JP3012636B1 - ハンドオフ方法とｃｄｍａシステム - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】 移動局と基地局との通信における上り通信エ
リアと下り通信エリアをほぼ同一となる制御を行い、他
局からの干渉波を削減し、ソフトハンドオフの期間中に
上位局と基地局間とで制御信号を送受信することを課題
とする。 【解決手段】 複数の基地局と、該基地局の一つと送受
信している移動局と、前記複数の基地局の送信電力を制
御する基地局制御局とからなる同一の周波数に多重して
いる符号分割多元接続（ＣＤＭＡ）システムにおいて、
前記移動局が他の基地局のエリアに移動する際のソフト
ハンドオフを実行する前に、パイロット強度測定メッセ
ージを前記基地局に送信し、且つ前記パイロット強度測
定メッセージを前記他の基地局に送信し、前記他の基地
局が前記移動局からの送信に対応する受信動作を開始
し、前記基地局及び前記他の基地局が前記移動局からの
送信を同時に受信し、前記基地局を介して前記移動局に
対して送信電力制御を実行することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、符号分割多元接続
（ＣＤＭＡ）システムのソフトハンドオフ方法に関し、
送信電力の異なる基地局間のハンドオフ方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、符号分割多元接続（ＣＤＭＡ）方
式を利用した無線通信システム、特にセルラー移動通信
システムにおいては、限られた周波数帯域を用いて１つ
のエリア（セル）内にどれだけ多くの回線容量を持つこ
とができるかという点が、システム設計の上で重要とな
る。

【０００３】符号分割多元接続（ＣＤＭＡ）方式におい
ては、複数のユーザーが同一の周波数上で通信を行い、
各ユーザーに割り当てられた符号間の直交性により各ユ
ーザー通信間の干渉の低減が求められてもいる。この符
号間の直交性を十分に引き出すには、受信点における複
数受信波のレベルを全て同一にすることにより解決され
る。このため、セルラー移動通信システムにおいては、
特に同一の基地局エリア内に存在する移動局間での同期
確保な上り通信（移動局→基地局）に関しては、各移動
局からの基地局での受信波が全て同一レベルで受信でき
るように移動局での厳密な送信電力制御が行うのが一般
的である。

【０００４】この上り通信（移動局→基地局）のトラフ
ィックチャネルの送信電力制御方式に関して、特開昭６
２−９２５２６号公報等に上りトラフィックチャネルを
基地局の受信側でレベル制御を行うことが開示され、ま
た、特開平７−９５１５１号公報に下り（基地局→移動
局）トラフィックチャネルの初期送信電力の決定方法が
開示されている。

【０００５】また、特開平９−７４３７８号公報（特許
掲載公報第２７６２９６５号）には、符号分割多元接続
（ＣＤＭＡ）方式における特有な特徴である移動局が複
数の基地局と同時に通信を行って、通信に適切な基地局
を選択するというソフトハンドオーバ（ソフトハンドオ
フ）の起動に関して開示されている。

【０００６】本公報によれば、移動局と、複数の基地局
と、当該基地局と接続した上位局とで構成され、符号分
割多元接続（ＣＤＭＡ）方式を利用したセルラー移動通
信システムにおいて、前記移動局は、上記複数の基地局
と同時に通信を行うソフトハンドオフに際し、通信中の
基地局からのパイロットチャネルの受信電力に加えてソ
フトハンドオフ先の基地局からのパイロットチャネルの
受信電力を報告情報として前記通信中の基地局に報告す
る手段を備え、前記上位局は、前記報告情報と通信中の
基地局のトラフィックチャネルの送信電力制御情報を受
信し、当該各情報を通信中の基地局とソフトハンドオフ
先の基地局に転送することが記載されている。

【０００７】この公報によれば、移動局のパイロットチ
ャネル受信部により、ダウンコンバートされ、逆拡散さ
れて取り出されたパイロットチャネルは、包絡線検波部
で受信レベルが検出され、受信レベル情報が送信データ
に重畳されて基地局に送信され、基地局はこの受信レベ
ル情報を上位局に送信し、折返し転送されてきた受信レ
ベル情報に従ってトラフィックチャネルの送信電力が最
適な下りトラフィックチャネルの送信電力として移動局
に送信される。

