JP4696350B2 - 比抵抗調整水製造装置及び缶検査用水製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種生産工場で使用される比抵抗調整水を製造するための装置と、この装置用いた缶の良否を検査するための検査用水の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
比抵抗を所望の値に調整した水は、各種生産工場などで、幅広い用途において利用されている。
【0003】
例えば、製缶工場においては、缶内部に比抵抗調整水を充填し、充填後の水と缶の導電性を確認することで、缶の不良品検査を実施することが行われている。このような導電率測定による検査で使用される比抵抗調整水には、その比抵抗値の変動が検査に及ぼす影響が大きいため、比抵抗値の変動を極力低減した水であることが望まれている。
【0004】
従来、このような比抵抗調整水の供給のためには、イオン交換設備等で純水を製造し、該純水に炭酸を溶解させることで比抵抗を安定化させることが行われている(特公昭63−2231号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特公昭63−2231号公報に記載される方法は、一旦純水(比抵抗12〜18MΩ・cm)を製造した後、比抵抗を下げる(0.5〜2.5MΩ・cm程度)方法であるため、純水を製造するために使用するイオン交換樹脂の利用効率が悪い。このため、イオン交換樹脂の充填量が多く、装置が大型化するという欠点がある。特に、ユースポイントで使用した水を回収して原水とする場合であって、回収水中のイオン成分の混入はあるものの微少である場合(回収水の比抵抗0.2〜0.7MΩ・cm程度)には、若干のイオン除去を行えば所望の比抵抗値を有する水となりうるにもかかわらず、高度のイオン交換処理を行うため、イオン交換樹脂の利用効率が悪くなる。
【0006】
本発明は上記従来の問題点を解決し、比抵抗値が所望の値に安定した比抵抗調整水を製造することができる装置であって、イオン交換樹脂等の脱イオン手段の利用効率が高く、装置の小型化、設備スペースの縮小を図ることができる比抵抗調整水製造装置と、この比抵抗調整水製造装置により製造された比抵抗調整水を用いた缶検査用水製造装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の比抵抗調整水製造装置は、原水を脱イオン処理して所定の比抵抗の処理水を製造する比抵抗調整水製造装置において、原水を脱イオン処理して脱イオン水とする脱イオン手段と、該脱イオン手段を迂回して原水を該脱イオン水に合流させて合流水とするバイパスラインと、該バイパスライン又は脱イオン手段の流量を調節する流量調節手段と、前記合流水の比抵抗が予め設定した値になるように、該流量調節手段を制御する制御手段と、前記合流水(第1の合流水)に炭酸ガスを溶解させる炭酸ガス溶解手段を備え、前記炭酸ガス溶解手段が、前記合流水(第1の合流水)を2系統に分流させ、一方の系統において炭酸ガスを溶解させ、その後他方の系統と合流させて第2の合流水とする手段であり、該他方の系統に殺菌手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の比抵抗調整水製造装置では、原水のうち、所定の比抵抗値の処理水を得るために脱イオン処理が必要な一部のみを脱イオン手段で脱イオン処理し、残部は脱イオン手段を迂回して、脱イオン水と合流させるため、脱イオン手段の利用効率が高い。
【0009】
本発明の装置は、前記合流水(第1の合流水)に炭酸ガスを溶解させる炭酸ガス溶解手段を備えた比抵抗調整水製造装置であるため、所定の比抵抗値の合流水に炭酸ガスを溶解させて、比抵抗値をより一層安定化させることができる。
【0010】
前記炭酸ガス溶解手段が前記合流水(第1の合流水)を2系統に分流させ、一方の系統において炭酸ガスを溶解させ、その後他方の系統と合流させて第2の合流水とする比抵抗調整水製造装置であるため、所定の比抵抗値の合流水の一部に炭酸ガスを溶解させて、比抵抗値をより一層安定化させることができる。
