JP4695932B2 - 金型洗浄装置および金型洗浄方法 - Google Patents
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例えば、樹脂製品やゴム製品は金属製品やガラス製品と比較すると、強度、耐熱性、耐油性、耐摩耗性が乏しいとされてきたが、樹脂製品やゴム製品の改質により上記物性が付与され、耐熱性、耐油性が要求される自動車のボンネットの中に取り付けるデイストリビュータのケースも金属製品から樹脂製品へと代わっている。
また、超精密成形技術の進歩により、テレビの画面やレンズもガラスから樹脂に変わっている。金型による射出成型で超精密部品、例えば、フラットパネルディスプレイの導光板、携帯電話の超小型精密カメラ用のレンズ、ゴーグルのレンズ、歯車、コネクタ等も樹脂成形で大量生産されている。
この洗浄装置は電解洗浄と超音波洗浄とを併用して金型の洗浄を短時間で効率良く行うことができる利点を有するものである。図14中において、1は洗浄槽、2は洗浄槽内に着脱自在に挿入する金型保持カゴ、3は洗浄槽内に吊り下げるプラス側電極であり、マイナス極側となる上記金型保持カゴ2内に保持された金型5との間に電流を流すと共に、洗浄槽1の底面に取り付けた超音波振動子4により洗浄槽内の電解洗浄液に超音波振動を発生させ、よって、電解洗浄と超音波洗浄とを併用して、金型5の洗浄を行っている。
前記したように、電解洗浄槽から水洗槽へ、水洗槽から乾燥槽へと順次洗浄した金型を移送すると、移送過程で金型表面の水滴に空気中の塵埃が吸着され、これら乾燥後にウオターマークとしなりやすい問題がある。
かつ、近時はフラットパネルディスプレイの導光板等の超精密成形部品が急増している。これらの超小型精密部品の金型では凹凸も微細になり、前記槽間の移送時に振動等により金型に損傷が発生する恐れもある。
前記洗浄槽内に供給される電解洗浄液内に浸漬させる電解洗浄用の電極と、
前記洗浄槽内に挿入する金型と接触させ、前記電極と電解洗浄液および金型を介して通電させて電解洗浄を行わせる給電手段と、
前記洗浄槽の上面開口を閉鎖する蓋と、
前記金型の電解洗浄後に洗浄槽内から電解洗浄液を排出する手段と、
前記洗浄槽内の洗浄後の金型の水洗用として水洗水を給排する手段と、
前記洗浄槽内の水洗後の金型の乾燥用として清浄空気、真空あるいは不活性ガスからなる気体を給排する手段と、
を備えていることを特徴とする一槽式の金型洗浄装置を提供している。
また、1つの槽内で本洗浄、水洗、乾燥を行うと、洗浄時間の短縮が図れると共に洗浄装置の設置スペースを大きくとらない。
さらに、本発明では、洗浄槽の上面開口を蓋で覆った状態で洗浄を行う密閉式としているため、洗浄時に空気中の塵埃が微細な金型表面に付着するのを防止でき、かつ、蓋で密閉していることから作業員の安全性を高めることができる。
さらにまた、電解洗浄時、水洗時および乾燥時のいずれも洗浄液、水洗水、乾燥用ガスを常温以上100℃以下として洗浄能力、乾燥能力を高めることが好ましいため、蓋で密閉することで温度制御ができ、洗浄、水洗、乾燥を行うことができる。
特に、本発明では、水洗後の金型に付着した水を、払拭せずに、清浄空気、真空あるいは不活性ガスを吹き付けて乾燥しているため、払拭時に生じる恐れがあるミクロ的な異物の付着も確実に防止できる。
前記乾燥用の気体の給排手段として、前記清浄空気発生手段、真空発生手段、あるいは不活性ガスのボンべと、これらを前記洗浄槽との間に介設する乾燥気体供給用配管を備え、
さらに、前記水洗水を所要温度に加熱するヒータと、前記記清浄空気、あるいは不活性ガスを所要温度に加熱するヒータを備えていることが好ましい。
