもしくは湿潤粉末である。この無機セメント系材料は粉体であり、当該粉体が比表面積2800〜7500cm/gをもたらす程度の粉末度を有する(規格:Test method for fineness of cement(GB1345-91を参照されたい。)。シアライト2成分系湿式セメントは、「雌体」(一次構成成分)、および「雄体」(二次構成成分)から主として構成される。一次構成成分は製造、保管、輸送、および使用プロセス全般にわたって常に湿潤状態で存在し、粉塵の原因となることが避けられる。その二次構成成分、湿潤形態で存在する。「雌体」および「雄体」は、別々に製造、保管、および輸送しなければならず、またそれらを使用する前に一緒に混合することはできない。「雌体」スラリおよび「雄体」スラリは、別々に保管する場合、凝固することはない。「雌体」と「雄体」とを混合すると、「雄体」が「雌体」の活性を刺激して、やがて反応し、相互作用を引き起こし、コンクリート化生成物(結晶型、コンクリート化型、網目型、またはそれらの混合物を含む)を形成するように化学反応(液相反応、固相反応を含む)を起こし、最終的に非常に高い強度を有するシアライト2成分系湿式セメントを形成する。
本発明のシアライト2成分系湿式セメントの命名根拠:
(1)従来技術における従来のセメントでは、工程技術は同じである(すなわち、「1成分系方法」)セメントの命名に関して、それらのセメントは、ポルトランドセメント、アルミナセメント、サルフォアルミネートセメントなど、それらの主な出発材料にちなんで命名されている。従来のセメントは、製造、保管、輸送から使用前までそれらが常に乾燥形態にあり、またそれらの水和生成物が高カルシウム含有量の水和ケイ酸塩の一タイプであることを特徴としている。
(2)現代のセメント産業では、複合セメントが非常に大きな割合を占めており、またやはり、ケイ酸塩鉱物スラグ(ポゾラン、フライアッシュ)セメントなど、それらの主構成成分による命名原則を用いている。
(3)本発明のシアライト2成分系湿式セメントは、2つの構成成分、つまり「雌体」および「雄体」から構成され、その両方が、一連の出発材料から得られる。本2成分系湿式セメントは、製造、保管、輸送から使用前までそれらが常に湿潤形態にあり、またしたがって本セメントがクリーンであり、かつ全く汚染がなく、またそれらの生成物が「stone」であり、その「stone」が人工品、つまり従来の「1成分系」乾式セメントにより得られている水和ケイ酸塩、と異なっていることを特徴としている。
本発明の第1の態様により、シアライト2成分系湿式セメントであって、「雌体」(一次構成成分として)、および「雄体」(二次構成成分として)から構成され、その両者が別々に製造され、保管され、かつ輸送され、またそれらが使用されるときに一緒に混合される。このシアライト2成分系湿式セメントにおいて、「雌体」が無機セメント系材料および水から構成され、またその製造、保管、輸送、および使用の全期間中、それがスラリ、ペースト、もしくは湿潤粉末の形態である。また、このシアライト2成分系湿式セメントにおいて、「雌体」は無機系材料および水から構成され、その製造、保管、輸送、および使用の全期間中、湿潤状態のスラリ、ペースト、もしくは湿潤粉末の形態である。
雄体」を構成する無機セメント系材料および「雌体」を構成する無機系材料は粉体であり、当該粉体がそれぞれ比表面積2800〜7500cm/gを有する。
本湿式セメントの「雌体」および「雄体」の割合は、「雌体」が60重量%〜99重量%の範囲にあり、また「雄体」が1重量%〜40重量%の範囲にあり、より好ましくは「雌体」が70重量%〜99重量%、さらには70重量%〜95重量%の範囲にあり、また「雄体」が1重量%〜30重量%、さらには5重量%〜30重量%の範囲にあるものである。
「雌体」において、無機系材料の割合として、CaOが20重量%〜55重量%の範囲にあり、Alが2重量%〜25重量%の範囲にあり,SiOが36.85重量%〜70重量%の範囲にあり、MgOが1.55重量%〜40重量%の範囲にあり、かつFeが0重量%〜25重量%の範囲にある。好ましくはSiOが50重量%〜70重量%の範囲にあり、MgOが4重量%〜13重量%の範囲にあり、かつFeが0重量%〜12重量%の範囲にある。
「雌体」を構成する無機系材料は、非晶質または/および微結晶の製鉄スラグ、製鋼スラグ、流動床炉スラグ、フライアッシュ、廃ガラス、リン鉱スラグ、チタン鉱スラグ、蛍石鉱スラグ、石炭焼却後に生まれた微粉スラグ、石炭燃焼用ボイラより生まれた非晶質または/および微結晶の石炭燃焼ボイラスラグ、CaO−Al −SiO 三成分系状態図におけるポルトランドセメントとガラスの間の領域内に位置する非晶質または/および微結晶ガラス物質、500〜1000℃で仮焼および脱水した頁岩、粘土、石炭脈石;廃れんが、廃タイル、廃セラミックス、ポゾラン、真珠岩、黒曜石、軽石、砂岩、石英砂、鉱山尾鉱、ゼオライトから選択される少なくとも1種である。
また「雄体」において、pH=7〜14、および無機セメント系材料の割合として、CaOが0超〜40重量%の範囲にあり、SOが0重量%〜55重量%の範囲にあり、かつROが0重量%〜80重量%の範囲にある。好ましくはSOが0重量%〜40重量%の範囲にあり、かつROが0重量%〜20重量%の範囲にある。また、CaO、SOおよびROの少なくとも1つが0重量%を超え、またこの場合RがK、Naなどのアルカリ金属である。
また、「雌体」の水分含量が、10重量%〜70重量%であり、かつ、「雄体」の水分含量が、15重量%〜85重量%である。
本発明は、以上を特徴とする湿式セメントを提供する。
シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」が、「雌体」の凝固時間および作業特性を調整するための調整剤を含む場合には、この調整剤は、「雌体」を製造する期間中、または/および製造した後に添加される。シアライト2成分系湿式セメントの「雄体」が、「雄体」の凝固時間および作業特性を調整するための調整剤を含む場合には、この調整剤は、「雄体」を製造する期間中、または/および製造した後に添加される。
「雌体」は、非晶質または/および微結晶の製鉄スラグ、製鋼スラグ、流動床炉スラグ、フライアッシュ、廃ガラス、リン鉱スラグ、チタン鉱スラグ、蛍石鉱スラグ、石炭焼却後に生まれた微粉スラグ(以下、「石炭燃焼微粉スラグ」ということがある)およびそれらの混合物から選択される1種または2種以上、水および調整剤を湿式粉砕することにより製造することができる。
他の例として、シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」は、非晶質または/および微結晶の石炭燃焼ボイラスラグを水および調整剤と共に混合し、次いでそれらを湿式粉砕することにより得ることができる湿式材料である。このような方法は、種々の非晶質または/および微結晶の冶金スラグおよび石炭燃焼用ボイラより生まれた石炭燃焼ボイラスラグ(以下、単に「石炭燃焼ボイラスラグ」という)、例えば種々の産業用ボイラからのボイラスラグを使用する。産業用ボイラはその燃料として石炭(微粉炭、スラリ炭、塊炭を含む)を採用し、また火力発電所、高炉、流動床炉、石炭化学工業(石炭ガス化、石炭液化を含む)からのボイラを含むことができ、その方法は以下のステップを含む。
所与の量のカルシウムに富んだ物質(生石灰、消石灰、および石灰石を含む)および少量の鉱化剤(鉄粉、フッ化カルシウムなど)を燃料微粉炭もしくはスラリ炭もしくは塊炭に添加するステップと、燃焼した微細な石炭スラグを、スラグ除去プロセスの間にもしくはスラグ除去プロセス後に続く処理プロセスの間に、部分的にもしくは完全にスラグを溶融するように高温で溶融するステップと、次いで、急速に冷却するステップ(風冷または水急冷など)を実施し、それによりシアライト2成分系湿式セメントの出発材料として非晶質または/および微結晶材料を得るステップとである。これに関連して、ボイラの石炭消費量を増加させずもしくは僅かに増加させるだけで、または残留熱を利用して希望する非晶質生成物および微結晶生成物を得ることができ、また同時に、燃焼する石炭中の硫黄を固める、またボイラ排ガス中のSOを除去するという追加的な利益を得ることができる。
より詳細には、石炭燃焼ボイラスラグは、その燃料として石炭(微粉炭、スラリ炭、塊炭を含む)を採用し、かつ火力発電所、高炉、流動床、石炭化学工業(石炭ガス化、石炭液化を含む)からのボイラを含むことができる種々の産業用ボイラからのものである。所与の量のカルシウムに富んだ物質(生石灰、消石灰、および石灰石を含む)および少量の鉱化剤(鉄粉、フッ化カルシウムなど)を微粉炭もしくはスラリ炭もしくは塊炭に添加した(「燃料中へのカルシウム添加」方法と呼ぶ。)。スラグ除去プロセスの間(スラグが炉床内部にあるとき、もしくは炉床から離れて行くとき)、もしくはスラグ除去プロセス後に続く処理プロセスの間、高温で溶融するステップを実施し、それによりスラグを部分的にもしくは完全に溶融した。次いで、急速に冷却するステップ(風冷または水急冷など)を実施し、それにより非晶質または/および微結晶の材料が得られた。
または別法として、所与の量のカルシウムに富んだ物質(生石灰、消石灰、および石灰石を含む)および少量の鉱化剤(鉄粉、フッ化カルシウムなど)を石炭アッシュスラグに添加した(「スラグ中へのカルシウム添加」方法と呼ぶ。)。スラグ除去プロセスの間(スラグが炉床内部にあるとき、もしくは炉床から離れて行くとき)、もしくはスラグ除去プロセス後に続く処理プロセスの間、高温で溶融するステップを実施し、それによりスラグを部分的にもしくは完全に溶融した。次いで、急速に冷却するステップ(風冷または水急冷など)を実施し、それにより非晶質または/および微結晶の材料が得られた。
他方において、シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」は、出発材料として、CaO−Al−SiOの三成分系状態図(図4を参照されたい)におけるポルトランドセメントとガラスの間の領域に位置する非晶質または/および微結晶のガラス質材料を選ぶこと、出発材料を選択し、配合し、混合−粉砕し、仮焼し、溶融するステップによって潜在的に水硬性を有する非晶質または/および微結晶のガラス質物質を得ること、次いで得られた物質を水および調整剤と一緒に混合すること、ならびに湿式粉砕するステップを実施することにより製造される湿式材料とすることができる。
シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」は、500〜1000℃で仮焼し、脱水した天然鉱物(頁岩、粘土、石炭脈石、またはそれらの混合物のうちの1種)を水および調整剤と一緒に混合し、かつ湿式粉砕するステップを実施することにより製造される湿式材料とすることができる。
シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」は、主構成成分として粘土を使用している仮焼製品(廃れんが、廃タイル、および廃セラミックス、ならびにそれらの混合物から選択した1種または2種以上)を水および調整剤と一緒に混合し、かつ湿式粉砕するステップを実施することにより製造される湿式材料とすることができる。
さらに、「雌体」の無機セメント系材料は、ポゾラン、真珠岩、黒曜石、軽石、砂岩、石英砂、鉱山尾鉱、ゼオライト、およびそれらの混合物から選択した1種または2種以上とすることができる。なお、ポゾランの一例としてはシリカフュームが挙げられる。
