JP4698916B2 - パイロット強度測定メッセージを生成するための方法及び装置 - Google Patents

パイロット強度測定メッセージを生成するための方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
1.発明の分野
本発明は概して通信の分野に関し、より詳細には、無線通信システムにおいてパイロット強度測定メッセージを生成することに関する。
【0002】
2.背景
無線通信の分野において、セルラ電話、パーソナル通信システム(PCS)送受信器、あるいは他の遠隔サブスクライバ通信装置などの移動局と、無線基地局との間の通信を制御するための技術を基盤としたいくつかの標準が存在する。それらはデジタルを基礎とした標準とアナログを基礎とした標準を含む。例えば、デジタルを基礎としたセルラ標準では、“二重モード広帯域スペクトラム拡散セルラシステムのための移動局−基地局両立性標準”を名称とする、IS−95A及びIS−95Bを含む遠隔通信工業協会/電子工業協会(TIA/EIA)中間標準IS−95がある。同様にして、デジタルを基礎としたPCS標準では、“1.8から2.0GHz符号分割多元接続(CDMA)パーソナル通信システムのためのパーソナル局−基地局両立性要求”を名称とする、米国国内標準協会(ANSI)J−STD−008シリーズがある。他の非CDMAを基礎とするデジタル標準は、移動通信(GSM)のための時分割多元接続(TDMA)を基礎とするグローバルシステムと、米国TDMA標準TIA/EIAIS−54シリーズがある。
【0003】
CDMAのスペクトラム拡散変調技術は、多元接続通信システムのための他の変調技術と比較して大きな利点を有している。多元接続通信システムにおけるCDMA技術の使用は、米国特許4901307号(発行日:1990年2月13日、名称“衛星または地上のリピータを使用するスペクトラム拡散多元接続通信システム”、本発明は譲受人に譲渡されており、その開示はこの明細書に組み込まれている)に開示されている。
【0004】
スペースまたはパスダイバーシチは2つ以上のセルサイトを介して移動ユーザからの同時のリンクを介して多元信号パスを提供することによって取得される。さらに、パスダイバーシチは、異なる伝搬遅延で到着する信号を別個に受信して処理することによるスペクトラム拡散処理を介したマルチパス環境を利用することにより取得される。パスダイバーシチの一例は、米国特許NO.5101501号(発行日:1992年3月31日、名称“CDMAセルラ電話システムにおけるソフトハンドオフ”)と、米国特許NO.5109390号(発行日:1992年4月28日、名称“CDMAセルラ電話システムにおけるダイバーシチ受信機”)に開示されている。本発明は譲受人に譲渡されており、その開示はこの明細書に組み込まれている。
【0005】
さらにフェージングの有害な影響は、送信パワーを制御することによってCDMAシステムにおいてある大きさにまで制御される。セルサイト及び移動ユニットパワー制御のためのシステムが米国特許NO.5056109号(発行日:1991年10月8日、名称“CDMAセルラ移動電話システム”、出願番号:07/433031、出願日:1989年11月7日、本発明は譲受人に譲渡されている)に開示されている。多元接続通信システムにおけるCDMA技術の使用は、米国特許5103459号(発行日:1992年4月7日、名称“CDMAセルラ電話システムにおける信号波形を生成するためのシステム及び方法”、本発明は譲受人に譲渡されており、その開示はこの明細書に組み込まれている)にさらに開示されている。
【0006】
上記したすべての特許は、CDMA無線通信システムに使用される捕捉のために使用されるパイロット信号の使用について記載している。セルラまたはPCS電話などの無線通信装置が駆動される様々な時点で、それは、他の種々の手順の間で、無線通信システムにおける基地局からのパイロットチャネル信号をサーチすることを含む捕捉手順を受け持つ。例えば、CDMAシステムにおけるパイロット信号の復調及び捕捉について共願の米国特許出願NO.08/509721号(名称“CDMA通信システムにおけるサーチ捕捉を実行するための方法及び装置”、本発明は譲受人に譲渡されており、その開示はこの明細書に組み込まれている)に開示されている。1つ以上のパイロットチャネルが無線通信装置によって捕捉できるときには、それは最強の信号をもつパイロットチャネルを選択する。パイロットチャネルの捕捉と同時に、無線通信装置は、通信に必要とする基地局からのさらなるチャネルを捕捉可能になる。これらの他のチャネルの構造及び機能は、米国特許NO.5103459号に開示されているので、ここでは詳細な議論は行なわない。
【0007】
