JP2002111577A - 無線受信システム - Google Patents
無線受信システムInfo
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Abstract
をキャンセルすることにより通信品質を向上できるよう
な無線受信システムを少ないハード構成で提供する。 【解決手段】 受信信号から優先ユーザ選択器10でエ
ラーフリーになりやすいと思われるユーザを選択し、選
択されたユーザに対応する信号を干渉除去部で信号処理
し、次ステージに進む。
Description
に関し、特に、PDMA(Path Division MultipleAcce
ss)、CDMA(Code Division Multiple Access)な
どの通信方式による無線受信システムであって、受信信
号から、他のユーザによる干渉信号成分を除去すること
ができる無線受信システムに関する。
機のような移動通信システムにおいて、周波数の有効利
用を図るべく種々の伝送チャネル割当方法が提案されて
おり、その一部のものは実用化されている。
Multiple Access)、TDMA(Time Division Multip
le Access)及びPDMAの各種通信システムにおける
チャネルの配置図である。まず、図12を参照して、F
DMA、TDMA及びPDMAについて簡単に説明す
る。
示す図であって、異なる周波数f1〜f4の電波でユー
ザ1〜4のアナログ信号が周波数分割されて伝送され、
各ユーザ1〜4の信号は周波数フィルタによって分離さ
れる。
示す図であって、各ユーザのデジタル化された信号は、
異なる周波数f1〜f4の電波でかつ一定の時間(タイ
ムスロット)ごとに時分割されて伝送され、各ユーザ1
〜8の信号は、周波数フィルタと、基地局及び各ユーザ
移動端末装置間の時間同期とにより分離される。
り電波の周波数利用効率を高めるために、PDMA方式
が提案されている。このPDMA方式は、図12(c)
に示すように、同じ周波数における1つのタイムスロッ
トを空間的に分割して複数のユーザのデータを伝送する
ものである。このPDMAでは各ユーザの信号は、周波
数フィルタと、基地局及び各ユーザ移動端末装置間の時
間同期と、アダプティブアレイなどの信号抽出装置とを
用いて分離される。
ステムを示す図である。この例では、ユーザ1と2とを
識別するために、4本のアンテナ3〜6が設けられてい
て、それぞれのアンテナの出力は周波数変換回路7に与
えられて、それぞれ対応する局部発振信号Loによって
周波数変換され、A/D変換器8によってデジタル信号
に変換されてデジタル信号プロセッサ(DSP)10D
に与えられる。
1,12と、受信信号ベクトル計算機13と、メモリ1
4と、相関値計算機15と、チャネル割当装置16とが
内蔵されている。アダプティブアレイ11,12は、A
/D変換器8から出力される受信信号から特定のユーザ
信号のみを抽出する。各アダプティブアレイはたとえ
ば、タイムスロットに含まれるプリアンブルを用いる方
法、変調信号の包絡線が一定となる性質を用いる方法な
どのウェイトベクトル計算方法に依拠して、後述するチ
ャネル割当装置16で指定されたユーザ信号を抽出す
る。
器8からの受信信号とアダプティブアレイ11,12の
出力信号とを入力し、すべてのユーザに対応した受信信
号ベクトルを計算してメモリ14に記憶させる。チャネ
ル割当装置16はメモリ14と相関値計算機15とに対
して二人のユーザを指定する。相関値計算機15はメモ
リ14に記憶した受信信号ベクトルのうち、指定された
二人のユーザの受信信号ベクトルの相互相関値を計算す
る。チャネル割当装置16は二人のユーザの受信信号ベ
クトルの算出された相互相関値を受取る。そして、その
相互相関値がある一定値以下であれば、その二人のユー
ザを同一時刻のタイムスロットにパス多重接続させる。
ティブアレイ11,12はそれぞれ対応のユーザ1及び
2の信号を抽出するが、ユーザ1及び2に加えてたとえ
ばユーザ3がユーザ1と同じ方向から信号を送信してき
た場合、アダプティブアレイ11からユーザ1及びユー
ザ3の信号が混ざり合って出力されることになる。しか
しながら、従来のアダプティブアレイ11ではユーザ1
及び3の信号を分離できず、ユーザ1の信号のみを抽出
することができなかった。
渉キャンセラを用いて不要なユーザの信号をキャンセル
することにより通信品質を向上できるような無線受信シ
ステムを少ないハード構成で提供することである。
SPで構成した場合に、1つのハード構成で自己ループ
により処理を行う、このような処理においても効率的の
処理を行い、信号処理時間を短縮することを目的とす
る。
よれば、複数のアンテナを用いて複数のユーザからの信
号を受信することができる無線受信システムであって、
前記複数のアンテナで受信された信号に所定の信号処理
を施す信号処理手段と、前記複数のアンテナで受信され
た信号に基づいて、優先的に処理するユーザを選択する
選択手段と、前記信号処理手段から出力される信号に基
づいて、前記選択されたユーザに対応する信号成分を抽
出する第1の信号抽出手段と、前記信号処理手段から出
力される信号に対する前記第1の信号抽出手段で抽出さ
れた信号成分の関係に関するパラメータ情報を推定する
第1の推定手段と、前記信号処理手段から出力される信
号を、前記選択されたユーザに対応する前記パラメータ
情報を考慮した信号で減算する第1の演算手段と、を備
える。
段は、アンテナの数より少ない数で構成される。
手段は第1の推定手段で算出したパラメータ情報に基づ
いてユーザを選択することを特徴とする。
求項1乃至3のいずれかに記載の無線受信システムにお
いて、前記第1の信号抽出手段で抽出された複数のユー
ザに対応する信号成分がそれぞれ復調エラーを含むか否
かを判定する複数の第1のエラー判定手段と、を更に備
え、前記信号処理手段から出力される信号から前記第1
のエラー判定手段により復調エラーを含まないと判定さ
れた前記抽出された信号成分を、対応する前記パラメー
タ情報を考慮して減算する第1の演算手段とを備えたこ
とを特徴とする。
から4のいずれかに記載の無線受信システムにおいて、
複数のユーザからの信号はPDMA通信方式によって伝
送された信号である。
から4のいずれかに記載の無線受信システムにおいて、
複数のユーザからの信号はCDMA通信方式によって伝
送された信号である。
ルチステージの干渉キャンセラとして提案されたPDM
A用基地局の受信システムを示すブロック図である。こ
