JP4696647B2 - 光導波路形成基板 - Google Patents

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Description

本発明は、光導波路形成基板に関するものである。
近年注目されている光通信の分野における光部品として、光分岐結合器(光カプラ)、光合分波器等が挙げられ、これらに用いる光導波路型素子が有望視されている。この光導波路型素子としては、従来の石英系光導波路の他、製造(パターニング)が容易で汎用性に富むポリマー系光導波路があり、近年では後者の開発が盛んに行われている。
このような光導波路型素子(単に「光導波路」とも言う)は、通常、基板上に形成され、光導波路形成基板として取り扱われる。この光導波路形成基板としては、硬質の基板上に所定の配線回路と、コア部およびクラッド部で構成される光導波路とを形成し、さらにこの光導波路に発光素子および受光素子を取り付けたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載の光導波路形成基板では、次のような問題点がある。
1. 光導波路や配線回路は、すべて硬質の基板上に形成されているため、光導波路形成基板の一部をコネクタとして用いる場合などに、搭載する電子機器に対する光導波路形成基板の配置やコネクタの接続の位置決め、光導波路の配置、配線回路の配置等に制約を受け、構造上、光回路上、電気回路上の各々において、設計の自由度(許容範囲)が狭くなる。
2. 光導波路形成基板が硬質で、可撓性を有さないため、電子機器の固定部(例えば基台)と可動部(例えば光ピックアップ)とにまたがって搭載することができない。このようなことから、光導波路形成基板を適用できる対象範囲が狭い。
3. 光導波路の形成工程が複雑であり、コア部のパターン形状の設計、選択の自由度が狭い。しかも、コア部のパターン形状の精度が悪い。
4. 光導波路形成基板の厚さが厚く、また、製造工程が複雑で、歩留まりが低い。
5. 配線パターンの選択の幅が狭く、汎用性に乏しい。
そこで、光導波路形成基板に湾曲変形可能な可撓性部(フレキシブル部)を設け、この可撓性部に光導波路を設置することが考えられる。
しかしながら、従来の光導波路は、硬質の基板上に形成されることを前提として設計されているため、曲げ等の変形が生じた場合、特に、繰り返し曲げが作用した場合に、光導波路に欠陥が生じ易い。すなわち、光導波路のコア部とクラッド部との間に層間剥離が生じたり、コア部内に微小なクラック(マイクロクラック)が生じたりすることがあり、光の伝送に際しての損失が増大し、結果として、光伝送性能の低下または耐久性の低下が生じるという問題がある。
特開2004−146602号公報
本発明の目的は、パターン形状の設計の自由度が広く、寸法精度の高いコア部を簡単な方法で形成することができ、曲げが作用した場合でも欠陥を生じることなく光伝送性能を維持し、耐久性に優れる光導波路を備えた光導波路形成基板を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜()に記載の本発明により達成される。
(1) 板状をなす光導波路形成基板であって、
互いに屈折率が異なるコア部とクラッド部とを有するコア層と該コア層の両面にそれぞれ形成されたクラッド層とで構成された光導波路と、前記各クラッド層のうちの一方のクラッド層上に形成された内側導体層と、該内側導体層上に形成された絶縁層と、該絶縁層上に接着層を介して接着された硬質な基板と、該硬質な基板上に形成された外側導体層とを有する積層構造体を備え、
前記積層構造体は、前記硬質な基板をその長手方向の途中でその一部を除去することにより形成された、湾曲変形可能な可撓性部と、該可撓性部を除く残りの部分で構成された硬質部とに分けられ、
前記硬質部は、前記硬質な基板、前記接着層、前記絶縁層を一括して開口して形成された開口を有し、
前記開口には、板状をなし、その前記コア層側の面に配置された発光部または受光部を有する素子が設置され、
前記素子は、前記コア層側の面が前記光導波路と接していることを特徴とする光導波路形成基板。
(2) 前記コア部は、環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を主材料とし、かつ活性エネルギー光線または電子線の照射により、またはさらに加熱することにより屈折率が変化する材料で構成されたコア層に対し前記活性エネルギー光線または電子線を選択的に照射することにより所望の形状に形成されたものである上記(1)に記載の光導波路形成基板。
) 前記光導波路のコア部は、平面視で前記発光部または受光部と重なるようなパターン形状をなしている上記(2)に記載の光導波路形成基板。
) 前記光導波路は、前記発光部または受光部に対応する部位に、前記光導波路の光路に対し傾斜する反射面を有する上記(3)に記載の光導波路形成基板。
) 前記環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン系樹脂を主とするものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の光導波路形成基板。
) 前記コア層の構成材料中に、0.5〜40重量%の添加剤を含む上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光導波路形成基板。
本発明によれば、湾曲変形可能な可撓性部を有し、該可撓性部に光導波路が形成されているため、光導波路形成基板の適用対象範囲や設計の自由度が広く、製造が容易な光導波路形成基板を提供することができる。かかる本発明の光導波路形成基板は、種々の電子部品、電子機器等に対し用いることができ、かつ、電気回路の設計、光回路(光導波路のパターン)等の設計の幅が広く、汎用性に富む。
そして、本発明によれば、活性エネルギー光線または電子線の照射という簡単な方法でコア部のパターニングをすることができ、コア部のパターン形状の設計の自由度が広く、しかも寸法精度の高いコア部が得られる。
また、コア層が環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を主材料とするため、光導波路が可撓性部とともに湾曲変形した場合、特に、繰り返し湾曲変形した場合でも、コア部とクラッド部との層間剥離や、コア部内にマイクロクラックが発生すること等の欠陥が生じ難く、その結果、光導波路の光伝送性能が維持され、耐久性に優れる。
また、本発明の光導波路形成基板は、素子(発光素子または受光素子)と光導波路とを有し、これらを光学的に接続することにより、素子の発光部から発せられた光を光導波路により他所へ導くことあるいは他所からの光を光導波路により素子の受光部へ導くことができ、小型で集積された光回路を形成することができる。
また、素子は、硬質部に搭載した場合には、素子の搭載を安定的かつ確実に行うことができ、素子の信頼性を維持することができる。
素子の発光部または受光部が表面に露出せず、光導波路形成基板の内部に位置するように設置されている場合には、発光部、受光部を汚れや傷、劣化等から有効に保護することができる。また、素子のほぼ全体が光導波路形成基板の内部に位置するように設置されている場合には、素子全体が保護され、前記と同様の効果が得られるとともに、光導波路形成基板の薄型化に寄与する。
また、導体層を形成した場合には、素子への配線が容易であるとともに、素子の種類(端子の設置箇所)等に係わらずそれに適した配線が可能となり、汎用性に富む。このような導体層は、硬質部と可撓性部とをまたがるように形成することもでき、この場合には、配線回路の構成の自由度(例えば、端子の設置箇所の選択の自由度)が広がる。
また、光導波路を硬質部および可撓性部のそれぞれに形成する場合には、前記利点を生かしつつ、光回路(光導波路のパターン)等の設計の幅が広くなり、汎用性に富む。