シアライト2成分系湿式セメントの「雄体」は、天然無水石膏、二水石膏、半水石膏、化学工業石膏(リン酸石膏、フッ酸石膏、塩石膏など)、石灰、水酸化カルシウム、化学工業石灰、セメントクリンカ、およびそれらの混合物から選択された1種または2種以上を、水および調整剤と一緒に混合し、次いで湿式粉砕ステップを実施することにより製造される。
または別法として、シアライト2成分系湿式セメントの「雄体」は、天然無水石膏、二水石膏、半水石膏、化学工業石膏(リン酸石膏、フッ酸石膏、塩石膏など)、石灰、水酸化カルシウム、化学工業石灰、セメントクリンカ、およびそれらの混合物から選択された1種または2種以上を、調整剤と一緒に混合し、次いで乾式粉砕ステップを実施することにより製造することができる。
シアライト2成分系湿式セメントにおいて、「雄体」および「雌体」の凝結時間(Test methods for water requirement for normal consistency, setting time and soundness of the Portland cements (GB1346-89))を参照されたい。)を調整するための調整剤は、糖、蜂蜜、クエン酸およびクエン酸塩、酒石酸および酒石酸塩、強アルカリ、溶解可能な炭酸塩、塩化物、溶解可能なケイ酸塩、溶解可能な硫酸塩、水ガラス、塩素酸塩、リグニンスルホン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩、およびそれらの混合物から選択された1種または2種以上とすることができる。
シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」において、水分含量は10重量%〜80重量%、好ましくは25重量%〜70重量%である。
シアライト2成分系湿式セメントの「雄体」において、湿式粉砕が用いられる場合には、水分含量は15重量%〜85重量%、好ましくは25重量%〜70重量%である。
シアライト2成分系湿式セメントを製造する方法は次の通りである。要求されている比表面積を満たす前提のもとに、湿式破砕および湿式粉砕に適した機械の種々の組合せを用い、また「最初に混合、次いで粉砕」と呼ぶ方法を用い、その方法では「雌体」の出発材料および「雄体」の出発材料をそれぞれ、最初にそれら自体の割合において混合し、次いでそれらを湿式破砕しかつ湿式粉砕する。または別法により、「最初に粉砕、次いで混合」と呼ぶ方法を用い、その方法では「雌体」および「雄体」の出発材料をそれぞれ、最初に粉砕性に基づいて湿式破砕しかつ湿式粉砕し、次いでそれぞれ湿式材料が得られるように微粉砕された出発材料をそれら自体の割合において混合しかつ均質化する。得られた「雌体」および「雄体」のための湿式材料は別々に保管し、また輸送すべきである。
なお、上述の通り、シアライト2成分系湿式セメントの「雄体」はさらに調整剤を含むことができ、調整剤は「雄体」を製造する期間中に、または/および製造した後に添加することができる
シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」を製造するときに調整剤を添加する場合、調整剤の粉末度の程度は、比表面積が4000〜5000cm2/gになるように選択するのが好ましい。
シアライト2成分系湿式セメントの製造、保管、輸送、および使用の間、調整剤を、シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」および「雄体」の合計乾燥重量に対して0重量%を超え10重量%まで、好ましくは0重量%を超え5重量%まで、の量で添加できる。
シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」および「雄体」の製造、包装、輸送、保管、または/および使用期間中、加水もしくは脱水装置を使用できる。
シアライト2成分系湿式セメントを使用する方法は、単に「雌体」および「雄体」をバランスよく混合し、かつ必要な場合水を添加して、液相と固相との間の水和反応および化学反応を生じさせ、それにより結晶型、ゲル型、網目型、またはそれらの混合物の1つであるセメント系材料を生成させることを含むことができる。シアライト2成分系湿式セメントは、ポルトランドセメントなどの「1成分系」セメントの水和機構と異なる水和機構を有し、また細粒の多い等級の骨材(例えば粘土、スラッジ、鉱山溢流尾鉱など)への良好な圧密能力を有するので、従来のポルトランドセメント(「1成分系」乾式セメント)を置き換えるため使用され、また建造物、交通、水保全、鉱山埋め戻しおよび支保、路床補強または地下工事などの種々の工学的構造物に使用され、また粘土、スラッジ、砂土、フライアッシュ、金属鉱石選鉱尾鉱を圧密するために、また鉱山、壁材料または他の区域をセメンティングしかつ充填するために、使用され、それによりシアライト2成分系湿式セメントは、従来のセメントと比較してより広い用途および適用分野を有している。
請求項1に記載のシアライト2成分系湿式セメントを製造する一方法として、要求されている比表面積を満たす前提のもとに、湿式破砕および湿式粉砕に適した機械の種々の組合せを用い、また「最初に混合、次いで粉砕」と呼ぶ方法を用い、その方法では、「雌体」の出発材料および「雄体」の出発材料をそれぞれ、最初にそれら自体の割合において混合し、次いでそれぞれ湿式材料が得られるようにそれらを湿式破砕しかつ湿式粉砕する。その得られた「雌体」および「雄体」のための湿式材料を別々に保管しまた輸送する。
請求項1に記載のシアライト2成分系湿式セメントを製造する他の方法として、要求されている比表面積を満たす前提のもとに、湿式破砕および湿式粉砕に適した機械の種々の組合せを用い、また「最初に粉砕、次いで混合」と呼ぶ方法を用い、その方法では、「雌体」および「雄体」の出発材料をそれぞれ、最初に粉砕性に基づいて湿式破砕しかつ湿式粉砕し、次いで微粉砕された出発材料をそれぞれ湿式材料が得られるようにそれら自体の割合において混合しかつ均質化する。そしてその得られた「雌体」および「雄体」のための湿式材料を別々に保管しまた輸送する。
シアライト2成分系湿式セメントをコンクリートの製造に使用する場合、湿式セメントの「雌体」および「雄体」を配合しかつ水および骨材と一緒に攪拌して、コンクリートを製造する。この骨材は、山砂、川砂、海砂、ゴビ砂、砕石、バラ状石、廃石、脈石、粘土、鉱物分級砂、鉱物尾鉱全般、産業廃棄物スラグ、およびそれらの混合物の1種または2種以上から選択できる。
シアライト2成分系湿式セメントと通常の普通ポルトランドセメントとの比較から、本発明の湿式セメントは、出発材料の供給源、処理、管理、水和および硬化機構、用途、ならびに製造性状の観点から問題なく革新的であり、かつ従来のセメントよりも広範な用途を有することがわかる。
本発明におけるシアライト2成分系湿式セメントの第1の卓越した利点は、従来のセメントの方法の制約および限界を打破り、かつセメントを製造する新規湿式方法を提供し、またセメント産業の環境汚染を完全に解決する基盤を確立している点である。図1、図2、図3、図5、および図6に、工程流れ図を見ることができる(図中に詳細を示している。)。シアライト2成分系湿式セメントの製造工程において、粉塵汚染は大きく低減され、または完全に除去されてさえもいる。湿式破砕および湿式粉砕工程により、従来の乾式方法では避けることができない粉塵汚染を根源的に避けることができる。そのため、SO2、NOX、およびCO2が大きく低減されるか、完全に除去される。
本発明の第2の卓越した利点は、シアライト2成分系湿式セメントを製造するための出発材料の95%〜100%を仮焼する必要がなく、かつこのことが、同一規模のセメント工場のクリンカ製造部分についての建設、運転、管理、材料、およびエネルギー消費向けの支出を節減することに匹敵する点である。その上、全ての出発材料は、乾燥処理する必要がない。それらの保管、堆積、および輸送には特別な保全を必要としない。工場に入る出発材料は直接湿式破砕されかつ湿式粉砕され、このことがエネルギーを節減するだけでなく、大きく時間をも節約し、作業をも節約し、製造工程をも単純化し、したがってまた製造費および管理費が大きく低減される。
本発明の第3の卓越した利点は、従来の乾式粉砕設備の騒音に比べて騒音が遙かに小さく、また粉砕効率が上がっている点である。例えば、実施例1において、同一の粉末度(比表面積)を得る場合、製造量を大きく増加させることができる。実施例2において、同一の製造量を得る場合、粉末度(比表面積)を大きく増加させることができる。
本発明の第4の卓越した利点は、シアライト2成分系湿式セメントがその製造方法において、土地資源の消費および占有を大きく低減することができ、かつシアライト2成分系セメントの出発材料が基本的に全て産業廃棄物であり、それにより廃棄物を宝物に変え、かつ生態型環境を改善している点である。
(A)本発明によるシアライト2成分系湿式セメントの発明コンセプト
(1)シアライト2成分系湿式セメントは、2つの構成成分、つまり「雌体」および「雄体」から構成され、1次構成成分は湿潤形態で存在し、主としてセメントクリンカから構成され乾燥粉末の形態で存在しなければならない「1成分系」セメントと異なっている。本発明のシアライト2成分系湿式セメントでは、産業廃棄物スラグが、強度をもたらすための主構成成分である。
従来の複合セメントでは、関連の複合材料は、単に二次水和の役割を果すだけのため複合セメントに添加され、水和の主要素ではない。このことが、従来の複合セメントと、本2成分系湿式セメントとの間の本質的な差異である。本2成分系湿式セメントでは、セメント系材料の主体として固体廃棄物スラグを使用する。固体廃棄物スラグの使用量は、施工操作要求条件、環境、工程などによる大きな範囲内で連続的に調節することができる。固体廃棄物スラグの添加量の定量的変化は、水和生成物が従来のセメントの水和生成物と異なることにより表れる定性的変化の原因になるので、その物理的性質が変化し、特に機械的性質が変化し、例えばそのセメントは高い強度、高い緻密性、および高い耐久性を有する。現在、大抵の場合、固体廃棄物スラグを使用すると、低い付加価値の内容物を有することになり、固体廃棄物スラグの活性が十分に発現されない。無害で、かつ高い付加価値の内容物を付与することができる二、三の使用方法が存在する。本2成分系湿式セメントでは、固体廃棄物スラグの活性を発現させるため、機械的−化学的方法、化学的活性化方法、石化(lithifying)方法などが使用される。
本2成分系湿式セメントの性状は、ポルトランドセメントの性状を超え、またはポルトランドセメントの性状に近いので、本発明では2成分系湿式セメントをポルトランドセメントと比較している。
(2)シアライト2成分系湿式セメントにおける2つの構成成分、つまり「雌体」および「雄体」は、それぞれ異なった履歴(熱履歴および応力履歴)を有する。「雌体」および「雄体」は、それぞれ長時間の間保管しかつ輸送することができ、また集塊にならない。
(3)シアライト2成分系湿式セメントは、室温で「雌体」および「雄体」が水和し、互いに相互作用し、かつ化学的に反応する(液相反応および固相反応を含む)ことにより得られる。
(4)量的重量比の観点から、また反応生成物の物質供給源の観点から、「雌体」は、より良好な潜在反応活性を有する物質であり、またセメント系材料である1次構成成分である。