【0011】
この場合、合流水を2系統に分流させて、一方の系統にのみ炭酸ガスを溶解させることにより、炭酸ガスの溶解設備を小型化することができると共に、他系統にオゾン殺菌手段等を設けることができ、好ましい。
【0012】
この場合、炭酸ガスの溶解手段は、合流水の一部と炭酸ガスが導入される炭酸ガス溶解槽と、この溶解槽内の水温調節手段と、水位調節手段と、圧力調節手段と撹拌手段とを備えるものであることが好ましく、このような炭酸ガス溶解手段であれば、炭酸ガスの溶解濃度を所望の濃度に安定させることができる。
【0013】
請求項2の比抵抗調整水製造装置は、本発明の装置において、前記脱イオン手段が2以上の直列に配置したイオン交換樹脂充填塔を備えており、最終段のイオン交換樹脂充填塔前の被処理水の比抵抗が所定値以下になった場合に該脱イオン手段への原水導入を停止する手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
この比抵抗調整水製造装置であれば、脱イオン手段として、複数のイオン交換樹脂充填塔を多段に設けることにより、1塔当たりの塔高さを小さくすることができ、装置の小型化が図れる。
【0015】
また、この場合において、最後段のイオン交換樹脂充填塔の被処理水の比抵抗に基いて原水の導入を制御することにより、イオン交換樹脂充填塔のイオン交換樹脂のイオンブレーク(破過)検知から原水の導入停止までに時間的な余裕を確保することができ、処理不十分の脱イオン水が後工程へ流入するのを確実に防止することができると共に、後述のような操作で連続処理を行うことが可能となる。
【0016】
なお、このような脱イオン手段は、2系列並列し、一方の脱イオン手段のイオン交換樹脂充填塔のイオン交換樹脂のイオンブレークを検知したときには、この脱イオン手段への原水の導入を停止してイオン交換樹脂の再生を行い、原水を他方の脱イオン手段に導入し、この2系列の脱イオン手段を交互に運転することにより、連続採水が可能となる。
【0017】
請求項3の比抵抗調整水製造装置は、本発明の装置において、所定の比抵抗とされた処理水の流量を検出する手段と、この流量が所定流量となるように原水の供給量を制御する手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
この比抵抗調整水製造装置によれば、流量を一定化することにより、処理水の比抵抗値をより一層安定化させることができる。
【0019】
請求項4の比抵抗調整水製造装置は、この装置において、所定の比抵抗とされた処理水が導入可能な調圧タンクと、該調圧タンク内へ窒素などの不活性ガスを一定圧力にて導入する不活性ガス導入手段とを備えており、且つ、該調圧タンク内の水位が一定となるように該処理水を該調圧タンク内に導入する手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
この比抵抗調整水製造装置によれば、調圧タンクにて圧力を一定化させることにより、処理水の比抵抗値をより一層安定化させることができる。
【0021】
請求項5の比抵抗調整水製造装置は、本発明の装置において、該比抵抗調整水製造装置に供給する原水が貯留される原水貯槽が設けられており、該原水貯槽には、少なくとも、ユースポイントからの使用済水と、補給される純水とが導入されることを特徴とする。
【0022】
この比抵抗調整水製造装置であれば、使用済水の有効再利用を図ることができ、また、原水の比抵抗値の変動を抑制して、処理水の比抵抗値をより一層安定化させることができる。
【0023】
請求項6の比抵抗調整水製造装置は、本発明の装置において、該脱イオン手段の前段に、第1のフィルタと活性炭充填塔と、該第1のフィルタよりも微細な微粒子を除去する第2のフィルタとがこの順に接続された前処理手段を備えることを特徴とする。
【0024】
この比抵抗調整水製造装置であれば、前処理手段で、原水中の微粒子やTOC等の不純物を除去することができ、純度の高い処理水を製造することができる。
【0025】
なお、この前処理手段についても、脱イオン処理手段と同様2系列設け、交互に運転を切り換えることが好ましい。