なお、一次水洗水および二次水洗水を噴射ノズルを用いて金型に噴射する方式に替えて、一次水洗水、二次水洗水を洗浄槽内に貯留し、この一次水洗水、二次水洗水中に金型を浸漬させることで洗浄水を洗い落としてもよい。また、其の際、一次水洗水、二次水洗水をオーバーフローさせて流水とし、あるいは洗浄槽中で撹拌させてバブリングしても水洗能力を高めることができる。
前記一次水洗用タンクと二次水洗用タンクに夫々接続する分岐管を合流させて前記洗浄槽の上面開口へと延在させ、該洗浄槽に一次水洗水および二次水洗水を供給する供給側配管と、
使用済み一次水洗水を洗浄槽から排出する排出管と、
使用済み二次水洗水を一次水洗用水タンクヘ送給する循環管とからなり、
前記一次水洗用タンクと接続される供給側配管の分岐管に低圧ポンプを介設すると共に前記二次水洗用タンクと接続される供給側配管の分岐管に高圧ポンプを介設し、
前記噴射ノズルは一次水洗水を低圧噴射すると共に二次水洗水を高圧噴射する構成としている。
また、使用済み一次水洗水も前記排水管を通して排水タンクに溜め、該排水タンクに蒸留器を接続して、使用済みの一次水洗水を該蒸留器で蒸発させると共に清浄水として取得できる構成とすることが、排水処理上で好ましい。
前記蒸留器は一次水洗水の汚れが酷い場合には、複数の蒸留器を直列配置して蒸留精度を挙げている。また、使用済みの一次水洗水が多い場合には複数の蒸留器は並列配置して一度に複数の蒸留器で処理できるようにすることが好ましい。
前記排水浄化用の蒸留器は本装置内に付設してもよいし、排水管を介して別置きしてもよい。
前記噴射ノズルは、前記洗浄槽の周壁内面の上側と下側とに配置して金型に上方から水洗水を噴射する第1噴射ノズルと、金型に下方から上向きに水洗水を噴射する第2噴射ノズルとしていることが好ましい。
この洗浄槽内面および電極の水洗は、電解洗浄による本洗浄後で、金型に対する水洗の前に行うことが好ましい。これにより、電極や洗浄槽の内面に付着している電解洗浄液が水洗した金型に垂れ落ちて付着することを防止できる。
該超音波洗浄は、洗浄槽の底面に超音波発生装置を付設し、超音波振動子を2種類以上の周波数に切り替えて超音波を発生させることが好ましい。このように、超音波振動を一定の周波数とせずに、異なる周波数、例えば34KHzと44KHzとに切り替えて交互の超音波振動を発生させると、電解洗浄液に適宜な撹拌作用を発生させることができ、洗浄力を高めることができる。超音波に変えて、30KHz〜100KHzの単波を用いてもよい。
洗浄する金型がフラットパネルディスプレイの導光板、超小型精密なレンズ、自動車のレフレクター等の超整密な成形品用で、金型がニッケル金型である場合、超音波の周波数は30KHz〜100KHz、好ましくは40〜70KHzの範囲が好適である。
前記循環用ポンプ、開閉弁、さらに、前記低圧ポンプ、高圧ポンプ、ヒータ、電極と保持手段への給電、さらに前記超音波発生手段の動作を自動制御するコントローラを付設していることが好ましい。
即ち、電解洗浄による本洗浄時に洗浄槽内の電解液中に浸漬する電極は、蓋側に取り付けて垂下させていることが好ましい。なお、洗浄側の周壁の上端面に係止して電極を取り付けても良いが、其の場合、蓋を被せると隙間が発生しやすくなるため、蓋側に取り付けることが好ましい。
具体的には、蓋は透明材から形成し、該蓋に複数の電極支持棒を貫通させる貫通穴を間隔をあけて設け、該蓋の上部に給電用金属板からなる電極支持棒固定板を配置し、該電極支持棒固定板を前記蓋の両側部に高さ調節可能に取り付けている。該電極支持棒固定板に対して各電極支持棒も高さ調節可能に取り付け、垂下する電極支持棒を前記蓋の貫通穴に通して洗浄槽中に垂下するように突出させている。
このように、複数の電極支持棒を一体的に高さ調節可能とすると共に個別に高さ調節可能としている。
さらに、電極支持棒の高さ測定用のスケールも蓋側に取り付け、洗浄槽中での電極の高さを外部から正確に測定できるようにしている。