基地局からのパイロットチャネル信号をサーチして捕捉するための捕捉手順は、ハンドオフのための潜在的な候補基地局を検出する目的をもつ。具体的な基地局候補は、4つの組に分割される。これらの組は、パイロットに優先順位をつけ、サーチ動作の効率のよさを増大するのに使用される。アクティブセットと呼ばれる第1の組は、移動局と現在通信をしている基地局からなる。候補セットと呼ばれる第2の組は、移動局に対しての使用とするのに十分な強さであると決定された基地局からなる。基地局は、それらの測定されたパイロットエネルギが所定のしきい値TADDを越えるときに候補セットに追加される。第3の組は、移動局の近くに存在する(アクティブセットにも候補セットにも含まれない)基地局の組である隣接セットである。第4の組は、他のすべての基地局からなる残余セットである。
【0008】
IS−95A通信システムにおいて、移動局は、現在復調されているフォワードトラフィックチャネルのいずれにも関連しない十分な強さのパイロットを見つけたとき、あるいは、復調されているフォワードトラフィックチャネルの1つと関連するパイロットの強さが、所定の時間期間の間、しきい値を下回ったときに、自律パイロット強度測定メッセージ(PSMM)を送信する。術語、パイロットは、パイロットシーケンスオフセット及び周波数割当てによって識別されるパイロットチャネルを意味する。移動局は、次の条件の1つが満足されたときにパイロット強さにおける変化の検出に続いて自律PSMMを送信する。
【0009】
1.隣接セットまたは残余セットパイロットの強さが、しきい値(TADD )より上であることがわかった。
【0010】
2.候補セットパイロットの強さがアクティブセットパイロットの強さよりもしきい値(TCOMP)×0.5dB以上越えるとともに、この情報を運ぶPSMMが、最後のハンドオフ指示メッセージ(HDM)または拡張ハンドオフ指示メッセージ(EHDM)が受信されてから、送信されていない。
【0011】
3.候補セットまたはアクティブセットにおけるパイロットの強さは、所定の時間間隔(TTDROP)以上、しきい値(TDROP)以下に落ち込むとともに、この情報を運ぶPSMMが、最後のHDMまたはEHDMが受信されてから送信されなかった。
【0012】
ADDは、受信された信号が移動局との通信を効率よく提供するために十分な強度以上のしきい値である。TDROPは、受信された信号が移動局との通信を効率よく提供するために不十分な強度以下のしきい値である。
【0013】
IS−95B通信システムにおいて、移動局は、基地局により選択されたところの2組の規則のうちの1つに従って自律PSMMを送信する。規則の第1組は、IS−95Aで特定された規則と同じである。規則の第2の組は、
【数1】
Figure 0004698916
として定義される動的しきい値を使用する。
【0014】
ここで、パラメータSOFT_SLOPE及びADD_INTERCEPTは基地局によって定義され、加算はアクティブセットにおける全てのパイロット上で実行される。Ec/Io は雑音及び信号の全受信スペクトル密度に対するチップあたりの比率である。
【0015】
IS−95Bの規則の第2組によれば、移動局は、次の条件が満たされるときに自律PSMMを送信する。
【0016】
1.候補セットパイロットのパイロット強度がTDYNよりも上であり、この情報を運ぶPSMMが、最後のEHDMまたは一般的ハンドオフ指示メッセージ(GHDM)が受信されてから送信されなかった。
【0017】
2.隣接セットパイロットまたは残余セットパイロットのパイロット強度は、最大(TDYN ,TADD/2)以上になった。
【0018】
3.候補セットパイロットのパイロット強度は、任意のアクティブセットパイロットの強度をTCOMP×0.5dBだけ越え、TDYN より以上であり、この情報を運ぶPSMMは、最後のEHDMまたはGHDMが受信されてから送信されなかった。
【0019】
4.アクティブセットパイロットのハンドオフドロップタイマが終了となり、この情報を運ぶPSMMは、最後のEHDMまたはGHDMが受信されてから送信されなかった。
【0020】
IS−95A及びIS−95Bによる規則は、フォワードリンク及びリバースリンクの両方に関して1.25MHzチャネルを使用する単一のキャリアシステムのために設計されている。しかしながら、マルチキャリアシステムにおいては、移動局は、多元のキャリア周波数について基地局のパイロットチャネルを同時に受信する。例えば、3X/1Xマルチキャリアシステムは、フォワードリンクに関して3つの1.25MHzチャネルを使用し、リバースリンクに関して1つの1.25MHzチャネルを使用する。他の例としては、フォワードリンクに関して3つの1.25MHzチャネルを使用し、リバースリンクに関して1つの3.75MHzチャネルを使用する3X/3Xマルチキャリアシステムである。いずれの例においても、1つのキャリア周波数から他のキャリア周波数へ変化する短期間のフェージングが見られる。そのような状況において、PSMMの自律送信を統治するIS−95規則は、多元のパイロットチャネルについてのパイロットの存在下で不十分である。すなわち、マルチキャリアシステムにおいて基地局からの多元パイロット信号の受信に従って、移動局がいつ自律PSMMを送信するかを決定する必要性がある。