【０００８】上述したように、従来のソフトハンドオフ
方式は、上位局である高出力基地局無線装置（ＢＴＳ）
の送信受信を同時に行っており、移動局である移動局無
線装置（ＭＳ）がパイロット信号の強度を測定し、ある
設定された値以上になったときに通話中の上位局（ＢＴ
Ｓ）に対してハンドオフの要求をする方式をとってい
た。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の方
式では次のような問題があった。図４の様に基地局２０
を中心として、移動局から基地局２０への上りのエリア
２１が、基地局２０から移動局への下りのエリア２２に
比べて十分広い場合、基地局である低出力基地局無線装
置（ミニＢＴＳ）が充分移動局（ＭＳ）の送信電力を受
信できるのにも関わらず、ＭＳが下りの信号を受信でき
ない為、ＭＳからソフトハンドオフ要求を出せなかっ
た。その結果、ＭＳの送信電力はミニＢＴＳでなく、Ｂ
ＴＳの受信するＥｂ／Ｎｏ（信号１ビット当たりのエネ
ルギーＥｂに対する雑音スペクトラム密度Ｎｏとの比）
をもとに制御されるので、ミニＢＴＳの受信にとって、
過剰な入力信号レベルとなり、ＭＳの消費電力を増加さ
せていただけでなく、ミニＢＴＳに接続されているＭＳ
の送信レベル上昇を誘発するというデメリットがあっ
た。その理由はＣＤＭＡ方式において、全てのＭＳの送
信周波数（上り信号周波数）は同一である為、通信を行
っていないミニＢＴＳのエリアに対し干渉波となってい
たからである。

【００１０】本発明は、移動局と基地局との通信におけ
る上り通信エリアと下り通信エリアをほぼ同一となる制
御を行い、他局からの干渉波を削減し、ソフトハンドオ
フの期間中に上位局と基地局間とで制御信号を送受信す
ることを課題とする。

【００１１】また、他の基地局から上り通信エリアが下
り通信エリアに比べ広い基地局に対して、移動局がソフ
トハンドオフを実施する場合、ソフトハンドオフを実施
するまでの間この基地局の上りエリアに干渉を与えてし
まうことを防止し、移動局と基地局との通信における上
り通信エリアと下り通信エリアをほぼ同一とし、ソフト
ハンドオフの期間中に上位局と基地局間とで制御信号を
送受信することを課題とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、複数の基地局
と、該基地局の一つと送受信している移動局と、前記複
数の基地局の送信電力を制御する基地局制御局とからな
る同一の周波数に通信チャネルを多重している符号分割
多元接続（ＣＤＭＡ）システムにおいて、前記移動局が
他の基地局のエリアに移動する際のソフトハンドオフを
実行する前に、前記移動局は受信中の基地局からのパイ
ロット信号強度を測定した結果に基いてパイロット強度
測定メッセージを前記基地局に送信し、且つ前記パイロ
ット強度測定メッセージを前記他の基地局に送信し、前
記他の基地局は前記移動局からの前記パイロット強度測
定メッセージの送信に対応する受信動作を開始し、前記
基地局及び前記他の基地局が前記移動局からの前記パイ
ロット強度測定メッセージの送信を同時に受信し、前記
基地局を介して前記移動局に対して送信電力制御を実行
することを特徴とする。

【００１３】また、本発明は、複数の基地局と、前記基
地局中の基地局Ａと送受信している移動局と、前記複数
の基地局の送信電力を制御する基地局制御局とからなる
同一の周波数に通信チャネルを多重している符号分割多
元接続（ＣＤＭＡ）システムにおいて、前記移動局は、
前記基地局Ａから移動局の受信電力中Ｒ＿ＡＤＤ（最大
しきい値）とＲ＿ＤＲＯＰ（最低しきい値）とＲ＿ＴＤ
ＲＯＰ（最低しきい値持続時間）とを受信し、前記基地
局Ａからの受信電力が前記Ｒ＿ＤＲＯＰを最低しきい値
以下であり且つ前記最低しきい値持続時間を越えたとき
パイロット強度測定メッセージを前記基地局Ａに送信
し、前記基地局制御局は前記基地局中の基地局Ｂに前記
移動局の送信信号を受信させ、前記移動局からの前記パ
イロット強度測定メッセージを前記基地局Ａおよび前記
基地局Ｂに受信させ、前記基地局Ｂに前記移動局に向け
て送信を開始させることを特徴とする。