なお、電極を下端に取り付ける電極支持棒は必ずしも蓋に取り付ける必要はなく、洗浄槽の周壁上端面に給電板を装架して、該給電板から電極支持棒を洗浄槽中に垂下してもよい。かつ、該電極支持棒を取り付けた給電板を水洗いおよび乾燥時に、金型上方の洗浄槽の中央部から周壁の一辺側に移動させる構成としてもよい。
さらに、前記蓋には吸気用のダクトを取り付け、密閉空間から空気を吸引すると共に、水洗水の噴射時に噴射されて飛散したミストを吸引して洗浄槽内に跳ね返らないようにすることが好ましい。
前記蓋の形状は、洗浄槽の上面開口を閉鎖できればよく、平板形状、ドーム形状等の任意の形状でよい。
前記金属の被覆はメッキ、爆着、圧着、連続スポット溶接等により行われる。
該保持手段の底壁上には小型金型であれば複数個数載置され、大型金型であれば1個載置される。また、導光板用金型等の大型金型の場合には、該金型を傾斜保持できる機構を保持手段に設けていることが好ましい。さらにまた、前記洗浄槽内に挿入する金型を把持して、反転、揺動等をできる機構を設けることが好ましい。
また、洗浄槽内に保持カゴで保持せずに金型を直接投入して、洗浄槽の底壁内面に配置する前記導電板と接触させる場合には、洗浄槽自体に金型を所要姿勢で保持できる手段を設けることが好ましい。
前記有機窒素として、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンベキサミンから選択されるエチレンジアミン類を用い、
前記キレート剤として、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸ナトリウム塩、ニトリロトリセテック酸ー3ナトリウム(NTA・3Na)、ジカルボキシメチル−グルタミック酸テトラソジウムー4ナトリウム(GLDA・4Na)を用いることが好ましい。
また、前記ノニオン系、カチオン系、アニオン系の界面活性剤から選択される1以上の界面活性剤も配合する場合は、1〜3cc/リットル配合していることが好ましい。
前記配合量は、本発明者が実験を繰り返して知見したものである。
さらに、本洗浄液には水を配合しているが、該水としては、水道水を精製手段を通して不純物を除去した水を配合していることが好ましい。
前記精製手段として、蒸留、イオン交換あるいは/および濾過法を採用した精製手段を用いられる。
即ち、前記洗浄槽からオーバーフローする電解洗浄液の回収槽を付設し、該回収槽にオーバーフロー液中の金属イオン吸着用の電極板を配置し、あるいは、
前記洗浄槽内または電解洗浄液用タンク内に、電解洗浄液中の金属イオンを吸着する電極板を配置している。
前記電極板には金型電解洗浄用として給電する電圧以下の低電圧を給電することが好ましい。また、前記金属イオンの回収機構は電解洗浄用として使用する前記マイナス側電極と同一材あるいは鉄、ステンレス等からプラス側給電板とマイナス側給電板とを形成して電解洗浄液中に対向配置で垂設し、マイナス側電極板に金属イオンを吸着させて洗浄液中の金属イオンを回収している。
前記金属イオン回収用の電極板は、前記洗浄槽から電解洗浄液をオーバーフローさせる前記回収槽中に取り付けても良いし、前記洗浄槽内あるいは電解洗浄液用タンク内に配置してもよい。この金属イオンの回収作業は、洗浄作業中、洗浄停止中、液温管理中等の各好適中のどの工程中に行っても良い。
さらに、本発明の金型洗浄装置は、フラットパネルディスプレイの導光板の射出成型用金型、レンズの射出成型用の金型、車両用レフレクターの射出成型用の金型の洗浄用として用いることが好ましい。
更にまた、本発明の金型洗浄装置は、水洗後に払拭せずに乾燥のみを行う鏡面金型の洗浄用として用いることが好ましい。
前記した一槽式の金型洗浄装置を用いて行う金型洗浄方法であって、
前記洗浄槽内に前記給電手段と接触させて金型を挿入すると共に電解洗浄液を供給し、