また、光導波路が可撓性部においてその内部に形成されている場合、特に、硬質部と可撓性部の双方でそれらの内部に形成されている場合には、前記利点を生かしつつ、光導波路を汚れや傷、劣化等から有効に保護することができ、信頼性の向上、長寿命化に寄与する。
コア層を構成する環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物が、ノルボルネン系樹脂を主とする樹脂組成物である場合には、コア部とクラッド部との屈折率の差をより大きくすることができ、また、耐熱性にも優れ、その結果、高性能な光導波路が得られる。
以上より、歩留まりが良く、光伝送性能を高く維持し、信頼性、耐久性に優れ、薄型化に有利で、汎用性に富む光導波路形成基板を提供することができる。
以下、本発明の光導波路形成基板について添付図面に示す好適実施形態に基づき詳細に説明する。
図1〜図22は、それぞれ、本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。このうち、図22が本発明の光導波路形成基板の実施形態を示す断面図である。以下これらの図を参照しつつ、光導波路形成基板の構成およびその製造方法の一例について説明する。なお、以下の説明では、図8〜図22中の上側を「上」または「上方」とし、下側を「下」または「下方」とする。また、各図は、層の厚さ方向(各図の上下方向)が誇張して描かれている。
図22に示すように、光導波路形成基板17は、面方向に見て、硬質の基板2および12を有する硬質部(リジッド部)171、173と、それらの間に位置する可撓性部(フレキシブル部)175とを有している。面方向に見て、硬質部171と可撓性部175とは隣接しており、可撓性部175と硬質部173とは隣接している。
硬質部171は、硬質な基板2および12と、それらの内側にそれぞれ接着層7および14を介して形成された絶縁層6および10と、それらの内側にそれぞれ形成された導体層5および11(配線51および111)と、それらの内側に形成された光導波路9と、基板2および12の外側にそれぞれ形成された導体層3および13(配線31、33および131)とを有し、これら各層が接合されたものである。
硬質部171には、発光素子または受光素子で構成される素子(素子1)が設置(搭載)されている。発光素子としては、上面側に少なくとも1つの発光部を有する素子、上面側に少なくとも1つの発光部と少なくとも1つの端子とを有する素子が挙げられる。受光素子としては、上面側に少なくとも1つの受光部を有する素子、上面側に少なくとも1つの受光部と少なくとも1つの端子とを有する素子が挙げられる。
発光素子における発光部は、1つの発光点で構成されているものの他、発光点が複数個集合したものでもよい。発光点が複数個集合したものとしては、例えば、発光点が列状(例えば発光点が1×4個、1×12個)または行列状(例えば発光点がn×m個:n、mは2以上の整数)に配置されたものや、複数の発光点がランダム(不規則)に配置されたもの等が挙げられる。受光素子における受光部についても同様である。
本実施形態では、素子1として、代表的に発光素子について述べることとする。
素子1には、図22中上面側に発光部101と端子103とが形成され、下面側に端子105が形成されている。端子103、105間に通電がなされると、発光部101が発光する。素子1の厚さは、通常は後述する基板2の厚さより厚い。この場合、素子1は、基板2、接着層7および絶縁層6にそれぞれ形成された開口25、73および65に挿入されて設置されている。なお、本発明では、図示と異なり、上面側に発光部101はあるが、端子103がない素子1を用いてもよい。
素子1の厚さは、光導波路形成基板17の硬質部171の厚さより薄く、素子1の全体が硬質部171の内部に位置しており(内蔵されており)、ほとんど表面に露出していない。特に、素子1は、その発光部101が硬質部171の内部に位置し、表面に露出しないように設置されている。これにより、素子1は、その全体、特に発光部101が、汚れ、損傷、酸化劣化等から保護され、電子部品の信頼性向上に寄与する。
素子1の端子103は、導体層5の所定部位(配線51)との間で金属製のワイヤ8によりワイヤボンディングされて電気的に接続されている。また、素子1の端子105は、半田(ろう材)4により導体層3の所定部位(配線31)に電気的に接続されている。
また、導体層3は、端子105に接続されている配線31とは分離(絶縁)された配線33を有する。配線51と配線31とは、基板2、接着層7および絶縁層6を貫通する金属材料(導体ポスト)16により電気的に接続されている。
以上のような構成により、素子1の両端子103、105への通電は、光導波路形成基板17の表面に露出した配線33、31間に通電することにより可能となる。
硬質部173の構成もほぼ同様とすることができるため、その説明は省略する。なお、硬質部173は、素子1を有さないものでもよく、あるいは、素子1として、受光部を有する受光素子(図示せず)が設置されているものでもよい。また、硬質部173は、コネクタ(特に光コネクタ)を構成するものでもよい。
可撓性部175は、例えば基板2および基板12からそれらの一部である不要部23および123が除去されて得られたものであり、光導波路9および配線51、111が絶縁層6、10間に挟まれた構成の積層構造体をなしている。これにより、この可撓性部175は、可撓性を有し、湾曲変形が可能である。この可撓性部175の湾曲変形により、それらの両端部にある硬質部171と173との位置関係を変化させることができ、その結果、光導波路形成基板17の適用対象範囲、形状、設置箇所、設置姿勢等設計の自由度が拡大し、また、設置に際しての位置決めの精度も緩和される。また、硬質部171および173のうちの一方を電子機器の固定部(例えば本体部)、他方を可動部(例えばスライド部)に設置することもできる。
光導波路9は、可撓性部175に形成されており、本実施形態では、硬質部171と可撓性部175と硬質部173とにまたがって形成されている。これにより、光導波路9による光回路の回路パターンの設計の自由度が広がり、各種の電子部品や機器への適用範囲が拡大する。
光導波路9は、図22中下側からクラッド層91、コア層93およびクラッド層97をこの順に積層してなるものであり、コア層93には、所定パターンのコア部94とクラッド部95とが形成されている。コア部94は、平面視で発光部101と重なるような(すなわち、発光部101の真上を通過するような)パターン形状で形成されている。このコア部94は、クラッド部95に比べて屈折率が高い材料で構成され、また、クラッド層91、97に対しても屈折率が高い材料で構成されている。クラッド層91および97は、それぞれ、コア部94の下部および上部に位置するクラッド部を構成するものである。このような構成により、コア部94は、その外周をクラッド部に囲まれた導光路として機能する。
なお、クラッド層91、クラッド部95およびクラッド層97の構成材料は、それぞれ、同一(同種)のものでも異なるものでもよいが、これらは、屈折率が同じかまたは近似しているものであるのが好ましい。クラッド層91、97およびコア層93の構成材料の詳細については、後に説明する。
このような光導波路9は、コア部94の発光部101の真上の位置に、反射面(ミラー面)96を有している。この反射面96は、光導波路9の光路、すなわちコア部94の長手方向に対しほぼ45°傾斜しており、光の全部または一部を反射する機能を有している。
光導波路9は、硬質部171および可撓性部175のそれぞれの内部に形成されている。すなわち、光導波路9は、硬質部171のみならず、可撓性部175においても、その両面が絶縁層6および10により保護されているため、汚れ、損傷、変質、劣化等を防止することができ、信頼性の向上、長寿命化に寄与する。