【００１４】また、本発明は、複数の基地局と、該基地
局の一つと送受信している移動局と、前記複数の基地局
の送信電力を制御する基地局制御局とからなる同一の周
波数に通信チャネルを多重している符号分割多元接続
（ＣＤＭＡ）システムにおいて、前記移動局が他の基地
局のエリアに移動する際のソフトハンドオフを実行する
前に、前記移動局は受信中の基地局からのパイロット信
号強度を測定した結果に基いてパイロット強度測定メッ
セージを前記基地局に送信する手段と、且つ前記パイロ
ット強度測定メッセージを前記他の基地局に送信する手
段とを備え、前記他の基地局は前記移動局からの送信に
対応する受信動作を開始する受信手段を備え、前記基地
局制御局は前記基地局及び前記他の基地局が前記移動局
からの送信を同時に受信する指示を出力し、前記基地局
を介して前記移動局に対して送信電力制御を実行するこ
とを特徴とする。

【００１５】また、本発明は、ＩＳ−９５に準拠したＣ
ＤＭＡ方式を用いた移動体通信システムのハンドオフ方
式に関し、特に高出力基地局無線装置（以下、ＢＴＳ）
のエリアから隣接する低出力基地局無線装置（以下、ミ
ニＢＴＳ）のエリアに移動する移動局無線装置（以下、
ＭＳ）が、ＢＴＳとミニＢＴＳの境界周辺のエリアでミ
ニＢＴＳにソフトハンドオフするまでの間、距離の離れ
ているＢＴＳによりＭＳの送信電力が制御されている
為、ＭＳの送信電力が隣接するミニＢＴＳの上り受信に
影響を与え、その結果、ミニＢＴＳのエリアに接続され
ている他のＭＳに対し、過剰な干渉を与え、必要以上の
電力を送信させることを改善するものである。

【００１６】また、本発明は、図面を参照しつつ説明す
れば、図１は本発明の一実施例のＭＳがＢＴＳとミニＢ
ＴＳ間を移動する様子を示したイメージ図である。図１
において、ＣＤＭＡのサービスをしているＢＴＳ１０と
ミニＢＴＳ２０、ＢＴＳ１０と通信を行っていてミニＢ
ＴＳ２０に向かって移動しているＭＳ３０により構成さ
れる移動体通信システムにおいて、ミニＢＴＳ２０にソ
フトハンドオフするまでの間、ＭＳ３０は、ＢＴＳ１０
から送信されるＭＳ３０の送信出力の制御データ（以
下、パワーコントロールビット）を受信し、送信電力の
増幅量を制御している。例えばパワーコントロールビッ
トが”００”ならば、ＭＳ３０は送信出力を１ｄＢ上
げ、パワーコントロールビットが”１１”ならば、ＭＳ
３０は送信出力を１ｄＢ下げるというＩＳ−９５に準拠
するClosed Loopで制御されている。

【００１７】また、ＢＴＳ１０とミニＢＴＳ２０は同一
の周波数で運用されている。図１の例の場合、ＢＴＳ１
０よりミニＢＴＳ２０の方がＭＳ３０に近い為、ＭＳ３
０からＢＴＳ１０への送信の際、ミニＢＴＳ２０の受信
信号に過剰な干渉を与えていた。またミニＢＴＳ２０は
下りのエリアが小さいが、上りのエリアはＢＴＳ１０と
ミニＢＴＳ２０の実力にほとんど差がなくアンバランス
である。理由は下りのエリアが各々のＢＴＳの下り送信
出力で決まるのに対し、上りのエリアを決定しているの
は受信機の雑音指数特性であり、この特性はミニＢＴＳ
２０とＢＴＳ１０とはほぼ同一であるためである。この
問題の解決策として上りのエリアを小さくするという方
法もあるが、ミニＢＴＳ２０配下のＭＳの送信電力増加
につながりＭＳの低消費電力化に逆行する。

【００１８】本発明の特徴はこの問題を解決する手段と
して、ＭＳ３０がミニＢＴＳ２０と従来のＩＳ−９５に
準拠するソフトハンドオフを実行する前に、ミニＢＴＳ
２０がＭＳ３０からの受信電力メッセージ情報の受信動
作を開始し、上りの信号をＢＴＳ１０とミニＢＴＳ２０
で受信し、ＢＴＳ１０を介してＭＳ３０に対して送信パ
ワーコントロールを実行して、不要な上りのエアー干渉
波の増加を防ぐことを提供するハンドオフ方式である。