洗浄槽に前記蓋でカバーした状態で電解洗浄を行い、
電解洗浄後に電解洗浄液を排出し、
前記一次水洗水を洗浄槽内の電解洗浄後の金型に供給して一次水洗いを行い、
前記使用後の一次水洗水を洗浄槽から排出し、
前記二次水洗水を洗浄槽内の一次水洗後の金型に供給して二次水洗いを行い、
前記使用後の二次水洗水を洗浄槽から排出して前記一次水洗用タンクに循環させ、
清浄空気、真空あるいは不活性ガスを洗浄槽内の二次水洗後の金型に吹き付けて乾燥させている金型洗浄方法を提供している。
一次水洗いは一次水洗水を低圧で金型に噴射し、
前記二次水洗いは二次水洗水を高圧で金型に噴射する方法が好適に用いられる。
前記電解洗浄液の排出後で、前記一次水洗水を噴射する前に、
前記洗浄槽の内面および電極を洗浄するため前記一次水洗水を噴射し、該一次水洗水の噴射後に二次水洗水を噴射することが好ましい。
前記不活性ガスを常温から80℃間で調節して、前記洗浄槽に供給していることが好ましい。
このように、水洗水や乾燥用の不活性ガスを供給していくと酸素を追い出すことができ、金型が鉄系の場合には、錆びの発生を押さえることができる。
前記電解洗浄液を約30℃〜60℃に加熱していることが好ましい。
さらに、前記電解洗浄時に超音波洗浄を併用し、超音波周波数を30KHz〜100KHzの範囲としていることが好ましい。
さらに、電解洗浄用の電極に印加する電圧を2〜5Vの範囲としていることが好ましい。
図1乃至図7は第一実施形態を示す。
金型洗浄装置100は図1に示すように、ボックス形状のケース10の内部に、図2に示すように1つの洗浄槽11を備え、該1つの洗浄槽11を蓋50で密閉した状態で電解洗浄液を用いた電解洗浄と超音波洗浄とを併用した本洗浄を行い、続いて、該洗浄槽11で2度の水洗いを行い、最後にガスを用いた乾燥を行う構成としている。また、該金型洗浄装置100にはコントローラ85を付設して、該コントローラ85に取り付けたスイッチを押して設定しておくだけで、全自動で本洗浄→水洗→乾燥が行えるようにし、かつ、ケース10の下端にキャスターを備えて移動可能としている。
図2に示すように、ケース10の一半側の上部に洗浄槽11を設置し、洗浄槽11の下部に電解洗浄液用タンク12を設置し、洗浄槽11の底面に排水口11aと電解洗浄液用タンク12とは流路切替13および濾過装置14を介設した排水管15を介して接続している。また、該電解洗浄用タンク12から洗浄槽11の上面に配置する電解洗浄液供給用の配管16との間にはポンプ17を介設している。前記電解洗浄液用タンク12の内部にはヒータ18を配置して、電解洗浄液を所要温度に加熱できるようにしている。
洗浄槽11には周壁内面の上部より第1噴射ノズル27、下部より第2噴射ノズル28、対向する周壁内面より第3噴射ノズル29を突出させ、これら第1〜第3噴射ノズル27〜29を前記水洗水供給管25の分岐管25a、25b、25cの先端に取り付けている。
さらに、前記排水管15から分岐した二次水洗水排水管38を前記流路切替弁13およびポンプ40を介して前記一次水洗用タンク20に接続し、使用済みの二次水洗水を一次水洗用タンク20内に戻して、再利用する構成としている。
蓋50にはブロア300の吸気側に接続されたダクト301を接続し、蓋50により密閉された空間から吸気を図るようにしている。
具体的には、蓋50に間隔をあけて電極支持棒貫通の貫通穴50bを設け、各貫通穴50bの導電性を有する電極支持棒60をブッシュ61を介して密嵌状態に貫通させ、該電極支持棒60の下端に夫々円板形状の電極55を取り付けている。