の発明の前提となる提案された受信システムは、同じ時
刻に送信されたm(mは2以上の整数)人のユーザ1,
…,k,…,mからの信号S1(t),…,Sk(t),
…,S m(t)を互いに分離して並列に取出すものであ
る。
PDMA用基地局の受信システムには、4本のアンテナ
3〜6と、周波数変換回路7と、A/D変換器8とが設
けられている。A/D変換器8から出力された入力信号
ベクトルX1(t)は、第1段目の演算装置101と、
第1段目のアダプティブアレイAA11,…,AAk1,
…,AAm1と、第1段目のパラメータ推定器PE11,
…,PEk1,…,PEm1とに与えられる。アダプティブ
アレイの詳細については後で説明する。
…,AAm1からは、対応するユーザの信号成分を最も強
く含む(その他にも他のユーザからの干渉信号成分をも
含む)複素信号であるユーザ信号Y11(t),…,Yk1
(t),…,Ym1(t)がそれぞれ出力され、第1段目
の演算装置101に与えられるとともに、それぞれ対応
する検波器DE11,…,DEk1,…,DEm1で検波され
る。
…,PEm1は、それぞれ、入力信号ベクトルX1(t)
と、検波器DE11,…,DEk1,…,DEm1の対応する
検波出力とに基づいて、対応するユーザの受信応答ベク
トルH11,…,Hk1,…,Hm1を推定し、第1段目の演
算装置101に与える。より具体的に、各パラメータ推
定器は、対応するユーザの信号成分が入力信号ベクトル
にどの程度含まれているか、対応するユーザの信号成分
が入力信号ベクトルに対してどの程度位相回転している
か、などを推定する。
(i=1,2,…,m)ごとに、入力信号ベクトルX1
(t)から、当該ユーザiを除く他のすべてのユーザの
信号成分を差し引くことにより、干渉信号成分を除去
し、当該ユーザiのさらなる入力信号ベクトルX
i2(t)を算出し出力する。演算装置101の動作につ
いては、図2を参照して後で詳細に説明する。
に対応して入力信号ベクトルX12(t),…,X
k2(t),…,Xm2(t)を出力し、対応する第2段目
のアダプティブアレイAA12,…,AAk2,…,AAm2
に与える。
…,AAk2,…,AAm2から出力されるユーザ信号Y12
(t),…,Yk2(t),…,Ym2(t)は、第2段目
の演算回路102に与えられるとともに、それぞれ対応
する検波器DE12,…,DEk2,…,DEm2で検波され
る。
…,PEm2は、それぞれ、入力信号ベクトルX1(t)
と、検波器DE12,…,DEk2,…,DEm2の対応する
検波出力とに基づいて、対応するユーザの受信応答ベク
トルH12,…,Hk2,…,Hm2を推定し、第2段目の演
算装置102に与える。演算装置102は、さらなる入
力信号ベクトルX13(t),…,Xk3(t),…,Xm3
(t)を出力し、対応する(図示省略した)第3段目の
アダプティブアレイAA13,…,AAk3,…,AAm3に
与える。
ータ推定器と演算装置とからなる干渉キャンセラを直列
に複数段(第1段から第L段まで)設けたことにより、
それぞれの段から出力されるユーザ信号に含まれる他の
ユーザ信号成分の割合を段階的に減少させて、干渉の除
去がさらに図られることになる。その結果、通信特性の
さらなる向上が図られる。
一例としての演算装置101の具体的なブロック図であ
る。図2において、演算装置101は、乗算器MP1,
…,MPk-1,MPk+1,…,MPmと加算器ADkとから
構成されている。なお、説明の簡略化のために図示して
いないが、図示した乗算器及び加算器以外にも、乗算器
MPk及び加算器AD1,…,ADk-1,ADk+1,…,A
Dmが演算装置101に内蔵されているものとする。
…,MPmにはそれぞれ、アダプティブアレイAA11,
…,AAk-1,AAk+1,…,AAmからのユーザ信号Y
11(t),…,Y(k-1)1(t),Y(k+1)1(t),…,
Ym1(t)と、パラメータ推定器PE11,…,PE
(k-1)1,PE(k+1)1,…,PEm1からの受信応答ベクト
ルH11,…,H(k-1)1,H(k+1)1,…,Hm1とが与えら
れる。
…,MPmの出力は加算器ADkの負の入力に与えられ、
入力信号ベクトルX1(t)は加算器ADkの正の入力に
与えられる。これにより、入力信号ベクトルX1(t)
からユーザk以外のユーザに対応する信号成分が減算さ
れ、ユーザkに対応する信号成分Xk2(t)が加算器A
Dkから出力されることになる。前述のように、これら
のアダプティブアレイ、パラメータ推定器及び演算装置
は全体として、1段の干渉キャンセラを構成しているも
のとする。
れることになる。そして、このようにして演算装置10
1により干渉信号成分がかなり除去された新たな入力ベ
クトル信号Xk2(t)を第2段目以降の干渉キャンセラ
に与えることにより、最終的に出力されるユーザ信号S
k(t)に含まれる他のユーザからの干渉信号成分の割
合を十分に低下させることができ、良好な通信特性を実
現することができる。
器の各々にも、並行して同様に、乗算器MP1,…,M
Pk,…,MPmのうちの当該加算器に対応する乗算器以
外のものからの出力と、入力信号ベクトルX1(t)と
が与えられる。そしてこれらの加算器はそれぞれ、図1
に示す新たな入力信号ベクトルを出力して第2段目以降
の干渉キャンセラに与えている。
具体的な動作について説明する。アンテナ素子数をn
本、同時に通話するユーザ数をm人とすると、A/D変
換器8から出力される入力信号ベクトルX1(t)は次
式で表わされる。
と次の第(3)式が得られる。
力信号ベクトルXk2(t)が出力される動作についてさ
らに詳細に説明する。
…,PEm1でHi(i=1,2,…,m)が推定できる
ものとする。また1段目のアダプティブアレイAA11,
…,AAk1,…,AAm1が比較的良好に動作したとする
と、Yi1(t)≒Si(t)とみなすことができる。
のユーザ信号の受信応答ベクトルとが求まったことにな
る。ここで、2段目のユーザkの信号検出に用いる入力
信号ベクトルXk2(t)を第(6)式により求めること
ができる。
が得られる。
がSk(t)以外の干渉成分Si(t)(i=1,2,…
m、ただしi≠k)が減少していて、2段目のアダプテ
ィブアレイがより動作しやすくなる。
段接続して構成したマルチステージの干渉キャンセラで
は、受信信号をアダプティブアレイによってユーザごと
に分離し、当該ユーザ以外のユーザの信号を干渉波とし
て受信信号から除去して得た結果を、当該ユーザの入力
信号として次段の干渉キャンセラに与えている。この結