【００１９】

【発明の実施の形態】本発明による実施形態について、
図面を参照しつつ詳細に説明する。

【００２０】（本実施形態の構成）図２は本発明の一実
施形態のブロック図を示している。また、図３は上り下
りのエリアのバランスがとれている高出力基地局無線装
置（以下、ＢＴＳという）１０によってカバーされる無
線エリア１１を示している（実線：下りのエリア、点
線：上りのエリア）。また、図４は下りのエリアに比べ
て上りのエリアが広い（実線：下りのエリア、点線：上
りのエリア）低出力基地局無線装置（以下、ミニＢＴＳ
という）２０によってカバーされる無線エリア２１を示
している。

【００２１】図２において、上位局としての基地局制御
装置（以下、ＢＳＣとする。）４０には、ＢＴＳ１０、
ミニＢＴＳ２０が接続されている。この基地局制御装置
ＢＳＣ４０２は、各基地局を統合的に制御している通信
センター局であり、複数の基地局を渡り歩く２パス以上
のソフトハンドオフを行うときに各基地局をコントロー
ルする。たとえば、１パスから２パスにソフトハンドオ
フする場合、現ＢＴＳからのメッセージを吸い上げ、新
ＢＴＳの受信又は送信の準備をする機能が必要になる。
これが基地局制御装置（ＢＳＣ）です。

【００２２】移動局無線装置（以下、ＭＳという）は、
常時ＢＴＳ１０とミニＢＴＳ２０から各々送信されてい
るパイロット（Pilot）信号の希望波信号対干渉妨害波
信号の比（Ｅｃ／Ｉｏ）を監視している。そして、この
Ｅｃ／Ｉｏ値があるしきい値を上回ったときＭＳ３０か
らＢＴＳ１０に報告される。

【００２３】図２に示すように、ＢＳＣ４０には判定部
４１、指示送信部４２が内蔵されている。判定部４１
は、ＢＴＳ１０を介してＭＳ３０から送信されるパイロ
ット信号のＥｃ／Ｉｏの値をトリガーに、米国規格協会
によるＩＳ−９５に準拠するようなソフトハンドオフを
実行するか、受信のみの開始のソフトハンドオフを実行
するかの判定を行う。指示送信部４２は判定部４１によ
る判定の結果により通常のソフトハンドオフを実行する
場合、ＢＴＳ１０のカバーエリアのエリアＡに隣接する
ミニＢＴＳ２０に対して、送受信の開始を指示し、受信
のみのソフトハンドオフを実行する場合、エリアＡに隣
接するミニＢＴＳ２０に対して受信のみ開始を指示す
る。

【００２４】また、図３においては、ＢＴＳ１０による
点線で示す上りエリア１１を示し、実線で示す下りエリ
アとが、ほぼ同一領域として運営されて、ＭＳとＢＴＳ
１０との通信にバランスのとれた送受信を達成してい
る。

【００２５】また、図４においては、ミニＢＴＳ２０に
よる点線で示す上りのエリア２１と、実線で示す下りの
エリア２２とでアンバランスな通信エリアで運営されて
いる。

【００２６】また、図２に示されたＢＳＣ４０に制御さ
れる基地局（ＢＴＳ又はミニＢＴＳ）とＭＳとの内部ブ
ロック図を、図９に示して説明する。図９（ａ）におい
て、ＢＴＳ１０およびミニＢＴＳ２０の概念的ブロック
図を示し、ＢＴＳ又はミニＢＴＳ送受信部１００で、Ｂ
ＴＳ又はミニＢＴＳからＭＳに対して送信される送信デ
ータ信号は信号拡散部１０１に入力され、ここでＰＮ系
列と乗算されることにより周波数的に拡散される。所定
の帯域幅に拡散変調された送信データは送信フォーマッ
ト生成部において、ＭＳ送信電力制御部１０７から出力
されるＭＳ送信電力制御信号とともに所定のフォーマッ
トにされて、信号送信部１０３に供給される。そして、
該信号送信部１０３において、システム周波数帯域の高
周波信号に変換されてＢＴＳ又はミニＢＴＳアンテナか
らＢＴＳ又はミニＢＴＳ送信信号としてＭＳに送信され
る。ＭＳから送信されたＭＳ信号は、ＢＴＳ又はミニＢ
ＴＳアンテナにおいて受信され、信号受信部１０８にお
いて周波数変換された後、信号復調部１０９においてＰ
Ｎ系列により逆拡散され、信号データが得られる。