【0026】
本発明の装置は、殺菌手段を備えた比抵抗調整水製造装置であるため、缶検査用水として好適な殺菌した比抵抗調整水を製造することができる。
【0027】
本発明の缶検査用水製造装置は、このような比抵抗調整水製造装置よりなるものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0029】
図1は本発明の比抵抗調整水製造装置及び缶検査用水製造装置の実施の形態を示す系統図であり、図2,図3,図4,図5,図6の各図は、それぞれ図1の原水供給工程、前処理工程、脱イオン処理工程、炭酸ガス溶解・殺菌工程及び処理水調整・給水・検査工程の詳細を示す系統図である。
【0030】
図1〜6において、各種弁や計測手段の主な符号、記号等が示すものは次の通りである。
【0031】
【表1】
【0032】
1は原水貯槽であり、検査工程の使用済水の受槽2から使用済水が配管101で返送される。また、脱イオン工程 III及び調整槽3の循環水がそれぞれ配管102,103で返送される。
【0033】
なお、これらの返送配管102,103には定流量弁を設けることにより、循環時の処理流量を安定化させて、比抵抗調整水の比抵抗をより一層安定化させることができる。更に、他系統の純水装置からの純水の補給配管104と水道水等の補給配管105を備える。水道水、市水、井戸水等は、混床式イオン交換樹脂塔100等で脱イオン処理した後、補給される。この脱イオン手段としては、混床式イオン交換樹脂塔の他、逆浸透膜分離装置や電気脱イオン装置等を用いることもできるが、着脱可能な非再生型混床式イオン交換樹脂充填塔を用いるのが簡便である。
【0034】
このように使用済水を回収して原水とすることにより、水の有効利用を図ることができる。この場合、補給水として、通常の水道水を用いると、原水の比抵抗の変動幅が大きくなり、後段の脱イオン処理等における処理効果が安定しなくなることから、原水の比抵抗を安定化させるために補給水としては、純水を用いる。このため、図1の装置では、純水補給配管104及び水道水を脱イオン処理した後補給する配管105が設けられている。この配管104,105はいずれか一方のみでも良い。
【0035】
原水貯槽1の原水は、ポンプ1A,1Bで配管106A,106Bより前処理工程IIの前処理手段IIA,IIBに送給されて前処理される。
【0036】
この装置では、前処理工程IIの前処理手段IIA,IIBは、2系統並設されており、各々、第1のフィルタ(バグフィルタ)11A,11B、第1の活性炭塔12A,12B、第2の活性炭塔13A,13B、及び第2のフィルタ(保安フィルタ)が直列に接続されている。
【0037】
第1のフィルタ11A,11Bでは、粒径3μm以上の微粒子を除去し、第2のフィルタ14A,14Bでは粒径1μm以上の微粒子を除去する。また、缶検査工程においては、缶に付着したポリエチレングリコールが水中に溶出し、これが使用済水中に含有されるため、第1,第2の活性炭塔12A,12B及び13A,13BでこれらのTOC成分を除去する。
【0038】
このような前処理手段IIA,IIBを設けることにより、原水中の不純物を除去して高純度の比抵抗調整水を製造することが可能となる。
【0039】
また、この前処理手段IIA,IIBを2系統設けることにより、一方の前処理手段の再生時(例えば、差圧が上昇したフィルタや活性炭塔の洗浄、交換等)には、他方の前処理手段に原水を通水するように、原水流路を切り換えることにより、前処理手段の再生時にも運転を停止することなく、連続生産を行うことができるため、好ましい。
【0040】
この原水流路の切り換えは、バルブの開閉及びポンプ1A,1Bの作動、停止により行うことができる。
【0041】
なお、原水ポンプ1A,1Bは後述の調整槽3からの処理水(比抵抗調整水)流出配管120に設けられた流量計Fの計測結果に基いてインバータ制御されるように構成されており、これにより、原水及び処理水の流量を一定にして、比抵抗をより一層安定化させることができる。
【0042】