【0021】
要約
本発明は、マルチキャリア無線通信システムにおいて、移動局によって自律パイロット強度測定メッセージ(PSMM)を生成するための方法及び装置に関しており、移動局で複数のパイロットを受信する工程と、前記複数のパイロットは少なくとも1つの基地局から送信され、前記複数のパイロットの少なくとも1つに関連するパイロット強度を決定するために、一組のパイロット強度定義から第1のパイロット強度定義を使用する工程と、規則セットをチェックする工程と、前記規則セットは、前記第1のパイロット強度定義を操作することによってPSMMを生成するためのものであり、前記移動局からの送信のためのPSMMを生成する工程を具備する。
【0022】
本発明の一側面において、異なるパイロット強度定義は、1つの規則における1つのパイロット強度定義を適用することによって前記規則セットが使用されるとともに、他の規則において異なるパイロット強度定義を提供する。本発明の他の側面において、移動局によって生成されるPSMMは当該PSMMを生成するのに使用されなかったパイロット強度情報を運ぶ。
【0023】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明が具現化される一般的な無線通信システムは、図1に示される。好ましい実施形態において、通信システムは、CDMA無線通信システムであるが、本発明は他のタイプの通信システムに対しても同様に適用可能である。TDMA及びFDMAさらには他のスペクトラム拡散システムなどの、他の既知の送信変調技術を使用するシステムが本発明を使用する。
【0024】
図1に示すように、CDMA無線電話システムは概して、複数の移動サブスクライバユニット(局)10、複数の基地局12、基地局コントローラ(BSC)14、移動交換センタ(MSC)16、MSC16は従来の公衆交換電話網(PSTN)18と接続可能に構成されている。MSC16はBSC14とも接続可能に構成されている。BSC14はバックホールライン(backhaul lines)を介して基地局12に接続されている。バックホールラインは、例えば、E1/T1、ATM、IP、PPP、フレームリレー、HDSL、ADSL、またはxDSLを含む、いくつかの既知のインタフェースを支持するべく構成される。当該システムにおいては、2つ以上のBSC14がある。各基地局12は、好ましくは少なくとも1つのセクタ(図示せぬ)を含み、各セクタは全方向アンテナまたは基地局12から放射線状に特定の方向を向いているアンテナを具備する。一方、各セクタはダイバーシチ受信のための2つのアンテナを具備する。各基地局12は好ましくは複数の周波数割当てを支持するように設計される。セクタと周波数割当ての交差点はCDMAチャネルと呼ばれる。基地局12は、基地局送信機サブシステム(BTS)12としても知られる。一方、“基地局”は、1つのBSC14及び1つ以上のBTS12を総称するために業界において使用される。BTS12は“セルサイト”12とも呼ばれる。一方、所定のBTS12の個々のセクタはセルサイトと呼ばれる。移動サブスクライバユニット10は通常セルラまたはPCS電話10である。
【0025】
セルラ電話システムの一般的な動作において、基地局12は一組の移動局10から一組のリバースリンク信号を受信する。移動局10は電話呼または他の通信を行なっている。所定の基地局12によって受信された各リバースリンク信号は基地局12内で処理される。獲得したデータはBSC14に送られる。BSC14は呼資源割当てと基地局12間のソフトハンドオフの設定を含む移動管理機能を提供する。BSC14はまた、受信データをMSC16に送り、PSTN18と接続するための付加的なルート制御サービスを提供する。同様にして、PSTN18は、MSC16と接続し、MSC16はBSC14と接続し、その代わりに一組のフォワードリンク信号を一組の移動局10に送信すべく、基地局12を制御する。
【0026】
移動局が単一のキャリアシステムにおける第1の基地局の包囲エリアから単一のキャリアシステムにおける第2の基地局へ移動する場合は、IS−95の規則が適用可能である。移動局がマルチキャリアシステムの包囲エリアから他のマルチキャリアシステムに移動する場合は、本発明の種々の実施形態が移動局からのPSMMを自律的に送信するために使用される。