【００２７】ここで、一般的に、ＣＤＭＡ方式において
は、遠近問題を解決するため、各ＭＳからの信号がＢＴ
Ｓ又はミニＢＴＳにおいて所定の電力で受信されるよう
に、各ＭＳの送信電力を制御する送信電力制御が行わ
れ、ＭＳ送信電力制御部１０７で、ＢＴＳ又はミニＢＴ
Ｓ目標電力設定部１０６に設定されているＢＴＳ又はミ
ニＢＴＳ目標電力と信号復調部１０９から得られる受信
信号レベルとが比較され、誤差信号が得られ、この誤差
信号がＭＳ送信電力制御信号として送信フォーマット生
成部１０２に供給され、信号拡散部１０１からの出力信
号と共にＭＳに送信される。この場合、ＢＴＳによる送
信エリアとミニＢＴＳの送信エリアとは、ＢＴＳ又はミ
ニＢＴＳ目標電力設定部１０６による目標電力設定が異
なり、ＭＳ送信電力制御部１０７への送信電力に差異が
ある。また、ＭＳの送信電力制御のためのパイロットチ
ャネルを用いた送信も、各ＢＴＳ又はミニＢＴＳから送
信されている。

【００２８】一方、図９（ｂ）を参照して、ＭＳ送受信
部２００において、ＭＳからＢＴＳ又はミニＢＴＳに送
信すべき送信データは、信号拡散部２０１でＰＮ系列に
より拡散変調され、送信フォーマット生成部２０２にて
所定の送信フォーマットに形成され、信号送信部２０３
にてシステム周波数帯域の高周波信号に変換されて、Ｍ
Ｓ送信信号としてアンテナからＢＴＳ又はミニＢＴＳに
送信される。このとき、信号送信部２０３にはＭＳ送信
電力情報処理部２０６からＭＳ送信電力制御信号が印加
されており、この送信電力制御信号に応じた高周波電力
で送信される。この送信電力制御信号により、ＢＴＳ又
はミニＢＴＳにおいて各ＭＳからの信号が所定の受信電
力となるように各ＭＳの送信電力が最適制御される。

【００２９】一方、ＢＴＳ又はミニＢＴＳから送信され
たＢＴＳ又はミニＢＴＳ送信信号は、信号受信部２０８
で周波数変換され、信号復調部２０９にてＰＮ系列を用
いて逆拡散され、受信データが再生される。また、ＢＴ
Ｓ又はミニＢＴＳ送信信号に含まれるＭＳ送信電力制御
信号は信号復調部２０９からＭＳ送信電力情報処理部２
０６に供給され、信号送信部２０３の送信電力を制御す
る。また、ＭＳ送信電力情報処理部２０６にて検出され
た受信電力に応じた受信レベル情報は信号拡散部２０１
に供給されて、送信データ信号と共に基地局制御部（Ｂ
ＳＣ）に送信されるように作用する。

【００３０】［本実施形態の動作］図５、図６に本実施
形態における動作を示すフローチャートを示す。また、
図７に従来のＩＳ−９５に準拠するソフトハンドオフに
ついてのタイミング図を示す。この図７において、T#AD
Dは、ＭＳ３０がＢＴＳ１０又はミニＢＴＳ２０から受
信するPilot信号のＥｃ／Ｉｏレベルのしきい値であ
り、このしきい値を上回った場合、対応するＢＴＳ１０
又はミニＢＴＳ２０は通常のソフトハンドオフを開始す
る。T#DROPはＭＳ３０がＢＴＳ１０又はミニＢＴＳ２０
から受信するPilot信号のＥｃ／Ｉｏレベルのしきい値
であり、このしきい値を下回った場合、タイマーが開始
され、しきい値T#TDROPの時間内にPilot信号のレベルが
T#DROPを上回らなかった場合、対応するＢＴＳ１０又は
ミニＢＴＳ２０は通常のソフトハンドオフを停止する。