果、次段の干渉キャンセラでは、入力されるユーザ信号
の干渉波が少ない分、通信特性の良いユーザ信号が得ら
れる。そして、このような干渉波の除去を複数段繰返す
ことによって干渉波の除去はさらに進み、CIR(Carr
ier to Inte rference Ratio)はより改善され、所望の
ユーザ信号をより抽出しやすくなる。
ジ干渉キャンセラを用いれば確かに干渉波の除去は進む
ものの、次のような問題点が生じる。
ラ(以下、MICと記す。)の例では、各アダプティブ
アレイで抽出されたユーザ信号を、その復調エラーの有
無を判定することなく、受信信号から干渉波成分として
除去するように構成されている。したがって、もしもア
ダプティブアレイで抽出されたユーザ信号に復調エラー
があり、何らかの変形した波形、たとえばインパルス状
の波形を有する信号となっていれば、このようなエラー
を含む信号成分が受信信号から減算された結果得られる
各演算装置の出力(次段の干渉キャンセラへの入力信
号)には、復調エラーの影響によるインパルス状のノイ
ズが含まれることになるなどの影響が生じることにな
る。
という問題がある。そのため、ハード的にパフォーマン
スの高いハードを必要とし、コストパフォーマンスが低
下してしまう。
1ステージで処理できるユーザが1ユーザ分しかないシ
ステムだとすると、次のステージに行くためには、必ず
エラーフリーユーザにならなければならない。
きるユーザが2ユーザ分であったとしても最初に処理す
るユーザがエラーフリーになりやすい、即ち、処理した
ユーザの復元信号で干渉除去できる方がよい。このよう
にすると、次ステージでは、まだエラーフリーになって
いないユーザの信号対干渉比(SIR)が確保されエラ
ーフリーになりやすくすることができる。
題を解決しようとするものである。この発明では、最初
に処理するユーザの選択条件をエラーフリーになりやす
いユーザを選択するものである。エラーフリーになりや
すい目安として、「受信電力(SNR)の高いユー
ザ、前のフレームでエラーフリーになったユーザ、
フェージング(FD)の小さいユーザ、アレイ処理に
おけるMSE(Mean Square Error)の小さいユーザ、
応答ベクトル推定精度の高いユーザ」が挙げられる。
音比(SNR)が高いということは、所望信号が抽出し
易いため、エラーフリーになりやすい。前のフレームで
エラーがないということは、当該フレームでもエラーに
ならない確率が高い。FDが小さいいうことは、所望信
号が抽出し易いため、エラーフリーになりやすい。
れるものであり、以下の通りである。即ち、アダプティ
ブアレイにおけるアレイ処理は、アレイ出力y(t)を
できるだけ参照信号d(t)に近づけるよう最適ウェイ
トを決定する。どの程度参照信号と近いかを評価する基
準として、アレイ出力と参照信号との平均二乗誤差が次
式により定義される。
(t)は時刻tにおけるアレイ出力信号を表すとする。
また、E[]はアンサンブル平均操作を表す。
信号の抽出が良いため、エラーフリーになりやすい。
ことは、所望信号の抽出ができていることであり、エラ
ーフリーになりやすい。また、干渉除去において、精度
良く除去が行えるため、次ステージに移行しても効率的
に所望信号が抽出できる。
の形態1によるPDMA用基地局の受信システムを示す
ブロック図である。この実施の形態1においては、エラ
ーフリーになりやすい目安として、上記した「受信電
力の高いユーザ」を用い、1ステージで処理できるユー
ザが1ユーザ分しかないシステムである。
は、4本のアンテナ3〜6が設けられていて、それぞれ
のアンテナの出力は周波数変換回路7に与えられて、そ
れぞれ対応する局部発振信号Loによって周波数変換さ
れ、A/D変換器8によってデジタル信号に変換されて
受信電力検出部9に与えられる。
えら4本のアンテナのからのデジタル出力により、当該
ユーザの受信電力の大きさを求め、優先ユーザ選択器1
0に与える。この優先ユーザ選択器10は、後述するよ
うに、干渉除去部ICで算出された各ユーザの前のフレ
ームにおける受信応答ベクトルHが与えられ、SNRを
推定する。
て「前のフレームでエラーフリーになったユーザ」、
「フェージング(FD)の小さいユーザ」、「アレ
イ処理におけるMSE(Mean Square Error)の小さい
ユーザ」、「応答ベクトル推定精度の高いユーザ」を
用いる場合は、この優先ユーザ選択器10は、干渉除去
部IC等よりデータを受け取り、後述するようにデータ
を算出し、このデータに基づき優先するユーザを選択す
る。例えば、FDは、算出された受信応答ベクトルHに
基づき求める。また、MSEは上述した式に基づいて干
渉除去部ICのアダプティアレイで算出したデータに基
づき求める。前のフレームでエラーフリーになったユー
ザを格納しておき、前のフレームでエラーフリーになっ
たユーザを用いる場合には、この格納したデータの中か
らエラーフリーユーザを選択する。更に、応答ベクトル
の推定精度の高いユーザを優先的に処理する場合は、前
のフレームのFD、SNR、干渉信号の度合(SIR:
信号対干渉波比)の基づいて推定し、ユーザを選択す
る。
すいユーザを選択するために、受信電力検出部9からの
出力と干渉除去部ICより与えられる前フレームの応答
ベクトルH、エラー情報等のデータにより、優先ユーザ
選択器10は優先するユーザを選択し、干渉除去部IC
内のアダプティブアレイ部に優先するユーザの信号を選
択するように指示する。なお、干渉除去部ICと演算装
置101′で干渉キャンセラの基本構成をなしている。
10からの指示に従い、所望信号Y1(指示されたユー
ザの信号)、応答ベクトルH1及びエラー判定信号E1
を出力する。応答ベクトルH1及びエラー判定信号E1
は、次回の優先ユーザ選択のため優先ユーザ選択器10
へ出力する。エラー判定信号E1の優先ユーザ選択器1
0への出力は必ずしも必要ではないが、例えば、ユーザ
1が第1ステージで選択されたにもかかわらず、その処
理の結果エラーだったとする。第2ステージでは、ユー
ザ1を選択せずに、次に電力の高いユーザが選択された
とする。その結果、エラーフリーになったとする。この
ような場合、第3ステージでの選択ユーザは、次に電力
の高いユーザか、今までに選択されたが、エラーだった
ユーザかを選択することが考えられる。後者の処理を行
う場合、以前のステージで処理されたユーザのエラー判
定結果が必要になる。このような処理を行うために、エ
ラー判定信号E1が優先ユーザ選択器10へ出力されて
いる。
が、演算装置102′の後段にも第2段目の干渉キャン
