JP4699654B2 - 画像圧縮装置及び画像圧縮方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿のディジタル画像データの圧縮符号化を行う画像圧縮装置及び画像圧縮方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スキャナやディジタルスチルカメラ等で読み取った原稿のディジタル画像データを所定の画素マトリクスで成るブロックに分割し、分割後の各ブロックの画像データに対して圧縮符号化処理を施し、圧縮符号化後の画像データを記憶装置等に出力するタイプの画像圧縮装置が提案されている。
【0003】
上記タイプの画像圧縮装置としては、いわゆる最大最小値近似法を採用するものが知られている。当該最大最小値近似法では、4×4画素を1ブロックとして取り扱う。まず、1ブロックを、例えば、2×2画素マトリクスのサブブロック4つに分割し、例えば、ウェーブレット変換を用いてサブブロック内のエッジ成分の有無について判断する。エッジ成分を有すると判断された全てのサブブロックの画素の画像データの最大値及び最小値を特定する。特定した画像データの最大値と最小値の中間値をしきい値Thとして、4×4画素のブロック内の当該しきい値Th以上の値の画像データの画素に”1”の符号データを割り当てると共に、これらの画素の画像データの平均値Aを求める。他方、当該しきい値Thより小さな値の画像データの画素に”0”の符号データを割り当てると共に、これらの画素の画像データの平均値Bを求める。各画素に割り当てられた各1ビットの符号データ、平均値A、平均値Bを含むデータを圧縮符号データとして出力する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記最大最小平均値近似法では、ブロック内の各画素の画像データの分布情報、特に、エッジを有している場合の情報が消失してしまい、原画像の再現性が悪いといった問題を有していた。
【0005】
そこで、本発明は、特にブロック内にエッジを有している場合の再現性を改善する画像圧縮装置及び画像圧縮方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の画像圧縮装置は、画像データを所定の画素マトリクスのブロックに分割し、ブロック単位で圧縮符号化を行う画像圧縮装置において、
上記ブロックを複数のサブブロックに分割し、各サブブロックについてエッジ成分の有無を判定するエッジ判定手段と、
上記エッジ判定手段によりエッジ成分があると判定された全サブブロックの画素の画像データの平均値を求め、当該求めた平均値を上記符号化手段のしきい値として出力する全画素平均値算出手段と、
前記ブロック内の画像データと前記全画素平均値算出手段より出力されるしきい値とを比較し、当該しきい値Th以上の画像データを持つ画素に対して符号”1”を出力すると共に、しきい値Thに満たない画像データを持つ画素に対して符号”0”を出力する2値化手段を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の画像圧縮装置は、上記エッジ判定手段が、サブブロック内の画像データに対してウェーブレット変換を行い、当該変換により得られるウェーブレット係数の値に基づいてエッジ成分の有無を判断することを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の画像圧縮装置は、
上記符号化手段により”1”の符号データの割り当てられた画素の画像データの平均値Aと、”0”の符号データの割り当てられた画素の画像データの平均値Bを求める平均値A,B算出手段と、
上記符号化手段により2値化された各画素の符号データと、上記平均値A,B算出手段により算出された平均値A及び平均値Bのデータを含む圧縮符号データを出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の第4の画像圧縮装置は、
各ブロックの画像データを、走査ラインに沿って複数のラインブロックに分割して上記符号化手段に供給する手段と、
上記ラインブロック間の画像データの平均値のばらつきに基づいて、各ラインブロックについての符号データ、平均値A及び平均値Bを補正して、上記所定の画素マトリクスのブロックの符号データ、平均値A、平均値Bを特定する圧縮符号データ補正手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の第1の画像圧縮方法は、
画像データを所定の画素マトリクスのブロックに分割し、ブロック単位で圧縮符号化を行う画像圧縮方法において、
ブロックを複数のサブブロックに分割し、各サブブロックについてエッジ成分の有無を判定するエッジ判定工程と、
上記エッジ判定工程によりエッジ成分があると判定された全サブブロックの画素の画像データの平均値を求め、当該求めた平均値を上記符号化工程のしきい値として出力する全画素平均値算出工程と、
前記ブロック内の画像データと前記全画素平均値算出手段より出力されるしきい値とを比較し、当該しきい値Th以上の画像データを持つ画素に対して符号”1”を出力すると共に、しきい値Thに満たない画像データを持つ画素に対して符号”0”を出力する2値化工程を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の画像圧縮方法は、
上記エッジ判定工程は、サブブロック内の画像データに対してウェーブレット変換を行い、当該変換により得られるウェーブレット係数の値に基づいてエッジ成分の有無を判断することを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の画像圧縮方法は、
上記符号化工程において”1”の符号データの割り当てられた画素の画像データの平均値Aと、”0”の符号データの割り当てられた画素の画像データの平均値Bを求める平均値A,B算出工程と、
上記符号化工程により2値化された各画素の符号データと、上記平均値A,B算出工程により算出された平均値A及び平均値Bのデータを含む圧縮符号データを出力する出力工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の第4の画像圧縮方法は、