【0027】
図2は、マルチキャリアシステム内の移動局がPSMMを自律的に生成する本発明の実施形態のブロック図である。ステップS200で、移動局は多数の隣接する基地局の包囲エリアに入る。明確さのためにここではただ1つの基地局の動作についてのみ議論するが、すべての隣接する基地局はここでの議論のために選択された任意の基地局に対して同様に動作する。ステップS210で、移動局は多元キャリアからのパイロットチャネル信号を連続的にサーチしかつ捕捉している。ステップS220で、移動局は、ここで説明されたパイロット強度定義に従ってパイロットチャネル信号のパイロット強度を決定する。ステップS230で、基地局は、移動局に対して設定された規則セットを送信する。ここで、前記規則セットは、自律PSMMの生成に関して移動局を導くための条件を含んでいる。ステップS230はここに記載されたプロセスを介して基地局によって反復して実行される。すなわち、ステップS230は本発明の実施形態における任意の時間に実行可能である。ステップS240で、移動局はパイロットチャネル信号のパイロット強度を、ステップS230で送信された規則セットに記載された条件と比較する。ステップS250で、移動局は、ステップS240での比較がPSMMを生成するための条件の少なくとも1つを満足するならば、PSMMを生成する。ステップS260で、移動局は多元キャリアからのパイロットチャネル信号の検出を再開し、ここに記載した方法を反復する。
【0028】
本発明の一実施形態において、パイロット強度は、移動局がIS−95の規則を使用できるように、チップ(Ec)あたりのパイロットエネルギと、雑音及び信号(I0)の全受信スペクトル密度との比率に関連して定義できる。3Xマルチキャリアシステムに対するパイロット強度は以下のように定義される。
【0029】
(1) PS1=10×log(一次パイロットEc /Io )、前記一次パイロット(概して最大送信パワーをもつもの)は基地局によって特定される。
【0030】
(2) PS2=10×log{[(パイロットEc /Io )1 /Δ1 +(パイロットEc /Io )2 /Δ2 +(パイロットEc /Io )3 /Δ3 ]/3} ここで、(パイロットEc /I0 )は、i番目のキャリア周波数に関して測定されたパイロットEc /I0であり、Δi は、パイロットiの送信パワーと一次パイロットi=1,2,及び3間での比率である。
【0031】
(3) PS3=10×log{max[(パイロットEc /Io )1 、(パイロットEc /Io )2 、(パイロットEc /Io )3 ]}
(4) PS4=10×log{max[(パイロットEc /Io )1 /Δ1 、(パイロットEc /Io )2 /Δ2 、(パイロットEc /Io )3 /Δ3 ]}
3Xマルチキャリアシステムにおけるパイロットのパイロット強度は上記のパイロット強度定義に規定されているが、本発明のこの実施形態は、他のキャリア周波数からのパイロットチャネル信号のEc /Io 条件を制御することによってより大きなまたはより小さなマルチキャリアシステムにおいて使用可能である。
【0032】
式(1)において、パイロット強度は、一次パイロットのEc /Ioによってのみ決定される。式(2)において、パイロット強度は、3つすべてのパイロットの重み付き加算値によって決定される。式(3)において、3つすべてのパイロットの最大が使用される。式(4)において、最大パワー調整のパワーが使用される。好ましい方法は式(2)によって定義されたパイロット強度をもつIS−95規則を使用することである。他の好ましい方法は、式(1)によって定義されたパイロット強度をもつIS−95を使用することであり、これによって移動局は一次チャネルに関してパイロットのみをサーチする。他の好ましい方法は、規則セットにおける特定された規則に従って、パイロット強度定義の組み合わせを実行することである。例えば、式(3)のパイロット強度定義は、システムがIS−95Aの規則1または規則2を実行する場合に使用可能である。そして、式(2)のパイロット強度定義は、システムが代わりに規則3を実行する場合に使用可能である。このパイロット強度定義の組み合わせを使用して、移動局は、上昇する隣接セットパイロットをより積極的に報告し、下降するアクティブセットパイロットをより消極的に報告する。
【0033】
本発明の他の実施形態において、パイロット強度は、次の式に従って定義される。
【0034】
(5−1) PS51 =10×log[(パイロットEc /Io )1 ]、
(5−2) PS52 =10×log[(パイロットEc /Io )2 ]、