本実施形態の光導波路形成基板17では、前述したように、素子1の両端子103、105への通電(発光部101の点灯)を、光導波路形成基板17の下面にそれぞれ並んで位置する配線31、33間への通電により行うことができる。素子1の端子103、105間へ通電がなされると、発光部101が点灯し、図22中上方へ向かって発せられた光は反射面96で反射されて90°屈曲し、光導波路9のコア部94に入り、クラッド部(クラッド層91、97、クラッド部95)との界面で反射を繰り返しながら、コア部94内をその長手方向に沿って進む。
図示の光導波路形成基板17において、光導波路9は、硬質部171、可撓性部175および硬質部173のそれぞれにまたがって形成されており、しかも、そのほとんどの箇所が、硬質部171、可撓性部175および硬質部173の内部に形成されている。そのため、光導波路9は、耐久性、特性の安定性に優れ、電子部品の信頼性の向上、寿命化に寄与する。特に、可撓性部175が湾曲変形した場合(特に多数回繰り返し湾曲変形した場合)でも、光導波路9は損傷、劣化することはなく、導光特性に悪影響を及ぼすこともない。
また、導体層5、11および13(配線51、111、131)のうちの少なくとも1つは、硬質部171と可撓性部175とにまたがって形成されている。これにより、電気回路における配線パターンの設計の自由度が広がり、各種の電子部品や機器への適用範囲が拡大する。特に、前述したように、光回路の設計の自由度の拡大と相まって、設計の自由度が格段に広がる。
次に、光導波路形成基板17の製造方法の一例について説明する。
[1] まず、素子1を基板2に組み込むための治具(作業台)18を用意する。この治具18は、図1に示すように、基板当て付け面180を有し、該基板当て付け面180側に素子1を挿入可能な凹部181と凸部183とが形成されている。
素子1の上面側(発光部101および端子103のある側)が凹部181の底面に当接するようにして素子1を凹部181内に挿入する(図2参照)。凹部181の平面形状は、素子1の平面形状とほぼ等しく、凹部181の深さは、素子1の厚さより若干浅い所定の値に設定されている。これにより、後述する工程で基板2に対する素子1の平面方向および厚さ方向の位置決めが適正になされる。凹部181内に素子1を挿入した状態では、素子1の下面側が基板当て付け面180より上方に突出している。
また、素子1の下面の端子105上には、半田ペースト4’を付与しておく。
[2] 未硬化の基板2’を用意する。この基板2’には、素子1に対応する形状の開口25と、凸部183、183に対応する溝21、21とが形成されている(図2参照)。溝21、21間の部位は、後に除去される不要部(除去部)23を構成する。
この基板2’を治具18の基板当て付け面180に当て付ける。このとき、基板2’の開口25に素子1の下面側の部分が挿入され、各溝21に対応する凸部183が挿入される(図3参照)。これにより、基板2’に対する素子1の3次元方向、すなわち平面方向(平面上の直交する2方向)および厚さ方向の位置決めが適正になされる。基板2’の下面(図3中では上方の面)と素子1の下面とは一致しておらず、後述する半田4の厚さに相当する若干のギャップを有している。このギャップ内に半田4が挿入される。
[3] 次に、基板2’の下面(図3中では上方の面)に導体層3を形成(接合)する。導体層3の形成方法としては、例えば、金属箔の接合(接着)、金属メッキ等の方法が挙げられる。また、導体層3を構成する材料は、銅、銅系合金、アルミニウム、アルミニウム系合金等の各種金属材料が挙げられる。導体層3の厚さは、特に限定されないが、通常、3〜100μm程度が好ましく、5〜70μm程度がより好ましい。
なお、本発明では、導体層3の形成後、該導体層3に対し所定のパターニングを施して、所望の形状の配線を形成してもよい。
[4] 次に、熱処理を施して、基板2’を熱硬化させ、硬質の基板(硬化後)2を得る。また、この熱処理により、半田ペースト4’が溶融し、素子の端子105が半田(ろう材)4を介して導体層3の所定部位に電気的に接続される(図3参照)。
基板2の構成材料としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、トリアゾール樹脂、ポリシアヌレート樹脂、ポリイソシアヌレート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等が挙げられる。また、これらの材料は、単独で使用してもよく、複数を混合して使用してもよい。
基板2の厚さは、特に限定されないが、通常、50〜1000μm程度が好ましく、100〜500μm程度がより好ましい。
前記熱処理の条件としては、基板2の構成材料等により適宜決定されるが、通常は、80〜300℃で10〜180分程度が好ましく、120〜260℃で60〜120分程度がより好ましい。
以上の作業が終了したら、治具18を取り外す(図4参照)。これにより、下面側に導体層3が形成された基板2の開口25に素子1がその上面側が開口25から突出するようにして固定され、かつ素子1の端子105と導体層3の所定部位とが導通したものが得られる。
なお、治具18を取り外す際に治具18と基板2との剥離性を向上するために、治具18上に例えば離型処理されたアルミ箔等の離型シートを予め設置しておいてもよい。
[5] 一方、絶縁層6と導体層5とを接合したものを用意する(図5参照)。導体層5は、後の工程を経て基板2の上面側に設置されるものである。また、絶縁層6は、導体層5に対する絶縁機能を有する他に、後述する可撓性部175を形成したときにその強度を担うものとなる。また、後に形成される光導波路9の下面側を保護する機能も有する。
絶縁層6としては、例えば、可撓性を有する樹脂製のフィルム(シート材)を用いることができ、その構成材料としては、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンサルファイド、ポリフェニレンサルフィド、ポリキノリン、ポリノルボルネン、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、トリアゾール樹脂、ポリシアヌレート、ポリイソシアヌレート、ベンゾシクロブテン樹脂等が挙げられる。また、これらの材料は、単独で使用してもよく、複数を混合して使用してもよい。また、絶縁層6は、組成の異なる樹脂材料の層を複数積層した積層体であってもよい。
絶縁層6の厚さは、特に限定されないが、絶縁機能と強度とを考慮して、5〜100μm程度が好ましく、10〜80μm程度がより好ましい。
導体層5は、前述した導体層3と同様のものを用いることができ、その好ましい形成方法、構成材料、厚さ等の条件もそれと同様である。
[6] 絶縁層6に対し所定のパターニングを施す(図6参照)。その方法は特に限定されないが、例えばレーザ光の照射により溝61を形成し、その内側を不要部(除去部)63として除去し、素子1が挿入し得る開口65を形成する(図6、図7参照)。この開口65は、基板の開口25とほぼ等しい形状または開口25を包含する形状をなしている。
また、導体層5に対し所定のパターニングを施して、所望の形状の配線51を形成する。このパターニングは、例えば、エッチングにより行うことができる。
また、このパターニングにより、導体層5の開口65に対応する部位には、配線51の形成と共に除去部53が形成される。この除去部53は、開口65を包含する領域に形成され、除去部53の縁部は開口65の縁部より外側に位置している(図7参照)。これにより、導体層5が素子1と直接接触することが防止され(図9参照)、短絡等の可能性が防止される。
なお、絶縁層6と導体層5の積層、絶縁層6のパターニング、導体層5のパターニングは、上述した順序に限らず、任意の順序で図7に示すものを得ることができる。例えば、予めパターニングされた絶縁層6に導体層5を形成し、該導体層5にパターニングを施して配線51とする方法でもよい。
[7] 接着層7を用意する。この接着層7は、基板2と絶縁層6とを接着するものであり、基板2の溝21および不要部23に対応する形状の開口71と、素子1が挿入し得る開口73とが形成されている(図8参照)。開口73は、基板の開口25とほぼ等しい形状または開口25を包含する形状をなしている。