セラと全く同じ態様で干渉キャンセラが構成されている
ものとする。
としてマルチステージの干渉キャンセラで構成されたこ
とになり、最終段の干渉キャンセラからの出力が当該受
信システムの最終出力となる。
ICはすべて同じ構成を有しており、その一例として干
渉除去部ICkの構成を図4に示す。
れた入力信号ベクトルX1(t)からアダプティブアレ
イAAkで抽出されたユーザkの複素信号は、復調器D
Mkによってビット情報信号に変換される。このビット
情報信号は、エラー判定器EDkに与えられるとともに
再変調器RMkにも与えられる。アダプティブアレイA
Akには、優先ユーザ選択器10から選択するユーザを
選ぶための指示信号が与えられる。なお、後述するが、
MSEはアダプティブアレイAAkで算出され、このM
SEをエラーフリーになりやすい目安として用いる場合
には、アダプティブアレイAAkからMSEが優先ユー
ザ選択器10へ送出される。
ビット情報信号に基づいて、アダプティブアレイAAk
からの抽出信号の復調エラーの有無を判定する。そし
て、復調エラー有りと判定すれば、Lレベルのエラー判
定信号Ekを発生して第1段目の干渉キャンセラの演算
装置101′に与える。
ト情報信号を再度、複素信号であるユーザ信号Y
k(t)に変換し、第1段目の干渉キャンセラの演算装
置101′に与えるとともに、パラメータ推定器PEk
に与える。
トルX1(t)と、ユーザ信号Yk(t)とに基づいて、
対応するユーザの受信応答ベクトルHkを算出し、第1
段目の干渉キャンセラの演算装置101′に与える。
復調器、エラー判定器、再変調器、パラメータ推定器及
び干渉信号除去選択器からなる配列は、図3のすべての
干渉除去部ICに共通であるので、さらなる説明は繰り
返さない。
明する。まず、図1の受信システムと同様に、A/D変
換器8からは入力信号ベクトルX1(t)が出力され、
干渉除去ICと受信電力検出部9に与えられる。
3〜6が設けられていて、それぞれのアンテナの出力は
周波数変換回路7に与えられて、それぞれ対応する局部
発振信号Loによって周波数変換され、A/D変換器8
によってデジタル信号に変換されて受信電力検出部9に
与えられる。
えられる4本のアンテナからのデジタル出力により、受
信した電力を優先ユーザ選択器10に与える。優先ユー
ザ選択器10は、どのユーザの受信電力が大きいか判断
し、干渉除去部ICにて受信電力が最大のものを選択す
るように、選択信号を与える。干渉除去部ICは与えら
れた選択信号に応じて、干渉除去の処理を行う。優先す
るユーザの信号が与えられた干渉除去部ICでは、所望
信号Y1(指示されたユーザの信号)、応答ベクトルH
1及びエラー判定信号E1を出力する。この所望信号Y
1(指示されたユーザの信号)、応答ベクトルH1及び
エラー判定信号E1は演算部101’に入力され、干渉
除去の判定に基づき処理される。
るために、ここで処理したユーザが何であるかを示すU
1と共に、所望信号Y1(指示されたユーザの信号)、
応答ベクトルH1及びエラー判定信号E1が通知され
る。なお、上記で示したように、エラー判定の結果エラ
ーであったが、再度優先ユーザとしてアダプティブアレ
イ処理された場合は、複数の最終データが出力されるこ
とになるが、最後に出力されたものが優先となる。
て、最もエラーフリーになりやすいユーザを上記した
からの中の条件を用いて選択する。まず、受信電力の
高いユーザに従い選択する方法について説明する。
対雑音比)の算出につき説明する。受信電力検出部9か
らの信号は全ユーザの合成信号であるため、ユーザ毎の
受信電力に変換しなければならない。そのためには、算
出した受信応答ベクトルH kを必要とする。
素数)のI成分とQ成分の2乗和がそれぞれのユーザの
電力となるが、応答ベクトルの大きさからは絶対的な大
きさは分からない。そのために。受信電力検出部9から
の受信電力を基準にして、それぞれのユーザの受信電力
に分配する。以下のようにして分配される。
iの応答ベクトルの大きさ(2乗和)/(全ユーザの応
答ベクトルの大きさ(2乗和)の総和)
部9からの電力が50[dBμV]であり、ユーザ2の
応答ベクトルの大きさが30,ユーザ1の応答ベクトル
の大きさが70、全てのユーザの応答ベクトルの大きさ
が100(=30+70)であれば、ユーザ1の受信電
力は35[dBμV],ユーザ2の受信電力は15[d
BμV]となる。
まれないとすると、上記値はS(所望波)信号の値であ
る。従って、SNRに換算するためにはノイズとの比を
取らなければならない。ノイズは基地局ごと若干異なる
が事前に測定されているものとすると、 SNR=10・log10(所望波電力/ノイズ電力)で
計算される。
は、各ユーザの受信電力の大きさを求める。そして、優
先ユーザ選択器10は、求めた各ユーザにおける受信電
力の大きさの順序をメモリに格納し、格納した順序の中
で一番大きな受信電力のユーザをまず最初に干渉除去の
処理を行わせるように、干渉除去ICに選択信号を与え
る。なお、メモリに各ユーザの受信電力の大きさの順序
を格納するのは、次ステージ以降の処理において、どの
ユーザの信号を用いて干渉除去を行うか選択するために
用いるためである。
の最大のものを選ばすに、エラーフリーになりやすいこ
とが分かっている電力以上のものの中からユーザ番号順
にその信号を選択するように構成してもよい。
数段の干渉キャンセラの一例としての第1段目の干渉キ
ャンセラの演算装置101′の具体的構成を示すブロッ
ク図である。図5において、演算装置101′は、乗算
器MP1と、ANDゲートAND1と、加算器ADとから
構成されている。
去部IC1からのユーザ信号Y1(t)と、応答ベクトル
H1とが与えられる。
の第1入力に与えられ、これらのANDゲートの第2入
力には、前段の干渉除去部IC1からの対応のエラー判
定信号E1が入力される。
の負の入力に与えられ、A/D変換器8からの入力信号
ベクトルX1(t)は加算器ADの正の入力に与えられ
る。
(t)として演算装置101′から出力され、図3に示
すように、次のユーザに対応した干渉除去IC2に与え
られる。
図では図示省略したが、前段の干渉部IC1から出力さ
れた受信応答ベクトルH1、エラー判定信号E1、及びユ
ーザ信号Y1(t)、演算装置101′をそのまま通過
し、例えば、送信ウェイトを求めるための処理部に与え
られる。
渉除去部において復調エラー有りと判定された場合につ
き説明する。判定されたユーザ信号、たとえばY
1(t)に対応した干渉除去部IC1のエラー判定器ED
1からLレベルのエラー判定信号E 1が演算装置101′