前記電極支持棒60の上端は、蓋50の上方に間隔をあけて配置する給電用金属板62に設けた貫通穴に通し、ナット63で高さ調節自在に固定している。該給電用金属板62は、その左右両端からの突設部62bを、蓋50の左右両側に設けた給電板64から突設した支持棒65に蝶ネジ66で高さ調節自在に固定している。該構成とすることで複数本(本実施形態では8本)の電極55の高さを一括して調節できると共にそれぞれ独立して高さ調節できる構成としている。
さらに、前記支持棒65の上端に連結棒67を架け渡し、該連結棒67にスケール68の上端を固定し、該スケール68を給電用金属板62および蓋50に設けた貫通穴を通して垂下させ、洗浄槽11中での電極55の高さを外部から測定できるようにしている。
そのさい、配合量は、強アルカリ成分を30〜100g/リットル、EDTA4ナトリウム塩を30〜100g/リットル、グルコン酸ナトリウムを10〜60g/リットル、前記酸化物除去成分を30〜150g/リットル、前記ノニオン系、カチオン系、アニオン系の界面活性剤から選択される1以上の界面活性剤を1〜3cc/リットルとし、残りを純水として、配合している。
前記洗浄液Q1は前記ヒータ18で30〜60℃に加熱して洗浄槽11内に供給される。
洗浄される金型90は、フラットデイスプレイの導光板用金型としており、まず、該金型90を保持カゴ75に載置する。
金型90を保持した保持カゴ75を洗浄槽11内に配置する。この状態で、蓋50側に取り付けた電極55が、蓋50を洗浄槽11の上面を覆うよに閉じた状態で、電極55が金型90、保持カゴ75に接触しないように電極55の高さ調節を行う。
供給後に、コントローラ85で洗浄時間、水洗時間、乾燥時間等の各種設定を行い、ついで、スタートスイッチ85aをオンして洗浄を開始する。
本洗浄装置では、電解方式と超音波方式の洗浄方法を併用しているため、超音波方式の洗浄で金型90の外部より樹脂カス等の付着物に振動を与えて付着物を破壊すると共に、電解洗浄で金属製の金型表面より発生する水素ガスにより金型90から付着物を浮き上がらせ、付着物を金型90より剥離して除去する。かつ、其の際、洗浄液Q1を所要加熱しているため、強い洗浄力を発揮させることができる。
該金型90の水洗いは、前記洗浄槽11および電極55の水洗いと同様に、まず、一次水洗水を低圧で噴射し、次ぎに二次水洗水を高圧で噴射して行う。
其の際、使用済みの一次水洗水は排水タンク35に溜める一方、使用済みの二次水洗水は一次水洗用タンク20に戻して、再利用している。
なお、洗浄槽の底面に配置したシリンダ(図示せず)を配置し、電解洗浄中にはシリンダを作動させずに、保持カゴの底面を水平に保持しておき、水洗および乾燥時に前記シリンダを上昇させて保持カゴを傾斜させてもよい。さらに、シリンダの昇降を繰り返して、傾斜姿勢と水平姿勢とを交互に繰り返すように揺動させてもよい。
さらに、洗浄槽の底面にモータで回転駆動される回転板を配置し、該回転板上に保持カゴを載置し、水洗時および乾燥時に回転板で保持カゴを回転させてもよい。
なお、保持カゴで保持せずに金型を洗浄槽内に直接挿入する場合には、金型を所要姿勢で保持するガイド台を洗浄槽内に着脱自在に挿入配置することが好ましい。洗浄装置を特定の金型専用の洗浄装置とする場合には、該金型に適した形状のガイド台を洗浄槽内に一体的に設けておいてもよい。
(B)は排水される使用済みの一次水洗水が多い場合に、並列させた複数の蒸留器251に分散させて通して、清浄な蒸留水を得るようにしている。
勿論、並設させた蒸留器にそれぞれ複数の蒸留器を直列接続してもよい。
該構成とすることにより、電解洗浄液Q1に含まれる金属イオンをマイナス側の電極板292Bに吸着して回収している。