各ブロックの画像データを、走査ラインに沿って複数のラインブロックに分割して上記符号化工程に供給する手段と、
上記ラインブロック間の画像データの平均値のばらつきに基づいて、各ラインブロックについての符号データ、平均値A及び平均値Bを補正して、上記所定の画素マトリクスのブロックの符号データ、平均値A、平均値Bを特定する圧縮符号データ補正工程とを備えることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
(1)発明の概要
本発明の画像圧縮装置及び画像圧縮方法は、画像データを所定の画素マトリクスで成るブロックに分割し、当該ブロック単位で符号化を行う際に、ブロック内の全画素の画像データの平均値をしきい値Thとして、当該しきい値Th以上の画像データ値の画素に”1”の符号データを割り当てると共に、これらの画素の画像データの平均値Aを求める。他方、当該しきい値Thより小さな値の画像データの画素に”0”の符号データを割り当てると共に、これらの画素の画像データの平均値Bを求める。これにより、圧縮符号化したデータから再現される原稿画像の質を向上する。
以下、上記特徴を具備する本発明の画像圧縮装置及び画像圧縮方法の実施の形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。
【0017】
(2)第1実施形態
(2-1)第1実施例に係る画像圧縮装置の構成及び動作
図1は、4×4画素を1ブロックとして画像データの圧縮符号化を行う画像圧縮装置1の構成を示す図である。また、図2〜図6は、画像圧縮装置1の各部の構成を示す図である。画像圧縮装置1に入力される第1ラインの画像データはFIFO2に格納され、第2ラインの画像データはFIFO3に格納され、第3ラインの画像データはFIFO4に格納される。当該第1乃至第3ラインの画像データの格納後、第4ラインの画像データの入力に同期してFIFO2,3,4はデータの出力を開始する。この結果、4×4レジスタ5に4ライン分の画像データがパラレルに入力される。当該レジスタ5は、パラレルに入力される4ライン分の画像データを4×4画素単位で2×2ウェーブレット変換器6、平均値算出器8、及び、平均値/画素値符号化器9に出力する。
【0018】
2×2ウェーブレット変換器6は、4×4画素単位で構成される1ブロックを2×2画素単位で構成される4つのサブブロックに分割し、各サブブロックの画像データに対して2×2ウェーブレット変換を施し、当該変換処理により得られるウェーブレット係数をエッジ検出器7に出力する。
【0019】
図2は、エッジ検出器7の構成を示す図である。2×2ウェーブレット変換により得られる2×2ウェーブレット係数は、レジスタ20に順に格納される。レジスタ20は、”HH”領域のウェーブレット係数(周知のように、水平及び垂直方向に高域フィルタをかけた信号であり、斜め方向のエッジ成分が現れる係数である。)を比較器21に出力する。比較器21は、”HH”のウェーブレット係数がしきい値Eth以上の場合、当該ブロック内にエッジ成分が有ると判断してエッジ有り”1”の判定信号Eを、しきい値Ethに満たない場合にはエッジ無しと判断してエッジ無し”0”の判定信号Eを平均値算出器8及び圧縮符号データ形成器11に出力する。
【0020】
再び図1を参照する。平均値算出器8は、レジスタ5から出力される1ブロック、即ち、4×4画素の画像データの平均値Aveを求め、求めた平均値Aveをしきい値Thとして符号化器9に出力すると共に、平均値/画素値比較器10に出力する。なお、4×4画素の画像データの平均値Aveを求める際、エッジを持たないべた画像のサブブロックの画像データは、全て”0”であるとして取り扱い、エッジ有りのサブブロックだけの画像データの平均値を全体の平均値Aveとして求め、求めた平均値Aveをしきい値Thとして符号化器9及び平均値/画素値比較器10に出力する。当該平均値算出器8の構成については後に図3を用いて説明する。
【0021】
符号化器9は、4×4画素の各画像データと上記しきい値Th(平均値Ave)と比較し、当該しきい値Th以上の値の画像データの画素に”1”の符号データを割り当てて圧縮符号データ形成器11に出力すると共に、しきい値Thに満たない値の画像データに”0”の符号データを割り当てて圧縮符号データ形成器11に出力する。当該符号化器9の構成は、後に図4を用いて説明する。
【0022】
平均値/画素値比較器10は、4×4画素の各画像データと上記しきい値Thと比較し、しきい値Th以上の値の画像データの平均値Aを求めると共に、しきい値Thに満たない値の画像データの平均値Bを求め、これら平均値A及び平均値Bを圧縮符号データ形成器11に出力する。当該平均値/画素値比較器10の構成は、後に図5を用いて説明する。
【0023】
圧縮符号データ形成器11は、4×4画素の1ブロックに割り当てられた”1”又は”0”の符号、平均値A、平均値B、サブブロック4つ分のエッジの有無を表す判定信号E(サブブロック4つ×各1ビットの判定信号E)より成る1組のシリアルデータを形成し、当該データを圧縮符号データとして外部に出力する。当該圧縮符号データ形成器11の構成は、後に図6を用いて説明する。
【0024】
(2-2)平均値算出器の構成
図3は、上記平均値算出器8の構成を示す図である。セレクタ22は、エッジ検出器7より出力されるエッジ判定信号Eの値が”1”の場合、即ち、ウェーブレット変換を施した2×2画素のサブブロックにエッジ成分が含まれている場合、第1入力端子に入力される当該サブブロックの画像データを選択して2入力加算器23の第1入力端子に出力する。他方、セレクタ22は、エッジ判定信号Eの値が”0”の場合、当該サブブロックについては、画像データの代わりに第2入力端子に入力される”0”のデータを加算器23の第1入力端子に出力する。
【0025】
加算器23、セレクタ24及び2bitカウンタ25は、2×2画素の画像データの合計を求める累算器として機能する。加算器23は、第1入力端子に入力されるセレクタ22からのデータと、次段のセレクタ24から第2入力端子にフィードバックされるデータとの合計を求め、求めた合計をセレクタ24に出力する。
【0026】