前処理工程IIで前処理された水は、次いで少なくともその一部が配管107A,107Bより脱イオン工程 IIIの脱イオン手段IIIA,IIIBに送給されて脱イオン処理され、前処理水の残部は配管108より脱イオン処理されることなく、脱イオン手段IIIA,IIIBの脱イオン水と合流される。
【0043】
即ち、前述の如く、原水貯槽1に返送される使用済水は、検査工程で若干のイオンの混入はあるものの、その量は非常に少なく、比抵抗の高い水である。従って、このような使用済水を含む原水の全量を脱イオン手段で脱イオン処理すると、脱イオン手段におけるイオン交換樹脂の利用効率が悪く、工業的に不利である。
【0044】
このため、図示の装置では、脱イオン処理手段IIIA,IIIBから配管109A,109Bより送給される脱イオン水と脱イオン処理されることなく配管108から直接送給される前処理水(以下、この水を「非脱イオン水」と称す場合がある。)との合流水の比抵抗値を、これらの合流水が流れる配管110に設けた比抵抗計C2により測定し、この測定結果に基いて配管108に設けた弁108Vの開度を制御して、非脱イオン水流量を調節し、非脱イオン水と脱イオン水との混合比を調整することにより、所望の比抵抗値の合流水を得るために必要最低限の前処理水のみを脱イオン手段IIIA,IIIBに送給して脱イオン手段IIIA,IIIBでのイオン交換樹脂の利用効率を高める。
【0045】
この装置では、脱イオン工程 IIIの脱イオン手段IIIA,IIIBは、2系統並設されており、各々、4基の混床式イオン交換樹脂塔15A,15B,16A,16B,17A,17B,18A,18Bが直列に接続されている。
【0046】
このように、脱イオン手段として、複数の混床式イオン交換樹脂塔を直列に接続することにより、各塔の塔高さを小さくすることができ、装置全体を小型化することができる。
【0047】
また、この脱イオン手段IIIA,IIIBを2系統設けることにより、一方の脱イオン手段のメンテナンス時には、他方の脱イオン手段に前処理水を通水するように流路切り換えを行うことにより、脱イオン手段の再生時にも運転を停止することなく、連続生産を行うことができるため、好ましい。
【0048】
即ち、イオン交換樹脂塔のイオン交換樹脂がイオンブレークした場合には、このイオン交換樹脂を再生又は交換する必要がある。しかも、イオン交換樹脂塔のイオン交換樹脂は通水を開始してから、所定の純度の処理水を得るまでに、一定の時間(一定の通水量)を必要とする。従って、図示の如く、脱イオン手段を2系統設け、一方の脱イオン手段でイオン交換樹脂の再生又は交換、その後の立ち上げ運転を行っているときには、他方の脱イオン手段で原水の処理を行い、メンテナンス中の脱イオン手段と原水の処理を行う脱イオン手段とを切り換える。
【0049】
図示の装置では、直列に接続されたイオン交換樹脂塔のうちの最後段のイオン交換樹脂塔18A,18Bの入口側にそれぞれ比抵抗計C1A,C1Bが設けられており、この比抵抗計C1A,C1Bの測定値が予め設定された値を下回ったときには、イオン交換樹脂塔のイオンブレークを予知し、流路の切り換えの準備を行う。
【0050】
即ち、例えば、脱イオン手段 IIIAに前処理水を通水して運転を行っている場合に、比抵抗計C1Aの比抵抗が所定値を下回った場合には、脱イオン手段 IIIBの通水を開始して、脱イオン手段 IIIBの立ち上げを行い、処理水の純度を高める。このとき、脱イオン手段IIIBは循環通水とし、脱イオン手段IIIAの通水は継続する。脱イオン手段 IIIAでは、比抵抗計C1Aの比抵抗が下がっても、最後段のイオン交換樹脂塔18Aで脱イオン処理を行うことができるため、脱イオン水の水質の低下の問題はない。脱イオン手段IIIBの循環通水で、脱イオン手段IIIBの処理水の水質が十分に上った後、脱イオン手段IIIAへの前処理水の通水を停止して、脱イオン手段IIIBに前処理水を通水すると共に、脱イオン手段 IIIAのイオン交換樹脂塔15A〜18Aの再生又は交換を行う。なお、脱イオン手段IIIBの立ち上げ運転のための循環水は、配管102より原水槽1に送給する。
【0051】