接着層7としては、シート材(ボンディングシート)を用いることができ、その構成材料としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、シアネート樹脂系接着剤、マレイミド樹脂系接着剤等が挙げられる。特に、酸化防止等のために、フラックス活性を有する材料で構成されているのが好ましい。
なお、本発明では、接着層7としてシート材を用いず、基板2の上面または絶縁層6の下面に塗膜による接着層7を形成してもよい。また、接着層7は、2層以上を積層したものでもよい。
このような接着層7の厚さは、特に限定されないが、0.5〜150μm程度が好ましく、10〜70μm程度がより好ましい。
[8] 前記工程[4]で得られた素子1が搭載された基板2を素子1の発光部101が上方に向くように載置し、その上に接着層7、配線51が形成された絶縁層6および離型フィルム(リリースフィルム)19を順次重ねる(図8参照)。このとき、素子1の開口25からの突出部分が接着層7の開口73および絶縁層6の開口に挿入され、基板2に対する接着層7および絶縁層6の平面方向の位置合わせがなされる。
離型フィルム19は、次工程で加圧する際に、面方向に均一に加圧するために用いられるものであり、そのために離型フィルム19の構成材料としては、緩衝機能(クッション性)を有するものが好ましい。さらに、接合する部位(配線51で構成される導体層5および)に対する埋め込み性および離型性に優れるものが好ましい。
このような離型フィルム19としては、緩衝層と、該緩衝層の下面側に接合され、導体層5に圧着される離型層とを有するものが好ましい。緩衝層の構成材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが挙げられ、離型層の構成材料としては、例えばポリメチルペンテンコポリマーが挙げられる。
[9] 図9中の矢印で示すように、離型フィルム19の上面側から加圧し、基板2と接着層7と配線51付きの絶縁層6とを圧着する。これにより、基板2と配線51付きの絶縁層6とが接着層7を介して接合、一体化される。この圧着作業は、加熱下で行われるのが好ましい。加熱の温度は、接着層7の構成材料等により適宜決定されるが、通常は、80〜200℃が好ましく、120〜180℃がより好ましい。
[10] 離型フィルム19を剥離、除去する。これにより、最下層および最上層にそれぞれ導体層3および導体層5(配線51)を有し、素子1を搭載した基板2が得られる(図10参照)。この場合、図10に示すように、導体層5(配線51)の上面は、素子1の上面とほぼ同一面を形成している、すなわち、導体層5と素子1の上面同士が厚さ方向にほぼ一致している(高低差が例えば10μm以下)のが好ましい。その理由は、次工程で説明する。
導体層5(配線51)の上面と素子1の上面とをほぼ同一面とするには、導体層5の厚さ、絶縁層6の材質(圧着による収縮の度合い)、層数、厚さ、接着層7の材質(圧着による収縮の度合い)、層数、厚さ、加圧条件、加熱条件等の各条件を適宜選択して、圧着工程(工程[9])後の導体層5、絶縁層6および接着層7の合計厚さが素子1の開口25からの突出部分の高さ(厚さ)Hとほぼ等しくなるようにすればよい。
[11] 素子1の上面側の端子103を配線51の所定部位に電気的に接続する。この方法は、金属製のワイヤ8によりワイヤボンディングすることにより行うのが好ましい(図11参照)。電気接続の作業効率がよく、断線等が極めて少なく、信頼性が高いからである。
このワイヤボンディングに代表される電気接続作業に際しては、前述したように導体層5(配線51)の上面と素子1の上面とがほぼ同一面を形成しているため、作業をより容易かつ確実に行うことができるとともに、ワイヤ8の両端部に段差(高さの差)を生じることなく接続(結線)することができるので、ワイヤ8の長さをより短くすることができる。
また、ワイヤ8が上方に向かって山形に湾曲突出する場合でも、その高さをできるだけ小さくすることができ、よって、結線部分の小スペース化が図れ、また、断線の防止にも寄与する。さらに、その上に形成される光導波路9を平坦な形状に形成することができるとともに、その厚さをできるだけ薄くすることができる。
[12] 次に、前記工程[11]により得られた素子1が搭載された基板2の上面側、すなわち配線51および素子1の上面上に、光導波路9を形成する。光導波路9は、互いに屈折率が異なるコア部とクラッド部とを有するものであり、以下に述べる複数の工程を経て形成される。以下、その工程を順次説明する。
まず、配線51および素子1の上面上に、クラッド層(下部クラッド層)91を形成する(図12参照)。クラッド層91の形成方法としては、別途製造されたシート材を接合する方法、クラッド材(クラッド部形成用材料)を含む樹脂組成物(ワニス等)を塗布し硬化(固化)させる方法、硬化性を有するモノマー組成物を塗布し硬化(固化)させる方法等、いかなる方法でもよい。
クラッド層91の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド(混合物)、共重合体、複合体(積層体)など)用いることができる。
これらのうち、特に耐熱性に優れるという点で、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂、またはそれらを含むもの(主とするもの)を用いるのが好ましい。
クラッド層91(クラッド層97も同様)の材料として環状オレフィン系樹脂、特にノルボルネン系樹脂を主材料とする樹脂材料を用いた場合には、曲げ等の変形に対する耐性に優れ、特に可撓性部175が繰り返し湾曲変形した場合でも、クラッド層91、97とコア層93との層間剥離が生じ難く、クラッド層91、97の内部にマイクロクラックが発生することも防止される。しかも、後述するコア層93と同種の材料となるため、コア層93との密着性がさらに高いものとなり、クラッド層91、97とコア層93との間での層間剥離を防止する効果がさらに高いものとなる。このようなことから、光導波路の光伝送性能が維持され、耐久性に優れた光導波路9が得られる。
環状オレフィン系樹脂としては、例えば、不飽和オレフィン誘導体の環化付加重合体、環状オレフィンモノマーの(共)重合体、環状オレフィンモノマーとα−オレフィン類等の共重合可能な他のモノマーとの共重合体、およびこれらの共重合体の水素添加物等が挙げられる。これらの重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体等が挙げられる。これら環状オレフィン系樹脂は、公知の重合法により製造することが可能であり、その重合方法には付加重合法と開環重合法とが挙げられる。このうち、ノルボルネン型モノマーを重合(特に、付加(共)重合)することによって得られた重合体が好ましい。このものは、透明性、可撓性に富むことからも好ましい。ただし、本発明は、なんらこれに限定されるものではない。
前記環状オレフィン系樹脂の付加重合体としては、例えば、(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合して得られるノルボルネン型モノマーの付加(共)重合体、(2)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との付加共重合体、(3)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、および必要に応じて他のモノマーとの付加共重合体等が挙げられる。これらの樹脂は、公知のすべての重合方法で得ることができる。