(5−3) PS53 =10×log[(パイロットEc /Io )3 ]、
ここで各パイロットのEc /Ioは個々に使用される。
【0035】
本発明の一実施形態において、式(5−1)、(5−2)、(5−3)に従ったパイロット強度の定義は、IS−95規則に関連して使用可能である。ここで、各キャリアについてのパイロットについては、IS−95規則において特定される比較がなされる。本発明の他の実施形態において、個々のパイロット強度PS51 、PS52 、及びPS53 は、以下に述べる新たな組の規則の範囲内で使用される。
【0036】
1.隣接セットまたは残余セットパイロットのパイロット強度は、以下を満足する。
【0037】
PS51 >TADD
PS52 >TADD −[10×log(Δ2 )]、そして
PS53 >TADD −[10×log(Δ3 )]
2. 候補セットパイロットのパイロット強度(PS51 、PS52 、PS53 )のすべてが、任意のアクティブセットパイロットの対応する強度をTCOMP×0.5dBだけ越えるとともに、この情報を運ぶPSMMは、最後のハンドオフ指示メッセージ(HDM)または拡張ハンドオフ指示メッセージ(EHDM)が受信されてから、送信されなかった。
【0038】
3.アクティブセットパイロットのハンドオフドロップタイマは終了した。すなわち、少なくともTTDROP によって特定された時間間隔の間、
PS51 <TDROP
PS52 <TDROP −[10×log(Δ2 )]、及び
PS53 <TDROP −[10×log(Δ3 )]
及びこの情報を運ぶPSMMは、最後のHDMまたはEHDMが受信されてから、送信されなかった。
【0039】
PS51 、PS52 、PS53 によって規定されたパイロット強度が上記の規則セットで使用され、上記規則セットからの少なくとも1つの条件が満たされるとき、移動局はPSMMをサービス中の基地局に自律的に送信する。
【0040】
式(5−1)、(5−2)及び(5−3)からのパイロット強度を使用する上記の規則に対する変形は、本発明の範囲を制限することなしに行なうことが可能である。例えば、上記規則セットの規則2は次の規則で置き換えることができる。
【0041】
代替例2。候補セットパイロットのパイロット強度(PS51 、PS52 、PS53 )のいくつかが任意のアクティブセットパイロットの対応する強度をTCOMP ×0.5dBだけ越えるとともに、この情報を運ぶPSMMは、最後のHDMまたはEHDSMが受信されてから、送信されなかった。
【0042】
本発明の異なる実施形態は、パイロット強度PS51 、PS52 、及びPS53 と、PS1,PS2,PS3,及びPS4などの他のパイロット強度定義との組み合わせによっても可能である。これらのパイロット強度の組み合わせは、規則セットの1つの条件が1つのパイロット強度定義を使用しながら、他のパイロット強度定義が他の条件に関連して使用されるなかで実行される。
【0043】
これまで議論された本発明の実施形態は、マルチキャリアシステムから他のマルチキャリアシステムに移動する移動局での実行のために設計される。しかしながら、これらの実施形態は、移動局がマルチキャリアシステムから単一のキャリアシステムあるいはその逆に移動するのを可能にするように変形可能である。
【0044】
移動局がマルチキャリアシステムから単一のキャリアシステムへ移動する実施形態において、単一のマルチキャリアシステムは、マルチキャリアシステムにおけるチャネルの1つを使用する。一方、状況はハードハンドオフになる。ハンドオフは、移動局が、基地局、異なるバンドクラス、異なる周波数割当てまたは異なる時間フレームのばらばらな組の間で遷移する状況をいう。ハードハンドオフサーチ手順の詳細についてここでは議論しない。2つの基地局が同時にアクティブセット内にないときは、マルチキャリアパイロットを有するアクティブセットは、単一のキャリアパイロットを有する新たなアクティブセットによって置き換えられる。同じ符号レートがフォワードリンクに関して使用され、同じRFチャネル及び無線構成がリバースリンクに関して使用されるならば、3X/1X基地局(すなわち、フォワードリンクに関して3つのキャリアを使用し、リバースリンクに関して1つのキャリアを使用する基地局)と1X/1X基地局(すなわち、フォワードリンクに関して1つのキャリアを使用し、リバースリンクに関して1つのキャリアを使用する基地局)間で理論的にソフトハンドオフを実行することができる。
【0045】
この種のハンドオフに対する好ましい1つの実施形態は、単一のキャリアシステムによって使用されるパイロットチャネル信号に対応するマルチキャリアシステムのパイロットチャネル信号を使用することである。チャネルがマルチキャリアシステムにおける一次チャネルでないならば、当該チャネルに関連するパイロットは、因数Δだけ減少された送信パワーレベルを有する。