セレクタ24は、2×2画素分の画像データのシリアル入力に同期してカウントアップを行う2bitカウンタ25の出力が”11”から”00”に桁上がり(オーバーフロー)するまで、加算器23から出力されるデータを当該加算器23の第2入力端子にフィードバックする。セレクタ24は、上記2bitカウンタ25の出力が”11”から”00”に桁上がりする場合、即ち、加算器23において2×2画素の画像データの合計が求められた場合に、当該合計値を表すデータを除算器26に出力する。
【0027】
除算器26では、入力された2×2画素の画像データの合計値を4で除算して平均値を求め、当該求めた平均値を2入力加算器27の第1入力端子に出力する。なお、エッジ成分が無いと判断された2×2画素のブロックは、全ての画像データが”0”に置き換えられるため、平均値も”0”である。
【0028】
加算器27、セレクタ28及び2bitカウンタ25は、4×4画素のブロックを構成する4つのサブブロックの平均値の合計を求める累算器として機能する。加算器27は、第1入力端子に入力される2×2画素の平均値と、第2入力端子にセレクタ28からフィードバックされるデータとの合計を求め、求めた合計をセレクタ28に出力する。セレクタ28は、上記2bitカウンタ25の出力が”11”から”00”に桁上がり(オーバーフロー)する場合を除いて、加算器27から入力されるデータを当該加算器27の第2入力端子にフィードバックする。セレクタ28は、上記2bitカウンタ25の出力が”11”から”00”に桁上がりする場合、即ち、加算器27においてサブブロック4つ分の画像データの平均値の合計が求められた場合、当該合計値を表すデータを除算器29に出力する。
【0029】
カウンタ30は、合計4つのサブブロックの内、エッジ成分を有していると判断されたサブブロックの数、即ち、エッジ判定信号Eが”1”であるサブブロックの数をカウントする。除算器29は、上記エッジ成分を有するサブブロックの平均値の合計を、上記カウンタ30のカウント値で割り算する。これにより、1ブロック(4×4画素)全体の平均値Aveが算出される。上記求められた平均値Aveは、しきい値Thとして符号化器9及び平均値/画素値比較器10に出力される。
【0030】
(2-3)比較器の構成
図4は、符号化器9の構成を示す図である。符号化器9は、いわゆる比較器であり、ブロック内の4×4画素の画像データと上記平均値算出器8より出力されるしきい値Thとを比較し、当該しきい値Th以上の画像データを持つ画素に対して符号”1”を出力すると共に、しきい値Thに満たない画像データを持つ画素に対して符号”0”を出力する。
【0031】
(2-4)平均値/画素値比較器の構成
図5は、平均値/画素値比較器10の構成を示す図である。比較器33、ANDゲート34及びANDゲート39は、4×4画素の画像データと平均値算出器8より出力されるしきい値Thと比較して、しきい値以上の画像データと、しきい値Thに満たない値の画像データを選別する機能を果たす。4×4レジスタ5からの4×4画素単位の画像データは、まず、比較器33に入力される。比較器33では、上記平均値算出器8より入力されるしきい値Th(平均値Ave)と画像データとの比較を行い、画像データ値がしきい値Th以上の場合には”1”を出力し、画像データ値がしきい値Thに満たない場合には”0”を出力する。
【0032】
当該比較器33の出力は、ANDゲート34にそのまま印加されると共に、ANDゲート39に反転して印加される。ANDゲート34,39の残りの信号入力端子には、それぞれ画像データが入力される。ANDゲート34は、画像データがしきい値Th以上の場合に画像データを次段の加算器35に出力し、ANDゲート39は、画像データがしきい値Thに満たない場合に、画像データを次段の加算器40に出力する。
【0033】
各ANDゲート34,39の後段には、入力される画像データの4×4画素分の累計を求め、求めた累計値を16で除算して平均値A,Bを求める回路が設けられている。平均値Aを求める回路と平均値Bを求める回路は同じ構成であるので、以下、ANDゲート34の後段に設ける平均値Aを求める回路についてのみ説明する。ANDゲート39の後段に設ける平均値Bを求める回路については、以下の説明文中に対応する参照番号を括弧書きするにとどめる。
【0034】
加算器35(40)、セレクタ36(40)及び4bitカウンタ37は、ANDゲート34(39)から出力される4×4画素分の画像データの合計を求める累算器として機能する。ANDゲート34(39)の出力は、2入力加算器35(40)の第1信号入力端子に入力される。加算器35(40)の残りの第2信号入力端子には、次段のセレクタ36(41)よりフィードバックされてくる累計値のデータが印加される。セレクタ36(41)は4bitカウンタ37が”1111”から”0000”へと桁あふれを起こすまでの間、加算器35(40)の出力を当該加算器35(40)の第2信号入力端子にフィードバックする。セレクタ36(41)は、4bitカウンタ37の桁あふれに伴い、加算器35(40)の出力を次段の除算器38(42)に出力する。除算器38(42)は、入力された4×4画素分の累計値を16で除算し、除算結果を平均値A(平均値B)として出力する。
【0035】
(2-5)符号化器の構成
図6は、圧縮符号データ形成器11の構成の一例を示すものである。圧縮符号データ形成器11は、平均値A(8ビット)、平均値B(8ビット)、符号データ(16ビット)、及び、4つのサブブロック分のエッジ判定信号E(4×1ビット)の合計36ビットのデータを格納するレジスタ43で成る。レジスタ43は、上記各々のデータの格納の完了と共に、これらのデータを合計36ビットの圧縮符号データとしてシリアルに出力する。
【0036】
なお、上記画像圧縮装置1における各機能部の一部又は全部を、ソフトウェア処理によって実現することとしても良い。
【0037】
(2-6)効果の説明
圧縮符号装置1では、従来の最大最小平均値近似法のように4×4画素の内、エッジ成分を有する所定領域の画像データの最大値及び最小値の平均値(以下、最大最小平均値という)をしきい値Thとするのではなく、4×4画素の内、エッジ成分を有する所定領域の全画素の画像データの平均値(以下、全画素平均値という)Aveをしきい値Thとすることを特徴とする。これにより、以下の効果が得られる。
