JP4699154B2 - 受信装置、受信方法 - Google Patents
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Description
上記特許文献1、2に開示される受信装置では、初期ウェイトによって所望波方向にアダプティブアレーアンテナのビームを向けることはできるが、干渉波による影響を十分に打ち消すことができない可能性がある。このため、受信信号と参照信号との平均二乗誤差があまり小さくならず、結果的に収束時間が長くなる恐れがある。
上記特許文献3に開示される受信装置では、各アンテナ素子の受信信号の相関から、固有値の小さい方に対応する固有ベクトルを初期ウェイトに用いることによって、強い信号の方向にアダプティブアレーアンテナのビームのヌルを向けることはでき、干渉波の受信電力の方が所望波よりも強いときには干渉波による影響を抑圧することができる。しかしながら、所望波と干渉波の受信電力が同じくらい、或いは所望波の受信電力の方が大きい場合には、誤って所望波の方をキャンセルしてしまう初期ウェイトが設定される恐れがある。
本発明に係る受信装置は、複数のアンテナ素子で無線信号を受信する受信部と、複数の既知信号を記憶する記憶部と、無線通信が開始された時、前記記憶部に記憶された複数の既知信号のうち、自装置に割り当てられた第1の既知信号と前記受信信号とのベクトル演算、及び、前記記憶部に記憶された複数の既知信号のうち、前記第1の既知信号以外の第2の既知信号と前記受信信号とのベクトル演算をそれぞれ行ない、前記受信信号と第1の既知信号、及び、前記受信信号と第2の既知信号のそれぞれの振幅又は位相の関係を算出するベクトル演算部と、前記ベクトル演算部の算出結果から、前記各アンテナ素子で受信された受信信号を重み付けするための重み値の初期値を算出する初期値算出部と、前記無線通信において、前記初期値算出部で算出された初期値の重み値を、所望信号の受信品質が改善するように更新する適応演算部と、を備えることを特徴とする。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、無線端末1及び2は、それぞれ基地局3との間で無線信号を送受する。無線端末1にとって、基地局3から無線端末1に向けて送信される無線信号は所望信号であり、無線端末2と基地局3の間で送受される無線信号は干渉信号である。
図2において、2つのアンテナ素子ANT1,ANT2は無線端末1に具備されている。アンテナ素子ANT1,ANT2はアレーアンテナを構成する。無線受信部11は、アンテナ素子ANT1,ANT2を介してそれぞれ無線信号を受信し、所定の受信処理を行う。アンテナ素子ANT1を介して受信された無線信号は、その受信処理後の受信信号X1として無線受信部11から出力される。また、アンテナ素子ANT2を介して受信された無線信号は、その受信処理後の受信信号X2として無線受信部11から出力される。
W2=−R1m*/R2m*
・・・(1)
但し、*は複素共役を表す。
図4(1)には、アンテナ素子ANT1に関し、所望トレーニングシーケンスTS1に係る複素相関値R11と、干渉トレーニングシーケンスに係る絶対値最大のR1mが示されている。図4(2)には、アンテナ素子ANT2に関し、所望トレーニングシーケンスTS1に係る複素相関値R21と、干渉トレーニングシーケンスに係る絶対値最大のR2mが示されている。図4(3)には、上記(1)式による初期ウェイトW1,W2で受信信号X1,X2をそれぞれ重み付けしたときの各々の複素相関値が示されている。
図5において、無線端末1が基地局3と無線通信を開始すると(S1)、該無線端末1に所望トレーニングシーケンスTS1が割り当てられる(S2)。次いで、無線端末1は、干渉トレーニングシーケンスTS2,・・・,TSMをTS記憶部13から読み出す(S3)。
先ず、所望信号についてのアンテナ素子間の相対位相差を計算する。また、各干渉信号についてのアンテナ素子間の相対位相差を計算する。
次いで、所望信号に係る相対位相差と、各干渉信号係る相対位相差を比較する。
次いで、その比較の結果、相対位相差の差がπラジアンに近い干渉信号を選択する。
次いで、その選択した干渉信号を優先して打ち消すような初期ウェイトを算出する。このときの初期ウェイト計算方法は、上記(1)式と同様である。
例えば、上述した実施形態においては、2つのアンテナ素子を用いた場合を例に挙げて説明したが、3つ以上のアンテナ素子を用いる場合にも同様に適用可能である。
Claims (3)
- 複数のアンテナ素子で無線信号を受信する受信部と、
複数の既知信号を記憶する記憶部と、
無線通信が開始された時、前記記憶部に記憶された複数の既知信号のうち、自装置に割り当てられた第1の既知信号と前記受信信号とのベクトル演算、及び、前記記憶部に記憶された複数の既知信号のうち、前記第1の既知信号以外の第2の既知信号と前記受信信号とのベクトル演算をそれぞれ行ない、前記受信信号と第1の既知信号、及び、前記受信信号と第2の既知信号のそれぞれの振幅又は位相の関係を算出するベクトル演算部と、
前記ベクトル演算部の算出結果から、前記各アンテナ素子で受信された受信信号を重み付けするための重み値の初期値を算出する初期値算出部と、
前記無線通信において、前記初期値算出部で算出された初期値の重み値を、所望信号の受信品質が改善するように更新する適応演算部と、
を備えることを特徴とする受信装置。 - 前記ベクトル演算部は、前記各既知信号に対する前記受信信号のベクトル相関値を算出することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
- 複数のアンテナ素子で無線信号を受信する受信部を備えた受信装置における受信方法において、
前記受信装置には、複数の既知信号が記憶されており、
無線通信が開始された時、前記記憶された複数の既知信号のうち、自装置に割り当てられた第1の既知信号と受信信号とのベクトル演算、及び、前記記憶された複数の既知信号のうち、前記第1の既知信号以外の第2の既知信号と前記受信信号とのベクトル演算をそれぞれ行ない、前記受信信号と第1の既知信号、及び、前記受信信号と第2の既知信号のそれぞれの振幅又は位相の関係を算出するベクトル演算過程と、
前記ベクトル演算過程における算出結果から、前記各アンテナ素子で受信された受信信号を重み付けするための重み値の初期値を算出する初期値算出過程と、
前記無線通信において、前記初期値算出過程で算出された初期値の重み値を、所望信号の受信品質が改善するように更新する適応演算過程と、
を含むことを特徴とする受信方法。
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