(5)「雄体」は、その含量を「雌体」の含量よりも少なくすることができるが、「雌体」に活性を生じさせることができる2次構成成分である。その効果には:
(i)「雌体」の活性を刺激すること、および必要な反応条件(pHなど)を提供すること;
(ii)「雌体」と同時反応すること、および反応物の一部としてコンクリート化生成物(結晶型、ゲル型、ネット型またはそれらの混合物)を構成することが含まれる。
本発明の2成分系方法についての実験、研究、解析によって、本発明は製造工程において大気汚染の原因とならず、また、相当の活性を有する産業廃棄物スラグ(種々の非晶質および微結晶の固体廃棄物スラグを含む)を出発材料として使用することを決め、以下の3つの問題を解決した。
1.本2成分系湿式セメントの構成成分および組成を決定すること;
2.長期間(数時間〜数年)の間、本2成分系湿式セメントを凝固させないこと;
3.使用時には本2成分系湿式セメントを普通に凝固させることができ、かつ非常に高い強度を有するようにすること。
(B)「雌体」および「雄体」
「雌体」および「雄体」は、2つのタイプに分けることができる:
(1)「雌体」はそれ自体で反応活性を有し、かつある条件下で化学反応を自発的に行って、セメント系材料を形成することができる。また「雄体」の機能は、反応条件を提供し、「雌体」の反応活性を刺激し、その反応活性を十分に発現させ、良好な強度をもたらすことである。
(2)「雌体」はそれ自体で相当の反応活性を有し、かつある条件下で、「雄体」と反応してコンクリート化する物質を形成することができる。「雄体」の機能は、必要な反応物質を「雌体」に供給するだけでなく、「雌体」の効果を十分に発揮させる反応条件をも提供して、良好な強度をもたらすことである。
本発明のシアライト2成分系湿式セメントの「雌体」および「雄体」は、それらを一緒に混合する前には非常に遅い水和性を有し、したがって、品質の低下なしに長期間保管することができる。これに反して、従来のポルトランドセメントは集塊になり易く、したがってそのセメント能力を低下させもしくは失い易く、結果としてその強度が著しく低下される。良好な保管条件下であっても、従来のセメントは空気から水分および二酸化炭素を吸収し、したがって水和を遅延しかつ中性化を招き、それによりそのセメント能力を失い、強度が大きく低下するので、そのセメントは長期間保管することができない。一般的な保管条件下では、3カ月間保管した後で、セメント強度は約10%〜20%低下し、6カ月間保管した後で、セメント強度は約15%〜30%低下し、また1年保管した後で、セメント強度は約25%〜40%低下する。
「雌体」は、本湿式セメント構成成分の主要部分である。製造工程および保管工程が水相内で行われる場合、本湿式セメントの「雌体」の初期水和を促進するのに好都合であり、すなわち過飽和反応物濃度が形成され、そのため本材料が十分に水和されかつ均質化され、したがって反応生成物が速やかに形成されて、製品品質を改良しまた製品品質の一貫性を保持することが可能になる。
本湿式セメントの品質を確保するために、調整剤を添加して、「雌体」の自発的反応度を調節することができる。本湿式セメントの品質をさらに確保するために、調整剤は、「雄体」の自発的反応度を調節するために添加することもできる。
シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」の重要な目標の1つは、産業廃棄物スラグの有効利用および汚染の問題を解決することであり、水急冷スラグ、流動床炉スラグ、リン鉱スラグ、チタンスラグ、蛍石鉱スラグ、製鋼スラグなどの冶金スラグ;石炭燃焼ボイラの種々のスラグ、フライアッシュ、廃ガラス、またはそれらの混合物を含む非晶質または/および微結晶の鉱物スラグなどの産業廃棄物スラグの1種を使用し、水および調整剤を添加しかつ湿式粉砕するステップによりスラリを生成させることである。あるいは頁岩、粘土、石炭脈石、またはそれらの混合物などの、500〜1000℃で仮焼し脱水した天然鉱物の1種を使用し、水および調整剤を添加しかつ湿式粉砕するステップによりスラリを生成させることである。他の目標は、主として粘土から構成され、ある温度で仮焼された廃れんが、廃タイル、廃セラミックス、またはそれらの混合物などの工場廃棄物の1種を使用し、水および調整剤を添加しかつ湿式粉砕するステップによりスラリを生成させるようにして建設廃材による汚染および建設廃材の有効利用の問題を解決することである。
他の目標は、フライアッシュによる汚染およびフライアッシュの有効利用の問題を解決することである。そのために、石炭燃焼ボイラの非晶質または/および微結晶の鉱物スラグを使用し、すなわち燃料として微粉炭もしくはスラリ炭もしくは塊炭を使用する産業用ボイラおよび火力発電所からの石炭スラグを使用し、いくらかのカルシウムに富んだ物質(生石灰、消石灰、および石灰石を含む)および鉄粉、フッ化カルシウムなどの少量の鉱化剤を微粉炭もしくはスラリ炭もしくは塊炭に添加し、次いで、燃焼したスラグを、スラグが炉床を離れるときもしくは溶融された後に急速に冷却して(風冷または水急冷など)非晶質または/および微結晶の材料とし、次いでこの材料を水および調整剤と一緒に混合し、かつ湿式粉砕する方法により湿式材料を生成させるようにして、あるいは石炭燃焼ボイラの非晶質または/および微結晶の鉱物スラグを使用し、すなわち石炭ガス化および石炭を石油に変換する工程で生じた石炭スラグを使用して、いくらかのカルシウムに富んだ物質(生石灰、消石灰、および石灰石を含む)、鉄粉、フッ化カルシウムなどの少量の鉱化剤を微粉炭もしくはスラリ炭もしくは塊炭に添加し、次いで、焼成したスラグを、スラグが炉床を離れるときもしくは溶融された後に急速に冷却して(風冷または水急冷など)非晶質または/および微結晶の材料とし、次いでこの材料を水および調整剤と一緒に混合し、かつ湿式粉砕する方法によりスラリを生成させるようにする。調整剤を製造工程中または/および製造工程後に必要に応じて添加することができる。
シアライト2成分系湿式セメントの「雄体」は、1種または2種以上の天然無水石膏または/および二水石膏、半水石膏、化学工業石膏(リン酸石膏、フッ酸石膏、塩石膏など)、石灰、水酸化カルシウム、化学工業石灰、セメントクリンカ、種々のセメント、またはそれらの混合物を、調整剤と共に使用し、かつ乾式粉砕もしくは湿式粉砕を行うステップにより得ることができる。調整剤を製造工程中または/および製造工程後に必要に応じて添加することができる。本発明におけるシアライト2成分系湿式セメントの調整剤には、糖、蜂蜜、クエン酸およびクエン酸塩、酒石酸および酒石酸塩、溶解可能な炭酸塩、塩化物、溶解可能なケイ酸塩、溶解可能な硫酸塩、塩素酸塩、水ガラス、リグニンスルホン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩、またはそれらの混合物から選択された1種または2種以上を使用することができる。
シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」の出発材料は、ポゾラン材料(例えばシリカフューム)、真珠岩、ピッチストーン、黒曜石、軽石、頁岩、石炭脈石、石灰石、砂岩、珪砂、粘土、天然ゼオライト、種々の鉱物質鉱山尾鉱、またはそれらの混合物から選択された1種または2種以上を使用することによりその一部を置換することができる。
今日、経済の急激な発展により、産業廃棄物スラグが継続して増加している。鉄および鋼の工場冶金スラグ、非鉄金属冶金スラグ、発電所スラグ、および化学工業スラグなどの産業固体廃棄物が、物質循環におけるかなり大きな比率を占めている。発明者らは、上記の固体廃棄物の物理的および化学的性状を徹底的にかつ広範に研究してきた。例えば、中国におけるフライアッシュおよび石炭スラグの化学成分は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、三二酸化鉄、酸化カルシウム、および未燃焼炭素である。中国および海外における種々の地域で、石炭燃焼ボイラ、火力発電所、高炉、流動床、石炭化学工業(石炭ガス化、石炭液化を含む)により発生されるフライアッシュ、石炭スラグの組成は基本的に類似しており、含量範囲は一般に下記の通りである:
CaO Al SiO Fe
1〜11% 15〜40% 30〜65% 1〜20%
発明者らは、表1に示すように、これらの固体スラグが、良好な水硬化能力を有するセメントクリンカまたは冶金スラグに比べて同様な主成分(酸化物により計算して)を有することを見出している。
Figure 0004700348
表1から、3つの材料は同タイプの主要な酸化物を含有するが、含有量が全く異なっていることを見ることができる。主な差異は、フライアッシュスラグにおける酸化カルシウムの含量が、冶金スラグにおけるそれよりも少なく、またポルトランドセメントのクリンカにおけるそれよりも遥かに少ないことである。この低いカルシウム含量が、従来の「1成分系」セメントの主構成成分としてフライアッシュおよび石炭スラグを使用することができない、また単に少量成分としてしか使用できない、主な理由である。
発明者らはさらに、種々の水急冷冶金スラグが、比較的高いCaO、SiO2、およびAl23の含量(表1に示したスラグの化学組成を参照されたい。)を示し、またこの種のスラグが、本質的に非晶質および微結晶のガラス質材料であることを見出した。これらのスラグはそれぞれ、高温冶金学的条件下で水急冷処理により形成されたスラグ溶融体である。例えば、溶融した製鉄スラグの温度が1400℃〜1700℃の範囲にある場合、生成される水急冷製鉄スラグは本質的にガラス質材料である。この種の水急冷冶金スラグは、非常に高い潜在水硬性凝結活性を有する。
発明者らはさらに、石炭中の酸化ケイ素、酸化アルミニウムが、鉱物カオリン(Al4[Si410](OH)8)の形態で存在することを見出した。上記の特性を考えて、石炭のアッシュ含量、および鉱物質スラグまたはポルトランドセメントクリンカにおける所要の酸化カルシウム含量に応じて、石炭変換プロセス(燃焼、ガス化、液化を含む)の間にある量のカルシウムに富んだ物質(生石灰、消石灰、または石灰石を含む)を燃料(微粉炭、スラリ炭、塊炭、または石炭脈石を含む)中に添加すれば、それにより石炭の混合物が完全に燃焼した後に、石炭アッシュスラグの化学組成、主に酸化カルシウム含量、を所期の鉱物質スラグまたはポルトランセメントクリンカの化学組成とすることができることを発明者らは見出した。発明者らはまた、セメントクリンカの仮焼温度が約1450℃であり、少量の鉱化剤(鉄粉、フッ化カルシウムなど)を添加すれば、約1300℃でクリンカを得ることができることをも見出した。しかし、石炭燃焼ボイラの炉の高温域温度は一般に1300〜1700℃であり、その温度は、仮焼して鉱物質スラグまたはポルトランドセメントクリンカを生成させるのに要する温度を完全に満たしている。炉内において、高温で石炭混合物が燃焼すると、添加したカルシウムに富んだ物質(生石灰、消石灰、石灰石を含む)は石炭中の鉱物カオリン(Al4[Si410](OH)8)と反応して部分的にもしくは完全に溶融し、次いで急冷されると、それにより水硬活性を有する大量の微結晶または非晶質物質を生成させることが可能になる。
発明者らはさらに、スラグ除去プロセスの間に、またはスラグ除去工程後の処理プロセスの間に、カルシウムに富んだ物質(生石灰、消石灰、および石灰石を含む)および少量の鉱化剤(鉄粉、フッ化カルシウムなど)を種々の石炭燃焼産業用ボイラからのアッシュスラグ中に添加してそのスラグが部分的にもしくは完全に溶融されるようにし(温度が要求を満たすことができない場合、スラグを再加熱することができる。)、次いでスラグを急速に冷却すれば、やはり水硬活性を有する大量の微結晶または非晶質の物質を生成させることが可能になることを見出した。