【0038】
図7は、処理対象の原稿画像の画素データの値の分布を示すグラフである。従来の最大最小平均値近似法において用いる最大最小平均値をしきい値Thとする場合、殆どの画素が”0”と判断されてしまうことがわかる。この場合、再現画像が大きく劣化することになる。これに対して、圧縮符号装置1で採用するように、全画素平均値Aveをしきい値Thとする場合、画像データの分布に応じた”1”、”0”の判定が行われることが解る。これにより良好な再現画像を得ることができる。
【0039】
引き続き、しきい値Thの値として1ブロック(4×4画素)の内、エッジ成分を有する所定領域の全画素の画像データの平均値Aveを採用することの客観的な視覚効果について考える。上述したように、原画像は、全画素の画像データの平均値付近における階調がもっとも強くなる。
【0040】
図8は、所定の濃度の原画像に対して、処理ブロック内の全画素平均値Aveをしきい値Thとした場合の再現画像と、処理ブロック内の最大最小平均値をしきい値Thとした場合の再現画像のトーン(濃度、階調)の違いを視覚的に表した図であり、(a)に比較参照する原稿画像の一部を示す。
【0041】
図8の(b)は、上記全画素平均値Aveをしきい値Thとした場合の再現画像の内、上記(a)に対応する箇所の画像を示し、(c)は、上記最大最小平均値をしきい値Thとした場合の再現画像の内、上記(a)に対応する箇所の画像を示す。(b)及び(c)に示す図を比較すれば解るように、最大最小平均値をしきい値Thとする場合、本来の階調よりも低く再現されてしまう。
【0042】
処理ブロック内の画像データの平均値をしきい値として量子化するということは、高調波成分(ノイズ)を除去する平滑化処理を行うことと同じであり、最大最小値をしきい値Thとして用いて量子化する場合に比べて、全画素平均値Aveをしきい値Thとして2値化した場合のほうが、より効果的に高調波成分を除去することができ、滑らかな再現画像を得ることができる。
【0043】
図9の(a)は、最大最小平均値をしきい値Thとして量子化を行った場合に得られる再現画像の一部を示すものであり、(b)は、全画素平均値Aveをしきい値Thとして符号化した圧縮符号データから得られる再現画像の一部を示すものである。図示するように、画像内に点在するドットノイズは、全画素平均値Aveをしきい値Thとして用いた場合の再現画像の方が効果的に取り除かれていることが解る。
【0044】
(3)第2実施形態
(3-1)第2実施形態に係る画像圧縮装置の構成及び動作
上記第1実施形態の画像圧縮装置1では、4×4画素で成るブロックを処理単位としているため、3ライン分のFIFO2,3,4を備えることが必要であった。例えば、1画素が8ビットの画像データで表される多値階調画像であって、サイズがA4で画素密度が600dpiの原稿を処理する場合を想定すると、1ライン当たり、8bit×8Kwordの大きなサイズのFIFOが必要になる。これは、画像圧縮装置のコストを引き上げる原因となる。
【0045】
そこで、第2実施形態の画像圧縮装置50では、ウェーブレット変換器6が2×2画素単位で処理することに着目し、4×4画素の画像データで成るブロックを、走査ラインに沿って2つのラインブロック(以下、ハーフブロックという)に分割して符号化処理を行う。より詳しくは、先ず、第1及び第2ライン分の画像データを読み込み、2×4画素のハーフブロック単位で符号化処理を行った後、第3及び第4ライン目の2×4画素の画像データの処理を、先に読み込んだ2ライン分の画像データの処理結果を利用しながら行う。これにより、圧縮処理に必要なFIFOを1つに減らして装置全体のコストを低減する。
【0046】
図10は、第2実施形態に係る画像圧縮装置50の構成を示す図である。また、図11〜図15は、画像圧縮装置50の各機能部の構成を示す図である。実施の形態1に係る画像圧縮装置1と同じ構成物には同じ参照番号を付してここでの重複した説明は省く。まず、第1ラインの原稿の画像データがFIFO51に入力される。第1ラインの画像データの格納後、第2ラインの画像データの入力に伴い、FIFO51は画像データの出力を開始する。これにより、2×4レジスタ52に2ライン分の画像データがパラレルに格納される。当該2×4レジスタ52は、パラレルに入力される2ライン分の画像データを2×4画素のハーフブロック単位で2×2ウェーブレット変換器6、全画素平均値算出器53、符号化器9、及び、平均値A,B算出器54に出力する。
【0047】
エッジ検出器7は、2×2ウェーブレット変換器6の出力に基づいて当該2×2画素にエッジ成分が含まれているか否かについて判断し、エッジ成分有りの場合には”1”、エッジ成分無しの場合には”0”のエッジ判定信号Eを、全画素平均値算出器53及び中間値保存メモリ55に出力する。
【0048】
全画素平均値算出器53は、2×4画素のハーフブロックの画像データの平均値Aveを求め、求めた平均値Aveを符号化器9及び圧縮符号データ補正器56に出力する。より詳しくは、2×4画素の内、エッジ検出器7によりエッジ有りと判定された(エッジ判定信号Eが”1”)サブブロックの画像データの平均値Aveを求める。なお、第3及び第4ライン目の画像データを処理する際には、第3,第4ラインの2×4画素のハーフブロックの画像データの平均値Aveと、後に説明する第1,第2ライン平均値算出器により算出される第1,第2ラインの2×4画素のハーフブロックの画像データの平均値Ave1の平均を求め、求めた平均値を4×4画素のブロックの画像データの平均値Ave2として中間値保存メモリ55に出力する。当該全画素平均値算出器53の構成については、後に図11を用いて説明する。
【0049】
平均値A,B算出器54は、ブロック内の2×4画素の内、符号化器9により”1”の符号の付された画素の画像データの平均値A、及び、符号化器9により”0”の符号の付された画素の画像データの平均値Bを算出して中間値保存メモリ55に出力する。当該平均値A,B算出器54の構成については、後に図12を用いて説明する。
【0050】