また、前記環状オレフィン系樹脂の開環重合体としては、例えば、(4)ノルボルネン型モノマーの開環(共)重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(5)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(6)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、または他のモノマーとの開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、公知のすべての重合方法で得ることができる。
クラッド層91を塗布法で形成する場合、例えば、スピンコート法、ディッピング法、テーブルコート法、スプレー法、アプリケーター法、カーテンコート法、ダイコート法等の方法が挙げられる。これは、後述するクラッド層97の形成においても同様である。
[13] 次に、クラッド層91上に、コア層93を形成する(図13参照)。コア層93の形成方法としては、例えば、別途製造されたシート材を接合する方法、コア材(コア部形成用材料)を含む樹脂組成物(ワニス等)を塗布し硬化(固化)させる方法、硬化性を有するモノマー組成物を塗布し硬化(固化)させる方法が挙げられる。
コア層93の構成材料としては、環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を主材料とし、活性エネルギー光線または電子線の照射により(あるいはさらに加熱することにより)屈折率が変化する材料とされる。環状オレフィン系樹脂としては、前述したベンゾシクロブテン系樹脂、ノルボルネン系樹脂等があげられるが、特にノルボルネン系樹脂が好ましい。
このような材料の好ましい例としては、(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合して得られるノルボルネン型モノマーの付加(共)重合体、(2)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との付加共重合体、(3)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、および必要に応じて他のモノマーとの付加共重合体、(4)ノルボルネン型モノマーの開環(共)重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(5)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(6)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、または他のモノマーとの開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂等の各種ノルボルネン系樹脂が挙げられる。
以上のような材料で構成されたコア層93は、曲げ等の変形に対する耐性に優れ、特に可撓性部175が繰り返し湾曲変形した場合でも、コア部94とクラッド部95との剥離や、コア層93とクラッド層91、97との層間剥離が生じ難く、コア部94内やクラッド部95内にマイクロクラックが発生することも防止される。その結果、光導波路の光伝送性能が維持され、耐久性に優れた光導波路9が得られる。
また、コア層93の構成材料には、例えば、酸化防止剤、屈折率調整剤、可塑剤、増粘剤、補強剤、増感剤、レベリング剤、消泡剤、密着助剤および難燃剤等の添加剤が含まれていてもよい。酸化防止剤の添加は、高温安定性の向上、耐候性の向上、光劣化の抑制という効果がある。このような酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系、ビスフェノール系、トリフェノール系等のフェノール系や、芳香族アミン系のものが挙げられる。また、可塑剤、増粘剤、補強剤の添加により、曲げに対する耐性をさらに増大させることもできる。
前記酸化防止剤に代表される添加剤の含有率は、コア層93の構成材料全体に対し、0.5〜40重量%程度が好ましく、3〜30重量%程度がより好ましい。この量が少なすぎると、添加剤の機能を十分に発揮することができず、量が多すぎると、添加剤の種類や特性によっては、コア部94を伝送する光(伝送光)の透過率の低下、パターニング不良、屈折率不安定等を生じるおそれがある。
コア層93を塗布法で形成する場合、例えば、スピンコート法、ディッピング法、テーブルコート法、スプレー法、アプリケーター法、カーテンコート法、ダイコート法等の方法が挙げられる。
[14] 前工程で得られたコア層93に対し、マスク20を用いて活性エネルギー光線または電子線を図14中上方より選択的に照射し、所望の形状のコア部94をパターニングする。コア部94は、平面視で発光部101と重なるような(好ましくは発光部101を包含するような)パターン形状で形成される。
マスク20には、形成すべきコア部94のパターンと等価な開口(窓)201が形成されている(図14参照)。この開口201は、照射する活性エネルギー光線または電子線が透過する透過部を形成するものである。
マスク20は、予め形成(別途形成)されたもの(例えばプレート状のもの)でも、コア層93上に例えば気相成膜法や塗布法により形成されたものでもよい。マスク20として好ましいものの例としては、石英ガラスやPET基材等で作製されたフォトマスク、ステンシルマスク、気相成膜法(蒸着、スパッタリング等)により形成された金属薄膜等が挙げられるが、これらの中でもフォトマスクやステンシルマスクを用いるのが特に好ましい。微細なパターンを精度良く形成することができるとともに、ハンドリングがし易く、生産性の向上に有利であるからである。
また、図14においては、形成すべきコア部94のパターンと等価な開口(窓)201は、光照射部のパターンに沿ってマスクを部分的に除去したものを示したが、前記石英ガラスやPET基材等で作製されたフォトマスクを用いる場合、該フォトマスク上に例えばクロム等の金属による遮蔽材で構成された活性エネルギー光線または電子線の遮蔽部を設けたものを用いることもできる。このマスクでは、遮蔽部以外の部分が前記窓(透過部)となる。
露光に用いる活性エネルギー光線は、可視光、紫外光、赤外光、レーザ光等が挙げられる。また、電子線は、例えば50〜2000KGy程度の照射量で照射することができる。
マスク20の構成材料としては、照射する活性エネルギー光線または電子線により適宜選定される。活性エネルギー光線を照射する場合、その活性エネルギー光線を遮光し得る材料とされ、電子線を照射する場合、電子線を遮断する材料とされる。このような特性を有するものであれば、マスク20の材料自体は、公知のいずれのものも使用することができる。
コア層93において、活性エネルギー光線または電子線が照射された部位は、その屈折率が変化し(コア層93の材料により、屈折率が増大する場合と減少する場合とがある)、活性エネルギー光線または電子線が照射されなかった部位との間で屈折率の差が生じる。図14に示す例では、コア層93の活性エネルギー光線または電子線が照射された部位(図14中点線で示す)がコア部94となり、照射されなかった部位がクラッド部95となる。クラッド部95の屈折率は、クラッド層91および後述するクラッド層97の屈折率とほぼ等しい。
コア部94とクラッド部95との屈折率の差は、特に限定されないが、0.3〜5.5%程度が好ましく、特に0.8〜2.2%程度が好ましい。屈折率の差が前記下限値未満であると光を伝達する効果が低下する場合があり、前記上限値を超える場合は、電子線照射による分解反応が過剰に起こっている可能性が大きく、長期安定性が低下する場合がある(ただし、活性エネルギー光線の照射の場合には、かかる問題は生じない)。
なお、前記屈折率差とは、コア部94の屈折率をA、クラッド部95の屈折率をBとしたとき、次式で表される。
屈折率差(%)=|A/B−1|×100
本工程において、コア層93における活性エネルギー光線または電子線の照射部位の位置決め、すなわち、最上層にクラッド層91を有する素子1搭載済みの基板2に対するマスク20の位置合わせは、素子1の発光部101および端子103のうちの少なくとも一方を指標として行うのが好ましい。これにより、容易に正確な位置合わせを行うことができ、短い作業時間で高精度のパターニングが可能となる。