上記の知識に基づいて、発明者らは多くの実験を行ってきた。例えば、3つの代表的なものは以下の通りである:
1.石炭のフライアッシュ含量、および鉱物質スラグにおける所期の酸化カルシウム含量にしたがって、石炭中に石灰を添加してスラグの化学組成、主に酸化カルシウム含量が石炭混合物が完全に燃焼した後に(すなわち、「燃料にカルシウムを添加」する方法)所期の化学組成になるようにし、次いで石炭からのスラグを部分的にまたは完全に溶融し、次いでそのスラグを急速に冷却(水急冷)することによって試料を得た。酸化カルシウムの含量を変化させるために、石灰の添加量を調節することによって一連の試料を得て、それらについて試験を行った。代表的な化学組成は表2に示され、またそれに対応する強度は実施例26を見ればわかる。
Figure 0004700348
2.フライアッシュの化学組成、およびアッシュスラグにおける所期の酸化カルシウム含量によって、フライアッシュ混合物の化学組成、主として酸化カルシウム含量、が所期の値に到達するように、石炭が燃焼した後排出されたアッシュスラグ中に石灰を添加し(すなわち、「スラグ中にカルシウムを添加する」方法)、次いでフライアッシュおよび石灰の混合物を部分的にまたは完全に溶融し、次いでその混合物を急速に冷却(水急冷)した。石灰の添加量を変化させることによって、異なった酸化カルシウムの含量を有する一連の試料が得た。代表的な化学組成を表3に掲げており、またそれに対応する強度データを実施例27に示している。
Figure 0004700348
3.冶金工業からの水急冷スラグおよび鋼スラグを直接使用することにより、多数の実験的検討を行った。
多数の実験的検討により、発明者らはさらに、冶金工業、火力発電産業、および化学工業からの急冷されたスラグが、それらのスラグの結晶が成長する機会を有しないため、主として微結晶および非晶質ガラス質材料であることを理解した。これらの微結晶および非晶質ガラス質材料は、高い自由エネルギーおよび多くの構造欠陥を有し、試験的実験により、それらが良好な潜在水硬性能力を有することが示される(実施例26および実施例27を参照されたい。)。このようなスラグは、本発明のシアライト2成分系湿式セメントの重要な出発材料である。したがって、火力発電所、石炭化学工業(石炭ガス化、石炭液化を含む)のボイラ、および種々の工業用ボイラなどの燃料として石炭(コークス、微粉炭、スラリ炭、塊炭または石炭脈石を含む)を使用する産業ボイラ、および種々の産業用ボイラ、高炉、流動床に、燃焼プロセスにおいてもしくは燃焼プロセス前に、またはスラグを除去するプロセスにおいて、またはスラグを除去しかつ処理するプロセスにおいて、いくらかのカルシウムに富んだ物質(生石灰、消石灰、および石灰石を含む)、および少量の鉱化剤(鉄粉、フッ化カルシウムなど)を添加する。残留熱または補助的な加熱手段を利用してこのスラグを部分的にもしくは完全に溶融し、次いで急速に冷却するプロセス(風冷却または水急冷)によって微結晶および非晶質材料が得られる。このことは、本発明の1つの重要な部分である。
(C)シアライト2成分系湿式セメントの製造方法
シアライト2成分系湿式セメントの製造方法は、従来のセメントの製造方法と異なっており、基本的な差異は、出発材料の破砕および粉砕が空気中でなく水媒質中で行われ、また製造が湿潤状態(スラリ、ペースト、湿潤粉末)で終わることである。本方法はかなり柔軟性があり、例えばまず出発材料をそれぞれ湿式破砕しかつ湿式粉砕し、次いで比率に応じて混合しかつ均質化される。あるいは出発材料をまず粉砕性に基づいてそれぞれ調整し、次いで湿式破砕しかつ湿式粉砕し、最後に混合および均質化して、さらなる乾燥処理を要しないスラリおよびペースト、すなわち、所望の製品を得ることもできる。これらのスラリおよびペーストは、コンクリートを製造するために直ちに使用することができ、またはその後の使用に向けて保管および輸送用に袋詰めされうる。
「雌体」の製造、輸送および包装の工程および方法には下記のものが含まれる。
出発材料を乾燥せずに、調整剤(または調整剤を使用せず)および水と混合した後、直接破砕しかつ粉砕してスラリとする。特別な要求に応じて、適切な調整剤を製造工程中に添加することができ、またスラリを製造した後に添加することもでき、またスラリは別々に保管しかつ輸送する必要がある。粉砕の粉末度は、比表面積2800〜7500cm2/gとし、より良好な粉末度は比表面積4000〜5000cm2/gとする。保管期間は数日〜数年に調節することができる。水分含量は10〜70重量%、好ましくは25〜70重量%とすることができる。出発材料の破砕および粉砕方法は、柔軟に制御することができる。出発材料をまずそれぞれ湿式破砕しかつ湿式粉砕し、次いで比率に応じて混合および均質化することができ、あるいはまずそれらの粉砕性に基づいてそれぞれ調整して、次いで湿式破砕しかつ湿式粉砕し、最後に均質化することができる。全工程において、脱水設備または加水設備を設置することができる。湿式破砕し、湿式粉砕し、かつ均質化した後、得られた「スラリ、ペースト、および湿潤粉末」材料は、コンクリートを製造するために直接使用し、またはさらなる使用のために包装し、輸送し、また保管することができる。輸送および包装には、バルクセメントタンク車、あるいは種々の大きさを有するリサイクル用樽もしくはタンク、または使い捨てポリマー袋もしくは織布袋などの種々の包装形態を使用することができる。
「雄型」の製造、輸送および包装の工程および方法には下記の2つのタイプが含まれる。
(1)乾式粉砕向けの出発材料を、調整剤を使用しもしくは使用せずに乾燥し、破砕し、かつ粉砕して、乾燥粉末を形成する。この粉末は、比表面積2800〜7500cm2/gの粉末度を有する。好ましい粉末度は比表面積4000〜5000cm2/gとされる。それらの粉末は別々に保管しかつ輸送すべきである。調整剤は、要求により製造工程中に添加し、または要求により製造工程後に添加することができる。
(2)湿式粉砕向けの出発材料は乾燥せず、次いで水を添加することにより、また調整剤を使用しもしくは使用せずに破砕し、かつ粉砕して、湿式スラリとする。このスラリは、比表面積2800〜7500cm2/gとする粉末度を有する。好ましい粉末度は比表面積4000〜5000cm2/gとされる。調整剤は、所要の製造工程中に添加し、または要求によりスラリを形成した後に添加することができる。それらのスラリは別々に保管しかつ輸送する。湿式粉砕を用いる場合には、保管期間は数日〜数年に調節することができる。「雄体」の水分含量は15〜85重量%、好ましくは25〜70重量%とすることができる。湿式粉砕では、工程は、柔軟に制御することができ、出発材料を別々に湿式破砕しかつ湿式粉砕し、次いで特定の比率で混合かつ均質化することができる。あるいは出発材料はそれらの粉砕性に基づいてまずそれぞれ調整して、次いで湿式破砕しかつ湿式粉砕し、最後に均質化することができる。均質化において、脱水設備を設置することができる。湿式破砕し、湿式粉砕し、かつ均質化した後、得られた「スラリ、ペースト、および湿潤粉末」材料は、コンクリートを製造するために直接使用することができ、またはさらなる使用のために包装し、輸送し、また保管することができる。輸送および包装には、バルクセメントタンク車、あるいは種々の大きさを有するリサイクル樽もしくはタンク、または使い捨てポリマー袋もしくは織布袋などの種々の包装形態を使用することができる。
シアライト2成分系湿式セメントの上述の調整剤は、「雌体」中に、もしくは「雄体」中に、またはそれらの両方に添加することができる。
(D)シアライト2成分系湿式セメント製造のため使用する設備
要求された比表面積を満たす前提のもとに、湿式破砕および湿式粉砕に適した機械の種々の組合せ、例えばロールミル、ディスクミル、およびボールミルから選択した1種、2種または3種の組合せを選択することができる。図1および図2を参照されたい。必要とされる量に応じ、大規模製造および小規模製造の必要性を満たすべく、製造規模は大きくまたは小さくすることができる。必要な場合、脱水設備または加水設備を設置することができる。製造規模が小さい場合、2成分系湿式セメントの必要とされる製造設備費は低く、したがって種々の条件への対策に適合させることができ、また大規模事業を確立するために多くの資本を投下する必要がなく、またしたがって産業固体廃棄物スラグを大規模に利用するという利益がある。
(E)シアライト2成分系湿式セメントの使用方法
使用する場合には、「雄体」および「雌体」を混合して互いに作用させる必要があり、次いで水和反応および化学反応(液相反応、固相反応を含む)を生じさせて、コンクリート化物質(結晶型、ゲル型、網目型またはそれらの混合物)を形成し、かつ最終的にシアライトを形成することができる。下記は、関連例を提示しようとするものである。
建設の用途において、上述のシアライト2成分系湿式セメントを、骨材および水と混合し、攪拌することによりコンクリートを製造することができ、その方法は、通常のコンクリートの方法と同様である。コンクリートを製造する骨材は、山砂、川砂、海砂、ゴビ砂、砕砂、砕石、バラ状岩石、廃岩石、鉱山尾鉱岩石、粘土、鉱山分級砂、鉱物尾鉱全般、および産業廃棄物スラグから選択される1種または2種以上から構成される。製造されたコンクリートは建造物、灌漑工事、交通、地下工事などに使用することができる。
鉱物埋め戻し、支保、風除けおよびリーク防止、路床補強の用途において、上述のシアライト2成分系湿式セメントは、普通セメント同様の使い方をする場合を除いて、高含量の粘土を含有する砂土に対して非常に強い固化能力を有し、鉱山埋め戻し、支保、風除けおよびリーク防止、路床補強などに使用するのに非常に適している。
現在、鉱山内に埋め戻すセメント系材料としてセメントを使用しているので、凝結時間が長く、埋め戻し物質の強度が低く、また埋め戻し費用が高い。埋め戻し費用が高いので、鉱山のほとんどはその開発された空間は埋め戻されず自然に崩落し、そのため地盤沈下、地下水汚染、地上構造物および環境の破壊、災害さえも招いている。
セメント系材料として従来のセメントを使用する場合、一般に分級砂鉱山尾鉱を、埋め戻し材料として使用している。微砂(粒径37μm未満)は使用できずに鉱山尾鉱保管庫に送る必要があり、そのため、ダムスタッキングの問題点を増加し、鉱山尾鉱保管庫の建設費が上昇している。高品位および低鉱山尾鉱生成比の鉱石では、埋め戻し用骨材が著しく不足し、砕砂または外部から調達された砂を使用して補充しており、そのため埋め戻し費用がさらに嵩む。埋め戻し材料として本発明のシアライト2成分系湿式セメントを使用する場合、鉱山尾鉱を分級する必要がない。この2成分系セメントは鉱山尾鉱微砂および微細泥を一緒に固化することができ、したがって埋め戻し費用が大きく低減される。その方法および工程は下記の通りである。
(1)シアライト2成分系湿式セメントをそれぞれ、水と一緒に、または水および添加した骨材と一緒に、または添加した骨材を含むスラリと一緒に混合して、埋め戻しスラリを製造し、そのスラリにおいて、セメント化剤としてのシアライト2成分系湿式セメントの含量は、埋め戻しスラリの含量の2〜15%である。
(2)この埋め戻しスラリは、35〜87重量%、好ましくは60〜85重量%、の濃度とする。