また、フラットディスプレイの導光板等の精密成形品を成形するためのニッケル金型の洗浄に用いた場合において、高精度の洗浄能力を発揮できるものである。よって、高度化する精密品、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、スパーマルチドライブRAM、HDDVDピックアップレンズ、ブルーレイディスクピックアップレンズ、液状デイスプレイホログラム・プリズム、デジタルカメラ液状ホログラム・プリズム、携帯電話CCDカメラレンズ、各種導光板等を成形するための精密部品成形用金型の洗浄に好適に用いることができる。
11 洗浄槽
12 電解洗浄水用タンク
20 一次水洗用タンク
21 二次水洗用タンク
27〜29 噴射ノズル
30 低圧ポンプ
31 高圧ポンプ
35 排水タンク
42 アルゴンガスボンペ
50 蓋
55 電極
Claims (7)
- 金型の電解洗浄、水洗、乾燥を順次連続的に行う1つの洗浄槽と、
前記洗浄槽内に供給される電解洗浄液内に浸漬させる電解洗浄用の電極と、
前記洗浄槽内に挿入する金型と接触させ、前記電極と電解洗浄液および金型を介して通電させて電解洗浄を行わせる給電手段と、
前記洗浄槽の上面開口を閉鎖する蓋と、
前記金型の電解洗浄後に洗浄槽内から電解洗浄液を排出する手段と、
前記洗浄槽内の洗浄後の金型の水洗用として水洗水を給排する手段と、
前記洗浄槽内の水洗後の金型の乾燥用として清浄空気、真空あるいは不活性ガスからなる気体を給排する手段と、
を備えていることを特徴とする一槽式の金型洗浄装置。 - 前記水洗水の給排手段として、電解洗浄液用タンクと、該電解洗浄液用タンクと前記洗浄槽との間に介設される電解洗浄液給排用配管と、一次水洗水による水洗用の一次水洗用水タンクおよび二次水洗水による水洗用の二次水洗用水タンクと、これら一次水洗用水タンクおよび二次水洗用水タンクと前記洗浄槽との間に介設される水洗水給排用配管と、前記水洗水を電解洗浄槽内に噴射する噴射ノズルを備え、
前記乾燥用の気体の給排手段として、前記清浄空気発生手段、真空発生手段、あるいは不活性ガスのボンべと、これらを前記洗浄槽との間に介設する乾燥気体供給用配管を備え、
さらに、前記水洗水を所要温度に加熱するヒータと、前記清浄空気、あるいは不活性ガスを所要温度に加熱するヒータを備えている請求項1に記載の一槽式の金型洗浄装置。 - 前記一次水洗用タンクと二次水洗用タンクに接続した前記供給側配管は、前記洗浄槽側で分岐し、各分岐管の先端に夫々噴射ノズルを取り付け、
前記噴射ノズルは、前記洗浄槽の周壁内面の上側と下側とに配置して金型に上方から水洗水を噴射する第1噴射ノズルと、金型に下方から上向きに水洗水を噴射する第2噴射ノズルからなる請求項2に記載の一槽式の金型洗浄装置。 - 前記蓋に前記電解洗浄用の電極を取り付けている請求項1乃至請求項3のいずれか1項の記載の一槽式の金型洗浄装置。
- 前記洗浄槽の内部に、金型を傾斜姿勢等の所要の姿勢で保持できる機構を、揺動、回転可能に設けている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の一槽式の金型洗浄装置。
- 請求項2又は3に記載の一槽式の金型洗浄装置で行う金型洗浄方法であって、
前記洗浄槽内に前記給電手段と接触させて金型を挿入すると共に電解洗浄液を供給し、
洗浄槽に前記蓋でカバーした状態で電解洗浄を行い、
電解洗浄後に電解洗浄液を排出し、
前記一次水洗水を洗浄槽内の電解洗浄後の金型に供給して一次水洗いを行い、
前記使用後の一次水洗水を洗浄槽から排出し、
前記二次水洗水を洗浄槽内の一次水洗後の金型に供給して二次水洗いを行い、
前記使用後の二次水洗水を洗浄槽から排出して前記一次水洗用タンクに循環させ、
清浄空気、真空あるいは不活性ガスを洗浄槽内の二次水洗後の金型に吹き付けて乾燥させている金型洗浄方法。 - 前記一次水洗水および二次水洗水を常温から80℃の範囲で調節して、前記洗浄槽に供給している請求項6に記載の金型洗浄方法。
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