この位置合わせは、例えば、CCDカメラにより素子1の発光部101および/または端子103位置を把握し、この位置を基準(指標)にして、素子1搭載済みの基板2に対するマスク20の位置(相対的な位置関係)を決定することにより行う。
位置決め方法の一例についてより詳細に説明すると、マスク20を固定するとともにその上方に素子1を撮像し得るCCDカメラ(図示せず)を固定し、一方、素子1搭載済みの基板2を例えばXYステージまたはロボットにより図14中X方向およびY方向にそれぞれ移動し得るように支持し、CCDカメラで撮像し、把握(記憶)した発光部101の位置に開口201の箇所Aが一致するように素子1搭載済みの基板2を2次元方向(X方向、Y方向および回転(θ)方向)に適宜移動し、固定する。もちろん、素子1搭載済みの基板2側を固定し、マスク20側を移動してもよいし、双方を移動してもよい(例えば、素子1搭載済みの基板2はX方向に移動し、マスク20はY方向に移動する)。
このように、発光部101を基準として位置合わせをする場合、面方向においてマスク20の開口201(コア部94が形成されるべき部分)の所定部位が発光部101と重なるように位置合わせを行うが、端子103を基準として位置合わせを行うこともできる。すなわち、発光部101と端子103との位置関係は素子1に固有のものであり既知であるため、端子103の位置を基準とし、前記と同様にして、マスク20の開口201の所定部位(箇所A)が発光部101と重なるように、素子1搭載済みの基板2をマスク20に対し2次元方向(X方向、Y方向および回転(θ)方向)に相対的に移動して位置合わせを行うことができる。
また、発光部101と端子103の双方(2点)を基準として同様の位置合わせを行うこともできる。この場合には、平面上の2点を特定して位置合わせを行うことができるので、例えば素子1搭載済みの基板2のマスク20に対する回転等のズレも補正することができ、より正確な位置合わせが可能となる。
また、さらに他の1または2点以上を基準点として位置合わせを行ってもよい。基板2に複数の素子1が搭載されている場合、すなわち、例えば発光素子と受光素子が1または2組以上搭載されている場合、1つの素子の発光部(または端子)と他の1つの素子の受光部(または端子)を指標(基準点)として位置合わせを行うことができる。この場合、各基準点はそれぞれ異なる素子上に形成されており、それらは相当距離離間しているため、さらに正確な位置合わせを行うことができる。
ここで、発光部101を基準として位置合わせを行う場合、発光部101全体を基準としても、発光部101の一部(例えば発光部101が複数の発光点を有する場合、それらのうちの所定の発光点)を基準としてもよい。
また、他の方法として、マスク20を用いず、コア層93に対し例えばレーザ光のような指向性の良い活性エネルギー光線(または電子線)を直接照射してコア部94を形成してもよい。この場合でも、照射位置の設定には、前述したような位置合わせの方法、すなわち発光部101および/または端子103を基準として位置合わせを行うことができ、前記と同様の効果を奏する。
また、コア層93に対し活性エネルギー光線または電子線を所定のパターンで照射し、加熱することにより、コア部94を形成してもよい。例えば、コア層93の主材料として前述したノルボルネン系樹脂を用いる場合、この加熱工程を付加することにより、コア層93の構成材料中で重合が促進され、コア部94とクラッド部95との屈折率の差がより大きくなるので好ましい。加熱の温度は、例えば、40〜160℃程度とすることができる。
形成されるコア部94のパターン形状としては、特に限定されず、直線状、湾曲部を有する形状、分岐部または交差部を有する形状、集光部(幅等が減少している部分)または光拡散部(幅等が増大している部分)、あるいはこれらのうちの2以上を組み合わせた形状等、いかなるものでもよい。
なお、上記では、コア層93に対しマスク20を用いて活性エネルギー光線または電子線を所望のパターンで照射し、照射された部分をコア部94とする場合について説明したが、これに限らず、形成すべきクラッド部95と等価な開口(窓)を有するマスクまたは少なくとも形成すべきコア部94と等価な遮蔽部が形成されたマスクを用いて、活性エネルギー光線または電子線を所望のパターンで照射し、照射された部分をクラッド部95とすることによりコア部94(照射されない部分)を形成してもよい。この場合でも、前記と同様の位置合わせ方法により位置合わせを行うことができる。
[15] 以上のようにしてコア層93にコア部94が形成されたら、コア部94の発光部101の真上の位置に、反射面96を形成する(図15参照)。この反射面96は、光導波路の光路、すなわちコア部94の長手方向に対しほぼ45°傾斜している。
反射面96の形成方法としては、切削、レーザ光の照射等によりクラッド層91およびコア層93を部分的に除去する方法が挙げられる。また、さらに傾斜した面の表面に対し例えばアルミニウムのような金属材料の薄膜を蒸着等の方法(気相成膜法)により成膜したり、光学多層薄膜を同様の方法で形成したりすることも可能である。
反射面96は、全反射するものに限らず、例えば、ハーフミラー、ダイクロイックミラー等のように、光の一部を反射し、残部を透過するようなものでもよい。
なお、反射面96の形成に際しても、その位置合わせは、発光部101および/または端子103を基準(指標)として行うことができる。
[16] 絶縁層(可撓性を有する樹脂層)10と導体層11とを接合したものを用意する(図16参照)。この絶縁層10は、導体層11に対する絶縁機能を有する他に、後述する可撓性部175を形成したときにその強度を担うものとなる。また、光導波路9の上面側を保護する機能も有する。
絶縁層10の構成材料、層構成、厚さ等の条件は、前記絶縁層6と同様のものが挙げられる。導体層11も、前述した導体層3、5と同様のものを用いることができ、その好ましい形成方法、構成材料、厚さ等の条件もそれらと同様である。
[17] 導体層11に対し所定のパターニングを施して、所望の形状の配線111を形成する(図17参照)。このパターニングは、例えばエッチングや印刷等の方法により行うことができる。
[18] 配線111が形成された絶縁層10の下面にクラッド層(上部クラッド層)97を形成する(図18参照)。クラッド層97の形成方法としては、別途製造されたシート材を接合する方法、クラッド材(クラッド部形成用材料)を含む樹脂組成物(ワニス等)を塗布し硬化(固化)させる方法、硬化性を有するモノマー組成物を塗布し硬化(固化)させる方法等、いかなる方法でもよい。
クラッド層97の構成材料としては、前記クラッド層91で挙げたものと同様のものが挙げられ、それらのうちの好ましい材料についても同様である。
[19] 上面に導体層13が形成(接合)された硬化済みの基板(硬質の樹脂層)12を用意する(図19参照)。導体層13は、前述した導体層3、5と同様のものを用いることができ、その好ましい形成方法、構成材料、厚さ等の条件もそれらと同様である。基板12には、溝121、121が形成されおり、溝121、121間の部位は、後に除去される不要部(除去部)123を構成する。
なお、基板12は、硬化済のものでも未硬化のものでもよいが、後者の場合、図20に示す接合工程までの間に、加熱により硬化させておく。
[20] 接着層14を用意する。この接着層14は、基板12と絶縁層10とを接着するものであり、基板12の溝121および不要部123に対応する形状の開口141が形成されている(図19参照)。
接着層14の形態、構成材料、厚さ等は、前記接着層7と同様のものが挙げられる。
[21] 図19に示すように、素子1搭載済みの基板2のコア層93上に、前記工程[18]で得られたクラッド層97、配線111および絶縁層10の積層体を重ね、さらにその上に接着層14を重ね、さらにその上に基板12および導体層13の積層体を重ねる。このとき、基板2の溝21および不要部23と、接着層14の開口141と、基板12の溝121および不要部123とが面方向で一致するように位置合わせを行う。