中間値保存メモリ55は、第1,第2ラインに並ぶ全ハーフブロックについての圧縮符号データを格納する。当該圧縮符号データは、平均値A(8ビット)、平均値B(8ビット)、符号データ(8ビット)及びサブブロック2つ分のエッジ判定信号E(2ビット)から成る。引き続き行われる第3,第4ラインの2×4画素のハーフブロックについての圧縮符号化処理の実行に伴い、処理中のハーブブロックの圧縮符号データを圧縮符号データ補正器56に出力すると共に、処理中のハーフブロックの上側に対応する第1,第2ラインのハーフブロックについての圧縮符号データを上記圧縮符号データ補正器56及び第1,第2ライン平均値算出器57に出力する。当該中間値保存メモリ55の構成については、後に図13を用いて説明する。
【0051】
圧縮符号データ補正器56は、中間値保存メモリ55に格納されている第1,第2ラインの2×4画素のハーフブロックについての圧縮符号データと、対応する第3,第4ラインの2×4画素のハーフブロックについての圧縮符号データから4×4画素の(フル)ブロックについての圧縮符号データを形成し、圧縮符号データ形成器11に出力する。当該4×4画素のブロックの圧縮符号データは、平均値A(8ビット)、平均値B(8ビット)、4×4画素分の符号データ(16ビット)、サブブロック4つ分のエッジ判定信号E(4ビット)で成る。
【0052】
より具体的には、第3,第4ラインのハーフブロックの画像データの平均値Ave2の値が、対応する第1,第2ラインのハーフブロックの内、”1”の符号が割り当てられた画素の画像データの平均値A1に満たないが、”0”の符号の割り当てられた画素の画像データの平均値B1以上である場合には、中間値メモリ56より出力された第1,第2ラインのハーフブロックの圧縮符号データに含まれる符号データ及びエッジ判定信号Eと、対応する第3,第4ラインのハーフブロックの圧縮符号データに含まれる符号データ、平均値A2、平均値B2及びエッジ判定信号Eとを、4×4画素で成る(フル)ブロックの圧縮符号データとして圧縮符号データ形成器11に出力する。
【0053】
他方、上記平均値Ave2が上記平均値A1以上の場合、第1,第2ラインのハーフブロックの圧縮符号データに含まれる符号データを全て”0”に置き換えて上記圧縮符号データ形成器11に出力する。
【0054】
また、上記Ave2が上記平均値B1に満たない場合、第3,第4ラインのハーフブロックの圧縮符号データに含まれている符号データを全て”0”に置き換えると共に、平均値A2,B2の代わりに平均値A1,B1を圧縮符号データ形成器11に出力する。当該圧縮符号データ補正器56の構成については、後に図14を参照しつつ説明する。
【0055】
第1,第2ライン平均値算出器57は、第1,第2ラインの全ハーフブロックについての圧縮符号化処理の完了後、引き続き行う第3,第4ラインの2×4画素のハーフブロックについての圧縮符号処理の実行に伴い、中間値保存メモリ55より出力される第1,第2ラインの2×4画素のハーフブロックについての圧縮符号データ(平均値A1、平均値B1、符号データ、エッジ判定信号E)から当該2×4画素のハーフブロックの画像データの平均値Ave1を求め、求めた平均値Ave1を上述した平均値算出器53に出力する。当該第1,第2ライン平均値算出器57の構成については、後に図15を用いて説明する。
【0056】
圧縮符号データ形成器11は、圧縮符号データ補正器56より出力される4×4画素の(フル)ブロックの圧縮符号データを所定の順序に並べなおし、平均値A1又はA2(8ビット)、平均値B1又はB2(8ビット)、符号データ(16ビット)、エッジ判定信号E(4ビット)の合計36ビットで成るデータを圧縮符号データとして出力する。
【0057】
(3-2)全画素平均値算出器
図11は、全画素平均値算出器53の構成を示す図である。セレクタ60は、エッジ検出器7より出力されるエッジ判定信号Eの値が”1”の場合、即ち、ウェーブレット変換を施した2×2画素のサブブロックにエッジ成分が含まれている場合、第1入力端子に入力される当該サブブロックの画像データを選択して2入力加算器61の第1入力端子に出力する。他方、セレクタ60は、エッジ判定信号Eの値が“0”の場合、当該サブブロックについては、画像データの代わりに第2入力端子に入力される”0”のデータを加算器61の第1入力端子に出力する。
【0058】
加算器61、セレクタ62及び2bitカウンタ63は、2×2画素のサブブロックの画像データの合計を求める累算器として機能する。加算器61は、第1入力端子に入力されるセレクタ60からのデータと、次段のセレクタ62から第2入力端子にフィードバックされるデータとの合計を求め、求めた合計をセレクタ62に出力する。セレクタ62は、2×2画素分の画像データのシリアル入力に同期してカウントアップを行う2bitカウンタ63の出力が”11”から”00”に桁上がり(オーバーフロー)するまで、加算器61から出力されるデータを当該加算器61の第2入力端子にフィードバックする。セレクタ62は、上記2bitカウンタ63の出力が”11”から”00”に桁上がりする場合、即ち、加算器61において2×2画素の画像データの合計が求められた場合に、当該合計値を表すデータを除算器64に出力する。
【0059】
除算器64では、入力された2×2画素の画像データの合計値を4で割り、平均値を求め、当該求めた平均値を2入力加算器65の第1入力端子に出力する。なお、エッジ成分がないと判断された2×2画素のサブブロックは、全て画像データが”0”に置き換えられているため、平均値も”0”である。
【0060】
加算器65、セレクタ66及び1bitカウンタ67は、2×4画素のハーフブロック内に並ぶ2つのサブブロックの各画像データの平均値の合計を求める累算器として機能する。加算器65は、第1入力端子に入力される2×2画素の平均値と、第2入力端子にセレクタ66からフィードバックされるデータとの合計を求め、求めた合計のデータを当該セレクタ66に出力する。セレクタ66は、1bitカウンタ67が”1”から”0”に桁上がり(オーバーフロー)する場合を除いて、加算器65から入力されるデータを当該加算器65の第2入力端子にフィードバックする。セレクタ65は、上記1bitカウンタ67が”1”から”0”に桁上がりする場合、即ち、加算器65においてサブブロック2つ分の画像データの平均値の合計が求められた場合、当該合計値を示すデータを除算器68に出力する。