【0046】
すなわち、Δ因数は、TCOMP または、TDROP との任意の比較の前に、割り引かなければならない。
【0047】
他の実施形態は、マルチキャリアシステムにおけるすべてのパイロットの重み付き加算値を決定し、IS−95に従う規則においてその重み付き加算値を使用するために、式(2)の使用を含む。
【0048】
他方、システムは、サービス中の基地局内での多元キャリアから単一のキャリアへと遷移し、IS−95に従って単一のキャリアから他の単一のキャリアへのハンドオフを実行することによって、多元基地局間のハンドオフを避けることができる。
【0049】
移動局が単一のキャリアシステムから多元キャリアシステムへと移動しているときに、当該単一のキャリアシステムは、マルチキャリアシステムにおける多元チャネルの1つを使用する。一方、ハードハンドオフ状況が発生し、ハードハンドオフサーチ手順が開始される。2つの基地局が同時にアクティブセットにない場合に、単一のキャリアシステムからのパイロットを有するアクティブセットは、マルチキャリアシステムからのパイロットを有する新たなアクティブセットによって置き換えられる。同じ符号レートがフォワードリンクに関して使用され、同じRFチャネル及び無線構成がリバースリンクに関して使用されるならば、フォワードリンクにおける単一のキャリアを使用し、リバースリンクに関して単一のキャリアを使用する基地局と、フォワードリンクにおいて多元キャリアを使用し、リバースリンクにおいて単一のキャリアを使用する基地局との間のソフトハンドオフを理論的に実行できる。
【0050】
この種のハンドオフに対する好ましい1つの実施形態は、単一キャリアシステムにおけるパイロットを使用するIS−95の規則を実行することである。チャネルがマルチキャリアシステムにおける一次チャネルでないならば、チャネルに関連するパイロットは、因数Δだけ減少された送信パワーレベルを有する。すなわち、Δ因数は、TCOMP またはTDROP の比較が行われる前に割り引かれる。
【0051】
上記したように、他の実施形態は、マルチキャリアシステムにおけるパイロット強度の計算のための式(1)または式(2)の使用、及び、IS−95規則に従ってその結果を使用することを含む。
【0052】
他の実施形態において、システムは、サービス中の基地局内で単一キャリアから多元キャリアへと遷移し、3Xシステムから他の3Xシステムへなどのように、多元キャリアから多元キャリアへのハンドオフを行なうことによって、単一キャリアシステムから多元キャリアシステムへの遷移の状況を避けることができる。
【0053】
移動局が、自律PSMMが無線通信システムにおける基地局に送信されねばならないと決定したならば、PSMMの内容に関する決定がなされなければならない。本発明の一実施形態において、PSMMに列挙された各パイロットに対するパイロット強度PS2を送信することが好ましい。したがって、PSMMに列挙された各パイロットに対して、パイロット強度PS1,PS3,PS4及び/またはPS51 、PS52 及びPS53 を具備する規則セットを送信することが好ましい。すなわち、移動局は、しきいレベルとのパイロット強度の比較において使用されないパイロット強度定義から引き出されたパイロット強度情報を運ぶPSMMを生成することができる。PS51 、PS52 、そしてPS53 が報告されたならば、PSMMにおけるパイロット強度フィールドに対して3倍のスペースがさらに要求される。
【0054】
PSMMメッセージの他の重要なフィールドは、パイロットPNフェーズフィールドである。パイロットPNフェーズは、PNオフセットを決定するために使用され、該PNオフセットは、パイロットチャネルの身元を決定して、移動局と目標の基地局間のパス遅延の推定を取得するのに使用される。1つの方法は、3つのすべてのキャリアからPSMMにおいて報告されたパイロットの最も早く到着するマルチパスのフェーズを報告することである。第2の方法は、一次パイロットの最も早く到着するマルチパスのフェーズを報告することである。第3の方法は、受信した最大の(最高のEc /Io )パイロットの最も早く到着するマルチパスのフェーズを報告することである。第4の方法は、各キャリア周波数に関するパイロットの最も早く到着するマルチパスのフェーズを報告することである。この第4の方法は、報告された各パイロットPNに対する多元パイロットPNフェーズフィールドを要する。
【0055】