[22] 重ねられた素子1搭載済みの基板2と、クラッド層97、配線111および絶縁層10の積層体と、接着層14と、基板12および導体層13の積層体とに、図20中の矢印で示すように、導体層13の上面側から加圧し、これらを圧着する。この圧着作業は、加熱下で行われるのが好ましい。加熱の温度は、コア層93、クラッド層97、接着層14の構成材料等により適宜決定されるが、通常は、80〜200℃が好ましく、120〜180℃がより好ましい。
以上のような圧着作業により、接合体17’が得られる。すなわち、コア層93とクラッド層97とが接合されて、クラッド層91、97間にコア層93が介挿された光導波路9が得られ、また、接着層14を介して絶縁層10と基板12とが接合された上部補強部が形成される。
この接合体17’では、光導波路9および素子1は、いずれも、硬質の基板2、12間に位置し、表面に露出せず、接合体17’に内蔵された構成となっている(図20〜図22参照)。従って、接合体全体の厚さを薄くすることができるとともに、表面に露出することによる破損も防止され、電子部品の信頼性の向上に寄与する。
[23] 次に、接合体17’の所定箇所に、ビアホール15を形成する(図21参照)。図示の例では、ビアホール15は、配線51と導体層3(後述する配線33)とを電気的に接続するためのものである。
ビアホール15の形成方法としては、例えば、ドリルによる穿設、レーザ光の照射が挙げられる。
ビアホール15の形成位置、形成パターン、形成方法等は、特に限定されない。例えば、光導波路9を貫通するビアホールを設けてもよいし、接合体17’全体を貫通するビアホールを設けてもよい。
[24] 次に、接合体17’の両面にそれぞれ形成されている導体層3および13に対し、それぞれ、所定のパターニングを施して、所望の形状の配線31および131を形成する(図22参照)。このとき、端子105に接続している配線31とは分離(絶縁)された配線33を形成する。
なお、この導体層3、13へのパターニングは、前記導体層5、11へのパターニングと同様の方法により行うことができる。
また、このパターニングにより、導体層3および13の不要部23および123を支持していた部分が除去され、その結果、不要部23および123は分離され、除去される。そして、不要部23および123が除去されることにより、可撓性部175が得られる。可撓性部175は、基板2および12の一部である不要部23および123を除去することにより形成されるので、可撓性部175を容易に形成することができる。
[25] また、ビアホール15内に金属材料16を充填する。これにより、配線51と配線33の所定部同士が電気的に接続される(図22参照)。金属材料16の充填方法は、特に限定されず、例えば、金属メッキ、金属ペーストやナノメタルインクの充填および加熱等の方法により行うことができる。
以上のようにして、本発明の光導波路形成基板17が完成する。
なお、本発明において、光導波路形成基板の構造、層構成、硬質部と可撓性部のそれぞれの形状、数、配置等は、図示のものに限定されないことは言うまでもない。例えば、硬質部に設置される硬質の基板としては、上方の基板12を有さず、基板2のみ、特に下方の不要部23が除去された基板2のみを有する構造のものでもよい。さらに、可撓性部が2箇所以上形成されたものや、比較的広域に形成されたものでもよい。
また、光導波路形成基板の製造方法も、上述のものに限定されない。例えば、上記では後に不要部23、123を除去して可撓性部175を形成したが、可撓性部175以外の箇所に基板2、12を設置して、硬質部と可撓性部とを形成する方法を採用してもよい。
また、前述の実施形態において、素子1としては、発光素子を代表例として説明したが、受光部を有する受光素子であってもよい。この場合には、前記発光部101に代えて、コア部94により形成される導光路を受光部へ導く構成とすることができる。
また、光導波路形成基板は、発光素子と受光素子の双方を少なくとも1組搭載するものでもよい。例えば、硬質部171および173の各々に発光素子および受光素子が設置され、それらの発光部と受光部とが光導波路の光路で接続されている構成のものでもよい。また、発光素子と受光素子の少なくとも一方(好ましくは双方)が上述した要件を満たすものであればよい。
以上、本発明を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成と置換することができ、また、任意の構成が付加されていてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
側鎖にブチル基を有するノルボルネンと、側鎖にトリエトキシシリル基を有するノルボルネンとの付加重合ホモポリマー(ガラス転移温度(Tg)280℃、重量平均分子量100,000)を合成し、このノルボルネン系樹脂96重量%と、酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤)としてIRGANOX B225/FF(Ciba製)4重量%とをメシチレンに溶解し、塗布液を調整した。この塗布液をガラス基板上にバーコーター法で塗布し、80℃、1時間乾燥し、厚さ50μmの樹脂膜(コア層)を得た。上記樹脂膜を、幅50μmの直線パターンを有するステンシルマスクで覆い、Min−Eb Labo SCAN(USHIO製)を用いて、加速電圧55[KV]で電子線を照射(1,000KGy)して、照射部がコア部、未照射部がクラッド部となる樹脂膜を得た。
一方、側鎖にブチル基を有するノルボルネンと、側鎖にトリエトキシシリル基を有するノルボルネンとの付加重合ホモポリマー(ガラス転移温度(Tg)280℃、重量平均分子量100,000)を合成し、このノルボルネン系樹脂で構成される厚さ50μmのクラッド層を前記樹脂膜(コア層)の両面にそれぞれ形成して、3層積層体による光導波路を得た。なお、クラッド層の形成は、前記ノルボルネン系樹脂をメシチレンに溶解して調整した塗布液をバーコーター法で塗布、乾燥することにより行った。
以上の方法により、コア部の厚さ50μm、総厚100μm、幅0.5cm、長さ10cmの直線状の光導波路(光導波路フィルム)を作製した。
(比較例1/ポリシラン光導波路の作製)
下部クラッド層となる脂肪族炭化水素基を持った分岐型ポリシランワニスを離型処理済みのガラス基板の上に塗布し、80℃、20分乾燥させた後、その上にクラッド材よりも屈折率の高い芳香族炭化水素基を持った分岐型ポリフェニルシランワニスを塗布し、80℃、20分乾燥させた後、コア部となるところに遮蔽部が設けられたフォトマスクを介し、超高圧水銀ランプにて露光し、250℃で熱処理してコア部を形成した。その上に、上部クラッド層となる前記と同じポリシランワニスを塗布し、300℃で熱処理して、コア部の厚さ50μm、総厚100μm、幅0.5cm、長さ10cmの直線状の光導波路を作製した。それを前記ガラス基板から剥離し、光導波路(光導波路フィルム)を得た。
(比較例2/エポキシ樹脂光導波路の作製)
離型処理したガラス基板上に、UV硬化型エポキシ樹脂ワニス(NTT−AT製E3129)をスピンコートし、次いでUV照射して硬化し、下部クラッド層を形成した。その上に、前記UV硬化型エポキシ樹脂よりも屈折率の高いコア用UV硬化型エポキシ樹脂(NTT−AT製E3135)をスピンコートし、フォトリソグラフィー法により、直接コア部をパターニングした。その後、下部クラッド層を形成したものと同じUV硬化型エポキシ樹脂ワニスをスピンコートし、次いでUV照射して硬化し、上部クラッド層を形成して、コア部の厚さ50μm、総厚100μm、幅0.5cm、長さ10cmの直線状の光導波路を作製した。それを基板から剥離し、光導波路(光導波路フィルム)を得た。
1.曲げ損失値測定