のANDゲートAND1の他方入力に与えられる。この
結果、当該ANDゲートは閉じられ、対応する乗算器M
P1から出力される、受信応答ベクトルH1とユーザ信号
Y1(t)との積、すなわちレプリカ信号の加算器AD
への入力は阻止される。
ら復調エラーを含むユーザ信号に対応する干渉波成分
(レプリカ信号)は減算されない。
判定がなされていたときには、この実施形態では、優先
ユーザ選択器10が2番目にエラーフリーとなりやすい
ユーザを選択し、その選択信号Uを次段の干渉除去部I
C2に与える。干渉除去部IC2は、与えられた選択信号
Uに基づいて、選択されたユーザ信号(Y)を抽出す
る。
に関連して説明したように、この入力信号ベクトルX2
(t)と(なお、前段でエラーありと判定されている場
合には、入力信号ベクトルX1(t)の信号が与えられ
ることになる)と前段で選択されなかったユーザの入力
信号に基づいて、受信応答ベクトルH2と、エラー判定
信号E2と、ユーザ信号Y2(t)とを新たに算出し、演
算装置102’に与え、前述した動作が行われる。
しとの判定がなされていたときには、エラー判定信号E
1に応じて、演算装置101′にて入力信号ベクトルか
ら対応するユーザのレプリカ信号が減算された入力信号
X2(t)が干渉除去部IC2に与えられる。この干渉除
去部IC2にて、次に選択されたユーザの入力信号と演
算装置101′からの入力信号X2(t)により、受信
応答ベクトルH2,エラー判定信号E2,ユーザ信号Y2
とを新たに算出し、演算装置102’に与え、前述した
動作が行われる。
ルX1(t)を受けた前段の干渉除去部ICのうち、エ
ラー無しのユーザに関しては、当該干渉除去部ICで算
出された受信応答ベクトルHと、エラー判定信号Eと、
ユーザ信号Y(t)とがそのまま次の信号処理部へ送出
される。次段の干渉除去部ICには、入力信号ベクトル
X1(t)からエラーを含まないユーザ信号に対応する
干渉波成分(レプリカ信号)を減算した信号が与えられ
る。
た前段の干渉除去部ICのうち、エラー有りと判定され
たユーザに関しては、入力信号ベクトルX1(t)から
復調エラーを含むユーザ信号に対応する干渉波成分(レ
プリカ信号)は減算されない。
2′は、第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′
と全く同じ構成を有しており、図5に関連して説明した
動作と全く同じ動作を実行する。すなわち、入力信号ベ
クトルX2(t)から、復調エラーを含まないユーザ信
号に対応するレプリカ信号のみが減算され、次の入力信
号ベクトルX3(t)が加算器AD(図5)から出力さ
れることになる。
算装置102′では、ノイズを導入することなくさらに
高精度で干渉波除去がなされた入力信号ベクトルX
3(t)が得られる。
ャンセラの動作は、演算装置101′の第1段目の干渉
キャンセラの動作と全く同じである。
接続し、各段の干渉キャンセラの演算装置において、入
力信号ベクトルXn(t)から、エラー無しと判定され
たユーザのレプリカ信号のみを減算することによって、
各段の干渉キャンセラにおいて高精度な干渉波の除去を
行うことができる。
干渉除去部ICでエラー無しと一旦判定されたユーザに
関しては、その干渉除去部ICで算出された受信信号ベ
クトルHと、エラー判定信号Eと、ユーザ信号Y(t)
と、優先選択信号Uとが、それぞれの段の干渉除去部I
Cからそれぞれ最終出力まで与えられることになる。
路10は受信電力の大きさで優先ユーザを選択している
が、上記したからの条件につき優先ユーザを求める
場合には以下のように行えばよい。
ユーザ」の場合には、前のフレームのエラー判定Eに基
づいて優先ユーザを選択するように構成すればよい。
ザ」の場合には、優先ユーザ選択器10に入力される前
後のフレームの応答ベクトルからFDを推定し、FDに
基づいて優先ユーザを選択すればよい。
are Error)の小さいユーザ」の場合には、干渉除去I
Cのアダプティブアレイ部からMSEを優先ユーザ選択
器10に入力し、MSEに基づいて優先ユーザを選択す
ればよい。
の場合には、優先ユーザ選択器10で応答ベクトル推定
精度を判断し、この推定精度で優先ユーザを選択すれば
よい。
する。まず、優先ユーザの判定を行う(ステップS10
1)。受信電力の高いユーザなどの判定条件に基づき1
つのユーザを選択する。そして、選択したユーザ信号に
従って、同期処理を行う(ステップS102)。
望の信号を抽出する(ステップS103)。そして、復
調処理が行われ、所望の位相情報をビット情報に変更す
る(ステップS104)。
S105)。即ち、復調した信号が正しいか否かを判定
して、エラーか否かを記録する。
ち、復調エラー判定結果に基づき、次のステージに遷移
できるか否かを判定する(ステップS106)。そし
て、次ステージに行くか否か判断され(ステップS10
7)、次ステージに行く場合には、ステップS108へ
進み、次ステージに行かない場合には、動作を終了す
る。
い、復調したビット情報を再度位相情報に変調する。そ
して、応答ベクトルを推定し、除去するユーザ(再変調
処理したユーザ)の位相振幅情報を推定する(ステップ
S109)。
再変調信号と応答ベクトルから除去するユーザのレプリ
カ信号を生成する(ステップS110)。
する(ステップS111)。そして、ステップS101
に戻り、前述の動作を繰り返す。
的に説明する。上述の実施の形態1においては、マルチ
ステージの干渉キャンセラの各段ごとに、演算装置にお
いて入力信号Xn(t)から、エラーのないユーザに対
応する干渉成分すなわちレプリカ信号を除去するように
構成されている。このような実施の形態1の構成によ
り、次のような効果が得られる。
の受信信号を求める場合において、エラーフリーとなる
確率が極めて高いユーザ1の受信信号が選択され、前段
の干渉除去部IC1でユーザ1が復調エラー無しと判定
された場合、ユーザ1のレプリカ信号が第1段目の干渉
キャンセラの演算装置101′において初期入力信号ベ
クトルX1(t)から減算されることになる。この結
果、第1段目の干渉キャンセラのユーザ4に関する受信
信号X2(t)は、 初期入力信号−(ユーザ1のレプリカ信号)となる。
ユーザ2の受信信号が選択され、前段の干渉除去部IC
2でユーザ2が復調エラー無しと判定された場合、ユー
ザ2のレプリカ信号が第2段目の干渉キャンセラの演算
装置102′において、次の入力信号ベクトルX
2(t)から減算されることになる。この結果、第2段
目の干渉キャンセラのユーザ4に関する受信信号X
