JP4698196B2 - ガスハイドレート製造方法及びガスハイドレート製造装置 - Google Patents
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例えば、所定の条件下で、天然ガスを原料水に反応させてNGHを生成し、このNGHをペレット状にして、大気圧下、−10数℃の温度雰囲気で輸送及び貯蔵する。
下記特許文献1では、このようなNGHの製造を行う製造装置を開示している。具体的には、高圧低温の所定の条件下の生成槽内で、原料水と天然ガスとを撹拌機を用いて混ぜながら、NGHを生成する。この場合、生成槽内の圧力は例えば約5(MPa)、雰囲気温度は3〜5℃に設定される。
また、前記誘導壁の断面は、左右軸対称の流線形状を成すことが好ましい。
また、前記循環流路の流路上には、原料水を冷却する冷却手段が設けられていることが好ましい。
なお、本発明における原料水には、原料水と原料ガスとの反応によりすでに生成されたガスハイドレードが原料水に分散した状態のスラリーも含まれる。
さらに、原料ガスの気泡と原料水との混合物を生成槽内の液相に噴出させる際、円筒形状の生成槽の円周方向に向けて噴出させることにより、撹拌機と同様の回転成分を生成槽内の液相に生じさせることができ、反応を効率よく行わせることができる。
また、原料ガスの気泡と原料水との混合物を生成槽の気相中に噴出させる際にも円筒形状の生成槽の円周方向に噴出させることにより、円筒形状の中心方向に向けて噴出させる場合に比べて原料ガスを原料水に長い時間接触させることができる。この結果、生成反応を促進させることができる。
ガスハイドレート製造装置10は、生成槽12、水供給管14、ガス供給管16、NGH排出管18、水引出管20、駆動ポンプ22、冷却機24、エゼクタ26及びガス引出管28を有して構成される。
ガス供給管16は、予め3〜5℃に温度が調整された原料水Wと反応しない程度に温度制御された天然ガスを供給する管であり、生成槽12の上部から下向きに設けられた供給管17の上端部と接続され、この供給管17は、生成槽12の上部において天然ガスGを生成槽12内に供給する。
水引出管20は、生成槽12の下部から原料水Wを引き出す管であり、ポンプ22及び冷却機24及びエゼクタ26を介して、生成槽12の中間部に接続されており、原料水Wの循環流路を形成する。
冷却機24は、原料水Wに天然ガスGが混ざると反応を開始する程度に冷媒等を用いて原料水Wを冷却するように制御する。なお、後述するようにエゼクタ26からの原料ガスGの噴出によって原料水Wに気泡が混ざると反応を開始してNGHの生成を開始するが、生成槽12ではNGHの生成の際に生じる反応熱により雰囲気温度が約反応平衡温度の状態となっている。このため、エゼクタ26にて原料ガスGが混合された時点からNGHの生成が開始されるように、生成槽12から引き出された原料水Wを予め冷却機24にて冷却しておく。
なお、誘導壁32は、スロート部27bから拡大部27cまで延長されて設置されてもよいし、絞り部27aからスロート部27bまで設置されてもよいし、絞り部27aから拡大部27cまで延長されて設置されてもよい。
一方、スロート部27bでは、原料水Wの流速が増大するので原料水Wの静圧は低下する。この静圧の低下により、ガス引出管28を介して原料ガスGを噴射口30から気泡として噴出させる構成となっている。
なお、誘導壁32の壁面の高さは、スロート部27bの内径の0.1倍以上0.5倍以下であるのが、原料水Wに効果的ならせん状の動きを生じさせる点で好ましい。壁面の高さがスロート部27bの内径の0.5倍である場合、隣接する誘導壁32との間で仕切られたトンネル状の空間を形成する。
なお、エゼクタ26のスロート部27bの内表面には、噴射口30が周上に設けられているが、本発明ではスリット状の噴射口が内表面に開口したものでっあてもよい。
この状態では温度及び圧力が反応開始の条件をわずかに満たしているが、原料水Wに原料ガスGが混合されていないため、NGHの生成反応は生じない。
冷却された原料水Wは、エゼクタ26に送られ、スロート27bを通過する。スロート27bでは、液路断面積が低下しているので、原料水Wの流速は増大し、その結果スロート27bの静圧は低下する。これにより、生成槽12の上部に溜まる原料ガスGはガス引出管28を介して引き出され、噴射口30から気泡として噴射される。
このため、気泡となった原料ガスGは原料水W内を効率よく動いて接触し、生成反応を効率よく行わせることができる。