(3)製造した埋め戻しスラリは、自動的に流れてまたはポンプ送りにより埋め戻し場所に送られる。
(F)例
図1において、保管庫No.1は、製鉄スラグ、リン鉱スラグ、チタン鉱スラグ、マンガン鉱スラグ、蛍石鉱スラグなどの、非晶質または/および微結晶構造を有する種々の水急冷スラグを保管するために使用される。保管庫No.2は、以下の材料を保管するために使用される。製鋼スラグ、流動床炉スラグ、フライアッシュ、廃ガラス、石炭燃焼ボイラスラグ;または温度500〜1000℃で仮焼し脱水した天然鉱物頁岩、粘土、石炭脈石;または、廃れんが、廃タイル、廃セラミックスなどの、粘土を主成分とし、またある温度で焼結した工場廃棄生成物;またはその混合材料もしくはポゾラン材料(例えばシリカフューム)や真珠岩、蛇紋岩、黒曜石、軽石、頁岩、石炭脈石、石灰石、砂岩、珪砂、粘土、天然ゼオライト、軽石、種々の鉱物鉱山尾鉱、または、燃料として微粉炭を使用するボイラまたは発電所において、微粉炭、スラリ炭もしくは塊炭に、カルシウムに富んだ物質(生石灰、消石灰、石灰石を含む)、および少量の鉱化剤を添加し、燃焼残渣生成物を、炉床を離れているときもしくは離れた後または溶融された後に、風冷もしくは水急冷することによって得られる微結晶および非晶質物質;または、燃料として塊炭を使用するボイラ、高炉、流動床、および火力発電所において塊炭に、カルシウムに富んだ物質(生石灰、消石灰、石灰石を含む)、および少量の鉱化剤を添加し、燃焼残渣生成物を、炉床から離れて行くときまたは溶融された後に、風冷もしくは水急冷することによって得られる微結晶および非晶質物質;または、石炭により石油を製造する方法において、微粉炭、スラリ炭もしくは塊炭に、カルシウムに富んだ物質および少量の鉱化剤を添加し、燃焼残渣生成物を、炉床から離れた後または溶融された後に、風冷もしくは水急冷することによって得られる微結晶および非晶質物質。
保管庫No.1およびNo.2における物質は、「雌体」の主出発材料である。事実上、それらは潜在水硬活性および微結晶もしくは/および非晶質の構造を有する物質であり、また、いくつかの無機材料をある比率で混合し、それらを粉砕しかつ仮焼し、それらの組成をCaO−Al23−SiO2の三成分系状態図においてポルトランドセメントとガラスの間にあるようにし、次いで溶融しかつそれらを急速に冷却(風冷または水急冷)することにより得られる。
図2および図3における保管庫No.1およびNo.2は、「雄体」の主出発材料である天然無水石膏、二水石膏、半水石膏、化学工業石膏(リン酸石膏、フッ酸石膏、塩石膏)、石灰、水酸化カルシウム、化学工業石灰、アルカリ材料、種々のセメントクリンカ、種々のセメント、またはそれらの混合物の1つを保管するために使用されている。
シアライト2成分系湿式セメントを製造する方法には、下記のことも含まれる。
(1)必要なときに破砕および粉砕を行うことができるように、湿式破砕および湿式粉砕設備はコンクリート作業ステーションに設置することができる。それらは長期間保管する必要がなく、またセメントの等級低下または劣化の問題の原因とならず、また耐雨性および耐水性構造物を建設する必要がなく、また特別な保存も要しないため、労働力および材料を節約することができコスト低減となる。
(2)破砕および粉砕設備は、出発材料資源または工事現場の近くに設置することもできる。要求されているのはまさに、物流費および輸送資源占有を大いに節減しながら、出発材料または本シアライト2成分系湿式セメントの袋包装物を短距離で輸送することである。
以下は、シアライト2成分系湿式セメントを製造する流れ図グラフを特に記述しようとするものである。
1.シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」を製造する流れ図グラフを図1に示している。
保管庫No.1は、水急冷スラグなどの、20mm未満の粒径を有する材料を保管するために使用される。保管庫No.2は、石炭脈石などの、20mmを超える粒径を有する材料を保管するために使用される。保管庫No.3は、調整剤を収容するために使用される。保管庫No.4(または容器)は、水を収容するためのものである。製造流れ図は、下記のステップを含む:
(1)調合要求にしたがって、保管庫No.2からの材料を破砕し、次いで破砕した材料、保管庫No.1の出発材料、保管庫No.3の調整剤、保管庫No.4の水をそれぞれ秤量し、次いで除鉄装置を通過させた。
(2)除鉄装置の使用により材料から鉄を除去し、次いでその材料をミルに送る。
(3)水粉砕工程の間材料を完全にかつ均一に混合し、材料を粉砕して微細スラリとし、次いで渦巻型分級機に送る。
(4)渦巻型分級機により、スラリからの微粉砕されない材料を再び粉砕するためにミルに戻し、また微粉砕スラリを加水および脱水装置に送った(この装置は、特定の要求にしたがって、スラリに水を添加しまたはスラリから水を除去する。)。
(5)加水および脱水装置内のスラリに水を添加しまたはスラリから水を除去し、次いでスラリを保管庫に入れた。
(6)保管庫内のスラリを秤量し、次いでレードル車に送り、包装せずに工場から出荷した。または別法として、スラリを秤量し、次いで包装して工場から出荷できる。
2.シアライト2成分系湿式セメントの「雄体」を製造する流れ図グラフを図2に示している。
保管庫No.1は、石膏などの、20mmを超える粒径を有する材料を収容するために使用される。保管庫No.2は、鋼スラグなどの、20mmを超える粒径を有する材料を収容するために使用される。保管庫No.3は、調整剤を収容するために使用し;保管庫No.4は、水を収容するために使用されている。製造流れ図は、下記のステップを含む。
(1)調合要求にしたがって、保管庫No.1および保管庫No.2からの材料を破砕し、次いで破砕した材料、保管庫No.3の調整剤、保管庫No.4の水をそれぞれ秤量し、次いで除鉄装置を通過させた。
(2)除鉄装置の使用により材料から鉄を除去し、次いでその材料をミルに送る。
(3)水粉砕工程の間材料を完全にかつ均一に混合し、材料を粉砕して微細スラリとし、次いで渦巻型分級機に送る。
(4)渦巻型分級機により、スラリからの微粉砕されない材料を再び粉砕するためにミルに戻し、また微粉砕スラリを加水および脱水装置に送った(この装置は、特定の要求にしたがって、スラリに水を添加しまたはスラリから水を除去する。)。
(5)加水および脱水装置内のスラリに水を添加しまたはスラリから水を除去し、次いでスラリを保管庫に入れた。
(6)保管庫内のスラリを秤量し、次いでレードル車に送り、包装せずに工場から出荷した。または別法として、スラリを秤量し、次いで包装して工場から出荷できる。
3.乾式粉砕方法によりシアライト2成分系湿式セメントの「雄体」を製造する流れ図グラフを図3に示している。
保管庫No.1は、鋼スラグなどの、20mmを超える粒径を有する材料を収容するために使用される。保管庫No.2は、石炭脈石などの、20mmを超える粒径を有する材料を収容するために使用される。保管庫No.3は、粉砕助剤を収容するために使用され;保管庫No.4は、20mm未満の粒径を有する材料を収容するために使用される。製造流れ図は、下記のステップを含む。
(1)調合要求にしたがって、保管庫No.1および保管庫No.2からの材料を破砕し、次いで破砕した材料、保管庫No.3の調整剤、保管庫No.4の材料をそれぞれ秤量し、次いで除鉄装置を通過させた。
(2)除鉄装置の使用により材料から鉄を除去し、次いでその材料をミルに送る。
(3)乾式粉砕工程の間材料を完全にかつ均一に混合し、材料を粉砕して微細粉末とし、次いで粉末選粒機に送る。
(4)粉末選粒機により、粉末からの微粉砕されない材料を再び粉砕するためにミルに戻し、また微粉砕した材料を保管庫に送った。
(5)保管庫内の材料を秤量し、次いでレードル車に送り、包装せずに工場から出荷した。または別法として、スラリを秤量し、次いで包装して工場から出荷できる。
シアライト2成分系湿式セメントの製造工程の実施例
1.図5はシアライト2成分系湿式セメントの「雌体」製作のフローチャートを示す。
シアライト2成分系湿式セメントの製造フローには以下の製造設備が必要となる。つまり、出発材料保管区域1、クラムシェルクレーン2、ハンマクラッシャ3、バケットエレベータ4、ベルトコンベヤ5、ロード分配機およびベルト秤量機6、出発材料保管庫7、ボールミル8、渦巻型分級機9、濃縮機10、セラミックフィルタ11、仕上り製品包装ライン12およびバラ状仕上り製品包装ライン13である。製造フローチャートは以下の工程を含む。
(1)クラムシェルクレーンで各種出発材料を各出発材料保管区域からそれぞれの倉庫に予備用として送る。
(2)倉庫でロード分配機およびベルト秤量機を使用して特定の割合の混合物を作り、ベルトコンベヤで混合物を第1段階ミルに送ると同時に、所定量の水をパイプラインからミルに供給する。
(3)第1段階ミルから出るスラリ材料を直接第2段階ミルの入口に送る。第2段階ミルおよび渦巻型分級機でクローズドシステムを作る。渦巻型分級機で粗粉を分離し、第2段階ミルの入口に再送し、もう1回粉砕する。渦巻型分級機の溢れ堰から出た細粉を直接濃縮機に送る。
(4)濃縮機で濃縮したあと、高濃度のスラリをさらに脱水するためセラミックフィルタに送り、含水量12%〜35%のセメントペーストを作る。このセメントペーストはシアライト2成分系湿式セメントの「雌体」となる。濃縮機から溢れ出た水とフィルタからの水を一緒に第1段階ミルに送り再利用する。
(5)シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」を包装または最終バルク製品用の保管区域で保管する。
2.図6はシアライト2成分系湿式セメントの「雄体」製作のフローチャートを示す。
(1)クラムシェルクレーンで各種出発材料を各出発材料保管区域からバッチ式でハンマクラッシャに送り粉砕する。粉砕された材料をバケットエレベータで分配ベルトまで持ち上げ、それぞれの倉庫に予備用として送る。
(2)倉庫でロード分配機およびベルト秤量機を使用して特定の割合の混合物を作り、ベルトコンベヤで混合物をミルに送ると同時に、所定量の水をパイプラインから連続的にミルに供給する。
(3)ミルおよび渦巻型分級機でクローズドシステムを作る。渦巻型分級機で粗粉を分離し、第2段階ミルの入口に再送し、もう1回粉砕する。渦巻型分級機の溢れ堰から出た細粉を直接濃縮機に送る。
(4)濃縮機で濃縮したあと、高濃度のスラリをさらに脱水するためセラミックフィルタに送り、含水量12%〜35%のペーストを作る。このペーストはシアライト2成分系湿式セメントの「雄体」となる。濃縮機から溢れ出た水とフィルタからの水を一緒にミルに送り再利用する。
(5)シアライト2成分系湿式セメントの「雄体」を包装または最終バルク製品用の保管区域で保管する。
A領域の冶金スラグの乾式粉砕および湿式粉砕の比較試験を行った。
同じ小型テストミル(φ500×500mm)を使用し、同じミル時間で試験した時、試験結果は以下のとおりとなっている:乾式粉砕タイプを選び、出発材料5kgを使用した時に3900cm2/gの比表面積が得られている。一方、湿式粉砕タイプを選び、出発材料7.5kgおよび水3.75kgを混合粉砕すると、4000cm2/gの比表面積が得られている。ほぼ同じ粉末度の原料が得られる場合には、湿式粉砕の効率は乾式粉砕の効率の150%以上となるといえる。
実施例1で使用したのと同じ冶金スラグの乾式粉砕および湿式粉砕の比較試験を行った。