3(t)は、 受信信号X2(t)−(ユーザ2のレプリカ信号)とな
る。
いユーザ3の受信信号が選択され、前段の干渉除去部I
C3でユーザ3が復調エラー無しと判定された場合、ユ
ーザ3のレプリカ信号が第3段目の干渉キャンセラの演
算装置103′において、次の入力信号ベクトルX
3(t)から減算されることになる。この結果、第3段
目の干渉キャンセラのユーザ4に関する受信信号X
4(t)は、 受信信号X3(t)−(ユーザ3のレプリカ信号)とな
る。
構成であっても確実に干渉除去が行える。また、エラー
フリーのユーザから優先的に処理することで、無駄なく
干渉除去が行え、DSPで構成した場合、処理ステップ
を少なく、即ち、処理時間が短縮できる。
の形態2によるPDMA用基地局の受信システムを示す
ブロック図である。上述した実施の形態1においては、
エラーフリーになりやすい目安として、「受信電力の高
いユーザ」を用い、1ステージで処理できるユーザが1
ユーザ分しかないシステムである。この実施の形態2に
おいては、最初に処理するユーザの選択条件をエラーフ
リーになりやすいユーザの内2つのユーザを選択するも
のである。エラーフリーになりやすい目安として、「受
信電力の高いユーザ、前のフレームでエラーフリーにな
ったユーザ、フェージング(FD)の遅いユーザ、アレ
イ処理におけるMSE(Mean Square Error)の小さい
ユーザ、応答ベクトル推定精度の高いユーザ」などの複
数の条件に基づいて判断する。そして、1ステージで処
理できるユーザは2ユーザ分のシステムである。
のユーザごとに設けられた干渉除去部ICとが、第1段
目の干渉キャンセラの基本構成をなしている。
が、演算装置102”の後段にも複数のユーザごとに第
1段目の干渉キャンセラと全く同じ態様で干渉キャンセ
ラが複数段続いているものとする。
としてマルチステージの干渉キャンセラで構成されたこ
とになり、最終段の干渉キャンセラからの出力が、当該
受信システムの最終出力となる。
D変換器8からは入力信号ベクトルX1(t)が出力さ
れ、第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′に与
えられるとともに、第1段目の干渉キャンセラに対応し
て設けられた複数の干渉除去部IC11、IC12にも共通
に与えられる。
ICは上述した図4に示すものと同じ構成を有してい
る。
3〜6が設けられていて、それぞれのアンテナの出力は
周波数変換回路7に与えられて、それぞれ対応する局部
発振信号Loによって周波数変換され、A/D変換器8
によってデジタル信号に変換されて受信電力検出部9に
与えられる。
えらた4本のアンテナからのデジタル出力により、受信
した電力を優先ユーザ選択器10に与える。優先ユーザ
選択器10は、エラーフリーになりやすい2つのユーザ
を選択し、干渉除去部ICにそれぞれ選択信号を与え
る。干渉除去部ICはそれぞれ与えられた選択信号に応
じて、干渉除去の処理を行う。
なりやすい目安として「受信電力の大きい」、以外に
「前のフレームでエラーフリーになったユーザ」、
「フェージング(FD)の小さいユーザ」、「アレ
イ処理におけるMSE(Mean Square Error)の小さい
ユーザ」、「応答ベクトル推定精度の高いユーザ」を
用いて、これらのデータから2つのエラーフリーになり
やすいユーザを選択するように構成している。
ユーザ選択器の構成を示すブロック図である。図8を参
照してこの発明の実施の形態による優先ユーザ選択器1
0の動作につき説明する。
算出した受信応答ベクトルHに基づき、どのユーザがエ
ラーフリーになりやすいか判断し、エラーフリーになり
やすいユーザの復元信号のみ当該ステージでの干渉除去
を行うように制御信号を出力する。
ユーザのSNR、FD、MSE、前のフレームでエラー
フリーになったユーザの情報に基づいて、エラーフリー
ユーザになりやすいユーザを選ぶか、或いは、応答ベク
トル推定精度のよいユーザに基づきエラーフリーユーザ
なりやすいかを選ぶ。
を選ぶためには、予めシミュレーションを実施し、SN
R、FD、干渉信号の度合(SIR:信号対干渉波比)
の各条件に応じた応答ベクトル推定精度を取得してお
き、それをランキングし、テーブルに保持しておく。そ
して、算出した応答ベクトルHに基づきFD及びSIR
を検出し、また、受信電力検出部9からの信号に基づ
き、SNRを推定し、当該ステージでの優先ユーザを選
択する。応答ベクトルの推定精度が高いと干渉除去する
レプリカ信号の精度が向上するため、次ステージに入力
される信号の精度が高くなる。その結果、次ステージで
のエラーフリーとなる確率が高くなる。
ザの受信電力の大きさ(SNR:信号対雑音比)、フェ
ージング速度(FD)、MSE、干渉信号の度合(SI
R:信号対干渉波比)等の各条件を全て保持してこれら
のランキングに基づいて、当該ステージでの優先ユーザ
を選択するように構成してもよいが、処理速度等を考慮
して、いずれかの条件により判定を行うようにしても良
い。
のスロットにおける受信応答ベクトルHが優先ユーザ選
択器10の相関演算および各条件推定回路101及びメ
モリ102に与える。
現在のフレームのスロットにおける受信応答ベクトル
と、メモリ102に格納されている前フレームの対応す
るスロットにおける受信応答ベクトルとの相関値を演算
する。
応答ベクトルの相関値αは次式により定義される。
転置したものを表す。
におけるアンテナ素子ごとの位相振幅情報を要素とする
受信応答ベクトル(h11,h12,h13,h14)を表して
いる。
プラー周波数(フェージング速度)との正確な対応関係
を求めることは困難であるが、実験によりおおよその対
応関係を経験的に求めることができる。例えば、相関値
が1から0.95の範囲内にあれば、ドップラー周波数
FDはFD=0Hzであると推定する。また、相関値が
0.95から0.80の範囲内にあれば、FD=10H
zであると推定する、等である。
クトル相関値とドップラー周波数FDとのおおよその対
応関係が相関演算および各条件推定回路101に予め格
納されており、上述の計算式により算出されたベクトル
同士の相関値から、該当するドップラー周波数FDが優
先ユーザ判定器104に出力される。
対雑音比)の算出につき説明する。受信電力検出部9か
らの信号は全ユーザの合成信号であるため、ユーザ毎の
受信電力に変換しなければならない。そのためには、受
信応答ベクトルHを必要とする。
素数)のI成分とQ成分の2乗和がそれぞれのユーザの
電力となるが、応答ベクトルの大きさからは絶対的な大