図3は、図2の方法において使用される移動局300を示す。移動局300は、隣接する基地局のパイロット信号の強度を連続的または間欠的に測定する。パイロット信号は、1つ以上のキャリア周波数に関して送信される。移動局300のアンテナ350によって受信された信号は、デュプレクサ352を介して受信機(RCVR)354に供給される。受信した信号は、この受信機354により、増幅され、ダウンコンバートされ、フィルタリングされ、その後、サーチャサブシステム355のパイロット復調器358に供給される。
【0056】
加えて、受信された信号は、トラフィック復調器364A−364Nに供給される。トラフィック復調器364A−364Nまたはそれのサブセットは、移動局300によって受信された信号を別個に復調する。トラフィック復調器364A−364Nからの復調された信号は、前記復調されたデータを合成する合成器366に供給される。これによって、送信されたデータの改善された推定を提供することができる。
【0057】
移動局300は、パイロットチャネルの強度を測定する。制御プロセッサ362は、基地局によって規定される捕捉パラメータをサーチプロセッサ356に供給する。特に、制御プロセッサ362は、図2に関連して記載された当該方法を実行するためにそのような捕捉パラメータを供給する。制御プロセッサ362は、一般的なCDMA通信システムにおける、パイロット強度値、PNオフセット、周波数を含むパイロット信号パラメータをメモリ372内に記憶する。制御プロセッサ362は次に、サーチャサブシステム355によって実行されるべきパイロットサーチのスケジュールを決定するために、メモリ372にアクセスする。制御プロセッサ362は、当業界で知られているような、通常のマイクロプロセッサである。CDMA通信システムの一般的な実施形態において、制御プロセッサ362は、サーチするべき次のパイロット信号に従って、PNオフセットをサーチプロセッサ356に供給する。サーチプロセッサ356は、受信された信号を復調するためにパイロット復調器358によって使用されるPNシーケンスを生成する。復調されたパイロット信号は、所定長さの時間の間、エネルギを蓄積し、そのようにして蓄積されたエネルギサンプルを制御プロセッサ362に供給することによって、復調されたパイロット信号のエネルギを測定するエネルギ蓄積器360に供給される。
【0058】
一般的な実施形態において、制御プロセッサ362は、ここで議論されたパイロット強度定義に従って蓄積されたエネルギサンプルをデジタル的にフィルタリングし、これによって、パイロット強度値を生成する。制御プロセッサは次に当該パイロット強度値をしきい値TADD 及びTDROP と比較する。
【0059】
制御プロセッサ362は、パイロットの身元と、それらの対応する測定されたパイロット強度値をメッセージ生成器370に供給する。メッセージ生成器370は、情報を含むパイロット強度測定メッセージを生成する。パイロット強度測定メッセージは、送信機(TMTR)368に供給され、符号化され、変調され、アップコンバートされ、増幅される。当該メッセージは次にデュプレクサ352を介してアンテナ350に送信される。
【0060】
以上のようにして、パイロット強度測定メッセージを生成するための方法及び装置についての説明がなされた。上記の記載は、当業者が本発明を製造または使用することができるようにするために提供された。当業者ならばこれらの実施形態に対する種々の変形例を容易に思いつくことが可能であり、ここに規定された一般的な原理は、新規な能力を使用しなくとも他の実施形態に適用可能である。すなわち、本発明は、ここに示された実施形態に限定されることはなく、ここに開示された原理と新規な特徴に一致した最も広い権利範囲が与えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は一般的な無線通信システムのブロック図である。
【図2】 図2は本発明の一実施形態を示すフローチャートである。
【図3】 図3は本発明の一実施形態において使用される移動局のブロック図である。
【符号の説明】
10 移動サブスクライバユニット
12 基地局
14 基地局コントローラ(BSC)
16 移動交換センタ(MSC)
18 公衆交換電話網(PSTN)

Claims (8)

  1. マルチキャリア無線通信システムにおける移動局によって自律パイロット強度測定メッセージ(PSMM)を生成するための方法であって、
    移動局で複数のパイロットを受信する工程であって、前記複数のパイロットは単一の基地局から送信される工程と、
    前記複数のパイロットの少なくとも1つに関連するパイロット強度を決定するために、一組のパイロット強度定義から第一のパイロット強度定義を使用する工程であって、前記一組のパイロット強度定義は、雑音及び信号の全受信スペクトル密度(Io)に対するチップあたりのパイロットエネルギ(Ec)の比率Ec /Ioに基づくものである工程と、