同じ小型テストミル、同じミル時間で、乾式粉砕タイプを選び、出発材料5kgを使用した時に3900cm2/gの比表面積が得られている。一方、湿式粉砕タイプを選び、出発材料5kgおよび水2.5kgを混合粉砕すると、4800cm2/gの比表面積が得られている。同じ重量の原料を粉砕するのに同じミル時間で試験した場合には、湿式粉砕による粉末度は乾式粉砕による粉末度よりずっと高くなるといえる。
本発明のシアライト2成分系湿式セメントと42.5級および52.5級ポルトランドセメントのセメントモルタル比較試験を行った。これらの試験では以下の試験規準が引用されている。ポルトランドセメントの標準粘度のための水分要求量、凝結時間および安定度試験方法(GB1346−89)、セメントの粉末度試験方法(GB1345−91)、水硬性セメントモルタルの強度試験方法(ISO法)(GB/T17671−1999)。試験結果を表4および表5に示す。
Figure 0004700348
Figure 0004700348
上記表3および表5の湿式セメントについては、「雌体」にはスラグ70%および鉄鋼スラグ10%が含まれ(乾燥重量ベース)、「雄体」には無水石膏14%および石灰6%が含まれている(乾燥重量ベース)。製造された「雌体」は4000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
本実施例のための表4および表5にあるデータから、本発明のシアライト2成分系湿式セメントはポルトランドセメントの各種国内試験基準を満たし、結合度指数が62.5MPa以上であることがわかる。
以下の実施例4〜27は、本発明のシアライト2成分系湿式セメントをセメント材料として異なる条件のもとに異なる期間に保存し水添加量を調整して湿式セメント(乾燥重量ベース)対標準砂対水が1:3:0.5になるようにした時に得られたモルタルの性能指数を示す。これらの試験では以下の試験規準が引用されている。ポルトランドセメントの標準軟度のための水分要求量、凝結時間および安定度試験方法(GB1346-89)、セメントの比表面積試験方法(ブレーン法)(GB8074-87)、セメント強度試験方法(ISO法)(GB/T17671-1999)。
実施例4〜9に使用された「雌体」は製作された「雌体」サンプルを3日間保存したもの。
実施例10〜15に使用された「雌体」は製作された「雌体」サンプルを3カ月間保存したもの。
実施例16〜21に使用された「雌体」は製作された「雌体」サンプルを6ヶ月間保存したもの。
表6は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ45%、鉄鋼スラグ28.1%およびフライアッシュ10%が含まれ、「雄体」にはリン酸石膏9%および石灰6%が含まれている。製造された「雌体」は4000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表6は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ60%、流動床炉スラグ34.8%、ホウ砂0.3%およびクエン酸0.1%が含まれ、「雄体」にはリン酸石膏3%および石灰7%が含まれている。製造された「雌体」は4500cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表6は湿式セメントで構成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ55%、リン鉱物スラグ12.6%および石炭脈石25%が含まれ、「雄体」にはフッ素石膏5%、塩化リチウム0.4%および水酸化ナトリウム1.5%が含まれている。製造された「雌体」は4000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表6は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ45%、チタニウム鉱物スラグ16.8%、蜜0.1%、酒石酸0.15%およびクエン酸0.05%が含まれ、「雄体」には二水石膏20%、化学工業石灰12%、サルフォアルミネート系セメント3%、水酸化リチウム0.4%、炭酸ナトリウム1%および塩化カルシウム1.5%が含まれている。製造された「雌体」は4000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表6は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ45%、砂糖0.1%、クエン酸0.2%およびホウ砂0.1%が含まれ、「雄体」には石膏20%、石灰10%、ポルトランドクリンカ22.8%、炭酸リチウム0.3%、水ガラス1.5%および塩化ナトリウム1%が含まれている。製造された「雌体」は5000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表6は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ35%、ホウ砂0.2%およびクエン酸0.1%が含まれ、「雄体」にはリン酸石膏15%、フッ素石膏15%、水酸化カルシウム20%、アルミナセメント10.8%、水酸化リチウム0.3%、炭酸ナトリウム1.5%および塩化カルシウム2%が含まれている。製造された「雌体」は5500cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
Figure 0004700348
表7は湿式セメントで構成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ45%、鉄鋼スラグ30%、フライアッシュ9.3%、砂糖0.01%、クエン酸塩0.02%およびリグニンスルホン酸塩0.02%が含まれ、「雄体」にはリン酸石膏8%、石灰7%、塩化リチウム0.5%、溶解可能な炭酸塩0.1%およびリグニンスルホン酸塩0.05%が含まれている。製造された「雌体」は4000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表7は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ60%、ゼオライト20.5%、蜜0.05%、クエン酸0.01%および酒石酸0.01%が含まれ、「雄体」にはリン酸石膏14%、石灰5%、炭酸リチウム0.4%および水酸化ナトリウム0.03%が含まれている。製造された「雌体」は4500cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表7は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ55%、リン鉱物スラグ10%、フライアッシュ9.4%、クエン酸0.03%およびホウ酸0.02%が含まれ、「雄体」にはフッ素石膏6%、石灰14%、ポルトランドセメント5%、水酸化リチウム0.5%および砂糖0.05%が含まれている。製造された「雌体」は4000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表7は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ50%、チタニウムスラグ16.5%、酒石酸塩0.03%およびリグニンスルホン酸塩0.1%が含まれ、「雄体」には二水石膏16%、化学工業石灰12%、サルフォアルミネート系セメント5%、炭酸リチウム0.3%およびクエン酸0.07%が含まれている。製造された「雌体」は4000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表7は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ45%、リグニンスルホン酸塩0.03%およびホウ砂0.17%が含まれ、「雄体」には石膏29.3%、石灰20%、ポルトランドクリンカ5%、塩化リチウム0.4%およびクエン酸0.1%が含まれている。製造された「雌体」は5000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表7は湿式セメントで構成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ25%、酒石酸0.08%およびホウ酸0.02%が含まれ、「雄体」にはリン酸石膏15%、フッ素石膏15%、水酸化カルシウム25%、アルミナセメント9.4%、砂糖0.1%および水酸化リチウム0.4%が含まれている。製造された「雌体」は5500cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
Figure 0004700348
表8は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ40%、鉄鋼スラグ30%、フライアッシュ13.5%、砂糖0.1%およびリグニンスルホン酸塩0.25%が含まれ、「雄体」にはリン酸石膏13%、石灰2%、水酸化ナトリウム0.5%、炭酸リチウム0.6%およびリグニンスルホン酸塩0.05%が含まれている。製造された「雌体」は4000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表8は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ60%、流動床炉スラグ13.8%、蜜0.15%および酒石酸0.15%が含まれ、「雄体」にはリン酸石膏18%、石灰7%、塩化リチウム0.7%および可溶性炭酸塩0.2%が含まれている。製造された「雌体」は4500cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表8は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ50%、リン鉱物スラグ18.8%、フライアッシュ5%、クエン酸0.2%およびホウ酸0.15%が含まれ、「雄体」にはフッ素石膏10%、石灰10%、ポルトランドセメント5%および砂糖0.15%が含まれている。製造された「雌体」は4000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表8は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ50%、チタニウムスラグ14%、酒石酸塩0.2%およびリグニンスルホン酸塩0.2%が含まれ、「雄体」には二水石膏20%、化学工業石灰12%、サルフォアルミネート系セメント3%、水酸化リチウム0.5%および蜜0.1%が含まれている。製造された「雌体」は4000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表8は湿式セメントで構成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ44.1%、リグニンスルホン酸塩0.3%およびホウ砂0.2%が含まれ、「雄体」には石膏35%、石灰15%、ポルトランドセメント4.8%、水酸化リチウム0.5%および酒石酸0.1%が含まれている。製造された「雌体」は5000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表8は湿式セメントで構成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ35%、リグニンスルホン酸塩0.1%、酒石酸0.1%およびホウ酸0.02%が含まれ、「雄体」にはリン酸石膏10%、フッ素石膏20%、水酸化カルシウム20%、アルミナセメント15%、塩化リチウム0.6%およびクエン酸0.18%が含まれている。製造された「雌体」は5500cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