きさは分からない。そのために。受信電力検出部9から
の受信電力を基準にして、それぞれのユーザの受信電力
に分配する。
干渉波比)の算出について説明する。SIRはSNRと
は異なり、受信電力検出部9からの絶対的な受信電力は
必要とせず、ユーザごとの受信電力の比で計算される。
従って、上記した方法により、各ユーザの応答ベクトル
から各ユーザの受信電力を計算し、それらの比を取れば
よく、同様に SIR=10・log10(所望波電力/干渉波電力)で
計算される。
回路101は、受信応答ベクトルや受信応答ベクトル相
関値とユーザの受信電力の大きさ(SNR:信号対雑音
比)、干渉信号の度合(SIR:信号対干渉波比)を
得、その値が優先ユーザ判定器104に出力される。
ザの受信電力の大きさ(SNR:信号対雑音比)、フェ
ージング速度(FD)、干渉信号の度合(SIR:信号
対干渉波比)の各条件に応じた応答ベクトル推定精度を
取得しておき、それをランキングしたものがテーブルメ
モリ103に格納されている。
でエラーフリーとなったユーザデータを格納する。
定精度で優先ユーザを選択する場合には、相関演算およ
び各条件推定回路101から与えられたSNR、SI
R、FDを引数として、テーブルメモリ103を参照
し、これらのランキングに基づいて、どのユーザを優先
するかを選択し、その結果を出力する。
の大きい順で優先ユーザを選択する場合には、相関演算
および各条件推定回路101から与えられたSNRを引
数として、テーブルメモリ103を参照し、これらのラ
ンキングに基づいて、どのユーザを優先するかを選択
し、その結果を出力する。
エラーフリーになったユーザで優先ユーザを選択する場
合には、メモリ102に格納された前のフレームの情報
に基づき相関演算および各条件推定回路101をへてど
のユーザを優先するかを選択し、その結果を出力する。
優先ユーザを選択する場合には、アダプティブアレイか
ら与えられたMSEを引数として、テーブルメモリ10
3を参照し、これらのランキングに基づいて、どのユー
ザを優先するかを選択し、その結果を出力する。
より優先ユーザを選択するが、これら複数の条件を考慮
して優先ユーザを選択してもよい。からにより、エ
ラーフリーになりやすい目安になる理由につき以下に簡
単にまとめる。
出し易いために、干渉除去部でエラーフリーになりやす
い。SNRの算出は上述した方法により行える。
は、当該フレームでもエラーにならない確率が高い。そ
のため、前のフレームのエラー状況を記憶しておき、干
渉除去部での処理前に、エラー状況を確認すればよい。
出しやすく、干渉除去部でエラーフリーになりやすい。
ので、干渉除去部でエラーフリーになりやすい。
は、所望信号の抽出ができていることであり、エラーフ
リーになりやすい。また干渉除去において精度良く除去
が行えるため、次ステージに移行しても効率的に所望信
号が抽出できる。
応答ベクトル推定精度で優先ユーザを選択する場合に
は、相関演算及び各条件推定回路101から与えられた
SNR、SIR、FDを引数として、テーブルメモリ1
03を参照し、これらのランキングに基づいて、優先ユ
ーザを決定し、その結果を干渉除去ICに出力する。
テムは、上記したように、1つのステージで2つのユー
ザが処理できる点が図3に示した実施の形態1による受
信システムと異なっている。
装置101’(及び以降の各段の干渉キャンセラの演算
装置)は、前述の図5に示す構成ではなく、図9に示す
ような構成を有している。
の干渉キャンセラの干渉除去部IC、たとえば干渉除去
部IC11からの受信応答ベクトルH11,エラー判定信号
E11,及びユーザ信号Y11(t)と、さらに干渉除去部
IC12からの受信応答ベクトルH12、エラー判定信号E
12及びユーザ信号Y12(t)とが与えられる。
C11からの受信応答ベクトルH11とユーザ信号Y
11(t)とが乗算器MP1で乗算され、その出力はAN
DゲートAND1の第1の入力に与えられる。またAN
DゲートAND1の第2の入力には、干渉除去部IC11
からのエラー判定信号E11が与えられる。
去部IC12からの受信応答ベクトルH12とユーザ信号Y
12(t)とが乗算器MP2で乗算され、その出力はAN
DゲートAND2の第1の入力に与えられる。またAN
DゲートAND2第2の入力には、干渉除去部IC12か
らのエラー判定信号E12が与えられる。
D2の出力は加算器ADの負入力に与える。
ように入力信号ベクトルX1(t)が入力される。
た第1番目の優先ユーザに対応する構成の説明である
が、演算装置101’は、第1番目の優先ユーザから第
2番目の優先ユーザまで同様の構成を含むものとする。
ステムの動作を説明すると、入力信号ベクトルX
1(t)を受けた前段の干渉除去部IC11、IC21のう
ち、エラー無しと判定されたユーザに関しては、当該干
渉除去部ICで算出された受信信号ベクトルHと、エラ
ー判定信号Eと、ユーザ信号Y(t)とが、そのまま第
1段目の干渉キャンセラの演算装置101′に与えられ
る。また、干渉除去部ICで算出された受信信号ベクト
ルHと、エラー判定信号Eと、ユーザ信号Y(t)と、
優先信号Uは最終出力まで与えられる。
ラー無しと判定されたユーザに関しては、後段の干渉除
去部ICに与えられることはない。
た前段の干渉除去部IC11、IC21のうちエラー有りと
判定されたユーザに関しては、第1段目の干渉キャンセ
ラの演算装置101′では干渉除去されない。
2’では、前段の干渉キャンセラの演算装置101′か
ら出力された入力信号ベクトルX2(t)から、復調エ
ラーを含まないことが前段(第1段目)の干渉キャンセ
ラの干渉除去部ICで判定されたユーザに対応するレプ
リカ信号のみが、入力信号ベクトルX2(t)から減算
される。
IC21のいずれかで、たとえば干渉除去部IC11でエラ
ー無しが判定されたユーザ1に関しては、そのレプリカ
信号は既に演算装置101′で、初期入力信号ベクトル
X1(t)から減算されてしまっており、演算装置10
2’の加算器ADに与えられる入力信号ベクトルX
2(t)にはもはや含まれてはいない。
段目で選択されなかったユーザの信号が優先ユーザ選択
器10で選択されて与えられる。
的に説明すると、たとえば、4人のユーザのうち、ユー
ザ3の受信信号を求める場合において、前段の干渉除去
部IC11及びIC21においてユーザ1及び2がエラー無
しと判定された場合、第1段目の干渉キャンセラのユー
ザ3に関する受信信号ベクトルX2(t)は、初期入力
信号−(ユーザ1のレプリカ信号+ユーザ2のレプリカ