【００３１】図８に本実施形態のソフトハンドオフにつ
いてのタイミング図を示す。図８において、R#ADDはＭ
Ｓ３０がＢＴＳ１０又はミニＢＴＳ２０から受信するPi
lot信号のＥｃ／Ｉｏレベルのしきい値であり、このし
きい値を上回った場合、対応するＢＴＳ１０又はミニＢ
ＴＳ２０は受信のみのソフトハンドオフを開始する。R#
DROPはＭＳ３０がＢＴＳ１０又はミニＢＴＳ２０から受
信するPilot信号のＥｃ／Ｉｏレベルのしきい値であ
り、このしきい値を下回った場合、タイマーが開始さ
れ、しきい値R#TDROPの時間内に、Pilot信号のレベルが
R#DROPを上回らなかった場合、対応するＢＴＳ１０又は
ミニＢＴＳ２０は、受信のみのソフトハンドオフを停止
する。なお、図８において、T#ADD及びT#DROPについて
は、図７と同様である。

【００３２】まず、ＭＳ３０がＢＴＳ１０のエリア１１
からミニＢＴＳ２０のエリア２１に移動する図１中の１
の方向について説明する（図５の説明）。

【００３３】（ステップ１）ＭＳ３０が、ＢＴＳ１０の
エリアで、待ち受けのアイドル状態の時、ＢＴＳ１０か
ら送信される報知情報で、ＩＳ−９５に準拠するT#AD
D、T#DROP、T#TDROPまたこのシステムで必要な新たなし
きい値R#ADD、R#DROP、R#DROPを受信する。しきい値R#A
DDは、従来のしきい値T#ADD、T#DROP、T#TDROPとは関連
性がなく、これを越えた場合、ＭＳ２０はパイロット強
度測定メッセージ情報（ＰＳＭＭ：Pilot Strength Mea
surement Message）をＢＴＳ１０に送信する。

【００３４】（ステップ２）ＢＴＳ１０のエリアで、Ｍ
Ｓ３０が発呼する。

【００３５】（ステップ３）ＭＳ３０がＢＴＳ１０のエ
リアからミニＢＴＳ２０のエリア方向に移動する場合、
図４の点線の上りエリアを通過すると、受信開始のトリ
ガとなるしきい値R#ADDを越えているので、ＢＴＳ１０
に対してパイロット強度測定メッセージ情報（ＰＳＭ
Ｍ）を送信する。

【００３６】（ステップ４）ＭＳ３０のＰＳＭＭを、Ｂ
ＴＳ１０が受信して転送し、ＢＳＣ４０に報告する。

【００３７】（ステップ５）報告を受けたＢＳＣ４０の
判定部４１は、通常のソフトハンドオフを実行するか、
受信のみ開始のソフトハンドオフを開始するかの判定を
する。

【００３８】（ステップ６）受信のみ開始のソフトハン
ドオフを開始する場合、指示送信部４２は、R#ADDで指
定されたミニＢＴＳ２０に対して、ＭＳ２０の信号を受
信開始するように要求する。この状態で下り信号はＢＴ
Ｓ１０からのみであるが、上り信号はＢＴＳ１０、ミニ
ＢＴＳ２０の両ＢＴＳで受信している状態となる。

【００３９】（ステップ７）ＭＳ３０がさらにミニＢＴ
Ｓ２０のエリア２１方向に移動し、図４の実線を通過
し、斜線のエリア内に入ると、しきい値T#ADDを越える
ので、パイロット強度測定メッセージ情報（ＰＳＭＭ）
を送信する。

【００４０】（ステップ８）ＭＳ３０のＰＳＭＭを、Ｂ
ＴＳ１０とミニＢＴＳ２０が受信し、ＢＳＣ４０に報告
する。

【００４１】（ステップ９）指示送信部４２は、ミニＢ
ＴＳ２０に対してＭＳ２０の信号を送信開始するように
要求する。そしてソフトハンドオフ状態になる。

【００４２】（ステップ１０）一方、ステップ５におい
て、ＭＳ３０からのメッセージが、通常のソフトハンド
オフを実行する為のメッセージである場合、指示送信部
４２はミニＢＴＳ２０に対して、ＭＳ３０の信号を送受
信するように要求する。そしてソフトハンドオフ状態に
なる。

【００４３】次に、図６に示すフローチャートを用い
て、ＭＳ３０がミニＢＴＳ２０のエリア２１からＢＴＳ
１０のエリア１１に移動する図１中の２の方向について
説明する。

【００４４】（ステップ１１）ＭＳ３０が図４のミニＢ
ＴＳ２０の実線を通過し、斜線のエリアから出ると、送
信停止のトリガとなるしきい値T#DROPを下回り、かつ、
T#TDROP時間を経た後ＰＳＭＭを送信する。