【0061】
”1”カウンタ69は、合計2つのサブブロックの内、エッジ成分を有していると判断されたサブブロックの数、即ち、エッジ判定信号Eが”1”であるサブブロックの数をカウントする。除算器68は、上記エッジ成分を有するサブブロックの平均値の合計を、上記カウンタ69のカウント値で割り算する。これにより、1ブロック(2×4画素)全体の平均値Aveが算出される。当該平均値Aveは、除算器70の第1入力端子、及び、セレクタ71の第1入力端子に入力される。
【0062】
除算器70は、第3,第4ラインの2×4画素のハーフブロックを圧縮符号化する際に必要となる機器であり、当該圧縮符号化処理の実行時に、第1,第2ライン平均値算出器57より出力される対応する第1,第2ラインの2×4画素のハーフブロックの画像データの平均値Ave1と上記除算器68の出力する平均値Aveの平均をAve2として次段のセレクタ71の第2入力端子に出力する。
【0063】
セレクタ71は、2bitラインカウンタ72の上位ビットが“0”の場合、即ち第1,第2ラインの処理中である場合、除算器68が第1入力端子に入力する平均値Ave(上記平均値Ave1に相当する)を外部に出力する。他方、2bitラインカウンタ72の上位ビットが“1”の場合、即ち、第3,第4ラインの処理中である場合、除算器70が第2入力端子に入力する平均値Ave2を出力する。
【0064】
(3-3)平均値A,B算出器
図12は、平均値A,B算出器54の構成を示す図である。2入力ANDゲート75には、符号データと画像データが入力される。一方、2入力ANDゲート80には、符号データがインバータを介して入力されると共に、画像データが入力される。当該構成において、ANDゲート75は、符号データが“1”の場合に、画像データを通過させ、ANDゲート80は、符号データが“0”の場合に、画像データを通過させる。
【0065】
各ANDゲート75,80の後段には、入力される画像データの4×4画素分の累計を求め、求めた累計値を8で除算して平均値A,Bを求める回路が設けられている。これらの回路は同じ構成であるので、以下、ANDゲート75の後段に設ける回路についてのみ説明し、ANDゲート80の後段の回路については、以下の説明文中に対応する参照番号を括弧書きするに留める。ANDゲート75(80)の出力は、2入力加算器76(81)の第1信号入力端子に入力される。加算器76(81)の残りの第2信号入力端子には、次段のセレクタ77(82)よりフィードバックされてくる累計値のデータが印加される。セレクタ77(82)は3bitカウンタ78が”111”から”000”へと桁あふれを起こすまでの間、加算器76(81)の出力を当該加算器76(81)の第2信号入力端子にフィードバックする。セレクタ77(82)は、3bitカウンタ78の上記桁あふれに伴い、加算器76(81)の出力を次段の除算器79(83)に出力する。除算器79(83)では、入力された4×4画素分の累計値を8で除算し、除算結果を平均値A(平均値B)として出力する。
【0066】
(3-4)中間値保存メモリ
図13は、中間値保存メモリ55の構成を示す図である。中間値保存メモリ55は、第1,第2ラインに並ぶ全ての2×4画素のハーフブロックについての圧縮符号データを格納するFIFO群84で構成される。FIFO群84は、第3,第4ラインの2×4画素のハーフブロックについての圧縮符号処理の開始と共に、処理中のブロックの圧縮符号データを圧縮符号データ補正器56に出力すると共に、処理中のブロックの上側に対応する第1,第2ラインのハーフブロックについての圧縮符号データを上記圧縮符号データ補正器56及び第1,第2ライン平均値算出器57に出力する。
【0067】
(3-5)圧縮符号データ補正器
図14は、圧縮符号データ補正器56の構成を示す図である。上述するように、圧縮符号データ補正器56には、中間値保存メモリ55から、第1,第2ラインの2×4画素のハーフブロックについての圧縮符号データ(平均値A1、平均値b1、符号データ(以下、第1符号データという)及びエッジ判定信号Eで成る)、対応する第3,第4ラインの2×4画素のハーフブロックについての圧縮符号データ(平均値A2、平均値B2、符号データ(以下、第2符号データという)及びエッジ判定信号Eで成る)、及び、処理中の第3,第4ラインの2×4ブロックの画像データの平均値Ave2が入力される。
【0068】
比較器101では、平均値A1と平均値Ave2との比較が行われる。比較器101は、平均値A1が平均値Ave2よりも大きい場合に”1”の結果信号を出力し、平均値A1が平均値Ave2以下の場合に”0”の結果信号を出力する。比較器103では、平均値Ave2と平均値B1との比較が行われる。比較器103は、平均値Ave2が平均値B1よりも大きい場合に”1”の結果信号を出力し、平均値Ave2が平均値B1以下の場合に”0”の結果信号を出力する。
【0069】
2入力ORゲート104の一方の信号入力端子には、上記比較器101の結果信号が入力され、残りの信号入力端子には、比較器103の結果信号の反転信号が入力される。ORゲート104は、平均値Ave2の値が平均値A1よりも大きい場合にのみ”0”を出力する。ORゲート104の出力は、一方の信号入力端子に第1符号データが印加されるANDゲート106の残りの信号入力端子に印加される。ANDゲート106からは、平均値Ave2の値が平均値A1に満たない場合には、第1符号データをそのまま圧縮符号データ形成器11に出力し、平均値Ave2の値が平均値A1以上の値の場合には、第1符号データを全て”0”に補正して圧縮符号データ形成器11に出力する。
【0070】
2入力ORゲート105の一方の信号入力端子には、比較器101の結果信号の反転信号が入力され、残りの信号入力端子には、比較器103の結果信号が入力される。ORゲート105は、平均値Ave2の値が平均値B1に満たない場合にのみ”0”を出力する。ORゲート105の出力は、一方の信号入力端子に第2符号データが印加されるANDゲート107の残りの信号入力端子に印加される。ANDゲート107は、平均値Ave2の値が平均値B1以上の場合、第2符号データをそのまま圧縮符号データ形成器11に出力し、平均値Ave2の値が平均値B1に満たない場合、第2符号データを全て”0”に補正して圧縮符号データ形成器11に出力する。