Figure 0004700348
様々な出発材料と様々な割合を使用してモルタルを作った実施例を以下に示す。
表9は湿式セメントで構成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ49.15%、製鋼スラグ40%、酒石酸0.3%およびホウ酸0.05%が含まれ、「雄体」には炭酸リチウム0.5%および水ガラス10%が含まれている。製造された「雌体」は4500cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表9は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」には焼却石炭脈石80%、リグニンスルホン酸塩0.1%および酒石酸0.1%が含まれ、「雄体」には水ガラス18%、塩化リチウム0.3%および塩化ナトリウム1.5%が含まれている。製造された「雌体」は5000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表9は湿式セメントで構成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」には破砕煉瓦78%およびクエン酸0.2%が含まれ、「雄体」には水ガラス20%、水酸化リチウム0.3%および塩化ナトリウム1.5%が含まれている。製造された「雌体」は5000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
表9は湿式セメントで構成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはリン鉱スラグ97%が含まれ、「雄体」には石灰2.7%および水酸化リチウム0.3%が含まれている。製造された「雌体」は5000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
Figure 0004700348
表10は湿式セメントで構成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」は表2にあるように試料1、2および3からなり、各々75%の含有量があり、クエン酸0.2%が含まれている。「雄体」には石膏15%、石灰8%、水酸化リチウム0.3%、塩化ナトリウム1.2%および塩化カルシウム0.5%が含まれている。製造された「雌体」は5000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
Figure 0004700348
表11は湿式セメントで形成されたモルタルの強度データを示す。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」は表3にあるように試料4、5および6からなり、各々75%の含有量があり、クエン酸0.2%が含まれている。「雄体」には石膏15%、石灰8%、水酸化リチウム0.3%、塩化ナトリウム1.2%および塩化カルシウム0.5%が含まれている。製造された「雌体」は5000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
Figure 0004700348
シアライト2成分系湿式セメントを鉱山埋め戻しに使用した状況を以下に示す。
以下の表12はシアライト2成分系湿式セメントを使用して川砂を凝結し、鉱山埋め戻しに使用した時の川砂の強度を示す。
湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ65%、流動床炉スラグ13.7%およびリグニンスルホン酸塩0.1%が含まれ、「雄体」にはリン酸石膏9%、石灰11%、水酸化ナトリウム0.8%および炭酸リチウム0.4%が含まれている。製造された「雌体」は4500cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
Figure 0004700348
以下の表13はシアライト2成分系湿式セメントを使用して選鉱くずを凝結し、鉱山埋め戻しに使用した時の選鉱くずの強度を示す。
湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ71.4%、流動床炉スラグ10%、クエン酸0.1%およびホウ酸0.15%が含まれ、「雄体」にはフッ素石膏10%、石灰8%、塩化リチウム0.3%およびクエン酸0.05%が含まれている。製造された「雌体」は4500cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
Figure 0004700348
シアライト2成分系湿式セメントを使用して建築用ブロックを製造する方法を以下に示す。
以下の表14はシアライト2成分系湿式セメントを使用して凝固させたライアッシュの強度データを示す。湿式セメントの一部とフライアッシュを(乾燥重量ベースで)1:9の割合で均一に混ぜ、水と残りの湿式セメントを(乾燥重量ベースで)0.2:1の割合で均一に混ぜたあと、それらを混ぜ合わせ型に流し振動成形し、標準養生ケースに入れて養生する。コンクリートを3日間、7日間および28日間、養生したあとのコンクリートの曲げ強度と圧縮強度をそれぞれ測定する。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ45%、鉄鋼スラグ35%、リグニンスルホン酸塩0.3%およびホウ酸0.2%が含まれ、「雄体」にはフッ素石膏6%、石灰12%、水酸化ナトリウム1%、水酸化リチウム0.4%および酒石酸0.1%が含まれている。製造された「雌体」は4000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
Figure 0004700348
以下の表15はシアライト2成分系湿式セメントを使用して凝固させたフライアッシュの強度データを示す。湿式セメントの一部とフライアッシュを(乾燥重量ベースで)1:5の割合で均一に混ぜ、水と残りの湿式セメントを(乾燥重量ベースで)0.2:1の割合で均一に混ぜたあと、それらを混ぜ合わせ型に流し振動成形し、標準養生ケースに入れて養生する。コンクリートを3日間、7日間および28日間、養生したあとコンクリートの曲げ強度と圧縮強度をそれぞれ測定する。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ50%、リン鉱物スラグ26.9%、砂糖0.1%およびクエン酸0.2%が含まれ、「雄体」にはリン酸石膏6%、石灰13%、炭酸ナトリウム1%、炭酸リチウム0.3%、水ガラス1.5%および塩化ナトリウム1%が含まれている。製造された「雌体」は4000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
Figure 0004700348
以下の表16はシアライト2成分系湿式セメントを使用して凝固させた砂土の強度データを示す。湿式セメントと砂土を(乾燥重量ベースで)均一に混ぜ、それらを混ぜ合わせ型に流し振動成形し、標準養生ケース(20℃)に入れて養生する。コンクリートを3日間、7日間および28日間、養生したあとコンクリートの曲げ強度と圧縮強度をそれぞれ測定する。湿式セメントについては(乾燥重量ベースで)「雌体」にはスラグ60%、鉄鋼スラグ16.85%、蜜0.15%および酒石酸0.1%が含まれ、「雄体」にはフッ素石膏8%、石灰11%、水酸化リチアム0.4%、炭酸ナトリウム1%、塩化カルシウム1.5%および水ガラス1%が含まれている。製造された「雌体」は4000cm2/gの比表面積を有し、製造された「雄体」は4000cm2/gの比表面積を有している。
Figure 0004700348
上記の実験および試験から以下のことがいえる。本発明のシアライト2成分系湿式セメントは建築用に用いられる従来のセメントの代用品として使用することができるが、埋め戻し材および支保材としても良好であるので、鉱山埋め戻し材および支保材ならびに路床補強材としても使用することができる。シアライト2成分系湿式セメントには大変強い固化能力があり、特に粘土含有量の多い砂土にはその能力を発揮する。
シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」を製造するための流れ図グラフである。 シアライト2成分系湿式セメントの「雄体」を製造するための流れ図グラフである。 乾式粉砕方法によってシアライト2成分系湿式セメントの「雄体」を製造するための流れ図グラフである。 CaO−Al23−SiO2系についての三成分系状態図である。 シアライト2成分系湿式セメントの「雌体」を製造するための製造工程を示すグラフである。 シアライト2成分系湿式セメントの「雄体」を製造するための製造工程を示すグラフである。
符号の説明
1…出発材料保管区域、2…クラムシェルクレーン、3…ハンマクラッシャ、4…バケットエレベータ、5…ベルトコンベヤ、6…ロード分配機およびベルト秤量機、7…出発材料保管庫、8…ボールミル、9…渦巻型分級機、10…濃縮機、11…セラミックフィルタ、12…仕上り製品包装ライン、13…バラ状仕上り製品包装ライン

Claims (27)

  1. 雌体および雄体から構成され、前記雌体および前記雄体の両者が別々に製造され、保管され、かつ輸送され、また前記雌体および前記雄体が使用されるときに一緒に混合される2成分系湿式セメントであって、
    記雄体が無機セメント系材料および水から構成され、その製造、保管、輸送、および使用の全期間中、湿潤状態のスラリ、ペースト、もしくは湿潤粉末の形態であり、
    前記雌体が無機系材料および水から構成され、その製造、保管、輸送、および使用の全期間中、湿潤状態のスラリ、ペースト、もしくは湿潤粉末の形態であり、
    記雄体を構成する前記無機セメント系材料および前記雌体を構成する前記無機系材料は粉体であり、当該粉体がそれぞれ比表面積2800〜7500cm/gを有し、
    前記湿式セメントの前記雌体および前記雄体の割合が、前記雌体が60重量%〜99重量%の範囲にあり、前記雄体が1重量%〜40重量%の範囲にあるものであり、
    前記雌体において、前記無機系材料の割合として、CaOが20重量%〜55重量%の範囲にあり、Alが2重量%〜25重量%の範囲にあり、SiOが36.85重量%〜70重量%の範囲にあり、MgOが1.55重量%〜40重量%の範囲にあり、かつFeが0重量%〜25重量%の範囲にあり、
    前記雌体を構成する前記無機系材料は、非晶質または/および微結晶の製鉄スラグ、製鋼スラグ、流動床炉スラグ、フライアッシュ、廃ガラス、リン鉱スラグ、チタン鉱スラグ、蛍石鉱スラグ、石炭焼却後に生まれた微粉スラグ、石炭燃焼用ボイラより生まれた非晶質または/および微結晶の石炭燃焼ボイラスラグ、CaO−Al −SiO 三成分系状態図におけるポルトランドセメントとガラスの間の領域内に位置する非晶質または/および微結晶ガラス物質、500〜1000℃で仮焼および脱水した頁岩、粘土、石炭脈石;廃れんが、廃タイル、廃セラミックス、ポゾラン、真珠岩、黒曜石、軽石、砂岩、石英砂、鉱山尾鉱、ゼオライトから選択される少なくとも1種であり、