【００４５】（ステップ１２）ＭＳ３０のＰＳＭＭをＢ
ＴＳ１０、ミニＢＴＳ２０が受信し、ＢＳＣ４０に報告
する。

【００４６】（ステップ１３）判定部４１は、通常のソ
フトハンドオフを停止するか、受信のみ開始のソフトハ
ンドオフを停止するかの判定をする。

【００４７】（ステップ１４）受信のみ開始のソフトハ
ンドオフを停止する場合、指示送信部４２は、ミニＢＴ
Ｓ２０に送信停止のメッセージを送信する。

【００４８】（ステップ１５）ＭＳ３０が、図４のミニ
ＢＴＳ２０の点線エリアから出ると、受信停止のトリガ
となるR#DROPを下回り、かつR#TDROP時間を経た後ＰＳ
ＭＭを送信する。

【００４９】（ステップ１６）ＭＳ３０のＰＳＭＭをＢ
ＴＳ１０、ミニＢＴＳ２０が受信し、ＢＳＣ４０に報告
する。

【００５０】（ステップ１７）指示送信部４２は、ミニ
ＢＴＳ２０に対して受信停止のメッセージを送信する。
そして１パス状態となる。

【００５１】（ステップ１８）一方、ステップ１３によ
るＭＳ３０からのメッセージが通常のソフトハンドオフ
を停止する為のメッセージである場合、指示送信部４２
はミニＢＴＳ２０に対してＭＳ３０の信号の送受信を停
止するように要求する。そして１パス状態になる。な
お、１パス状態とは、端末（ＭＳ）と基地局（ＢＴＳ）
が１対１で無線接続されている状態をいう。

【００５２】上記実施形態では、主に高出力基地局無線
装置（ＢＴＳ）のエリアと、隣接する低出力基地局無線
装置（ミニＢＴＳ）のエリアと、そこでの移動局無線装
置（ＭＳ）によるソフトハンドオフについて説明した
が、高出力基地局無線装置（ＢＴＳ）が隣接する各エリ
ア間でのソフトハンドオフ、低出力基地局無線装置（ミ
ニＢＴＳ）が隣接する各エリア間でのソフトハンドオフ
の場合にも、適用できる。その場合、そのソフトハンド
オフを指示する基地局制御装置（ＢＳＣ）が各ＢＴＳま
たはミニＢＴＳとに移動局無線装置（ＭＳ）のソフトハ
ンドオフを円滑に実行させる。

【００５３】

【発明の効果】本発明のソフトハンドオフ方式によれ
ば、ＢＴＳと接続しているＭＳがミニＢＴＳとソフトハ
ンドオフするまでの間、ミニＢＴＳの受信とＢＴＳの受
信を使用して上りの送信電力の制御量を決めている為、
ＭＳの送信電力が隣接するミニＢＴＳの受信に干渉を与
えない。その結果、ミニＢＴＳエリアに接続している他
のＭＳの不要な送信電力の増加を防止するばかりでな
く、他局への干渉波を削減することにより、他のＭＳと
の通信品質を高く維持できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態のＭＳがＢＴＳとミニＢＴ
Ｓ間を移動する様子を示したイメージ図である。

【図２】本発明の一実施形態のブロック図である。

【図３】上り下りのバランスのとれたＢＴＳのエリア図
である。

【図４】上りエリアが下りエリアに比べて十分広いＢＴ
Ｓのエリア図である。

【図５】実施形態例におけるソフトハンドオフの動作を
示すフローチャート（１）である。

【図６】実施形態例におけるソフトハンドオフの動作を
示すフローチャート（２）である。

【図７】ＩＳ−９５に準拠したソフトハンドオフのタイ
ミング図である。

【図８】本発明によるソフトハンドオフのタイミング図
である。

【図９】本発明の一実施形態のＢＴＳおよびＭＳの概略
ブロック図である。

【符号の説明】 １０ ＣＤＭＡ無線基地局装置（ＢＴＳ） １１ ＣＤＭＡ無線基地局装置（ＢＴＳ）のエリア ２０ ミニＣＤＭＡ無線基地局装置（ミニＢＴＳ） ２１ ミニＣＤＭＡ無線基地局装置（ミニＢＴＳ）の受
信エリア ２２ ミニＣＤＭＡ無線基地局装置（ミニＢＴＳ）の送
信エリア ３０ 移動端末局（ＭＳ） ４０ 無線基地局制御装置（ＢＳＣ） ４１ 判定部 ４２ 指示送信部