【0071】
平均値A1及び平均値B1、並びに、平均値A2及び平均値B2のデータは、各々セレクタ108に入力される。セレクタ108は、選択信号として上記ORゲート105の出力を用い、当該ORゲート105の出力が”1”の場合、即ち、平均値Ave2の値が、平均値B1以上である場合には、平均値A2及び平均値B2を選択し、これを出力する。他方、ORゲート105の出力が“0”の場合、即ち、平均値Ave2の値が、平均値B1に満たない場合には、平均値A1及びB1を選択し、これを出力する。
【0072】
圧縮符号データ補正器56に入力されるエッジ判定信号Eは、そのまま圧縮符号データ形成器11に出力される。
【0073】
(3-6)第1,第2ライン平均値算出器
図15は、第1,第2ライン平均値算出器57の構成を示す図である。ANDゲート85には、中間値保存メモリ55から出力された符号データ及び平均値A1が入力される。ANDゲート85は、符号データが”1”の場合に、平均値A1をそのまま出力する。
【0074】
一方、ANDゲート86には、中間値保存メモリ55から出力された符号データがインバータにより反転された後に入力されると共に、平均値B1が入力される。ANDゲート86は、符号データが”0”の場合に、平均値B1をそのまま出力する。
【0075】
ANDゲート85,86より出力された平均値A1及び平均値B1は、累算器87において1サブブロック分、即ち、2×2画素分だけ累算される。累算器87による4画素分の累算値は、除算器88において4で割り算され、当該サブブロックについての平均値が求められる。なお、上記累算器87は、例えば、図11において説明した全画素平均値算出器53の加算器61、セレクタ62、及び、2bitカウンタ63で構成される累算器と同じである。
【0076】
2入力ANDゲート89の第1入力端子には、上記除算器88より出力されるサブブロックの平均値が印加され、第2入力端子には、エッジ判定信号Eが入力される。ANDゲート89は、エッジ判定信号Eの値が”1”、即ち、エッジ成分を有すると判定されたサブブロックについての平均値のみを次段の加算器90に出力する。
【0077】
加算器90、セレクタ91及び1bitカウンタ92は、2×4画素のハーフブロック内の2つのサブブロックの平均値の合計を求める累算器として機能する。加算器90は、第1入力端子に入力されるサブブロックの画像データの平均値と、セレクタ91から第2入力端子にフィードバックされてくる当該加算器90の出力との合計を求め、求めた合計をセレクタ91に出力する。セレクタ91は、1bitカウンタ94が”1”から”0”に桁あふれする場合を除いて、加算器90から出力されるデータを当該加算器90の第2入力端子にフィードバックする。セレクタ91は、1bitカウンタ92が”1”から”0”に桁あふれを起こした場合に、加算器90の出力を除算器93に出力する。
【0078】
”1”カウンタ94は、2×4画素のハーフブロックの備える2つのサブブロックの内、エッジ成分を有していると判断されたサブブロックの数、即ち、エッジ判定信号Eが”1”であるサブブロックの数をカウントする。除算器93は、上記エッジ成分を有するサブブロックの平均値の合計を、上記カウンタ94のカウント値で割り算する。これにより、ハーフブロック(2×4画素)全体の平均値Ave1が算出される。
【0079】
上記求められた平均値Ave1は、2入力ANDゲート95の一方の信号入力端子に入力される。ANDゲート95の残りの信号入力端子には、2bitラインカウンタ96の上位ビットのデータが入力されている。ANDゲート95は、2bitラインカウンタ96の上位ビットが”0”から”1”に変わるのを待ってから、即ち、第3,第4ラインの画像データの圧縮符号処理の開始を待ってから、上記平均値Ave1を全画素平均値算出器53に出力する。
【0080】
なお、上記画像圧縮装置50における各機能部の一部又は全部を、ソフトウェア処理によって実現することとしても良い。
【0081】
【発明の効果】
本発明の第1の画像圧縮装置又は画像圧縮方法は、従来の最大最小平均値近似法のように4×4画素の画像データの最大値及び最小値の平均値(以下、最大最小平均値という)をしきい値Thとするのではなく、4×4画素の全体の画像データの平均値(以下、全画素平均値という)Aveをしきい値Thとすることを特徴とする。これにより、特にエッジ成分を有する画像の再現性を向上することができる。
【0082】
本発明の第2の画像圧縮装置又は画像圧縮方法は、上記何れかの画像圧縮装置又は画像圧縮方法において、エッジ判定手段によりエッジ成分を有すると判断されたサブブロックの画像データに基づいて2値化を行うしきい値を定める。これにより、エッジ成分を有する画像の良好な再現性を確保しながら、効果的な画像データの圧縮を行うことができる。
【0083】
本発明の第3の画像圧縮装置又は画像圧縮方法は、上記第2の画像圧縮装置又は画像圧縮方法において、ウェーブレット変換を利用してエッジ成分の判定を行うエッジ判定手段によりエッジ成分を有すると判断されたサブブロックの画像データに基づいて2値かを行うしきい値を定める。これにより、エッジ成分を有する画像の良好な再現性を確保しながら、効果的な画像データの圧縮を行うことができる。
【0084】
本発明の第4の画像圧縮装置又は画像圧縮方法は、上記何れかの画像圧縮装置又は画像圧縮方法において符号化手段により符号化されたデータと、しきい値よりも大きな値の画像データの平均値A、しきい値よりも小さな値の画像データの平均値Bを含むデータを圧縮符号データとして出力する。これにより、特にエッジ成分を有する画像の良好な再現性を確保しながら、効果的な画像データの圧縮を行うことができる。
【0085】
本発明の第5の画像圧縮装置又は画像圧縮方法は、上記第1乃至第3の何れかの画像圧縮装置又は画像圧縮方法において、処理単位としているブロックを更にライン方向に沿って分割し、分割したラインブロックについて符号化を行い、符号化後のデータ、平均値A及び平均値Bを、隣接するラインブロック間の画像データの平均値のばらつきに基づいて補正して元の所定の画素マトリクスのブロックの圧縮符号データを形成する。これにより、エッジ成分を有する画像の良好な再現性を確保しながら、処理ブロック分のラインバッファとして用意する例えばFIFOなどの回路素子の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る画像圧縮装置の構成を示す図である。