信号)となる。
無しとして既に入力信号ベクトルから減算されたユーザ
については、後段でもはや入力信号ベクトルから減算を
やり直す必要はない。したがって、この実施の形態2に
よれば、計算処理量の大幅な軽減を図ることができる。
示された実施の形態は、PDMA用基地局の受信システ
ムに関するものである。近年、このPDMA通信方式に
加えて、CDMA通信方式が提案されており、すでに実
用化されている。
信されるデジタルデータのシンボルに所定の拡散符号を
乗算して遥かに高い周波数の信号として送信し、受信側
では上記拡散符号を用いて受信信号を逆拡散することに
よりデータの復調を行っている。
異なるものを複数種類用いれば、同一周波数の複数のデ
ータ信号が拡散されて送信されている場合であっても、
送信時に対応する拡散符号で逆拡散を行うことにより所
望のユーザの信号のみを確実に分離抽出することができ
る。したがって、このCDMA通信方式を用いることに
より、さらなる通信容量の増大を図ることが可能とな
る。このようなCDMA通信方式はすでに実用化され、
当該技術分野において周知であるので、詳細な説明は省
略する。
よる無線受信システムを、CDMA通信方式に適用した
ものである。
CDMA用基地局の受信システムの要部を示すブロック
図であり、図11は、演算装置の具体的なブロック図で
ある。
DMA受信システムは、以下の点を除いて、図7ないし
図9に示した実施の形態2のPDMA受信システムと同
じである。
システムの干渉除去部ICの構成を、図10に示す実施
の形態3の構成に変更したものである。図10に示す干
渉除去部(一例としての干渉除去部ICK1′)では、ア
ダプティブアレイ及びパラメータ推定器の前段に、CD
MA通信方式で送信されアンテナ3〜6で受信された信
号を逆拡散するための逆拡散器ISk1が設けられてい
る。各干渉除去部において逆拡散器でユーザごとに逆拡
散された受信信号は、対応するアダプティブアレイ及び
パラメータ推定器に与えられ、前述の実施の形態2と同
じ動作により、それぞれのユーザ信号が抽出されて、後
段の干渉キャンセラの演算装置に与えられる。
算器MP1,MPk-1の出力をそれぞれ拡散する拡散器S
11,S12が設けられている点を除いて、図7に示した演
算装置101′と同じである。
れたままの入力信号ベクトルX1(t)からの減算を行
うために、各乗算器の出力が再度対応する拡散符号によ
り拡散される。
の出力は、後段の対応する干渉除去部の逆拡散器により
再度逆拡散されて、アダプティブアレイ及びパラメータ
推定器に与えられる。
1段の演算装置と同じ構成を有している。他の動作は、
図7ないし図9に示した実施の形態2と同じである。
除去ICでエラー判定を行っているが、エラーフリーに
なる確率が極めて高いユーザを優先的に選択できるの
で、エラー判定を省略してもある程度の精度は得られ
る。
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及
び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
に処理するユーザがエラーフリーになりやすいユーザを
選択して、効率的に干渉除去させることができるため、
処理速度が向上でき、処理速度の速いハードを必要とせ
ずに、ユーザに対応する信号抽出手段で抽出された干渉
ユーザ信号成分を入力信号ベクトルから干渉除去手段で
取除くことができ、移動通信システムなどの無線通信シ
ステムにおける通信品質の向上を図ることができる。し
かも、規模を小型化できるのでコストパフォーマンスに
優れる。
システムのブロック図である。
である。
局の受信システムのブロック図である。
成を示すブロック図である。
である。
ー図である。
局の受信システムのブロック図である。
の構成を示すブロック図である。
である。
地局の受信システムの干渉除去部の構成を示すブロック
図である。
地局の受信システムの演算装置の構成を示すブロック図
である。
式におけるユーザ信号のチャネル配置図である。
すブロック図である。
路、8 A/D変換器、10 優先ユーザ選択器 AA
アダプティブアレイ。
Claims (6)
- 【請求項1】 複数のアンテナを用いて複数のユーザか
らの信号を受信することができる無線受信システムであ
って、 前記複数のアンテナで受信された信号に所定の信号処理
を施す信号処理手段と、 前記複数のアンテナで受信された信号に基づいて、優先
的に処理するユーザを選択する選択手段と、 前記信号処理手段から出力される信号に基づいて、前記
選択されたユーザに対応する信号成分を抽出する第1の
信号抽出手段と、 前記信号処理手段から出力される信号に対する前記第1
の信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパ
ラメータ情報を推定する第1の推定手段と、 前記信号処理手段から出力される信号を、前記選択され
たユーザに対応する前記パラメータ情報を考慮した信号
で減算する第1の演算手段とを備えたことを特徴とする
無線受信システム。 - 【請求項2】 前記各手段は、アンテナの数より少ない
数で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の
無線受信システム。 - 【請求項3】 前記選択手段は第1の推定手段で算出し
たパラメータ情報に基づいてユーザを選択することを特
徴とする請求項1又は2に記載の無線受信システム。 - 【請求項4】 前記第1の信号抽出手段で抽出された複
数のユーザに対応する信号成分がそれぞれ復調エラーを
含むか否かを判定する複数の第1のエラー判定手段と、
を更に備え、 前記信号処理手段から出力される信号から前記第1のエ
ラー判定手段により復調エラーを含まないと判定された
前記抽出された信号成分を、対応する前記パラメータ情
報を考慮して減算する第1の演算手段とを備えたことを
特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の無線受
信システム。 - 【請求項5】 前記複数のユーザからの信号はPDMA
通信方式によって伝送された信号であることを特徴とす
る請求項1から4のいずれかに記載の無線受信システ
ム。 - 【請求項6】 前記複数のユーザからの信号はCDMA
通信方式によって伝送された信号であることを特徴とす
る請求項1から4のいずれかに記載の無線受信システ
ム。
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