このように、生成槽12内に噴射される原料水W及び気泡状の原料ガスGは、らせん状の動きをしつつ、生成槽12内を円周方向に沿って回転する。
生成されたNGHは、排出口18から図示されないかき寄せ機等を用いて回収されて、排出管18から後工程に供給される。
なお、NGHの生成量は、駆動ポンプ22により循環する水量を調整することにより、又は冷却機24の冷却温度を調整することにより、制御される。また、駆動ポンプ22による水量の増減及び冷却機24の冷却温度の上下を同時に調整して制御してもよい。
また、複数の噴射口を、生成槽12の内壁面の対向する位置に設け、異なる噴射口から噴射される気泡状の原料ガスGを含む原料水Wを互いに衝突させるようにしてもよい。これにより、気泡状の原料ガスGを原料水W中で効率よく撹拌させることができる。
また、本実施形態では、生成槽12の液相に気泡状の原料ガスGを含む原料水Wを噴射するものであるが、生成槽12の気相、すなわち未反応の原料ガスGの気相中に気泡状の原料ガスGを含む原料水Wを噴射してもよい。
12 生成槽
14 水供給管
15,17 供給管
16 ガス供給管
18 NGH排出管
20 水引出管
22 駆動ポンプ
24 冷却機
26 エゼクタ
27a 絞り部
27b スロート部
27c 拡大部
28 ガス引出管
30 噴射口
32 誘導壁
Claims (5)
- 原料水と原料ガスとから円筒形状の生成槽にてガスハイドレートを製造するガスハイドレート製造方法であって、
生成槽内の原料水を生成槽の底部から引き出して流速を与えるとともに、流速の与えられた原料水を、液路中の液路断面積が絞られたスロート部を用いて、前記円筒の軸方向中間部に位置する生成槽の側壁面から生成槽内の液相に生成槽の円筒形状の断面円周方向に向けて噴出させるステップと、
原料水を生成槽の前記側壁面から液相に噴出させる直前に、流速の与えられた原料水に、生成槽内の気相から引き出された原料ガスを前記スロート部の内表面の周上に設けられた複数の噴射口から気泡にして噴出させると共に前記スロート部の内表面の周上に等間隔で流路方向に対して傾斜した方向に沿って立設し且つ前記スロート部の内径の0.1倍以上0.5倍以下の壁面高さを有する複数の誘導壁により前記流速の与えられた原料水に前記スロート部の周に沿った回転成分を与えてらせん状の動きを生じさせて原料ガスを混合させるステップと、を有し、
原料ガスを原料水に混合させることによりガスハイドレートを製造することを特徴とするガスハイドレート製造方法。 - 原料水と原料ガスとからガスハイドレートを製造するガスハイドレート製造装置であって、
原料水と原料ガスとを収納してガスハイドレートを生成する円筒形状の生成槽と、
前記生成槽の底部から原料水を引き出し、前記円筒の軸方向中間部に位置する前記生成槽の側壁面から前記生成槽内の液相に生成槽の円筒形状の断面円周方向に向けて噴出させる循環流路と、
前記循環流路の流路上に設けられ、引き出された原料水に流速を与える駆動ポンプと、
前記循環流路の流路上に設けられ、原料水の流速を増大させるために流路断面積が絞られたスロート部を有し、前記スロート部の内表面の周上に複数の噴射口が設けられると共に前記スロート部の内表面の周上に流路方向に対して傾斜した方向に沿って立設し且つ前記スロート部の内径の0.1倍以上0.5倍以下の壁面高さを有する複数の誘導壁が等間隔で設置されたエゼクタと、
前記生成槽の頂部から引き出された原料ガスを前記スロート部の前記複数の噴射口に導くガス流路と、を有し、
前記スロート部において流速の増大した原料水に、前記スロート部において、前記ガス流路からの原料ガスを前記複数の噴射口から気泡として噴出させると共に前記複数の誘導壁により原料水に前記スロート部の周に沿った回転成分を与えてらせん状の動きを生じさせて原料ガスを混合させることによりガスハイドレートを反応させることを特徴とするガスハイドレート製造装置。 - 前記誘導壁は、前記流路方向に対して2〜30度傾斜している請求項2に記載のガスハイドレート製造装置。
- 前記誘導壁の断面は、左右軸対称の流線形状を成すことを特徴とする請求項2または3に記載のガスハイドレート製造装置。
- 前記循環流路の流路上には、原料水を冷却する冷却手段が設けられている請求項2〜4のいずれか1項に記載のガスハイドレート製造装置。
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