【図2】 エッジ検出器の構成を示す図である。
【図3】 平均値算出器の構成を示す図である。
【図4】 符号化器の構成を示す図である。
【図5】 平均値/画素値比較器の構成を示す図である。
【図6】 圧縮符号データ形成期の構成を示す図である。
【図7】 処理対象の原稿画像の画像データの分布を示すグラフである。
【図8】 本実施形態の画像圧縮装置による再現画像と、従来の方式による再現画像を比較対照するための図である。
【図9】 本実施形態の画像圧縮装置による再現画像と、従来の方式に織る再現画像を比較対照するための図である。
【図10】 第2実施例に係る画像圧縮装置の構成を示す図である。
【図11】 全画素平均値算出器の構成を示す図である。
【図12】 平均値A,B算出器の構成を示す図である。
【図13】 中間値保存メモリの構成を示す図である。
【図14】 圧縮符号データ補正器の構成を示す図である。
【図15】 第1,第2ライン平均値算出器の構成を示す図である。
【符号の説明】
1,50 画像圧縮装置、2,3,4,51 FIFO、5 4×4レジスタ、6 2×2ウェーブレット変換器、7 エッジ検出器、8平均値算出器、9 符号化器、10 平均値/画素値符号化器、11 圧縮符号データ形成器、52 2×4レジスタ、53 全画素平均値算出器、54 平均値A,B算出器、55 中間値保存メモリ、56 圧縮符号データ補正器、57 第1,第2ライン平均値算出器。
Claims (8)
- 画像データを所定の画素マトリクスのブロックに分割し、ブロック単位で圧縮符号化を行う画像圧縮装置において、
上記ブロックを複数のサブブロックに分割し、各サブブロックについてエッジ成分の有無を判定するエッジ判定手段と、
上記エッジ判定手段によりエッジ成分があると判定された全サブブロックの画素の画像データの平均値を求め、当該求めた平均値を上記符号化手段のしきい値として出力する全画素平均値算出手段と、
前記ブロック内の画像データと前記全画素平均値算出手段より出力されるしきい値とを比較し、当該しきい値Th以上の画像データを持つ画素に対して符号”1”を出力すると共に、しきい値Thに満たない画像データを持つ画素に対して符号”0”を出力する2値化手段を有することを特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項1に記載の画像圧縮装置において、
上記エッジ判定手段は、サブブロック内の画像データに対してウェーブレット変換を行い、当該変換により得られるウェーブレット係数の値に基づいてエッジ成分の有無を判断することを特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項1乃至請求項2の何れかに記載の画像圧縮装置において、
上記符号化手段により”1”の符号データの割り当てられた画素の画像データの平均値Aと、”0”の符号データの割り当てられた画素の画像データの平均値Bを求める平均値A,B算出手段と、
上記符号化手段により2値化された各画素の符号データと、上記平均値A,B算出手段により算出された平均値A及び平均値Bのデータを含む圧縮符号データを出力する出力手段とを備えることを特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項1乃至請求項2の何れかに記載の画像圧縮装置において、
各ブロックの画像データを、走査ラインに沿って複数のラインブロックに分割して上記符号化手段に供給する手段と、
上記ラインブロック間の画像データの平均値のばらつきに基づいて、各ラインブロックについての符号データ、平均値A及び平均値Bを補正して、上記所定の画素マトリクスのブロックの符号データ、平均値A、平均値Bを特定する圧縮符号データ補正手段とを備えることを特徴とする画像圧縮装置。 - 画像データを所定の画素マトリクスのブロックに分割し、ブロック単位で圧縮符号化を行う画像圧縮方法において、
ブロックを複数のサブブロックに分割し、各サブブロックについてエッジ成分の有無を判定するエッジ判定工程と、
上記エッジ判定工程によりエッジ成分があると判定された全サブブロックの画素の画像データの平均値を求め、当該求めた平均値を上記符号化工程のしきい値として出力する全画素平均値算出工程と、
前記ブロック内の画像データと前記全画素平均値算出手段より出力されるしきい値とを比較し、当該しきい値Th以上の画像データを持つ画素に対して符号”1”を出力すると共に、しきい値Thに満たない画像データを持つ画素に対して符号”0”を出力する2値化工程を含むことを特徴とする画像圧縮方法。 - 請求項5に記載の画像圧縮方法において、
上記エッジ判定工程は、サブブロック内の画像データに対してウェーブレット変換を行い、当該変換により得られるウェーブレット係数の値に基づいてエッジ成分の有無を判断することを特徴とする画像圧縮方法。 - 請求項5乃至請求項6の何れかに記載の画像圧縮方法において、
上記符号化工程において”1”の符号データの割り当てられた画素の画像データの平均値Aと、”0”の符号データの割り当てられた画素の画像データの平均値Bを求める平均値A,B算出工程と、
上記符号化工程により2値化された各画素の符号データと、上記平均値A,B算出工程により算出された平均値A及び平均値Bのデータを含む圧縮符号データを出力する出力工程とを含むことを特徴とする画像圧縮方法。 - 請求項5乃至請求項6の何れかに記載の画像圧縮方法において、
各ブロックの画像データを、走査ラインに沿って複数のラインブロックに分割して上記符号化工程に供給する手段と、
上記ラインブロック間の画像データの平均値のばらつきに基づいて、各ラインブロックについての符号データ、平均値A及び平均値Bを補正して、上記所定の画素マトリクスのブロックの符号データ、平均値A、平均値Bを特定する圧縮符号データ補正工程とを備えることを特徴とする画像圧縮方法。
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