試験片として、実施例1、比較例1および2でそれぞれ作製した長さ10cmのフィルム状の光導波路(以下単に「フィルム」または「光導波路フィルム」と言う)を用意するとともに、波長830nmのレーザー光源(レーザダイオード)に接続した入射側マルチモードファイバと、光パワーメータに接続した出射側マルチモードファイバを用意し、これらを使用した(図23参照)。
まず、微動可能なステージ(微動ステージ)上に、伸ばした(曲げていない)状態の光導波路フィルムを載置し、そのコア部の一端に上記入射側マルチモードファイバを突き当て、コア部の他端に上記出射側マルチモードファイバを突き当て、マッチングオイルを用いて前記コア部とマルチモードファイバとの間隙を埋め、測定の準備をした(図23参照)。
次に、レーザー光源を作動して波長830nmのレーザー光を導入し、光パワーメータの出力値が最大となるよう微動ステージを調芯し、光パワーメータにて光強度を測定した(図23参照)。このときの光強度をPとする。その後、光導波路を任意の直径Xのステンレス棒に沿わせ、90度に曲げて、前述の測定と同様に調芯し、光強度Pを測定した(図24参照)。
ステンレス棒直径Xが0.5cm(曲げ半径0.25cm)のとき光強度をP0.5、Xが1cm(曲げ半径0.5cm)の時の光強度をP、Xが2cm(曲げ半径1.0cm)のときの光強度をP、同様に、P、P、Pとし、これらを下記式1に代入し、算出した値を曲げ損失L[dB]とした。その結果を下記表1に示す。
Figure 0004696647
Figure 0004696647
2.屈曲試験
試験片として、実施例1、比較例1および2でそれぞれ作製した長さ10cmの光導波路フィルムを用意するとともに、2枚の金属板を一定のギャップGに保つように配置し、一方の金属板は固定し、他方の金属板は横方向に移動できるようにした装置を使用した(図25参照)。
前記両金属板の内側に、前記光導波路フィルムをU字型になるように曲げて固定具により固定し、1.5cmのストロークで可動金属板を往復移動させ、その往復回数が1000回後の光導波路フィルムの状態を目視で観察し、耐屈曲性を調べた(図26参照)。
フィルムに、剥離、クラック、破損等の欠陥が全く生じなかった場合を◎、ごく僅か生じた場合を○とし、以下、欠陥の程度が顕著になるにつれて順次△、×とした。
2枚の金属板間のギャップGをそれぞれ0.5、1、2、3、4cmに設定して、上記試験を行った。その結果を下記表2に示す。
Figure 0004696647
3.屈曲試験後の増加損失値測定
試験片として、実施例1、比較例1および2でそれぞれ作製した長さ10cmの光導波路フィルムを用意し、前記曲げ損失値測定と同様の測定を行った。光パワーメータの出力値(光強度)が最大となるよう微動ステージを調芯したときの光強度をP’とした(図23参照)。
次に、上記屈曲試験終了後、導波路フィルムを真っ直ぐに伸ばした状態で、前記の測定と同様に光パワーメータの出力値が最大となるよう微動ステージを調芯し、このときの光強度P’を測定した(図23参照)。ここで、Yは、フィルムの湾曲部分の曲げ直径(=ギャップG)であり、それぞれ0.5、1、2、3、4cmについて測定した。これらの測定値を下記式2に代入し、算出した値を増加損失値L’[dB]とした。その結果を下記表3に示す。
Figure 0004696647
Figure 0004696647
4.考察
表1〜3に示すように、本発明の実施例1では、曲げ損失値測定、屈曲試験および屈曲試験後の増加損失値測定共に、良好な結果が得られており、層間剥離やクラック等の欠陥の発生およびこれによる損失(光伝送性能の低下)が曲げ半径0.25cmまではほとんど無く、曲げ半径0.5cmまでは全く無いことが確認された。
これに対し、比較例2では、上記欠陥や損失は、曲げ半径0.5cmまたは1.0cmでも生じており、実施例1に比べて劣るものであった。また、比較例1では、曲げに対する耐性がほとんどなく、全ての曲げ半径に対しフィルムの破損が生じ、使用に耐え得るものではないことが確認された。
本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す斜視図(部分断面図)である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路形成基板の実施形態を模式的に示す断面図である。 曲げ損失値測定の方法(曲げ損失測定装置)を示す図である。 曲げ損失値測定の方法(曲げ損失測定装置)を示す図である。 屈曲試験の方法(屈曲試験装置)を示す図である。 屈曲試験の方法(屈曲試験装置)を示す図である。
符号の説明
1 素子(発光素子または受光素子)
101 発光部(受光部)
103 端子
105 端子
2’ 基板(未硬化)
2 基板(硬化後)
21 溝
23 不要部(除去部)
25 開口
3 導体層
31 配線
33 配線
4’ 半田ペースト
4 半田
5 導体層
51 配線
53 除去部
6 絶縁層
61 溝
63 不要部(除去部)
65 開口
7 接着層
71 開口
73 開口
8 ワイヤ
9 光導波路
91 クラッド層
93 コア層
94 コア部
95 クラッド部
96 反射面
97 クラッド層
10 絶縁層
11 導体層
111 配線
12 基板
121 溝
123 不要部(除去部)
13 導体層
131 配線
14 接着層
141 開口
15 ビアホール
16 金属材料
17’ 接合体
17 光導波路形成基板
171 硬質部(リジッド部)
173 硬質部(リジッド部)
175 可撓性部(フレキシブル部)
18 治具
180 基板当て付け面
181 凹部
183 凸部
19 離型フィルム
20 マスク
201 開口

Claims (6)

  1. 板状をなす光導波路形成基板であって、
    互いに屈折率が異なるコア部とクラッド部とを有するコア層と該コア層の両面にそれぞれ形成されたクラッド層とで構成された光導波路と、前記各クラッド層のうちの一方のクラッド層上に形成された内側導体層と、該内側導体層上に形成された絶縁層と、該絶縁層上に接着層を介して接着された硬質な基板と、該硬質な基板上に形成された外側導体層とを有する積層構造体を備え、
    前記積層構造体は、前記硬質な基板をその長手方向の途中でその一部を除去することにより形成された、湾曲変形可能な可撓性部と、該可撓性部を除く残りの部分で構成された硬質部とに分けられ、
    前記硬質部は、前記硬質な基板、前記接着層、前記絶縁層を一括して開口して形成された開口を有し、
    前記開口には、板状をなし、その前記コア層側の面に配置された発光部または受光部を有する素子が設置され、
    前記素子は、前記コア層側の面が前記光導波路と接していることを特徴とする光導波路形成基板。
  2. 前記コア部は、環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を主材料とし、かつ活性エネルギー光線または電子線の照射により、またはさらに加熱することにより屈折率が変化する材料で構成されたコア層に対し前記活性エネルギー光線または電子線を選択的に照射することにより所望の形状に形成されたものである請求項1に記載の光導波路形成基板。
  3. 前記光導波路のコア部は、平面視で前記発光部または受光部と重なるようなパターン形状をなしている請求項2に記載の光導波路形成基板。
  4. 前記光導波路は、前記発光部または受光部に対応する部位に、前記光導波路の光路に対し傾斜する反射面を有する請求項3に記載の光導波路形成基板。
  5. 前記環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン系樹脂を主とするものである請求項1ないし4のいずれかに記載の光導波路形成基板。
  6. 前記コア層の構成材料中に、0.5〜40重量%の添加剤を含む請求項1ないし5のいずれかに記載の光導波路形成基板。
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