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の基地局と、該基地局の一つと送受
   信している移動局と、前記複数の基地局の送信電力を制
   御する基地局制御局とからなる同一の周波数に通信チャ
   ネルを多重している符号分割多元接続（ＣＤＭＡ）シス
   テムにおいて、 前記移動局が他の基地局のエリアに移動する際のソフト
   ハンドオフを実行する前に、前記移動局は受信中の基地
   局からのパイロット信号強度を測定した結果に基いてパ
   イロット強度測定メッセージを前記基地局に送信し、且
   つ前記パイロット強度測定メッセージを前記他の基地局
   に送信し、前記他の基地局は前記移動局からの前記パイ
   ロット強度測定メッセージの送信に対応する受信動作を
   開始し、前記基地局及び前記他の基地局が前記移動局か
   らの前記パイロット強度測定メッセージの送信を同時に
   受信し、前記基地局を介して前記移動局に対して送信電
   力制御を実行することを特徴とするＣＤＭＡシステムの
   ハンドオフ方法。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のＣＤＭＡシステムのハ
   ンドオフ方法において、前記移動局は前記パイロット強
   度測定メッセージを前記基地局に送信した後、前記移動
   局が前記他の基地局のエリアから外れた場合、前記他の
   基地局は送信停止のメッセージを受信し、前記移動局は
   再度前記パイロット強度測定メッセージを前記基地局に
   送信し、前記他の基地局は受信停止のメッセージを受信
   することを特徴とするＣＤＭＡシステムのハンドオフ方
   法。
3. 【請求項３】 複数の基地局と、前記基地局中の基地局
   Ａと送受信している移動局と、前記複数の基地局の送信
   電力を制御する基地局制御局とからなる同一の周波数に
   通信チャネルを多重している符号分割多元接続（ＣＤＭ
   Ａ）システムにおいて、 前記移動局は、前記基地局Ａから移動局の受信電力中最
   大しきい値と最低しきい値と最低しきい値持続時間とを
   受信し、前記基地局Ａからの受信電力が前記最低しきい
   値以下であり且つ前記最低しきい値持続時間前記最大し
   きい値を越えたときパイロット強度測定メッセージを前
   記基地局Ａに送信し、前記基地局制御局は前記複数の基
   地局中の他の基地局Ｂに前記移動局の送信信号を受信さ
   せ、前記移動局からの前記パイロット強度測定メッセー
   ジを前記基地局Ａおよび前記他の基地局Ｂに受信させ、
   前記他の基地局Ｂに前記移動局に向けて送信を開始させ
   ることを特徴とするＣＤＭＡシステムのハンドオフ方
   法。
4. 【請求項４】 請求項３に記載のＣＤＭＡシステムのハ
   ンドオフ方法において、前記基地局Ａの送受信エリアは
   前記他の基地局Ｂの送受信エリアよりも大きいことを特
   徴とするＣＤＭＡシステムのハンドオフ方法。
5. 【請求項５】 請求項３又は４に記載のＣＤＭＡシステ
   ムのハンドオフ方法において、前記移動局は、前記基地
   局Ａから前記移動局の受信電力中最大しきい値と最低し
   きい値と最低しきい値持続時間と、更に送信電力中最大
   しきい値と最低しきい値と最低しきい値持続時間とを受
   信することを特徴とするＣＤＭＡシステムのハンドオフ
   方法。
6. 【請求項６】 複数の基地局と、該基地局の一つと送受
   信している移動局と、前記複数の基地局の送信電力を制
   御する基地局制御局とからなる同一の周波数に通信チャ
   ネルを多重している符号分割多元接続（ＣＤＭＡ）シス
   テムにおいて、 前記移動局が他の基地局のエリアに移動する際のソフト
   ハンドオフを実行する前に、前記移動局は受信中の基地
   局からのパイロット信号強度を測定した結果に基いてパ
   イロット強度測定メッセージを前記基地局に送信する手
   段と、且つ前記パイロット強度測定メッセージを前記他
   の基地局に送信する手段とを備え、 前記他の基地局は前記移動局からの送信に対応する受信
   動作を開始する受信手段を備え、 前記基地局制御局は前記基地局及び前記他の基地局が前
   記移動局からの送信を同時に受信する指示を出力し、前
   記基地局を介して前記移動局に対して送信電力制御を実
   行することを特徴とするＣＤＭＡシステム。