    規則セットをチェックする工程であって、前記規則セットは、前記第一のパイロット強度定義を操作することによって前記PSMMを生成するためのものである工程と、
    前記移動局からの送信のために前記PSMMを生成する工程と、
    を具備し、
    前記規則セットをチェックする工程は、
    前記複数のパイロットの各メンバが所定のしきい値よりも大きなパイロット強度をもつかどうかを決定する工程と、
    候補セットにおける各パイロットが、アクティブセットにおけるすべてのパイロットのパイロット強度を比較しきい量だけ越えるパイロット強度に関連するかどうかを決定する工程と、
    前記アクティブセットのハンドオフドロップタイマが終了したかどうかを決定する工程と、を具備する方法。
  2. 前記第一のパイロット強度定義は、
    PS1=10×log(一次パイロットEc /Io )であり、
    前記一次パイロットは、前記基地局によって特定される請求項1記載の方法。
  3. 前記第一のパイロット強度定義は、
    PS2=10×log{[(パイロットEc /Io )1 /Δ1 +(パイロットEc /Io )2 /Δ2 +…(パイロットEc /Io )i /Δi ]/i]、
    ここで、(パイロットEc /Io )i は、i番目のキャリア周波数に関して測定されたパイロットEc /Io であり、Δi は、パイロットiの送信パワーと、前記一次パイロットの送信パワーとの比率であり、iはキャリア周波数の数である請求項1記載の方法
  4. 前記第一のパイロット強度定義は
    PS3=10×log{max[(パイロットEc /Io )1 、(パイロットEc /Io )2 、…、(パイロットEc /Io )i ]}
    によって決定されるものであり、
    ここで、(パイロットEc /Io )i は、i番目のキャリア周波数に関して測定されたパイロットEc /Io である請求項1記載の方法。。
  5. 前記第一のパイロット強度定義は
    PS4=10×log{max[(パイロットEc /Io )1 /Δ1 、(パイロットEc /Io )2 /Δ2 、…、(パイロットEc /Io )i /Δi ]}
    によって決定されるものであり、
    ここで、(パイロットEc /Io )i は、i番目のキャリア周波数に関して測定されたパイロットEc /Io であり、Δi はパイロットiの送信パワーと、前記一次パイロットの送信パワーとの比率であり、iはキャリア周波数の数である請求項1記載の方法。
  6. 第2のパイロット強度定義を使用する工程をさらに具備し、
    PSMMを生成するための前記規則セットは、前記第一のパイロット強度定義と前記第二のパイロット強度定義とを操作する請求項1記載の方法。
  7. 前記パイロット強度定義の組は、組(PS51 、PS52 、…、PS5i )を具備し、各PS5i は、
    PS5i =10×log[(パイロットEc /Io )i ]によって定義され、
    ここで、iは、キャリア周波数の数である請求項6記載の方法。
  8. 自律パイロット強度測定メッセージ(PSMM)を生成するための移動局における装置であって、前記移動局はマルチキャリア無線通信システムにおけるものであり、前記装置は、
    移動局で複数のパイロットを受信するための手段であって、前記複数のパイロットは単一の基地局から送信される手段と、
    前記複数のパイロットの少なくとも1つに関連するパイロット強度を計算するために、一組のパイロット強度定義からの第一のパイロット強度定義を使用するための手段であって、前記一組のパイロット強度定義は、雑音及び信号の全受信スペクトル密度(Io)に対するチップあたりのパイロットエネルギ(Ec)の比率Ec /Ioに基づくものである手段と、
    規則セットをチェックするための手段であって、前記規則セットは、前記第一のパイロット強度定義を操作することによって前記PSMMを生成するためのものである手段と、
    前記移動局からの送信のための前記PSMMを生成するための手段と、
    を具備し、
    前記規則セットをチェックするための手段は、
    前記複数のパイロットの各メンバが所定のしきい値よりも大きなパイロット強度をもつかどうかを決定し、
    候補セットにおける各パイロットが、アクティブセットにおけるすべてのパイロットのパイロット強度を比較しきい量だけ越えるパイロット強度に関連するかどうかを決定し、
    前記アクティブセットのハンドオフドロップタイマが終了したかどうかを決定するように構成される装置。
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