脱イオン手段 IIIBにおいて処理を行うことにより、被処理計C1Bの比抵抗が所定値を下回った場合には、上記と同様に脱イオン手段 IIIAの通水を開始して、脱イオン手段 IIIAの立ち上げを行い、処理水の純度を高める。このとき、脱イオン手段 IIIAは循環通水とし、脱イオン手段IIIBの通水は継続する。脱イオン手段IIIBでは、最後段のイオン交換樹脂充填塔18Bで脱イオン処理を行うことができるため、脱イオン水の水質の低下の問題はない。脱イオン手段IIIAの循環通水で、脱イオン手段IIIAの処理水の水質が十分に上った後、脱イオン手段 IIIBへの前処理水の通水を停止して、脱イオン手段IIIAに前処理水を通水すると共に、脱イオン手段IIIBのイオン交換樹脂充填塔15B〜18Bの再生又は交換を行う。なお、脱イオン手段IIIAの立ち上げ運転のための循環水は配管102より原水槽1に送給する。以降、同様にして脱イオン手段IIIAとIIIBとで通水を切り換える。
【0052】
このような流路の切り換えは、バルブの開閉により行うことができる。
このように最後段のイオン交換樹脂塔18A,18Bの被処理水の比抵抗に基いて、流路切り換えを行うようにすることにより、イオンブレーク予知後、切り換え準備時間を確保して安定な運転を継続することができる。
【0053】
なお、脱イオン手段としては混床式イオン交換樹脂充填塔の他、逆浸透膜分離装置や電気脱イオン装置を用いることもできる。
【0054】
また、合流水の比抵抗測定手段としては、比抵抗計の他、導電率計であっても良い。
【0055】
また、弁108Vとしては、電気信号により開度が0〜100%に調節できる流量調節弁を用いることができ、制御手段としては、比抵抗の測定値に基いて弁開度を出力するPID制御装置や、内部に比抵抗値と弁開度の設定テーブルを保存させ、入力させた比抵抗の測定値から、このテーブルに基いて弁開度を決定して出力するシーケンサ等を採用することができる。
【0056】
配管110の脱イオン水と非脱イオン水との合流水は、比抵抗が所定値に調整された水であるが、炭酸ガスを溶解させることにより比抵抗をより一層安定化させることができ、また、この比抵抗調整水を缶検査用水として使用するためには、殺菌が必要であるため、この合流水は次いで炭酸ガス溶解・殺菌工程IVへ送給する。
【0057】
即ち、合流水の一部は配管111より炭酸ガス溶解槽4に送給され、一部は配管113よりUV殺菌装置6に送給される。なお、UV殺菌装置6の処理水のうちの一部は配管115よりオゾン溶解槽5へ送給される(なお、配管114は、UV殺菌装置6及びオゾン溶解槽5のメンテナンス時のバイパス配管である。)。
【0058】
炭酸ガス溶解槽4は、炭酸ガスボンベ7A,7Bから炭酸ガスが供給されるものであり、槽内の水温を測定する温度計T2と、槽内の水位を検出する液位計L2と撹拌機Mと圧力調整用の減圧弁7Vとを備える。そして、温度計T2の測定値に基いて図示しないヒーターで槽内の水温が一定に維持され、また、液位計L2に基く炭酸ガス溶解槽4の入口弁4Vの開度調整で、槽内の水位が一定に維持される。更に減圧弁7Vにより槽内圧力が一定に調整される。
【0059】
更に、撹拌機Mにより槽内液は均一に撹拌される。この撹拌機Mは、外部に設置された回転装置により、槽内の撹拌棒を磁力で回転させるものである。
【0060】
このように、炭酸ガス溶解槽4の水温、水位、圧力を一定に調整すると共に、槽内を均一に撹拌することにより、炭酸ガス溶解濃度を一定にすることができ、比抵抗調整水の比抵抗値をより一層安定化させることができる。
【0061】
なお、オゾンを水に溶解させると水中の炭酸イオンが炭酸ガスに変換されて水の比抵抗が上がるため、炭酸ガス溶解槽4の炭酸ガス溶解水はオゾン溶解槽5へは送給せず、配管116よりオゾン溶解後の水と合流させる。オゾン溶解後の水に混合した場合には、溶解したオゾンは殺菌に使用され、殆ど残留していないため、比抵抗が変化することはない。
【0062】
なお、この配管116に設けられたポンプ4Pは、比抵抗調整水の比抵抗微調整のために、比抵抗計C2に連動しており、比抵抗計C2の測定値に基いて炭酸ガス溶解水の注入量を制御するように構成されている。
【0063】