    前記雄体において、pH=7〜14、かつ前記無機セメント系材料の割合として、CaOが0超〜40重量%の範囲にあり、SOが0重量%〜55重量%の範囲にあり、かつROが0重量%〜80重量%の範囲にあり、またRがアルカリ金属であることを特徴とする2成分系湿式セメントであって、
    前記雌体の水分含量が、10重量%〜70重量%であり、かつ
    前記雄体の水分含量が、15重量%〜85重量%であることを特徴とする2成分系湿式セメント。
  2. 前記雄体のアルカリ金属はKおよび/またはNaであることを特徴とする請求項1に記載の2成分系湿式セメント。
  3. 前記湿式セメントの前記雌体および前記雄体の割合が、前記雌体が70重量%〜99重量%の範囲にあり、また前記雄体が1重量%〜30重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の2成分系湿式セメント。
  4. 前記湿式セメントの前記雌体および前記雄体の割合が、前記雌体が70重量%〜95重量%の範囲にあり、また前記雄体が5重量%〜30重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の2成分系湿式セメント。
  5. 前記雌体または/および前記雄体が前記雌体および前記雄体の凝固時間および作業特性を調整するための調整剤をさらに含み、
    前記雌体が前記調整剤を含む場合には、前記調整剤は前記雌体の製造期間中に、または/および前記雌体の製造後に添加され、
    前記雄体が前記調整剤を含む場合には、前記調整剤は前記雄体の製造期間中に、または/および前記雄体の製造後に添加されることを特徴とする請求項1に記載の2成分系湿式セメント。
  6. 前記雌体において、前記無機系材料の割合として、SiOが50重量%〜70重量%の範囲にあり、MgOが4重量%〜13重量%の範囲にあり、かつFeが0重量%〜12重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の2成分系湿式セメント。
  7. 前記雄体において、前記無機セメント系材料の割合として、SOが0重量%〜40重量%の範囲にあり、かつROが0重量%〜20重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の2成分系湿式セメント。
  8. 前記雌体は、非晶質または/および微結晶の製鉄スラグ、製鋼スラグ、流動床炉スラグ、フライアッシュ、廃ガラス、リン鉱スラグ、チタン鉱スラグ、蛍石鉱スラグ、石炭焼却後に生まれた微粉スラグおよびそれらの混合物から選択される1種または2種以上、ならびに水および調整剤を湿式粉砕することにより作製される湿式材料であることを特徴とする請求項1または5に記載の2成分系湿式セメント。
  9. 前記雌体は、石炭燃焼用ボイラより生まれた非晶質または/および微結晶の石炭燃焼ボイラスラグを、水および調整剤と一緒に混合し、次いで湿式粉砕ステップを実施することによって製造される湿式材料であることを特徴とする請求項1に記載の2成分系湿式セメント。
  10. 石炭燃焼用ボイラより生まれた前記石炭燃焼ボイラスラグは「燃料中にカルシウムを添加する」方法によって作製され、前記ボイラスラグは燃料として石炭を採用する種々の産業用ボイラからのものであり、
    前記方法は、
    所与の量の生石灰、消石灰、および石灰石、ならびに少量の鉱化剤を前記ボイラスラグに添加するステップと、
    スラグ除去プロセスの間に(前記スラグが炉床内部にあるときとし、もしくは炉床から離れて行くとき)、または前記スラグ除去プロセス後に続く処理プロセスの間に、前記スラグが部分的にもしくは完全に溶融されるように高温で前記ボイラスラグを溶融するステップと、
    次いで、非晶質または/および微結晶の材料を形成するために、溶融した前記ボイラスラグを急速に冷却するステップと、
    を含む請求項9に記載の2成分系湿式セメント。
  11. 石炭燃焼用ボイラより生まれた前記石炭燃焼ボイラスラグは「スラグ中にカルシウムを添加する」方法によって作製され、前記ボイラスラグは燃料として石炭を採用する種々の産業用ボイラからのものであり、
    所与の量の生石灰、消石灰、および石灰石、ならびに少量の鉱化剤を、焼成後に排出される石炭アッシュスラグに添加するステップと、
    スラグ除去プロセスの間に、または前記スラグ除去プロセス後に続く処理プロセスの間に、前記スラグが部分的にもしくは完全に溶融されるように高温で前記石炭アッシュスラグを溶融するステップと、
    次いで、非晶質または/および微結晶の材料を形成するために、溶融した前記石炭アッシュスラグを急速に冷却するステップと、
    を含む請求項9に記載の2成分系湿式セメント。
  12. 前記雌体は、CaO−Al −SiO 三成分系状態図におけるポルトランドセメントとガラスの間の領域内に位置する非晶質または/および微結晶ガラス物質を前記無機系材料として含む湿式材料であり、
    前記湿式材料は、
    CaO−Al−SiO三成分系状態図におけるポルトランドセメントとガラスの間の領域内に位置する非晶質または/および微結晶ガラス物質を出発材料として選択し、
    潜在的に水硬活性を有する微結晶または/およびガラス質物質を、出発材料の選択、配合、混合−粉砕、仮焼、溶融の各ステップによって得て、
    次いで得られた前記物質を水および調整剤と一緒に混合し、ならびに湿式粉砕するステップを実施することにより作製されたものであることを特徴とする請求項1または5に記載の2成分系湿式セメント。
  13. 前記雌体は、500〜1000℃で仮焼および脱水した頁岩、粘土、石炭脈石、またはそれらの混合物のうちの1種または2種以上を前記無機系材料として含む湿式材料であり、
    前記湿式材料は、
    500〜1000℃で仮焼および脱水した頁岩、粘土、石炭脈石、またはそれらの混合物のうちの1種または2種以上を水および前記調整剤と一緒に混合し、次いで湿式粉砕ステップを実施して作製されたものであることを特徴とする請求項1または5に記載の2成分系湿式セメント。
  14. 前記雌体は、廃れんが、廃タイル、および廃セラミックス、ならびにそれらの混合物から選択した1種または2種以上を前記無機系材料として含む湿式材料であり、
    前記湿式材料は、
    廃れんが、廃タイル、および廃セラミックス、ならびにそれらの混合物から選択した1種または2種以上を水および調整剤と一緒に混合し、次いで湿式粉砕ステップを実施して作製されたものであることを特徴とする請求項1または5に記載の2成分系湿式セメント。
  15. 前記雌体の前記無機系材料が、ポゾラン、真珠岩、黒曜石、軽石、砂岩、石英砂、鉱山尾鉱、ゼオライト、およびそれらの混合物から選択した1種または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の2成分系湿式セメント。
  16. 前記雄体は湿式材料であり、
    前記湿式材料は、
    天然無水石膏、二水石膏、半水石膏、リン酸石膏、フッ酸石膏、塩石膏、石灰、水酸化カルシウム、化学工業石灰、セメントクリンカ、およびそれらの混合物から選択された1種または2種以上を水および調整剤と一緒に混合して作製されたものであることを特徴とする請求項1または5に記載の2成分系湿式セメント。
  17. 前記雄体および前記雌体の凝固時間および作業特性を調整するための前記調整剤が、糖、蜂蜜、クエン酸およびクエン酸塩、酒石酸および酒石酸塩、溶解可能な炭酸塩、塩化物、溶解可能なケイ酸塩、溶解可能な硫酸塩、水ガラス、塩素酸塩、リグニンスルホン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩、およびそれらの混合物から選択された1種または2種以上からなることを特徴とする請求項5に記載の2成分系湿式セメント。
  18. 前記雌体の水分含量が、25重量%〜70重量%であることを特徴とする請求項1に記載の2成分系湿式セメント。
  19. 前記雄体の水分含量が、25重量%〜70重量%であることを特徴とする請求項1に記載の2成分系湿式セメント。
  20. 前記調整剤の量が、前記雄体および前記雌体の合計乾燥重量に対して0重量%を超え10重量%までであることを特徴とする請求項1または5に記載の2成分系湿式セメント。
  21. 前記調整剤の量が、前記雄体および前記雌体の合計乾燥重量に対して0重量%を超え5重量%までであることを特徴とする請求項20に記載の2成分系湿式セメント。
  22. 請求項1に記載の2成分系湿式セメントを製造する方法であって、
    要求されている前記比表面積を満たす前提のもとに、湿式破砕および湿式粉砕に適した機械の種々の組合せを用いて、また「最初に混合、次いで粉砕」と呼ぶ方法を用い、前記方法において、前記雌体の出発原料および前記雄体の出発材料のそれぞれをそれら自体の割合において混合し、
    次いで、前記雌体の出発原料および前記雄体の出発材料を湿式破砕しかつ湿式粉砕してそれぞれの湿式材料を得て、
    得られた前記雌体用の湿式材料および前記雄体用の湿式材料を別々に保管しまた輸送することを特徴とする2成分系湿式セメントの製造方法。
  23. 請求項1に記載の2成分系湿式セメントを製造する方法であって、
    要求されている前記比表面積を満たす前提のもとに、湿式破砕および湿式粉砕に適した機械の種々の組合せを用いて、また「最初に粉砕、次いで混合」と呼ぶ方法を用い、前記方法において、前記雌体および前記雄体の出発材料をそれぞれ、最初に粉砕性に基づいて湿式破砕しかつ湿式粉砕し、
    次いで微粉砕された前記出発材料をそれぞれ湿式材料が得られるようにそれら自体の割合において混合しかつ均質化すること、ならびに得られた前記雌体用の湿式材料および前記雄体用の湿式材料を別々に保管しまた輸送することを特徴とする2成分系湿式セメントの製造方法。
  24. 請求項1から21のいずれか1項に記載の2成分系湿式セメントを使用する方法であって、
    記雌体および前記雄体を、水および骨材と一緒に混合して、コンクリートを製造することを特徴とする2成分系湿式セメントの使用方法。
  25. 前記骨材が、山砂、川砂、海砂、ゴビ砂、砕石、バラ状石、廃石、石炭脈石、粘土、鉱物分級砂、鉱物尾鉱全般、産業廃棄物スラグ、およびそれらの混合物の1種または2種以上から選択されることを特徴とする請求項24に記載の2成分系湿式セメントの使用方法。
  26. 請求項1に記載の2成分系湿式セメントを使用する方法であって、
    前記雌体および前記雄体を混合して、液相と固相との間の水和反応および化学反応を生じさせ、それにより結晶型、ゲル型、網目型、またはそれらの混合物の1種であるセメント系材料を生成させることを特徴とする2成分系湿式セメントの使用方法。
  27. 建造物、交通、水保全、鉱山埋め戻しおよび支保、路床補強または地下工事の分野における請求項1に記載の2成分系湿式セメントの使用。
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