なお、図示の装置では、脱イオン工程IIIからの脱イオン水と非脱イオン水の合流水の配管110に設けた比抵抗計C2で、脱イオン水と非脱イオン水との流量制御(以下、「第1の調整手段」と称す場合がある。)及び炭酸ガスの溶解量(炭酸ガス溶解水の注入量)の制御(以下「第2の調整手段」と称す場合がある。)により比抵抗を制御するが、炭酸ガスの溶解量の制御の方が、脱イオン水と非脱イオン水の流量調整よりも比抵抗の微少な調整を行い易いことから、脱イオン水と非脱イオン水の流量制御による第1の調整手段で比抵抗を荒調整し、炭酸ガスの溶解量を制御する第2の調整手段で比抵抗を微調整することが、脱イオン手段の効率向上、比抵抗の安定化の面で好ましい。
【0064】
また、この場合、脱イオン水と非脱イオン水との合流水を2系統に分流させ、一方の系統において炭酸ガスを溶解させるのが、調整精度をより一層向上させる上で好ましい。
【0065】
なお、第1の調整手段による流量制御及び第2の調整手段による炭酸ガス溶解量制御は、図に示した比抵抗計C2に基づく調整であっても、第2の調整手段の流出水の比抵抗を測定する比抵抗計に基づく調整であっても良いが、第1の調整手段による流量制御も第2の調整手段による炭酸ガス溶解量制御も、図示の比抵抗計C2に基づいて行う方が処理水の比抵抗値変動への追随性が良くなるため好ましい。
【0066】
UV殺菌装置6の処理水及びオゾン溶解槽5の処理水は、それぞれ配管117,118より炭酸ガス溶解水と合流する。
【0067】
この合流水(第2の合流水)は、次いで配管119より、処理水調整・給水・検査工程Vの調整槽3に送給される。
【0068】
この調整槽3は必ずしも必要とされず、配管119中にて炭酸ガス溶解水、オゾン溶解水、UV殺菌処理水等を混合しても良く、また、この配管にラインミキサーを設けてこれらの水を混合しても良いが、図示の如く、調整槽3を設けて合流水を一旦貯留することにより、比抵抗をより一層安定化させることができる。なお、調整槽3を設ける場合であっても配管119上にラインミキサーを設けても良い。
【0069】
この調整槽3の比抵抗調整・殺菌水(以下、単に「処理水」と称す。)は、配管120より調圧タンク8に送給される。
【0070】
この配管120には、流量計Fと比抵抗計C3とが設けられており、前述の如く、この流量計Fの計測値に基いて原水ポンプ1A,1Bが制御される。また、比抵抗計C3の測定値または比抵抗調整水を使用する機器からの要求信号に基いて配管120に設けられた弁120Vと処理水を原水貯槽1に返送する配管103に設けられた弁103Vの開閉が制御される。このように、処理水の比抵抗値と比抵抗調整水を使用する機器からの要求信号に基いて、返送と供給とを切替制御することにより、異常比抵抗水の供給阻止と使用機器からの要求時即座に所望の比抵抗調整水を供給することができ、また、要求無き時は循環することにより、一定比抵抗値を保つことができる。
【0071】
配管120の処理水は、一部は配管121より直接受槽2に送給され、残部が配管122より調圧タンク8に送給される。調圧タンク8には水位計L3が設けられており、この水位計L3の測定結果に基いて、タンク内の水位が一定となるように、配管121の弁121Vの開閉が制御される。
【0072】
また、調圧タンク8には、処理水を空気に触れさせないための封入ガスとしての窒素ガスが窒素ガスボンベ9A,9Bより供給され、この供給配管にはこの供給圧力が一定となるように、減圧弁9V及び圧力計P8が設けられている。
【0073】
このようにして調圧タンク8内の水位及び圧力を一定とすることにより、処理水の比抵抗をより一層安定化させることができる。
【0074】
調圧タンク8の処理水は、配管123より缶検査機10に送給され、缶の不良検査に使用される。使用済水は配管124より受槽2に回収される。
【0075】
受槽2に回収された配管121からの処理水を含む使用済水は、ポンプ2Aにより配管101を経て原水貯槽1に返送される。
【0076】
なお、この受槽2の構成には特に制限はないが、空気が混入しないような構成とするのが好ましい。
【0077】
この装置によれば、缶検査工程の使用済水を回収して缶検査用水として好適な比抵抗調整・殺菌水を安定かつ連続的に製造することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、比抵抗値が所望の値に安定した比抵抗調整水を製造することができる装置であって、イオン交換樹脂等の脱イオン手段の利用効率が高く、装置の小型化、設備スペースの縮小を図ることができる比抵抗調整水製造装置と、この比抵抗調整水製造装置を用いた缶検査用水製造装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の比抵抗調整水製造装置及び缶検査用水製造装置の実施の形態を示す系統図である。
【図2】 図1の原水供給工程の詳細を示す系統図である。
【図3】 図1の前処理工程の詳細を示す系統図である。
【図4】 図1の脱イオン工程の詳細を示す系統図である。
【図5】 図1の炭酸ガス溶解・殺菌工程の詳細を示す系統図である。
【図6】 図1の処理水調整・給水・検査工程の詳細を示す系統図である。
【符号の説明】
I 原水供給工程
II 前処理工程
IIA,IIB 前処理手段
III 脱イオン工程
IIIA,IIIB 脱イオン手段
IV 炭酸ガス溶解・殺菌工程
V 処理水調整・給水・検査工程
1 原水貯槽
2 受槽
3 調整槽
4 炭酸ガス溶解槽
5 オゾン溶解槽
6 UV殺菌装置
8 調圧タンク
10 缶検査機
11A,11B 第1のフィルタ
12A,12B 第1の活性炭塔
13A,13B 第2の活性炭塔
14A,14B 第2のフィルタ
15A,15B,16A,16B,17A,17B,18A,18B 混床式イオン交換樹脂塔
Claims (7)
- 原水を脱イオン処理して所定の比抵抗の処理水を製造する比抵抗調整水製造装置において、
原水を脱イオン処理して脱イオン水とする脱イオン手段と、
該脱イオン手段を迂回して原水を該脱イオン水に合流させて合流水とするバイパスラインと、
該バイパスライン又は脱イオン手段の流量を調節する流量調節手段と、
前記合流水の比抵抗が予め設定した値になるように、該流量調節手段を制御する制御手段と、
前記合流水(第1の合流水)に炭酸ガスを溶解させる炭酸ガス溶解手段を備え、
前記炭酸ガス溶解手段が、前記合流水(第1の合流水)を2系統に分流させ、一方の系統において炭酸ガスを溶解させ、その後他方の系統と合流させて第2の合流水とする手段であり、該他方の系統に殺菌手段を備えたことを特徴とする比抵抗調整水製造装置。 - 請求項1において、前記脱イオン手段が2以上の直列に配置したイオン交換樹脂充填塔を備えており、
最終段のイオン交換樹脂充填塔前の被処理水の比抵抗が所定値以下になった場合に該脱イオン手段への原水導入を停止する手段を備えたことを特徴とする比抵抗調整水製造装置。 - 請求項1又は2において、所定の比抵抗とされた処理水の流量を検出する手段と、
この流量が所定流量となるように原水の供給量を制御する手段とを備えたことを特徴とする比抵抗調整水製造装置。 - 請求項3において、所定の比抵抗とされた処理水が導入可能な調圧タンクと、該調圧タンク内へ窒素などの不活性ガスを一定圧力にて導入する不活性ガス導入手段とを備えており、
且つ、該調圧タンク内の水位が一定となるように該処理水を該調圧タンク内に導入する手段を備えたことを特徴とする比抵抗調整水製造装置。 - 請求項1ないし4のいずれか1項において、該比抵抗調整水製造装置に供給する原水が貯留される原水貯槽が設けられており、
該原水貯槽には、少なくとも、ユースポイントからの使用済水と、補給される純水とが導入されることを特徴とする比抵抗調整水製造装置。 - 請求項1ないし5のいずれか1項において、該脱イオン手段の前段に、第1のフィルタと、活性炭充填塔と、該第1のフィルタよりも微細な微粒子を除去する第2のフィルタとがこの順に接続された前処理手段を備えることを特徴とする比抵抗調整水製造装置。
- 請求項1ないし6のいずれか1項の比抵抗調整水製造装置よりなる缶検査用水製造装置。
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